JP2008154284A - 歪み補償装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 周波数f1の信号及び周波数f2の信号を増幅する場合に周波数(2・f2−f1)の歪み及び周波数(2・f1−f2)の歪みが発生する増幅器で発生する歪みを精度よく補償する歪み補償装置を提供する。
【解決手段】 例えば振幅回路9、遅延回路10、振幅変調器13及び振幅回路11、遅延回路12、位相変調器14を用いて構成された側帯波発生手段が増幅器15により増幅される信号を振幅変調及び位相変調して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に側帯波を発生させ、当該一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
【選択図】 図1
【解決手段】 例えば振幅回路9、遅延回路10、振幅変調器13及び振幅回路11、遅延回路12、位相変調器14を用いて構成された側帯波発生手段が増幅器15により増幅される信号を振幅変調及び位相変調して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に側帯波を発生させ、当該一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、増幅器で発生する歪みを補償する歪み補償装置に関し、特に、周波数f1の信号及び周波数f2の信号を増幅器で増幅する場合に発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みや周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みを補償する歪み補償装置に関する。なお、本明細書では、f1<f2としている。
増幅器では信号を増幅する場合に歪みが発生し、例えば通信信号を増幅器により増幅する通信装置では、W(Wide-banded)−CDMA(Code Division Multiple Access)の信号やマルチキャリアの信号などを増幅器で増幅する場合に発生する歪みを補償することが必要とされている。
図9には、従来において採用されている歪み補償機能付き増幅装置として、フィードフォワード方式による歪み補償回路を増幅器に付加して歪みを補償する増幅装置の構成例を示してある。
図9には、従来において採用されている歪み補償機能付き増幅装置として、フィードフォワード方式による歪み補償回路を増幅器に付加して歪みを補償する増幅装置の構成例を示してある。
同図に示した増幅装置では、入力信号(主信号)が分配器81により分配され、一方の分配信号が増幅器(主増幅器)82により増幅されて減算器84へ出力され、他方の分配信号が遅延線83を介して減算器84へ出力される。減算器84では、主増幅器82から入力される増幅信号の一部から遅延線83から入力される信号を減算して歪み成分を抽出し、その成分が歪み増幅器85へ出力され、主増幅器82から入力される歪み成分を含んだ増幅信号が遅延線86を介して減算器87へ出力される。また、減算器84から歪み増幅器85に入力される減算結果の歪み成分は当該歪み増幅器85により増幅されて減算器87へ出力される。減算器87では、遅延線86から入力される歪み成分を含んだ増幅信号から歪み増幅器85から入力される歪み成分信号を減算した結果が歪みのない補償後の増幅信号として出力される。
ここで、遅延線86から減算器87に入力される信号は主信号を主増幅器82で増幅したものであって当該主増幅器82で発生した歪みを含んでおり、また、歪み増幅器85から減算器87に入力される信号は当該歪みのため、減算器87から出力される信号は、主信号を主増幅器82で増幅したものから当該主増幅器82で発生した歪みを除去したものとなる。なお、分配器81や減算器84や減算器87はそれぞれ例えば方向性結合器から構成される。
しかしながら、このような増幅装置では、減算器84や遅延線86や減算器87のロス分だけ主増幅器82から出力される増幅信号が減衰させられてしまうため、装置に要求される出力レベルに対して主増幅器82からの出力レベルを増加させることが必要となってしまい、主増幅器82に関して効率の低下が生じてしまっていた。
これに対して、図10には、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
同図に示した増幅装置では、主増幅器92の前段にプリディストーション回路91が備えられており、当該プリディストーション回路91が、主増幅器92で発生する歪みと位相が180度(π)異なり(つまり、逆位相であり)且つ振幅が同一である歪みを主信号に対して予め発生させて、当該歪みを発生させた主信号を主増幅器92へ出力する。そして、プリディストーション回路91で発生させた歪みと主増幅器92で発生する歪みとが打ち消されることにより、当該歪みが補償される。
同図に示した増幅装置では、主増幅器92の前段にプリディストーション回路91が備えられており、当該プリディストーション回路91が、主増幅器92で発生する歪みと位相が180度(π)異なり(つまり、逆位相であり)且つ振幅が同一である歪みを主信号に対して予め発生させて、当該歪みを発生させた主信号を主増幅器92へ出力する。そして、プリディストーション回路91で発生させた歪みと主増幅器92で発生する歪みとが打ち消されることにより、当該歪みが補償される。
このような増幅装置では、例えば主増幅器92の後段に回路が付加されないため、損失がなく、高効率を実現することが可能である。しかしながら、このような増幅装置では、プリディストーション回路91で発生させる歪みと主増幅器92で発生する歪みとが、信号の入力変動や歪みの周波数特性に関して全体にわたって互いに一致することが必要となる。
ここで、増幅器で増幅される信号が歪むことは、AM(Amplitude Modulation)−AM(Amplitude Modulation)変換やAM(Amplitude Modulation)−PM(Phase Modulation)変換が生じるためであると解されている。
図11(a)には、一般的な増幅器のAM−AM変換の一例を示してあり、横軸は増幅器の入力レベルを示しており、縦軸は増幅器のゲインを示している。同図(a)では、理想的なゲイン特性G1と、増幅器のゲイン特性G2を示してあり、プリディストーション回路のゲイン特性と増幅器のゲイン特性G2とを総和した結果が理想的なゲイン特性G1となるように設定されることが必要となる。
図11(a)には、一般的な増幅器のAM−AM変換の一例を示してあり、横軸は増幅器の入力レベルを示しており、縦軸は増幅器のゲインを示している。同図(a)では、理想的なゲイン特性G1と、増幅器のゲイン特性G2を示してあり、プリディストーション回路のゲイン特性と増幅器のゲイン特性G2とを総和した結果が理想的なゲイン特性G1となるように設定されることが必要となる。
また、同図(b)には、一般的な増幅器のAM−PM変換の一例を示してあり、横軸は増幅器の入力レベルを示しており、縦軸は増幅器の出力位相を示している。同図(b)では、理想的な位相特性P1と、増幅器の位相特性P2を示してあり、プリディストーション回路の位相特性と増幅器の位相特性P2とを総和した結果が理想的な位相特性P1となるように設定されることが必要となる。
ここで、プリディストーションの原理を簡単に説明する。
上記図10中に示したαはプリディストーション回路91に入力される信号の瞬時電力を示しており、βはプリディストーション回路91から出力される信号の瞬時電力であって主増幅器92に入力される信号の瞬時電力を示しており、γは主増幅器92から出力される信号の瞬時電力を示している。
上記図10中に示したαはプリディストーション回路91に入力される信号の瞬時電力を示しており、βはプリディストーション回路91から出力される信号の瞬時電力であって主増幅器92に入力される信号の瞬時電力を示しており、γは主増幅器92から出力される信号の瞬時電力を示している。
主増幅器92の入出力特性をβ、γを用いて表すと、式1のように示される。ここで、Aは主増幅器92の小信号領域における利得及び位相を表すベクトルを示しており、Bは主増幅器92で発生する3次歪みの利得及び位相を表すベクトルを示しており、Cは主増幅器92で発生する5次歪みの利得及び位相を表すベクトルを示している。なお、A、B、Cや後述するa、b、cのそれぞれは、例えば(利得に関する係数、位相に関する係数)といったベクトルで表される。
同様に、プリディストーション回路91の入出力特性をα、βを用いて表すと、式2のように示される。ここで、aはプリディストーション回路91の小信号領域における利得及び位相を表すベクトルを示しており、bはプリディストーション回路91で発生する3次歪みの利得及び位相を表すベクトルを示しており、cはプリディストーション回路91で発生する5次歪みの利得及び位相を表すベクトルを示している。
上記式2を上記式1に代入してβを式中から消去すると、式3に示されるようにαとγとの関係式が得られる。
上記図10において、プリディストーション回路91の入力から主増幅器92の出力までを無歪みにするということは、上記式3中のα3の係数とα5の係数を共にゼロにすることに相当し、これは式4及び式5で示される。
プリディストーション回路91では、上記式4及び上記式5の条件を満足するような特性が実現されることが必要であり、これらの条件を満足すれば、増幅装置全体として、3次の相互変調(IM:Intermodulation)歪み(IM3)や5次の相互変調歪み(IM5)などの3次歪みや5次歪みは発生しなくなる。
しかしながら、上記図11(a)、(b)に示されるようにAM−AM変換やAM−PM変換の特性は非常に複雑なものであるため、上記した理想的な特性を実現して歪みの無い増幅装置を実現するためには、プリディストーション回路の特性が複雑な関数型となってしまい、アナログ方式或いは計算により特性曲線の係数を求めることは現実的には非常に困難なことになってしまう。
そこで、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の他の構成例として、図12に示すような構成のものが検討等されている。
同図に示した増幅装置では、入力信号である例えば無線周波数(RF:Radio
Frequency)帯の信号が分岐部101により分岐され、一方の分岐信号が遅延線102を介して位相回路107へ出力され、他方の分岐信号が振幅検波器103へ出力される。
同図に示した増幅装置では、入力信号である例えば無線周波数(RF:Radio
Frequency)帯の信号が分岐部101により分岐され、一方の分岐信号が遅延線102を介して位相回路107へ出力され、他方の分岐信号が振幅検波器103へ出力される。
振幅検波器103では入力される他方の分岐信号の瞬時振幅レベルが検出され、当該検出結果がA/D(Analog to Digital)変換器104によりアナログ信号からデジタル信号へ変換されて位相補正用のテーブル105a及び振幅補正用のテーブル105bへ出力される。
位相補正用のテーブル105aでは、位相を補正するための位相補正データを振幅レベルと対応付けてメモリに記憶しており、当該記憶内容が参照されて、A/D変換器104から入力される振幅レベルの検出結果に対応した位相補正データが読み出されてD/A(Dig ital to Analog)変換器106aへ出力される。D/A変換器106aでは、位相補正用のテーブル105aから入力される位相補正データがデジタル信号からアナログ信号へ変換されてローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)113aを介して位相回路107へ出力される。
同様に、振幅補正用のテーブル105bでは、振幅を補正するための振幅補正データを振幅レベルと対応付けてメモリに記憶しており、当該記憶内容が参照されて、A/D変換器104から入力される振幅レベルの検出結果に対応した振幅補正データが読み出されてD/A変換器106bへ出力される。D/A変換器106bでは、振幅補正用のテーブル105bから入力される振幅補正データがデジタル信号からアナログ信号へ変換されてローパスフィルタ(LPF)113aを介して振幅回路108へ出力される。
