JP2003260332A - 排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装置 - Google Patents

排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装置

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JP2003260332A
JP2003260332A JP2002067755A JP2002067755A JP2003260332A JP 2003260332 A JP2003260332 A JP 2003260332A JP 2002067755 A JP2002067755 A JP 2002067755A JP 2002067755 A JP2002067755 A JP 2002067755A JP 2003260332 A JP2003260332 A JP 2003260332A
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JP
Japan
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reducing agent
agent composition
exhaust gas
container
ammonia
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JP2002067755A
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English (en)
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Shuichi Sugawara
秀一 菅原
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Santoku Chemical Industries Co Ltd
Mitsui and Co Ltd
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Santoku Chemical Industries Co Ltd
Mitsui and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1に、高濃度の還元剤組成物を供給するの
で、脱硝効率に優れ、第2に、過剰な水による弊害が削
減され、第3に、高濃度の還元剤組成物を、安定的,連
続的に供給でき、第4に、これらが簡単容易に実現さ
れ、第5に、運転開始時等にも脱硝が行われ、第6に、
多量,過剰な還元剤組成物を供給する弊害も防止され
る、排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装置を提案
する。 【解決手段】 この供給装置11は、高濃度の尿素を主
成分とし炭酸アンモニウム等を副成分とした水溶液を結
晶化,凝固させた還元剤組成物6と、還元剤組成物6を
収納する容器12と、還元剤組成物6を内部加熱,融
解,液化するマイクロ波照射装置13とを有し、融解,
液化した還元剤組成物6が、アンモニアガスを発生して
排気ガス2中の窒素酸化物を還元,除去する。センサー
17で窒素酸化物の濃度を検出して、供給用ポンプ16
の駆動を制御する事も考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排煙脱硝用の還元
剤組成物の簡易型供給装置に関する。すなわち、排気ガ
ス中の窒素酸化物の還元,除去用の還元剤組成物の供給
装置であって、例えばディーゼルエンジン車に車載され
る、簡易型のものに関する。
【0002】
【従来の技術】《技術背景》例えばディーゼルエンジン
の排気ガス中には、窒素酸化物NOxが含有されてお
り、そのまま外気に排出すると有害であり、その除去が
重要なテーマとなっている。そこで、従来より各種の乾
式の排煙脱硝技術、つまり触媒存在下で還元剤を使用し
て、排気ガス中から窒素酸化物NOxを窒素Nに還元,
除去するSCR脱硝(本明細書中では、以下単に排煙脱
硝又は脱硝と言う)技術が、開発,使用されており、還
元剤としてはアンモニアNHが用いられることが多
い。この還元剤としては、アンモニアNH自体が最も
直接的であるが、発電関係等の大規模な脱硝を除き通常
の中小規模の脱硝では、アンモニアNH(アンモニア
水)をボンベで取り扱わねばならず、技術上,安全上,
法規制上の制約が多いので、従来より、加水分解等によ
りアンモニアNHを発生する還元剤組成物が多用され
ている。すなわち、還元剤組成物を窒素酸化物NOxを
含有した排気ガスに噴射し、もって還元剤たるアンモニ
アNH(アンモニアガス)を発生させて、窒素酸化物
NOxを還元,除去していた。
【0003】《従来技術》まず、この種の従来技術
として、32.5質量%の尿素CO(NHの水溶
液が、この種の排煙脱硝用の還元剤組成物として用いら
れており、このような組成の還元剤組成物を供給する供
給装置が、従来より広く使用されていた。例えば、特開
平9−150037号公報,特開平10−174841
号公報等を参照。尿素CO(NHは、他の物質に
比べアンモニアNHの発生能力に優れると共に、水へ
の溶解性が高く毒性等もなく取り扱い易い等、この種の
還元剤組成物として最適であり、最も多用されている。
そして従来技術として、尿素CO(NHと水と
の共晶組成(共融組成)である、尿素CO(NH
が32.5質量%の水溶液が、アンモニアNHの発生
能力が比較的低いものの、この種の還元剤組成物として
広く用いられており、その凝固点は−12℃〜−13℃
である。すなわち、このような組成の尿素CO(N
の水溶液は、−12℃〜−13℃まで結晶化,
凝固せず液体である。脱硝用のこの種の還元剤組成物
は、常温下でタンクに貯蔵,保管され、供給管やポンプ
にて供給されて噴射される関係上、液体であることが必
須的であり、特に冬季における結晶化,凝固を回避する
取り扱い上の制約から、尿素CO(NHが32.
5質量%組成と比較的低濃度の水溶液が、従来多用され
ていた。従来技術で使用される還元剤組成物の供給装
置は、タンク,供給管,ポンプ,噴射ノズル等を備えて
なり、32.5質量%の尿素CO(NHの水溶液
よりなる還元剤組成物を、排気ガスに向けて供給してい
た。
【0004】《従来技術》次に、従来技術として、
32.5質量%を超え例えば40質量%の高濃度の尿素
CO(NHの水溶液も、この種の排煙脱硝用の還
元剤組成物として用いられており、このような組成の還
元剤組成物を供給する供給装置も使用されていた。例え
ば、特開平8−252429号公報を参照。すなわち、
このように水溶液の中の尿素CO(NHの濃度が
濃くなるほど、その凝固点が0℃を超えて上昇し取り扱
いに問題が生じやすい反面、還元剤たるアンモニアNH
の発生能力が一段と向上し、脱硝効率に優れている。
因に理論上、加水分解によりアンモニアNHを発生さ
せ反応式、CO(NH+HO→2NH+CO
において、1対1モル組成の尿素CO(NH
76.9質量%、水HOは23.1質量%である。そ
こで、ヒーター等の外部加熱手段を付設することによ
り、冷却を防止して、液体であることを確保し、常温下
特に冬季における結晶化,凝固を防止することを条件
に、つまり取り扱い性が確保されることを条件に、高濃
度の尿素CO(NHを組成とした還元剤組成物も
用いられていた。従来技術で使用される還元剤組成物
の供給装置は、タンク,外部加熱手段,ポンプ,噴射ノ
ズル等を備えてなり、32.5質量%超える高濃度の尿
素CO(NHの水溶液よりなる還元剤組成物を、
排気ガスに向けて供給していた。
【0005】《従来技術》更に、従来技術として、
尿素CO(NH以外の化合物やその水溶液を、こ
の種の排煙脱硝用の還元剤組成物として供給する、供給
装置も使用されることがあった。例えば、カルバミン酸
アンモニウムAmmonium carbamate(PUReM社製)
や、ビュレット(尿素ニ量体)や、アルコールを還元助
剤として併用したもの等々が、還元剤組成物として用い
られることもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】《第1の問題点につい
て》ところで、このような従来例にあっては、次の問題
が指摘されていた。第1に、32.5質量%の尿素CO
