JP2003258560A - プリディストーション歪み補償装置 - Google Patents

プリディストーション歪み補償装置

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JP2003258560A JP2002058179A JP2002058179A JP2003258560A JP 2003258560 A JP2003258560 A JP 2003258560A JP 2002058179 A JP2002058179 A JP 2002058179A JP 2002058179 A JP2002058179 A JP 2002058179A JP 2003258560 A JP2003258560 A JP 2003258560A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の周波数成分から構成される増幅対象と
なる信号を増幅する増幅器で発生する3次歪みを低減さ
せるプリディストーション歪み補償装置で、増幅器で発
生する上側3次歪みと下側3次歪みとのアンバランスを
改善する。 【解決手段】 位相歪み発生手段8が増幅器10の前段
で増幅対象信号に対して位相歪み制御信号に基づく位相
歪みを発生させ、振幅歪み発生手段9が増幅器10の前
段で増幅対象信号に対して振幅歪み制御信号に基づく振
幅歪みを発生させ、制御信号供給手段3、4、5a、5
b、6a、6b、16、7a、7bが増幅対象信号のレ
ベルと位相差がゼロで同期した当該増幅対象信号の差周
波数成分を有した位相歪み制御信号及び増幅対象信号の
レベルと位相差が非ゼロで同期した当該増幅対象信号の
差周波数成分を有した振幅歪み制御信号を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリディストーシ
ョン方式により増幅器で発生する歪みを補償するプリデ
ィストーション歪み補償装置に関し、特に、増幅器で発
生する上側の周波数帯の3次歪み(上側3次歪み)と下
側の周波数帯の3次歪み(下側3次歪み)とのアンバラ
ンスを改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】増幅器では信号を増幅する場合に歪みが
発生し、例えば通信信号を増幅器により増幅する通信装
置では、W(Wide-band)−CDMA(Code Division M
u1tiple Access)の信号やマルチキャリアの信号などを
増幅器で増幅する場合に発生する歪みを補償することが
必要とされている。このような歪みを補償する機能を有
した増幅装置として、例えばフィードフォワード方式に
よる歪み補償回路を増幅器に付加した増幅装置が知られ
ているが、主増幅器に関する効率の低下が生じてしまう
という問題があった。
【0003】これに対して、プリディストーション方式
による歪み補償回路を増幅器に付加した増幅装置とし
て、例えばプリディストーション回路と主増幅器とを直
列に接続した増幅装置が知られており、このような増幅
装置では高効率を実現することができる。しかしなが
ら、このような増幅装置では、増幅器で発生する歪みの
原因となると考えられるAM(Amplitude Modulation)
−AM(Amplitude Modulation)変換やAM(Amplitud
e Modulation)−PM(Phase Modulation)変換の特性
が非常に複雑であるため、3次の相互変調(IM:Inte
rmodulation)歪み(IM3)や5次の相互変調歪み
(IM5)を無くすことは現実的には非常に困難なこと
となってしまう。
【0004】そこで、上記のようなプリディストーショ
ン方式による歪み補償回路を備えた増幅装置を改良した
ものとして、例えば図6に示されるような増幅装置が検
討等されている。同図に示した増幅装置では、2乗検波
回路3により検出される入力信号のレベルに応じて位相
回路8で発生させる位相歪みや振幅回路9で発生させる
振幅歪みを制御することができ、また、歪み検知回路1
2やテーブル更新回路13から構成されるフィードバッ
ク系により、例えば温度変化や経年変化の影響にかかわ
らずに有効な動作を保証することができる。
【0005】なお、後述する本発明の実施例で示す増幅
装置は、上記図6に示した増幅装置に本発明を適用した
ものであり、ここでは上記図6に示した増幅装置の構成
や動作の詳しい説明は省略する。また、参考として、本
出願人は、例えば特願2001−296812号や特願
2001−297632号において、後述する本発明の
課題と同様な課題を解決するための発明を提案してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の歪み補償機能付き増幅装置では、増幅器の
一般的な特徴として発生する歪みが周波数依存性を有し
てしまうことから、例えば周波数f1の信号及び周波数
f2の信号を増幅器で増幅する場合に発生する周波数
(2・f2−f1)の上側3次歪み及び角周波数(2・
f1−f2)の下側3次歪みを精度よく補償することが
できないといった不具合があった。
【0007】なお、本明細書では、周波数f1と角周波
数ω1とが対応し、周波数f2と角周波数ω2とが対応
し、周波数(2・f2−f1)と角周波数(2・ω2−
ω1)とが対応し、周波数(2・f1−f2)と角周波
数(2・ω1−ω2)とが対応し、f1<f2すなわち
ω1<ω2であるとする。
【0008】ここで、増幅器で発生する歪みの周波数依
存性を説明する。図7には、周波数f1の主信号と周波
数f2の主信号との2波を増幅器に入力した場合に、当
該増幅器から出力される当該2波の主信号及び歪みの一
例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は信
号の振幅レベルを示している。また、歪みとしては、相
互変調歪みなどによる成分を示してあり、周波数(2・
f2−f1)の上側3次歪みと周波数(2・f1−f
2)の下側3次歪みとを示してある。
【0009】同図に示されるように、2波の主信号の振
幅レベルが同一である場合には、下側3次歪みの振幅レ
ベルZ1と上側3次歪みの振幅レベルZ2との間にはΔ
IM(=Z1−Z2)の差が生じる。このようなΔIM
の差が生じる場合には、例えば上記図6に示したような
増幅装置のプリディストーション回路部が理想的に動作
するとしても、全周波数に対して同じ歪み補償処理が行
われることから、当該差の成分については補償すること
が出来ずに歪み補償後の信号中に残ってしまうといった
問題がある。
【0010】なお、このようなΔIMの差は、増幅器で
通常発生する歪みの要因以外の要因により生じるもので
あり、例えば増幅器で発生する通常の3次歪みの成分に
ついては上側の周波数(2・f2−f1)と下側の周波
数(2・f1−f2)とで歪みの振幅レベルは同一とな
る。しかしながら、ΔIMの差が通常のAM−AM変換
や通常のAM−PM変換以外の要因で発生するため、通
常の3次歪み成分の特性とプリディストーション回路部
の特性とが逆特性であっても、当該差の成分については
補償することができない。
【0011】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、例えば周波数f1の信号及び
周波数f2の信号を増幅器で増幅する場合に発生する周
波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2
・f1−f2)の下側3次歪みを補償することを従来と
比べて改善することを可能とするプリディストーション
歪み補償装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るプリディストーション歪み補償装置で
は、複数の周波数成分から構成される増幅対象となる信
号を増幅する増幅器で発生する3次歪みを低減させるた
めに、次のようにして、当該3次歪みを低減させるため
の位相歪み及び振幅歪みを当該増幅器の前段において当
該増幅対象信号に対して発生させる。すなわち、位相歪
み発生手段が増幅器の前段において増幅対象信号に対し
て位相歪み制御信号に基づく位相歪みを発生させ、振幅
歪み発生手段が増幅器の前段において増幅対象信号に対
して振幅歪み制御信号に基づく振幅歪みを発生させ、制
御信号供給手段が増幅対象信号のレベルと位相差がゼロ
で同期した当該増幅対象信号の差周波数成分を有した位
相歪み制御信号を位相歪み発生手段に対して供給すると
ともに、増幅対象信号のレベルと位相差が非ゼロ(つま
り、ゼロではない値)で同期した当該増幅対象信号の差
周波数成分を有した振幅歪み制御信号を振幅歪み発生手
段に対して供給する。
【0013】従って、例えば従来のように位相歪み制御
信号と振幅歪み制御信号との両方が位相差がゼロで増幅
対象信号のレベルと同期している場合と比べて、本発明