また、分岐部101から遅延線102へ出力される一方の分岐信号は、上記した振幅検波器103とA/D変換器104と位相補正用のテーブル105a及び振幅補正用のテーブル105bと2つのD/A変換器106a、106bから成る処理系により他方の分岐信号(当該一方の分岐信号に対応したもの)の振幅レベルに対応した位相補正用データの信号及び振幅補正用データの信号が位相回路107や振幅回路108に入力されるタイミングと同期するように、当該遅延線102により遅延させられる。
このような遅延により、位相回路107に入力される一方の分岐信号は、当該位相回路107において、当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した位相補正データに基づく位相歪みを与えられて振幅回路108へ出力される。同様に、このような遅延により、振幅回路108に入力される一方の分岐信号は、当該振幅回路108において、当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した振幅補正データに基づく振幅歪みを与えられて主増幅器109へ出力される。
ここで、一方の分岐信号に与えられる位相歪みや振幅歪みとしては、主増幅器109で発生する位相歪みや振幅歪みを打ち消すことができるような歪みが発生させられる。つまり、上記図11(a)、(b)に示したように、主増幅器109の特性が入力レベルに応じてAM−AM変換やAM−PM変換を生じることに対応して、これらの逆特性を与えることができるような位相補正データ及び振幅補正データが各テーブル105a、105bに設定され、これにより、増幅装置の全体として理想的な無歪みとなることが実現される。
すなわち、振幅回路108から出力される信号は主増幅器109により増幅され、この際に、主増幅器109で発生する位相歪み及び振幅歪みが位相回路107で与えられた位相歪み及び振幅回路108で与えられた振幅歪みにより打ち消され、主増幅器109からは歪みの無い増幅信号が分岐部110を介して出力される。
また、分岐部110では、主増幅器109から入力される増幅信号の一部が分岐され、当該分岐信号が歪み検知回路111へ出力される。
歪み検知回路111では、分岐部110から入力される分岐信号に含まれる歪み補償後に残っている歪み成分が検出され、当該検出結果がテーブル更新回路112へ出力される。
歪み検知回路111では、分岐部110から入力される分岐信号に含まれる歪み補償後に残っている歪み成分が検出され、当該検出結果がテーブル更新回路112へ出力される。
テーブル更新回路112では、歪み検知回路111から入力される検出結果に基づいて、分岐部110により取得される分岐信号に含まれる歪み成分が例えば最小となるような位相補正データ及び振幅補正データを計算して当該計算結果を各テーブル105a、105bへ出力することにより、当該各テーブル105a、105bに記憶される位相補正データ及び振幅補正データを最良の値とするように書き換えることが行われる。このようなフィードバック系を用いて位相補正データ及び振幅補性データの更新処理を行うことにより、例えば温度変化や経年変化の影響にかかわらず有効に動作することが可能な増幅装置が実現される。
しかしながら、増幅器の一般的な特徴として、発生する歪みが周波数依存性を有してしまうという問題がある。
図13には、説明しやすい様、周波数f1の主信号と周波数f2の主信号との2波を増幅器に入力した場合に、当該増幅器から出力される当該2波の主信号及び歪みの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は信号の振幅レベルを示している。ここで、歪みとしては、相互変調歪み等による成分を示してあり、周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みと周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みとを示してある。
図13には、説明しやすい様、周波数f1の主信号と周波数f2の主信号との2波を増幅器に入力した場合に、当該増幅器から出力される当該2波の主信号及び歪みの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は信号の振幅レベルを示している。ここで、歪みとしては、相互変調歪み等による成分を示してあり、周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みと周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みとを示してある。
同図に示されるように、2波の主信号の振幅レベルが同一である場合には、周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みの振幅レベルQ1と周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みの振幅レベルQ2との間にはΔIM(=Q1−Q2)の差が生じる。このようなΔIMの差が生じる場合には、例えば上記図10や上記図12に示したような増幅装置のプリディストーション回路部が理想的に動作するとしても、全周波数に対して同じ歪み補償処理が行われることから、当該差の成分については補償することができずに歪み補償後の信号中に残ってしまうといった問題がある。
なお、このようなΔIMの差は、増幅器で通常発生する歪みの要因以外の要因により生じるものであり、例えば増幅器で発生する通常の3次歪みの成分については下側の周波数(2・f1−f2)と上側の周波数(2・f2−f1)とで歪みの振幅レベルは同一となる。
ΔIMの差がAM−AM変換やAM−PM変換以外の要因で発生し、主増幅器で発生する3次歪みとプリディストーション回路部の特性が上記式3の条件を満足する関係にあるとし、AM−AM変換及びAM−PM変換による歪みについては理想的に補正されているとする。このとき、通常の歪み成分である3次歪み成分の特性とプリディストーション回路部の特性とが逆特性であって、完全に補償できたとしても図13の様にΔIM成分は補償できない。一例として、Q1=1.0であり、Q2=0.8であり、ΔIM=2dB=0.2である場合には、通常の歪み成分以外の歪み成分は0.1となり、通常の歪み成分は{Q2+(Q1−Q2)/2}=0.9となる。そして、通常の歪み成分以外の歪み成分が歪み補償後に残ることになるため、歪み補償量は|20Log(0.1/0.9)|=19dBにしかならない。また、ΔIMの大きさが大きい場合には、更に歪み補償量は悪くなる。
ところで、一般的に、上記図9に示したようなフィードフォワード方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置における歪み補償量は30dB以上とすることが可能であり、以上において例として示した歪み補償量に関しては、プリディストーション方式と比べてフィードフォワード方式を採用した場合の方が歪み補償量が良好であると言うことができる。
なお、上記したΔIMの差が生じる要因としては、種々考えられ、例えば主増幅器を構成するトランジスタで発生する偶数次の歪みにより差周波数(f2−f1)の歪みが発生し、再びトランジスタの歪みにより周波数f1及び周波数f2の入力信号が変調されるといった要因が考えられ、これは、ABクラスの増幅器のようにドレイン電流の変動が大きい場合には顕著である。また、他の要因として、例えば周波数(2・f1)や周波数(2・f2)のように2倍波の出力成分の周波数が(f2)分や(f1)分とが混合された場合などについても同様である。
以上のように、周波数f1の信号及び周波数f2の信号を増幅器で増幅する場合に発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−f2)の歪みは、いろいろと複雑な歪み発生原因が重なり合って生じるため、非常に複雑なものとなってしまい、周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みと周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みとの間に振幅や位相の差が生じてしまう。
上記従来例で示したように、従来のプリディストーション型歪み補償機能付き増幅装置では、上側3次歪みと下側3次歪みを同時に精度よく補償することができないといった不具合があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に発生する上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスを改善することを可能とする歪み改善回路などから構成される歪み補償装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に発生する上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスを改善することを可能とする歪み改善回路などから構成される歪み補償装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る歪み補償装置では、複数の周波数成分から構成される信号を増幅する増幅器により発生する上側周波数帯の3次歪みと下側周波数帯の3次歪みにアンバランスが存在する場合に、当該増幅器により増幅される信号に対して測帯波発生手段により振幅変調と位相変調を施すことで上側周波数帯又は下側周波数帯に側帯波を発生させて、歪み補償を行い、当該増幅器で発生した上側周波数帯の3次歪みと下側周波数帯の3次歪みとのアンバランス差分を低減する。
また、本発明に係る歪み補償装置では、好ましい態様例として、振幅変調を施す振幅変調手段では、制御信号出力手段が増幅器により増幅される信号に基づいて包絡線情報に基づく制御信号を出力し、振幅変化手段が出力される制御信号の振幅を変化させ、位相変化手段が制御信号の位相を変化させ、振幅変調実行手段が振幅及び位相が変化させられた制御信号に基づいて増幅器により増幅される信号を振幅変調することにより当該信号に対して側帯波を発生させる。
また、本発明に係る歪み補償装置では、好ましい態様例として、位相変調を施す位相変調手段では、制御信号出力手段が増幅器により増幅される信号に基づいて包絡線情報に基づく制御信号を出力し、振幅変化手段が出力される制御信号の振幅を変化させ、位相変化手段が制御信号の位相を変化させ、位相変調実行手段が振幅及び位相が変化させられた制御信号に基づいて増幅器により増幅される信号を位相変調することにより当該信号に対して側帯波を発生させる。
また、本発明に係る歪み補償装置では、好ましい態様例として、歪みレベル検出手段が歪み補償後の信号に含まれる上側周波数帯の3次歪みのレベル及び下側周波数帯の3次歪みのレベルを検出し、側帯波調整手段が検出される上側周波数帯の3次歪みレベルと下側周波数帯の3次歪みレベルとの差が小さくなるように振幅変調及び位相変調により発生させられる側帯波を調整する。
また、以上に示したような歪み補償装置は、例えばプリディストーション方式を用いて歪み補償を行う増幅装置に備えられるのに好適なものである。
本発明に係るプリディストーション方式を用いた増幅装置では、上記したような側帯波発生手段を有した歪み補償装置を備え、プリディストーション方式のみでは補償しきれない上側周波数帯の3次歪みと下側周波数帯の3次歪みとのアンバランスを当該歪み補償装置により改善する。
本発明に係るプリディストーション方式を用いた増幅装置では、上記したような側帯波発生手段を有した歪み補償装置を備え、プリディストーション方式のみでは補償しきれない上側周波数帯の3次歪みと下側周波数帯の3次歪みとのアンバランスを当該歪み補償装置により改善する。
また、本発明に係るプリディストーション方式増幅装置では、更に、歪み補償後の信号に含まれる上側周波数帯の3次歪みのレベル及び下側周波数帯の3次歪みのレベルを検出する歪みレベル検出手段と検出される上側周波数帯の3次歪みレベルと下側周波数帯の3次歪みレベルとの差が小さくなるように振幅変調及び位相変調により発生させられる側帯波を調整する側帯波調整手段とを歪み補償装置に付加することで、上側周波数帯の3次歪みのレベルと下側周波数帯の3次歪みのレベルとの差が小さくなるように制御することを可能とした。
以下で、更に具体的に本発明を説明する。
