JP2003257962A - 膜形成用組成物、膜の形成方法及び半導体装置の絶縁膜 - Google Patents

膜形成用組成物、膜の形成方法及び半導体装置の絶縁膜

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JP2003257962A
JP2003257962A JP2002054363A JP2002054363A JP2003257962A JP 2003257962 A JP2003257962 A JP 2003257962A JP 2002054363 A JP2002054363 A JP 2002054363A JP 2002054363 A JP2002054363 A JP 2002054363A JP 2003257962 A JP2003257962 A JP 2003257962A
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Katsuhiko Funaki
克彦 船木
Kiyotaka Shindo
進藤  清孝
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低い誘電率と高い耐熱性を有し、なおかつCM
P工程に充分に耐えることができる良好な機械強度と密
着性能を有した半導体装置の絶縁膜を提供する。 【解決手段】一般式(1) 【化1】 で表される変性シリコーン化合物を含有することを特徴
とする膜形成用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、半導体装置の絶
縁膜に関し、低い誘電率と高い耐熱性を有しながら、な
おかつ充分な機械強度と密着性を有し、化学的機械的研
磨(CMP)工程での耐性に優れた絶縁膜材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 半導体集積回路の高集積化の進展に伴
い、信号遅延の問題が半導体集積回路の高性能化の妨げ
となっている。信号遅延は金属配線の抵抗Rと配線間な
らびに層間の容量Cとの積に関係づけられ、遅延を最小
に抑えるためには、金属配線の抵抗を低下させることと
並んで、層間絶縁膜の比誘電率を低下させることが有効
な手段である。従来、層間絶縁膜としてはテトラエトキ
シシラン(TEOS)を用いCVD法もしくはスピンオ
ングラス(SOG)法で製膜したシリコン酸化膜が用い
られてきた。しかしながら、従来のシリコン酸化膜は比
誘電率4.0を有し、近年の微細化の要求に応えること
ができなくなっている。
【0003】そこで、特開平11−323256公報に
は、有機基を導入したアルコキシシラン化合物とその多
孔質膜が提案されている。 しかしながら、多孔化した
シリコン酸化膜は一般に水分を吸収しやすく、その結
果、比誘電率の上昇や配線の腐食を引き起こす恐れがあ
り、それらを改善するために特別な疎水化処理を必要と
する場合がある。また、TEOSに比較して機械的強度
に乏しい材料しか得られておらず、特にCMP工程にお
いて損傷を被り易く、例えば、CMP工程を経ることに
よる膜の亀裂発生などが歩留まりを著しく低下させる要
因となる。
【0004】また、US6156812号、またはWO
/0040637号などにおいて有機高分子材料及びそ
の多孔質材料が提案されている。しかしながら、それら
材料の耐熱性は400℃をようやく超える程度もしくは
それ以下であるため、それ以上の温度で処理することが
できないというプロセス上重要な制限が加えられること
になり、また、プロセスマージンが取れないというデメ
リットが発生する。また、密着性は無機材料に比較して
良好であると言われているが、これまで提案されている
有機材料は、CMP工程を経ることによって膜の剥がれ
などが起きるという問題が指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、上
記したような従来の技術的課題を解決して、低い誘電率
と高い耐熱性を有し、なおかつCMP工程に充分に耐え
ることができる良好な機械強度と密着性能を有した半導
体装置の絶縁膜を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは上記課題
を克服するために鋭意検討した結果、ある特定の構造を
有した変性シリコーン化合物を含んだ膜形成用組成物を
用いることにより、上記問題点を克服できることが解り
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、一般
式(1)
【0007】
【化7】
【0008】(式中、R1及びR4は水素または一価の有
機基、R2は二価の有機基、R5及びR 6は互いに同じで
あっても異なっていても良い一価の有機基である。R3
は−C≡C−または−C(R7)=C(R8)−で表され
る二価の炭素炭素不飽和結合基であり、R7及びR8は互
いに同じであっても異なっていても良い水素または一価
の有機基である。kは0または1である。yは0を超え
かつ1未満、x及びzは0以上1未満のx+y+z=1
を満たす数である。但しR1が水素でない場合はxは0
ではない。mは3以上の正の数を示す。但し各構成要素