では、振幅歪み制御信号と増幅対象信号のレベルとを位
相差が非ゼロで同期させることにより、位相歪み発生手
段や振幅歪み発生手段により発生させる歪みに自由度が
与えられるため、例えば周波数f1の信号及び周波数f
2の信号を増幅器で増幅する場合に発生する周波数(2
・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−
f2)の下側3次歪みを補償することを従来と比べて改
善することを可能とすることができ、上側3次歪みと下
側3次歪みとのアンバランスを改善することができる。
【0014】なお、増幅器で発生する周波数(2・f2
−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−f2)
の下側3次歪みとは、例えば上記図7に示したΔIMの
差を有した2つの歪みのようなものである。
【0015】ここで、増幅対象となる信号としては、種
々な信号が用いられてもよく、例えばW−CDMAの信
号やマルチキャリアの信号などが用いられる。また、増
幅対象となる信号は、複数の周波数成分から構成され、
当該周波数成分としては種々な周波数の成分が用いられ
てもよい。具体的には、例えば2つの周波数成分から構
成される信号(2波の信号)が用いられてもよく、例え
ば3つ以上の周波数成分から構成される信号(3波以上
の信号)が用いられてもよい。更に具体的に、例えば周
波数f1の信号及び周波数f2の信号のみから構成され
てもよく、或いは、これらの周波数f1、f2の信号と
共に他の周波数の信号を含むものであってもよい。ま
た、各周波数成分の信号は、通常、周波数の幅(帯域の
幅)を有する。
【0016】また、増幅器としては、例えば電界効果ト
ランジスタ(FET:Field EffectTransistor)などの
種々な増幅器が用いられてもよい。また、増幅器として
は、例えば単数の増幅器が用いられてもよく、或いは、
複数の増幅器が組み合わされて用いられてもよい。
【0017】また、増幅器で発生する3次歪みを低減さ
せる程度、つまり、増幅器で発生する3次歪みを補償す
る精度としては、実用上で有効な歪み補償が行われれ
ば、種々であってもよい。また、例えば、上記した位相
歪み発生手段や振幅歪み発生手段により発生させる歪み
を用いて歪み補償を行う構成と共に、他の手段により発
生させる歪みを用いて歪み補償を行うような構成が用い
られてもよい。
【0018】また、増幅器の前段において位相歪みを発
生させる位相歪み発生手段や、増幅器の前段において振
幅歪みを発生させる振幅歪み発生手段としては、例えば
増幅器の直前に配置されてもよく、或いは、増幅器との
間に他の処理部が介在されて配置されてもよい。また、
増幅器に対して位相歪み発生手段と振幅歪み発生手段と
を配置する位置の関係としては、種々であってもよく、
例えばいずれが前段に配置されていずれが後段に配置さ
れてもよい。
【0019】また、位相歪み発生手段は、例えば位相歪
み制御信号に基づく大きさの位相変化を有する位相歪み
を増幅対象信号に対して発生させて与える。同様に、振
幅歪み発生手段は、例えば振幅歪み制御信号に基づく大
きさの振幅変化を有する振幅歪みを増幅対象信号に対し
て発生させて与える。
【0020】また、位相歪み制御信号は、増幅対象信号
のレベルに対してゼロの位相差をもって同期しており、
当該増幅対象信号の差周波数成分を有している。また、
振幅歪み制御信号は、増幅対象信号のレベルに対して非
ゼロの位相差をもって同期しており、当該増幅対象信号
の差周波数成分を有している。また、振幅歪み制御信号
と増幅対象信号のレベルとが同期する際の非ゼロの位相
差としては、種々な値の位相差が用いられてもよい。ま
た、レベルとしては、例えば振幅のレベルや電力のレベ
ルなどの種々なレベルが用いられてもよい。
【0021】また、差周波数成分を有する位相歪み制御
信号や振幅歪み制御信号としては、例えば周波数f1の
信号と周波数f2の信号から構成される増幅対象信号に
ついては差の周波数(f2−f1)の信号が用いられ、
また、例えば3波以上から構成される増幅対象信号につ
いては1組以上の異なる周波数間の差周波数成分を含む
ような信号が用いられる。
【0022】また、本発明に係るプリディストーション
歪み補償装置では、一構成例として、位相歪み発生手段
は位相歪み制御信号に基づいて信号の位相を変化させる
位相回路から構成され、振幅歪み発生手段は振幅歪み制
御信号に基づいて信号の振幅を変化させる振幅回路から
構成される。また、制御信号供給手段は、増幅対象信号
のレベルに対応した位相歪み制御信号を当該増幅対象信
号のレベルと位相差がゼロで同期させて位相回路に対し
て供給する位相歪み制御信号供給回路と、増幅対象信号
のレベルに対応した振幅歪み制御信号を当該増幅対象信
号のレベルと位相差が非ゼロで同期させて振幅回路に対
して供給する振幅歪み制御信号供給回路とから構成され
る。
【0023】ここで、位相歪み制御信号供給回路は、例
えば、増幅対象信号のレベルを検出する手段と、当該検
出されるレベルに対応した位相歪み制御信号を出力する
手段を用いて構成される。また、振幅歪み制御信号供給
回路は、例えば、増幅対象信号のレベルを検出する手段
と、当該検出されるレベルに対応した振幅歪み制御信号
を出力する手段と、当該出力の前や後に当該振幅歪み制
御信号の位相を変化させる手段を用いて構成される。
【0024】また、本発明に係るプリディストーション
歪み補償装置では、好ましい態様例として、上述のよう
に、制御信号供給手段により供給される振幅歪み制御信
号と増幅対象信号のレベルとの位相差により、増幅器で
発生する上側周波数帯の3次歪み(上側3次歪み)と下
側周波数帯の3次歪み(下側3次歪み)とのアンバラン
ス成分を低減させる。
【0025】また、本発明に係るプリディストーション
歪み補償装置では、一構成例として、位相差調整手段
が、増幅器から出力される信号に含まれる上側周波数帯
の3次歪みと下側周波数帯の3次歪みとのアンバランス
成分を低減させるように、制御信号供給手段により供給
される振幅歪み制御信号と増幅対象信号のレベルとの位
相差を調整する。
【0026】従って、例えば温度変化や経年変化の影響
により、振幅歪み制御信号と増幅対象信号のレベルとの
位相差が好ましい値ではなくなってしまったような場合
においても、当該位相差を、上側周波数帯の3次歪みと
下側周波数帯の3次歪みとのアンバランス成分を低減さ
せるのに好ましい値へ調整することができる。
【0027】なお、増幅対象信号として周波数f1の信
号及び周波数f2の信号から構成される信号を用いた場
合における本発明の態様例を示しておく。例えば、本発
明を適用したプリディストーション歪み補償回路では、
周波数f1の信号及び周波数f2の信号を増幅器で増幅
する場合に周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及
び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みが発生する
ときに、次のようにして、当該増幅器で発生する歪みを
補償する。すなわち、プリディストーション方式の歪み
補償において、位相回路により発生させた角周波数(2
・ω2−ω1)の上側3次位相歪みと角周波数(2・ω
1−ω2)の下側3次位相歪みがあり、さらに振幅回路
により角周波数(2・ω2−ω1)の上側3次振幅歪み
と周波数(2・ω1−ω2)の下側3次振幅歪みを発生
させる。この際に、位相回路に入力する信号(増幅対象
信号)の振幅レベルと位相回路の制御信号となる位相補
正データの信号とは同期しているが、振幅回路に入力す
る信号(増幅対象信号)の振幅レベルと振幅回路の制御
信号となる振幅補正データの信号とは或る位相差を持た
せて同期させる。そして、当該位相差を持たせること
で、例えば増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)
の上側3次歪みと周波数(2・f1−f2)の下側3次
歪みを補償した場合に残るアンバランスを小さくするこ
とができる。
【0028】また、例えば、上記のような本発明を適用
したプリディストーション歪み補償回路において、更
に、歪みレベル検出手段が歪み補償後の信号に含まれる
周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みのレベル及び
周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みのレベルを検
出し、歪み調整手段が検出される上側3次歪みのレベル
と下側3次歪みのレベルとの差が小さくなるように、振
幅回路により発生させられる周波数(2・f2−f1)
の上側3次振幅歪み及び周波数(2・f1−f2)の下
側3次振幅歪みを調整する。
【0029】このような構成では、歪み補償後の信号に