本発明の一例に係る上下3次歪みアンバランス改善回路では、周波数f1の信号及び周波数f2の信号を増幅器で増幅する場合に周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みが発生するときに、次のようにして、当該増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、側帯波発生手段が増幅器により増幅される信号を振幅変調(AM:Amplitude Modulation)及び位相変調(PM:Phase Modulation)して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に側帯波を発生させ、側帯波発生手段により発生させられる当該一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
本発明の一例に係る上下3次歪みアンバランス改善回路では、周波数f1の信号及び周波数f2の信号を増幅器で増幅する場合に周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みが発生するときに、次のようにして、当該増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、側帯波発生手段が増幅器により増幅される信号を振幅変調(AM:Amplitude Modulation)及び位相変調(PM:Phase Modulation)して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に側帯波を発生させ、側帯波発生手段により発生させられる当該一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
従って、周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に発生させられる側帯波を用いて歪み補償を行うことができるため、例えば従来のように図13のΔIM成分が歪み補償後に残ったとしても、本発明を適用することで、当該ΔIM成分を補償することが可能となる。
ここで、増幅器により増幅される信号としては、種々なものであってもよく、例えばW−CDMAの信号やマルチキャリアの信号などが用いられる。
また、増幅器としては、種々なものが用いられてもよく、例えば単数の増幅器が用いられてもよく、或いは、複数の増幅器が組み合わされて用いられてもよい。
また、歪みを補償する精度としては、理想的には増幅器で発生する歪みをゼロに打ち消すのが好ましいが、実用上で有効な程度であれば、種々な精度の歪み補償が行われてもよい。
また、増幅器としては、種々なものが用いられてもよく、例えば単数の増幅器が用いられてもよく、或いは、複数の増幅器が組み合わされて用いられてもよい。
また、歪みを補償する精度としては、理想的には増幅器で発生する歪みをゼロに打ち消すのが好ましいが、実用上で有効な程度であれば、種々な精度の歪み補償が行われてもよい。
また、振幅変調の対象となる信号である増幅器により増幅される信号や、位相変調の対象となる信号である増幅器により増幅される信号としては、増幅器により増幅される前の信号に限られず、例えば増幅器により増幅された後の信号などが用いられてもよい。
また、信号に対して行われる振幅変調と位相変調との順序としては、任意であってもよく、例えば振幅変調の後に位相変調が行われてもよく、位相変調の後に振幅変調が行われてもよい。
また、側帯波発生手段により発生させられる側帯波を用いて歪み補償する態様としては、例えば他の手段により発生させられる側帯波を併用して歪み補償する態様が用いられてもよい。
また、側帯波発生手段により発生させられる側帯波を用いて歪み補償する態様としては、例えば他の手段により発生させられる側帯波を併用して歪み補償する態様が用いられてもよい。
また、増幅器により増幅される信号としては、例えば周波数f1の信号及び周波数f2の信号のみであってもよく、或いは、周波数f1の信号及び周波数f2の信号と共に他の周波数の信号を含むものであってもよい。
また、振幅変調や位相変調の対象となる増幅器により増幅される信号としては、後述するように、例えば周波数f1の信号と周波数f2の信号との両方を含む信号が用いられてもよく、例えば周波数f1の信号を含んで周波数f2の信号を含まない信号が用いられてもよく、例えば周波数f2の信号を含んで周波数f1の信号を含まない信号が用いられてもよい。なお、ここで言う周波数f1の信号或いは周波数f2の信号を含まないことには、当該周波数f1の信号或いは当該周波数f2の信号の影響を実用上で有効に小さくすることができる程度で当該周波数f1の信号或いは当該周波数f2の信号を含むような場合も包含する。
また、周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に歪みを発生させる態様としては、当該一方の周波数に側帯波を発生させて他方の周波数に側帯波を発生させない態様が用いられるのが好ましいが、例えば実用上で有効に歪み補償を行うことができれば、当該他方の周波数に側帯波が発生するような態様が用いられてもよい。
また、増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)の歪み及び周波数(2・f1−f2)の歪みとは、例えば、上記図13に示したΔIMの差を有した2つの歪みのようなものであり、互いに位相と振幅との一方又は両方が異なっているようなものである。
また、本発明に係る歪み補償装置では、一例として、側帯波発生手段は振幅変調手段と位相変調手段とを用いて構成されており、次のようにして、増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、側帯波発生手段では、振幅変調手段が増幅器により増幅される信号を周波数(f2−f1)の制御信号を用いて振幅変調して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)との一方の周波数に振幅Aを有し且つ位相+θを有する側帯波を発生させるとともに他方の周波数に振幅Aを有し且つ位相−θを有する側帯波を発生させ、位相変調手段が増幅器により増幅される信号を周波数(f2−f1)の制御信号を用いて位相変調して前記一方の周波数に振幅Aを有し且つ位相+θを有する側帯波を発生させるとともに前記他方の周波数に振幅Aを有し且つ位相(−θ+π)を有する側帯波を発生させる。そして、振幅変調手段により発生させられる側帯波と位相変調手段により発生させられる側帯波との和である振幅(2・A)を有し且つ位相+θを有する前記一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、側帯波発生手段では、振幅変調手段が増幅器により増幅される信号を周波数(f2−f1)の制御信号を用いて振幅変調して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)との一方の周波数に振幅Aを有し且つ位相+θを有する側帯波を発生させるとともに他方の周波数に振幅Aを有し且つ位相−θを有する側帯波を発生させ、位相変調手段が増幅器により増幅される信号を周波数(f2−f1)の制御信号を用いて位相変調して前記一方の周波数に振幅Aを有し且つ位相+θを有する側帯波を発生させるとともに前記他方の周波数に振幅Aを有し且つ位相(−θ+π)を有する側帯波を発生させる。そして、振幅変調手段により発生させられる側帯波と位相変調手段により発生させられる側帯波との和である振幅(2・A)を有し且つ位相+θを有する前記一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
従って、振幅変調手段により発生させられる側帯波と位相変調手段により発生させられる側帯波との和である振幅(2・A)を有し且つ位相+θを有する前記一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償することで、例えば周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数については振幅変調手段による側帯波と位相変調手段による側帯波との総和結果を非ゼロ(ゼロでない値)として当該総和結果を歪み補償に用いる一方、他方の周波数については当該総和結果をゼロとすることができ、これにより、従来例のプリディストーションでは改善不可能であった図13のΔIM成分をも改善可能な歪み補償回路を実現することができる。
なお、ここで言う総和結果をゼロとすることには、例えば実用上で有効な程度で当該総和結果を小さくする場合も包含する。
また、本発明では、周波数(2・f2−f1)における上側3次歪み補償に本発明を適用する場合には、当該周波数(2・f2−f1)における前記総和結果を非ゼロとして歪み補償に用いる一方、周波数(2・f1−f2)における下側3次歪み補償に本発明を適用する場合には、当該周波数(2・f1−f2)における前記総和結果を非ゼロとして歪み補償に用いる。
また、本発明では、周波数(2・f2−f1)における上側3次歪み補償に本発明を適用する場合には、当該周波数(2・f2−f1)における前記総和結果を非ゼロとして歪み補償に用いる一方、周波数(2・f1−f2)における下側3次歪み補償に本発明を適用する場合には、当該周波数(2・f1−f2)における前記総和結果を非ゼロとして歪み補償に用いる。
また、本発明に係る歪み補償回路では、他の例として、側帯波発生手段は、周波数f1の信号と周波数f2の信号とのいずれか一方の信号を周波数(f2−f1)の制御信号を用いて振幅変調及び位相変調して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に側帯波を発生させる。
従って、例えば周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数については側帯波発生手段により発生させる側帯波を非ゼロ(ゼロでない値)として当該歪みを歪み補償に用いる一方、他方の周波数については側帯波発生手段により発生させる側帯波をゼロとする(つまり、側帯波を発生させない)ことができ、これにより、例えば従来例のプリディストーション回路と本発明を組み合わせて用いることにより、従来例のプリディストーション回路を単独で用いた場合と比べて、精度のよい歪み補償を実現することができる。
なお、ここで言う側帯波発生手段により発生させる側帯波をゼロとすることには、例えば実用上で有効な程度で当該側帯波を小さくする場合も包含する。
また、周波数f1と周波数f2とのいずれか一方の信号を振幅変調及び位相変調することは、例えば周波数f1の信号と周波数f2の信号とを含む信号から当該一方の周波数の信号を帯域通過フィルタ等のフィルタにより抽出して当該抽出結果を振幅変調及び位相変調する構成や、或いは、例えば周波数f1の信号と周波数f2の信号とを含む信号から帯域阻止フィルタ等のフィルタにより他方の周波数の信号を除去して当該除去結果を振幅変調及び位相変調する構成などを用いて実現することができる。
また、周波数f1と周波数f2とのいずれか一方の信号を振幅変調及び位相変調することは、例えば周波数f1の信号と周波数f2の信号とを含む信号から当該一方の周波数の信号を帯域通過フィルタ等のフィルタにより抽出して当該抽出結果を振幅変調及び位相変調する構成や、或いは、例えば周波数f1の信号と周波数f2の信号とを含む信号から帯域阻止フィルタ等のフィルタにより他方の周波数の信号を除去して当該除去結果を振幅変調及び位相変調する構成などを用いて実現することができる。
また、本発明に係る歪み補償装置では、例えば図12に示したような従来のプリディストーション回路と同様な回路を更に備え、次のようにして、増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、例えば従来のプリディストーション回路(同様な回路も含む)で歪み補償を行ったとしても、上述したように図13のΔIM成分が残る。そこで本発明の側帯波発生回路を組み合わせて用いることで、従来のプリディストーションにより発生させられる側帯波と本発明の側帯波発生手段により発生させられる側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、例えば従来のプリディストーション回路(同様な回路も含む)で歪み補償を行ったとしても、上述したように図13のΔIM成分が残る。そこで本発明の側帯波発生回路を組み合わせて用いることで、従来のプリディストーションにより発生させられる側帯波と本発明の側帯波発生手段により発生させられる側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償する。
