JP2003253494A - 自動車車体の塗装方法 - Google Patents

自動車車体の塗装方法

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JP2003253494A
JP2003253494A JP2002054517A JP2002054517A JP2003253494A JP 2003253494 A JP2003253494 A JP 2003253494A JP 2002054517 A JP2002054517 A JP 2002054517A JP 2002054517 A JP2002054517 A JP 2002054517A JP 2003253494 A JP2003253494 A JP 2003253494A
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oxide film
coating
aluminum material
automobile body
film
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Shigeru Nakamura
茂 中村
Hideo Sukai
英生 須貝
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】仕上がり外観、塗膜性能に優れた塗膜が得られ
る自動車車体の塗装方法を提供すること。 【解決手段】主要材料が酸化皮膜処理アルミ材もしくは
酸化皮膜処理アルミ材と鋼材が組合わさった異種金属材
で構成される自動車車体の外板部及び/又は内板部にお
いて、酸化皮膜処理が施されるアルミ材の表面粗度がR
aで0.2μm以下であり、酸化皮膜処理が施されるア
ルミ材がマグネシウムとシリカを含有するJIS K―
6000系アルミニウム合金であり、そして該酸化皮膜
処理アルミ材が熱硬化型電着塗膜で被覆されていること
を特徴とする自動車車体の塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、1部もしくは全
部が酸化皮膜処理アルミ材で構成された自動車車体の塗
装方法において、塗膜の鮮映性、平滑性などの塗膜仕上
がり外観や防食性、加工性などの塗膜性能に優れた塗膜
が得られる自動車車体の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】 従来、自動車車体の塗装
方法としては、鋼材からなる自動車車体を化成処理した
後、プライマー塗装や上塗り塗装が行われいるのが一般
的である。近年、自動車分野においては、衝突安全性能
の向上や、標準装備品などの増加により車体重量が重た
くなる一方で、地球環境問題から大幅な燃費向上が求め
られているのが実情である。この様な要求を満足される
ひとつの手法として鋼材を主体とする自動車車体から一
部もしくは全部をアルミ素材に置換えることにより自動
車全体の軽量化が考えられている。しかしながら、アル
ミ材を主体とする自動車車体部分に、従来からの塗装方
法により塗装を行っても、仕上がり外観や塗膜性能に優
れた塗膜が得られないといった問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、鋭意研
究の結果、特定の塗装工程により塗装された塗膜が、上
記目的を達成することができることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0004】かくして本発明によれば、 1、 主要材料が酸化皮膜処理アルミ材もしくは酸化皮
膜処理アルミ材と鋼材が組合わさった異種金属材で構成
される自動車車体の外板部及び/又は内板部において、
該酸化皮膜処理アルミ材が熱硬化型電着塗膜で被覆され
ていることを特徴とする自動車車体の塗装方法、 2、 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸化皮膜処
理が化学皮膜処理であることを特徴とする上記1に記載
の自動車車体の塗装方法、 3、 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸化皮膜処
理が陽極酸化皮膜処理であることを特徴とする上記の自
動車車体の塗装方法、 4、 上記熱硬化型電着塗膜が、カチオン型熱硬化型電