含まれる周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みのレ
ベルと周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みのレベ
ルとの差が小さくなるように調整が行われるため、これ
ら2つの周波数において歪み補償後に残ってしまう歪み
のレベルを同程度とすることができ、これにより、全体
としての歪み補償の精度を向上させることができる。
【0030】ここで、歪み補償後の信号に含まれる上側
3次歪みのレベルと下側3次歪みのレベルとの差が小さ
くなるようにする態様としては、例えば当該差が最少と
なるようにする態様が用いられるのが好ましいが、必ず
しもこれに限られず、他の態様が用いられてもよい。
【0031】また、歪み調整手段により歪みを調整する
仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、一例と
して、振幅回路に用いられる差周波数(f2−f1)の
制御信号の位相を調整することで振幅回路により発生さ
せられる振幅歪みの位相を調整する仕方を用いることが
でき、他の例として、振幅回路に用いられる差周波数
(f2−f1)の制御信号の遅延を調整することで振幅
回路により発生させられる振幅歪みの位相を調整する仕
方を用いることができる。
【0032】以下で、本発明の原理を説明する。まず、
本発明の課題に関して、増幅器における通常の要因以外
の歪み発生要因について説明する。例えば増幅器に用い
るFETのドレイン(Drain)は、入出力特性にお
ける偶数次歪みの影響により低周波で揺れていて、特
に、2次歪みの影響が大きい。
【0033】図8には、周波数f1の信号と周波数f2
の信号との2波をFETにより増幅する場合におけるド
レイン電圧の様子の一例を示してあり、横軸は時間[s
ec]を示しており、縦軸はFETのドレイン電圧
[V]を示している。ドレイン電圧で観測される波形
は、ドレインのDC電圧V1(例えば28VDC)と、増
幅される信号が有する包絡線V2とが重畳されたような
ものである。但し、ドレインで観測される包絡線V3
は、ドレイン部に存在するコンデンサやコイルや抵抗か
ら構成されるドレインバイアス回路の時定数の影響によ
り、純粋な包絡線V2と比べて、波形が歪んでいる。
【0034】さて、ドレインの電圧が変化するというこ
とは、FETの利得特性と位相特性が変化するというこ
とであり、しかも包絡線に準じた情報、具体的には上記
図8に示した波形V3、により利得特性と位相特性が変
化するということである。以下では、このような現象を
ドレイン変動によるAM−AM変換及びドレイン変動に
よるAM−PM変換と呼ぶこととし、これに対して、理
想的な、すなわち純粋な包絡線によるAM−AM変換及
び純粋な包絡線によるAM−PM変換を純粋なAM−A
M変換及び純粋なAM−PM変換と呼ぶ。
【0035】次に、図9を参照して、純粋なAM−AM
変換とドレイン変動によるAM−AM変換との違いを説
明する。同図には、FETで処理される信号の包絡線の
一例を示してあり、同図の横軸は時間を示しており、縦
軸は包絡線レベルを示している。また、図10には、F
ETにおけるドレイン変動によるAM−AM変換の特性
T1の一例を示してあり、同図の横軸は入力電力[dB
m]を示しており、縦軸はゲイン[dB]を示してい
る。この特性T1は、入力電力が増加するとゲインが圧
縮される性質を有している。
【0036】ここで、説明の便宜上から、FETの利得
は1とし、FETの入力包絡線を上記図9の波形S1の
ように示す。入力包絡線S1はFETにより純粋なAM
−AM変換を受け、波形S2のようになろうとするが、
さらに波形S2はドレイン変動によるAM−AM変換に
より波形S3のようになる。同図に示されるように、純
粋なAM−AM変換とドレイン変動によるAM−AM変
換とは、純粋なAM−AM変換が包絡線に完全に同期し
たものであるのに対して、ドレイン変動によるAM−A
M変換は包絡線とは或る時定数をもって同期している点
で異なり、これはドレインバイアス回路の時定数による
ものである。
【0037】次に、図11を参照して、純粋なAM−P
M変換とドレイン変動によるAM−PM変換との違いを
説明する。同図には、FETで処理される信号の包絡線
の一例を示してあり、同図の横軸は時間を示しており、
縦軸は包絡線レベルを示している。また、図12には、
FETにおけるドレイン変動によるAM−PM変換の特
性T2の一例を示してあり、同図の横軸は入力電力[d
Bm]を示しており、縦軸は位相[deg]を示してい
る。この特性T2は、入力電力が増加すると位相が減少
する性質を有している。
【0038】ここで、説明の便宜上から、FETの位相
は0度(°)とし、FETの入力包絡線を上記図11の
波形S11のように示す。入力包絡線S11はFETに
より純粋なAM−PM変換を受け、波形S12のように
なる。さらに波形S12はドレイン変動によるAM−P
M変換により、波形S13のようになる。同図に示され
るように、純粋なAM−PM変換とドレイン変動による
AM−PM変換とは、純粋なAM−PM変換が包絡線に
完全に同期したものであるのに対して、ドレイン変動に
よるAM−PM変換は包絡線とは或る時定数をもって同
期している点で異なり、これはドレインバイアス回路の
時定数によるものである。
【0039】次に、純粋なAM−AM変換により発生す
る3次歪みとドレイン変動によるAM−AM変換により
発生する3次歪みとの違いを、振幅変調器を例として、
増幅器をモデル化して説明する。被変調信号として角周
波数ω1の信号と角周波数ω2の信号を考え、変調信号
として差の角周波数(ω2−ω1)の信号を考える。
【0040】まず、図13(a)及び図13(b)にお
いてΦ1=0である場合を考えて、純粋なAM−AM変
換により発生する3次歪みを説明する。前記のように入
力信号はcos(ω1・t)+cos(ω2・t)と表さ
れ、変調信号をcos{(ω2−ω1)・t}とし、変
調度をΔ1とすると、振幅変調器41の出力は[1+Δ
1・cos{(ω2−ω1)・t}]{cos(ω1・
t)+cos(ω2・t)}となる。なお、tは時刻を表
す。
【0041】振幅変調器41の出力を展開すると式1の
ように表され、角周波数(2・ω1−ω2)に下側3次
歪み{+(Δ1/2)・cos(2・ω1−ω2)・t}
が発生し、角周波数(2・ω2−ω1)に上側3次歪み
{+(Δ1/2)・cos(2・ω2−ω1)・t}が
発生する。いわば、上記図13(a)の例は、AM−A
M変換を表しており、ここでは、Φ1=0として、被変
調信号が有する包絡線と変調信号とが同期している場合
をモデル化している。
【0042】
【数1】
【0043】また、上記図13(b)には、発生した角
周波数(2・ω1−ω2)の下側3次歪みと角周波数
(2・ω2−ω1)の上側3次歪みだけを上記式1から
抜き出してベクトル表示してあり、それぞれの3次歪み
がベクトルa1及びベクトルa2(ここでは、Φ1=
0)で表されている。
【0044】また、上記図13(a)及び上記図13
(b)においてΦ1≠0である場合を考えて、ドレイン
変動によるAM−AM変換により発生する3次歪みを説
明する。ドレイン変動によるAM−AM変換では、前記
のように被変調信号と変調信号とが位相差をもって同期
している。このため、変調信号にΦ1の初期位相を持た
せてある。
【0045】振幅変調器41の出力を展開すると式2の
ように表され、角周波数(2・ω1−ω2)に下側3次
歪み[+(Δ1/2)・cos{(2・ω1−ω2)・
t−Φ1}]が発生し、角周波数(2・ω2−ω1)に
上側3次歪み[+(Δ1/2)・cos{(2・ω2−
ω1)・t+Φ1}]が発生する。
【0046】
【数2】
【0047】また、上記図13(b)には、発生した角
周波数(2・ω1−ω2)の下側3次歪みと角周波数
(2・ω2−ω1)の上側3次歪みだけを上記式2から
抜き出してベクトル表示してあり、それぞれの3次歪み
がベクトルa1及びベクトルa2で表されている。ドレ
イン変動によるAM−AM変換では、バイアス回路が有
する時定数の影響により、上記図13(b)に示したよ
うに、下側3次歪みa1の位相がΦ1=0の場合と比べ
てΦ1だけ半時計回りに回転しており、上側3次歪みa
2の位相がΦ1=0の場合と比べてΦ1だけ時計回りに
回転している。
【0048】次に、純粋なAM−PM変換により発生す
る3次歪みとドレイン変動によるAM−PM変換により
発生する3次歪みとの違いを、位相変調器を例として、
増幅器をモデル化して説明する。被変調信号として角周
波数ω1の信号と角周波数ω2の信号を考え、変調信号
として差の角周波数(ω2−ω1)の信号を考える。
【0049】まず、図14(a)及び図14(b)にお
いてΦ2=0である場合を考えて、純粋なAM−PM変
換により発生する3次歪みを説明する。前記のように入