従って、周波数(2・f2−f1)もしくは周波数(2・f1−f2)のいずれか一方の周波数に残ったΔIM成分を、本発明によりΔIMが残った周波数にのみ側帯波を発生させることで、相殺することができるため、全体として、増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みの両方の影響を小さくするように精度よく歪み補償することができる。
ここで、増幅器で発生する歪みを補償する態様としては、例えば増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みと周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みとの両方をゼロに打ち消すような態様が用いられるのが好ましいが、これに限られず、他の態様が用いられてもよい。なお、ここで言う好ましい態様の一例として、例えば従来のプリディストーション回路により発生させられる側帯波を用いて増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みと周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みとの一方の一部及び他方の全部を補償するとともに、側帯波発生手段により発生させられる側帯波を用いて増幅器で発生する当該一方の残りの部分を補償するような態様を用いることができる。
以下で、本発明の原理を説明する。
まず、図4を参照して、増幅器で発生する歪みを打ち消す(キャンセルする)仕方の一例を示す。なお、以下では、図中に示す縦軸の上方向を位相の基準方向として当該基準方向の位相をゼロとする。
同図(a)には、周波数f1の信号と周波数f2の信号との2波が増幅器により増幅される場合に出力されるこれら2波の信号及びIM歪みのスペクトラムの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は信号のレベルを示している。ここで、同図(a)では、周波数(2・f1−f2)及び周波数(2・f2−f1)に3次IM歪みが発生している。また、周波数f1の信号と周波数f2の信号とは互いに振幅が同一であるとする。
まず、図4を参照して、増幅器で発生する歪みを打ち消す(キャンセルする)仕方の一例を示す。なお、以下では、図中に示す縦軸の上方向を位相の基準方向として当該基準方向の位相をゼロとする。
同図(a)には、周波数f1の信号と周波数f2の信号との2波が増幅器により増幅される場合に出力されるこれら2波の信号及びIM歪みのスペクトラムの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は信号のレベルを示している。ここで、同図(a)では、周波数(2・f1−f2)及び周波数(2・f2−f1)に3次IM歪みが発生している。また、周波数f1の信号と周波数f2の信号とは互いに振幅が同一であるとする。
同図(b)では、同図(a)に示した周波数(2・f1−f2)の3次IM歪みをベクトルa1として示してあるとともに、周波数(2・f2−f1)の3次IM歪みをベクトルa2として示してあり、同図(b)に示されるように、周波数(2・f1−f2)の歪み成分は時計回りに+θ1の位相回転を受け、周波数(2・f2−f1)の歪み成分は時計回りに+θ2の位相回転を受けている。
このように、通常、周波数(2・f1−f2)の3次IM歪み及び周波数(2・f2−f1)の3次IM歪みは、整合などによる周波数特性の影響により、同図(b)に示したように互いに非対称となる。
このように、通常、周波数(2・f1−f2)の3次IM歪み及び周波数(2・f2−f1)の3次IM歪みは、整合などによる周波数特性の影響により、同図(b)に示したように互いに非対称となる。
なお、上記のような位相回転については、例えば「“Transfer Characteristic of IM3 Relative Phase for a GaAs FET Amplifier”、Suematsu、Iyama、Ishida、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、VOL.45、NO.12、DECEMBER 1997」に記載されている。
更に、AM−AM変換やAM−PM変換や上記したような周波数特性以外の要因(以下で、第三の要因と言う)により歪みが発生することを考慮して、同図(c)に示されるように、周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みにはベクトルb1で表される歪みを付加し、周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みにはベクトルb2で表される歪みを付加する。ここで、同図(c)では、ベクトルa1とベクトルb1とを加算した結果を合成ベクトルc1=a1+b1として示してあり、ベクトルa2とベクトルb2とを加算した結果を合成ベクトルc2=a2+b2として示してある。また、同図(c)に示されるように、ベクトルc1で表される周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みは時計回りに+θ3だけ位相回転しており、ベクトルc2で表される周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みは時計回りに+θ4だけ位相回転している。
ここで、同図(c)に示した歪みに対して例えば上記図12に示したような歪み補償回路により理想的な歪み補償を行うと、一例として、当該歪み補償回路により周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みをゼロに打ち消す場合には、当該歪み補償回路では、図4(d)に点線で示されるように、周波数(2・f1−f2)及び周波数(2・f2−f1)の両方にベクトル−c1で表される下側帯を発生させる。
すると、この場合、同図(d)や同図(e)に示されるように、増幅器で発生する周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みについてはゼロに打ち消される一方、増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みについてはゼロに打ち消されずに、ベクトルd=c2−c1に相当する歪み成分が残る。この理由は、上述したように、上記したような周波数特性や第三の要因があるためであり、例えば上記図12に示したような従来の歪み補償回路ではこのような残った歪み成分(残歪み)を補償することができない。なお、図4(d)及び同図(e)に示されるように、ベクトルdで表される周波数(2・f2−f1)の残歪みは時計回りに+θ5だけ位相回転している。
更に、同図(f)に示されるように、周波数(2・f1−f2)の残歪みは実線で示すベクトルe=(d/2)で表される成分と点線で示すベクトル−e=−(d/2)で表される成分とに分解することができ、また、周波数(2・f2−f1)の残歪みは実線で示すベクトルe=(d/2)で表される成分と点線で示すベクトルe=(d/2)で表される成分とに分解することができる。
つまり、周波数(2・f1−f2)及び周波数(2・f2−f1)の残歪みは、周波数(2・f1−f2)の位置に実線で示したベクトルeで表される成分及び周波数(2・f2−f1)の位置に実線で示したベクトルeで表される成分から成る振幅変調成分(AM成分)と、周波数(2・f1−f2)の位置に点線で示したベクトル−eで表される成分及び周波数(2・f2−f1)の位置に点線で示したベクトルeで表される成分から成る位相変調成分(PM成分)とに分解することができる。
そして、このことは、振幅変調と位相変調との両方を組合せて用いることで上記のような周波数特性や第三の要因による残歪みをもゼロに打ち消すことが可能であることを示しており、具体的には、一例として、上記図12に示したような歪み補償装置に振幅変調器(AM変調器)及び位相変調器(PM変調器)を付加したような装置を用いて増幅器で発生する周波数(2・f1−f2)の下側3次歪み及び周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みの両方を精度よく補償することができる。
次に、上記図4(f)に実線で示した振幅変調成分と同図(f)に点線で示した位相変調成分を発生させる方法の一例を示す。
まず、振幅変調の一例を示す。
図5(a)には、制御信号cos(ωa・t)及び変調指数δを用いて振幅変調器61によりキャリア信号cos(ωc・t)を振幅変調する構成例を示してあり、この場合、当該振幅変調された信号xは式6のように示される。なお、tは時刻を示しており、ωaは振幅変調の角振動数を示しており、ωcはキャリア信号の角振動数を示している。
まず、振幅変調の一例を示す。
図5(a)には、制御信号cos(ωa・t)及び変調指数δを用いて振幅変調器61によりキャリア信号cos(ωc・t)を振幅変調する構成例を示してあり、この場合、当該振幅変調された信号xは式6のように示される。なお、tは時刻を示しており、ωaは振幅変調の角振動数を示しており、ωcはキャリア信号の角振動数を示している。
また、同図(b)には、制御信号cos(ωa・t)を遅延回路62により時間τだけ遅延させて当該遅延後の制御信号cos{ωa・(t+τ)}及び変調指数δを用いて振幅変調器63によりキャリア信号cos(ωc・t)を振幅変調する構成例を示してあり、この場合には、当該振幅変調された信号x’は式7のように示される。
なお、上記式6や上記式7に示した振幅変調結果x、x’ではそれぞれ、最右辺の第1項で表される角振動数ωcの信号成分が主信号の成分に相当し、最右辺の第2項で表される角振動数(ωc+ωa)の信号成分が上側周波数帯の側帯波に相当し、最右辺の第3項で表される角振動数(ωc−ωa)の信号成分が下側周波数帯の側帯波に相当する。ここで、これら2つの側帯波は、例えば増幅器により主信号を増幅することで発生する相互変調(IM)歪みに相当する。
また、図7(a)には、上記式6や上記式7で示した振幅変調結果x、x’に含まれる側帯波のみをベクトル表示してあり、具体的には、制御信号cos(ωa・t)を遅延させない場合の振幅変調結果xに含まれる角振動数(ωc−ωa)の側帯波及び当該振幅変調結果xに含まれる角振動数(ωc+ωa)の側帯波をベクトルfで示してあり、制御信号cos(ωa・t)を遅延させた場合の振幅変調結果x’に含まれる角振動数(ωc−ωa)の側帯波をベクトルg1で示してあり、制御信号cos(ωa・t)を遅延させた場合の振幅変調結果x’に含まれる角振動数(ωc+ωa)の側帯波をベクトルg2で示してある。
同図(a)に示されるように、制御信号cos(ωa・t)を遅延させない場合と比べて、制御信号cos(ωa・t)を遅延させた場合には、低周波数側である角振動数(ωc−ωa)の側帯波g1はベクトルfから時計回りに−θ=−(ωa・τ)だけ位相回転し、高周波数側である角振動数(ωc+ωa)の側帯波g2はベクトルfから時計回りに+θ=+(ωa・τ)だけ位相回転する。すると、角振動数(ωc−ωa)の側帯波g1の位相は−θとなり、角振動数(ωc+ωa)の側帯波g2の位相は+θとなる。
次に、位相変調の一例を示す。
図6(a)には、制御信号sin(ωa・t)及び変調指数φを用いて位相変調器71によりキャリア信号cos(ωc・t)を位相変調する構成例を示してあり、この場合、当該位相変調された信号yは式8のように示される。なお、tは時刻を示しており、ωaは位相変調の角振動数を示しており、ωcはキャリア信号の角振動数を示している。
図6(a)には、制御信号sin(ωa・t)及び変調指数φを用いて位相変調器71によりキャリア信号cos(ωc・t)を位相変調する構成例を示してあり、この場合、当該位相変調された信号yは式8のように示される。なお、tは時刻を示しており、ωaは位相変調の角振動数を示しており、ωcはキャリア信号の角振動数を示している。
また、上記式8は通常では一般に知られるベッセル関数を用いて展開されるが、例えば変調指数φが小さいような場合には式9に示されるように近似的に簡略化することができる。
また、同図(b)には、制御信号sin(ωa・t)を遅延回路72により時間τだけ遅延させて当該遅延後の制御信号sin{ωa・(t+τ)}及び変調指数φを用いて位相変調器73によりキャリア信号cos(ωc・t)を位相変調する構成例を示してあり、この場合には、当該位相変調された信号y’は式10のように示される。なお、上記式9の場合と同様に、式10では、例えば変調指数φが小さいとして近似している。
