JP2003254315A - 締結装置,ねじ装置および螺合部のゆるみ防止方法 - Google Patents

締結装置,ねじ装置および螺合部のゆるみ防止方法

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JP2003254315A
JP2003254315A JP2002060037A JP2002060037A JP2003254315A JP 2003254315 A JP2003254315 A JP 2003254315A JP 2002060037 A JP2002060037 A JP 2002060037A JP 2002060037 A JP2002060037 A JP 2002060037A JP 2003254315 A JP2003254315 A JP 2003254315A
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JP
Japan
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taper
male screw
hole
male
nut
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JP2002060037A
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Takayoshi Murakami
敬宜 村上
Shinji Hashimura
真治 橋村
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Central Motor Wheel Co Ltd
Kyushu TLO Co Ltd
Original Assignee
Central Motor Wheel Co Ltd
Kyushu TLO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ装置において、螺合部のゆるみを良好に
防止し得るようにする。特に、振動によって螺合部にゆ
るみが生じることを防止する。 【解決手段】 ボルト16とナット18とを有するねじ
装置10において、ナットを締め付けた後で、ボルトの
雄ねじ部34の先端に開口するテーパ穴38に、そのテ
ーパ穴38より僅かに大きく形成されたテーパ部材20
を圧入することにより、スリット40を備えた雄ねじ部
34を拡径し、雄ねじ部34の雄ねじ面をナット18の
雌ねじ穴50の雌ねじ面に広い面積において強く押し付
ける。それにより、雄ねじ部34と雌ねじ穴50とのね
じ面間の摩擦力が増大してゆるみが良好に防止される。
テーパ部材20と、テーパ穴38およびスリット40を
備えた雄ねじ部34との代わりに、平くさびと、テーパ
溝を備えた雄ねじ部とを使用しても、同様のゆるみ止め
効果を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は雄ねじ部と雌ねじ穴
との螺合部のゆるみ防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボルトとナットとの組合わせに代表され
るねじ装置の、雄ねじ部と雌ねじ穴との螺合部にゆるみ
が生じる問題は重要な問題であり、古くから多くのゆる
み防止技術が開発されて来た。それらの一部は実用に供
されてある程度の効果を奏しているが、未だ十分とは言
えないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】そこで本発明は、螺合部のゆるみを良好に防止し得
るようにすることを課題としてなされたものであり、本
発明によって、下記各態様の締結装置,ねじ装置および
螺合部のゆるみ防止方法が得られる。各態様は請求項と
同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて
他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あく
までも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書
に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各
項に記載のものに限定されると解釈されるべきではな
い。また、一つの項に複数の事項が記載されている場
合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければなら
ないわけではない。一部の事項のみを選択して採用する
ことも可能なのである。
【0004】なお、以下の各項において、(1)項が請求
項1に相当し、(5)項が請求項2に、(8)項が請求項3
に、(9)項が請求項4に、(13)項が請求項5に、(14)項
が請求項6にそれぞれ相当する。
【0005】(1)雄ねじ部を備えたボルトと、その雄
ねじ部と螺合される雌ねじ穴を備えたナットとを含み、
複数の被締結部材を互いに締結する締結装置であって、
前記ボルトが、前記雄ねじ部の先端面の中央部から雄ね
じ部の軸線に沿って延び、先端面から離れるに従って内
のり寸法が直線的に減少するテーパ穴と、前記雄ねじ部
の軸線から半径方向に延びて前記先端面と雄ねじ面とに
開口し、雄ねじ部を周方向において複数に分割する複数
のスリットとが、前記ナットの高さ以上の軸方向寸法で
形成された拡径部を有するものであり、かつ、当該締結
装置が、前記テーパ穴に対応するテーパ部を有し、テー
パ穴の、前記雄ねじ部の前記ナットとの螺合部の60%
以上の部分に対応する部分に圧入されてその60%以上
の部分を拡径し、その部分の雄ねじ面をナットの雌ねじ
穴の雌ねじ面に押し付けるに足る寸法を有するテーパ部
材を含むことを特徴とする締結装置。
【0006】ボルトとナットとを含む締結装置は、複数
の被締結部材を締結するための代表的な装置として広く
利用されている。ボルトには、一端に頭部を有する有頭
ボルトと、頭部を有さず、両端部ともに雄ねじ部とされ
た無頭ボルトとがある。無頭ボルトの代表的なものは、
被締結部材の一つに形成された雌ねじ穴に一方の雄ねじ
部が螺合限度まで螺合されて使用される植込みボルトで
ある。雄ねじ部の螺合限度は、雄ねじ部が雌ねじ部の不
完全ねじ部に限度いっぱい螺合されること、あるいは雄
ねじ部の不完全ねじ部が雌ねじ穴に限度いっぱいまで螺
合されることにより規定される。本項の締結装置は、ボ
ルトの雄ねじ部とナットとの螺合部のゆるみ防止のため
に本発明を適用したものであり、雄ねじ部の拡径部の少
なくとも一部が雌ねじ穴に螺合された状態で、その拡径
部のテーパ穴にテーパ部材のテーパ部が圧入されること
により拡径部が拡径されて、雄ねじ面がナットの雌ねじ
面に強く押し付けられ、雄ねじ部とナットとの相対回
転、すなわち螺合部のゆるみが防止される。テーパ部
は、テーパ穴の、雄ねじ部のナットとの螺合部の60%
以上の部分に対応する部分に圧入されて、その60%以
上の部分を拡径させ、その部分の雄ねじ面をナットの雌
ねじ面に押し付ける。
【0007】ゆるみ防止の観点からは、拡径部とナット
との螺合部の長さが長いほどよく、螺合部の全長が拡径
部とされることが望ましい。そのためには、拡径部の長
さがナットの高さ以上とされることが必要であり、テー
パ穴やスリットもナットの高さ以上の深さとされること
が必要である。また、締結状態において、ボルトの雄ね
じ部がナットから一定量突出させられるのが普通であ
り、この突出部はナットとは螺合しないのであるが、こ
の部分にもスリットおよびテーパ部材の通過を許容する
穴(テーパ穴の一部でもよく、テーパを有しないストレ
ート穴でもよい。以下、説明の単純化のために、ストレ
ート穴を有する場合でもそのストレート穴の部分も含め
てテーパ穴と称することとする。)が形成されることが
必要である。したがって、スリットおよびテーパ穴は、