力信号はcos(ω1・t)+cos(ω2・t)と表さ
れ、変調信号をcos{(ω2−ω1)・t}とし、変
調度をΔ2とすると、位相変調器51の出力はcos
[ω1・t+Δ2・cos{(ω2−ω1)・t}]+
cos[ω2・t+Δ2・cos{(ω2−ω1)・
t}]となる。
【0050】位相変調器51の出力を展開すると近似的
に式3のように表され、角周波数(2・ω1−ω2)に
下側3次歪み[−(Δ2/2)・sin{(2・ω1−
ω2)・t}]が発生し、角周波数(2・ω2−ω1)
に上側3次歪み[−(Δ2/2)・sin{(2・ω2
−ω1)}・t]が発生する。いわば、上記図14
(a)の例は、AM−PM変換を表しており、ここで
は、Φ2=0として、被変調信号が有する包絡線と変調
信号とが同期している場合をモデル化している。
【0051】
【数3】
【0052】また、上記図14(b)には、発生した角
周波数(2・ω1−ω2)の下側3次歪みと角周波数
(2・ω2−ω1)の上側3次歪みだけを上記式3から
抜き出してベクトル表示してあり、それぞれの3次歪み
がベクトルb1及びベクトルb2(ここでは、Φ2=
0)で表されている。
【0053】また、上記図14(a)及び上記図14
(b)においてΦ2≠0である場合を考えて、ドレイン
変動によるAM−PM変換により発生する3次歪みを説
明する。ドレイン変動によるAM−PM変換では、前記
のように被変調信号と変調信号とが位相差をもって同期
している。このため、変調信号にΦ2の初期位相を持た
せてある。
【0054】位相変調器51の出力を展開すると近似的
に式4のように表され、角周波数(2・ω1−ω2)に
下側3次歪み[−(Δ2/2)・sin{(2・ω1−
ω2)・t−Φ2}]が発生し、角周波数(2・ω2−
ω1)に上側3次歪み[−(Δ2/2)・sin{(2
・ω2−ω1)・t+Φ2}]が発生する。
【0055】
【数4】
【0056】また、上記図14(b)には、発生した角
周波数(2・ω1−ω2)の下側3次歪みと角周波数
(2・ω2−ω1)の上側3次歪みだけを上記式4から
抜き出してベクトル表示してあり、それぞれの3次歪み
がベクトルb1及びベクトルb2で表されている。ドレ
イン変動によるAM−PM変換では、バイアス回路が有
する時定数の影響により、上記図14(b)に示したよ
うに、下側3次歪みb1の位相がΦ2=0の場合と比べ
てΦ2だけ半時計回りに回転しており、上側3次歪みb
2の位相がΦ2=0の場合と比べてΦ2だけ時計回りに
回転している。
【0057】ここで、FETの利得及び位相に周波数特
性がない場合であって、純粋なAM−AM変換及び純粋
なAM−PM変換のみであれば、IM歪みのアンバラン
スは発生しないが、純粋なAM−AM変換及び純粋なA
M−PM変換にドレイン変動によるAM−AM変換及び
ドレイン変動によるAM−PM変換が加わることによ
り、IM歪みのアンバランスが発生する。
【0058】図15のベクトル図を参照して、このよう
なアンバランスの発生などの様子を説明する。例とし
て、角周波数ω1の信号と角周波数ω2の信号がFET
から構成される増幅器により増幅される場合に、AM−
AM変換及びAM−PM変換により、角周波数(2・ω
1−ω2)と角周波数(2・ω2−ω1)に3次IM歪
みが発生する様子を説明する。
【0059】図15(a)には純粋なAM−AM変換に
より発生する3次IM歪みとして、角周波数(2・ω1
−ω2)の下側3次IM歪み及び角周波数(2・ω2−
ω1)の上側3次IM歪みをそれぞれベクトルc1及び
ベクトルc2として示してある。また、同図(a)に
は、これらのベクトルc1、c2に加えて、純粋なAM
−PM変換により発生する3次IM歪みとして、角周波
数(2・ω1−ω2)の下側3次IM歪み及び角周波数
(2・ω2−ω1)の上側3次IM歪みをそれぞれベク
トルd1及びベクトルd2として示してある。
【0060】同図(a)に示したように、下側周波数帯
のベクトルc1とベクトルd1との合成ベクトルe1が
純粋なAM−AM変換及び純粋なAM−PM変換により
発生した下側3次IM歪みに相当し、上側周波数帯のベ
クトルc2とベクトルd2との合成ベクトルe2が純粋
なAM−AM変換及び純粋なAM−PM変換により発生
した上側3次IM歪みに相当する。
【0061】次に、角周波数ω1の信号と角周波数ω2
の信号がFETにより増幅され、FETにより増幅され
る信号の包絡線とドレインの変動とが位相差θで同期し
ている場合に、FETのドレインバイアス回路の影響を
受けて、ドレイン変動によるAM−AM変換及びドレイ
ン変動によるAM−PM変換により、角周波数(2・ω
1−ω2)と角周波数(2・ω2−ω1)に発生する3
次IM歪みを考える。
【0062】図15(b)にはドレイン変動によるAM
−AM変換により発生する3次IM歪みとして、角周波
数(2・ω1−ω2)の下側3次IM歪み及び角周波数
(2・ω2−ω1)の上側3次IM歪みをそれぞれベク
トルf1及びベクトルf2として示してある。ベクトル
f1は同図(a)に示したベクトルc1と比べて位相が
反時計回りにθだけ回転しており、ベクトルf2は同図
(a)に示したベクトルc2と比べて位相が時計回りに
θだけ回転している。
【0063】また、同図(b)には、これらのベクトル
f1、f2に加えて、ドレイン変動によるAM−PM変
換により発生する3次IM歪みとして、角周波数(2・
ω1−ω2)の下側3次IM歪み及び角周波数(2・ω
2−ω1)の上側3次IM歪みをそれぞれベクトルg1
及びベクトルg2として示してある。ベクトルg1は同
図(a)に示したベクトルd1と比べて位相が反時計回
りにθだけ回転しており、ベクトルg2は同図(a)に
示したベクトルd2と比べて位相が時計回りにθだけ回
転している。
【0064】同図(b)に示したように、下側周波数帯
のベクトルf1とベクトルg1との合成ベクトルh1が
ドレイン変動によるAM−AM変換及びドレイン変動に
よるAM−PM変換により発生した下側3次IM歪みに
相当し、上側周波数帯のベクトルf2とベクトルg2と
の合成ベクトルh2がドレイン変動によるAM−AM変
換及びドレイン変動によるAM−PM変換により発生し
た上側3次IM歪みに相当する。なお、ベクトルf1及
びベクトルf2は上記図9に示した波形S2と波形S3
との差の歪みを表しており、ベクトルg1及びベクトル
g2は上記図11に示した波形S12と波形S13との
差の歪みを表している。
【0065】図15(a)に示したベクトルe1及びベ
クトルe2は|e1|=|e2|(ここで| |は絶対
値を示す、以下も同様)となり、同図(b)に示したベ
クトルh1及びベクトルh2も|h1|=|h2|とな
る。しかしながら、図15(c)に示されるように、純
粋なAM−AM変換及び純粋なAM−PM変換に加え
て、ドレイン変動によるAM−AM変換及びドレイン変
動によるAM−PM変換が加わると、下側周波数帯のベ
クトルe1とベクトルh1との合成ベクトルi1と、上
側周波数帯のベクトルe2とベクトルh2との合成ベク
トルi2とでは、それぞれの長さが異なり、|i1|≠
|i2|となる。
【0066】以上のような要因により、角周波数ω1の
信号と角周波数ω2の信号をFETで増幅する場合に、
角周波数(2・ω1−ω2)の下側3次IM歪みと角周
波数(2・ω2−ω1)の上側3次IM歪みとの間にア
ンバランスが生じる。
【0067】次に、図15(d)を参照して、上記のよ
うなアンバランスが発生するFETから構成される増幅
器で発生する歪みを、従来のプリディストーション回路
により歪み補償する場合の様子を説明する。同図(d)
には、上記図6に示したような従来のプリディストーシ
ョン回路を構成する振幅回路9により発生させられる角
周波数(2・ω1−ω2)の下側3次振幅歪みのベクト
ルj1及び角周波数(2・ω2−ω1)の上側3次振幅
歪みのベクトルj2と、このような従来のプリディスト
ーション回路を構成する位相回路8により発生させられ
る角周波数(2・ω1−ω2)の下側3次位相歪みのベ
クトルk1及び角周波数(2・ω2−ω1)の上側3次
位相歪みのベクトルk2を示してある。
【0068】ここで、プリディストーション方式は、増
幅器のAM−AM変換及びAM−PM変換により発生す
る振幅歪み及び位相歪みに対して、振幅回路及び位相回
路により逆位相の振幅歪み及び位相歪みを発生させるこ
とにより、歪みを補償する方式であり、また、従来のプ
リディストーション方式では、位相回路及び振幅回路に
入力する信号(増幅対象信号)の包絡線のレベルと位相
回路及び振幅回路に対する制御信号とが同期している。
【0069】このため、上記図15(d)に示した振幅
歪みj1及び振幅歪みj2は上記図15(a)に示した
増幅器のAM−AM変換により発生する振幅歪みc1及
び振幅歪みc2に対してそれぞれ逆位相となっており、
また、上記図15(d)に示した位相歪みk1及び位相
歪みk2は上記図15(a)に示した増幅器のAM−P