なお、上記式9や上記式10に示した位相変調結果y、y’ではそれぞれ、最右辺の第1項で表される角振動数ωcの信号成分が主信号の成分に相当し、最右辺の第2項で表される角振動数(ωc+ωa)の信号成分が上側周波数帯の側帯波に相当し、最右辺の第3項で表される角振動数(ωc−ωa)の信号成分が下側周波数帯の側帯波に相当する。ここで、これら2つの側帯波は、例えば増幅器により主信号を増幅する際に発生する相互変調(IM)歪みに相当する。
また、図7(b)には、上記式9や上記式10で示した位相変調結果y、y’に含まれる側帯波のみをベクトル表示してあり、具体的には、制御信号sin(ωa・t)を遅延させない場合の位相変調結果yに含まれる角振動数(ωc−ωa)の側帯波をベクトル−hで示してあり、制御信号sin(ωa・t)を遅延させない場合の位相変調結果yに含まれる角振動数(ωc+ωa)の側帯波をベクトル+hで示してあり、制御信号sin(ωa・t)を遅延させた場合の位相変調結果y’に含まれる角振動数(ωc−ωa)の側帯波をベクトルk1で示してあり、制御信号sin(ωa・t)を遅延させた場合の振幅変調結果y’に含まれる角振動数(ωc+ωa)のサイドバンド信号成分をベクトルk2で示してある。なお、ベクトル−hは、ベクトル+hを180度(=π)だけ位相回転させたものに相当する。
同図(b)に示されるように、制御信号sin(ωa・t)を遅延させない場合と比べて、制御信号sin(ωa・t)を遅延させた場合には、低周波数側である角振動数(ωc−ωa)の側帯波k1はベクトル−hから時計回りに−θ=−(ωa・τ)だけ位相回転し、高周波数側である角振動数(ωc+ωa)の側帯波k2はベクトル+hから時計回りに+θ=+(ωa・τ)だけ位相回転する。すると、角振動数(ωc−ωa)の側帯波k1の位相は(−θ+π)となり、角振動数(ωc+ωa)の側帯波k2の位相は+θとなる。
次に、上記のような振幅変調と上記のような位相変調との両方をキャリア信号cos(ωc・t)に対して行うことを考える。
第1の例として、振幅変調及び位相変調の組合せによりキャリア信号cos(ωc・t)に発生させられる側帯波は、例えば上記式7に示した振幅変調結果x’に含まれる側帯波と上記式10に示した位相変調結果y’に含まれる側帯波とを総和した結果z’となり、当該総和結果z’は式11で示される。
第1の例として、振幅変調及び位相変調の組合せによりキャリア信号cos(ωc・t)に発生させられる側帯波は、例えば上記式7に示した振幅変調結果x’に含まれる側帯波と上記式10に示した位相変調結果y’に含まれる側帯波とを総和した結果z’となり、当該総和結果z’は式11で示される。
上記式11に基づいて、周波数(f2−f1)の制御信号を用いて周波数f1の信号及び周波数f2の信号を振幅変調及び位相変調する場合を考える。この場合、周波数f1の信号を振幅変調及び位相変調した結果に含まれる側帯波z’1は式12で示され、周波数f2の信号を振幅変調及び位相変調した結果に含まれる側帯波z’2は式13で示される。ここで、周波数f1に対応した角振動数をω1で表し、周波数f2に対応した角振動数をω2で表す。この場合、ωc=ω1又はωc=ω2となり、ωa=(ω2−ω1)となる。
また、振幅変調の変調指数δと位相変調の変調指数φとが等しいとすると、式12は式14のように表され、式13は式15のように表される。なお、η=δ=φとしてある。
上記式14及び上記式15では、周波数(2・f1−f2)及び周波数(2・f2−f1)に関しては、角振動数(2・ω2−ω1)に対応した周波数(2・f2−f1)の側帯波のみを発生させることができ、変調指数η=δ=φを制御することで当該サイドバンド信号成分の振幅を制御することができ、制御信号の遅延時間τを制御することで当該側帯波の位相を制御することができる。なお、上記式14の右辺で表される角振動数ω2に対応した周波数f2の信号成分については、例えば変調指数ηが小さいような場合には、当該周波数f2の主信号と比べて、振幅が非常に小さくその影響を無視することが可能である。
次に、図8を参照して、以上のような原理に基づいて、上記図4(e)及び同図(f)に示したような残歪みdを打ち消すための歪み(キャンセル用の歪み)を生成する様子の一例を示す。
図8(a)には、上記図4(e)及び同図(f)に示したのと同様な残歪みとして周波数(2・f2−f1)に生じるベクトルdに相当する残歪みを実線で示してあり、また、当該残歪みdを打ち消すことができるベクトル−dに相当する歪みを点線で示してある。なお、ベクトルdは時計方向にθ5だけ位相回転しており、ベクトル−dは時計回りに−θ6=−(π−θ5)だけ位相回転している。また、図8(a)では、周波数(2・f1−f2)には残歪みは生じていない。
図8(a)には、上記図4(e)及び同図(f)に示したのと同様な残歪みとして周波数(2・f2−f1)に生じるベクトルdに相当する残歪みを実線で示してあり、また、当該残歪みdを打ち消すことができるベクトル−dに相当する歪みを点線で示してある。なお、ベクトルdは時計方向にθ5だけ位相回転しており、ベクトル−dは時計回りに−θ6=−(π−θ5)だけ位相回転している。また、図8(a)では、周波数(2・f1−f2)には残歪みは生じていない。
周波数f1の信号及び周波数f2の信号を振幅変調した結果に含まれる側帯波z’a(f1、f2)は、上記式7でωc=ω1とした場合の振幅変調結果に含まれる側帯波z’a(f1)と上記式7でωc=ω2とした場合の振幅変調結果に含まれる側帯波z’a(f2)との和で表され、式16のように示される。
また、上記式16に示した振幅変調による側帯波z’a(f1、f2)に含まれる周波数(2・f1−f2)の信号成分及び周波数(2・f2−f1)の信号成分を取り出した信号成分z’ad(f1、f2)は式17のように示される。
図8(b)には、上記式17で示される振幅変調による側帯波の一例を示してあり、上記式17の右辺の第1項で表される側帯波が周波数(2・f1−f2)に生じるベクトルm1で表される側帯波に相当しており、上記式17の右辺の第2項で表される側帯波が周波数(2・f2−f1)に生じるベクトルm2で表される側帯波に相当している。ここで、振幅変調の変調指数δについては、例えばδ=|d|となるように調整し、この場合、ベクトルm1の長さ|m1|及びベクトルm2の長さ|m2|はベクトルdの長さ|d|の1/2となり、すなわち|m1|=|m2|=|d/2|となる。また、振幅変調の制御信号cos(ωa・t)に与える遅延時間τについては、例えば(ω2−ω1)・τ=−θ6となるように調整する。
また、周波数f1の信号及び周波数f2の信号を位相変調した結果に含まれる側帯波z’p(f1、f2)は、上記式10でωc=ω1とした場合の位相変調結果に含まれる側帯波z’p(f1)と上記式10でωc=ω2とした場合の位相変調結果に含まれる側帯波z’p(f2)との和で表され、式18のように示される。
また、上記式18に示した位相変調による側帯波z’p(f1、f2)に含まれる周波数(2・f1−f2)の信号成分及び周波数(2・f2−f1)の信号成分を取り出した信号成分z’pd(f1、f2)は式19のように示される。
図8(c)には、上記式19で示される位相変調による側帯波の一例を点線で示してあり、上記式19の右辺の第1項で表される側帯波が周波数(2・f1−f2)に生じるベクトルn1で表される側帯波に相当しており、上記式19の右辺の第2項で表される側帯波が周波数(2・f2−f1)に生じるベクトルn2で表される側帯波に相当している。ここで、位相変調の変調指数φについては、例えばφ=|d|となるように調整し、この場合、ベクトルn1の長さ|n1|及びベクトルn2の長さ|n2|はベクトルdの長さ|d|の1/2となり、すなわち|n1|=|n2|=|d/2|となる。また、位相変調の制御信号sin(ωa・t)に与える遅延時間τについては、例えば(ω2−ω1)・τ=−θ6となるように調整する。
また、上記式17に示した振幅変調による歪みと上記式19に示した位相変調による歪みとを総和した結果z’apd(f1、f2)は式20のように示される。
図8(d)には、同図(b)に示した振幅変調による側帯波と同図(c)に示した位相変調による側帯波とを総和した結果の一例を示してあり、当該総和結果は上記式20で示される総和結果z’apd(f1、f2)に相当する。つまり、周波数(2・f1−f2)では互いに同じ長さで逆相のベクトルm1とベクトルn1とが加算されて当該加算結果はゼロベクトルとなり(m1+n1=0)、周波数(2・f2−f1)では互いに同じ長さで同相のベクトルm2とベクトルn2とが加算されて当該加算結果は同図(a)に示したベクトル−dと等しくなる(m2+n2=−d)。
ここで、第1の例では、振幅変調で用いられる制御信号δ・cos{(ω2−ω1)・(t+τ)}や位相変調で用いられる制御信号φ・sin{(ω2−ω1)・(t+τ)}が本発明に言う周波数(f2−f1)の制御信号に相当する。
また、第1の例では、周波数(2・f2−f1)が本発明に言う一方の周波数に相当し、側帯波発生手段は当該周波数に側帯波を発生させる。また、第1の例では、周波数(2・f1−f2)が本発明に言う他方の周波数に相当し、側帯波発生手段は例えば当該周波数に側帯波を発生させない。
また、第1の例では、周波数(2・f2−f1)が本発明に言う一方の周波数に相当し、側帯波発生手段は当該周波数に側帯波を発生させる。また、第1の例では、周波数(2・f1−f2)が本発明に言う他方の周波数に相当し、側帯波発生手段は例えば当該周波数に側帯波を発生させない。
また、第1の例では、上記式20の第1右辺の第2項で表される周波数(2・f2−f1)の側帯波が本発明に言う振幅変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相+θ=(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当し、上記式20の第1右辺の第1項で表される周波数(2・f1−f2)の側帯波が本発明に言う振幅変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相−θ=−(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当する。
また、第1の例では、上記式20の第1右辺の第4項で表される周波数(2・f2−f1)の側帯波が本発明に言う位相変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相+θ=(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当し、上記式20の第1右辺の第3項で表される周波数(2・f1−f2)の側帯波が本発明に言う位相変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相(−θ+π)={−(ω2−ω1)・τ+π}を有する側帯波に相当する。
また、第1の例では、上記式20の最右辺で表される周波数(2・f2−f1)の側帯波が本発明に言う振幅(2・A)=ηを有し且つ位相+θ=(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当する。
また、周波数f1の信号と周波数f2の信号との両方を振幅変調及び位相変調する構成ばかりでなく、例えば周波数(f2−f1)の制御信号を用いて周波数f2の信号を振幅変調及び位相変調する構成によっても、上記式15で示されるように、周波数(2・f2−f1)に側帯波を発生させて周波数(2・f1−f2)に側帯波を発生させないことが可能である。
次に、第2の例として、上記式7に示した振幅変調結果x’に対して上記式10に示した位相変調結果y’が逆相となるように例えば位相変調の制御信号sin(ωa・t)の遅延時間を(τ+π/ωa)とすると、振幅変調及び位相変調の組合せによりキャリア信号cos(ωc・t)に発生させられる側帯波は、例えば上記式7に示した振幅変調結果x’に含まれる側帯波と上記式10に示した位相変調結果y’に含まれる側帯波とを逆相で総和した結果z’’となり、当該総和結果z’’は式21で示される。
上記式21に基づいて、周波数(f2−f1)の制御信号を用いて周波数f1の信号及び周波数f2の信号を振幅変調及び位相変調する場合を考える。この場合、周波数f1の信号を振幅変調及び位相変調した結果に含まれる側帯波z’’1は式22で示され、周波数f2の信号を振幅変調及び位相変調した結果に含まれる側帯波z’’2は式23で示される。ここで、周波数f1に対応した角振動数をω1で表し、周波数f2に対応した角振動数をω2で表す。この場合、ωc=ω1又はωc=ω2となり、ωa=(ω2−ω1)となる。