は任意に配列していても良い。さらに()x、()y及
び()zで示される構造については定義された構造であ
れば2種以上の異なった構造を含んでも良い。さらには
1は(O−R2k−R3−R4である一価の有機基でも
よい。)で表されるSi−H結合と炭素炭素不飽和結合
を有する変性シリコーン化合物類を含有する膜形成用組
成物であり、 一般式(1)において、R1が一価の有
機基、R3が−C≡C−、k=1であるSi−H結合と
炭素炭素三重結合を有する請求項1記載の変性シリコー
ン化合物を含有することを特徴とする膜形成用組成物で
あり、一般式(2)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、R1は一価の有機基、R2、R4
5及びR6は(1)記載のR2、R4、R5及びR6と同義
である。R9は二価の有機基である。xは0を超えかつ
1未満、y”、y”’、y””、及びzは0以上1未満
であり、x+y”+y”’+y””+z=1を満たす数
である。ただしy”とy”’は同時に0にならない。m
は3以上の正の数を示す。Pは[]m中に記載のポリマ
ーの組成を示す。但し各構成要素は任意に配列していて
も良い。)で表される変性シリコーン化合物を含有する
ことを特徴とする(1)に記載の膜形成用組成物であ
り、一般式(3)
【0011】
【化9】
【0012】(式中、R1、R2、R4及びR6は請求項1
記載のR1、R2、R4及びR6と同義である。x、w”は
いずれも0以上1未満であり、zは0以上1未満であ
り、wは0以上1以下で、x+w+w”+z=1を満た
す数である。但しwとw”は同時には0にならない。ま
た、R1が水素である場合はx及びwはともに0でも良
い。R1が水素でない場合はx及びwは同時に0にはな
らない。mは3以上の正の数である。但し各構成要素は
任意に配列していても良い。)で表される変性シリコー
ン化合物を含有することを特徴とする(1)に記載の膜
形成用組成物であり、一般式(4)
【0013】
【化10】
【0014】(式中、R1は一価の有機基、R2、R4
5、R6、R7及びR8は請求項1記載のR2、R4
5、R6、R7及びR8と同義であり、R9は請求項3記
載のR9と同義である。x及びy””は0を超えかつ1
未満、y”、y”’及びzは0以上1未満であり、x+
y”+y”’+y””+z=1を満たす数である。但し
y”とy”’は同時に0にはならない。mは3以上の正
の数を示す。Pは[]m中に記載のポリマーの組成を示
す。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で
表される変性シリコーン化合物を含有することを特徴と
する(1)に記載の膜形成用組成物であり、一般式
(5)
【0015】
【化11】
【0016】(式中、R4、R5及びR6は請求項1記載
のR4、R5及びR6と同義である。R10は一価の有機基
である。q、r、s、t、u,及びvはいずれも0以上
1未満でq+r+s+t+u+v=1を満たす数であ
る。但しr、s、uは同時に0にはならない。またq、
r、tは同時に0にはならない。mは3以上の正の数で
ある。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)
で表される変性シリコーン化合物を含有することを特徴
とする(1)に記載の膜形成用組成物であり、一般式
(6)
【0017】
【化12】
【0018】(式中、R4は一価の有機基である。R5
6及びR7は請求項1記載のR5、R6及びR7と同義で
ある。R10は請求項6記載のR10と同義である。q、
r、s、t、u,及びvは(6)記載のq、r、s、
t、u,及びvと同義である。mは3以上の正の数であ
る。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で
表される変性シリコーン化合物を含有することを特徴と
する(1)に記載の膜形成用組成物であり、その組成物
を基板に塗布し加熱硬化する膜の形成方法であり、その
方法によって得られる半導体装置の絶縁膜である。
【0019】
【発明の実施の形態】 本発明における一般式(1)で
示されるSi−H結合と炭素炭素不飽和結合を有する変
性シリコーン化合物中の説明において、()x、()y
及び()zで示される構造については定義された構造で
あれば2種以上の異なった構造を含んでも良いとの意味
は、例えば一般式(2)の場合は()yが3種の構造を
含むものであり、これも一般式(1)に包含される。本
発明において、各構成要素は任意に配列していても良い
の意味は、例えばx、y及びzはその構成比率のみを示
すものであり必ずしもブロック構造を意味するものでは
なく、ブロック共重合体もランダム共重合体も包含す
る。
【0020】本明細書において重合度を示すm、nは平
均の重合度を示す。xは0.01〜0.99、好ましく
は0.09〜0.90、より好ましくは0.3〜0.9
0である。q及びtは0〜0.99、好ましくは0.0
9〜0.90、より好ましくは0.3〜0.90であ
る。y及びy””は0.01〜0.99、好ましくは
0.09〜0.90、より好ましくは0.30〜0.7
0である。r、s、u、w、w”、y”及びy”’は0