M変換により発生する位相歪みd1及び位相歪みd2に
対してそれぞれ逆位相となっている。
【0070】上記図15(d)には、従来のプリディス
トーション回路により発生させる下側周波数帯の振幅歪
みj1と位相歪みk1との合成ベクトルm1と、上側周
波数帯の振幅歪みj2と位相歪みk2との合成ベクトル
m2を示してあり、これらの合成ベクトルm1、m2が
それぞれ当該プリディストーション回路により発生させ
る角周波数(2・ω1−ω2)の下側3次IM歪みと角
周波数(2・ω2−ω1)の上側3次IM歪みに相当す
る。
【0071】そして、同図(d)に示されるように、従
来のプリディストーションでは、例えば一方の角周波数
(2・ω1−ω2)においては増幅器で発生する歪みi
1を歪み補償用の歪みm1により完全に相殺させること
ができるが、他方の角周波数(2・ω2−ω1)におい
ては歪み補償後にベクトルn2(=i2−m2)に相当
する歪み成分が残ってしまう。このように、従来のプリ
ディストーションでは歪み補償後に角周波数(2ω1−
ω2)の下側3次IM歪みと角周波数(2・ω2−ω
1)の上側3次IM歪みとのアンバランスが残ってしま
う。
【0072】次に、本発明により歪み補償を行う場合を
説明する。例えば一般に用いられている振幅変調の式に
よると、tが時刻を示すとして、角周波数ω1と角周波
数ω2の信号{cos(ω1・t)+cos(ω2・
t)}を振幅変調した結果yは式5のように示される。
ここで、δは変調度を示しており、プリディストーショ
ン方式においては例えば振幅回路に対する制御信号の振
幅を調整することにより当該変調度δを変化させること
ができる。また、(ω2−ω1)は振幅変調信号の角周
波数を示している。
【0073】
【数5】
【0074】また、FETから構成される増幅器におけ
るAM−AM変換を振幅変調器41を用いてモデル化し
た上記図13(a)では振幅変調器41への制御信号を
+cos{(ω2−ω1)・t}で表したが、プリディ
ストーションにおける振幅回路では、FETのAM−A
M変換により発生する振幅歪みに対して逆位相の振幅歪
みを与えることで歪み補償を行うため、プリディストー
ションにおける振幅回路への制御信号は−cos{(ω
2−ω1)・t}で表す。また、上記式5を分解する
と、式6のように示される。
【0075】
【数6】
【0076】ここで、図4(a)には、上記式6に示し
た振幅変調された結果の信号yのスペクトラムの一例を
示してあり、横軸は角周波数を示しており、縦軸は信号
の振幅のレベルを示している。同図(a)に示したスペ
クトラムでは、角周波数ω1の信号が上記式6の最右辺
の第1項及び第6項で表される主信号の成分に相当し、
角周波数ω2の信号が上記式6の最右辺の第2項及び第
3項で表される主信号の成分に相当し、角周波数(2・
ω2−ω1)の信号が上記式6の最右辺の第5項で表さ
れる上側振幅歪みの成分に相当し、角周波数(2・ω1
−ω2)の信号が上記式6の最右辺の第4項で表される
下側振幅歪みの成分に相当している。
【0077】また、同図(b)には、同図(a)に示し
た2つの振幅歪みのそれぞれをベクトル表示したものを
示している。また、振幅変調に用いられる上記した制御
信号−cos{(ω2−ω1)・t}の位相をφだけ変
化させると、振幅変調した結果の信号y’は式7に示さ
れるようになる。
【0078】
【数7】
【0079】上記式7では、角周波数(2・ω2−ω
1)の振幅歪みが右辺の第5項で表され、当該振幅歪み
の位相が時計回りにφだけ回転しており、また、角周波
数(2・ω1−ω2)の振幅歪みが右辺の第4項で表さ
れ、当該振幅歪みの位相が反時計回りにφだけ回転して
いる。図4(c)には、上記式7に示したようにそれぞ
れ(+φ)或いは(−φ)だけ位相が回転した場合にお
ける上下の角周波数の2つの振幅歪みをベクトル表示し
てある。
【0080】次に、図5(a)〜図5(c)を参照し
て、上記式7に示したような2つの振幅歪みを用いて、
増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次
歪み及び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みをキ
ャンセルする仕方の一例を示す。図5(a)には、増幅
器で発生する周波数(2・f1−f2)の下側3次歪み
を表すベクトルi1及び周波数(2・f2−f1)の上
側3次歪みを表すベクトルi2として、上記図15
(c)で示したのと同様なベクトルを示してある。
【0081】また、図5(a)には、振幅回路への制御
信号を+φだけ位相回転させて本発明に係る振幅回路に
より発生させる周波数(2・f2−f1)の上側振幅歪
み及び周波数(2・f1−f2)の下側振幅歪みをそれ
ぞれベクトルp1及びベクトルp2として示してあり、
本発明に係る位相回路により発生させる周波数(2・f
2−f1)の上側位相歪み及び周波数(2・f1−f
2)の下側位相歪みをそれぞれベクトルq1及びベクト
ルq2として示してある。
【0082】また、図5(b)には、下側周波数帯にお
いて歪み補償用に発生させる振幅歪みp1と位相歪みq
1との合成ベクトルr1と、上側周波数帯において歪み
補償用に発生させる振幅歪みp2と位相歪みq2との合
成ベクトルr2を示してある。そして、本例では、下側
周波数帯において増幅器で発生する歪みi1と歪み補償
用の歪み(合成ベクトル)r1とが逆ベクトルの関係と
なるようにしてあり、この場合、下側周波数帯において
増幅器で発生する歪みを完全に相殺することができる。
【0083】一方、本例では、上側周波数帯において、
増幅器で発生する歪みi2と歪み補償用の歪み(合成ベ
クトル)r2とが逆ベクトルの関係にはないため、残歪
みとして差のベクトルs2(=i2−r2)が残ってし
まうが、例えば従来のプリディストーションにより歪み
補償した場合に残ってしまう上記図15(d)に示した
のと同様な歪みのベクトルn2と比較した場合には、本
発明を適用した場合に残る歪みs2の方が小さくなる。
【0084】このように、本発明を適用した場合には、
例えば従来のプリディストーション歪み補償と比べて、
歪み補償後に残ってしまう周波数(2・f2−f1)の
上側3次歪みと周波数(2・f1−f2)の下側3次歪
みとのアンバランスを改善することができ、これによ
り、良好な歪み補償を実現することができる。
【0085】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施例を図面を参照
して説明する。以下の実施例では、本発明に係るプリデ
ィストーション歪み補償装置をプリディストーション方
式により増幅器で発生する歪みを補償する歪み補償回路
に適用した場合を示し、このような歪み補償回路を備え
た増幅装置を例として示す。
【0086】まず、本発明の第1実施例に係る増幅装置
を説明する。図1には、本例の増幅装置の回路構成例を
示してあり、本例の増幅装置には、分岐部1と、例えば
遅延線から構成された遅延手段2と、2乗検波器(2乗
検波回路)3と、A/D(Analog to Digital)変換器
4と、位相補正用のテーブル5aと、振幅補正用のテー
ブル5bと、2つのD/A(Digital to Analog)変換
器6a、6bと、D/A変換器6a、6bからの出力の
折り返し成分を除去するための2つのLPF(Low Pass
Filter)7a、7bと、主信号(増幅対象となる信
号)の位相を制御するための位相回路8と、主信号の振
幅を制御するための振幅回路9と、主信号を増幅するた
めの増幅器(主増幅器)10と、分岐部11と、歪み検
知回路12と、テーブル更新回路13と、後述するVC
O(Voltage Controlled Oscillator)16の発振周波
数を制御するためのVCO制御回路14と、D/A変換
器15と、D/A変換器6bに対して駆動するVCO1
6と、デジタル処理部18のクロック信号発生器17と
が備えられている。
【0087】また、本例では、A/D変換器4と、2つ
のテーブル5a、5bと、2つのD/A変換器6a、6
bと、テーブル更新回路13と、VCO制御回路14
と、D/A変換器15と、VCO16と、クロック信号
発生器17がデジタル処理部18に含まれている。
【0088】なお、本例では2乗検波器3を用いたが、
例えば信号の包絡線成分を取り出すことが出来る機能を
有する検波器であればよく、必ずしも検波方式は2乗検
波に限られない。また、2乗検波器3の出力に対して、
例えば高周波成分除去のためのLPFが付加されてもよ
い。
【0089】本例の増幅装置では、増幅対象となる例え
ば周波数f1の信号及び周波数f2の信号を含んだRF
(Radio Frequency)帯の信号が分岐部1に入力され
る。分岐部1は、入力される信号を2つの信号に分岐
し、一方の分岐信号を遅延手段2を介して位相回路8へ