(NHを供給する、前記従来技術の供給装置
は、供給される還元剤組成物中の尿素CO(NH
の濃度が低く、もって還元剤たるアンモニアNHの発
生能力が低く、脱硝効率が悪いという問題の外、水が過
剰となり種々の弊害を発生する、という問題が指摘され
ていた。すなわち理論上、還元剤組成物としてアンモニ
アNHを発生させる反応式、CO(NH+H
O→2NH+COにおいて、1モルの23.1質量
%の水と1対1モル組成で反応する1モルの尿素CO
(NHは、76.9質量%である。これに対し、
この従来技術で供給される還元剤組成物は、32.5
質量%の尿素CO(NHと67.5質量%の水と
からなるので、大量の過剰な水を含有しており、1モル
以上の部分の水が過剰となる。
【0007】そこでまず、このように大量の過剰で余分
な水を含有した還元剤組成物を、予め準備すると共に供
給しなければならない、という問題が指摘され、特に供
給装置が車載される場合、タンク等の貯蔵スペースを取
り、重量が増加して重量制限に配慮しなければならず、
輸送コストもかかる、という弊害が指摘されていた。こ
れと共に、このように過剰な水が、発生したアンモニア
NHと共に排気ガス中に持ち込まれるので、更に次の
弊害が発生していた。 a.排気ガスに噴射され過剰となった水が、気化熱によ
って排気ガスの温度を低下させ、もって、アンモニアN
による窒素酸化物NOxの還元速度を低下させて、
脱硝効率を悪化させてしまう、という問題が指摘されて
いた。なお排気ガスの温度は、通常運転時で400℃〜
500℃程度である。 b.排気ガスに噴射され過剰となった水が、窒素酸化物
NOxを希釈し、もって窒素酸化物NOxの還元速度を
低下させ、この面からも、脱硝効率を悪化させてしま
う、という問題が指摘されていた。 c.排気ガスに噴射され過剰となった水は、気化により
ガス量を増大させ、もって、触媒を備えた脱硝反応器内
において、排気ガスの空間速度(SV)を増加させる。
これにより、排気ガスの脱硝反応器内の滞留時間が短縮
され、もって、窒素酸化物NOxの還元効率つまり脱硝
効率が急激に悪化してしまう、という問題が指摘されて
いた。従来、広範囲に使用されてきた従来技術につい
ては、このように種々の問題が指摘されていた。
【0008】《第2の問題点について》第2に、例えば
40質量%と高濃度の尿素CO(NHを用い凝固
点が0℃以上に上昇した、前記従来技術の供給装置に
ついては、停止時における結晶化,凝固の問題が指摘さ
れていた。すなわち、供給される還元剤組成物は、ヒー
ター等の外部加熱手段が付設されているので、連続運転
時においては、液状を保ち結晶化,凝固は防止される。
しかしながら、運転停止時そして外部加熱手段の停止時
においては、大量の還元剤組成物を加温・液化状態のま
ま保存することができず、常温下で、還元剤組成物が結
晶化,凝固してしまう。そして、一旦結晶化,凝固して
しまうと、事後において、外部加熱手段を駆動して再融
解させようとしても、結晶化,凝固した還元剤組成物
は、尿素CO(NHの熱伝導率が低く対流伝熱も
無いので、均一かつ迅速な再融解,液化が容易でなく、
極めて長時間を要し、もって、供給管,ポンプ等が閉塞
して、還元剤組成物の安定的・連続的供給が困難化す
る、という問題が指摘されていた。更に、この従来技術
の供給装置は、ヒーター等の外部加熱手段を用いるの
で、大量の電気エネルギーを消費しコスト面に難があ
り、特に車載される場合は電源確保が困難化する、とい
う問題が指摘されていた。
【0009】《第3の問題点について》第3に、尿素C
O(NH以外の化合物を用いた、前記従来技術
の還元剤組成物の供給装置については、次のとおり。例
えばカルバミン酸アンモニウムのように、極めて特殊な
化合物を供給するので、量産しにくく安定供給が困難で
あり、設備コスト面にも問題が指摘されていた。又、例
えばアルコールを還元助剤として用いた場合は、脱硝特
に触媒に対し悪影響を及ぼす、という問題が指摘されて
いた。
【0010】《本発明について》本発明は、このような
実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたも
のであって、高濃度の尿素を主成分とした還元剤組成物
を用いると共に、これを予め結晶化,凝固させ容器に収
納した後、マイクロ波照射装置にて内部加熱し、再融
解,液化せしめて、排気ガスへと供給,噴射すること、
を特徴とする。もって本発明は、第1に、脱硝効率に優
れると共に、第2に、過剰な水による弊害が削減され、
第3に、高濃度尿素の還元剤組成物を、安定的,連続的
に供給でき、第4に、しかもこれらが簡単容易に実現さ
れ、更に第5に、運転開始時等にも脱硝が実施され、第
6に、窒素酸化物の濃度が低い場合に、多量の還元剤組
成物を供給する弊害も防止される、排煙脱硝用の還元剤
組成物の簡易型供給装置を提案すること、を目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】《各請求項について》こ
のような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のと
おりである。本発明に係る排煙脱硝用の還元剤組成物の
簡易型供給装置は、次の各請求項のように構成されてい
る。請求項1の簡易型供給装置は、尿素を主成分とした
水溶液を結晶化,凝固させて準備された還元剤組成物
と、該還元剤組成物を収納する容器と、該容器内に向け
マイクロ波を照射可能であり、収納された該還元剤組成
物を誘電体損にて内部加熱せしめて融解,液化可能なマ
イクロ波照射装置と、を有してなる。そして、融解,液
化せしめられた該還元剤組成物が、排気ガス中の窒素酸
化物を還元,除去するアンモニアガスを発生すること、
を特徴とする。
【0012】請求項2の簡易型供給装置は、請求項1に
おいて、該還元剤組成物は、尿素の濃度が32.5質量
%超〜76.9質量%以下であること、を特徴とする。
請求項3の簡易型供給装置は、請求項1において、該還
元剤組成物は、副成分として炭酸アンモニウムやアンモ
ニア等を含有してなること、を特徴とする。請求項4の
簡易型供給装置は、請求項1において、該容器は、フッ
素系樹脂等の低誘電率材製よりなり、該マイクロ波照射
装置は、該容器の外周に付設されたマグネトロンよりな
ること、を特徴とする。請求項5の簡易型供給装置は、
請求項4において、該マグネトロンは、複数個付設され
ると共に、それぞれ導波管が、該容器の外周に対し直角
から適宜角度傾斜して配されていること、を特徴とす
る。請求項6の簡易型供給装置は、請求項1において、
該容器は、フッ素系樹脂等の低誘電率材製よりなり、該
マイクロ波照射装置は、該容器の外周に巻回されたコイ
ルと、該コイルにマイクロ波電流を供給する発振器と、
を備えてなること、を特徴とする。
【0013】請求項7の簡易型供給装置は、請求項4又
は6において、更に、該容器の下部と該排気ガスの排気
管との間に配され、融解,液化した該還元剤組成物を供
給可能な供給管と、該供給管に介装されたポンプと、該
供給管の端に配され、該排気管の該排気ガスに向け該還
元剤組成物を噴射可能なノズルと、を有してなる。そし
て該ノズルは、還元用の触媒を備えて該排気管に介装さ
れた脱硝反応器の上流に位置しており、該還元剤組成物
は、噴射に基づき還元剤たる該アンモニアガスを発生
し、該アンモニアガスが、該脱硝反応器内で該排気ガス
中の該窒素酸化物を窒素に還元,除去せしめること、を
特徴とする。請求項8の簡易型供給装置は、請求項7に
おいて、更に、該排気管に付設され該排気ガス中の該窒
素酸化物の濃度を検出するセンサーと、該センサーの検
出結果に基づき該ポンプの駆動を制御するコントロール
部と、を有してなること、を特徴とする。請求項9の簡
易型供給装置は、請求項7であって、ディーゼル車にお
いて用いられ、車載されると共に、ディーゼルエンジン
からの該排気ガスの該排気管に対し配設されているこ
と、を特徴とする。請求項10の簡易型供給装置は、請
求項9において、更に、該排気管に付設され該排気ガス
の温度を検出するセンサーと、該センサーの検出結果お
よび該ディーゼルエンジンの回転数間の組み合わせ情報
に基づき、該ポンプの駆動を制御するコントロール部
と、を有してなること、を特徴とする。
【0014】《作用について》本発明は、このようにな
っているので、次のようになる。この排煙脱硝用の還
元剤組成物の簡易型供給装置は、例えばディーゼル車に
車載される。 その還元剤組成物は、濃度32.5質量%超〜76.
