JP3673180B2 - アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法及び処理されてなるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法、及び、上記処理方法により処理されてなるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム基材やアルミニウム合金基材は、素材自体に光輝性があり、軽量であるため、これらの特性を活かして、さまざまな分野で利用が拡大している。例えば、自動車のホイールは、鉄製のものが主流であったが、自動車の高級化、軽量化が要求されるようになってから、アルミニウム合金基材からなるアルミホイールの需要が高まっている。
【0003】
一般に、アルミニウム基材は、上述した特性を有する一方、耐食性が不充分であるため、表面に傷等が存在すると糸錆が発生したり、表面に酸化膜ができやすい欠点がある。また、アルミニウム合金基材は、強度を高めるために添加した他の成分が不純物として表面に浮き上がってくる問題もあり、そのまま塗装すると塗膜との密着性が不充分となる場合がある。このため、これらの基材には、耐食性や密着性等の性能を向上させるために表面処理が施されている。
【0004】
アルミホイールの表面処理法としては、脱脂を行った後、アルマイト法等の陽極酸化、着色処理、クロメート処理、MBV法、ベーマイト法等の化学皮膜処理等が行われている。なかでも、塗膜の密着性や耐食性をより向上させることができるので、クロメート処理が好適に用いられている。
【0005】
しかしながら、クロメート処理では、優れた耐食性を付与することができるものの、クロメート皮膜がカーキ色に着色しているので、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面の光沢が皮膜で隠されてしまう。このため、アルミホイールのように素材の光輝性が要求される用途では、クロムの付着量が制限され、充分な耐食性を付与することができない場合がある。
【0006】
特開平5−179486号公報には、アルミホイールの表面をクロムイオンを含む酸性溶液を用い、陰極電解処理することにより、透明なクロメート皮膜を形成する光輝性アルミホイールの無色クロメート皮膜形成方法が開示されている。この方法では、クロメート皮膜が透明であるので、基材の表面まで光線が透過し、素材の光輝性を阻害することがない。しかしながら、近年、クロムの有害性が指摘されるようになっており、クロムを含まない処理液を用いて処理することが望まれている。
【0007】
現在のところ、クロムを含まない処理液を用いたノンクロメート処理も行われている。しかし、この処理方法では、環境への安全性には問題はないが、クロメート処理と比較して耐食性が不充分であるため、充分な耐食性を付与するためには膜厚を大きくする必要があり、結果として、素材の光輝性が損なわれる。
【0008】
特に、アルミホイールの塗装の場合には、高級感が重要視されているため、耐食性や密着性だけではなく、素材の光輝性を活かす必要があり、上述した処理方法では充分に対応することができなかった。
【0009】
ところで、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材は、飲料用アルミ缶や食用アルミ缶としても用いられているが、これらの表面処理方法としては、酸洗、脱脂を行った後、化成処理、必要に応じて、後処理が行われている。
【0010】
上記酸洗処理に使用される洗浄剤として、特公平3−50838号公報には、第2鉄イオン、硫酸及び/又は硝酸からなる表面洗浄剤が開示されている。このものは、ドローイング・アンド・アイアニング(DI)加工されて製造される飲料用アルミ缶に適用するものであり、加工時にアルミニウム表面に付着する潤滑油とアルミニウム粉末とからなるスマットの除去のために用いられるものである。
【0011】
上記クロメート処理を行わない化成処理方法としては、特公昭56−33468号公報には、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン、リン酸イオン、フッ素イオンを含んでなるコーティング剤が開示されている。このものは、アルミ缶の腐食抵抗性、塗膜の密着性を向上させるために用いられるものである。
【0012】
特開昭59−219478号公報には、反応性官能基を有するオルガノアルコキシシラン化合物を含んでなる後処理剤が開示されている。このものは、リン酸亜鉛による化成処理が施されたアルミニウム基材の表面に、耐食性や塗膜の密着性を向上させるために用いられるものである。
上記の技術は、いずれもクロムを含有しない処理剤を提供しており、環境衛生上好ましいものであるが、適用するアルミニウム基材やアルミニウム合金基材が、飲料用アルミ缶、食用アルミ缶等の用途に用いられるものであった。
【0013】
素材の光輝性が要求されるアルミホイールの塗装前処理方法としては、特開2000−282251号公報に、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材を、第2鉄イオン0.2〜0.4g/L及び硫酸を含むpH0.6〜2.0の酸性溶液で処理した後、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.01〜0.125g/L、リン酸イオン0.01〜1.0g/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを含むpH1.5〜4.0の酸性化成処理剤で化成処理し、次いで、オルガノアルコキシシラン0.1〜10g/Lを含むpH10〜12の水溶液で処理することからなる処理方法が開示されている。