JP2003257448A - 直接燃料供給型燃料電池 - Google Patents

直接燃料供給型燃料電池

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JP2003257448A
JP2003257448A JP2002051091A JP2002051091A JP2003257448A JP 2003257448 A JP2003257448 A JP 2003257448A JP 2002051091 A JP2002051091 A JP 2002051091A JP 2002051091 A JP2002051091 A JP 2002051091A JP 2003257448 A JP2003257448 A JP 2003257448A
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fuel
water
separator
side electrode
electrode
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JP2002051091A
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Koji Yamada
浩次 山田
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電極上において、直接供給される燃料か
ら効率良くプロトンを生じさせ、電解質層中において、
生成したプロトンを効率良く移動させて、効率の良い発
電を実現することのできる、直接燃料供給型燃料電池を
提供すること。 【解決手段】 直接燃料供給型燃料電池1の単位セル2
において、燃料側電極4と固体高分子膜3との間に水分
保持層31を設け、セパレータ6の第1凹部32に水分
保持層31を接触状に受け入れて、セパレータ6の通水
溝34と水分保持層31との間で水分保持層31に水を
供給するための通水流路35を形成する。そして、気化
させた燃料を燃料側流路8から燃料側電極4に供給すれ
ば、燃料側電極4上で効率良くプロトンが生成され、そ
のプロトンが、水分保持層31の電解質中を移動した
後、水分保持層31によって加湿されている固体高分子
膜3中を、効率良く酸素側電極5に移動して効率の良い
発電を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接燃料供給型燃
料電池、詳しくは、メタノールなどの燃料を燃料側電極
に直接供給する直接燃料供給型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メタノールなどの燃料を燃料側電
極に直接供給する直接燃料供給型燃料電池の開発が進め
られつつある。
【0003】このような直接燃料供給型燃料電池は、た
とえば、固体高分子膜の両側に、燃料側電極および酸素
側電極が対向配置される単位セルが、セパレータによっ
て画成されながら積層されるスタック構造とされてお
り、セパレータには、燃料側電極と接触する側に、メタ
ノール水溶液などの燃料水溶液を直接供給するための燃
料側流路溝が形成されるとともに、酸素側電極と接触す
る側に、酸素(空気)を供給するための酸素側流路溝が
形成されている。
【0004】そして、燃料側流路溝から、燃料側電極
に、たとえば、メタノール水溶液を直接供給して、燃料
側電極において、触媒の作用により、下記式(1)の反
応を促し、 CHOH+HO→CO+6H+6e (1) また、酸素側流路溝から、酸素側電極に空気を供給し
て、上記式(1)により生成し、固体高分子膜を通過し
たプロトンHおよび外部回路を通過した電子e を、
酸素側電極において、下記式(2)に示すように酸素と
反応させて水を生成させ、その電気化学的反応によって
電気エネルギーを得るようにしている。
【0005】 3/2O+6H+6e→3HO (2)
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような直
接燃料供給型燃料電池では、上記したように、燃料を水
溶液に調製して、燃料水溶液として直接供給するように
しているが、燃料濃度を高くすると、燃料が電気化学反
応を起こさないまま固体高分子膜を通過してしまうクロ
スリークを生じて、効率のよい発電ができないという不
具合がある。
【0006】そのため、通常、比較的低濃度(〜5重量
%水溶液程度)の燃料水溶液として供給しているが、こ