9質量%以下の尿素を主成分とした水溶液よりなるが、
予め結晶化,凝固させて準備される。 そしてフッ素系樹脂製等の容器に収納される。 容器内に収納された還元剤組成物は、マイクロ波照射
装置により誘電体損にて内部加熱されて、再融解,液化
される。マイクロ波照射装置は、容器に複数個付設され
導波管が傾斜したマグネトロンか、又は容器に巻回され
たコイルや発振器からなる。 融解,液化した還元剤組成物は、供給管やポンプを介
しノズルへと供給され、排気管の排気ガスに向け噴射さ
れる。 そして、噴射に基づき還元剤たるアンモニアガスを発
生し、脱硝反応器内において触媒下で、窒素酸化物を還
元,除去せしめる。
【0015】さてそこで、第1に、アンモニアを発生さ
せる反応式において、1対1モル組成の尿素は76.9
質量%で水は23.1質量%であるが、この還元剤組成
物は尿素の濃度が高く、32.5質量%を超えて76.
9質量%に近づくか達しているので、還元剤たるアンモ
ニアガスの発生能力に優れ、窒素酸化物の還元,除去効
率に優れている。第2に、この還元剤組成物は、このよ
うに尿素が高濃度であり、その分、水の濃度が低く2
3.1質量%に近づくか達しており、過剰な水が削減さ
れている。そこでまず、過剰で余分な大量の水を含有し
た還元剤組成物を準備,供給する必要がなく、車載の場
合は、タンク等のスペースや重量が軽減される。更に、
過剰な水が排気ガス中に噴射されることが減少するの
で、a.排気ガスの温度低下、b.窒素酸化物の希釈、
c.排気ガスの空間速度(SV)の増加等も少なく、窒
素酸化物の還元,除去効率が高く維持される。
【0016】第3に、この還元剤組成物は、尿素と水の
組成に基づき高誘電率を有しており、マイクロ波照射装
置にて内部加熱することにより、短時間の内に確実かつ
均一に再融解,液化せしめられ、供給管やポンプを介
し、安定的,連続的にノズルから噴射される。第4に、
この還元剤組成物は、尿素を主成分とし副成分を適宜含
有した簡単な組成よりなり、容易に生産,入手可能であ
る。そして、常温冷却により結晶化,凝固して準備され
るので、保存,運搬,補給等が簡単容易である。更に、
この供給装置は、容器とマイクロ波照射装置を、供給
管,ポンプ,ノズル等と組み合わせて採用した、簡単な
構成よりなる。
【0017】第5に、この還元剤組成物は、まず、尿素
を主成分とするので、ディーゼルエンジン等の通常運転
時、つまり排気ガスが300℃超〜500℃程度となる
高温域において、アンモニアガスの発生能力に優れてお
り、窒素酸化物が確実に還元,除去される。又、炭酸ア
ンモニウムやアンモニア等を副成分とした場合は、運転
始動時や運転変動時、つまり排気ガスが200℃〜30
0℃程度の低温域においても、アンモニアガスの発生能
力に優れており、窒素酸化物が確実に還元,除去され
る。第6に、センサーにて、排気ガス中の窒素酸化物の
濃度を検出し、もってコントロール部にてポンプの駆動
を制御して、還元剤組成物の供給,噴射量をコントロー
ルすると、次のようになる。又、センサーにて排気ガス
の温度を検出し、もって検出された温度とディーゼルエ
ンジンの回転数との組み合わせ情報に基づき、コントロ
ール部にてポンプの駆動を制御して、還元剤組成物の供
給,噴射量をコントロールするようにした場合も、同様
に、次のようになる。窒素酸化物の濃度が低く、少量の
還元剤組成物で窒素酸化物を十分に還元,除去できる場
合に、もしも多量,過多の還元剤組成物を供給,噴射す
ると、a.過剰な尿素が脱硝反応器の触媒に付着し、
b.過剰なアンモニアガスが排出され、c.過剰な尿素
がノズルに付着する。これに対し、窒素酸化物の濃度が
低い場合は、還元剤組成物の供給,噴射量を少なくする
と、これらは防止される。更に、窒素酸化物の濃度に応
じた量の還元剤組成物が供給,噴射されるので、効率的
である。
【0018】
【発明の実施の形態】《図面等について》以下本発明
を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説
明する。図1,図2,図3,図4等は、本発明の実施の
形態の説明に供する。そして図1は、本発明の簡易型供
給装置の1例の系統説明図であり、図2は、他の例の系
統説明図である。図3は、排気系全体の系統説明図であ
る。図4は、還元剤組成物の特性を示すグラフである。
【0019】《排気系について》まず、図3を参照しつ
つ、排気系について説明する。ディーゼルエンジン1
は、自動車を始め、発電,船舶,機関車,航空機,各種
機械,その他に広く使用されている。そして、ディーゼ
ルエンジン1その他の内燃機関から排出される排気ガス
2、更にはガスタービンから排出される排気ガス2中に
は、窒素酸化物NOx,一酸化炭素CO,炭化水素H
C,炭素粒子PM、等が含有されている。本発明は、こ
のように排気ガス2中に含有された窒素酸化物NOxを
除去する、排煙脱硝(脱窒)技術、つまりSCR(Sele
ctive Catalytic Reduction)脱硝技術に関する。そし
て、排気ガス2中から、有害汚染物質たる窒素酸化物N
Oxを還元,除去して、外気へと排出し、もって人体や
環境を保護し、公害防止に資することを目的とする。
【0020】図示例では、ディーゼルエンジン1には、
燃料タンク3から燃料4が供給され、ディーゼルエンジ
ン1からは、排気管5にて排気ガス2が排出され、排気
管5を経由して外気へと排出される。排気ガス2は、デ
ィーゼルエンジン1の運転開始時や運転変動時には、3
〜5分間程度、200℃〜300℃程度の温度域にあ
り、通常運転時には、300度超〜400℃から500
℃程度の温度域となる。そして排気管5には、還元剤組
成物6の噴射ノズル7と脱硝反応器8とが、順に設けら
れている。噴射ノズル7は、例えばインジェクターより
なり、排気管5に付設されて、排気ガス2に対し還元剤
組成物6を噴霧状に噴射する。脱硝反応器8は、排気管
5に介装されており、多孔性のハニカムコア9のセル壁
に還元用の触媒10が付着,被覆されてなるか、又は、
触媒10自体がハニカムコア形状に成形されたものが使
用される。触媒10としては、バナジウム化合物,酸化
チタン,ゼオライト等が用いられる。排気系は、このよ
うになっている。
【0021】《還元剤組成物6について》次に、このよ
うに用いられる排煙脱硝用の還元剤組成物6について、
図3等を参照しつつ説明する。還元剤組成物6は、噴射
ノズル7から排気管5の排気ガス2に対して噴射され、
もって脱硝反応器8の上流側や脱硝反応器8内で、直ち
に気化,ガス化した還元剤たるアンモニアNHを発生
する。発生したアンモニアNH(アンモニアガス)
は、触媒10下において、次の化1又は化2の化学式に
より、排気ガス2中の窒素酸化物NOxつまり酸化窒素
NOや二酸化窒素NOを、無害な窒素Nと水HOに
還元,除去せしめる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】さて、このようなアンモニアNHを発生
する還元剤組成物6は、次の組成よりなる。この還元剤
組成物6は、高濃度の尿素CO(NHを主成分と
し、適宜、低濃度の炭酸アンモニウム(NHCO
やアンモニアNH等を副成分として含有した、水溶
液よりなる。まず、主成分たる尿素CO(NH
は、還元剤組成物6中に、32.5質量%超〜76.