着塗料により形成されることを特徴とする上記1又は2
に記載の自動車車体の塗装方法、 5、 上記熱硬化型電着塗膜が、アニオン型熱硬化型電
着塗料により形成されることを特徴とする上記1又は3
に記載の自動車車体の塗装方法、 6、 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸化皮膜処
理が施されるアルミ材の表面粗度がRaで0.2μm以
下であることを特徴とする上記1乃至3のいずれか1項
に記載の自動車車体の塗装方法、 7、 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸化皮膜処
理が施されるアルミ材がマグネシウムとシリカを含有す
るJIS K―6000系アルミニウム合金であること
を特徴とする上記1乃至3、6のいずれか1項に記載の
自動車車体の塗装方法、 8、 上記酸化皮膜処理アルミ材が、自然発色皮膜又は
電解着色皮膜により着色されていることを特徴とする上
記1乃至3、6、7のいずれか1項に記載の自動車車体
の塗装方法 が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】 本発明の自動車車体の塗装方法
は、1部もしくは全部が酸化皮膜処理アルミ材で構成さ
れる自動車車体に、熱硬化型電着塗膜が形成されている
こと及び特に酸化皮膜処理アルミ材として特定のアルミ
材使用されるところに特徴がある。
【0006】本発明の塗装方法は、自動車車体の素材と
して酸化皮膜処理アルミ材を使用する場合には、例え
ば、(1)該金属素材を目的とする部材(エンジンフー
ド、フェンダーパネル等)にプレス加工し、次いで酸化
処理皮膜表面処理を行い、次いで表面処理された部材
を、自動車車体に取付けて組立を行った後、電着塗装が
施される塗装方法、(2)該金属素材を目的とする部材
にプレス加工し、酸化処理皮膜表面処理を行った後、電
着塗装を行い、得られえた電着塗装部材を自動車車体に
取付けて組立を行う塗装方法により行うことができる。
【0007】また、自動車車体の素材として酸化皮膜処
理アルミ材と鋼材が組合わさった異種金属材を使用する
場合には、例えば、(1)酸化皮膜処理アルミ材を目的
とする部材(エンジンフード、フェンダーパネル等)に
プレス加工し、次いで酸化処理皮膜表面処理を行い、得
られた酸化皮膜処理アルミ部材と、鋼材を目的とする部
材(エンジンフード、フェンダーパネル等)にプレス加
工し、次いで表面処理を行い、次いで表面処理された鋼
部材とを、自動車車体に取付けて組立を行った後、電着
塗装が施される塗装方法、(2)酸化皮膜処理アルミ材
を目的とする部材(エンジンフード、フェンダーパネル
等)にプレス加工し、次いで酸化処理皮膜表面処理を行
い、得られた酸化皮膜処理アルミ部材を電着塗装を行っ
た電着塗装アルミ部材と、鋼材を目的とする部材(エン
ジンフード、フェンダーパネル等)にプレス加工し、次
いで表面処理を行い、次いで表面処理された鋼材を電着
塗装を行った電着塗装鋼材とを、自動車車体に取付けて
組立を行う塗装方法により行うことが出来る。
【0008】また、電着塗膜表面には、必要に応じて自
動車塗料分野で使用されている従来から公知のチッピン
グプライマー(バリヤー塗膜など)、中塗り硬化塗膜、
上塗り硬化塗膜を形成することができる。
【0009】本発明で使用される酸化皮膜処理アルミ材
は、従来から公知のアルミ材に化学皮膜処理や陽極酸化
皮膜処理が施されたものが含まれる。
【0010】該アルミ材としては、従来から自動車車体
用として考えられているものであれば特に制限なしに使
用することができる。具体的には、アルミ合金基材とし
てマグネシウムを含有するJIS A5000系アルミ
ニウム合金板やマグネシウム及びシリカを含有するJI
S A6000系アルミニウム合金基材が挙げられる。
【0011】本発明において、特にこれらのアルミ合金
基材中でも、JIS A6000系アルミニウム合金基
材は、塗料を140℃以上の温度で複数回焼付が行われ
た際に、上記した含有金属により強度と硬度が付与され
るので後者のものを使用することが好ましい。上記した
金属の含有量は0.5〜3%の範囲が好ましい。
【0012】また上記したアルミ材において、アルミ材
の表面粗度(JIS B06013次元粗度計を使用し
て測定できる。)がRaで0.2μm以下、特に0.1
μm以下のものを使用することが好ましい。Raが0.