の場合には、燃料側電極上において、多量の水が燃料の
反応を阻害して、やはり、プロトンの生成を十分に促進
することができないという不具合を生じる。
【0007】一方、燃料水溶液を気化して供給すれば、
燃料側電極上において効率良く拡散して、燃料の反応を
促進することができる。
【0008】しかし、たとえば、メタノールなどの燃料
を気化して、これに水蒸気を含ませようとしても、再分
配などを生じて、両者の気化状態を安定して保持するこ
とができず、また、十分に気化するために高温に加熱す
ると、固体高分子膜の乾燥による機能低下や熱劣化など
を生じるという不具合を生じる。
【0009】なお、燃料のみを気化させて供給しても、
メタノールの反応に同モルの水が必要であることや、反
応により生成したプロトンHは、通常、固体高分子膜
中において水分子を伴なって移動するので、燃料ととも
に水を供給することは不回避である。
【0010】そこで、本発明は、このような不具合に鑑
みなされたものであり、その目的とするところは、燃料
電極上において、直接供給される燃料から効率良くプロ
トンを生じさせ、電解質層中において、生成したプロト
ンを効率良く移動させて、効率の良い発電を実現するこ
とのできる、直接燃料供給型燃料電池を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、直接燃料供給型燃料電池
であって、電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置
される燃料側電極および酸素側電極とを備える単位セル
と、前記燃料側電極に隣接配置され、気化された燃料を
前記燃料側電極に直接供給するための気化燃料通路を形
成するセパレータとを備え、前記単位セルには、前記燃
料側電極と前記電解質層との間に、電解質および水分吸
着物質を含む水分保持層が設けられるとともに、前記水
分保持層には、水が供給されるように構成されているこ
とを特徴としている。
【0012】このような構成によると、単位セルにおい
て、燃料側電極と電解質層との間に設けられる水分保持
層によって、燃料側電極および電解質層の両方が加湿さ
れる。そして、気化燃料通路から気化された燃料のみが
燃料側電極に供給されると、燃料側電極上では、気化さ
れた燃料が効率良く拡散して、触媒の作用により、効率
良くプロトンが生成される。そして、生成されたプロト
ンは、その水分保持層の電解質中を、燃料側電極から、
水分吸着物質に吸着されている水を伴なって、電解質層
に向けて効率良く移動する。その後、電解質層に到達し
たプロトンは、水分保持層によって加湿されている電解
質層中を、効率良く酸素側電極に移動する。その結果、
効率の良いプロトンの生成および移動を実現することが
できるので、効率の良い発電を達成することができる。
【0013】また、燃料側電極と電解質層との間に、水
分保持層を設けることで、燃料側電極および電解質層を
均一に加湿することができ、また、水分保持層中の水分
吸着物質が水を吸着しているので、常時、水を供給しな
くても、これら燃料側電極および電解質層を加湿するこ
とができ、さらには、水が過剰となっても、この水分吸
着物質によって吸着することができるので、たとえば、
過剰の水が燃料側電極を透過して気化燃料通路に達し、
気化燃料流通路を閉塞してしまうことを防止することが
できる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記セパレータは、その一部が
前記水分保持層と接触するように設けられており、前記
気化燃料通路とは独立して、前記水分保持層に水を供給
するための給水通路を形成することを特徴としている。
【0015】このような構成によると、給水通路から、
セパレータと水分保持層とが接触する部分を介して、直
接、水分保持層に水を供給することができる。このよう
にして水を供給すると、セパレータが、水分保持層に水
を供給するための部材を兼ねるので、別途、給水部材を
設ける必要がなく、簡易かつ確実に、水分保持層に水を
供給することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は、本発明の好適
な一実施形態としての直接燃料供給型燃料電池の構成の
概略を示す概略構成図である。
【0017】図1ないし図6において、この直接燃料供
給型燃料電池1は、固体高分子型燃料電池の1つであっ
て、図1に示す単位セル2を複数積層したスタック構造
とされている。単位セル2は、図1に示すように、電解
質層として、プロトン伝導性の固体高分子膜3と、多孔