9質量%以下、つまり最大で76.9質量%含有されて
おり、最低でも共晶組成の32.5質量%を超えて含有
されている。なお質量%は、重量%とも称される。7
6.9質量%では、次の化3の化学式に示したように、
水との1対1モル組成に対応し過剰な水が発生しない
が、凝固点は約70℃程度と比較的高くなり、40質量
%〜50質量%程度では、過剰な水が比較的少ないと共
に、凝固点も降下している。なお32.5質量%では、
−12℃〜−13℃が凝固点となる。そして尿素CO
(NHは、水への溶解性が高いと共に、300℃
超〜500℃程度の温度域においてアンモニアNH
発生能力に優れており、毒性もない。すなわち尿素CO
(NHは、次の化3の化学式により、加水分解反
応に基づき、アンモニアNH(アンモニアガス)と炭
酸ガスCOを発生する。
【0025】
【化3】
【0026】次に、副成分たる炭酸アンモニウム(NH
COは、還元剤組成物6中に、15質量%以上
〜25質量%以下、含有される(無水塩換算)。そし
て、熱分解反応に基づきアンモニアNH(アンモニア
ガス)を発生し、特に200℃〜300℃程度の温度域
において、アンモニアNHの発生能力に優れている。
ところで、15質量%未満であると、還元剤組成物6の
200℃〜300℃程度の温度域におけるアンモニアN
発生量が不足し、25質量%を越えると、常温下で
の水への溶解性に問題が生じる。アンモニアNHと炭
酸ガスCOを発生する化学式については、次の化4の
とおりである。なお、炭酸アンモニウム(NH
は、通常は1水和塩の状態で取り扱われるが、ここ
では、水溶液と区別するため無水塩とする。
【0027】
【化4】
【0028】又、副成分たるアンモニアNH(アンモ
ニア水)は、還元剤組成物6中に、5質量%以上〜15
質量%以下、含有される。そして、蒸発,気化に基づき
アンモニアNH(アンモニアガス)を発生し、特に2
00℃〜300℃程度の温度域において、アンモニアN
の発生能力に優れている。ところで、5質量%未満
であると、還元剤組成物6の200℃〜300℃程度の
温度域におけるアンモニアNHの発生量が不足し、5
質量%を超えると、水への溶解性が低下する。なお、還
元剤組成物6中に含有される副成分としては、このよう
な炭酸アンモニウム(NHCOやアンモニアN
(アンモニア水)の、一方又は双方が代表的に用い
られる。更に副成分としては、例えば炭酸水素アンモニ
ウムNHHCOその他の物質、特に、200℃〜3
00℃程度の温度域でのアンモニアNHの発生能力に
優れた化合物の採用も可能であり、これらを、上述した
副成分と共に又は単独で用いることも可能である。又、
このような副成分を全く含有せず、主成分たる尿素CO
(NHと水のみからなる還元剤組成物6も、勿論
可能である。還元剤組成物6は、このようになってい
る。
【0029】《準備される還元剤組成物6について》次
に、還元剤組成物6の結晶化,凝固について、図4等を
参照しつつ説明する。還元剤組成物6は、上述したよう
に、高濃度の尿素CO(NHを主成分とし、低濃
度の副成分を適宜含有した水溶液よりなるが、本発明で
は、結晶化,凝固して準備される。これらについて、更
に詳述する。例えば、尿素CO(NHの濃度が前
述した1対1モル組成の76.9質量%の還元剤組成物
6は、65℃〜70℃程度以上の加温下では、約1.8
mPa・s程度と比較的低粘度の液体である。そして、
冷却するに従って結晶化,凝固して行き、完全に結晶
化,凝固する凝固点は、含有された不純物や冷却速度に
よって大きく変化するが、約40℃〜60℃程度以下で
ある。
【0030】本発明では、まず最初に、融解,液化状態
で還元剤組成物6を製作した後、次に、この還元剤組成
物6を結晶化,凝固させて準備する。まず、融解,液化
状態の還元剤組成物6の製作は、32.5質量%超〜7
6.9質量%以下の尿素CO(NHの濃度を勘案
しつつ、加温下で水に均一溶解することにより、実施さ
れる。例えば、尿素CO(NHの濃度が76.9
質量%の場合は、80℃(75℃〜85℃)の加温下
で、水に対し均一に溶解される。勿論、副成分を含有す
る場合は、加温用の温度は若干変化する。なお、尿素C
O(NHの濃度の具体的値は、実際の排気ガス2
中における窒素酸化物NOxの含有率や、要求される脱
硝率(例えばある地域において要求される窒素酸化物N
Oxの除去率が、90%以上か80%以上か70%以上
か)等、を勘案して決定される。次に、このように製作
された還元剤組成物6は、融解,液化状態から結晶化,
凝固され、この結晶化,凝固は、通常は、上述した加温
下から常温下に移すことにより、つまり常温冷却(室温
冷却)により実施される。例えば、加温下で融解,液化
していた還元剤組成物6を、袋等に流し入れた後、室温
まで冷却することにより、塊状に結晶化,凝固させ、こ
れを取り扱いの便を考慮し粒状に粉砕して、粒状化した
ものを箱等に収納しておく。還元剤組成物6は、このよ
うに準備される。
【0031】《供給装置11について》以下、図1,図
2を参照しつつ、供給装置11について説明する。この
排煙脱硝用の還元剤組成物6の簡易型の供給装置11
は、容器12,マイクロ波照射装置13,供給管14,
制御弁15,ポンプ16,噴射ノズル7,センサー1
7,コントロール部18、等を有してなり、例えばディ
ーゼルエンジン車に車載される。なお、車載用その他の
移動用に限らず、定置用として使用することも勿論、可
能である。まず容器12は、フッ素系樹脂等の低誘電材
製よりなり、例えば有底で蓋付の円筒型をなし、還元剤
組成物6を収納する。すなわち容器12には、まず、結
晶化,凝固して準備された還元剤組成物6が投入され、
投入された還元剤組成物6は事後、マイクロ波の照射に
より融解,液化して、溶解される。マイクロ波照射装置
13は、容器12内にマイクロ波を照射し、もって収納
された還元剤組成物6を、内部加熱して融解,液化,溶
解させる。
【0032】供給管14は、容器12の下部と排気管5
の間に配され、融解,液化した還元剤組成物6を、容器
12下部から排気管5に供給可能である。供給管14に
は、制御弁15とポンプ16が介装されている。制御弁
15は、還元剤組成物6の供給の有無を開閉制御すると
共に供給量を量制御し、ポンプ16は、噴射用に還元剤
組成物6を圧送するが、ポンプ16にて制御弁15の機
能を兼用することも可能である。噴射ノズル7は、供給
管14の端に配されており、排気管5の排気ガス2に向
け還元剤組成物6を噴射する。そして噴射ノズル7は、
排気管5について、脱硝反応器8の上流側に配されてい
る。供給装置11は、このようになっている。
【0033】《マイクロ波照射装置13について》マイ
クロ波照射装置13について、図1,図2を参照しつ
つ、更に詳述する。マイクロ波照射装置13は、低誘電
率の容器12を介し、容器12内に向けマイクロ波を照
射可能であり、収納された高誘電率の還元剤組成物6
を、誘電体損にて内部加熱せしめて融解,液化,溶解可
能である。まず図1には、このようなマイクロ波照射装
置13の1例として、マグネトロン19が示されてい
る。このマグネトロン19は、容器12の外周に2個等
複数個付設されており、それぞれの照射口の導波管20
