JP2003254821A - 赤外線センサ - Google Patents

赤外線センサ

Info

Publication number
JP2003254821A
JP2003254821A JP2002060707A JP2002060707A JP2003254821A JP 2003254821 A JP2003254821 A JP 2003254821A JP 2002060707 A JP2002060707 A JP 2002060707A JP 2002060707 A JP2002060707 A JP 2002060707A JP 2003254821 A JP2003254821 A JP 2003254821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
infrared
stem
detecting element
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002060707A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3882645B2 (ja
Inventor
Yoshitaka Goto
吉孝 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2002060707A priority Critical patent/JP3882645B2/ja
Publication of JP2003254821A publication Critical patent/JP2003254821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3882645B2 publication Critical patent/JP3882645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択的に赤外線を透過させるフィルタを介し
て透過してくる赤外線を赤外線検出素子によって検出す
る赤外線センサにおいて、温度補正回路を不要として出
力誤差を低減可能とする。 【解決手段】 一面から他面へ貫通する貫通穴11を有
するステム10と、貫通穴11を塞ぐようにステム10
に接合されたフィルタ20と、ステム10の一面側に位
置するフィルタ20の面に接合された赤外線検出素子4
0とを備え、ステム10の他面側から貫通穴11を介し
て入射される赤外線を、フィルタ20を透過させて赤外
線検出素子40に受光させるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、選択的に赤外線を
透過させるフィルタを介して、透過してくる赤外線を検
出するようにした赤外線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の赤外線センサとして
は、特開平11−337414号公報に記載のものが提
案されている。このものは、ステムの一面上に赤外線検
出素子を実装し、その上を金属製のキャップで被覆して
パッケージを構成している。ここで、キャップには、赤
外線検出素子に対向する部位に開口部が形成され、この
開口部には、選択的に赤外線を透過させるフィルタが設
けられている。
【0003】このようなセンサにおいては、フィルタを
透過してくる赤外線が赤外線検出素子に受光される。そ
して、該検出素子の検出部の温度とそれ以外の基準部と
の温度との温度差を求め、受光した赤外線の量を求める
ことで、被測定体の温度等が計測可能となっている。
【0004】ここで、上記従来のセンサにおいては、赤
外線により温度上昇したフィルタから赤外線が発せら
れ、この赤外線が検出素子に輻射される。すると、この
赤外線輻射によって、赤外線検出素子の検出部の温度は
本来測定すべき赤外線による変化以外にも、この赤外線
輻射による変化分も加わり、センサ出力に誤差を生じる
こととなる。
【0005】例えば、被測定体が赤外線センサから取り
除かれた後でも、温度上昇したフィルタからの赤外線輻
射が続いて、これが赤外線検出素子に受光されることに
よって、センサ出力の誤差となるような場合がある。
【0006】そのため、上記従来のものでは、フィルタ
に該フィルタの温度を検出するためのサーミスタを取り
付け、赤外線検出素子の温度とフィルタの温度との差か
ら生じる出力誤差要因を取り除くようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
誤差要因を取り除くためには、赤外線検出素子の検出温
度を補正することが行われるが、そのため、温度補正用
の回路が必要になり、センサの構成が複雑になってしま
う。
【0008】本発明は上記問題に鑑み、温度補正回路を
不要として出力誤差を低減可能な赤外線センサを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、一面から他面へ貫通す
る貫通穴(11)を有するステム(10)と、貫通穴を
塞ぐようにステムに接合されたフィルタ(20)と、ス