2μmを超えると該酸化皮膜処理アルミ材に塗装される
電着塗膜の平滑性が低下し、その結果として上塗り塗膜
の平滑性(チリチリ感など)が低下するために塗膜の光
沢が悪くなるといった欠点がある。また、Raはあまり
小さくなり過ぎるとカチオン電着塗膜と酸化皮膜処理ア
ルミ材との付着性が低下するので0.01μm未満にす
ることは好ましくない。この様なアルミ材の表面粗度は
圧延時のロールの粗度を変えることにより、また、機械
研磨、化学研磨、電解研磨などの表面処理技術により調
整することができる。上記した研磨として特に粗さの細
かい研磨が容易にできる電解研磨が好ましい。
【0013】また、アルミ材の酸化皮膜処理としては、
従来から公知の表面処理を行うことができる。
【0014】化学皮膜処理としては、例えば、(1)〜
(3)の順序に従って処理を行うことができる。
【0015】(1)前処理工程:アルミ材 ― 機械研
磨 ― 脱脂(酸、酸塩、アルカリ、アルカリ塩、有機
溶剤、界面活性剤、電解脱脂など)― 水洗(中和も含
む)− 化学研磨 ― 水洗 (2)化学皮膜処理:リン酸塩系処理剤(アルボンド法
も属する、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸マンガンな
ど)、リン酸アルコール系処理剤、リン酸クロム酸系処
理剤、炭酸ナトリウム系処理剤、クロメート系処理剤
(クロム酸、重クロム酸塩など)、ベーマイト法(12
0〜150℃の水蒸気処理、100℃蒸留水処理、10
0℃アミン含有蒸留水で処理など)、チタン系表面処理
剤、フッ素系表面処理剤などが挙げられる。
【0016】上記した中でもリン酸亜鉛処理剤による処
理が好ましい。該処理は、リン酸、酸性リン酸亜鉛、フ
ッ化カリなどの化合物を原料とする処理剤であって、こ
の処理剤と陽極酸化皮膜処理アルミ材とが接触すること
によりアルミがエッチングされ、次いで溶出したアルミ
はリン酸、弗酸と反応してアルミの塩を生成すると共に
酸性リン酸亜鉛(2水素リン酸亜鉛)がアルミ、弗酸と
反応して3リン酸亜鉛となり陽極酸化皮膜処理アルミ材
表面に析出し皮膜を形成する。
【0017】(3)後処理:水洗 ― 乾燥 また、化学皮膜処理の着色は、例えば、上記した化学皮
膜処理で使用した処理液により着色を行う方法、処理液
に更に金属塩などを添加して着色を行う方法、過マンガ
ン酸カリ、コバルト、銅、フェロシアン化カリ、鉄など
の錯化合物やアリザリン着色剤などにより着色を行う方
法などが挙げられる。
【0018】上記した化学皮膜処理アルミ材について
は、カチオン電着塗装及びアニオン電着塗装を行うこと
ができるが、特に酸化皮膜処理アルミ材の耐久性、仕上
がり外観などが優れることからカチオン電着塗装を行う
ことが好ましい。
【0019】また、陽極酸化処理は、例えば、次の方法
により行うことができる。
【0020】 脱脂―アルカリエッチング―デスマッ
ト―陽極酸化処理−封孔処理 脱脂―アルカリエッチング―デスマット―陽極酸化
処理−2次電解着色 脱脂―研磨(電解研磨、化学研磨、艶消し仕上げ
等)―陽極酸化処理―(必要に応じて染色) 各工程において水洗は省略した。
【0021】上記した陽極酸化処理としては、例えば、
硫酸法、シュウ酸法、クロム酸法、ほう酸法などが挙げ
られる。これらのなかでも硬質、耐食性に優れた皮膜が
形成できる硫酸法が好ましい。また、の工程のものは
塗膜の仕上がり外観が優れるので該工程が好ましい。
【0022】上記した陽極酸化処理を施した皮膜につい
ては、酸化皮膜処理アルミ材の耐久性、仕上がり外観な
どが優れることから、特にアニオン電着塗装を行うこと
が好ましい。
【0023】陽極酸化処理を施した皮膜は、必要に応じ
て自然発色や電解着色により皮膜の着色を行うことがで
きる。皮膜を形成させた着色陽極酸化アルミニウム材が
使用できる。自然発色及び電解着色による皮膜は従来か
ら公知の着色技術の方法で行うことができる。また、電
解着色による皮膜の形成方法は、陽極酸化を行った後、
金属塩を含む電解液中で2次電解することにより着色さ
せるか、もしくは陽極酸化の電解液中に金属塩を含ませ
ておき陽極酸化処理と同時に着色させる方法である。該
金属塩としては、例えば、ニッケル塩、銅塩、錫塩、コ
バルト塩、鉛塩、マンガン塩、金塩、銀塩、モリブデン
塩、セレン塩などが挙げられる。塩の形としては硫酸な