ナットの高さより深く形成されることが望ましい。拡張
部がナットから雄ねじ部の先端面とは反対側(便宜上基
端側と略称する)へ突出するようにされてもよい。ただ
し、雄ねじ部のナットより基端側へ突出した部分には、
雄ねじと雌ねじとの各ねじ山同士の係合に基づいて生じ
る張力の総和が作用するのに対し、スリットおよびテー
パ穴が形成された拡径部は、それらが形成されていない
他の部分に比較して引張強度が低くなるため、拡径部が
ナットから基端側へ突出することは、ボルトの強度確保
上望ましいことではない。強度確保の観点からすれば、
ボルト,ナットによる被締結部材の締結状態で、テーパ
穴およびスリットがナットから基端側へ突出しないよう
にされることが望ましいのである。以上のことを考慮す
れば、拡径部とナットとの螺合長さは、ゆるみ防止の観
点からは、ナットの高さの60%以上とされることが望
ましく、70%以上,80%以上,90%以上,100
%以上とされることがさらに望ましい。一方、ボルトの
強度確保の観点からは、拡径部とナットとの螺合長さ
は、ナットの高さの100%以下,92%以下,85%
以下とされることが望ましい。
【0008】なお、ボルトとナットとによって被締結部
材を締結する際には、ボルトの軸部および雄ねじ部の適
切な長さが、被締結部材の厚さによって必然的に決ま
る。短過ぎればボルトとナットの螺合が不十分となり、
長過ぎればボルトの材料が無駄になる上、突出した雄ね
じ部が邪魔になるからである。したがって、被締結部材
の厚さに応じて適切な長さのボルトが選択されて使用さ
れる限り、ボルトとナットとを含む締結装置において、
「テーパ部材が、雄ねじ部のナットとの螺合部の60%
以上の部分に対応する部分に圧入され、その60%以上
の部分を拡径して、その部分の雄ねじ面をナットの雌ね
じ穴の雌ねじ面に押し付ける」との要件が満たされるこ
とを保証することができる。
【0009】(2)前記テーパ穴の横断面形状が円形で
ある (1)項に記載の締結装置。テーパ穴およびテーパ部
の横断面形状は、円形に限定されるわけではないが、加
工の容易さ、あるいは拡径機能の良さの観点から円形と
されることが望ましい。 (3)前記スリットが、3つ以上形成された (1)項また
は (2)項に記載の締結装置。スリットは、雄ねじ部の軸
線から半径方向外向きに延びる部分を1つと数えること
とする。したがって、雄ねじ部の一直径に沿って、すな
わち、軸線の両側へ延びる状態で形成されたスリットは
2つと数えられることになる。加工の容易さの観点から
すれば、スリットは雄ねじ部の直径に沿って形成される
ことが望ましく、したがってスリットは偶数個が望まし
い。しかし、軸線の片側へのみ延びるスリットを形成す
ることも不可能ではなく、奇数個のスリットの採用も可
能である。スリットは、拡径部の拡径の容易さの観点か
らすれば多いことが望ましいが、引張強度の確保や加工
の容易さの観点からすれば少ないことが望ましい。ま
た、強度確保の観点からすれば、各スリットの幅は狭い
ほどよい。スリットは1つまたは2つでもよいが、3つ
以上であることが望ましい。スリットを1つあるいは2
つ備えるのみの拡径部は拡径するとは言いにくいが、本
明細書では、これらの場合も拡径とみなすこととする。
【0010】(4)前記テーパ穴および前記テーパ部の
テーパ角が15度以下である (1)項ないし (3)項のいず
れかに記載の締結装置。テーパ穴およびテーパ部のテー
パ角、すなわち、テーパ面の互いに反対側の部分の各母
線の延長部の成す角は、くさび効果およびテーパ部材の
離脱回避の観点からは小さいことが望ましいが、拡径部
の拡径量確保の観点からは大きいことが望ましい。した
がって、テーパ角は15度以下,8度以下,5度以下で
あることが望ましく、1度以上,2度以上,3度以上で
あることが望ましい。
【0011】(5)雄ねじ部を備えたボルトと、その雄
ねじ部と螺合される雌ねじ穴を備えたナットとを含み、
複数の被締結部材を互いに締結する締結装置であって、
前記ボルトが、雄ねじ部の先端面から軸線を含む一平面
に沿って延び、幅が先端面から離れるに従って直線的に
減少するテーパ溝が、雄ねじ部を直径方向に貫通すると
ともに前記ナットの高さ以上の深さで形成された拡径部
を有するものであり、かつ、当該締結装置が、前記テー
パ溝に対応するテーパ部を有し、テーパ溝の、前記雄ね
じ部の前記ナットとの螺合部の60%以上の部分に対応
する部分に圧入されてその60%以上の部分を拡径さ
せ、その部分の雄ねじ面を雌ねじ穴の雌ねじ面に押し付
けるに足る寸法を有するテーパ部材を含むことを特徴と
する締結装置。テーパ溝を備えた拡径部は、テーパ部の
圧入に伴うテーパ溝の幅の増大に伴ってテーパ溝に直角
な方向の寸法が増大するのみで、拡径するとは言いにく
い。しかし、本明細書では、この場合も拡径とみなすこ
ととする。上記のように、拡径の方向性が強いため、本
項の締結装置においては、ゆるみ防止効果にも方向性が
見られそうであるが、実験によって、実用上問題となる
ような方向性は見られないことが確認された。本項の締
結装置は前記 (1)項の締結装置とほぼ同等のゆるみ防止
効果が得られるのであり、しかも、拡径部の構成が単純
であるため、加工が容易である利点を有する。本項の締
結装置においても、前記 (1)項の締結装置におけると同
様に、ゆるみ防止の観点から、拡径部とナットとの螺合
長さは、ナットの高さの60%以上,70%以上,80
%以上,90%以上とされることが望ましく、一方、ボ
ルトの強度確保の観点からは、拡径部とナットとの螺合
長さは、ナットの高さの100%以下,92%以下,8
5%以下とされることが望ましい。
【0012】(6)前記テーパ溝およびテーパ部のテー
パ角が15度以下である (5)項に記載の締結装置。(4)
項に関連して説明した理由により、テーパ溝およびテー
パ部のテーパ角も15度以下,8度以下,5度以下であ
ることが望ましく、1度以上,2度以上,3度以上であ
ることが望ましい。 (7)前記ボルトが前記拡径部とは反対側の端部に頭部
を有する有頭ボルトである (1)項ないし (6)項のいずれ
かに記載の締結装置。
【0013】(8)雄ねじ部の先端面から軸線を含む一
平面に沿って延び、かつ、雄ねじ部を直径方向に貫通す
る状態で形成され、幅が先端面から離れるに従って漸減
するテーパ溝を備えた雄ねじ部材と、前記テーパ溝に対
応するテーパ部を有し、テーパ溝に圧入されることによ
りそのテーパ溝を広げるテーパ部材とを含むねじ装置。
本項のねじ装置においては、雄ねじ部を有する部材が
(5)項の締結装置におけるようにボルトには限定され
ず、また、雄ねじ部と螺合される雌ねじ穴を有する相手
部材もナットに限定されない。例えば、雄ねじ部材は、
軸部材の一端面から雄ねじ部が突出させられたもので
も、軸部材の一端面から軸部が突出させられ、その先端
部が雄ねじ部とされたものでもよいのである。また、植
込みボルトの、相手部材に植え込まれる側の端部のゆる
み防止に本発明の原理を適用した態様も、本項のねじ装
置の一例である。雌ねじ穴が有底のものである場合に
は、植込みボルトの植え込みに従って、テーパ部材が相
手部材の雌ねじ穴の底面によってテーパ溝に圧入される
ようにすることができる。
【0014】(9)前記テーパ溝が前記雄ねじ部の呼び
径の80%以上の深さを有し、前記テーパ部が前記雄ね
じ部の呼び径の80%以上の長さを有する (8)項に記載
のねじ装置。雌ねじ穴を有するのがナットである場合に
は、テーパ溝がナットよりボルトの基端側へ突出するこ
とが強度確保の観点から望ましくない一方、雄ねじ部の
先端部はナットから一定量突出することが望ましい。ま
た、雌ねじ穴が有底のものである場合には、雄ねじ部の
呼び径より深くされることが多い。テーパ溝の深さはこ
れらのことを考慮して決定されるべきものであるが、一
般的には、雄ねじ部の呼び径の90%以上であることが
望ましく、100%以上,120%以上であることがさ
らに望ましい。ただし、テーパ溝は、前記テーパ穴と同
様に、テーパのないストレート溝の部分を含んでもよい
ものとする。 (10)前記テーパ溝およびテーパ部のテーパ角が15
度以下である (8)項または (9)項に記載のねじ装置。
(6)項の説明が本項にも当てはまる。 (11)前記雄ねじ部材がボルトである (9)項または(1
0)項に記載のねじ装置。 (12)前記雌ねじ部材がナットである (9)項ないし(1
1)項のいずれかに記載のねじ装置。
【0015】(13)雄ねじ部材の、雄ねじ部の先端面
の中央部から雄ねじ部の軸線に沿って延び、先端面から
離れるに従って内のり寸法が直線的に減少するテーパ穴
と、前記雄ねじ部の軸線から半径方向に延びて前記先端
面と雄ねじ面とに開口し、雄ねじ部を周方向において複
数に分割する複数のスリットとが形成された拡径部を、
相手部材の雌ねじ穴に前記雄ねじ部の呼び径の50%を
超える長さで螺合させ、かつ、テーパ部材の前記テーパ
穴に対応するテーパ部を、テーパ穴の、少なくとも前記
拡径部の前記雌ねじ穴との螺合部の60%以上に対応す
る部分に圧入することにより、拡径部を拡径させてその
拡径部の雄ねじ面を前記雌ねじ穴の雌ねじ面に押し付
け、前記雄ねじ部材と前記相手部材との螺合部のゆるみ
を防止することを特徴とする螺合部のゆるみ防止方法。
本項のゆるみ防止方法においては、ゆるみ防止の観点か
ら、拡径部と雌ねじ穴との螺合長さは、雄ねじ部の呼び
径の60%以上,70%以上,80%以上とされること
が望ましい。また、相手部材がナットである場合には、
ボルトの強度確保の観点から、拡径部とナットとの螺合
長さが、ナットの高さの100%以下,92%以下,8
5%以下とされることが望ましい。また、前記 (2)項な
いし (4)項, (7)項の各々に記載の特徴は本項のゆるみ
防止方法にも適用可能である。
【0016】(14)雄ねじ部材の、雄ねじ部の先端面
から軸線を含む一平面に沿って延び、かつ、雄ねじ部を
直径方向に貫通する状態で形成され、幅が先端面から離
れるに従って直線的に減少するテーパ溝を備えた拡径部
を、相手部材の雌ねじ穴に前記雄ねじ部の呼び径の50
%を超える長さで螺合させ、かつ、テーパ部材の前記テ
ーパ溝に対応するテーパ部を、テーパ溝の、少なくとも
前記拡径部の前記雌ねじ穴との螺合部の60%以上に対
応する部分に圧入することにより、拡径部を拡径させて
その拡径部の雄ねじ面を前記雌ねじ穴の雌ねじ面に押し
付け、前記雄ねじ部材と前記相手部材との螺合部のゆる
みを防止することを特徴とする螺合部のゆるみ防止方
法。本項のゆるみ防止方法においては、ゆるみ防止の観
点から、拡径部と雌ねじ穴との螺合長さが、雄ねじ部の
呼び径の60%以上,70%以上,80%以上とされる
ことが望ましい。また、相手部材がナットである場合に
は、ボルトの強度確保の観点から、拡径部とナットとの
螺合長さが、ナットの高さの100%以下,92%以
下,85%以下とされることが望ましい。また、前記
(6)項あるいは (7)項に記載の特徴は本項のゆるみ防止
方法にも適用可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態であるねじ装
置ないし締結装置を図に基づいて説明する。図1に、ね
じ装置10が2つの被締結部材12,14を締め付ける
締結装置として使用される様子を示す。ねじ装置10
は、図1および図2に示すように、ボルト16とそのボ
ルト16に螺合されるナット18と、ナット18のボル
ト16に対するゆるみを防止するゆるみ防止部材たるテ
ーパ部材20とを備える。以下順に説明する。
【0018】ボルト16は、図3および図4に示すよう
に、頭部30と、頭部30から延びる軸部32とを備
え、軸部32の頭部30とは反対側の先端部が雄ねじ部
34とされている。ボルト16は有頭ボルトなのであ
る。雄ねじ部34の頭部30とは反対側の端部である先
端部において、先端面36の中央部から雄ねじ部34の
軸線に沿って延びる穴38が形成されている。穴38は
横断面形状が円形であり、先端面36から遠ざかるに従
って内のり寸法たる内径が直線的に減少するテーパ穴と
されている。テーパ穴38の、直径方向に隔たった2つ
の母線の延長部同士が成す角であるテーパ角は、3度と
されている。テーパ穴38は、予め定められたナット1
8との螺合部に到る深さで形成され、本実施形態におい
ては、螺合部の約80%に対応する深さで形成されてい
る。なお、テーパ穴38は、横断面形状が多角形状に形
成されてもよい。テーパ角は、約2度に形成されてもよ
いし、4度以上、10度以下に形成されてもよい。
【0019】雄ねじ部34にはさらに、軸方向および半
径方向に沿って延びるスリット40が複数形成されてい
る。本実施形態においては、図4に示すように、互いに
直交する2つの直径方向に沿って、合計4つのスリット
40が形成されている。スリット40は、テーパ穴38
と同じ深さに形成され、テーパ穴38の内周面とボルト
16の先端面36および雄ねじ面42とに開口してい
る。これらテーパ穴38およびスリット40の形成され
た部分が、後述するテーパ部材20が圧入されることに
より、直径が拡大させられる拡径部44を構成してい
る。なお、スリット40は、1つ以上形成されればよ
く、偶数個形成されても奇数個形成されてもよいが、等
角度間隔に形成されることが望ましい。
【0020】図5に示すナット18は、雌ねじ穴(図1
参照)50を備え、雌ねじ穴50の長さたる螺合長さが
ボルト16の呼び径の約90%とされている。なお、ナ
ットの螺合長さは、ボルトの呼び径の75%以上あるい
は80%以上とされればよく、105%以下あるいは9
5%以下とされればよい。
【0021】テーパ部材20は、図6に示すように、上
記テーパ穴38と同じ角度に傾斜させられたテーパ外周
面52を有するテーパ部54を備える。テーパ部材20
は、外径がテーパ穴38の内径より僅かに大きく形成さ
れており、本実施形態においては、テーパ部54の先端
の直径がテーパ穴38の底部の直径より約0.5mm大き
い形状であって、テーパ穴38より長く形成されてい
る。テーパ部材20は、テーパ部54の最大径部から軸
方向に延びる係合部56を備え、テーパ部材20をテー
パ穴38からの抜き出しが可能とされている。係合部5
6の外周には雄ねじ58が形成され、図示を省略する抜
き出し工具を螺合させることにより、テーパ部材20を
軸方向に抜き出すことができるようにされているのであ
る。なお、テーパ部材20をボルト16に挿入した後で
抜き出す必要がない場合には、係合部56を形成するこ
とは不可欠ではない。さらに、テーパ部材20は、嵌合
される部分全てがテーパ面52を有するように形成され
ているが、先端から離れた部分においてテーパを有しな
い円筒面を有する形状とされてもよい。
【0022】以上説明したねじ装置10の各構成要素1
6,18,20により、被締結部材12,14が締結さ
れる。図1に示すように、2つの板状の被締結部材1
2,14に、厚さ方向に貫通するボルト穴60がそれぞ
れ形成されている。ボルト16が、それらボルト穴60
に挿通され、頭部30とは反対側に突出した先端の雄ね
じ部34にナット18が螺合されて、2つの被締結部材
12,14が締め付けられる。それにより2つの被締結
部材12,14が強固に締結される。その後、テーパ部
材20がテーパ穴38に挿入され、ハンマ等により打ち
込まれてテーパ穴38の底まで圧入されれば、雄ねじ部
34のうちテーパ穴38に対応する部分である拡径部4
4の径が拡大される。テーパ部材20はテーパ穴38に
対して、全体において直径が0.5mm大きくされている
ので、テーパ穴38の底近傍まで圧入されれば、拡径部
44全体の径がほぼ均一に拡大される。それによって、
雄ねじ部34の雄ねじ面が雌ねじ穴50の雌ねじ面に押
しつけられて摩擦力が増大させられ、ボルト16とナッ
ト18とのゆるみが良好に防止される。本実施形態にお
いては、雄ねじ部34とナット18との螺合部の約80
%の部分において、雄ねじ面と雌ねじ面とが互いに強く
押し付けられるため、ゆるみが特に良好に防止される。
【0023】なお、本実施形態においては、拡径部44
のナット18との螺合長さが、ナット18の高さの約8
0%とされていたが、それより短くされてもよく、60
%以上あるいは70%以上とされてもよい。ゆるみ防止
の観点からは、80%以上,90%以上,100%以上
とされることが望ましいのであるが、締結状態におい
て、テーパ穴38およびスリット40がナット18から
ボルト16の頭部30側へ突出すれば(拡径部44が突
出すれば)、その突出した部分のボルト16の横断面積
がテーパ穴38およびスリット40の分だけ減少し、引
っ張り強度が低下するため、ボルト16の強度確保の観
点からすれば、100%を超えることは望ましくない。
拡径部44とナット18との螺合長さは、ナット18の
高さの100%以下であることが望ましく、92%以
下、85%以下とすることがさらに望ましいのである。
ただし、特にゆるみ防止の信頼性を高くする必要がある
場合に、テーパ穴38およびスリット40の形成により
ボルト16の引っ張り強度が低下してもなお要求強度を
満たし得るように、通常より(拡径部44を有しないボ
ルトが使用される場合より)呼び径の大きいボルト1
6,ナット18を使用し、テーパ穴38およびスリット
40をナット18より頭部30側に突出させることは差
し支えない。
【0024】別の実施形態であるねじ装置80を図7な
いし図12に基づいて説明する。本ねじ装置80は、ボ
ルト82の拡径部84およびそれを拡径させる部材の形
状が上記実施形態と異なるが、他の構成要素については
同じであるので、異なる要素についてのみ詳細に説明
し、共通の要素については共通の符号を用いることによ
り対応関係を示して説明を省略する。
【0025】図9および図10に拡大して示すように、
ボルト82の雄ねじ部34に、ボルト82の軸方向およ
び直径方向に沿って延び、先端面36と雄ねじ面42と
に開口するテーパ溝86が形成され、そのテーパ溝86
に板状の平くさび88が挿入されることにより、雄ねじ
部34が拡径される。テーパ溝86は、互いに対向する
一対の側面が先端面36に近い部分において互いに平行
に形成され、先端面36から遠い側の部分が、先端面3
6から遠ざかるに従って互いに接近させられ、幅が直線
的い小さくなるように形成されている。以下、先端面3
6に近く、幅が一定の部分を平行部90、幅が漸減させ
られている部分をテーパ部92と称する。
【0026】テーパ部92における上記側壁同士の成す
角度であるテーパ角は3度とされている。テーパ溝86
は、前述の実施形態と同様に、ボルト82の先端面から
ナット18と雄ねじ部34との螺合部に到達する長さで
あって、螺合部の約60%の深さまで形成され、そのう
ちのおよそ半分がテーパ部92とされている。テーパ部
92と平行部90との境界は、加工の都合上、僅かに段
差を有する。なお、テーパ溝86は、平行部90を設け
ずに、先端面36への開口まで側面が一定のテーパ角で
傾斜させられ、テーパ溝86全体がテーパ部92とされ
てもよい。
【0027】平くさび88は、図11および図12に示
すように、概して板状をなし、ナット18の雌ねじ山と
の干渉を回避するために、幅が雄ねじ部34の谷径より
やや小さくされている。平くさび88の先端部94の厚
さはテーパ溝86の底部の幅より0.5mm厚く形成され
ている。先端部94は、テーパ溝86の部分円筒面を成
す底面に接するように断面形状がほぼ半円形とされてい
る。平くさび88は、ボルト82の雄ねじ部34とほぼ
同じ長さに形成され、テーパ溝86の底まで打ち込まれ
た状態でボルト82の先端面36から突出する部分を備
えており、この突出部を工具で挟むことにより引きぬき
可能とされている。平くさび88は、テーパ溝86に挿
入される部分であって、テーパ溝86と同じテーパ角に
傾斜させられたテーパ部96と、テーパ溝86内に挿入
されない部分であって互いに対向する側面が平行となる
ように形成された平行部98とを有する。なお、平くさ
び88は、テーパ溝86の平行部90に嵌入する部分も
テーパ部92に嵌入する部分と同じテーパ部96とされ
ている。なお、平くさび88は、一旦テーパ溝86に圧
入された後で引き抜く必要がない場合には、平行部98
を形成することは不可欠ではない。ただし、テーパ溝8
6への打ち込みを容易にするために、テーパ溝86より
僅かに長くされることが望ましい。
【0028】本態様におけるねじ装置80により、2つ
の板状の被締結部材12,14を締結する場合について
説明する。図7および図8に示すように、ボルト82が
2つの被締結部材12,14のボルト穴60に挿通さ
れ、雄ねじ部34にナット18が螺合されて、被締結部
材12,14が締結される。次に、平くさび88がテー
パ溝86に圧入されれば、拡径部84の径が拡大させら
れて、螺合部のゆるみが防止される。本態様において
は、平くさび88により、拡径部84が主に平くさび8
8の厚さ方向に拡径されるのみであるが、前述の実施形
態とほぼ同等のゆるみ防止効果が得られる。
【0029】さらに、別の実施形態であるねじ装置12
0について説明する。本ねじ装置120は、図13に示
すように、ボルト122とナット124とを備え、ボル
ト122が、軸部の両端部に雄ねじ部126,128の
形成された無頭ボルトであって、一方の端部が被締結部
材129に植え込まれて、別の被締結部材131を締め
付ける植込みボルトとされている。ボルト122は、植
込み側の雄ねじ部126の先端が平先とされ、反対側の
雄ねじ部であってナット124に螺合されるナット側の
雄ねじ部128の先端が丸先とされている。植込み側の
雄ねじ部126に、先端面130の中央部から雄ねじ部
126の軸線に沿って延びるテーパ穴132が形成され
ている。テーパ穴132は、横断面形状が円形であって
先端面130から遠ざかるに従って内径が直線的に減少
させられている。テーパ穴132は、雄ねじ部126の
約60%に相当する長さに形成されている。
【0030】植込み側の雄ねじ部126にはさらに、軸
方向および半径方向に延びるスリット134が複数形成
されている。複数のスリット134は、前述の実施形態
と同様に、互いに直交する2つの直径方向に沿って4つ
形成されている。スリット134はテーパ穴132より
長く形成されているが、雄ねじ部126が被締結部材1
29の雌ねじ穴136に植え込まれた状態で、その被締
結部材129より突出することはない深さで形成されて
いる。このことにより、植込み側の雄ねじ部126の拡
径部と非拡径部との境界部において弾性変形量が滑らか
に変化するとともに、テーパ穴132およびスリット1
34の形成によるボルト122の引っ張り強度低下が回
避される。
【0031】なお、スリット134は、前述の実施形態
におけるスリット40と同様にテーパ穴132と同じ長
さに形成されてもよい。一方、前述の実施形態における
ねじ装置10においても、スリット40の長さをテーパ
穴38より長くしてもよく、スリット40のみをナット
18との螺合部の反対側に突出する長さに形成してもよ
い。
【0032】被締結部材129に螺合された雄ねじ部1
26には、ゆるみ防止部材としてテーパ部材138が取
り付けられている。テーパ部材138は、テーパ穴13
2より長く形成され、雄ねじ部126の不完全ねじ部が
雌ねじ穴136に螺合されるよりも早く、テーパ部材1
38が雌ねじ穴136の底面に当接するようにされてい
る。この当接後、雄ねじ部126がさらに雌ねじ穴13
6に螺合されれば、テーパ部材138がテーパ穴132
内に徐々に圧入される。それにより、雄ねじ部126の
テーパ穴132およびスリット134が形成された部分
である拡径部140が拡径させられ、雄ねじ部126と
雌ねじ穴136とのねじ面同士が強く押し付けられる。
やがて、テーパ部材138がテーパ穴132の底面に当
接すれば、雄ねじ部126の雌ねじ穴136に対する前
進が阻止される。なお、このテーパ部材138のテーパ