また、振幅変調の変調指数δと位相変調の変調指数φとが等しいとすると、式22は式24のように表され、式23は式25のように表される。なお、η=δ=φとしてある。
上記式24及び上記式25では、周波数(2・f1−f2)及び周波数(2・f2−f1)に関しては、角振動数(2・ω1−ω2)に対応した周波数(2・f1−f2)の側帯波のみを発生させることができ、変調指数η=δ=φを制御することで当該側帯波の振幅を制御することができ、制御信号の遅延時間τ、(τ+π/ωa)を制御することで当該側帯波の位相を制御することができる。なお、上記式25の右辺で表される角振動数ω1に対応した周波数f1の信号成分については、例えば変調指数ηが小さいような場合には、当該周波数f1の主信号と比べて、振幅が非常に小さくその影響を無視することが可能である。
次に、以上のような原理に基づいて、周波数(2・f1−f2)に生じる残歪みd’を打ち消すための側帯波を生成する様子の一例を示す。
なお、第2の例では、概略的には、例えば上記した第1の例で示した図8(a)〜同図(d)での周波数(2・f1−f2)における様子と周波数(2・f2−f1)における様子とを互いに入れ替えたような様子となる。
なお、第2の例では、概略的には、例えば上記した第1の例で示した図8(a)〜同図(d)での周波数(2・f1−f2)における様子と周波数(2・f2−f1)における様子とを互いに入れ替えたような様子となる。
第2の例では、周波数(2・f1−f2)に生じるベクトルd’に相当する残歪みに対して、当該残歪みd’を打ち消すことができるベクトル−d’に相当する側帯波を発生させればよい。なお、ベクトルd’は時計方向にθ’5だけ位相回転しており、ベクトル−d’は時計回りにθ’6=−(π−θ’5)だけ位相回転している。また、周波数(2・f2−f1)には残歪みは生じていない。
周波数f1の信号及び周波数f2の信号を振幅変調した結果に含まれる側帯波z’’a(f1、f2)は、上記式7でωc=ω1とした場合の振幅変調結果に含まれる側帯波z’’a(f1)と上記式7でωc=ω2とした場合の振幅変調結果に含まれる側帯波z’’a(f2)との和で表され、式26のように示される。
また、上記式26に示した振幅変調による側帯波z’’a(f1、f2)に含まれる周波数(2・f1−f2)の信号成分及び周波数(2・f2−f1)の信号成分を取り出した信号成分z’’ad(f1、f2)は式27のように示される。
ここで、上記式27の右辺の第1項で表される側帯波が周波数(2・f1−f2)に生じるベクトルm’1で表される側帯波に相当しており、上記式27の右辺の第2項で表される側帯波が周波数(2・f2−f1)に生じるベクトルm’2で表される側帯波に相当している。また、振幅変調の変調指数δについては、例えばδ=|d|となるように調整し、この場合、ベクトルm’1の長さ|m’1|及びベクトルm’2の長さ|m’2|はベクトルd’の長さ|d’|の1/2となり、すなわち|m’1|=|m’2|=|d’/2|となる。また、振幅変調の制御信号cos(ωa・t)に与える遅延時間τについては、例えば(ω2−ω1)・τ=−θ’6となるように調整する。
また、周波数f1の信号及び周波数f2の信号を位相変調した結果に含まれる側帯波z’’p(f1、f2)は、上記式10でωc=ω1とした場合の位相変調結果に含まれる側帯波z’’p(f1)と上記式10でωc=ω2とした場合の位相変調結果に含まれる側帯波z’’p(f2)との和で表され、第2の例では、制御信号sin(ωa・t)に与える遅延時間を(τ+π/ωa)としていることから、式28のように示される。
また、上記式28に示した位相変調による側帯波z’’p(f1、f2)に含まれる周波数(2・f1−f2)の信号成分及び周波数(2・f2−f1)の信号成分を取り出した信号成分z’’pd(f1、f2)は式29のように示される。
ここで、上記式29の右辺の第1項で表される歪み成分が周波数(2・f1−f2)に生じるベクトルn’1で表される側帯波に相当しており、上記式29の右辺の第2項で表される側帯波が周波数(2・f2−f1)に生じるベクトルn’2で表される側帯波に相当している。また、位相変調の変調指数φについては、例えばφ=|d|となるように調整し、この場合、ベクトルn’1の長さ|n’1|及びベクトルn’2の長さ|n’2|はベクトルd’の長さ|d’|の1/2となり、すなわち|n’1|=|n’2|=|d’/2|となる。また、位相変調の制御信号sin(ωa・t)に与える遅延時間(τ+π/ωa)については、例えば(ω2−ω1)・τ=−θ’6となるように調整する。
また、上記式27に示した振幅変調による歪みと上記式29に示した位相変調による側帯波とを総和した結果z’’apd(f1、f2)は式30のように示される。
このように、周波数(2・f1−f2)では互いに同じ長さで同相のベクトルm’1とベクトルn’1とが加算されて当該加算結果は上記したベクトル−d’と等しくなり(m’1+n’1=−d’)、周波数(2・f2−f1)では互いに同じ長さで逆相のベクトルm’2とベクトルn’2とが加算されて当該加算結果はゼロベクトルとなる(m’2+n’2=0)。
ここで、第2の例では、振幅変調で用いられる制御信号δ・cos{(ω2−ω1)・(t+τ)}や位相変調で用いられる制御信号φ・sin[(ω2−ω1)・{t+τ+π/(ω2−ω1)}]=(−φ)・sin{(ω2−ω1)・(t+τ)}が本発明に言う周波数(f2−f1)の制御信号に相当する。
また、第2の例では、周波数(2・f1−f2)が本発明に言う一方の周波数に相当し、側帯波発生手段は当該周波数に側帯波を発生させる。また、第2の例では、周波数(2・f2−f1)が本発明に言う他方の周波数に相当し、側帯波発生手段は例えば当該周波数に側帯波を発生させない。
また、第2の例では、周波数(2・f1−f2)が本発明に言う一方の周波数に相当し、側帯波発生手段は当該周波数に側帯波を発生させる。また、第2の例では、周波数(2・f2−f1)が本発明に言う他方の周波数に相当し、側帯波発生手段は例えば当該周波数に側帯波を発生させない。
また、第2の例では、上記式30の第1右辺の第1項で表される周波数(2・f1−f2)の側帯波が本発明に言う振幅変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相+θ=−(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当し、上記式30の第1右辺の第2項で表される周波数(2・f2−f1)の側帯波が本発明に言う振幅変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相−θ=(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当する。
また、第2の例では、上記式30の第1右辺の第3項で表される周波数(2・f1−f2)の側帯波が本発明に言う位相変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相+θ=−(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当し、上記式30の第1右辺の第4項で表される周波数(2・f2−f1)の側帯波が本発明に言う位相変調により発生させられる振幅A=η/2を有し且つ位相(−θ+π)={(ω2−ω1)・τ+π}を有する側帯波に相当する。
また、第2の例では、上記式30の最右辺で表される周波数(2・f1−f2)の歪みが本発明に言う振幅(2・A)=ηを有し且つ位相+θ=−(ω2−ω1)・τを有する側帯波に相当する。
また、周波数f1の信号と周波数f2の信号との両方を振幅変調及び位相変調する構成ばかりでなく、例えば周波数(f2−f1)の制御信号を用いて周波数f1の信号を振幅変調及び位相変調する構成によっても、上記式24で示されるように、周波数(2・f1−f2)に歪みを発生させて周波数(2・f2−f1)に側帯波を発生させないことが可能である。
以上説明したように、本発明に係る歪み補償装置などによると、例えば、周波数f1の信号及び周波数f2の信号を増幅する場合に周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みが発生する増幅器で発生する歪みを補償するに際して、増幅器により増幅される信号を振幅変調及び位相変調して周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に側帯波を発生させ、当該一方の周波数の側帯波を用いて増幅器で発生する歪みを補償するようにしたため、精度のよい歪み補償を実現することができる。
また、本発明に係る歪み補償装置などでは、例えば従来例のプリディストーション回路と組合せて用いて増幅器で発生する歪みを補償するようにしたため、全体として、増幅器で発生する周波数(2・f2−f1)の上側3次歪み及び周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みの両方の影響を小さくするように歪み補償することができる。
本発明の第1実施例に係る増幅装置を図面を参照して説明する。
図1には、本発明に係る歪み補償装置を適用した歪み補償回路を備えた増幅装置の一例として、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
図1には、本発明に係る歪み補償装置を適用した歪み補償回路を備えた増幅装置の一例として、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
同図に示した本例の増幅装置には、分岐部1と、遅延手段(例えば遅延線)2と、振幅検波器3と、A/D変換器4と、位相補正用のテーブル5aと、振幅補正用のテーブル5bと、2つのD/A変換器6a、6bと2つのローパスフィルタ(LPF)19a、19bと、主信号の位相を制御するための位相回路7と、主信号の振幅を制御するための振幅回路8と、振幅変調制御用の振幅回路9と、振幅変調制御用の遅延回路10と、位相変調制御用の振幅回路11と、位相変調制御用の遅延回路12と、主信号を振幅変調する振幅変調器13と、主信号を位相変調する位相変調器14と、主増幅器15と、分岐部16と、歪み検知回路17と、テーブル更新回路18とが備えられている。
なお、本例の増幅装置の構成は、例えば上記図12に示した増幅装置の構成において、振幅変調を行うための振幅回路9及び遅延回路10及び振幅変調器13を備えるとともに、位相変調を行うための振幅回路11及び遅延回路12及び位相変調器14を備えたような構成となっている。
本例の増幅装置では、増幅対象となる例えば周波数f1の信号及び周波数f2の信号を含んだRF帯の信号が分岐部1に入力される。
分岐部1は、入力される信号を2つの信号に分岐し、一方の分岐信号を遅延線2を介して位相回路7へ出力し、他方の分岐信号を振幅検波器3へ出力する。
分岐部1は、入力される信号を2つの信号に分岐し、一方の分岐信号を遅延線2を介して位相回路7へ出力し、他方の分岐信号を振幅検波器3へ出力する。
振幅検波器3は、分岐部1から入力される他方の分岐信号の瞬時振幅レベル、すなわち包絡線を検出し、当該検出結果をA/D変換器4及び2つの振幅回路9、11へ出力する。なお、振幅検波器3は、例えば信号の包絡線を検出できればよく、特定の検波方式には限られない。また、振幅検波器3出力に高周波成分除去用のLPFが用いられてもよい。
A/D変換器4は、振幅検波器3から入力される振幅レベルの検出結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換して位相補正用のテーブル5a及び振幅補正用のテーブル5bへ出力する。
A/D変換器4は、振幅検波器3から入力される振幅レベルの検出結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換して位相補正用のテーブル5a及び振幅補正用のテーブル5bへ出力する。
位相補正用のテーブル5aは、位相を補正するための位相補正データを振幅レベルと対応付けてメモリに記憶しており、当該記憶内容に基づいて、A/D変換器4から入力される振幅レベルの検出結果に対応した位相補正データを読み出してD/A変換器6aへ出力する。