どの無機酸塩、酢酸などの有機酸塩、及び酸素酸塩など
が包含される。
【0024】また、表面処理剤として、上記した以外に
も、例えば、エッチング剤(無機酸、有機酸又はそれら
の塩など)重金属(Zr、Mo、W、Ti、Mn、Z
n、Niなど)又はその塩(硝酸、リン酸、フッ化水素
酸など)及び必要に応じてバインダー(フェノール樹
脂、カルボキシル化ポリオレフィン系樹脂など)、防錆
剤(バナジン酸、有機ホスホン酸、没食子酸系化合物、
硫化物、トリアジンチオール、ベンゾトリアゾール、チ
オカルボニル化合物など)、密着付与剤(シランカップ
リング剤、シリカゲル、エロジルなど)を適宜配合し
た、有機及び/又は無機物質の弱塩基性又は弱酸基性物
質による表面処理剤も使用できる。
【0025】上記カチオン電着塗料として、カチオン性
樹脂組成物を水に混合、分散してなる既知のカチオン電
着塗料が使用できる。該カチオン性樹脂組成物として
は、例えば、水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂
とブロックポリイソシアネ−ト化合物などの架橋剤を含
有する組成物が好適に使用される。基体樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂とカチオン化剤との反応生成物、
ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国特許第
2450940号明細書参照)を酸でプロトン化したも
の、ポリイソシアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ又
はポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの、
水酸基及びアミノ基含有アクリル系またはビニル系モノ
マ−の共重合体を酸でプロトン化したもの(特公昭45
−12395号公報、特公昭45−12396号公報参
照)、ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加
物を酸でプロトン化したもの(米国特許第340308
8号明細書参照)などがあげられる。
【0026】また、上記したカチオン性樹脂を酸性中和
剤(酢酸、ヒドロキシ酢酸など)により中和し、水分散
することにより塗料を得ることが出来る。
【0027】また、アニオン電着塗料としては、アクリ
ル樹脂アニオン電着塗料、ポリエステル樹脂アニオン電
着塗料などが挙げられる。
【0028】上記したアクリル樹脂アニオン電着塗料
は、例えば、水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹
脂に硬化剤(ブロックポリイソシアネートやメラミン樹
脂、尿素樹脂等)を配合、塩基性化合物(アミンなど)
で中和し水に分散したものが使用できる。
【0029】該アクリル樹脂は、水酸基含有(メタ)ア
クリルモノマー、α、β―エチレン性不飽和カルボン
酸、必要によりその他のラジカル共重合性モノマーをラ
ジカル共重合反応により得られる。ラジカル共重合反応
は従来から公知の方法、例えば、溶液重合方法で行うこ
とができる。α、β―エチレン性不飽和カルボン酸とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などが
挙げられる。また、水酸基含有(メタ)アクリルモノマ
ー及びその他のラジカル共重合性モノマーは上記したと
同じものが挙げられる。
【0030】アクリル系樹脂は、通常水酸基価10〜3
00mgKOH/gの範囲内、好ましくは20〜200
mgKOH/g、酸価20〜200mgKOH/gの範
囲内、好ましくは30〜100mgKOH/g、数平均
分子量は、2,000〜100,000の範囲内、好ま
しくは、3,000〜50,000範囲内が適当であ
る。
【0031】基体樹脂と硬化剤との成分割合は、通常基
体樹脂成分100重量部に対して硬化剤成分が30〜1
00重量部、好ましくは40〜80重量部の範囲であ
る。
【0032】ポリエステル樹脂アニオン電着塗料として
は、水酸基及びカルボキシル基含有ポリエステル樹脂に
硬化剤(ブロックポリイソシアネートやメラミン樹脂、
尿素樹脂等)を配合、塩基性化合物(アミンなど)で中