テムの一面側に位置するフィルタの面に接合された赤外
線検出素子(40)とを備え、ステムの他面側から貫通
穴を介して入射される赤外線を、フィルタを透過させて
赤外線検出素子に受光させるようになっていることを特
徴とする。
【0010】それによれば、フィルタと赤外線検出素子
とが一体化されているので、フィルタ温度と赤外線検出
素子温度との温度差を極力小さくすることができる。
【0011】また、上記従来公報に記載の赤外線センサ
では、キャップにフィルタが取り付けられているが、本
来キャップは支持部であるステムに溶接されるため薄い
金属からなる。そのため、キャップの熱伝導率は小さ
く、フィルタの温度上昇を招きやすい。
【0012】その点、本発明では、比較的熱容量を大き
くすることのできるステムに対してフィルタが直に接合
されているので、フィルタの温度上昇を抑制することが
できる。
【0013】よって、本発明によれば、赤外線検出素子
の温度とフィルタの温度との差から生じる出力誤差要因
を抑制することができ、温度補正回路を不要として出力
誤差を低減可能な赤外線センサを提供することができ
る。
【0014】また、赤外線検出素子をパッケージで気密
に封止することは、外部環境温度等のセンサ出力に与え
る外乱を排除するためには好ましいが、上述したよう
に、従来では、パッケージとして金属製のキャップを用
いていた。これは、できるだけフィルタの放熱を良くし
て赤外線検出素子との温度差を小さくするためである。
【0015】それに対して、本発明では、フィルタ温度
と赤外線検出温度との差を極力小さくでき、また、フィ
ルタの放熱はステムによって確保できるため、特に、金
属製のキャップをパッケージとして用いる必要が無くな
る。
【0016】そこで、このようなパッケージとしては、
請求項2に記載の発明のように、ステム(10)の一面
にて、フィルタ(20)および赤外線検出素子(40)
を覆って封止するように設けられた樹脂パッケージ(7
0)を用いることができる。
【0017】それによれば、従来の金属製のキャップに
比べて成形しやすいため、パッケージ形状の設計自由度
が高くなるという利点がある。
【0018】また、請求項3に記載の発明では、一面側
に凹部(23)を有するフィルタ(20)と、凹部を閉
塞空間とするように凹部を覆う形でフィルタの一面側に
接合された赤外線検出素子(40)とを備え、凹部に対
応するフィルタの他面から透過してくる赤外線を、赤外
線検出素子に受光させるようになっていることを特徴と
する。
【0019】それによれば、フィルタの凹部と赤外線検
出素子との間を閉塞空間とすることで、この閉塞空間を
気密な空間にすることができる。そして、赤外線検出素
子の検出部は、当該閉塞空間の内部に設けられた形とな
り、センサ出力の外乱を抑制した気密構造を実現するこ
とができる。
【0020】また、本発明においても、フィルタと赤外
線検出素子とを接合して一体化しているので、フィルタ
温度と赤外線検出素子温度との温度差を極力小さくする
ことができる。よって、温度補正回路を不要として出力
誤差を低減可能な赤外線センサを提供することができ
る。
【0021】また、請求項4に記載の発明では、請求項
3に記載の赤外線センサにおいて、凹部(23)に対応
するフィルタ(20)の他面側を露出させた状態で、フ
ィルタおよび赤外線検出素子を包み込むように封止する
ための樹脂パッケージ(90)が備えられていることを
特徴とする。
【0022】それによれば、樹脂パッケージを用いるこ
とで、従来の金属製のパッケージに比べて気密構造を容
易に形成することができ、パッケージ形状の設計自由度
も高くなる。
【0023】さらに、請求項5に記載の発明では、フィ
ルタ(20)における凹部(23)の底面は、凸レンズ
形状をなしていることを特徴とする。それによれば、被
測定体からの赤外線を、赤外線検出素子の検出部に集光
しやすくでき、出力感度の向上に有利である。
【0024】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。なお、以下の各実施形態相互におい
て互いに同一部分には、図中、同一符号を付してある。
【0026】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態に係る赤外線センサS1の概略断面図である。ス
テム10は、その一面(図中、上面)から他面(図中、
下面)へと貫通する貫通穴11を有するもので、金属板
を切削加工やプレス加工する等により形成されたもので
ある。
【0027】このステム10の一面上には、選択的に赤
外線を透過させるフィルタ20が、ステム10の貫通穴
11を塞ぐようにステム10に対して接着剤30によっ
て直に接合されている。
【0028】このフィルタ20はシリコンやゲルマニウ
ムなどの赤外線に対して透明な単結晶体もしくはセラミ
ックスからなるもので、ダイシング等による切り出し加
工により形成される。このフィルタ20におけるステム
10の一面側に位置する面すなわちフィルタ20の上面
には、スパッタや蒸着等により形成されたアルミ配線2
1が形成されている。