D/A変換器6aは、位相補正用のテーブル5aから入力される位相補正データをデジタル信号からアナログ信号へ変換してローパスフィルタ19bへ出力する。ローパスフィルタ19bでは、D/A変換器6bで発生する折り返し成分を除去した後の信号を振幅回路8へ出力する。
D/A変換器6aは、位相補正用のテーブル5aから入力される位相補正データをデジタル信号からアナログ信号へ変換してローパスフィルタ19bへ出力する。ローパスフィルタ19bでは、D/A変換器6bで発生する折り返し成分を除去した後の信号を振幅回路8へ出力する。
同様に、振幅補正用のテーブル5bは、振幅を補正するための振幅補正データを振幅レベルと対応付けてメモリに記憶しており、当該記憶内容に基づいて、A/D変換器4から入力される振幅レベルの検出結果に対応した振幅補正データを読み出してD/A変換器6bへ出力する。
D/A変換器6bは、振幅補正用のテーブル5bから入力される振幅補正データをデジタル信号からアナログ信号へ変換して振幅回路8へ出力する。
D/A変換器6bは、振幅補正用のテーブル5bから入力される振幅補正データをデジタル信号からアナログ信号へ変換して振幅回路8へ出力する。
また、分岐部1から遅延線2へ出力される一方の分岐信号は、上記した振幅検波器3とA/D変換器4と位相補正用のテーブル5a及び振幅補正用のテーブル5bと2つのD/A変換器6a、6bと2つのローパスフィルタ19a、19bから成る処理系により他方の分岐信号(当該一方の分岐信号に対応したもの)の振幅レベルに対応した位相補正用データの信号及び振幅補正用データの信号が位相回路7や振幅回路8に入力されるタイミングと同期するように、当該遅延線2により遅延させられる。
このような遅延により、位相回路7は、遅延線2から入力される一方の分岐信号に対して当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した位相補正データに基づく位相側帯波を与えて振幅回路8へ出力する。
同様に、このような遅延により、振幅回路8は、位相回路7から入力される一方の分岐信号に対して当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した振幅補正データに基づく振幅側帯波を与えて振幅変調器13へ出力する。
なお、位相回路7は例えば可変移相器から構成されており、振幅回路8は例えば可変減衰器から構成されている。
同様に、このような遅延により、振幅回路8は、位相回路7から入力される一方の分岐信号に対して当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した振幅補正データに基づく振幅側帯波を与えて振幅変調器13へ出力する。
なお、位相回路7は例えば可変移相器から構成されており、振幅回路8は例えば可変減衰器から構成されている。
振幅回路9は、振幅検波器3から入力される検波結果に基づいて周波数(f2−f1)の信号を取得し、当該周波数(f2−f1)の信号の振幅を調整して当該調整後の信号を遅延回路10へ出力する。
遅延回路10は、振幅回路9から入力される周波数(f2−f1)の信号を遅延させて当該信号の遅延時間を調整し、当該調整後の信号を振幅変調器13の制御端子へ出力する。
遅延回路10は、振幅回路9から入力される周波数(f2−f1)の信号を遅延させて当該信号の遅延時間を調整し、当該調整後の信号を振幅変調器13の制御端子へ出力する。
ここで、本例では、振幅回路9及び遅延回路10を介して振幅変調器13へ出力される信号が本発明に言う振幅変調に用いられる周波数(f2−f1)の制御信号に相当し、当該制御信号の振幅を振幅回路9で調整することにより変調指数を調整しており、また、当該制御信号の遅延時間を遅延回路10で調整している。
同様に、振幅回路11は、振幅検波器3から入力される検波結果に基づいて周波数(f2−f1)の信号を取得し、当該周波数(f2−f1)の信号の振幅を調整して当該調整後の信号を遅延回路12へ出力する。
遅延回路12は、振幅回路11から入力される周波数(f2−f1)の信号を遅延させて当該信号の遅延時間を調整し、当該調整後の信号を位相変調器14の制御端子へ出力する。
遅延回路12は、振幅回路11から入力される周波数(f2−f1)の信号を遅延させて当該信号の遅延時間を調整し、当該調整後の信号を位相変調器14の制御端子へ出力する。
ここで、本例では、振幅回路11及び遅延回路12を介して位相変調器14へ出力される信号が本発明に言う位相変調に用いられる周波数(f2−f1)の制御信号に相当し、当該制御信号の振幅を振幅回路11で調整することにより変調指数を調整しており、また、当該制御信号の遅延時間を遅延回路12で調整している。
振幅変調器13は、遅延回路10から制御端子に印加される制御信号により制御されて、振幅回路8から入力される信号を振幅変調し、当該振幅変調後の信号を位相変調器14へ出力する。
位相変調器14は、遅延回路12から制御端子に印加される制御信号により制御されて、振幅変調器13から入力される信号を位相変調し、当該位相変調後の信号を主増幅器15へ出力する。
位相変調器14は、遅延回路12から制御端子に印加される制御信号により制御されて、振幅変調器13から入力される信号を位相変調し、当該位相変調後の信号を主増幅器15へ出力する。
なお、本例では、上記した遅延回路10や上記した遅延回路12のそれぞれにおいて制御信号に与える遅延時間を可変に変化させることができ、例えば、遅延回路10における遅延時間の中央値をT1とし、遅延回路12における遅延時間の中央値をT2とする。ここで、中央値T1については、分岐部1から遅延線2と位相回路7と振幅回路8とを介して振幅変調器13まで信号を伝送するのに生じる遅延時間と、分岐部1から振幅検波器3と振幅回路9と遅延回路10とを介して制御信号を振幅変調器13へ出力するのに生じる遅延時間とが等しくなるように設定してある。また、中央値T2については、分岐部1から遅延線2と位相回路7と振幅回路8と振幅変調器13とを介して位相変調器14まで信号を伝送するのに生じる遅延時間と、分岐部1から振幅検波器3と振幅回路11と遅延回路12とを介して制御信号を位相変調器14へ出力するのに生じる遅延時間とが等しくなるように設定してある。
ここで、遅延回路10で調整された遅延時間がT1であり且つ遅延回路12で調整された遅延時間がT2である場合には振幅変調や位相変調に用いられる制御信号の位相が例えば主信号に対して相対的にゼロとなるが、本例では、遅延回路10における遅延時間をT1から変化させることや遅延回路12における遅延時間をT2から変化させることにより、振幅変調器13や位相変調器14により主信号に対して発生させる歪みの位相を変化させることができる。また、本例では、振幅回路9や振幅回路11により振幅変調や位相変調に用いられる制御信号の振幅を制御して振幅変調器13により行われる振幅変調の変調指数や位相変調器14により行われる位相変調の変調指数を制御することにより、振幅変調器13や位相変調器14により主信号に対して発生させる側帯波の振幅を変化させることができる。
そして、本例では、振幅回路9及び遅延回路10及び振幅変調器13により行われる振幅変調と振幅回路11及び遅延回路12及び位相変調器14により行われる位相変調とにより、例えば上記した「課題を解決するための手段」に示したのと同様な原理に基づいて、周波数(2・f2−f1)と周波数(2・f1−f2)とのいずれか一方の周波数に側帯波を発生させることが行われる。
なお、本例では、振幅変調器13や位相変調器14を位相回路7や振幅回路8の後段に備えた構成例を示したが、例えば振幅変調器13や位相変調器14を位相回路7や振幅回路8の前段に備えるような構成とすることも可能である。
また、例えば主信号を制御するための位相回路7と振幅回路8の並び順としては、本例のように位相回路7の後段に振幅回路8が備えられてもよく、或いは、振幅回路8の後段に位相回路7が備えられる構成が用いられてもよい。
また、これらの構成に限られず、位相回路7や振幅回路8や振幅変調器13や位相変調器14の並び順としては、種々な並び順が用いられてもよい。
また、例えば主信号を制御するための位相回路7と振幅回路8の並び順としては、本例のように位相回路7の後段に振幅回路8が備えられてもよく、或いは、振幅回路8の後段に位相回路7が備えられる構成が用いられてもよい。
また、これらの構成に限られず、位相回路7や振幅回路8や振幅変調器13や位相変調器14の並び順としては、種々な並び順が用いられてもよい。
主増幅器15は、例えば共通増幅器から構成されており、位相変調器14から入力される信号を増幅して当該増幅信号を分岐部16を介して出力する。この際に、主増幅器15で発生する歪みが位相回路7や振幅回路8や振幅変調器13や位相変調器14で与えられた歪みにより補償され、主増幅器15からは歪みが補償された増幅信号が分岐部16を介して出力される。
また、分岐部16は、主増幅器15から入力される増幅信号の一部を分岐して、当該分岐信号を歪み検知回路17へ出力する。
歪み検知回路17は、分岐部16から入力される分岐信号に含まれる歪み補償後に残っている歪み成分を検出し、当該検出結果をテーブル更新回路18へ出力する。
歪み検知回路17は、分岐部16から入力される分岐信号に含まれる歪み補償後に残っている歪み成分を検出し、当該検出結果をテーブル更新回路18へ出力する。
テーブル更新回路18は、歪み検知回路17から入力される検出結果に基づいて、分岐部16により取得される分岐信号に含まれる歪み成分が例えば最小となるような位相補正データ及び振幅補正データを計算して当該計算結果を各テーブル5a、5bへ出力することにより、当該各テーブル5a、5bに記憶される位相補正データ及び振幅補正データを最良の値とするように書き換える。このようなフィードバック系を用いて位相補正データ及び振幅補性データの更新処理を行うことにより、例えば温度変化や経年変化の影響にかかわらず有効に動作することが可能な増幅装置が実現される。
なお、分岐部16及び歪み検知回路17及びテーブル更新回路18から成るフィードバック系は、必ずしも備えられなくともよい。
また、本例では、位相補正用のテーブル5a及びD/A変換器6aと振幅補正用のテーブル5b及びD/A変換器6bとを別個のものとして備えたが、例えば位相補正用と振幅補正用とでテーブルやD/A変換器が共通化されてもよい。
また、本例では、位相補正用のテーブル5a及びD/A変換器6aと振幅補正用のテーブル5b及びD/A変換器6bとを別個のものとして備えたが、例えば位相補正用と振幅補正用とでテーブルやD/A変換器が共通化されてもよい。
以上のように、本例の増幅装置では、振幅変調器13による振幅変調と位相変調器14による位相変調とを主信号に対して施すことにより、当該振幅変調及び当該位相変調により発生させる側帯波を用いて、例えば主増幅器15で発生する周波数(2・f2−f1)の歪みと周波数(2・f1−f2)の歪みとのいずれか一方のみを補償するようなことができるため、例えば従来と比べて、大きな歪み補償量を得ることができ、増幅器の線形化に役立つことができる。
また、本例の増幅装置では、上記のような振幅変調及び位相変調により発生させる側帯波と共に、例えば従来と同様な位相回路7や振幅回路8により発生させる側帯波を用いて、主増幅器15で発生する周波数(2・f2−f1)の歪み及び周波数(2・f1−f2)の歪みの両方を打ち消すようなことができるため、例えば従来と比べて、精度のよい歪み補償を実現することができる。
ここで、本例では、主増幅器15が本発明に言う増幅器に相当する。
また、本例では、振幅回路9及び遅延回路10及び振幅変調器13により主信号を振幅変調する機能により、本発明に言う振幅変調手段が構成されている。
また、本例では、振幅回路11及び遅延回路12及び位相変調器14により主信号を位相変調する機能により、本発明に言う位相変調手段が構成されている。
また、本例では、振幅変調手段及び位相変調手段を用いて本発明に言う側帯波発生手段が構成されている。
また、本例では、振幅検波器3の機能により制御信号出力手段が構成されており、振幅回路9や振幅回路11の機能により振幅変化手段が構成されており、遅延回路10や遅延回路12の機能により位相変化手段が構成されており、振幅変調器13の機能により振幅変調実行手段が構成されており、位相変調器14の機能により位相変調実行手段が構成されている。
また、本例では、振幅回路9及び遅延回路10及び振幅変調器13により主信号を振幅変調する機能により、本発明に言う振幅変調手段が構成されている。
また、本例では、振幅回路11及び遅延回路12及び位相変調器14により主信号を位相変調する機能により、本発明に言う位相変調手段が構成されている。