が、容器12の外周面に対し直角から適宜角度を傾斜
し、例えば斜め下方に傾斜して配されている。マグネト
ロン19は、周知のごとく1GHz〜40GHz程度の
マイクロ波を発生,照射可能な真空管よりなり、例えば
2.45GHzのマイクロ波を発生,照射するものが用
いられる。導波管20の傾斜は、照射されたマイクロ波
が還元剤組成物6を長く貫き、もって内部加熱がより効
果的に実現できる利点がある。なお図中、21はマグネ
トロン19の電源、22はパワーユニットであり、電源
21やパワーユニット22は、コントロール部18にて
制御される。
【0034】次に図2には、マイクロ波照射装置13の
他の例として、容器12の外周に巻回されたコイル23
と、コイル23にマイクロ波電流を供給する発振器24
が、示されている。発振器24は、例えば100MHz
のマイクロ波に対応した周波数をもった変形電流・電圧
を発振して、インピーダンスマッチング用の整合器24
を介して、コイル23に供給し、コイル23は、高周波
アンテナコイルとして機能し、100MHzのマイクロ
波を照射する。図中26は発振器24の電源ユニットで
あり、発振器24や電源ユニット26は、コントロール
部18にて制御される。
【0035】そして、このような図1のマグネトロン1
9や図2のコイル23,発振器24等のマイクロ波照射
装置13は、容器12に収納された還元剤組成物6を、
電磁波にて融解,液化して溶解する(図4も参照)。す
なわち、この還元剤組成物6は、尿素CO(NH
と水を含有した組成に基づき、高誘電率・絶縁性を有し
ており、100MHz以上のマイクロ波、例えば2.4
5GHzのマイクロ波を照射することで、迅速に融解,
液化,溶解する。尿素CO(NHは水を含んだ系
において、特異的に誘電率が高くなることは、既に公知
的に知られている。例えば、尿素CO(NHの濃
度が25質量%の水溶液は、誘電率が97.5(水は8
5.9)である、との実験データ・研究発表もある。
又、尿素CO(NHが水を含んだ系の誘電率は、
10 Hz〜1.5×10Hz(100MHz〜1.
5GHz)の広範囲において、連続的に高い、との実験
データ・研究発表もある。上述した還元剤組成物6のマ
イクロ波による融解,液化は、このような尿素CO(N
が水を含んだ系の性質を、利用したものであ
る。なお、マイクロ波照射装置13を駆動制御の1例と
して、当初は、高出力でマイクロ波を照射して還元剤組
成物6を融解,液化,溶解せしめ、事後は、低出力のマ
イクロ波照射に切換えて、その液化状態を維持するこ
と、が考えられる。マイクロ波照射装置13は、このよ
うになっている。
【0036】《センサー17とコントロール部18につ
いて》次に、図3中に示したセンサー17と、図1,図
2中に示したコントロール部18について述べておく。
センサー17は、いわゆるNOxセンサーよりなり、排
気管5に付設され、排気ガス2中の窒素酸化物NOxの
濃度を検出し、コントロール部18は、センサー17の
検出結果に基づき、ポンプ16の駆動を制御する。図示
例のセンサー17は、排気管5の脱硝反応器8の下流側
に付設されており、排気ガス2中に含有された窒素酸化
物NOやNOの濃度を検出する。つまり、脱硝反応器
8を経由しても、還元,除去されずに残留している窒素
酸化物NOxの濃度を検出する。コントロール部18
は、例えばマイクロコンピュータを用いてなり、センサ
ー17にて検出された窒素酸化物NOxの濃度(図示例
の場合は残留濃度)に基づき、ポンプコントローラー2
7を介し、ポンプ16の駆動圧(回転数)を制御する。
窒素酸化物NOxの濃度が高い場合は、ポンプ16の駆
動圧をアップして還元剤組成物6の供給,噴射量が多く
なるように、逆に、濃度が低い場合は、駆動圧をダウン
して供給,噴射量が少なくなるように、制御する。図示
例では、窒素酸化物NOxの残留濃度が要求脱硝率より
高い場合は、還元剤組成物6の供給,噴射量を多く、逆
に、要求脱硝率より低い場合は、供給,噴射量を少なく
制御する。なお、図1,図2中28は電気配線である。
センサー17とコントロール部18は、このようになっ
ている。 《センサー29,回転数検知部30とコントロール部1
8について》次に、図3中に示したセンサー29,回転
数検知部30と、図1,図2中に示したコントロール部
18について述べておく。センサー29は、いわゆる温
度センサーよりなり、排気管5に付設され、排気ガス2
の温度を検出する。回転数検知部30は、ディーゼルエ
ンジン1に付設され、ディーゼルエンジン1の回転数を
検出するが、各種公知のものが使用される。そしてコン
トロール部18は、センサー29より送出された排気ガ
ス2の温度信号と、回転数検知部30より送出されたデ
ィーゼルエンジン1の回転数信号とを、組み合わせ・演
算した情報に基づき、ポンプ16の駆動を制御する。例
えば、a.温度と回転数が共に高い場合、b.温度と回
転数の一方のみが高い場合、c.温度と回転数が共に低
い場合について、順次比較して、ポンプ16の駆動圧
(回転数)をアップ・タウンし、還元剤組成物6の供
給,噴射量が多く・少なくなるように、制御する。セン
サー29,回転数検知部30とコントロール部18は、
このようになっている。
【0037】《作用等について》本発明は、以上説明し
たように構成されている。そこで、以下のようになる。 この還元剤組成物6の簡易型の供給装置11は、例え
ばディーゼル車に車載され、ディーゼルエンジン1から
の排気ガス2の排気管5に配設される(図3を参照)。 この還元剤組成物6は、濃度32.5質量%超〜7
6.9質量%以下の尿素CO(NHを主成分と
し、副成分を適宜含有してなる水溶液よりなるが、予め
冷却することにより、結晶化,凝固させて準備される。 そして、結晶化,凝固した還元剤組成物6は、マイク
ロ波を吸収しないフッ素系樹脂等の低誘電率の容器12
に収納される。 それから、マイクロ波照射装置13により、容器12
内にマイクロ波が照射される(図1,図2を参照)。容
器12内の還元剤組成物6は、高誘電率を有しており、
高周波電界中に置かれることにより誘電体損にて内部加
熱され、もって一旦結晶化,凝固されていたものが、再
融解,液化,溶解される(図4も参照)。マイクロ波照
射装置13は、容器12に付設されたマグネトロン19
か、又は容器12に巻回されたコイル23や発振器24
からなる。 融解,液化した還元剤組成物6は、容器12から供給
管14やポンプ16を介し噴射ノズル7へと供給され、
排気管5の排気ガス2に向け噴射される。 還元剤組成物6は、噴射に基づき還元剤たるアンモニ
アNH(アンモニアガス)を直ちに発生し(前述した
化3,化4の化学式を参照)、アンモニアNH (アン
モニアガス)が、排気管5の下流の脱硝反応器8内にお
いて還元用の触媒10下で、排気ガス2中の窒素酸化物
NOxを窒素Nに還元,除去せしめる(前述した化1,
化2の化学式を参照)。 排気ガス2は、このようにして窒素酸化物NOxが減
少,除去せしめられ、清浄化されて外部へと排出され
る。
【0038】さてそこで、この排煙脱硝用の還元剤組成
物6の簡易型の供給装置11によると、次の第1,第