【0029】そして、フィルタ20の上面には、サーモ
パイルタイプ等の赤外線検出素子40が搭載され接合さ
れている。本例では、赤外線検出素子40は、アルミ配
線21に対してはんだバンプ22を介して電気的・機械
的に接合されている。
【0030】本例では、赤外線検出素子40は、シリコ
ン等の半導体基板に薄肉部としてのメンブレンを形成し
たサーモパイル式のものであり、当該半導体基板の厚肉
部を基準点とし、この基準点の温度とメンブレンに位置
する赤外線検出部41の温度との温度差に対応した電圧
信号を発生するものである。
【0031】また、ステム10には、上記検出素子40
からの電圧信号を外部へ出力するためのリードピン50
が設けられている。このリードピン50は、ステム10
における貫通穴11の周囲に設けられた挿入孔に挿入さ
れており、ハーメチックガラス51によってシールされ
た構造となっている。
【0032】そして、ステム10の一面側に突出するリ
ードピン50とフィルタ20の上面に形成されたアルミ
配線21とは、金やアルミ等のボンディングワイヤ60
によって結線され電気的に接続されている。それによっ
て、赤外線検出素子40からの電圧信号は、アルミ配線
21、ボンディングワイヤ60、リードピン50を通っ
て外部に出力可能となっている。
【0033】また、ステム10の一面には樹脂や金属か
らなるキャップ70が設けられており、このキャップ7
0によってフィルタ20および赤外線検出素子40が覆
われて気密に封止されている。本例では、キャップ70
として、従来の金属とは異なり、エポキシ樹脂等の樹脂
を型成形する等により作られた樹脂パッケージを採用し
ている。
【0034】キャップ70が金属の場合は、キャップ7
0はステム10に溶接により接合されるが、本例の樹脂
パッケージとしてのキャップ70は、接着剤等によって
ステム10の一面に接着されている。
【0035】そして、キャップ70とステム10との間
の気密空間は、フィルタ20を透過してくる赤外線を吸
収しないように、真空雰囲気または赤外線を吸収しない
窒素や不活性ガスが封入されたものとなっている。この
ように、赤外線検出素子40をパッケージで気密に封止
することは、外部環境温度等のセンサ出力に与える外乱
を排除するためには好ましい。
【0036】なお、上記気密空間は、真空にするのが最
も断熱効率が良くなって好ましいが、パッケージ構造に
おける或る部分からの漏れ等による真空度の変動を避け
るため、窒素や不活性ガスを封入することも行われる。
【0037】このような赤外線センサS1においては、
図1中の白抜き矢印に示すように、ステム10の他面側
から貫通穴11を介して入射される赤外線を、フィルタ
20を透過させて赤外線検出素子40の赤外線検出部4
1に受光させるようになっている。そして、受光された
赤外線のエネルギーは電圧信号に変換されて、リードピ
ン50から外部へ出力される。
【0038】また、この赤外線センサS1は、例えば、
貫通穴11およびリードピン50を備えるステム10を
用意し、このステム10にフィルタ20、赤外線検出素
子40を組み付けた後、ワイヤボンディングを行い、真
空中もしくは窒素や不活性ガス雰囲気中にてキャップ7
0を組み付けることで製造することができる。
【0039】ところで、本実施形態によれば、フィルタ
20と赤外線検出素子40とが一体化されているので、
フィルタ温度と赤外線検出素子温度との温度差を極力小
さくすることができる。
【0040】また、本実施形態では、比較的熱容量を大
きくすることのできるステム10に対してフィルタ20
が直に接合されているので、従来のように比較的熱容量
の低い金属キャップに取り付けられていたフィルタに比
べて、本フィルタ20の温度上昇を抑制することができ
る。
【0041】よって、本実施形態によれば、赤外線検出
素子40の温度とフィルタ20の温度との差から生じる
出力誤差要因を抑制することができ、温度補正回路を不
要として出力誤差を低減可能な赤外線センサS1を提供
することができる。
【0042】また、本実施形態では、フィルタ温度と赤
外線検出温度との差を極力小さくでき、また、フィルタ
20の放熱はステム10によって確保できるため、従来
のように、金属製のキャップをパッケージとして用いる
必要が無くなる。
【0043】そのため、本実施形態では、好ましい例と
して樹脂パッケージをキャップ70として用いている
が、この樹脂パッケージは従来の金属製のキャップに比
べて成形しやすいため、パッケージ形状の設計自由度が
高くなるという利点がある。
【0044】(第2実施形態)図2は、本発明の第2実
施形態に係る赤外線センサS2の概略断面図である。以
下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。本実施
形態においても、赤外線検出素子40はサーモパイルタ
イプ等の検出部と基準点との温度差も基づいて赤外線検
出を行うものである。
【0045】そして、本例でも、赤外線検出素子40
は、シリコン等の半導体基板に薄肉部としてのメンブレ
ンを形成したサーモパイル式のものであり、当該半導体
基板の厚肉部を基準点とし、この基準点の温度とメンブ