出力し、他方の分岐信号を2乗検波器3へ出力する。
【0090】2乗検波器3は、分岐部1から入力される
他方の分岐信号の瞬時的な振幅レベルを検出し、当該検
出結果をA/D(Analog to Digital)変換器4へ出力
する。A/D変換器4は、2乗検波器3から入力される
振幅レベルの検出結果をアナログ信号からデジタル信号
へ変換して位相補正用のテーブル5a及び振幅補正用の
テーブル5bへ出力する。
【0091】位相補正用のテーブル5aは、位相を補正
するための位相補正データを振幅レベルと対応付けてメ
モリに記憶しており、当該記憶内容に基づいて、A/D
変換器4から入力される振幅レベルの検出結果に対応し
た位相補正データを読み出してD/A(Digital to Ana
log)変換器6aへ出力する。D/A変換器6aは、位
相補正用のテーブル5aから入力される位相補正データ
をデジタル信号からアナログ信号へ変換してLPF7a
へ出力する。LPF7aは、D/A変換器6aの出力か
ら折り返し成分を除去して、信号を位相回路8へ出力す
る。
【0092】振幅補正用のテーブル5bは、振幅を補正
するための振幅補正データを振幅レベルと対応付けてメ
モリに記憶しており、当該記憶内容に基づいて、A/D
変換器4から入力される振幅レベルの検出結果に対応し
た振幅補正データを読み出してD/A変換器6bへ出力
する。D/A変換器6bは、振幅補正用のテーブル5b
から入力される振幅補正データをデジタル信号からアナ
ログ信号へ変換してLPF7bへ出力する。LPF7b
は、D/A変換器6bの出力から折り返し成分を除去し
て、信号を振幅回路9へ出力する。
【0093】なお、本例では、位相補正用のD/A変換
器6aでは後述するクロック信号発生器17から入力さ
れるクロック信号に基づいてD/A変換処理が行われ、
また、振幅補正用のD/A変換器6bでは後述するクロ
ック信号発生器17から入力されるクロック信号及び後
述するVCO16から入力される信号に基づいてD/A
変換処理が行われる。
【0094】分岐部1から遅延手段2へ出力される一方
の分岐信号は、上記した2乗検波器3とA/D変換器4
と位相補正用テーブル5a及び振幅補正用テーブル5b
と2つのD/A変換器6a、6bと2つのLPF7a、
7bから成る処理系により他方の分岐信号(当該一方の
分岐信号に対応したもの)の振幅レベルに対応した位相
補正データの信号及び振幅補正データの信号が位相回路
8や振幅回路9に入力されるタイミングと同期するよう
に、当該遅延手段2により遅延させられる。
【0095】このような遅延により、位相回路8は、遅
延手段2から入力される一方の分岐信号に対して、当該
一方の分岐信号の振幅レベルに対応した位相補正データ
に基づく位相歪みを与えて振幅回路9へ出力する。
【0096】振幅回路9は、例えば後述するクロック信
号発生器17と後述するVCO16との発振周波数が同
じである場合には、上記した位相回路8と同様に、位相
回路8から入力される一方の分岐信号に対して、当該一
方の分岐信号の振幅レベルと位相差がゼロで同期した振
幅補正データに基づく振幅歪みを与えて主増幅器10へ
出力する。
【0097】また、振幅回路9は、例えば後述するクロ
ック信号発生器17と後述するVCO16との発振周波
数が異なる場合には、位相回路8から入力される一方の
分岐信号に対して、当該一方の分岐信号の振幅レベルに
対してクロック信号発生器17の発振周波数とVCO1
6の発振周波数との差の周波数に対応した位相差をもっ
て同期した振幅補正データに基づく振幅歪みを与えて主
増幅器10へ出力する。なお、この位相差は例えば上記
図5(a)に示した位相差φに相当する。
【0098】主増幅器10は、例えばFETを用いて共
通増幅器として構成されており、振幅回路9から入力さ
れる信号を増幅して当該増幅信号を分岐部11を介して
出力する。この際に、主増幅器10で発生する位相歪み
及び振幅歪みが位相回路8で与えられた位相歪み及び振
幅回路9で与えられた振幅歪みにより補償され、主増幅
器10からは歪みが補償された増幅信号が分岐部11を
介して出力される。
【0099】また、分岐部11は、主増幅器10から入
力される増幅信号の一部を分岐して、当該分岐信号を歪
み検知回路12へ出力する。歪み検知回路12は、分岐
部11から入力される分岐信号に含まれる歪み補償後に
残っている周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み成
分及び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪み成分を
検出し、当該検出結果をテーブル更新回路13及びVC
O制御回路14へ出力する。
【0100】テーブル更新回路13は、歪み検知回路1
2から入力される検出結果に基づいて、分岐部11によ
り取得される分岐信号に含まれる歪み成分が例えば最少
となるような位相補正データ及び振幅補正データを計算
して当該計算結果を各テーブル5a、5bへ出力するこ
とにより、当該各テーブル5a、5bに記憶される位相
補正データ及び振幅補正データを最良の値とするように
書き換える。
【0101】VCO制御回路14は、歪み検知回路12
から入力される検出結果に関して、周波数(2・f2−
f1)の上側3次歪みのレベルと周波数(2・f1−f
2)の下側3次歪みのレベルとの差が例えば最少となる
ように、後述するVCO16の発振周波数を調整するた
めの制御信号をD/A変換器15へ出力する。
【0102】D/A変換器15は、VCO制御回路14
から入力される制御信号をデジタル信号からアナログ信
号へ変換してVCO16へ出力する。VCO16は、V
CO制御回路14からD/A変換器15を介して入力さ
れる制御信号に対応した周波数の信号を発振してD/A
変換器6bへ出力する。クロック信号発生器17は、例
えば一定の周波数のクロック信号を発振して、当該クロ
ック信号をデジタル処理部18に備えられた2つのD/
A変換器6a、6bなどの各処理部4、5a、5b、6
a、6b、13〜16へ供給する。
【0103】本例では、このようなフィードバック系を
用いて位相補正データ及び振幅補正データの更新処理や
振幅補正データの位相制御の更新処理を行うことによ
り、例えぱ温度変化や経年変化の影響にかかわらず有効
に動作することが可能な増幅装置を実現している。
【0104】また、上述のように、一方の分岐信号に与
えられる位相歪みや振幅歪みとしては、主増幅器10で
発生する位相歪みや振幅歪みを打ち消すことができるよ
うな歪みを発生する。このため、例えば主増幅器10の
特性が入カレベルに応じてAM−AM変換やAM−PM
変換を生じることに対応して、主増幅器10で発生する
位相歪みや振幅歪みを良好に補償することができるよう
な位相補正データ及び振幅補正データが各テーブル5
a、5bに設定されるようにし、これにより、増幅装置
の全体として歪みを低減させることが実現される。
【0105】以上のように、本例の増幅装置では、主増
幅器10により増幅する信号の包絡線を検波して当該包
絡線に基づいてプリディストーション部の位相回路8及
び振幅回路9を制御してプリディストーション方式によ
り歪み補償を行う回路において、振幅回路9を制御する
ための振幅補正データと当該振幅回路9に入力する歪み
補償対象となる信号(一方の分岐信号)のレベルとの間
に位相差を与えることにより、上側周波数帯の3次歪み
と下側周波数の3次歪みとにアンバランスが存在するよ
うな主増幅器10で発生する歪みを良好に歪み補償す
る。
【0106】更に具体的には、本例の増幅装置では、例
えば周波数f1の信号及び周波数f2の信号を主増幅器
10で増幅するに際して、振幅補正データをデジタル信
号からアナログ信号へ変換するためのD/A変換器6b
を駆動するためのクロック用VCO16の発振周波数を
クロック信号発振器17の発振周波数に対して変化させ
ることにより、振幅回路9で発生させる周波数(2・f
2−f1)の上側3次歪みの位相と周波数(2・f1−
f2)の下側3次歪みの位相を変化させ、これにより、
例えば従来と比べて、歪み補償後に残る周波数(2・f
2−f1)の上側3次歪みと周波数(2・f1−f2)
の下側3次歪みのアンバランスを改善しており、本例の
ような増幅装置は増幅器の線形化に役立つことができ
る。
【0107】なお、上記した分岐部11や歪み検知回路
12やテーブル更新回路13から構成されるフィードバ
ック系や、分岐部11や歪み検知回路12やVCO制御
回路14やD/A変換器15から構成されるフィードバ
ック系は、必ずしも備えられなくともよい。また、本例
では、位相補正用のテーブル5a及びD/A変換器6a
と振幅補正用のテーブル5b及びD/A変換器6bとを
別個のものとして備えたが、例えば位相補正用と振幅補
正用とでテーブルやD/A変換器が共用化されてもよ
い。
【0108】また、主信号に対して位相歪みを与えるた
めの位相回路8と、主信号に対して振幅歪みを与えるた