2,第3,第4,第5,第6のようになる。 《第1の作用について》第1に、この供給装置11にて
供給される還元剤組成物6は、主成分たる尿素CO(N
の濃度が、32.5質量%超〜76.9質量%
以下と高く、高濃度で水に溶解している。理論上、加水
分解によりアンモニアNHを発生させる反応式におい
て(前述した化3の化学式を参照)、1対1モル組成の
尿素CO(NHは、分子量60で76.9質量%
であり、水HOは、分子量18で23.1質量%であ
るが、実際上、この還元剤組成物6においては、尿素C
O(NHの濃度が32.5質量%を超えており、
理論上の濃度76.9質量%に近づくか達している。つ
まり、理論上・化学反応的に適切な値に近づき達してい
る。もって、供給される還元剤組成物6は、還元剤たる
アンモニアNHの発生能力に優れており、高い転化率
でアンモニアNH(アンモニアガス)を発生するの
で、排気ガス2中の窒素酸化物NOxの還元,除去効率
に優れている。
【0039】《第2の作用について》第2に、この供給
装置11にて供給される還元剤組成物6は、このよう
に、主成分たる尿素CO(NHの濃度が、32.
5質量%超〜76.9質量%以下と高い。上述したよう
に、理論上、加水分解によりアンモニアNHを発生さ
せる反応式において、1対1モル組成の尿素CO(NH
は76.9質量%で、水は23.1質量%ある
が、実際上、この還元剤組成物6は、尿素CO(N
の濃度が高く、32.5質量%を超えており、
その分、水の濃度が低く、理論上の濃度23.1質量%
に近づくか達しており、過剰な水が削減されている。そ
こでまず、過剰で余分な大量の水を含有した還元剤組成
物6を、準備,供給する必要がなくなり、車載の場合は
その分だけ、タンク等のスペースや重量が軽減される。
【0040】更に、還元剤組成物6中の過剰な水が、排
気ガス2中に噴射されて持ち込まれることが、その分だ
け減少する。そこでa.過剰となった水が排気ガス2に
噴射され、その気化熱によって、排気ガス2の温度低下
を招くことは減少し、もって、アンモニアNHによる
窒素酸化物NOxの還元速度(脱硝速度)を、低下させ
てしまうことも減少する。 b.過剰となった水が排気ガス2に噴射され、排気ガス
2中の窒素酸化物NOxを希釈することは減少し、もっ
て、アンモニアNHによる窒素酸化物NOxの還元速
度(脱硝速度)を、低下させてしまうことも減少する。 c.過剰となった水が排気ガス2に噴射され、気化して
ガス量を増大させることは減少し、もって、脱硝反応器
8内において、排気ガス2の空間速度(SV)を増加さ
せることも少なくなり、排気ガス2の脱硝反応器8内の
滞留時間が、短縮されることなく維持される。これらに
より、この還元剤組成物6を使用すると、排気ガス2中
の窒素酸化物NOxの還元,除去効率(脱硝効率)が、
高く維持される。
【0041】《第3の作用について》第3に、この供給
装置11は、一旦結晶化,凝固していた還元剤組成物6
を、高誘電率を有していることに着目して、マイクロ波
照射装置13にて内部加熱することにより(ヒーター等
の外部加熱ではない)、再融解,液化せしめて、排気管
5の排気ガス2へと供給,噴射する。還元剤組成物6
は、高濃度の尿素CO(NHを主成分とし凝固点
が高いものの、内部加熱により短時間の内に確実かつ均
一に再融解,液化して、液状で取り扱われ、供給管14
やポンプ16を介した後、安定的,連続的に噴射ノズル
7から噴射される。
【0042】《第4の作用について》第4に、この供給
装置11で用いられる還元剤組成物6は、尿素CO(N
を主成分とし、炭酸アンモニウム(NH
COやアンモニアNH(アンモニア水)等を適宜副
成分としてなり、簡単な組成よりなり、容易に生産,入
手可能である。そして、このような還元剤組成物6は、
補給等の利便性を考慮し、予め結晶化,凝固させて準備
される。すなわち、凝固点以上に加温して融解,液化せ
しめられたものを、常温まで冷却することにより結晶
化,凝固して準備されるので、この還元剤組成物6は、
保存,運搬,補給等が極めて簡単容易である。更に、こ
の供給装置11は、このような還元剤組成物6の容器1
2や、公知のマイクロ波照射装置13を、供給管14,
ポンプ16,噴射ノズル7等と、組み合わせて採用し
た、簡単な構成よりなる。
【0043】《第5の作用について》第5に、更にこの
供給装置11で用いられる還元剤組成物6について、炭
酸アンモニウム(NHCOやアンモニアNH
(アンモニア水)等を、副成分として必須的に採用した
場合は、次のようになる。まず、この還元剤組成物6は
尿素CO(NHを主成分としているので、ディー
ゼルエンジン1等の通常運転時において、効果的な脱硝
が実施される。すなわち、排気ガス2が300℃超〜5
00℃程度となる高温域において、尿素CO(NH
はアンモニアNHの発生能力に特に優れており、高
い転化率でアンモニアNH(アンモニアガス)を発生
するので、窒素酸化物NOxが確実に還元,除去され
る。これと共に、この還元剤組成物6は、炭酸アンモニ
ウム(NHCOやアンモニアNH(アンモニ
ア水)等を副成分としてなるので、ディーゼルエンジン
1等の運転始動時や運転変動時においても、効果的な脱
硝が実施される。すなわち、排気ガス2が200℃〜3
00℃程度の比較的低温域において、これらの副成分は
アンモニアNHの発生能力に特に優れており、高い転
化率でアンモニアNH(アンモニアガス)を発生する
ので、窒素酸化物NOxが確実に還元,除去される。つ
まり、運転始動時等の3分から5分間程度の時間、脱硝
が実施されない事態は回避される。
【0044】《第6の作用について》第6に、更に図示
例では、排気管5にセンサー17を付設して、排出され
る排気ガス2中に含有される窒素酸化物NOxの濃度を
検出し、その検出結果に基づき、コントロール部18に
てポンプ16の駆動を制御するようになっている。つま
り、窒素酸化物NOxの濃度が高い場合は、ポンプ16
の駆動圧(回転数)をアップして、還元剤組成物6の供
給,噴射量を多く制御し、逆に、窒素酸化物NOxの濃
度が低い場合は、ポンプ16の駆動圧(回転数)をダウ
ンして、還元剤組成物6の供給,噴射量を少なく制御す
るようになっている。これに対し、排気ガス2中の窒素
酸化物NOxの濃度が低い場合、つまり少量の還元剤組
成物6の供給,噴射で窒素酸化物NOxを十分に還元,
除去できる場合に、もしも多量,過多の還元剤組成物6
を供給,噴射すると、次の事態が発生する。 a.過剰となった尿素CO(NHが、アンモニア
NH(アンモニアガス)を発生することなく、そのま
ま脱硝反応器8内の触媒10に付着し、もって触媒性能
を低下させると共に、脱硝反応器8内を閉塞してしまう
危険がある。b.発生したアンモニアNH(アンモニ
アガス)が過剰となり、窒素酸化物NOxと反応するこ
となく、そのまま悪臭を伴ないつつ、排気ガス2と共に
外部に排出されてしまう危険がある。c.過剰な尿素C
O(NHが噴射ノズル7自体に付着し、噴射ノズ
ル7を閉塞してしまう危険がある(水は高温の排気ガス
2に接触して蒸発する)。これに対し前述したように、
窒素酸化物NOxの濃度が低い場合は、還元剤組成物6
の供給,噴射量を少なく制御すると、尿素CO(N