レンに位置する赤外線検出部41の温度との温度差に対
応した電圧信号を発生するものである。
【0046】この赤外線検出素子40の上には、選択的
に赤外線を透過させるフィルタ20が搭載され、接合さ
れている。接合の方法は、接着剤、陽極接合、直接接合
(酸化膜を介した接着等)、はんだ接合などを採用する
ことができる。
【0047】このフィルタ20は、その一面(図中、下
面)側に凹部23を有するもので、上記第1実施形態と
同様、シリコンやゲルマニウムなどの赤外線に対して透
明な単結晶体もしくはセラミックスからなる。
【0048】ここで、フィルタ20の凹部23は、例え
ばシリコン半導体センサの製造工程を応用して作ること
ができる。例えばシリコン基板を異方性エッチングやド
ライエッチングを用いて加工することにより凹部23を
形成することができる。本例では、好ましい形態とし
て、図3に示すように、フィルタ20における凹部23
の底面は、凸レンズ形状をなしている。
【0049】このような凸レンズ形状は、フォトリソグ
ラフ技術を用いてエッチングマスクを作る際に、該マス
クに厚肉部と薄肉部を形成し、このようなマスクを用い
てドライエッチングしていくことで、凹部23の底面が
凸形状となるため形成される。
【0050】そして、フィルタ20の一面側に接合され
た赤外線検出素子40によって、凹部23は覆われ、閉
塞空間としての空洞部80が形成されている。ここで、
フィルタ20と赤外線検出素子40とを接合するとき、
雰囲気を窒素や不活性ガスなどにすることにより、空洞
部80の内部が窒素等にて充填された気密な空間とな
る。
【0051】これにより、赤外線検出素子40の赤外線
検出部41の近傍の熱伝導が抑えられる。つまり、赤外
線検出部41は、熱伝導の低い気密空間としての空洞部
80の内部に設けられた形となっている。このように、
本実施形態では、従来のパッケージ構造としなくても、
赤外線検出素子40とフィルタ20とを接合したチップ
の状態において、センサ出力の外乱を抑制した気密構造
が実現されている。
【0052】また、このようにフィルタ20と一体化さ
れた赤外線検出素子40は、樹脂パッケージ90の底面
上に搭載され、赤外線検出素子40と当該底面とは接着
剤等により接合固定されている。この樹脂パッケージ9
0は、エポキシ樹脂等の樹脂を型成形することで作られ
た容器状のものである。
【0053】本例では、赤外線検出素子40は、赤外線
検出部41がメンブレンに設けられたものであり、樹脂
パッケージ90と赤外線検出素子40のメンブレンとの
接合により両者の間にも、気密な空間としての空洞部8
1が形成されている。
【0054】ここで、メンブレン式の赤外線検出素子4
0においては、当該素子40におけるメンブレンの部分
と厚肉部との温度差を測定に用いているため、当該メン
ブレンの下の空洞部81も断熱性の大きいことが好まし
い。
【0055】そこで、樹脂パッケージ90と赤外線検出
素子40との接合も、上記赤外線検出素子40とフィル
タ20との接合と同様、接合雰囲気を窒素や不活性ガス
などにすることが好ましい。それにより、空洞部81の
内部が窒素等にて充填され熱伝導性の小さい気密な空間
となる。
【0056】また、樹脂パッケージ90の適所には、金
属等からなるリード91がインサート成形等により設け
られており、このリード91と赤外線検出素子40とは
ボンディングワイヤ60により結線され、電気的に接続
されている。それによって、赤外線検出素子40からの
電圧信号は、ボンディングワイヤ60、リード91を通
って外部に出力可能となっている。
【0057】また、赤外線検出素子40の周辺部および
ボンディング60、ワイヤ60とリード91との接続部
は、シリコーンゲル等のゲル100により覆われてい
る。これは、赤外線検出素子40の周辺部に信号処理用
の増幅回路などを形成している場合は、その保護として
ゲル100を設けるものである。なお、このゲル100
は必要に応じて設ければ良く、無くても良い。
【0058】このようにして、一体化されたフィルタ2
0および赤外線検出素子40は、凹部23に対応するフ
ィルタ20の他面側を露出させた状態で、樹脂パッケー
ジ90およびゲル100によって包み込まれ封止されて
いる。
【0059】そして、凹部23に対応するフィルタ20
の他面側を露出させた状態で、樹脂パッケージ90の開
口部を覆うように、樹脂パッケージ90には樹脂カバー
92が接着等にて接合固定されている。この樹脂カバー
92も樹脂パッケージ90と同様の材質や作り方とする
ことができる。
【0060】このような赤外線センサS2においては、
図2中の白抜き矢印に示すように、凹部23に対応する
フィルタ20の他面側からフィルタ20を透過してくる
赤外線を、赤外線検出素子40の検出部41に受光させ
るようになっている。そして、受光された赤外線のエネ
ルギーは電圧信号に変換されて、リード91から外部へ
出力される。
【0061】また、この赤外線センサS2は、例えば、
リード91を備える樹脂パッケージ90を用意し、この
樹脂パッケージ90に、一体化したフィルタ20および
赤外線検出素子40を組み付けた後、ワイヤボンディン