〜0.99、好ましくは0.09〜0.90、より好ま
しくは0.30〜0.70である。v及びzは0以上
0.99以下、好ましくは0以上0.70以下、より好
ましくは0以上0.52以下である。 各一般式中のR
1〜R10の記号は共通で定義されている。この記載にお
いて、一価の有機基の定義は、一価の有機基であれば特
に限定はないが、例えば、ハロゲン原子、水酸基、エー
テル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルキル
基としてメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル
基、オクタデシル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、フルオロメチル基、2−メトキシエチル基などが
挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んで
いてもよい炭素数1から30のアルコキシ基としてメト
キシ基、エトキシ基、フェノキシ基、2−フルオロエト
キシ基、2−メトキシエトキシキ基等が挙げられ、ハロ
ゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素
数1から30の芳香族基としてフェニル基、ナフチル
基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4
−メトキシフェニル基、アントニル基、ヒドロキシフェ
ニル基、フルオロフェニル基、ヒドロキシナフチル基等
が挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含ん
でいてもよい炭素数1から30のアルケニル基としてビ
ニル基、プロペニル基、3−フルオロ−1−プロペニル
基、3−メトキシ−1−プロペニル基等が挙げられ、ハ
ロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭
素数1から30のアルキニル基としてエチニル基、プロ
ピニル基、3−フルオロ−1−プロピニル基、3−メト
キシ−1−プロピニル基等が挙げられる。
【0021】同様に、二価の有機基についても二価の有
機基であれば特に限定は不要であるが、例えば、ハロゲ
ン原子、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から3
0のアルキレン基としてメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ヘキシニレン基、フルオロエチレン基、メチ
レンオキシメチレン基等が挙げられ、ハロゲン原子、エ
ーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルケ
ニレン基としてビニレン基、プロペニレン基、ブテニレ
ン基、ヘキセニレン基、3−フルオロプロピニレン基、
プロペニレンオキシメチレン基等が挙げられ、ハロゲン
原子、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30
のアルキニレン基としてエチニレン基、プロピニレン
基、ブチニレン基、3−フルオロプロピニレン基、プロ
ピニレンオキシメチレン基等が挙げられ、ハロゲン原
子、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30の
二価の芳香族基としてフェニレン基、ナフチレン基、ア
ントリデン基、ビフェニレン基、フルオロフェニレン
基、フェニレンオキシフェニレン基、フェニレンメチレ
ンフェニレン基等が挙げられる。
【0022】R4で表されるハロゲン原子、水酸基、エ
ーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルキ
ル基としてはメチル基、エチル基、ヘキシル基、フルオ
ロメチル基、2−メトキシエチル基等が挙げられ、ハロ
ゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素
数1から30のアルケニル基としてはビニル基、プロペ
ニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、2−メトキ
シ−1−プロペニル基等が挙げられ、ハロゲン原子、水
酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30
のアルキニル基としてはエチニル基、プロピニル基、3
−フルオロ−1−プロピニル基、3−メトキシ−1−プ
ロピニル基等が挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、エー
テル基を含んでいてもよい炭素数1から30の芳香族基
としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ヒド
ロキシフェニル基、フルオロフェニル基、メトキシフェ
ニル基、ヒドロキシナフチル基等が挙げられ、また水素
でも良い。なお、これらの例示は一般式(2)、
(3)、(4)、(5)及び(6)においても共通であ
る。