やアンモニアNH(アンモニアガス)が過剰
となる事態は回避され、上記a,b,cの事態発生は防
止される。更に、窒素酸化物NOxの濃度に対応した還
元剤組成物6が供給されるようになり、効率も向上す
る。又、排気管5に付設されたセンサー29からの排気
ガス2の温度信号と、ディーゼルエンジン1に付設され
た回転数検知部30からのディーゼルエンジン1の回転
数信号とを、コントロール部18にて、組み合わせ・演
算した情報に基づき、ポンプ16の駆動を制御するよう
にした場合も、上述したところに準じ、上記a,b,c
の事態発生が防止されると共に、効率も向上する。すな
わち、ディーゼルエンジン1の回転数の高低や排気ガス
2の温度の高低と、排気ガス2に含まれる窒素酸化物N
Oxの濃度の高低とは、一般的に比例関係にある。そこ
で、回転数の高低や温度の高低に応じて、ポンプ16の
駆動を制御し、還元剤組成物6の供給,噴射量の多少を
制御して、尿素CO(NHやアンモニアNH
濃度や発生量をコントロールすることにより、上述した
ところと同様な結果が得られる。
【0045】
【実施例】ここで、本発明の実施例について述べてお
く。まず実施例1については、次のとおり。 還元剤組成物6として、1対1モル組成である76.
9質量%の尿素CO(NHと、23.1質量%の
水とを用いた。 そして、この還元剤組成物6を、80℃(75℃〜8
5℃)で均一に溶解し、粘度約1.8mPa・sの液体
に融解,液化した。 それから、このような還元剤組成物6を、常温(室
温)まで冷却して結晶化,凝固し、得られた塊状の固体
を粒状に粉砕した。 そして、このような粒状の還元剤組成物6を容器12
に収納して、マイクロ波照射装置13たるマグネトロン
19(500W×2個)を用いて、2.45GHのマ
イクロ波を照射した(図1を参照)。 すると、照射開始後10秒以内で、還元剤組成物6
は、均一に再融解,液化した。 このようにして得られた還元剤組成物6は約80℃の
液体であり、滞りなくポンプ16等にて排気管5へと供
給,噴射された。 実施例1については、以上のとおり。
【0046】次に、実施例2については、次のとおり。 ,,の各ステップについては、実施例1と共通。 粒状の還元剤組成物6を、容器12に収納して、マイ
クロ波照射装置13のコイル23により、100MHz
のマイクロ波を照射した(図2を参照)。発振器24
は、整合器25出力で80W〜100Wでコイル23に
給電した。 すると、照射開始後5分〜8分で、還元剤組成物6の
再融解,液化が始まり、10分でほぼ均一に再融解,液
化した。 その後、コイル23への給電を10Wに落として継続
した。還元剤組成物6は、約60℃の液体に維持され、
滞りなくポンプ16等にて排気管5へと供給,噴射され
た。 実施例2については、以上のとおり。
【0047】
【発明の効果】《本発明の特徴について》本発明に係る
排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装置は、以上説
明したように、高濃度の尿素を主成分とした還元剤組成
物を用いると共に、これを予め結晶化,凝固させて容器
に収納した後、マイクロ波照射装置にて内部加熱し、再
融解,液化せしめて、排気ガスへと供給,噴射するこ
と、を特徴とする。そこで、次の効果を発揮する。
【0048】《第1の効果について》第1に、脱硝効率
に優れている。すなわち、この供給装置にて供給される
還元剤組成物は、主成分たる尿素の濃度が、32.5質
量%超〜76.9質量%以下と高いので、前述したこの
種従来例の供給装置で供給される32.5質量%と低濃
度の尿素の還元剤組成物に比し、還元剤たるアンモニア
の発生能力に優れており、高い転化率でアンモニアガス
を発生する。もって、排気ガス中の窒素酸化物の還元,
除去効率、つまり脱硝効率に優れている。
【0049】《第2の効果について》第2に、過剰な水
による弊害が削減される。すなわち、この供給装置にて
供給される還元剤組成物は、高濃度の尿素組成よりな
り、その分だけ過剰な水が削減されているので、前述し
たこの種従来例の供給装置で供給される、32.5質量
%と低濃度の尿素の還元剤組成物について指摘されてい
た、種々の弊害が削減される。まず、大量の過剰で余分
な水を含有した還元剤組成物を、予め準備して供給する
必要がなくなり、特に車載の場合には、タンク等の貯蔵
スペースが削減され、重量も軽減されて、輸送コストも
減少する。更に、過剰な水を排気ガス中に持ち込むこと
が少ないので、過剰な水に起因した、a.排気ガスの温
度低下、b.窒素酸化物の希釈、c.排気ガスの空間速
度(SV)の増加、等々が防止され、もって窒素酸化物
の還元速度の低下が回避され、この面からも、窒素酸化
物の還元,除去効率つまり脱硝効率に優れている。
【0050】《第3の効果について》第3に、高濃度尿
素の還元剤組成物を、安定的,連続的に供給可能であ
る。すなわちこの供給装置は、結晶化,凝固していた還
元剤組成物を、マイクロ波照射装置にて内部加熱,再融
解,液化せしめて排気ガスへと供給するので、前述した
この種従来例の高濃度尿素組成の還元剤組成物の供給装
置のように、ヒーター等の外部加熱手段を使用するもの
の、運転停止時に還元剤組成物が結晶化,凝固したまま
となり、再融解,液化が困難化するようなことは解消さ
れる。この還元剤組成物は、高濃度尿素組成よりなるも
のの、短時間で確実かつ均一に再融解,液化されて、ポ
ンプにて連続的に供給され、安定的に噴射される。
【0051】《第4の効果について》第4に、しかもこ
れらは、簡単容易に実現される。すなわちこの供給装置
は、還元剤組成物を結晶化,凝固させて準備すると共
に、その容器とマイクロ波照射装置を、従来より用いら
れていた供給管,ポンプ,ノズル等と、組み合わせて採
用した、簡単な構成よりなる。そこで、ヒーター等の外
部加熱手段を用いた前述したこの種従来例のように、大
量の電気エネルギーを消費することはなくコスト面に優
れ、特に車載の場合に電源確保が問題化することもな
い。更に、この還元剤組成物は組成が簡単で、量産も容
易で安定供給可能であり、設備コスト面にも優れてい
る。又、この還元剤組成物は、結晶化,凝固させて準備
されるので、貯蔵,保管,保存,運搬,補給等が極めて
簡単容易であり、特に車載,移動の場合に便利である。
つまり、大量の還元剤組成物を、液状で貯蔵,保管,保
存,補給しようとしていた前述したこの種従来例に比
し、車載,移動に便利である。
【0052】《第5の効果について》第5に、通常運転
時のみならず運転開始時や運転変動時にも、脱硝が実施
される。すなわち、炭酸アンモニウムやアンモニア等
を、還元剤組成物の副成分として採用した場合は、排気
ガスが200℃〜300℃程度の低温域においても、ア
ンモニアガスの発生能力に優れており、効果的な脱硝が
実施される。勿論、排気ガスが300℃〜500℃程度
の高温域では、主成分たる尿素により、効果的な脱硝が
実施される。
【0053】《第6の効果について》第6に、窒素酸化
物の濃度が低い場合に、多量の還元剤組成物を供給する
弊害は、防止される。すなわち、センサーにて排気ガス
中の窒素酸化物の濃度を検出し、濃度が低い場合は、コ