グを行い、ゲル100を塗布・硬化させて形成し、最後
に樹脂カバー92を組み付けることで製造することがで
きる。
【0062】ところで、本実施形態によれば、一面側に
凹部23を有するフィルタ20に対し、その一面側に赤
外線検出素子40を接合し、この赤外線検出素子40に
よって凹部23を覆って閉塞空間である空洞部80を形
成している。
【0063】それにより、フィルタ20と赤外線検出素
子40とを一体化したチップの状態にて、空洞部80を
気密な空間にすることができる。そして、赤外線検出素
子40の赤外線検出部41は、当該空洞部80の内部に
設けられた形となり、センサ出力の外乱を抑制した気密
構造を実現することができる。
【0064】また、本実施形態においても、フィルタ2
0と赤外線検出素子40とを接合して一体化しているの
で、フィルタ温度と赤外線検出素子温度との温度差を極
力小さくすることができる。よって、温度補正回路を不
要として出力誤差を低減可能な赤外線センサS2を提供
することができる。
【0065】さらに、本実施形態では、凹部23に対応
するフィルタ20の他面側を露出させた状態で、フィル
タ20および赤外線検出素子40を包み込むように封止
するための樹脂パッケージ90が備えられている。それ
によれば、樹脂パッケージ90を用いることで、従来の
金属製のパッケージに比べて気密構造を容易に形成する
ことができ、パッケージ形状の設計自由度も高くなる。
【0066】さらに、本実施形態では、好ましい形態と
して、フィルタ20における凹部23の底面を凸レンズ
形状としている。それによれば、被測定体からの赤外線
を、赤外線検出素子40の検出部41に集光しやすくで
き、出力感度の向上に有利である。
【0067】なお、本実施形態では、図2に示すような
一体化したフィルタ20および赤外線検出素子40だけ
で、赤外線センサを構成しても良く、それによっても、
上述の通り、センサ出力の外乱を抑制した気密構造の実
現、および、温度補正回路を不要として出力誤差の低減
が可能な赤外線センサを提供することができる。
【0068】そして、このような一体化したフィルタ2
0および赤外線検出素子40を、樹脂でモールドする形
でパッケージ化しても良い。
【0069】以上、各実施形態にて述べたように、フィ
ルタ20と赤外線検出素子40とを接合して一体化した
構成により、フィルタ温度と赤外線検出素子温度との温
度差を極力小さくすることができ、温度補正回路を不要
として出力誤差を低減可能な赤外線センサを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る赤外線センサの概
略断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る赤外線センサの概
略断面図である。
【図3】上記第2実施形態に係るフィルタ単体の断面構
成の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…ステム、11…貫通穴、20…フィルタ、23…
凹部、40…赤外線検出素子、70…キャップ、90…
樹脂パッケージ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面から他面へ貫通する貫通穴(11)
    を有するステム(10)と、 前記貫通穴を塞ぐように前記ステムに接合されたフィル
    タ(20)と、 前記ステムの一面側に位置する前記フィルタの面に接合
    された赤外線検出素子(40)とを備え、 前記ステムの他面側から前記貫通穴を介して入射される
    赤外線を、前記フィルタを透過させて前記赤外線検出素
    子に受光させるようになっていることを特徴とする赤外
    線センサ。
  2. 【請求項2】 前記ステム(10)の一面には、前記フ
    ィルタ(20)および前記赤外線検出素子(40)を覆
    って封止するための樹脂からなる樹脂パッケージ(7
    0)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の赤外線センサ。
  3. 【請求項3】 一面側に凹部(23)を有するフィルタ
    (20)と、 前記凹部を閉塞空間とするように前記凹部を覆う形で前
    記フィルタの一面側に接合された赤外線検出素子(4
    0)とを備え、 前記凹部に対応する前記フィルタの他面から透過してく
    る赤外線を、前記赤外線検出素子に受光させるようにな
    っていることを特徴とする赤外線センサ。
  4. 【請求項4】 前記凹部(23)に対応する前記フィル
    タ(20)の他面側を露出させた状態で、前記フィルタ
    および前記赤外線検出素子を包み込むように封止するた
    めの樹脂パッケージ(90)が備えられていることを特
    徴とする請求項3に記載の赤外線センサ。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ(20)における前記凹部
    (23)の底面は、凸レンズ形状をなしていることを特
    徴とする請求項3または4に記載の赤外線センサ。