質電極として形成される燃料側電極4および酸素側電極
5とを備えている。
【0018】プロトン伝導性の固体高分子膜3は、たと
えば、パーフルオロスルホン酸膜(Nafion、Du
pont社)などのプロトン伝導性のイオン交換膜な
どが用いられ、図2にも示すように、略矩形平板状に形
成されている。このような固体高分子膜3は、その厚み
が、たとえば、10〜500μm程度であり、その温度
を、たとえば、80℃近傍にコントロールしておくこと
によって、最も安全かつ効率良く発電することができ
る。また、後述する方法などによって加湿することによ
り、イオン透過性を保持することができる。
【0019】また、燃料側電極4および酸素側電極5
は、固体高分子膜3を、その両側から挟むように対向配
置されており、たとえば、触媒が担持されるカーボンな
どからなる多孔質材料からなり、図2にも示すように、
固体高分子膜3よりも小さい略矩形平板状に形成されて
いる。触媒は、特に制限されないが、たとえば、白金族
元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元
素(Fe、Co、Ni)などの周期表第VIII族元素
や、たとえば、Cu、Ag、Auなどの周期表第Ib族
元素など、さらにはこれらの組み合わせなどが用いられ
る。好ましくは、Pt、Pd、Niが用いられる。ま
た、燃料の種類によってCOが副生する場合には、これ
らとともに、Ruを用いれば、触媒の被毒を防止するこ
とができる。
【0020】そして、この単位セル2には、図2にも示
すように、固体高分子膜3と燃料側電極4との間に、水
分保持層31が設けられている。
【0021】この水分保持層31は、電解質および水分
吸着物質から形成され、固体高分子膜3よりも小さく、
燃料側電極4よりも大きい略矩形平板状に形成されてい
る。
【0022】電解質としては、たとえば、固体高分子膜
3と同一の材料(パーフルオロスルホン酸)や、セラミ
ックス、ガラスなどが用いられ、水分吸着物質として
は、たとえば、ゼオライト、シリカゲルなどの水分吸着
性能を有する無機化合物などが用いられる。そして、水
分保持層31は、これら電解質および水分吸着物質の均
一混合物が、公知の方法によって固体高分子膜3上に塗
布されることにより、形成されている。なお、水分保持
層31の厚みは、サブミクロン〜数ミクロン程度であ
る。
【0023】そして、図2に示すように、固体高分子膜
3の一方側の表面上には、このような水分保持層31が
固体高分子膜3の周囲が露出するように直接積層され、
さらに、水分保持層31上に、燃料側電極4が水分保持
層31の周囲が露出するように直接積層されている。
【0024】なお、固体高分子膜3の他方側の表面上に
は、図4に示すように、燃料側電極4と同一形状の酸素
側電極5が、固体高分子膜3の周囲が露出するように直
接積層されている。
【0025】そして、この直接燃料供給型燃料電池1
は、図1に示すように、このような単位セル2が、セパ
レータ6によって画成されながら積層されるスタック構
造とされている。
【0026】セパレータ6は、ガス不透過の導電性部材
として形成され、各単位セル2の間に介装されている。
このセパレータ6には、燃料側電極4および水分保持層
31と接触する一方側面7において、水分保持層31と
対向する部分に、水分保持層31を受け入れる略矩形状
の第1凹部32と、その第1凹部32内において、燃料
側電極4と対向する部分に、燃料側電極4を受け入れる
略矩形状の第2凹部33が形成されている。
【0027】第2凹部33内には、燃料側電極4に向か
って開口される燃料側流路溝9が形成されており、この
燃料側流路溝9と燃料側電極4との間に、気化された燃
料(たとえば、メタノールガス、ジメチルエーテルガ
ス、ヒドラジンガス、アンモニアガスなど)のみからな
る燃料ガスを流すための気化燃料通路としての燃料側流
路8が形成されている。
【0028】また、第2凹部33の周囲の第1凹部32
内には、水分保持層31に向かって開口される通水溝3
4が形成されており、この通水溝34と水分保持層31
との間に、加湿のための加温された水を流すための給水
通路としての通水流路35が形成されている。
【0029】また、このセパレータ6の酸素側電極5と
接触する他方側面10においては、酸素側電極5と対向
する部分に、酸素側電極5を受け入れる略矩形状の第3
凹部36が形成されている。第3凹部36内には、酸素
側電極5に向かって開口される酸素側流路溝12が形成
されており、この酸素側流路溝12と酸素側電極5との