ントロール部にてポンプの駆動を制御し、還元剤組成物
の供給,噴射量を少なくすると、過剰な尿素が触媒やノ
ズルに付着する弊害や、過剰なアンモニアガスが外部に
排出される弊害は、回避される。更に、窒素酸化物の濃
度に応じて、還元剤組成物が供給されるようになり、効
率面にも優れている。なお、センサーにて排気ガスの温
度を検出し、もって検出された温度とディーゼルエンジ
ンの回転数との組み合わせ情報に基づき、コントロール
部にてポンプの駆動を制御して、還元剤組成物の供給,
噴射量をコントロールするようにした場合も、同様の効
果を発揮する。このように、この種従来例に存した課題
がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著
にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易
型供給装置について、発明の実施の形態の説明に供し、
その1例の系統説明図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、他の例の系
統説明図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、排気系全体
の系統説明図である。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供し、還元剤組成
物の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 2 排気ガス 3 燃料タンク 4 燃料 5 排気管 6 還元剤組成物 7 噴射ノズル 8 脱硝反応器 9 ハニカムコア 10 触媒 11 供給装置 12 容器 13 マイクロ波照射装置 14 供給管 15 制御弁 16 ポンプ 17 センサー 18 コントロール部 19 マグネトロン 20 導波管 21 電源 22 パワーユニット 23 コイル 24 発振器 25 整合器 26 電源ユニット 27 ポンプコントローラー 28 電気配線 29 センサー 30 回転数検知部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G091 AA02 AA18 AA28 AB05 BA14 CA17 CB08 DB10 EA01 EA17 EA33 HA36 HA37 4D002 AA12 AC10 BA06 BA09 BA12 CA07 CA20 DA07 DA57 DA70 EA06 GA01 GA02 GA03 GB02 GB03 GB06 GB08 GB20 HA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿素を主成分とした水溶液を結晶化,凝
    固させて準備された還元剤組成物と、該還元剤組成物を
    収納する容器と、該容器内に向けマイクロ波を照射可能
    であり、収納された該還元剤組成物を誘電体損にて内部
    加熱せしめて融解,液化可能なマイクロ波照射装置と、
    を有してなり、 融解,液化せしめられた該還元剤組成物が、排気ガス中
    の窒素酸化物を還元,除去するアンモニアガスを発生す
    ること、を特徴とする、排煙脱硝用の還元剤組成物の簡
    易型供給装置。
  2. 【請求項2】 該還元剤組成物は、尿素の濃度が32.
    5質量%超〜76.9質量%以下であること、を特徴と
    する、請求項1記載の排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易
    型供給装置。
  3. 【請求項3】 該還元剤組成物は、副成分として炭酸ア
    ンモニウムやアンモニア等を含有してなること、を特徴
    とする、請求項1記載の排煙脱硝用の還元剤組成物の簡
    易型供給装置。
  4. 【請求項4】 該容器は、フッ素系樹脂等の低誘電率材
    製よりなり、該マイクロ波照射装置は、該容器の外周に
    付設されたマグネトロンよりなること、を特徴とする、
    請求項1記載の排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給
    装置。
  5. 【請求項5】 該マグネトロンは、複数個付設されると
    共に、それぞれ導波管が、該容器の外周に対し直角から
    適宜角度傾斜して配されていること、を特徴とする、請
    求項4記載の排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装
    置。
  6. 【請求項6】 該容器は、フッ素系樹脂等の低誘電率材
    製よりなり、該マイクロ波照射装置は、該容器の外周に
    巻回されたコイルと、該コイルにマイクロ波電流を供給
    する発振器と、を備えてなることを特徴とする、請求項
    1記載の排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装置。
  7. 【請求項7】 更に、該容器の下部と該排気ガスの排気
    管との間に配され、融解,液化した該還元剤組成物を供
    給可能な供給管と、該供給管に介装されたポンプと、該
    供給管の端に配され、該排気管の該排気ガスに向け該還
    元剤組成物を噴射可能なノズルと、を有してなり、 該ノズルは、還元用の触媒を備えて該排気管に介装され
    た脱硝反応器の上流に位置しており、該還元剤組成物
    は、噴射に基づき還元剤たる該アンモニアガスを発生
    し、該アンモニアガスが、該脱硝反応器内で該排気ガス
    中の該窒素酸化物を窒素に還元,除去せしめること、を
    特徴とする、請求項4又は6記載の排煙脱硝用の還元剤
    組成物の簡易型供給装置。
  8. 【請求項8】 更に、該排気管に付設され該排気ガス中
    の該窒素酸化物の濃度を検出するセンサーと、該センサ
    ーの検出結果に基づき該ポンプの駆動を制御するコント
    ロール部と、を有してなることを特徴とする、請求項7
    記載の排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装置。
  9. 【請求項9】 ディーゼル車において用いられ、車載さ
    れると共に、ディーゼルエンジンからの該排気ガスの該
    排気管に対し配設されていること、を特徴とする、請求
    項7記載の排煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装
    置。
  10. 【請求項10】 更に、該排気管に付設され該排気ガス
    の温度を検出するセンサーと、該センサーの検出結果お
    よび該ディーゼルエンジンの回転数間の組み合わせ情報
    に基づき、該ポンプの駆動を制御するコントロール部
    と、を有してなることを特徴とする、請求項9記載の排
    煙脱硝用の還元剤組成物の簡易型供給装置。
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