JP2002060707A 2002-03-06 2002-03-06 赤外線センサ Expired - Fee Related JP3882645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002060707A JP3882645B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 赤外線センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002060707A JP3882645B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 赤外線センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003254821A true JP2003254821A (ja) 2003-09-10
JP3882645B2 JP3882645B2 (ja) 2007-02-21

Family

ID=28669971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002060707A Expired - Fee Related JP3882645B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 赤外線センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3882645B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006057191A1 (ja) * 2004-11-24 2006-06-01 Hamamatsu Photonics K.K. 赤外線検出装置
JP2009509170A (ja) * 2005-09-21 2009-03-05 アナログ デバイシーズ インク 放射線センサ装置及びその製造方法
JP2014006060A (ja) * 2012-06-21 2014-01-16 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 赤外線センサ及びその製造方法
WO2014125800A1 (ja) * 2013-02-14 2014-08-21 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線センサ用フィルタ部材及びその製造方法、赤外線センサ及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0475927U (ja) * 1990-11-16 1992-07-02
JPH05133803A (ja) * 1991-11-14 1993-05-28 Matsushita Electric Works Ltd 赤外線検出素子
JP2000298063A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Tdk Corp 赤外線検出器
JP2001116621A (ja) * 1999-09-03 2001-04-27 Braun Gmbh 温度の安定化可能な赤外線センサ及びこの形式のセンサを有する赤外線温度計

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0475927U (ja) * 1990-11-16 1992-07-02
JPH05133803A (ja) * 1991-11-14 1993-05-28 Matsushita Electric Works Ltd 赤外線検出素子
JP2000298063A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Tdk Corp 赤外線検出器
JP2001116621A (ja) * 1999-09-03 2001-04-27 Braun Gmbh 温度の安定化可能な赤外線センサ及びこの形式のセンサを有する赤外線温度計

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006057191A1 (ja) * 2004-11-24 2006-06-01 Hamamatsu Photonics K.K. 赤外線検出装置
JP2006145501A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Hamamatsu Photonics Kk 赤外線検出装置
EP1816454A1 (en) * 2004-11-24 2007-08-08 Hamamatsu Photonics K.K. Infrared sensor
EP1816454A4 (en) * 2004-11-24 2014-01-01 Hamamatsu Photonics Kk INFRARED SENSOR