間に、酸化ガス(たとえば、空気などの酸素を含むガス
など)を流すための酸素側流路11が形成されている。
【0030】なお、燃料側流路8には、図示しない燃料
給排部から、燃料(たとえば、メタノール、ジメチルエ
ーテル、ヒドラジン類、アンモニアなど)が気化器によ
って気化された状態で燃料ガスとして供給されるととも
に、通水流路35には、図示しない水給排部から、水が
加温器によって加温され、加湿された状態で供給されて
いる。また、酸素側流路11には、図示しない酸素給排
部から、酸化ガスが供給されている。
【0031】そして、燃料給排部から、燃料ガスとし
て、たとえば、メタノールガスが燃料側流路8に供給さ
れると、燃料側電極4においては、水分保持層31から
の加湿と触媒の作用により、下記式(1)の反応が促さ
れ、 CHOH+HO→CO+6H+6e (1) プロトンHと電子eとを生成し、生成されたプロト
ンHが固体高分子膜3を移動して酸素側電極5に向か
うとともに、電子eが図示しない外部回路に流出す
る。また、酸素側電極5においては、酸化ガス中の酸素
が、固体高分子膜3を移動してきたプロトンHおよび
外部回路から流入する電子eと、次式(2)のように
反応して、 3/2O+6H+6e→3HO (2) 水を生成し、その結果、起電力が発生する。
【0032】なお、セパレータ6は、次の説明におい
て、中央セパレータ6a、端部セパレータ6bおよび冷
却セパレータ6cに区別されている。すなわち、次の説
明(図4および図5参照)において、中央セパレータ6
aは、スタック構造の1つのユニットの積層途中に配置
され、その一方側側面7に、燃料側流路溝9および通水
溝34が形成されるとともに、他方側側面10に酸素側
流路溝12が形成されており、セパレータ6によって燃
料ガスと酸化ガスとの流れを分離している。また、端部
セパレータ6bは、スタック構造の1つのユニットの端
部に配置され、一方側面7に燃料側流路溝9および通水
溝34のみが形成されるか、または、他方側面10に酸
素側流路溝12のみが形成されている。また、冷却セパ
レータ6cは、スタック構造の1つのユニットの端部に
配置され、一方側面7に燃料側流路溝9および通水溝3
4が形成されるとともに他方側側面10に後述する冷却
水流路溝17が形成されるか、または、他方側面10に
酸素側流路溝12が形成されるとともに一方側面7に後
述する冷却水流路溝17が形成されている。
【0033】そして、この直接燃料供給型燃料電池1の
スタック構造は、1つのユニットが、たとえば、図4お
よび図5に示すように、端部に冷却セパレータ6cが配
置され、その次に端部セパレータ6bが配置され、その
次に、単位セル2を介して、中央セパレータ6aが配置
されている。
【0034】冷却セパレータ6c、端部セパレータ6
b、中央セパレータ6aおよび単位セル2の固体高分子
膜3には、その一方側端部における上下の角部に、断面
円形の2つの冷却水孔14が形成されている。これら冷
却水孔14は、積層状態において、積層方向に貫通する
冷却水の流路を形成している。
【0035】また、これら冷却セパレータ6c、端部セ
パレータ6b、中央セパレータ6aおよび単位セル2の
固体高分子膜3には、その一方側端部における冷却水孔
14の上下方向内側に、断面円形の2つの酸素孔15が
形成されている。これら酸素孔15は、積層状態におい
て、積層方向に貫通する酸化ガスの流路を形成してい
る。
【0036】また、これら冷却セパレータ6c、端部セ
パレータ6b、中央セパレータ6aおよび単位セル2の
固体高分子膜3には、その他方側端部における酸素孔1
5の対向位置に、断面円形の2つの燃料孔16が形成さ
れている。これら燃料孔16は、積層状態において、積
層方向に貫通する燃料ガスの流路を形成している。
【0037】また、これら冷却セパレータ6c、端部セ
パレータ6b、中央セパレータ6aおよび単位セル2の
固体高分子膜3には、その幅方向中央部における上下
に、断面楕円形の2つの通水孔37が形成されている。
これら通水孔37は、積層状態において、積層方向に貫
通する加湿のための加温された水の流路を形成してい
る。
【0038】冷却セパレータ6cは、その一方側面7
に、図3および図4に示すように、第2凹部33内にお
いて、互いに上下対向する各燃料孔16の間を連絡す
る、幅方向に延びる直線溝9aと略コ字状の折返溝9b
とが交互に連続する葛折状の燃料側流路溝9が形成され
ている。この燃料側流路溝9は、積層状態において、上
記したように、隣り合う単位セル2の燃料側電極4との