また、本例では、振幅変調手段及び位相変調手段を用いて本発明に言う側帯波発生手段が構成されている。
また、本例では、振幅検波器3の機能により制御信号出力手段が構成されており、振幅回路9や振幅回路11の機能により振幅変化手段が構成されており、遅延回路10や遅延回路12の機能により位相変化手段が構成されており、振幅変調器13の機能により振幅変調実行手段が構成されており、位相変調器14の機能により位相変調実行手段が構成されている。
また、本例では、位相回路7や振幅回路8を用いて周波数(2・f2−f1)の側帯波及び周波数(2・f1−f2)の側帯波を発生させる機能により、従来例のプリディストーション回路(同様な回路も含む)が構成されている。
また、本例では、歪み検知回路の機能により歪みレベル検出手段が構成されており、また、例えば当該検出結果に基づいて検出される上側3次歪みレベルと下側3次歪みレベルとの差が小さくなるように振幅回路9、11や遅延回路10、12を制御する機能を備えることもでき、この場合には、当該機能により側帯波調整手段が構成される。
また、本例では、歪み検知回路の機能により歪みレベル検出手段が構成されており、また、例えば当該検出結果に基づいて検出される上側3次歪みレベルと下側3次歪みレベルとの差が小さくなるように振幅回路9、11や遅延回路10、12を制御する機能を備えることもでき、この場合には、当該機能により側帯波調整手段が構成される。
次に、本発明の第2実施例に係る増幅装置を図面を参照して説明する。
図2には、本発明に係る歪み補償装置を適用した歪み補償回路を備えた増幅装置の一例として、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
図2には、本発明に係る歪み補償装置を適用した歪み補償回路を備えた増幅装置の一例として、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
同図に示した本例の増幅装置には、分岐部21と、遅延手段(例えば遅延線)22と、振幅検波器23と、A/D変換器24と、位相補正用のテーブル25aと、振幅補正用のテーブル25bと、2つのD/A変換器26a、26bと、2つのローパスフィルタ39a、39bと、主信号の位相を制御するための位相回路27と、主信号の振幅を制御するための振幅回路28と、振幅変調制御用の振幅回路29と、振幅変調制御用の位相回路30と、位相変調制御用の振幅回路31と、位相変調制御用の位相回路32と、主信号を振幅変調する振幅変調器33と、主信号を位相変調する位相変調器34と、主増幅器35と、分岐部36と、歪み検知回路37と、テーブル更新回路38とが備えられている。
ここで、本例の増幅装置の構成や動作は、例えば上記第1実施例の図1に示した振幅変調制御用の遅延回路10の代わりに振幅回路29と振幅変調器33との間に位相回路30が備えられているとともに同図に示した位相変調制御用の遅延回路12の代わりに振幅回路31と位相変調器34との間に位相回路32が備えられているといった点を除いては、上記第1実施例の図1に示した増幅装置の構成や動作と同様である。
本例では、位相回路30が振幅回路29から入力される信号の位相を変化させて調整し、当該調整後の信号を振幅変調器33の制御端子へ出力し、また、位相回路32が振幅回路31から入力される信号の位相を変化させて調整し、当該調整後の信号を位相変調器34の制御端子へ出力する。
このような構成においても、例えば上記第1実施例で示した増幅装置と同様な効果を得ることができ、従来と比べて精度のよい歪み補償を実現することができる。
このような構成においても、例えば上記第1実施例で示した増幅装置と同様な効果を得ることができ、従来と比べて精度のよい歪み補償を実現することができる。
ここで、本例では、振幅回路29及び位相回路30及び振幅変調器33により主信号を振幅変調する機能により、本発明に言う振幅変調手段が構成されている。
また、本例では、振幅回路31及び位相回路32及び位相変調器34により主信号を位相変調する機能により、本発明に言う位相変調手段が構成されている。
また、本例では、振幅回路31及び位相回路32及び位相変調器34により主信号を位相変調する機能により、本発明に言う位相変調手段が構成されている。
次に、本発明の第3実施例に係る増幅装置を図面を参照して説明する。
図3には、本発明に係る歪み補償装置を適用した歪み補償回路を備えた増幅装置の一例として、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
図3には、本発明に係る歪み補償装置を適用した歪み補償回路を備えた増幅装置の一例として、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
同図に示した本例の増幅装置には、分岐部41と、遅延手段(例えば遅延線)42と、振幅検波器43と、A/D変換器44と、位相補正用のテーブル45aと、振幅補正用のテーブル45bと、2つのD/A変換器46a、46bと、ローパスフィルタ59a、59bと、主信号の位相を制御するための位相回路47と、主信号の振幅を制御するための振幅回路48と、主信号を遅延させる遅延回路49と、振幅変調制御用の振幅回路50と、位相変調制御用の振幅回路51と、主信号を振幅変調する振幅変調器52と、主信号を位相変調する位相変調器53と、主増幅器54と、分岐部55と、歪み検知回路56と、テーブル更新回路57とが備えられている。
ここで、本例の増幅装置の構成や動作は、例えば上記第1実施例の図1に示した振幅変調制御用の遅延回路10及び位相変調制御用の遅延回路12が備えられてなく、これらの代わりに振幅回路48と振幅変調器52との間に遅延回路49が備えられているといった点を除いては、上記第1実施例の図1に示した増幅装置の構成や動作と同様である。
本例では、振幅回路48は、位相回路47から入力される一方の分岐信号に対して当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した振幅補正データに基づく振幅歪みを与えて遅延回路49へ出力する。
また、本例では、遅延回路49は、振幅回路48から入力される信号を遅延させて当該信号の遅延時間を調整し、当該調整後の信号を振幅変調器52へ出力する。
また、本例では、遅延回路49は、振幅回路48から入力される信号を遅延させて当該信号の遅延時間を調整し、当該調整後の信号を振幅変調器52へ出力する。
このように、本例では、振幅変調器52及び位相変調器53により振幅変調及び位相変調される主信号の遅延時間を当該振幅変調器52及び当該位相変調器53より前段で遅延回路49により変化させることにより、当該振幅変調器52や当該位相変調器53により変調される主信号と当該振幅変調器52で用いられる制御信号や当該位相変調器53で用いられる制御信号との相対的な位相差を変化させることができ、これにより、実質的に、当該振幅変調器52により行われる振幅変調で用いられる制御信号の位相や当該位相変調器53により行われる位相変調で用いられる制御信号の位相を調整することができる。
このような構成においても、例えば上記第1実施例で示した増幅装置と同様な効果を得ることができ、従来と比べて精度のよい歪み補償を実現することができる。
このような構成においても、例えば上記第1実施例で示した増幅装置と同様な効果を得ることができ、従来と比べて精度のよい歪み補償を実現することができる。
ここで、本例では、振幅回路50及び遅延回路49及び振幅変調器52により主信号を振幅変調する機能により、本発明に言う振幅変調手段が構成されている。
また、本例では、振幅回路51及び遅延回路49及び位相変調器53により主信号を位相変調する機能により、本発明に言う位相変調手段が構成されている。
なお、遅延回路49としては、例えば遅延線を用いたものなどの種々な構成のものが用いられてもよい。
また、本例では、振幅回路51及び遅延回路49及び位相変調器53により主信号を位相変調する機能により、本発明に言う位相変調手段が構成されている。
なお、遅延回路49としては、例えば遅延線を用いたものなどの種々な構成のものが用いられてもよい。
ここで、本発明に係る歪み補償装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。例えば、本例では周波数f1の信号と周波数f2の信号との2波を処理する場合を示したが、n≧3としてn波を処理する装置に本発明を適用することもできる。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。例えば、本発明に係る歪み補償装置を備えた増幅装置は、W−CDMAやマルチキャリア等の信号を送信する通信機の送信部などに設けるのに適している。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。例えば、本発明に係る歪み補償装置を備えた増幅装置は、W−CDMAやマルチキャリア等の信号を送信する通信機の送信部などに設けるのに適している。
また、本発明に係る歪み補償装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROMに格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
1、16、21、36、41、55・・分岐部、 2、22、42・・遅延線、
3、23、43・・振幅検波器、 4、24、44・・A/D変換器、
5a、5b、25a、25b、45a、45b・・テーブル、
6a、6b、26a、26b、46a、46b・・D/A変換器、
7、27、30、32,47・・位相回路、
8、9、11、28、29、31、48、50、51・・振幅回路、
10、12、49、62、72・・遅延回路、
13、33、52、61、63・・振幅変調器、
14、34、53、71、73・・位相変調器、
15、35、54・・主増幅器、 17、37、56・・歪み検知回路、
18、38、57・・テーブル更新回路、
19a、19b、39a、39b、59a、59b・・ローパスフィルタ、
3、23、43・・振幅検波器、 4、24、44・・A/D変換器、
5a、5b、25a、25b、45a、45b・・テーブル、
6a、6b、26a、26b、46a、46b・・D/A変換器、
7、27、30、32,47・・位相回路、
8、9、11、28、29、31、48、50、51・・振幅回路、
10、12、49、62、72・・遅延回路、
13、33、52、61、63・・振幅変調器、
14、34、53、71、73・・位相変調器、
15、35、54・・主増幅器、 17、37、56・・歪み検知回路、
18、38、57・・テーブル更新回路、
19a、19b、39a、39b、59a、59b・・ローパスフィルタ、
Claims (1)
- 増幅器により増幅される信号に対して振幅変調及び位相変調を行って、当該増幅器により発生する上側周波数帯の3次歪みと下側周波数帯の3次歪みのアンバランスを低減させる上側周波数帯又は下側周波数帯の側帯波を発生させる側帯波発生手段を備えたことを特徴とする歪み補償装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2008154284A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012227881A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 送信機及び送受信機 |
-
2008
- 2008-03-17 JP JP2008067260A patent/JP2008154284A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012227881A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 送信機及び送受信機 |
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Date | Code | Title | Description |
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A761 | Written withdrawal of application |
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