【0023】本発明の膜形成用組成物に含まれる、Si
−H結合と炭素炭素不飽和結合を有する変性シリコーン
化合物は、例えば、一般式(1)において、R1が一価
の有機基、R3が−C≡C−、k=1であるSi−H結
合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物で
あり、例えば一般式(1)において、R3が−C(R7
=C(R8)−、k=1であるSi−H結合と炭素炭素
二重結合を有する変性シリコーン化合物が例示される。
より具体的には、好ましくは、一般式(2)、(3)、
(4)、(5)及び(6)などが例示される。以下に一
般式(2)の変性シリコーン化合物においてR 2及びR9
が(ポリ)メチレン基の場合を例示する。(なお、式
(7)〜式(9)におけるp及びqは1〜5の正数を示
す。) 一般式(2)におけるy”、y”’が0の場合は、一般
式(7)で示される。
【0024】
【化13】
【0025】一般式(2)におけるy””が0の場合
は、一般式(8)で示される。
【0026】
【化14】
【0027】一般式(2)におけるy”、y”’及び
y””が0でない場合は一般式(9)で示される。
【0028】
【化15】
【0029】なお、(ポリ)メチレン基以外の有機基を
含む変性シリコーン化合物についても、当然本発明に包
含される。
【0030】一般式(2)で示される変性シリコーン化
合物は、下記の一般式(10)
【0031】
【化16】
【0032】で示されるH−シリコーン類をHO−R2
−C≡C−R4で表されるアルキニルアルコール及び/
またはHO−R2−C≡C−R9−OHで表されるアルキ
ニレンジオール類と脱水素的に反応させることによって
得られる。他の一般式(3)、(4)、(5)及び
(6)で表される変性シリコーン化合物も同様に類似の
反応を用いることによって得られる。これらの合成反応
において、得られるアルキニルオキシ置換シリコーン類
の分子量は、原料から予想される分子量よりも高くなる
結果となる。これは上記脱水素反応の他に、三重結合と
Si−H結合との反応や生成物の再結合等によって分子
量が高くなていると考えられている。本発明の膜形成用
組成物に含まれる変性シリコーン化合物には、このよう
な副次的反応による構造をも含むことを意味する。
【0033】本発明の膜形成用組成物に含まれる変性シ
リコーン化合物の製造方法としては、原料となるH−シ
リコーン類とアルキニルアルコール等とを脱水素縮合用
触媒の共存下において反応させることにより容易に得ら
れる。製造方法は、特にこれらの方法に限定されるもの
ではない。
【0034】本発明の膜形成用組成物に含まれる変性シ
リコーン化合物の重量平均分子量に特に制限はないが、
好ましくは500〜500000、更に好ましくは10
00〜100000である。これらの形態は常温で固体
もしくは液状である。本発明の膜形成用組成物とは、一
般式(1)で表わされる変性シリコーン化合物を主に含
有したものをいい、その他に溶媒等を含有していてもよ
い。使用できる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレン、メシチレンなどの芳香族系溶媒、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライ
ム、アニソールなどのエーテル系溶媒、アセトン、シク
ロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、フルフリルアルコールなどの脂肪
族アルコール溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、フ
ロンなどの含ハロゲン溶媒およびN,N−ジメチルイミ
ダゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒など
が挙げられる。これらの溶媒の使用量には、特に制限は
ないが、通常、変性シリコーン化合物100重量部に対
して0〜100重量部の範囲で使用される。スピンコー
ト方法などの製膜条件にもよるが、溶媒を使用して変性
シリコーン化合物の濃度調製ができることにより、希望
の膜厚の膜を得ることができる。
【0035】本発明の膜形成用組成物を半導体装置の絶
縁膜として利用するには、基板上の絶縁膜形成部位、例
えば配線パターンがすでに作り込まれている基板の上
に、スピンコート法などの塗布法を用いて該組成物を塗
布し、次いで、焼成工程を経ることにより形成させる。
塗膜の厚さに特に制限は無いが、通常0.5ミクロン〜
2ミクロンの膜厚で塗膜される。焼成工程における条件
は、該組成物に含まれる変性シリコーン化合物の硬化温
度以上である必要がある。硬化温度は使用される変性シ
リコーン化合物によって異なる。該変性シリコーン化合
物の硬化方法については熱による硬化が好ましいが、金
属を含まないラジカル開始剤、例えばAIBN(アゾビ
スイソブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイドな
どの開始剤を用いた反応による硬化のように、通常の熱
硬化樹脂と同様の方法も用いることができる。熱で硬化
させる場合は空気雰囲気でもかまわないが、窒素、ヘリ
ウム、アルゴン等の不活性ガス中、または減圧下で行う
ことが好ましい。加熱時間については特に制限はない
が、1分〜100時間が適切である。焼成工程の温度と
時間は使用される変性シリコーン化合物の種類によって
異なる。
【0036】本発明の半導体装置の絶縁膜は、従来の有
機絶縁膜と比較して低い比誘電率を保持しながら非常に
高い耐熱性を有する点が特徴である。耐熱性は使用す
る、本発明の組成物に含有される変性シリコーン化合物
の種類に依存するが通常5重量%以上の分解点は500
℃以上を示す。しかしながら、比誘電率と機械強度は通
常、トレードオフの関係にある。好ましい機械強度と比
誘電率の関係としては特に制限は無いが、通常、比誘電
率が4以下の値において、弾性率は2GPa以上で強度
は0.2GPa以上が好ましい。
【0037】
【実施例】 以下に実施例によって本発明の実施の態様
を示すが、本発明はもとよりこれら実施例に限定される
ものではない。
【0038】合成例 予め加熱し、内部を窒素置換しておいた1リットルのガ
ラス製容器の中へ、原料のポリメチル−H−シロキサン
(アズマックス社製:分子量Mw=1500〜190
0)76.2g、プロパルギルアルコール34.7g、
溶媒として脱水トルエン(水分50ppm以下)350
gを仕込んだ。反応液を撹拌しながら、脱水トルエン9
0g中にトリフェニルホスフィン銅ハイドライド錯体六
量体[(HCuPPh36]5.2gを予め溶解させて
おいた溶液を滴下し、さらに25℃で4時間撹拌した。
その後、3リットル容器中に予め入れて置いたヘキサン
1.3kg中へ反応液を投入し、一晩静置して触媒を析
出させ、ポリフロンフィルター濾過により触媒を除去し
た。濾液をエバポレーターにて35℃で濃縮後、40
℃、400Paで12時間減圧乾燥を行った。112g
の目的生成物である黄色を帯びた透明液状の変性シリコ
ーン化合物を得た。収率は98%であった。GPCによ
るポリスチレン換算の重量平均分子量は11,000で
あった。1H−NMRよりSi−HとSi−OCH2C≡
CHの比は49/51であった。
【0039】(膜の評価方法) (1)密着性:JIS K5400に準拠して碁盤目試
験(テープ剥離試験)を実施した。同様の試験を3回繰
り返し、100個の碁盤目のうち、基板からのはがれが
生じなかった碁盤目数の平均値(n)を算出し、これを
密着性として評価した。評価結果は○がn=100、△
がn=50以上、×がn<50で表す。 (2)耐熱性:シリコンウェハー上に形成させた塗膜か
ら削り取った粉末を、セイコー電子工業社製の示差熱熱
重量同時測定分析装置(TG/DTA−200)を用い
て、アルゴン100ml/min流通下において10℃
/minの昇温速度で500℃まで加熱し、500℃の
時点での重量減少率が5%以内であるかどうかで判断し
た。 (3)機械強度:シリコンウェハー上に形成させた塗膜
を、前処理を行わずにそのまま、Hysitron社製超軽荷重
薄膜硬度テスタで測定した。圧子はBerkovich型を用い
た。 (4)比誘電率:直径1mmのAl電極を上部電極とし
て付け、ヒューレッドパッカード社製インピーダンスア
ナライザを使用して1MHzにおける値を測定した。 (5)膜厚測定:日本分光社製分光エリプソメトリー装
置M−150を用いた。
【0040】実施例1 合成例で得られた液状の変性シリコーン化合物を、窒素
気流中において、そのままシリコンウェハー上にスピン
コーターで製膜後、アルゴン雰囲気下420℃で30分
加熱した。得られた膜の評価結果を表1に示す。
【0041】実施例2 変性シリコーン化合物1gに対し、溶媒としてクロロホ
ルム1g用いて該変性シリコーン化合物を溶解させた。
その溶液を、窒素気流中において、シリコンウェハー上
にスピンコーターで製膜後、アルゴン雰囲気下420℃
で30分加熱した。得られた膜の評価結果は実施例1の
結果と共に表1に示す。
【0042】実施例3 実施例2において、溶媒としてヘキシレングリコールを
4g用いた以外は実施例2と全く同様に行った。得られ
た膜の評価結果は実施例1の結果と共に表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の膜形成用組成物から得られる絶
縁膜は、低い誘電率と高い耐熱性を有しながら、良好な
機械強度と密着性能を有するなど半導体装置の絶縁膜と
して優れた特性を持ち、半導体装置の信頼性を向上させ
る優れた絶縁膜材料となりうる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR4は水素または一価の有機基、R2
    二価の有機基、R5及びR 6は互いに同じであっても異な
    っていても良い一価の有機基である。R3は−C≡C−
    または−C(R7)=C(R8)−で表される二価の炭素
    炭素不飽和結合基であり、R7及びR8は互いに同じであ
    っても異なっていても良い水素または一価の有機基であ
    る。kは0または1である。yは0を超えかつ1未満、
    x及びzは0以上1未満のx+y+z=1を満たす数で
    ある。但しR1が水素でない場合はxは0ではない。m
    は3以上の正の数を示す。但し各構成要素は任意に配列