JP2009509170A (ja) * 2005-09-21 2009-03-05 アナログ デバイシーズ インク 放射線センサ装置及びその製造方法
JP2014006060A (ja) * 2012-06-21 2014-01-16 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 赤外線センサ及びその製造方法
WO2014125800A1 (ja) * 2013-02-14 2014-08-21 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線センサ用フィルタ部材及びその製造方法、赤外線センサ及びその製造方法
JP6039789B2 (ja) * 2013-02-14 2016-12-07 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線センサ及びその製造方法
JPWO2014125800A1 (ja) * 2013-02-14 2017-02-02 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線センサ及びその製造方法
US9638576B2 (en) 2013-02-14 2017-05-02 Asahi Kasei Microdevices Corporation Infrared-sensor filter member, manufacturing method thereof, infrared sensor, and manufacturing method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3882645B2 (ja) 2007-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050194685A1 (en) Method for mounting semiconductor chips and corresponding semiconductor chip system
US20100248453A1 (en) Semiconductor device and manufacturing method of the same
US20050189622A1 (en) Packaged acoustic and electromagnetic transducer chips
JP5645245B2 (ja) 赤外線センサモジュール
JPH08178778A (ja) 半導体圧力検出装置
JP2012225925A (ja) 封止構造を有するセンサデバイス
JPH0875580A (ja) 半導体圧力センサ
JP2006317232A (ja) 赤外線センサ
JP2003254820A (ja) 赤外線検出器
US6528857B1 (en) Chip size image sensor bumped package
US6509560B1 (en) Chip size image sensor in wirebond package with step-up ring for electrical contact
JPH03233334A (ja) 半導体圧力センサ
JP2004134578A (ja) 光検出装置及びその製造方法
JPH10318829A (ja) 赤外線センサ
JP3882645B2 (ja) 赤外線センサ
JP6221299B2 (ja) 気密封止体及び気密封止方法
KR20210074201A (ko) 광음향 센서를 위한 방출기 패키지
JP2001174324A (ja) 赤外線検出器および赤外線検出装置
JP2003270047A (ja) 赤外線センサ
JP2004170214A (ja) センサ装置及びその製造方法
JPH08334426A (ja) 圧力センサ
KR100473969B1 (ko) 압전 진동 디바이스의 제조 방법, 압전 진동 디바이스 및세라믹 패키지와 실시간 클럭
JP2013190243A (ja) センサ装置
US6629633B1 (en) Chip size image sensor bumped package fabrication method
CN110945645B (zh) 半导体装置及半导体装置的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101124

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111124

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111124

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121124

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131124

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees