JP2003254131A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JP2003254131A
JP2003254131A JP2002052857A JP2002052857A JP2003254131A JP 2003254131 A JP2003254131 A JP 2003254131A JP 2002052857 A JP2002052857 A JP 2002052857A JP 2002052857 A JP2002052857 A JP 2002052857A JP 2003254131 A JP2003254131 A JP 2003254131A
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speed
engine
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engine speed
target
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JP2002052857A
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English (en)
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Tomoyuki Imamura
友之 今村
Yoshihisa Yonkenya
義久 四軒家
Hisanori Kokubu
弥則 國分
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイドル状態での減速時において、例えば急
速なエンジン回転の低下が生じたような場合にでも、エ
ンジンストールやショックを生じさせることなく、実エ
ンジン回転数を緩やかにアイドル時の目標回転数に低下
させることが可能なエンジンの制御装置を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 ECUは、エンジンの実回転数Neに基
づいて所定燃焼サイクル後のエンジン回転数を予測し、
アイドル状態での減速時において、エンジン回転数の予
測値Nyが、アイドル時のエンジン回転数の目標値Nf
iより所定量大きなしきい値Noより小さくなったとき
に、一時的に上記アイドル時の目標値Nfiを増大補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの制御装
置、特に、エンジンの運転状態に応じてエンジン回転数
の目標値を設定するようにしたエンジンの制御装置に関
し、エンジンの制御の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用のエンジンでは、エン
ジン水温や補機の作動状態、あるいは充填効率等のエン
ジンの運転状態に基づいてエンジン回転数の目標値を設
定し、実際のエンジン回転数が上記目標値となるように
燃料噴射量や噴射タイミング等の燃料噴射制御が行なわ
れる。
【0003】その場合に、例えば、図10に示すよう
に、時刻T11にスロットルバルブが全閉状態となった
とすると、上記エンジン回転数の目標値nfは、アイド
ル状態においてエンジンストールを生じない許容最低回
転数ni(以下、アイドル回転数という)より所定値Δ
iだけ高めに設定されたアイドル時目標回転数nfiに
向けて所定の傾きで低下される。そして、実回転数ne
がこの目標回転数nfに近付くように燃料噴射がフィー
ドバック制御されることによって、符号アで示すよう
に、実回転数neが最終的に上記アイドル時の目標値n
fiに良好に収束する。
【0004】なお、実回転数neが上記アイドル時の目
標値nfiに低下する過程で、所定のエンジン回転数に
低下した場合に、所謂燃料カットが行なわれることがあ
り、例えば、特開平11−107826号公報には、ア
イドル回転数にエンジン水温から設定される所定値を加
算した値を燃料カットのしきい値として設定し、該しき
い値より実回転数が低下した状態が所定時間継続したと
きに、燃料カットを行ない、燃費の改善を行なうことが
開示されている。
【0005】ところで、図10に符号イで示すように、
例えばエアコン等の補機の作動による負荷が大きく、実
回転数neが急速に低下するようなときには、フィード
バック制御のオーバシュートが発生して、実回転数ne
が上記アイドル回転数niよりも低下し、エンジンスト
ールが発生する虞がある。
【0006】そこで、図11に示すように、実回転数n
eが、アイドル時目標値nfiに所定値Δjを加算した
しきい値より低下したとき(図11の時刻T21)に、
該目標値nfiを一時的にnfi′に増大補正し、これ
により符号カで示すように実回転数neの低下をゆるや
かにさせ、結果的に実回転数neを上記目標値nfiに
良好に収束させることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、増大補
正の実施条件を、実回転数neがその低下状況にかかわ
らず一様にしきい値より低下したことだけにすると、図
11に符号キで示すように、実回転数neが前述の場合
よりさらに急速に低下しているような場合、目標値の増
大補正を実施しても実回転数neの急速な低下には対応
しきれず、やはり、実回転数neがアイドル回転数ni
より低下して、エンジンストールが発生する虞がある。
仮に、このエンジンストールが回避されても、実回転数
neがこのアイドル回転数ni近傍にまで低下したのち
再度上昇するような現象によりショックが生じ、該ショ
ックにより運転者に違和感を与えることがある。
【0008】そこで、このように実回転数neが急速に
低下している場合にでも、エンジンストールやショック
を回避するには、上記しきい値を高めに設定して早めに
増大補正を行なう必要が生じる。しかしながら、しきい
値を高めに設定すると、今度は、実回転数neが緩やか
に低下している場合に、実エンジン回転数neがこのし
きい値近傍で一時的に高止まりしたのち、再度最終目標
値に向けて低下し始めることとなって、この回転数変動
が運転者に違和感を与えたり、また最終目標値への到達
が遅れたりする原因となる。
【0009】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、アイドル状態での減速時において、例えば急
速なエンジン回転数の低下が生じたような場合にでも、
エンジンストールやショックを生じさせることなく、実
エンジン回転数を緩やかにアイドル時の目標回転数に低
下させることが可能なエンジンの制御装置を提供するこ
とを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載の発明は、エンジンの回転数を検出するエンジン回転
数検出手段と、エンジンの運転状態に基づいてエンジン
回転数の目標値を設定する目標回転数設定手段と、エン
ジン回転数が上記目標値となるように燃料噴射を制御す
るフィードバック制御手段とを有するエンジンの制御装
置であって、上記回転数検出手段で検出されたエンジン
回転数に基づいて所定時間経過後のエンジン回転数を予
測するエンジン回転数予測手段と、アイドル状態での減
速時において、上記予測手段で予測されたエンジン回転
数の予測値が、上記設定手段で設定されたアイドル状態
におけるエンジン回転数の目標値より所定量大きなしき
い値より小さくなったときに、上記アイドル時の目標値
を一時的に増大補正する補正手段とが備えられているこ
とを特徴とする。
【0011】この発明によれば、エンジンの運転状態に
基づいてエンジン回転数の目標値が設定され、エンジン
回転数がこの目標値となるように燃料噴射が制御される
場合に、アイドル状態での減速時において、エンジン回
転数検出手段で検出されたエンジン回転数(以後、「実
回転数」という)に基づいて所定時間経過後のエンジン
回転数が予測され、この予測値がアイドル状態における
エンジン回転数の目標値より所定量大きなしきい値より
小さくなったときに、一時的に上記アイドル時の目標値
が増大補正される。
【0012】すなわち、この目標値の増大補正は、今現
在のエンジンの実回転数がしきい値より低下したときで
なく、所定時間経過後のエンジン回転数の予測値がしき
い値より低下したときに行なわれる。
【0013】例えば、図1に示すように、実回転数が、
符号サ、シ、スで示すようにその低下速度は異なるが、
時刻T1の所定時間経過後の時刻T2における予測値が
いずれも同じ値になるような3つの低下状態を比較した
場合、実回転数の低下速度が大きなときほど、上記予測
値が算出された時刻T1時点での実回転数は大きい。
【0014】つまり、実回転数の低下速度が大きいとき
には、実回転数が目標値に対してまだ十分大きい段階で
目標値の増大補正が行なわれる一方、実回転数の低下速
度が小さいときには、実回転数が目標値に十分接近して
から目標値の増大補正が行なわれるのである。
【0015】これによれば、実回転数の低下速度が大き
いときでも、実回転数が目標値以下に低下することなく
緩やかに目標値に収束する。つまり、実回転数がアイド
ル時の目標回転数以下に低下してエンジンストールが発
生したり、急速なエンジン回転数の低下により運転者に
違和感を与えるようなショックが発生したりするのが回
避される。
【0016】ところで、従来技術のように実回転数によ
って増大補正のタイミングを決定する場合には、エンジ
ンストールやショックを回避しようとすると、実回転数
がアイドル時の目標回転数以下に低下しないように、上
記しきい値を高めに設定して早目に目標回転数を増大補
正する必要があるが、逆に、実回転数が緩やかに低下し
ている場合には、実回転数がしきい値近傍で一時的に高
止まりしたのち、再度最終目標値に向けて低下し始める
こととなり、この回転数変動が運転者に違和感を与えた
り、最終目標値への到達が遅れたりする原因となる。し
かしながら、本発明では、前述のように、実回転数の低
下速度が小さいときには、実回転数が目標値に十分接近
してから目標値の増大補正が行なわれるから、回転数変
動がほとんど生じず、運転者に違和感を与えることがな
い。また、最終目標値への到達が遅れることがない。
【0017】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、エンジン回転数が所定の燃料復
帰回転数より小さくなったときに燃料カット状態からの
燃料復帰を行なう燃料復帰手段と、アイドル状態での減
速時において、エンジン回転数予測手段で予測されたエ
ンジン回転数の予測値が、目標回転数設定手段で設定さ
れたアイドル時におけるエンジン回転数の目標値より所
定量大きなしきい値より小さくなったときに、上記燃料
復帰回転数を、補正手段が行なうアイドル時の目標値の
増大補正の量より多く増大補正する第2の補正手段とが
備えられていることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、アイドル状態での減速
時に、燃料カットが行なわれる場合において、目標値の
増大補正が行なわれる前に燃料カットは開始している
が、燃料復帰はしていないようなときに、燃料復帰回転
数が増大補正されることにより可及的に早く燃料復帰さ
れると共に、この燃料復帰時に、目標値の増大補正が行
なわれているから実回転数が低下するのが抑制され、こ
の結果、実回転数が緩やかに目標値に収束し、実回転数
の急速な低下によってエンジンストールやショックが生
じるのが防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]図2に示すよ
うに、第1の実施の形態に係るエンジン1は、4気筒エ
ンジンであり、ピストン11で画成される燃焼室に設け
られた吸気弁12、排気弁13および点火プラグ14
と、吸気管15に設けられたエアクリーナ16、スロッ
トルバルブ17、スロットルバルブ開度センサ18およ
び燃料噴射弁20と、排気管21と、エンジン本体に設
けられた水温センサ22と、エンジン回転センサ23
と、クランクアングルセンサ24とを有する。
【0020】エンジン制御用コントロールユニット(E
CU)30は、スロットル開度センサ18で検出された
スロットル開度と、水温センサ24で検出されるエンジ
ン水温と、エンジン回転センサ23で検出されるエンジ
ン回転数と、クランクアングルセンサ24で検出される
クランクアングルと、吸入空気量に依存する充填効率等
に基づいてエンジン回転数の目標値を設定し、エンジン
回転センサ23で検出されるエンジンの実回転数がこの
目標値となるように、燃料噴射弁20からの燃料噴射を
フィードバック制御する。
【0021】そして、図3に示すように、スロットル開
度が全閉状態となったとき(時刻t1)には、エンジン
回転数の目標値Nfを、アイドル時の目標値Nfiに向
けて低下させ、エンジンの実回転数Neをこの目標値N
fiに向けて低下させる。
【0022】ところで、例えば、エンジン負荷が大きく
減速度が大きいときや、急ブレーキ等によって急減速が
生じたときには、実回転数Neが上記アイドル時の目標
値Nfiより行き過ぎて低下し、エンジンストールが発
生する虞がある。
【0023】そこで、本実施の形態に係るエンジン1の
ECU30は、スロットルバルブ17が全閉状態すなわ
ちアイドル状態で、減速状態にあるときに、実回転数N
eから予測される所定時間経過後のエンジン回転の予測
値Nyが、アイドル時の上記目標値Nfiに所定値KS
N0UPを加算したしきい値Noより低下したとき(図
3の時刻t2)、言い換えれば予測値Nyと目標値Nf
iとの偏差が所定値KSN0UPより小さくなったとき
に、このアイドル時の目標値Nfiを一時増大補正する
ことにより、実回転数Neの低下勾配を緩やかにさせ、
これにより実回転数Neが目標値Nfiより低下するこ
となく、該目標値Nfiに緩やかに収束するように制御
する。
【0024】ここで、上記エンジン回転数の予測値Ny
は、現在の所定時間経過後、詳しくは図4に示すように
現在の4点火後、すなわち4気筒エンジンの各気筒が所
定の順序で順番に点火して、今回点火した気筒が次回点
火するときに予想されるエンジン回転数である。また、
その値Nyは、現在の実回転数Neとその1点火前の実
回転数Neとの偏差ΔNeを4倍し、この4倍した値を
現在の実回転数Neから減算することにより算出される
(すなわち、Ny=Ne(現在)−4×ΔNe)。
【0025】これによれば、例えば、図1に示すよう
に、実回転数が、符号サ、シ、スで示すようにその低下
速度は異なるが、時刻T1の所定時間経過後の時刻T2
におけるエンジン回転数の予測値がいずれも同じ値にな
るような3つの低下状態を比較した場合、実回転数の低
下速度が大きなときほど、上記予測値を算出した時刻T
1時点での実回転数は大きくなる。
【0026】つまり、実回転数の低下速度が大きいとき
には、実回転数が目標値に対してまだ十分大きい段階で
目標値の増大補正が行なわれる一方、実回転数の低下速
度が小さいときには、実回転数が目標値に十分接近して
から目標値の増大補正が行なわれるのである。
【0027】これによれば、実回転数の低下速度が大き
いときでも、実回転数が目標値以下に低下することなく
緩やかに目標値に収束する。つまり、実回転数がアイド
ル時の目標値以下に低下してエンジンストールが発生し
たり、急速な実回転数の低下により運転者に違和感を与
えるようなショックが発生したりするのが回避される。
【0028】ところで、従来技術のように実回転数によ
って増大補正のタイミングを決定する場合には、エンジ
ンストールやショックを回避しようとすると、実回転数
がアイドル時の目標回転数以下に低下しないように、上
記しきい値を高めに設定して早目に目標回転数を増大補
正する必要があるが、逆に、エンジン回転数が緩やかに
低下している場合には、実回転数がしきい値近傍で一時
高止まりしたのち、再度最終目標値に向けて低下し始め
ることとなり、この回転数変動が運転者に違和感を与え
たり、最終目標値への到達が遅れたりする原因となる。
しかしながら、本発明では、前述のように、実回転数の
低下速度が小さいときには、実回転数が目標値に十分接
近してから目標値の増大補正が行なわれるから、回転数
変動がほとんど生じず、運転者に違和感を与えることが
ない。また、最終目標値への到達が遅れることがない。
【0029】次に、この目標値Nfiの増大補正制御に
ついて、図5、図6のフローチャートを用いてさらに詳
細に説明する。なお、このフローチャートによる制御
は、所定の周期で繰り返し行なわれる。
【0030】まず、ステップS1では、スロットル開
度、エンジン回転数、クランク角、エンジン水温等の各
種の検出信号を入力し、次に、ステップS2で、エンジ
ン水温や、例えばエアコンの作動状態等のエンジン負荷
状態や、充填効率等に基づき目標回転数Nfを算出して
設定する。
【0031】次に、ステップS3では、上記スロットル
バルブ17が全閉状態か否かを、スロットル開度センサ
18の検出信号から判定する。そして、YESのとき
(スロットルバルブ17が全閉状態のとき)は、ステッ
プS4で、アイドル状態を示すフラグFが1か否かを判
定して、NOのとき(F=1でないとき)は、今回アイ
ドル状態となったわけであるから、ステップS5で、こ
のフラグFに1を設定すると共に、ステップS7で、増
大補正期間を制御するタイマに初期値C0を設定する。
なお、このタイマのカウントダウンは、別のステップで
行なわれる。
【0032】一方、ステップS3で、NOのとき(スロ
ットルバルブ17が全閉状態でないとき)は、アイドル
運転状態にないと判定して、上記フラグFに0を設定
(あるいは0にリセット)し、ステップS22で、実回
転数Neが目標回転数Nfとなるように燃料噴射をフィ
ードバック制御する。
【0033】次に、ステップS8で、上記目標回転数N
fとして、水温や、エアコンの作動状態等のエンジン負
荷状態に基づいて、アイドル時のエンジン回転数の目標
値Nfiを設定する。
【0034】次に、ステップS9で、4点火後に予想さ
れるエンジン回転数の予測値Nyを前述の方法によって
算出する。
【0035】次に、ステップS10で、予測値Nyか
ら、上記目標回転数Nf(この時点では、アイドル時の
エンジン目標回転Nfiに設定されている)を減算した
値が、所定値KSN0UPより小さいか否かを判定す
る。言い換えれば、実回転数Neから予測される所定燃
焼サイクル後のエンジン回転の予測値Nyが、アイドル
時の上記目標値Nfiに所定値KSN0UPを加算した
しきい値Noより低下したか否かを判定する(図3参
照)。
【0036】そして、ステップS10でYESのとき、
すなわち、予測値Nyがしきい値Noより低下したとき
(図3の時刻t2)は、ステップS11で、タイマを1
つずつカウントダウンすると共に、ステップS12で、
目標回転数Nfとして、増大補正量Δfiを加算した値
を設定する。すなわち、アイドル時のエンジン回転数の
目標値Nfiに増大補正量Δfiを加算して、目標回転
数Nfの増大補正を行うのである。
【0037】なお、ステップS10で、NOのとき、す
なわち、予測値Nyがしきい値Noより低下していない
ときは、実回転数Neがこの時点で目標回転数Nfとし
て設定されている目標値Nfiとなるように、ステップ
S22で燃料噴射をフィードバック制御する。
【0038】次に、ステップS13で、タイマの設定値
がC=0となったか否か、すなわちタイマがタイムアッ
プしたか否かを判定し、NOのとき(C=0でなくタイ
ムアップしていないとき)は、ステップS22で、実回
転数Neが増大補正中の目標回転数Nfとなるように、
燃料噴射をフィードバック制御する。
【0039】そして、ステップS13で、YESのとき
(C=0であり、タイムアップしたとき)は、ステップ
S14からステップS21で、増大補正された目標回転
数Nf(Nfi+Δfi)を、増大補正前の目標回転数
Nf(Nfi)に、所定の勾配で戻す処理を行う。
【0040】すなわち、ステップS14で、戻し補正中
を意味するフラグFrが1であるか否かを判定し、NO
のとき(Fr=1でないとき)は、それまで戻し補正中
でなかったわけであるから、今回、ステップS15でフ
ラグFrに1を設定すると共に、ステップS16で、現
在の目標回転数Nf(Nfi+Δfi)をNfrとして
設定(記憶)する。次に、ステップS17で、Nfrが
上記アイドル時のエンジン回転数の目標値Nfiに以下
になったかどうか、すなわち、Nfrが目標値Nfiに
まで低下したか否かを判定し、NOのとき(NfrがN
fiに等しくないとき)は、ステップS18で、このN
frを、所定値Δfrを減算した値に設定し直して、ス
テップS19で、このNfrを目標回転数Nfとして設
定する。すなわち、目標回転数Nfを戻し補正して、ス
テップS22で、実回転数Neがこの目標回転数Nf
(現在、Nfr)になるように、燃料噴射をフィードバ
ック制御する。ここで、この目標回転数Nfを所定の勾
配で戻すのは、一気に目標値NFiに低下させると、実
回転数Neが大きく変動する虞があるからである。
【0041】一方、ステップS17で、YESのとき
(NfrがNfiに等しいとき)は、戻し補正が完了し
たので、ステップS20で、フラグFrを0にリセット
し、ステップ21で、目標回転数Nfとしてアイドル時
のエンジン回転数の目標値Nfiに設定する。そして、
ステップS22で、実回転数Neがこの目標回転数Nf
(現在、Nfi)になるように、燃料噴射をフィードバ
ック制御する。
【0042】上記制御を、図3のタイムチャートを用い
て説明する。
【0043】まず、時刻t1にスロットルバルブ17が
全閉状態となったことが検出されると、目標回転数Nf
がアイドル時のエンジン回転数の目標値Nfiに低下さ
れると共に、タイマに所定値C0が設定される。
【0044】また、時刻t1にスロットルバルブ17が
全閉状態となって目標回転Nfが低下することにより、
実回転数Neが低下し始める。また、これに伴って、4
点火後の予測値Nyは、実回転数Neより小さな値とな
り、この小さな状態を維持して、言い換えれば先んじて
低下する。
【0045】そして、実回転数Ne及び予測回転数Ny
が低下し続けて、時刻t2に、予測値Nyがしきい値N
oより低下すると、目標回転数Nfが、Nfi+Δfi
に増大補正される。また、このとき、タイマがカウント
ダウンを始める。そして、このタイマが時刻t3にタイ
ムアップすると、目標回転数Nfが、目標値Nfiに向
けて所定の勾配で低下され、時刻t4に増大補正が終了
する。
【0046】これによれば、目標回転数Nfが時刻t2
から時刻t3の間、一時的に、アイドル時の最終的なエ
ンジン回転数の目標である目標値Nfiより所定量大き
な値(Nfi+Δfi)に増大補正されるから、時刻t
2以後の実回転数Neの低下勾配が緩められて、最終的
に本来の目標値Nfiに緩やかに収束し易くなる。
【0047】しかも、目標回転数Nfを増大補正するタ
イミングの判定を、予測値Nyで行なうから、実回転N
eの低下速度が大きいときには、実回転数Neが大きく
目標値Nfiに対してまだ十分余裕がある段階で目標値
Nfiの増大補正が行なわれ、実回転数Neの低下速度
が小さいときには、実回転数Neが目標値Nfiに十分
接近してから目標値Nfiの増大補正が行なわれる。
【0048】これによれば、実回転数Neの低下速度が
大きいときでも、例えば図3に2点鎖線xで示すように
実回転数Neがアイドル時の目標Nfi値以下に低下す
ることがなく、緩やかに目標値Nfiに収束する。つま
り、実回転数Neがアイドル時の目標値Nfi以下に低
下してエンジンストールが発生したり、急速な実回転数
Neの低下により運転者に違和感を与えるようなショッ
クが発生したりするのが回避される。
【0049】ここで、上記増大補正量Δfiは、減速
度、すなわち実回転数Neの低下速度が大きいほど、大
きく設定される。これによれば、急速な減速時には、よ
り実回転Neの低下速度を緩やかにさせて、実回転Ne
を一層スムーズに目標値Nfiに収束させることができ
ると共に、緩やかな減速が生じているときには、実回転
Neをその低下速度を極端に緩めさせることなくスムー
ズに目標値Nfiに収束させることができる。
【0050】また、この増大補正量Δfiは、変速機の
変速段が低速側にあるときほど、大きく設定される。す
なわち、変速段が低速側にあるときほど、アイドル時の
減速度が大きくなるから、減速度に準じて、変速機の変
速段が低速側にあるときほど、増大補正量Δfiを大き
く設定するのである。
【0051】なお、上記第1の実施の形態では、時刻t
0に一気に目標回転数Nfをアイドル時の目標値Nfi
に低下させたが、例えば図3に1点鎖線zで示すように
所定の勾配で低下させてもよいし、緩やかに所定の曲線
で低下させるようにしてもよい。なお、その場合、時刻
t0の時点で、上記予測値Nyが、目標回転数Nfに所
定値KSN0UPを加算した値のしきい値Noより小さ
くなって、増大補正の必要ないときに、ステップ10で
YESと判定されてしまうから、これを避けるために、
ステップS10の前に例えばタイマ等による判定のステ
ップを設けて、目標回転数Nfが目標値Nfiに低下す
るまでの間は、この新たに追加したステップからステッ
プS22に進むようにすればよい。
【0052】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2の
実施の形態について説明する。この第2の実施の形態
は、第1の実施の形態に係るエンジンの制御装置に燃料
カット制御を付加したものである。すなわち、ECU3
0は、図7、図8のフローチャートにしたがって、アイ
ドル時の目標回転数Nfiの増大補正制御と共に、燃料
カット回転数Nc及び燃料復帰回転数Nrの増大補正制
御を行なう。ここで、図7、図8のフローチャートは、
2点鎖線で囲われたステップS31以後の部分を、前述
の図5、図6のフローチャートに挿入したものである。
それ故、図7、図8のフローチャートの説明は、この2
点鎖線で囲われた部分を中心に説明する。また、エンジ
ンの機構は第1の実施の形態と同様のものであるので説
明を省略する。
【0053】ECU30は、ステップS31で、燃料カ
ット回転数Ncとして、目標回転数Nfに所定値Δcを
加算した値を設定すると共に、燃料復帰回転数として、
目標回転数Nfに所定値Δrを加算した値を設定する。
ここで、所定値Δrより所定値Δcの方が大きい値であ
る。
【0054】また、ステップS32では、ステップS1
2で目標回転数NfがNfi+Δfiに増大補正された
ことを受けて、燃料カット回転数Ncとして、目標回転
数Nf(この時点では、Nfi+Δfi)に上記所定値
Δc及び加算値Δcaを加算した値を設定すると共に、
燃料復帰回転数Nrとして、目標回転数Nf(この時点
では、Nfi+Δfi)に上記所定値Δr及び加算値Δ
raを加算した値を設定する。すなわち、燃料カット回
転数Nc及び燃料復帰回転数Nrを、目標回転Nfの増
大量より加算値Δca,Δra分大きく増大補正する。
【0055】また、ステップS33では、ステップS1
9で目標回転数Nfが戻し補正されることを受けて、燃
料カット回転数Ncとして、目標回転数Nf(戻し補正
中はNfr、戻し補正完了後はNfi)に上記所定値Δ
cを加算した値を設定すると共に、燃料復帰回転数Nr
として、目標回転数Nf(戻し補正中はNfr、戻し補
正完了後はNfi)に上記所定値Δrを加算した値を設
定する。すなわち、ここでは、加算値Δca,Δraは
加算されず、通常の目標回転数Nfと燃料カット及び燃
料復帰回転数Nc,Nrの関係に戻る。
【0056】そして、ステップS34からステップS3
6では、ステップS31、S32、S33で設定された
いずれかの燃料カット及び燃料復帰回転数Nc,Nrに
基づいて、燃料カット実施の判定が行われる。すなわ
ち、ステップS34では、実回転数Neが燃料カット回
転数Ncより小さいか否かを判定し、YES(Ne<N
c)のときは、ステップS35で、実回転数Neが燃料
復帰回転値Nrより大きいか否かを判定する。
【0057】そして、このステップS34でYES(N
e>Nrのとき)のときは、ステップS36で燃料カッ
トを実行し、ステップS34でNOのとき(Ne<Nc
でないとき)、及び、ステップS35でNOのとき(N
e>Nrでないとき)は、ステップS22で、実回転数
Neが目標回転数Nfになるように、燃料噴射弁20を
制御する。
【0058】次に、この燃料カットに関する制御を図9
のタイムチャートを用いて説明する。このタイムチャー
トは、図3の時刻t1の途中から時刻t4を中心に記載
したものである。
【0059】まず、図9に例示したように、時刻t1−
1に実回転数Neが燃料カット回転数Ncより低下する
と、燃料カットが実施される。
【0060】そして、時刻t2に、予測値Nyがしきい
値Noより小さくなると(予測値Nyとアイドル時目標
値Nfiとの偏差が所定値KSN0UPより小さくなる
と)、目標回転数Nfが増大補正されると共に、燃料カ
ット回転数Ncが、Nfi+Δfi+Δc+Δcaに、
また燃料復帰回転数NrがNfi+Δfi+Δr+Δr
aに増大補正される。
【0061】そのとき、この燃料復帰回転数Nrの増大
補正により、実回転数Neも燃料復帰回転数Nrよりも
小さくなり、この結果、燃料カットが終了して燃料復帰
する。
【0062】そして、時刻t3にタイマがタイムアップ
すると、燃料カット回転数Nc及び燃料復帰回転数Nr
は、偏差Δca,Δra分が即座に0にされると共に、
偏差Δfi分は前述の通り時刻t4まで所定の勾配で徐
々に低下される。
【0063】これによれば、アイドル状態での減速時
に、燃料カットが行なわれる場合において、目標値Nf
iの増大補正が行なわれる前に燃料カットは開始してい
るが、燃料復帰はしていないようなときに、例えば燃料
復帰回転数の増大補正を行わない場合と比較して、燃料
復帰回転数Nrが増大補正されることにより、図9に示
すようにΔt分早く燃料復帰されると共に、この燃料復
帰時に、目標値Nfiの増大補正が行なわれているから
実回転数Neが低下するのが抑制され、この結果、図9
に2点鎖線yで示すように目標値Nfiを下回ったりす
ることがなく、実回転数Neが緩やかに目標値Nfiに
収束し、実回転数Neの急速な低下によってエンジンス
トールやショックが生じるのが防止される。
【0064】なお、上記加算値raを大きくすれば、さ
らに実回転値Neの低下速度が大きいような場合にで
も、燃料復帰を早くすることができる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アイド
ル状態での減速時において、エンジン回転数予測手段で
予測されたエンジン回転数の予測値が、アイドル状態に
おけるエンジン回転数の目標値より所定量大きなしきい
値より小さくなったときに、上記アイドル時の目標値を
一時増大補正することにより、例えば急速なエンジン回
転の低下が生じたような場合にでも、エンジンストール
やショックを生じさせることなく、実回転数を緩やかに
アイドル時の目標回転数に低下させることが可能とな
る。また、この減速時に燃料カットが行なわれている場
合にも、燃料復帰回転数が増大補正されることにより可
及的に早く燃料復帰されると共に、この燃料復帰時に、
目標値の増大補正が行なわれているから実回転数が低下
するのが抑制され、この結果、実回転数が緩やかに目標
値に収束し、実回転数の急速な低下によってエンジンス
トールやショックが生じるのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアイドル状態での減速時におけ
るエンジン回転数の目標値の増大補正を説明する図であ