めの振幅回路9の並び順としては、本例のように位相回
路8の後段に振幅回路9が備えられてもよく、或いは、
振幅回路9の後段に位相回路8が備えられる構成が用い
られてもよい。
【0109】ここで、本例では、位相回路8の機能によ
り位相歪み発生手段が構成されており、振幅回路9の機
能により振幅歪み発生手段が構成されている。また、本
例では、位相回路8を制御するための位相補正データの
信号が位相歪み制御信号に相当し、振幅回路9を制御す
るための振幅補正データの信号が振幅歪み制御信号に相
当する。
【0110】また、本例では、2乗検波器3やA/D変
換器4や位相補正用のテーブル5aやD/A変換器6a
やLPF7aを用いて位相歪み制御信号供給回路が構成
されており、2乗検波器3やA/D変換器4や振幅補正
用のテーブル5bやD/A変換器6bやVCO16やL
PF7bを用いて振幅歪み制御信号供給回路が構成され
ており、そして、位相歪み制御信号供給回路と振幅歪み
制御信号供給回路から制御信号供給手段が構成されてい
る。また、本例では、分岐部11や歪み検知回路12や
VCO制御回路14やD/A変換器15の機能により位
相差調整手段が構成されている。
【0111】次に、本発明の第2実施例に係る増幅装置
を説明する。図2には、本例の増幅装置の回路構成例を
示してある。ここで、本例の増幅装置の構成や動作は、
振幅補正データの位相を変化させる構成部分が異なると
いう点を除いては、例えば上記第1実施例の図1に示し
た増幅装置と同様であるため、本例では異なる部分を詳
しく説明する。
【0112】本例の増幅装置には、上記図1に示した増
幅装置と比較して、上記図1に示したVCO16が備え
られていない代わりに、振幅補正用のD/A変換器6b
とLPF7bとの間に位相回路21が備えられており、
また、上記図1に示したフィードバック系のVCO制御
回路14及びD/A変換器15が備えられていない代わ
りに、フィードバック系の位相制御回路22とD/A変
換器23が備えられている。
【0113】位相回路21は、D/A変換器6bから出
力される振幅回路9に対する振幅補正データの信号の位
相を回転させて、当該位相回転後の信号をLPF7bへ
出力する。位相制御回路22は、歪み検知回路12から
入力される検出結果に関して、周波数(2・f2−f
1)の上側3次歪みのレベルと周波数(2・f1−f
2)の下側3次歪みのレベルとの差が例えば最少となる
ように、位相回路21により振幅補正データに対して与
えられる位相変化量を調整するための制御信号をD/A
変換器23へ出力する。D/A変換器23は、位相制御
回路22から入力される制御信号をデジタル信号からア
ナログ信号へ変換して位相回路21へ出力する。
【0114】このような構成により、振幅回路9では、
例えば位相回路21による位相回転量がゼロである場合
には、位相回路8から入力される一方の分岐信号に対し
て、当該一方の分岐信号の振幅レベルと位相差がゼロで
同期した振幅補正データに基づく振幅歪みを与えて主増
幅器10へ出力する。また、振幅回路9では、例えば位
相回路21による位相回転量がゼロではない場合には、
位相回路8から入力される一方の分岐信号に対して、当
該一方の分岐信号の振幅レベルに対して位相回路21で
与えられる位相差をもって同期した振幅補正データに基
づく振幅歪みを与えて主増幅器10へ出力する。
【0115】以上のように、本例の増幅装置では、例え
ば周波数f1の信号及び周波数f2の信号を主増幅器1
0で増幅するに際して、振幅補正データの信号を位相回
路21により位相回転させて、振幅回路9で発生させる
周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みの位相と周波
数(2・f1−f2)の下側3次歪みの位相を変化させ
ることにより、例えば上記第1実施例で述べたのと同様
に、良好な歪み補償を実現することができる。
【0116】なお、本例では、D/A変換器6bとLP
F7bとの間に位相回路21を備えたが、例えばLPF
7bと振幅回路9との間に位相回路21を備えるような
構成においても、本例と同様な効果を得ることができ
る。
【0117】ここで、本例では、2乗検波器3やA/D
変換器4や振幅補正用のテーブル5bやD/A変換器6
bや位相回路21やLPF7bを用いて振幅歪み制御信
号供給回路が構成されている。また、本例では、分岐部
11や歪み検知回路12や位相制御回路22やD/A変
換器23の機能により位相差調整手段が構成されてい
る。
【0118】次に、本発明の第3実施例に係る増幅装置
を説明する。図3には、本例の増幅装置の回路構成例を
示してある。ここで、本例の増幅装置の構成や動作は、
振幅補正データの位相を変化させる構成部分が異なると
いう点を除いては、例えば上記第1実施例の図1に示し
た増幅装置と同様であるため、本例では異なる部分を詳
しく説明する。
【0119】本例の増幅装置には、上記図1に示した増
幅装置と比較して、上記図1に示したVCO16が備え
られていない代わりに、振幅補正用のD/A変換器6b
とLPF7bとの間に遅延回路31が備えられており、
また、上記図1に示したフィードバック系のVCO制御
回路14及びD/A変換器15が備えられていない代わ
りに、フィードバック系の遅延制御回路32とD/A変
換器33が備えられている。
【0120】遅延回路31は、振幅補正用のD/A変換
器6bから出力される振幅補正データの信号を遅延させ
ることにより当該信号の位相を回転させ、当該位相回転
後の信号をLPF7bへ出力する。遅延制御回路32
は、歪み検知回路12から入力される検出結果に関し
て、周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みのレベル
と周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みのレベルと
の差が例えば最少となるように、遅延回路31により振
幅補正データの信号に対して与えられる遅延量を調整す
るための制御信号をD/A変換器33へ出力する。D/
A変換器33は、遅延制御回路32から入力される制御
信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換して遅延回
路31へ出力する。
【0121】このような構成により、振幅回路9では、
例えば遅延回路31による遅延量がゼロである場合に
は、位相回路8から入力される一方の分岐信号に対し
て、当該一方の分岐信号の振幅レベルと位相差がゼロで
同期した振幅補正データに基づく振幅歪みを与えて主増
幅器10へ出力する。また、振幅回路9では、例えば遅
延回路31による遅延量がゼロではない場合には、位相
回路8から入力される一方の分岐信号に対して、当該一
方の分岐信号の振幅レベルに対して遅延回路31で与え
られる遅延量に対応する位相差をもって同期した振幅補
正データに基づく振幅歪みを与えて主増幅器10へ出力
する。
【0122】以上のように、本例の増幅装置では、例え
ば周波数f1の信号及び周波数f2の信号を主増幅器1
0で増幅するに際して、振幅補正データの信号に対して
遅延回路31により遅延を与えて、当該遅延時間に対応
した位相回転に応じて振幅回路9で発生させる周波数
(2・f2−f1)の上側3次歪みの位相と周波数(2
・f1−f2)の下側3次歪みの位相を変化させること
により、例えば上記第1実施例で述べたのと同様に、良
好な歪み補償を実現することができる。
【0123】なお、本例では、D/A変換器6bとLP
F7bとの間に遅延回路31を備えたが、例えばLPF
7bと振幅回路9との間に遅延回路31を備えるような
構成においても、本例と同様な効果を得ることができ
る。
【0124】ここで、本例では、2乗検波器3やA/D
変換器4や振幅補正用のテーブル5bやD/A変換器6
bや遅延回路31やLPF7bを用いて振幅歪み制御信
号供給回路が構成されている。また、本例では、分岐部
11や歪み検知回路12や遅延制御回路32やD/A変
換器33の機能により位相差調整手段が構成されてい
る。
【0125】ここで、本発明に係るプリディストーショ
ン歪み補償装置や増幅装置などの構成としては、必ずし
も以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられ
てもよい。また、本発明の適用分野としては、必ずしも
以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に
適用することが可能なものである。
【0126】例えば、プリディストーション歪み補償装
置と増幅器とは別個に構成されてもよく、或いは、一体
としてプリディストーション歪み補償機能付きの増幅装
置として構成されてもよい。また、本発明に係る技術を
例えばプリディストーション歪み補償方法や当該方法を
実現するためのプログラム等として提供することも可能
である。