和し水に分散したものが使用できる。
【0033】該ポリエステル樹脂としては、例えば、多
価アルコール(ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオールなど)、多塩基酸(テレフタル酸、イソフ
タル酸、トリメリット酸など)を反応させてなるものが
挙げられる。また必要に応じて上記した1価のアルコー
ルや1塩基酸を反応させることができる。
【0034】ポリエステル系樹脂は、通常水酸基価10
〜300mgKOH/gの範囲内、好ましくは20〜2
00mgKOH/g、酸価20〜200mgKOH/g
の範囲内、好ましくは30〜100mgKOH/g、数
平均分子量は、500〜10,000の範囲内が適当で
ある。
【0035】基体樹脂と硬化剤との成分割合は、通常基
体樹脂成分100重量部に対して硬化剤成分が30〜1
00重量部、好ましくは40〜80重量部の範囲であ
る。
【0036】また、上記したそれぞれのカチオン又はア
ニオン電着塗料は、上記した成分以外に必要に応じて界
面活性剤、表面調整剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、紫外
線安定剤、着色剤やその他の添加剤を配合することがで
きる。
【0037】カチオン電着塗料は、固形分濃度が約5〜
40重量%、pHが5〜9の範囲内になるように調整す
る。
【0038】アニオン電着塗料は、固形分濃度が約5〜
25重量%、pHが7〜10の範囲内になるように調整
する。
【0039】カチオン又はアニオン電着塗料による電着
塗装は、上記した電着塗料を電着浴とし、浴温15〜3
5℃に調整し、負荷電圧100〜400Vの条件で、被
塗物と電極との間で通電することにより電着塗装を行う
ことができる。
【0040】電着塗装後、余分に付着した電着塗料を落
とすために、ウルトラフィルトレーションろ液(UFろ
液)、RO透過水、工業用水、純水などで、塗装物表面
に電着塗料が残らないよう必要に応じて水洗することが
できる。
【0041】電着塗膜の焼付けは、塗物表面の温度で1
10℃〜200℃、好ましくは140〜180℃、時間
としては10分間〜180分間、好ましくは20分間〜
50分間加熱して硬化させることができる。
【0042】また、電着塗膜表面には、必要に応じて自
動車塗料分野で使用されている従来から公知のチッピン
グプライマー(バリヤー塗膜など)、中塗り硬化塗膜、
上塗り硬化塗膜を形成することができる。
【0043】
【発明の効果】 本発明は、上記した構成を有すること
から自動車車体の塗装に適した電着塗膜を簡単、経済
的、省力的、安全、安定、連続的に塗膜形成することが
でき、且つ仕上がり外観や塗膜性能に優れた電着塗膜が
形成できる。また、酸化皮膜処理アルミ材の表面粗度が
Raが0.2μm以下のもの使用することにより、更
に、電着塗膜の仕上がり外観を向上させることができ
る。
【0044】
【実施例】 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下、「部」および「%」は
それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。本発
明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0045】実施例1 板厚0.8mmのアルミ材(JIS A6061、 R
a 0.2μm)を常法により、脱脂処理、エッチング
処理、スマット除去処理した後、170g/リットル硫
酸水溶液中にて陽極酸化処理して、厚さ10μmの陽極
酸化皮膜を形成した。次いで、80℃以上の脱イオン水
で封孔処理を行った後、下記アニオン電着塗料を電着塗
装し、170℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μ
mの電着塗装板を得た。
【0046】実施例2 実施例1で得た陽極酸化皮膜のアルミ材を硫酸ニッケル
の25g/リットル水溶液中で交流2次電解(15V、
20℃、2分〜10分間)を行い、ブロンズの着色アル
ミ材を得た。次いで、80℃以上の脱イオン水で封孔処
理を行った後、下記アニオン電着塗料を電着塗装し、1
70℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μmの電着