穴132の底面への当接は不可欠ではなく、拡径部14
0の拡径によりねじ面同士の摩擦力が増大し、ボルト1
22の回転トルクが設定トルクに達した場合に、植込み
が終了させられるようにしてもよい。
【0033】本実施形態は、ボルト122の植込み側の
雄ねじ部126のゆるみ防止に本発明が適用されたもの
であって、ナット124と螺合される側の雄ねじ部12
8には適用されていないが、雄ねじ部128側にも、図
1ないし図6に記載の、あるいは図7ないし図11に記
載のゆるみ防止装置を設けることも可能である。
【0034】さらに付言すれば、本実施形態におけるよ
うに、ねじ装置120のボルト122が植込みボルトで
あっても、ゆるみ防止装置として平くさびとテーパ溝と
を組み合わせて利用することが可能である。その場合に
は、平くさびの厚さの大きい側の端面を、雌ねじ穴13
2の底面のテーパ内周面に沿ったテーパ外周面とするこ
とが望ましい。平くさびは、ボルト122の回転に伴っ
て、雌ねじ穴132内において回転しながらテーパ溝内
に侵入させられるので、雌ねじ穴132の底面に沿った
形状とすることにより、滑らかに相対回転するようにす
ることが望ましいのである。
【0035】以上に説明したねじ装置のいくつかについ
て、ゆるみ防止効果を検証する試験を行った。以下、ね
じ装置10およびねじ装置80のゆるみ試験について説
明する。図14に、本試験のための装置として作製した
ゆるみ試験機200を概念的に示す。本ゆるみ試験機2
00は、ねじ装置により複数の被締結部材を締め付けさ
せ、そのうちの1つをボルトの軸方向と直交する方向、
すなわち直径方向に振動させて、締め付け力の変化を検
出するものである。図には、ねじ装置80がゆるみ試験
機200にセットされた様子が示されている。
【0036】図14において、符号202は、本ゆるみ
試験機200の本体たるベースである。ベース202上
に、板状の支持台204が水平な姿勢で固定され、その
支持台204に試験の対象物であるねじ装置80が取り
付けられている。支持台204には、ねじ装置80のボ
ルト82が貫通可能な貫通孔206が形成されており、
ボルト82がその貫通孔206に挿通されてナット18
が螺合されている。支持台204上に、ボルト80の軸
方向に直角な方向に振動する振動部材208が配設され
ている。振動部材208は、ころがり軸受210を介し
て支持台204上に配設されており、支持台204に対
して水平な一直線に沿って滑らかに相対移動可能とされ
ている。ころがり軸受210は、図示は省略するが、水
平に延びる保持器たるケージに複数のローラが回転可能
に保持されてなる。ベース202上に振動部材208を
振動させる振動装置212が設けられている。振動装置
212は、駆動源たる電動モータ214と、その電動モ
ータ214の回転を水平な一方向の振動に変換する変換
装置(図示省略)とを含み、振動部材208を強制振動
させる。なお、この強制振動の振幅は±0.35mmであ
る。
【0037】振動部材208とナット18との間にナッ
ト受け216が配設されている。ナット受け216は、
軸方向に貫通するボルト穴218を有する円筒状の本体
220を備え、本体220の一方の端面においてナット
18を受けている。本体220の軸方向中央の外周に半
径方向外向きのフランジ部222が設けられており、ナ
ット受け216はフランジ部222により振動部材20
8に当接させられて、ねじ装置80の締付け力を振動部
材208に伝達する。ナット受け216の本体220
は、振動部材208にフランジ部222が当接した状態
で、ナット18と反対側の端面224が他の部材に接触
しない長さに形成されている。このことにより、ねじ装
置80の締付け力は全て、振動部材208に伝達され
る。振動部材208は、十分に広い面積に形成されてい
るので、ねじ装置80による締め付け力を受けつつ、滑
らかに水平方向に振動することが可能である。
【0038】支持台204の下方にはボルト受け226
が配設されている。ボルト受け226は、段付円筒状に
形成され、軸方向に順に比較的大径の大径部228と、
大径部228より径の小さい中径部230と、さらに径
の小さい小径部232とを備え、小径部232が支持台
204の貫通孔206内に挿入されている。ボルト受け
226を軸方向に貫通するボルト穴234が形成され、
大径部228に形成された座ぐり穴236に連通されて
おり、ボルト82の頭部30を収容する。ボルト受け2
26の中径部230の外周に円筒状のロードセル240
が、半径方向の隙間を残して嵌合されており、ねじ装置
80による締め付け力が測定可能とされている。ロード
セル240は、内周側の部分が円環状に軸方向下方へ突
出させられた内周側突部242を備え、その内周側突部
242においてのみボルト受け226の大径部228に
当接させられている。一方、外周側の部分が円環状に軸
方向上方に突出させられて外周側突部244を形成し、
その外周側突部224においてのみ支持台204に当接
させられている。このことにより、ロードセル240
は、ねじ装置80による締め付け力に応じて弾性変形さ
せられ、その変形量あるいは歪みが検出されることによ
り締め付け力を取得することができる。ボルト受け22
6も、大径部228においてロードセル240に当接す
る以外は、各径部の端面において他の部材に当接しない
ようにされており、ねじ装置80の締付け力がロードセ
ル240に伝達される。ボルト82は、ボルト受け22
6およびナット受け216を貫通して延び、雄ねじ部3
4のナット受け216から突出した部分にナット18が
螺合されている。締結状態では、ボルト82の頭部30
がボルト受け226に受けられ、ナット18がナット受
け216に受けられる。
【0039】ゆるみ試験機200には、さらに、振動を
検出する振動検出装置250が設けられている。振動検
出装置250は、振動部材208に接触させられた振動
子252を備え、振動部材208が振動させられれば振
動子252が一体的に振動させられて、振動の繰返し数
を計数することができる。
【0040】平くさび88を含むねじ装置80のゆるみ
試験について説明する。試験には、M16×2.0の市
販のユニクロボルトとナットとを使用した。ボルト82
の強度区分は4.8であり、保証荷重は48.7kNであ
る。ボルト82の全長は110mmであって、図16に部
分的に示すように、雄ねじ部34が軸部の先端から40
mmの長さで形成されている。テーパ溝86のテーパ角の
影響と溝深さの影響とを調べるために、テーパ角が2度
および3度、深さが20mmおよび25mmである4種類の
テーパ溝86を備えたボルト82を用意した。テーパ溝
86は、いずれのボルト82についても、溝底の幅が3
mm、下部の15mmが幅の漸減するテーパ部92であり、
それ以外の部分が平行部90であるものとした。平くさ
び88は、全体の長さを40mm,幅を約10mmとし、先
端部94の厚さを3.5mm、テーパ部96の長さを25
mmとし、平行部98の厚さを4.5mmとした。平くさび
88はテーパ部96のテーパ角が2度のものと3度のも
のを用意し、各試験が終わる毎に傷や変形がないことを
確認して、繰返し使用した。
【0041】さらに、平くさび88の振動方向に対する
向きの影響についても調査した。それら試験条件の組み
合わせは図16および図17に示すとおりである。図1
6および図17の各欄には、左側から順に、試験番号,
溝深さ,テーパ角,初期締付け力Fi,圧入後締付け力
Fl,試験回数および振動方向に対する平くさび88の
向きが記載されている。試験番号1および2については
テーパ角が2度とされ、試験番号3ないし6については
テーパ角が3度とされている。溝深さはボルト82の先
端面36からテーパ溝86の底までの距離である。ここ
で、ナット18との螺合部のうち、テーパ溝86が形成
された部分たる拡径部84の割合は、テーパ溝86が2
5mmの場合には84%であり、テーパ溝86が20mmの
場合には44%である。テーパ溝86が25mmの場合に
は、ナット18全体の長さは12.5mmであるのに対し
て、拡径部84のうち10.5mmが螺合しているので、
拡径部84の割合は84%であり、テーパ溝86が20
mmの場合には、拡径部84の5.5mmが螺合しているの
で、拡径部84の割合は44%なのである。
【0042】初期締付け力Fiは、平くさび88を圧入
する前のボルト82によるボルト受け226とナット受
け216との締付け力であり、その後、平くさび88を
圧入することにより増大した圧入後の締付け力が、締付
け力Flである。例えば、初期締付け力Fi=15kNの場
合において、テーパ溝86の深さが25mmであれば、テ
ーパ角にかかわらず圧入後の締付け力Flが約25kNと
なり、テーパ溝86の深さが20mmであれば、圧入後の
締付け力Flが約18kNないし約19kNとなった。詳細
な説明は省略するが、本試験に先だって、実施された予
備試験から、平くさび88の圧入後の締付け力Flの、
初期締付け力Fiに対する変化量は、テーパ溝86の深
さの影響を顕著に受けるが、テーパ角の影響は比較的小
さく、溝の深さおよびテーパ角が共に同じ条件であれば
締付け力に大きなばらつきが生じないことが分かってい
る。
【0043】さらに、試験番号5および6においては、
初期締付け力Fiを適当に調節して、挿入後の締付け力
Flが15kNとなるようにした。また、試験番号1ない
し6においては、振動方向と平くさび88の幅方向とが
ほぼ平行となるようにした。試験回数の欄に示すよう
に、それぞれの条件について2または3回試験を行っ
た。また、試験番号7ないし9に示すように、比較例と
して、平くさび88を挿入しない通常のねじ装置につい
て、初期締付け力Fi=15kN,19kN,25kNで締め
付けた場合のゆるみ試験を行った。
【0044】また、図17に示す試験では、振動方向に
対する平くさび88の向きの影響を調べるために、図1
6に示した試験番号3,4および6と、振動方向に対す
る平くさび88の向きのみを変えて試験を行った。すな
わち、振動方向に対して直角になるように平くさび88
を挿入し、試験番号10および11においては、初期締
付け力Fi=15kNとした状態で、平くさび88を打ち
込んで締付け力を増大させ、一方試験番号12において
は、挿入後の締付け力Fl=15kNとなるように調節を
行った。なお、テーパ角はいずれも3度である。
【0045】平くさび88は、ボルト82とナット18
とを締結後、ハンマーによりテーパ溝86の底まで圧入
した。ゆるみ試験は、平くさび88の圧入後直ちに開始
し、ナット18が緩んで締付け力がほとんど消失する
か、または繰返し数N=3000回に達するまで行っ
た。
【0046】図18にゆるみ試験結果の一例を示す。図
において、横軸はボルト82の軸直角方向振動の繰返し
数Nであり、縦軸はねじ装置80による締付け力Fを示
す。図18(a)は、テーパ溝86の深さ20mmの場合の
試験結果であって、□印は、テーパ角2度の場合(試験
番号1)の結果を、○印はテーパ角3度の場合(試験番
号3)の結果を示す。●印は、初期締付け力Fi=19kN
で締め付けた場合の通常のねじ装置(試験番号8)のゆ
るみ試験結果を示す。この結果によれば、通常のねじ装
置では、ゆるみが進行するのに対して、平くさび88を
使用した場合には、ほとんどゆるみが進行しないといえ
る。
【0047】図18(b)は、テーパ溝の深さ25mmの
場合の試験結果であって、□印は、テーパ角2度の場合
の結果を、○印はテーパ角3度の場合の結果を示し、●
印は初期締付け力Fi=25kNで締め付けた場合の通常
のねじ装置(試験番号9)のゆるみ試験結果を示してい
る。この結果によれば、上記結果と同様に、通常のねじ
装置では、ゆるみが進行し、締付け力が半分程度まで減
少するが、平くさび88を使用した場合には、ほとんど
ゆるみが進行しないといえる。
【0048】図19に、上記各試験条件のゆるみ試験の
結果に基づいて行った耐ゆるみ特性の評価を示す。この
図においては、各試験条件における耐ゆるみ特性を評価
するために、ゆるみ状況を「○(ゆるみ:無)」,「△
(ゆるみ:中)」,「●(ゆるみ:大)」の記号を用い
て表す。また、記号の右側の( )内に記載した数値
は、ゆるみ試験開始時の締付け力Flに対するゆるみ試
験後の締付け力の減少具合を、締付け力Flに対する減
少率(%)で表している。図において「○」は、ほとん
どゆるみが生じなかったことを示しており、ゆるみ試験
における締付け力の減少率が、ゆるみ試験開始時の締付
け力Flに対して20%以下であったことを示してい
る。「△」は、ゆるみ試験における締付け力の減少率が
締付け力Flに対して20%より大きく40%以下であ
り、ゆるみが発生しているが、大幅なゆるみまでは至ら
なかったことを示している。また、「●」は、大幅なゆ
るみが生じたことを示しており、ゆるみ試験における締
付け力の減少率が締付け力Flに対して40%より大き
かった結果を示している。
【0049】試験番号1ないし4の結果から、テーパ溝
深さ25mm(試験番号2および4)では、ほとんどゆる
みが生じていない。また、テーパ溝深さ20mm(試験番
号1および3)では、締付け力の減少率は、25mmの場
合よりも大きい結果となったが、ほとんどの試験で締付
け力の減少率が30%以下であった。これに対して、通
常のねじ装置では、全ての場合において大幅なゆるみが
生じていることから、通常のねじ装置に比べるとテーパ
溝深さ20mmの場合でもゆるみ止め効果は相当あるとい
える。また、テーパ角が2度である場合と3度である場
合とでは、締付け力の減少量に大きな違いはない。以上
のことから、平くさび88を用いたねじ装置80は、テ
ーパ溝86の深さが20mmである場合と25mmである場
合との両方でゆるみ止めの効果があり、テーパ溝86の
深さを深くすれば安定して高いゆるみ止め効果を得るこ
とができると言える。平くさび88を用いることによ
り、拡径部がほぼ平行に拡大されるので、拡径部全体の
雄ねじ面がナットの雌ねじ面に強く押し付けられる。し
たがって、テーパ溝の深さが深くなれば、拡径部のナッ
トに押し付けられる面積が増大し、耐ゆるみ特性が向上
すると考えられる。
【0050】次に、平くさび88の圧入後の締付け力F
l=15kNとした場合(試験番号5および6)について
説明する。試験結果によれば、テーパ溝86の深さが2
0mmである場合と25mmである場合との両方についてゆ
るみが生じている。この場合は、平くさび88が挿入さ
れて締付け力Fl=15kNとなったとき、平くさび88
により拡径された雄ねじ部34のねじ面の限られた部分
が、雌ねじ穴50のねじ面に強く押し付けられることに
より締付け力が上昇したと考えられる。しかし、締付け
力Flを上昇させているねじ面の接触面積は限られてい
るので、振動させられることによって磨耗が生じ、早い
段階で締付け力が一定量以上低下したと考えられる。こ
のねじ面の磨耗による締付け力の低下(初期ゆるみ)に
より、締付け力が大幅なゆるみに至るしきい値を下回
り、その後、大幅なゆるみが生じたと考えられる。以上
のことから、平くさび88を圧入した直後の締付け力F
lは、ある値以上、少なくとも磨耗などの初期ゆるみ
で、大幅なゆるみに至るしきい値を下回らないようにす
る必要があるといえる。
【0051】なお、図18に示した試験結果で、締付け
力Fがゆるみ試験の初期段階で急激に低下した原因も、
ねじ面の磨耗による初期ゆるみに起因すると考えられ
る。そのため、予めこの初期ゆるみを予測して、しきい
値を下回らないようにすることも、振動による締付け力
の減少を低減するためには有効であると考えられる。
【0052】次に、振動方向に対する平くさびの向きの
影響について述べる。図17に示すように、試験番号1
0ないし12において、試験番号3,4,6のそれぞれ
と同じ条件で、振動方向に対して平くさび88が直角と
なるように配設して試験を行った。その結果である締付
け力Fの振動の繰返し数Nに対する変化を図20ないし
図22に示すとともに、耐ゆるみ特性の評価を図23に
示す。
【0053】図20に、テーパ溝深さ20mmで、平くさ
び88を振動方向に対して直角に圧入した場合(試験番
号10)の2つの試験結果が□印で、比較のために平く
さび88を振動方向に対して平行に挿入した場合(試験
番号3)の締付け力Fが○印で示されている。この図に
よれば、試験番号10において大幅にゆるみが生じる場
合には、徐々に締付け力Fが減少しているが、大幅なゆ
るみが生じない場合には、ゆるみ試験の初期段階で大き
く締付け力が低下しており、初期ゆるみが大きいといえ
るが、その後は安定していることがわかる。
【0054】図21に、テーパ深さ25mmで、平くさび
88を振動方向に対して直角に挿入した場合(試験番号
11)の試験結果の一例を□印で示すとともに、比較の
ために平くさび88を振動方向に対して平行に挿入した
場合(試験番号4)の結果を○印で示す。この図によれ
ば、振動方向に対する平くさび88の向きの影響は見受
けられず、ゆるみ止め効果が高いといえる。この結果か
ら、テーパ深さ25mmの場合には、振動方向に対する平
くさび88の向きはゆるみ止めに影響しないといえる。
【0055】さらに、図22に、テーパ深さ25mmで、
平くさび88を振動方向に対して直角に挿入した場合で
あって、平くさび88の圧入後における締付け力Fl=
15kNとしたとき(試験番号12)の試験結果を□印で
示すとともに、比較のために平くさび88を振動方向に
対して平行に挿入した場合(試験番号6)の結果を○印
で示し、初期締付け力Fi=15kNにおける通常のねじ
装置のゆるみ試験の結果を●印で示す。この図によれ
ば、振動方向に対して、平くさび88を平行に挿入した
場合には大幅にゆるんでいるのに対して、平くさび88
を直角に挿入した場合にはゆるんでいないといえる。
【0056】次に、テーパ穴38にテーパ部材20を圧
入するねじ装置10のゆるみ試験について説明する。本
ゆるみ試験においても、前述の試験と同様に、M16×
2.0の市販のユニクロボルトとナットとを利用した。
ボルト16は軸部の全長が110mmであって、先端から
40mmの部分に雄ねじ部34が形成されている。図24
に部分的に示すように、その雄ねじ部34のうち、先端
から25mm(図24(a))または20mm(図24(b))
の深さのテーパ穴38を形成した。テーパ穴38の先端
部の直径は6.7mmとし、テーパ角は3度とした。テー
パ穴38と同じ深さのスリット40を軸方向および半径
方向に沿って4個、等角度間隔に形成した。ボルト16
およびナット18を受ける被締結部材の材質はS55C
とした。テーパ穴38に圧入するテーパ部材20は、先
端の直径を7.2mmとし、テーパ角は3度とした。テー
パ部材20の係合部56にM4の雄ねじ部58を形成
し、テーパ穴38から取り外す際に利用した。
【0057】図25に、テーパ部材38を用いたねじ装
置10のゆるみ試験の試験条件を示す。本試験では、テ
ーパ穴深さ20mmの場合(試験番号13)と、テーパ穴
深さ25mmの場合(試験番号14)とについてゆるみ試
験を行った。このゆるみ試験においては、テーパ部材3
8圧入後の締付け力Fl=15kNとなるように設定して
試験を行った。
【0058】図26に、テーパ穴深さ20mmの場合(試
験番号13)におけるゆるみ試験の結果の一例を示し、
図27に、テーパ穴深さ25mmの場合(試験番号14)
におけるゆるみ試験の結果の一例を示す。各図において
横軸はボルト16の軸直角方向における振動の繰返し数
Nであり、縦軸は締付け力Fを示す。
【0059】図26から明らかなように、テーパ穴深さ
20mmの場合(試験番号13)では、テーパ部材20を
用いて締め付けたねじ装置10であってもゆるみが生じ
るが、図27から明らかなように、テーパ穴深さ25mm
の場合(試験番号14)では、ほとんどゆるみが生じな
い。以上のことから、テーパ部材20を用いたねじ装置
10においては、テーパ部材20の圧入後の締付け力F
l=15kNであって、テーパ穴深さが25mmの場合に
は、ゆるみ止め効果が十分に得られるといえる。
【0060】図28に、試験番号13,14のゆるみ試
験の評価を示す。本図においても、前述の図19におけ
ると同様にゆるみ状況を、「○(ゆるみ:無)」,「△
(ゆるみ:中)」,「●(ゆるみ:大)」の記号を用い
て表すとともに、記号の右側の( )内に、ゆるみ試験
後の締付け力Fの圧入後締付け力Flに対する減少率
(%)を示す。
【0061】以上の結果から、テーパ穴深さ20mmの場
合(試験番号13)では、ゆるみが大幅に発生した結果
が2回あり、ゆるみ止め効果が不十分であるといえる。
これに対して、テーパ穴深さ25mmの場合(試験番号1
4)では、「△(ゆるみ:中)」の結果が2回あるが、
それらの締付け力の低下率は20%程度で、ほぼ「○
(ゆるみ:無)」の状態であり、ゆるみが生じていない
といえる。
【0062】以上の各試験から、平くさび88を用いた
ゆるみ止めの効果は以下のようにまとめることができ
る。 (a)テーパ溝深さをボルト82の先端から約25mm(螺
合部の約84%)とすることにより、振動方向に対する
平くさび88の向きにかかわらず、安定したゆるみ止め
効果を得ることができる。 (b)テーパ溝深さをボルト82の先端から約20mm(螺
合部の約44%)とする場合には、振動方向に対する平
くさび88の向きによっては、大幅にゆるむ可能性があ
る。 (c)平くさび88のテーパの角度(2度と3度)による
大きな違いは見受けられない。 (d)平くさび88の圧入後の締付け力Fl=15kNの場合
には、大幅にゆるむ可能性があるので、ゆるみを生じさ
せないために、圧入後の締付け力Flが、初期ゆるみの
段階で回転ゆるみに到るしきい値を下回らないような値
にする必要がある。
【0063】また、テーパ部材20を用いたゆるみ止め
の効果は以下のようにまとめることができる。 (a)テーパ穴深さをボルト16の先端から約25mm(螺
合部の約84%)とすることにより、安定したゆるみ止
め効果が得られる。 (b)テーパ穴深さをボルト16の先端から約20mm(螺
合部の約44%)とする場合には、大幅にゆるむ可能性
がある。
【0064】さらに、テーパ部材20を用いたねじ装置
10と平くさび88を用いたねじ装置80とを比較すれ
ば、次の通りである。圧入後の締付け力Fl=15kNと
した場合について比較すると、平くさび88を用いて深
さが25mmのテーパ溝86に圧入した場合(試験番号
6)は、大幅なゆるみが生じたが、テーパ部材20を深
さが25mmのテーパ穴38に圧入した場合(試験番号1
4)は、ゆるみがほとんど生じなかった。このことか
ら、テーパ部材20を用いたねじ装置10は、テーパ穴
深さを25mmとすることで、安定して高いゆるみ止め効
果をもち、平くさび88を用いたねじ装置80に比較し
て、より安定したゆるみ止め効果が得られる。
【0065】なお、上記各試験においては、平くさび8
8またはテーパ部材20を圧入するためにハンマーを用
いて打ち込んでいたが、他の方法によって圧入してもよ
い。例えば、エアーコンプレッサなどを用いたエアーハ
ンマーにより打ち込む方法、ボルトのねじ部に袋ナット
を締め付けることで圧入する方法、ペンチのようなてこ
式の専用工具を用いて、ボルト頭部の頂面と平くさび8
8またはテーパ部材20の端面とを挟んで圧入する方法
や、テーパ部材を用いる場合に、テーパ部材をテーパね
じとして、そのテーパねじを締め付けて圧入する方法な
どがある。
【0066】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるねじ装置を用いた締
結装置を示す正面断面図である。
【図2】上記ねじ装置を示す平面図である。
【図3】上記ねじ装置のボルトを示す正面図(一部断
面)である。
【図4】上記ボルトを示す平面図である。
【図5】上記ねじ装置のナットを示す正面図である。
【図6】上記ねじ装置のテーパ部材を示す正面図であ
る。
【図7】本発明の別の実施形態であるねじ装置を用いた
締結装置を示す正面断面図である。
【図8】上記ねじ装置を示す平面図である。
【図9】上記ねじ装置のボルトを示す正面図である。
【図10】上記ボルトを示す平面図である。
【図11】上記ねじ装置の平くさびを示す正面図であ
る。
【図12】上記平くさびを示す側面図である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態であるねじ装置
を用いた締結装置を示す正面断面図である。
【図14】上記各ねじ装置の耐ゆるみ特性を試験するた
めのゆるみ試験機を概念的に示す正面図(一部断面)で
ある。
【図15】上記ゆるみ試験機によるゆるみ試験の試験条
件を説明するための図である。
【図16】上記ゆるみ試験機によるゆるみ試験の試験条
件を示す図表である。
【図17】上記ゆるみ試験機による別のゆるみ試験の試
験条件を示す図表である。
【図18】上記ゆるみ試験の結果を示すグラフである。
【図19】上記ゆるみ試験の結果に基づく各ねじ装置の
評価を示す図表である。
【図20】前記ゆるみ試験機による別のゆるみ試験の結
果を示すグラフである。
【図21】さらに別のゆるみ試験の結果を示すグラフで
ある。
【図22】さらに別のゆるみ試験の結果を示すグラフで
ある。
【図23】上記別のゆるみ試験の結果に基づくねじ装置
の評価を示す図表である。
【図24】前記ゆるみ試験機による別のゆるみ試験の試
験条件を説明するための図である。
【図25】上記別のゆるみ試験の試験条件を示す図表で
ある。
【図26】上記別のゆるみ試験の結果を示すグラフであ
る。
【図27】上記別のゆるみ試験の結果を示すグラフであ
る。
【図28】上記別のゆるみ試験の結果に基づくねじ装置
の評価を示す図表である。
【符号の説明】
10:ねじ装置 12,14:被締結部材 1
6:ボルト 18:ナット 20:テーパ部材
38:テーパ穴 40:スリット 44:拡径部 80:ねじ装置 82:ボルト
84:拡径部 86:テーパ溝 88:平くさび 120:ね
じ装置 122:ボルト 124:ナット
132:テーパ穴 134:スリット 138:テーパ部材 140:拡径部 20
0:ゆるみ試験機 208:振動部材 212:振動装置 24
0:ロードセル 250:振動検出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋村 真治 福岡県久留米市南町115番地 福岡教育大 学久留米宿舎2−4号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄ねじ部を備えたボルトと、その雄ねじ
    部と螺合される雌ねじ穴を備えたナットとを含み、複数
    の被締結部材を互いに締結する締結装置であって、 前記ボルトが、前記雄ねじ部の先端面の中央部から雄ね
    じ部の軸線に沿って延び、先端面から離れるに従って内
    のり寸法が直線的に減少するテーパ穴と、前記雄ねじ部
    の軸線から半径方向に延びて前記先端面と雄ねじ面とに
    開口し、雄ねじ部を周方向において複数に分割する複数
    のスリットとが、前記ナットの高さ以上の軸方向寸法で
    形成された拡径部を有するものであり、かつ、当該締結
    装置が、前記テーパ穴に対応するテーパ部を有し、テー
    パ穴の、前記雄ねじ部の前記ナットとの螺合部の60%
    以上の部分に対応する部分に圧入されてその60%以上
    の部分を拡径し、その部分の雄ねじ面をナットの雌ねじ
    穴の雌ねじ面に押し付けるに足る寸法を有するテーパ部
    材を含むことを特徴とする締結装置。
  2. 【請求項2】 雄ねじ部を備えたボルトと、その雄ねじ
    部と螺合される雌ねじ穴を備えたナットとを含み、複数
    の被締結部材を互いに締結する締結装置であって、 前記ボルトが、雄ねじ部の先端面から軸線を含む一平面
    に沿って延び、幅が先端面から離れるに従って直線的に
    減少するテーパ溝が、雄ねじ部を直径方向に貫通すると
    ともに前記ナットの高さ以上の深さで形成された拡径部
    を有するものであり、かつ、当該締結装置が、前記テー
    パ溝に対応するテーパ部を有し、テーパ溝の、前記雄ね
    じ部の前記ナットとの螺合部の60%以上の部分に対応
    する部分に圧入されてその60%以上の部分を拡径さ
    せ、その部分の雄ねじ面を雌ねじ穴の雌ねじ面に押し付
    けるに足る寸法を有するテーパ部材を含むことを特徴と
    する締結装置。
  3. 【請求項3】 雄ねじ部の先端面から軸線を含む一平面
    に沿って延び、かつ、雄ねじ部を直径方向に貫通する状
    態で形成され、幅が先端面から離れるに従って漸減する
    テーパ溝を備えた雄ねじ部材と、 前記テーパ溝に対応するテーパ部を有し、テーパ溝に圧
    入されることによりそのテーパ溝を広げるテーパ部材と
    を含むねじ装置。
  4. 【請求項4】 前記テーパ溝が前記雄ねじ部の呼び径の
    80%以上の深さを有し、前記テーパ部が前記雄ねじ部
    の呼び径の80%以上の長さを有する請求項3に記載の
    ねじ装置。
  5. 【請求項5】 雄ねじ部材の、雄ねじ部の先端面の中央
    部から雄ねじ部の軸線に沿って延び、先端面から離れる
    に従って内のり寸法が直線的に減少するテーパ穴と、前
    記雄ねじ部の軸線から半径方向に延びて前記先端面と雄
    ねじ面とに開口し、雄ねじ部を周方向において複数に分
    割する複数のスリットとが形成された拡径部を、相手部
    材の雌ねじ穴に前記雄ねじ部の呼び径の50%を超える
    長さで螺合させ、かつ、テーパ部材の前記テーパ穴に対
    応するテーパ部を、テーパ穴の、少なくとも前記拡径部
    の前記雌ねじ穴との螺合部の60%以上に対応する部分
    に圧入することにより、拡径部を拡径させてその拡径部
    の雄ねじ面を前記雌ねじ穴の雌ねじ面に押し付け、前記
    雄ねじ部材と前記相手部材との螺合部のゆるみを防止す
    ることを特徴とする螺合部のゆるみ防止方法。
  6. 【請求項6】 雄ねじ部材の、雄ねじ部の先端面から軸
    線を含む一平面に沿って延び、かつ、雄ねじ部を直径方
    向に貫通する状態で形成され、幅が先端面から離れるに
    従って直線的に減少するテーパ溝を備えた拡径部を、相
    手部材の雌ねじ穴に前記雄ねじ部の呼び径の50%を超
    える長さで螺合させ、かつ、テーパ部材の前記テーパ溝
    に対応するテーパ部を、テーパ溝の、少なくとも前記拡
    径部の前記雌ねじ穴との螺合部の60%以上に対応する
    部分に圧入することにより、拡径部を拡径させてその拡
    径部の雄ねじ面を前記雌ねじ穴の雌ねじ面に押し付け、
    前記雄ねじ部材と前記相手部材との螺合部のゆるみを防
    止することを特徴とする螺合部のゆるみ防止方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007253195A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Kayaba Ind Co Ltd カシメ工具
JP2010159542A (ja) * 2009-01-06 2010-07-22 Tobishima Corp 床構造の施工方法及び該施工方法に使用される施工部材
CN102410295A (zh) * 2011-11-17 2012-04-11 中铁十五局集团有限公司 一种拉式自锁螺栓
CN113931918A (zh) * 2020-07-13 2022-01-14 何天麟 锥针式防松卸螺母

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