間において燃料側流路8を形成する。
【0039】また、冷却セパレータ6cの一方側面7に
は、第1凹部32内において、燃料側流路8の四方を囲
むように、互いに上下対向する各通水孔37の間を連絡
する、四角枠状の通水溝34が形成されている。この通
水溝34は、積層状態において、上記したように、隣り
合う単位セル2の水分保持層31との間において通水流
路35を形成する。
【0040】なお、これら燃料側流路溝9と通水溝34
とは、ガスケットなどによって隔離されている。
【0041】冷却セパレータ28の他方側面10には、
図5に示すように、互いに上下対向する各冷却水孔14
の間を連絡する、幅方向に延びる直線溝17aと略コ字
状の折返溝17bとが交互に連続する葛折状の冷却水流
路溝17が形成されている。この冷却水流路溝17は、
積層状態において、端部セパレータ6cと接触され、端
部セパレータ6cの溝のないフラットな面との間で冷却
水路を形成している。
【0042】端部セパレータ6bは、その一方側面7
が、図4に示すように、溝のないフラットな面として形
成されている。端部セパレータ6bの他方側面10は、
図5に示すように、第3凹部36内において、互いに上
下対向する各酸素孔15の間を連絡する、幅方向に延び
る直線溝12aと略コ字状の折返溝12bとが交互に連
続する葛折状の酸素側流路溝12が形成されている。こ
の燃料側流路溝12は、積層状態において、上記したよ
うに、隣り合う単位セル2の酸素側電極5との間におい
て酸素側流路11を形成する。
【0043】中央セパレータ6aは、その一方側面7に
は、図4に示すように、上記と同様に、第2凹部33内
において直線溝9aおよび折返溝9bが交互に連続する
葛折状の燃料側流路溝9が形成されるとともに、第1凹
部32内において四角枠状の通水溝34が形成されてい
る。燃料側流路溝9は、積層状態において、隣り合う単
位セル2の燃料側電極4との間において燃料側流路8を
形成し、また、通水溝34は、積層状態において、隣り
合う単位セル2の水分保持層31との間において通水流
路35を形成する。
【0044】また、中央セパレータ6aの他方側面10
には、図5に示すように、上記と同様に、第3凹部36
内において直線溝12aおよび折返溝12bが交互に連
続する葛折状の酸素側流路溝12が形成されている。こ
の燃料側流路溝12は、積層状態において、隣り合う単
位セル2(図示せず)の酸素側電極5との間において酸
素側流路11を形成する。
【0045】なお、図4および図5では、冷却セパレー
タ6c、端部セパレータ6bおよび中央セパレータ6a
が各1枚ずつしか示されていないが、実際には、さら
に、中央セパレータ27が、単位セル2を介して、所定
の枚数連続して積層された後、再び、冷却セパレータ6
cが配置されるユニットとして構成され、スタック構造
は、このようなユニットが繰り返して積層されることに
より構成されている。
【0046】なお、冷却セパレータ6c、端部セパレー
タ6bおよび中央セパレータ6aの積層枚数は、直接燃
料供給型燃料電池1に要求される負荷の大きさなどから
予想される単位セル2の発熱量、直接燃料供給型燃料電
池1に供給される冷却水の温度、直接燃料供給型燃料電
池1に供給される冷却水の流量などの条件により適宜決
定される。
【0047】たとえば、中央セパレータ6aが単位セル
2を介して5枚連続する毎に、冷却セパレータ6cおよ
び端部セパレータ6bが積層され、これが1つのユニッ
トとして、順次積層されることによりスタック構造が構
成される。
【0048】そして、このようにして構成されるスタッ
ク構造の端部には、図6に示すように、さらに、集電板
18、絶縁板19、エンドプレート20が配置され、こ
れによって直接燃料供給型燃料電池1が構成される。
【0049】すなわち、図6に示すように、スタック構
造の両端部においては、集電板18、絶縁板19、エン
ドプレート20が順次外側に向かって積層されている。
なお、一方側端部(図6における右側)に配置される集
電板18には、図4および図5に示す端部セパレータ6
bが隣り合うように配置され、他方側端部(図6におけ
る左側)に配置される集電板18には、図4および図5
に示す端部セパレータ6bとは逆、つまり、その一方側
面7に、第2凹部33内において直線溝9aおよび折返
溝9bが交互に連続する葛折状の燃料側流路溝9が形成
されるとともに、第1凹部32内において四角枠状の通
水溝34が形成され、その他方側面10が溝のないフラ
ットな面として形成されている端部セパレータ6bが配
置される。
【0050】一方側端部の集電板18、絶縁板19、エ
ンドプレート20には、上側の冷却水孔14、酸素孔1
5、燃料孔16および通水孔37に対応する位置に、そ
れぞれ、排冷却水孔21、酸素側排出孔22、燃料側排
出孔23および排水孔38が形成されており、また、他
方側端部の集電板18、絶縁板19、エンドプレート2
0には、下側の冷却水孔14、酸素孔15、燃料孔16
および通水孔37に対応する位置に、それぞれ、給冷却
水孔24、酸素側供給孔25、燃料側供給孔26および
給水孔39が形成されている。
【0051】集電板18は、銅などの導電性材料により
形成されており、その上部には、一体に形成される端子
27を備えている。この端子27によって、直接燃料供
給型燃料電池1からの起電力を外部に取り出すようにし
ている。また、絶縁板19は、ゴムや樹脂などの絶縁性
材料により形成されており、単位セル2が積層されたス
タック構造と、このスタック構造を収容するケーシング
(図示せず)やエンドプレート20との間を絶縁してい
る。また、エンドプレート20は、鋼などの剛性の高い
材料により形成されている。
【0052】そして、このようにして、単位セル16が
積層されるスタック構造を有する直接燃料供給型燃料電
池1は、図示しないケーシングに納められ、各部材間に
おいてその積層方向に所定の押圧力が加えられた状態で
保持されており、燃料側供給孔26には、図示しない燃
料給排部からの燃料ガスが供給されるとともに、酸素供
給孔25には、図示しない酸素給排部からの酸素ガスが
供給され、また、給水孔39には、図示しない水給排部
からの加湿のための加温された水が供給されている。
【0053】そして、燃料ガスは、燃料供給孔26か
ら、スタック構造とされた直接燃料供給型燃料電池1内
に供給され、各セパレータ6の燃料孔16および燃料側
流路8を順次通過した後、燃料側排出孔23から排出さ
れる。また、酸素ガスは、酸素供給孔25から、スタッ
ク構造とされた直接燃料供給型燃料電池1内に供給さ
れ、各セパレータ6の酸素孔15および酸素側流路11
を順次通過した後、酸素側排出孔22から排出される。
また、加湿のための加温された水は、給水孔39からス
タック構造とされた直接燃料供給型燃料電池1内に供給
され、各セパレータ6の通水孔37および通水流路35
を順次通過した後、排水孔38から排出される。
【0054】なお、冷却水は、給冷却水24から、スタ
ック構造とされた燃料電池1内に供給され、各セパレー
タ6の冷却水孔14および冷却セパレータ6cの冷却水
路を順次通過した後、排冷却水孔21から排出される。
【0055】そして、このような直接燃料供給型燃料電
池1では、各単位セル2において、燃料側電極4と固体
高分子膜3との間に設けられる水分保持層31によっ
て、燃料側電極4および固体高分子膜3の両方が加湿さ
れる。そして、燃料側流路8から気化された燃料のみが
燃料側電極4に供給されると、燃料側電極4上では、気
化された燃料が効率良く拡散して、触媒の作用により、
効率良くプロトンHが生成される。そして、生成され
たプロトンHは、その水分保持層31の電解質中を、
燃料側電極4から、水分吸着物質に吸着されている水を
伴なって、固体高分子膜3に向けて効率良く移動する。
その後、固体高分子膜3に到達したプロトンHは、水
分保持層31によって加湿されている固体高分子膜3中
を、効率良く酸素側電極5に移動する。その結果、効率
の良いプロトンHの生成および移動を実現することが
できるので、効率の良い発電を達成することができる。
【0056】また、この直接燃料供給型燃料電池1で
は、燃料側電極4と固体高分子膜3との間に設けられる
水分保持層31が、その両面の表面全面が燃料側電極4
および固体高分子膜3と接触するので、燃料側電極4お
よび固体高分子膜3を全体的に均一に加湿することがで
きる。また、水分保持層31中の水分吸着物質が水を吸
着しているので、常時、通水流路35から加湿のための
加温された水を供給しなくても、これら燃料側電極4お
よび固体高分子膜3を加湿することができ、さらには、
加湿のための加温された水が過剰となっても、この水分
吸着物質によって吸着することができるので、たとえ
ば、過剰の水が燃料側電極4を透過して燃料側流路8に
達し、燃料側流路8を閉塞してしまうことを防止するこ
とができる。
【0057】さらに、この直接燃料供給型燃料電池1で
は、セパレータ6の一方側面7における第1凹部32の
内周部分(第2凹部33を除く部分)には、燃料側通路
9とは独立して、水分保持層31に加湿のための加温さ
れた水を供給するための通水溝34が形成されており、
その通水溝34が形成されている第1凹部32の内周部
分が、水分保持層31と接触するように配置されている
ので、通水溝34と水分保持層31との間において形成
される通水流路35から、直接、水分保持層31に水を
供給することができる。このようにして水を供給する
と、セパレータ6が、水分保持層31に水を供給するた
めの部材を兼ねることができるので、別途、給水部材を
設ける必要がなく、簡易かつ確実に、水分保持層31に
水を供給することができる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、効率の良いプロトンの生成および移動を実
現して、効率の良い発電を達成することができる。ま
た、水分保持層によって燃料側電極および電解質層を均
一に加湿することができ、また、水分保持層中の水分吸
着物質が水を吸着するので、常時水を供給しなくてもよ
く、さらには、水が過剰となっても、気化燃料通路を閉
塞してしまうことを防止することができる。
【0059】請求項2に記載の発明によれば、セパレー
タが、水分保持層に水を供給するための部材を兼ねるの
で、別途、給水部材を設ける必要がなく、簡易かつ確実
に、水分保持層に水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直接燃料供給型燃料電池の一実施形態
の単位セルの概略を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す単位セルの正面図(燃料側電極側)
である。
【図3】図1に示す単位セルの燃料側電極側に対向配置
されるセパレータの正面図である。
【図4】スタック構造の一部を示す、一方向の要部分解
斜視図である。
【図5】スタック構造の一部を示す、他方向の要部分解
斜視図である。
【図6】スタック構造の端部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】 1 直接燃料供給型燃料電池 2 単位セル 3 固体高分子膜 4 燃料側電極 5 酸素側電極 6 セパレータ 8 燃料側流路 31 水分保持層 35 通水流路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質層と、前記電解質層を挟んで対向
    配置される燃料側電極および酸素側電極とを備える単位
    セルと、 前記燃料側電極に隣接配置され、気化された燃料を前記
    燃料側電極に直接供給するための気化燃料通路を形成す
    るセパレータとを備え、 前記単位セルには、前記燃料側電極と前記電解質層との
    間に、電解質および水分吸着物質を含む水分保持層が設
    けられるとともに、 前記水分保持層には、水が供給されるように構成されて
    いることを特徴とする、直接燃料供給型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記セパレータは、その一部が前記水分
    保持層と接触するように設けられており、前記気化燃料
    通路とは独立して、前記水分保持層に水を供給するため
    の給水通路を形成することを特徴とする、請求項1に記
    載の直接燃料供給型燃料電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005203301A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Honda Motor Co Ltd 燃料電池及び燃料電池スタック
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RU2420833C2 (ru) * 2003-11-14 2011-06-10 Зи Юнивесити оф Экрон Топливный элемент прямого электрохимического окисления (варианты) и способ выработки электроэнергии из твердофазного органического топлива (варианты)
JP2013069534A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Honda Motor Co Ltd 燃料電池

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