塗装板を得た。
【0047】実施例3 板厚0.8mmのアルミ材(JIS A6061、 R
a 0.2μm)を常法により、脱脂処理、ベーマイト
処理(120〜150℃の水蒸気処理)を行い酸化皮膜
を形成した。次いで、下記アニオン電着塗料を電着塗装
し、170℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μm
の電着塗装板を得た。
【0048】実施例4 板厚0.8mmのアルミ材(JIS A6061、 R
a 0.2μm)を常法により、脱脂処理、ベーマイト
処理(120〜150℃の水蒸気処理)を行い酸化皮膜
を形成した。次いで、下記カチオン電着塗料を電着塗装
し、170℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μm
の電着塗装板を得た。
【0049】実施例5 板厚0.8mmのアルミ材(JIS A6061、 R
a 0.2μm)を常法により、脱脂処理、リン酸塩表
面処理剤(マンガン重リン酸塩/マンガンけいフッ化物
/フッ化カリ/酸性リン酸亜鉛/リン酸の水溶液)を5
0℃で2〜5分間浸漬し、リン酸亜鉛処理皮膜を形成し
た。次いで、下記アニオン電着塗料を電着塗装し、17
0℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μmの電着塗
装板を得た。
【0050】実施例6 板厚0.8mmのアルミ材(JIS A6061、 R
a 0.2μm)を常法により、脱脂処理、リン酸塩系
表面処理剤(マンガン重リン酸塩/マンガン珪フッ化物
/フッ化カリ/酸性リン酸亜鉛/リン酸の水溶液)を5
0℃で2〜5分間浸漬し、リン酸亜鉛処理皮膜を形成し
た。次いで、下記カチオン電着塗料を電着塗装し、17
0℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μmの電着塗
装板を得た。
【0051】実施例7 板厚0.8mmのアルミ材(JIS A6061、 R
a 0.2μm)を常法により、脱脂処理、下記チタン
系表面処理剤を使用してチタン処理皮膜を形成した。次
いで、下記アニオン電着塗料を電着塗装し、170℃で
20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μmの電着塗装板を
得た。
【0052】実施例8 板厚0.8mmのアルミ材(JIS A6061、 R
a 0.2μm)を常法により、脱脂処理、下記チタン
系表面処理剤を使用してチタン処理皮膜を形成した。次
いで、下記カチオン電着塗料を電着塗装し、170℃で
20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μmの電着塗装板を
得た。
【0053】比較例1 亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板にリン酸亜鉛処理剤
で表面処理したものに下記アニオン電着塗料を電着塗装
し、170℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μm
の電着塗装板を得た。
【0054】比較例2 亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板にリン酸亜鉛処理剤
で表面処理したものに下記カチオン電着塗料を電着塗装
し、170℃で20分間焼付けし、乾燥膜厚約20μm
の電着塗装板を得た。
【0055】カチオン電着塗料:エレクロンGT−10
(関西ペイント社製、ブロックポリイソシアネート硬化
型エポキシ樹脂電着塗料) アニオン電着塗料:エレクロンAG210(関西ペイント
社製、メラミン硬化型アクリル樹脂電着塗料) 結果を表1に示す。
【0056】表1
【0057】
【表1】
【0058】試験方法 塗面平滑性:塗装後の塗膜の外観を肉眼で観察し、ユズ
膚、ピンホール、凹凸、外観の具合を調べた。○は良
好、△は少し劣り、×は劣る。
【0059】密着性:塗装板を40℃の温水に10日間
浸漬した後、塗膜面にナイフを使用して約2mmの巾で
縦、横それぞれ11本の切り目を入れ、その表面に24
mm巾のセロハン粘着テープを密着させ、強く剥離した時
のゴバン目部の密着性を下記基準で評価した。 ○:全く剥離なし、△:若干剥離あり、×:著しい剥離
あり。
【0060】耐食性:塗装板に素地まで達するクロスカ
ットを入れ、これをJIS Z−2371に準じて72
0時間耐塩水噴霧試験を行った後、水洗し、一般部のサ
ビ、フクレ等を下記基準で評価するとともに、クロスカ
ット部にセロハン粘着テ−プを密着させ瞬時に剥がした
時のクロスカット部の最大剥離幅(片側)を表記した。 ○:塗面にサビ、フクレ等の発生が認められない、△:
塗面にわずかにサビ又はフクレの発生が認められる、
×:塗面に著しいサビ又はフクレの発生が認められる。
【0061】耐塩水性:塗装板に素地まで達するクロス
カットを入れ、これを5%の食塩水に50℃で10日間
浸漬した後、水洗し、一般部のサビ、フクレ等を下記基
準で評価するとともに、クロスカット部にセロハン粘着
テープを密着させ瞬時に剥がした時のクロスカット部の
最大剥離幅(片側)を表記した。 ○:塗面にサビ、フクレ等の発生が認められない、△:
塗面にわずかにサビ又はフクレの発生が認められる、
×:塗面に著しいサビ又はフクレの発生が認められる。
【0062】耐チッピング性:−20℃において、7号
砕石100gを、3kg/cmの圧力で、塗面に対し
90度の角度から塗面に吹き付けた後、石を当てた面に
ついてガムテープでの剥離試験を行ない以下の基準で評
価した。 ○:塗膜のハガレが認められない、△:わずかに塗膜の
剥離が認められる、×:著しい塗膜の剥離が認められ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主要材料が酸化皮膜処理アルミ材もしく
    は酸化皮膜処理アルミ材と鋼材が組合わさった異種金属
    材で構成される自動車車体の外板部及び/又は内板部に
    おいて、該酸化皮膜処理アルミ材が熱硬化型電着塗膜で
    被覆されていることを特徴とする自動車車体の塗装方
    法。
  2. 【請求項2】 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸
    化皮膜処理が化学皮膜処理であることを特徴とする請求
    項1に記載の自動車車体の塗装方法。
  3. 【請求項3】 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸
    化皮膜処理が陽極酸化皮膜処理であることを特徴とする
    請求項1に記載の自動車車体の塗装方法。
  4. 【請求項4】 上記熱硬化型電着塗膜が、カチオン型熱
    硬化型電着塗料により形成されることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の自動車車体の塗装方法。
  5. 【請求項5】 上記熱硬化型電着塗膜が、アニオン型熱
    硬化型電着塗料により形成されることを特徴とする請求
    項1又は3に記載の自動車車体の塗装方法。
  6. 【請求項6】 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸
    化皮膜処理が施されるアルミ材の表面粗度がRaで0.
    2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の自動車車体の塗装方法。
  7. 【請求項7】 上記酸化皮膜処理アルミ材において、酸
    化皮膜処理が施されるアルミ材がマグネシウムとシリカ
    を含有するJIS K―6000系アルミニウム合金で
    あることを特徴とする請求項1乃至3、6のいずれか1
    項に記載の自動車車体の塗装方法。
  8. 【請求項8】 上記酸化皮膜処理アルミ材が、自然発色
    皮膜又は電解着色皮膜により着色されていることを特徴
    とする請求項1乃至3、6、7のいずれか1項に記載の
    自動車車体の塗装方法。
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JP2018047820A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 本田技研工業株式会社 車体構造、及び車体の塗装方法

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