    していても良い。さらに()x、()y及び()zで示
    される構造については定義された構造であれば2種以上
    の異なった構造を含んでも良い。さらにはR1は(O−
    2k−R3−R4である一価の有機基でもよい。)で表
    される変性シリコーン化合物を含有することを特徴とす
    る膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R1が一価の有
    機基、R3が−C≡C−、k=1である変性シリコーン
    化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の膜
    形成用組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(2) 【化2】 (式中、R1は一価の有機基、R2、R4、R5及びR6
    請求項1記載のR2、R4、R5及びR6と同義である。R
    9は二価の有機基である。xは0を超えかつ1未満、
    y”、y”’、y””、及びzは0以上1未満であり、
    x+y”+y”’+y””+z=1を満たす数である。
    ただしy”とy”’は同時に0にならない。mは3以上
    の正の数を示す。Pは[]m中に記載のポリマーの組成
    を示す。但し各構成要素は任意に配列していても良
    い。)で表される変性シリコーン化合物を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2、R4及びR6は請求項1記載のR1
    2、R4及びR6と同義である。x、w”はいずれも0
    以上1未満であり、zは0以上1未満であり、wは0以
    上1以下で、x+w+w”+z=1を満たす数である。
    但しwとw”は同時には0にならない。また、R1が水
    素である場合はx及びwはともに0でも良い。R1が水
    素でない場合はx及びwは同時に0にはならない。mは
    3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列し
    ていても良い。)で表される変性シリコーン化合物を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成
    物。
  5. 【請求項5】 一般式(4) 【化4】 (式中、R1は一価の有機基、R2、R4、R5、R6、R7
    及びR8は請求項1記載のR2、R4、R5、R6、R7及び
    8と同義であり、R9は請求項3記載のR9と同義であ
    る。x及びy””は0を超えかつ1未満、y”、y”’
    及びzは0以上1未満であり、x+y”+y”’+
    y””+z=1を満たす数である。但しy”とy”’は
    同時に0にはならない。mは3以上の正の数を示す。P
    は[]m中に記載のポリマーの組成を示す。但し各構成
    要素は任意に配列していても良い。)で表される変性シ
    リコーン化合物を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の膜形成用組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(5) 【化5】 (式中、R4、R5及びR6は請求項1記載のR4、R5
    びR6と同義である。R10は一価の有機基である。q、
    r、s、t、u,及びvはいずれも0以上1未満でq+
    r+s+t+u+v=1を満たす数である。但しr、
    s、uは同時に0にはならない。またq、r、tは同時
    に0にはならない。mは3以上の正の数である。但し各
    構成要素は任意に配列していても良い。)で表される変
    性シリコーン化合物を含有することを特徴とする請求項
    1に記載の膜形成用組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(6) 【化6】 (式中、R4は一価の有機基である。R5、R6及びR7
    請求項1記載のR5、R6及びR7と同義である。R10
    請求項6記載のR10と同義である。q、r、s、t、
    u,及びvは請求項6記載のq、r、s、t、u,及び
    vと同義である。mは3以上の正の数である。但し各構
    成要素は任意に配列していても良い。)で表される変性
    シリコーン化合物を含有することを特徴とする請求項1
    に記載の膜形成用組成物。
  8. 【請求項8】 更に有機溶媒を含有していることを特徴
    とする請求項1乃至7いずれかに記載の膜形成用組成
    物。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8いずれかに記載の膜形成
    用組成物を基板に塗布し加熱硬化することを特徴とする
    膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の方法によって得られる
    半導体装置の絶縁膜。
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