る。
【図2】 本発明の実施の形態に係るエンジンのシステ
ム構成図である。
【図3】 同アイドル時のエンジン回転数の目標値の増
大補正を示すタイムチャートである。
【図4】 同所定燃料サイクル後のエンジン回転予測の
説明図である。
【図5】 同アイドル時のエンジン回転数の目標値の増
大補正制御のフローチャートの前半部である。
【図6】 同フローチャートの後半部である。
【図7】 同第2の実施の形態に係るアイドル時のエン
ジン回転数の目標値の増大補正制御のフローチャートの
前半部である。
【図8】 同フローチャートの後半部である。
【図9】 同タイムチャートである。
【図10】 従来技術を説明する図である。
【図11】 同じくアイドル時目標回転を補正する従来
技術を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン 14 点火プラグ 18 スロットル開度センサ 20 燃料噴射弁 23 エンジン回転センサ 30 ECU(目標回転数設定手段、フィードバッ
ク制御手段、エンジン回転数予測手段、補正手段、燃料
復帰手段、第2の補正手段)
フロントページの続き (72)発明者 國分 弥則 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G301 HA01 JA03 JA04 JA07 JA31 KA07 KA16 KA18 KA26 LB01 MA11 MA25 NA08 NC01 ND01 NE01 PA11Z PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの回転数を検出するエンジン回
    転数検出手段と、エンジンの運転状態に基づいてエンジ
    ン回転数の目標値を設定する目標回転数設定手段と、エ
    ンジン回転数が上記目標値となるように燃料噴射を制御
    するフィードバック制御手段とを有するエンジンの制御
    装置であって、上記回転数検出手段で検出されたエンジ
    ン回転数に基づいて所定時間経過後のエンジン回転数を
    予測するエンジン回転数予測手段と、アイドル状態での
    減速時において、上記予測手段で予測されたエンジン回
    転数の予測値が、上記設定手段で設定されたアイドル状
    態におけるエンジン回転数の目標値より所定量大きなし
    きい値より小さくなったときに、上記アイドル時の目標
    値を一時的に増大補正する補正手段とが備えられている
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジン回転数が所定の燃料復帰回転数
    より小さくなったときに燃料カット状態からの燃料復帰
    を行なう燃料復帰手段と、アイドル状態での減速時にお
    いて、エンジン回転数予測手段で予測されたエンジン回
    転数の予測値が、目標回転数設定手段で設定されたアイ
    ドル時におけるエンジン回転数の目標値より所定量大き
    なしきい値より小さくなったときに、上記燃料復帰回転
    数を、補正手段が行なうアイドル時の目標値の増大補正
    の量より多く増大補正する第2の補正手段とが備えられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制
    御装置。
JP2002052857A 2002-02-28 2002-02-28 エンジンの制御装置 Pending JP2003254131A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014173511A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Honda Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP2015145643A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 株式会社デンソー 電子制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014173511A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Honda Motor Co Ltd 車両の制御装置
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