【0127】また、以上に示した実施例では、信号を遅
延させる遅延手段2の一例として、遅延線を用いたが、
他の構成から成る遅延回路を用いることも可能である。
また、以上に示した実施例では、周波数f1の信号と周
波数f2の信号との2波を増幅装置により処理する場合
を示したが、例えばn≧3としてn波を処理する装置に
本発明を適用することも可能である。また、本発明に係
るプリディストーション機能は、特に、例えばW−CD
MAやマルチキャリアなどの信号を送信する通信機の送
信部などに設けられるのに適している。
【0128】また、本発明のように振幅歪み制御信号と
増幅対象信号のレベルとを位相差が非ゼロで同期させる
ような技術を、例えばプリディストーション歪み補償以
外の歪み補償に適用することも可能であり、この場合に
は、例えば位相歪み発生手段や振幅歪み発生手段が増幅
器の後段のように増幅器の前段以外の所に備えられるよ
うな構成を用いることも可能であり、つまり、増幅器で
発生する3次歪みを低減させるための位相歪みや振幅歪
みを増幅器の後段などで増幅後の信号に対して発生させ
るような構成を用いることも可能である。
【0129】また、本発明に係るプリディストーション
歪み補償装置や増幅装置などにおいて行われる各種の処
理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハー
ドウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only
Memory)に格納された制御プログラムを実行することに
より制御される構成が用いられてもよく、また、例えば
当該処理を実行するための各機能手段が独立したハード
ウエア回路として構成されてもよい。また、本発明は上
記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)
ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュ
ータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム
(自体)として把握することもでき、当該制御プログラ
ムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに
実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させる
ことができる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るプリ
ディストーション歪み補償装置によると、複数の周波数
成分から構成される増幅対象となる信号を増幅する増幅
器で発生する3次歪みを低減させるために、増幅対象信
号のレベルと位相差がゼロで同期した当該増幅対象信号
の差周波数成分を有した位相歪み制御信号を生成すると
ともに、増幅対象信号のレベルと位相差が非ゼロで同期
した当該増幅対象信号の差周波数成分を有した振幅歪み
制御信号を生成し、増幅器の前段において増幅対象信号
に対して位相歪み制御信号に基づく位相歪みを発生させ
るとともに、増幅器の前段において増幅対象信号に対し
て振幅歪み制御信号に基づく振幅歪みを発生させるよう
にしたため、例えば従来と比べて、増幅器で発生する上
側3次歪みと下側3次歪みとのアンバランスを改善する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る歪み補償回路を備
えた増幅装置の構成例を示す図である。
【図2】 本発明の第2実施例に係る歪み補償回路を備
えた増幅装置の構成例を示す図である。
【図3】 本発明の第3実施例に係る歪み補償回路を備
えた増幅装置の構成例を示す図である。
【図4】 振幅変調結果の信号スペクトラムの一例を示
す図である。
【図5】 本発明に係るプリディストーション歪み補償
の一例を説明するための図である。
【図6】 従来例に係るプリディストーション方式によ
る歪み補償機能付き増幅装置の構成例を示す図である。
【図7】 増幅器から出力される増幅後の信号の一例を
示す図である。
【図8】 周波数f1の信号と周波数f2の信号との2
波をFETにより増幅する場合におけるドレイン電圧の
一例を示す図である。
【図9】 FETで処理される信号の包絡線の一例を示
す図である。
【図10】 FETにおけるAM−AM変換の特性例を
示す図である。
【図11】 FETで処理される信号の包絡線の一例を
示す図である。
【図12】 FETにおけるAM−PM変換の特性例を
示す図である。
【図13】 FETによるAM−AM変換の一例を説明
するための図である。
【図14】 FETによるAM−PM変換の一例を説明
するための図である。
【図15】 増幅器で発生する歪み及び従来例に係るプ
リディストーション歪み補償の一例を説明するための図
である。
【符号の説明】
1、11・・分岐部、 2・・遅延手段、 3・・2乗
検波器、4・・A/D変換器、 5a、5b・・テーブ
ル、6a、6b、15、23、33・・D/A変換器、
7a、7b・・LPF、8、21・・位相回路、 9
・・振幅回路、 10・・主増幅器、12・・歪み検知
回路、 13・・テーブル更新回路、14・・VCO制
御回路、 16・・VCO、 17・・クロック信号発
生器、18・・デジタル処理部、 22・・位相制御回
路、 31・・遅延回路、32・・遅延制御回路、 4
1・・振幅変調器、 51・・位相変調器、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 雅樹 東京都中野区東中野三丁目14番20号 株式 会社日立国際電気内 (72)発明者 洞口 正人 東京都中野区東中野三丁目14番20号 株式 会社日立国際電気内 (72)発明者 本江 直樹 東京都中野区東中野三丁目14番20号 株式 会社日立国際電気内 Fターム(参考) 5J090 AA01 CA21 FA20 GN03 KA00 KA15 KA32 KA33 KA34 KA42 KA53 KA55 MA20 SA13 TA01 TA02 TA03 5J500 AA01 AC21 AF20 AK00 AK15 AK32 AK33 AK34 AK42 AK53 AK55 AM20 AS13 AT01 AT02 AT03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の周波数成分から構成される増幅対
    象となる信号を増幅する増幅器で発生する3次歪みを低
    減させるための位相歪み及び振幅歪みを当該増幅器の前
    段において当該増幅対象信号に対して発生させるプリデ
    ィストーション歪み補償装置において、 増幅器の前段において増幅対象信号に対して位相歪み制
    御信号に基づく位相歪みを発生させる位相歪み発生手段
    と、 増幅器の前段において増幅対象信号に対して振幅歪み制
    御信号に基づく振幅歪みを発生させる振幅歪み発生手段
    と、 増幅対象信号のレベルと位相差がゼロで同期した当該増
    幅対象信号の差周波数成分を有した位相歪み制御信号を
    位相歪み発生手段に対して供給し、増幅対象信号のレベ
    ルと位相差が非ゼロで同期した当該増幅対象信号の差周
    波数成分を有した振幅歪み制御信号を振幅歪み発生手段
    に対して供給する制御信号供給手段と、 を備えたことを特徴とするプリディストーション歪み補
    償装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプリディストーション
    歪み補償装置において、 位相歪み発生手段は、位相歪み制御信号に基づいて信号
    の位相を変化させる位相回路から構成され、 振幅歪み発生手段は、振幅歪み制御信号に基づいて信号
    の振幅を変化させる振幅回路から構成され、 制御信号供給手段は、増幅対象信号のレベルに対応した
    位相歪み制御信号を当該増幅対象信号のレベルと位相差
    がゼロで同期させて位相回路に対して供給する位相歪み
    制御信号供給回路と、増幅対象信号のレベルに対応した
    振幅歪み制御信供給する振幅歪み制御信号供給回路とか
    ら構成された、 ことを特徴とするプリディストーション歪み補償装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のプリディ
    ストーション歪み補償装置において、 制御信号供給手段により供給される振幅歪み制御信号と
    増幅対象信号のレベルとの位相差により、増幅器で発生
    する上側周波数帯の3次歪みと下側周波数帯の3次歪み
    とのアンバランス成分を低減させる、 ことを特徴とするプリディストーション歪み補償装置。
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