しかしながら、この方法においても、耐食性や塗膜の密着性という点ではやや不充分であり、更に高い耐食性や塗膜密着性を有する処理方法が望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、クロムを含まない処理液を用いてクロメート処理と同等以上の耐食性を付与することができ、塗膜との密着性を向上させ、かつ、アルミニウムの光輝性を充分に発揮させることができるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法、並びに、該処理方法により処理された表面に金属光沢のあるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材を、第2鉄イオン0.1〜0.4g/L及び硫酸イオンを含むpH0.6〜2.0の酸性水溶液で処理する工程(1)、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.01〜0.125g/L、リン酸イオン0.01〜1.0g/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを含むpH1.5〜4.0の酸性化成処理剤で化成処理する工程(2)、エポキシ樹脂を含む溶液で処理する工程(3)、並びに、粉体塗装する工程(4)を含み、上記エポキシ樹脂を含む溶液で処理することによって得られる薄膜の膜厚は、0.1〜10μmであり、上記粉体塗装に用いられる塗料は、アクリル系のクリヤー粉体塗料であることを特徴とするアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法である。
【0016】
上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材として好適なものは、ホイールである。
上記化成処理する工程(2)により形成される皮膜の重量は、5〜50mg/m2 であることが好ましい。
【0017】
本発明はまた、上記処理方法により処理されてなるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材でもある。
以下に本発明を詳述する。
【0018】
本発明の処理方法は、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材を酸性水溶液で処理する工程(1)、酸性化成処理剤で化成処理する工程(2)、エポキシ樹脂を含む溶液で処理する工程(3)、並びに、粉体塗装する工程(4)を含むものである。
【0019】
上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材(例えば、AC−4C若しくはAC−4CH)としては、アルミホイールが好適である。本発明の処理方法は、優れた耐食性、密着性を有する塗膜が得られ、かつ、表面の光輝性を保持することができるので、外観に光沢が要求されるアルミホイールに好適に適用することができる。
【0020】
本発明において、上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材には、必要に応じて、脱脂処理が施される。上記脱脂処理としては特に限定されず、アルカリ脱脂洗浄等の通常のアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理に用いられている方法で行うことができる。
上記脱脂処理の方法としては特に限定されないが、脱脂を効果的に行うために、浸漬法で行うことが好ましい。上記脱脂処理を行った後は、次の工程に持ち込まれる脱脂剤の量を減らすために、水洗処理を行うことが好ましい。
【0021】
上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、まず工程(1)において、第2鉄イオン0.1〜0.4g/L及び硫酸イオンを含むpH0.6〜2.0の酸性水溶液で処理される。この工程は、酸洗の工程であり、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の表面の汚れや酸化膜を除去するためのものである。
【0022】
上記第2鉄イオンは、上記酸性水溶液中において、硫酸によるアルミニウムのエッチングを促進する役割を果たすものである。
【0023】
上記第2鉄イオンの含有量は、上記酸性水溶液中、0.1〜0.4g/Lである。0.1g/L未満であると、エッチング速度の促進効果が小さく、エッチング不足を生じるおそれがあり、0.4g/Lを超えると、アルミニウムの表面を不当にエッチングすることになるので、上記範囲に限定される。
【0024】
上記第2鉄イオンの供給源としては特に限定されず、例えば、Fe2 (SO4 )3 、Fe(NO3 )3 、Fe(ClO4 )3 等の水溶性第2鉄塩;FeSO4 、Fe(NO3 )2 等の水溶性第1鉄塩等を挙げることができる。なかでも、硫酸イオンを提供することができるFe2 (SO4 )3 、FeSO4 を用いることが好ましい。
【0025】
上記第2鉄イオンの供給源として、上記水溶性第1鉄塩を使用する場合には、上記水溶性第1鉄塩を配合した酸性水溶液に当量の酸化剤を添加し、必要量の第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化してから用いることが好ましい。
【0026】
上記硫酸イオンの含有量は、上記酸性水溶液中、10.6〜12.4g/Lが好ましい。10.6g/L未満であると、アルミニウムの表面のエッチングが不充分となり、12.4g/Lを超えると、アルミニウムの表面を不当にエッチングすることとなる。
【0027】
上記硫酸イオンの供給源としては特に限定されず、例えば、H2 SO4 、Fe2 (SO4 )3 、FeSO4 等を挙げることができる。
【0028】
上記酸性水溶液は、pH0.6〜2.0である。pH0.6未満であると、アルミニウムの表面を不当にエッチングすることとなり、2.0を超えると、アルミニウムのエッチング速度が極端に低下するので、上記範囲に限定される。
上記pHの調整は、上記硫酸イオンの供給源であるH2 SO4 で行うことが好ましい。
【0029】
上記酸性水溶液には、必要に応じて、フッ素イオン、界面活性剤等を添加してもよい。
【0030】
上記酸洗は、一般に、処理温度30〜75℃、好ましくは、35〜45℃、処理時間1〜5分、好ましくは、3分程度で行うことが好ましい。
上記酸洗の方法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等を挙げることができる。
【0031】
上記酸洗により、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の表面の酸化皮膜を効果的に除去するとともに、表面に浮き上がっているアルミニウム合金に含まれるアルミニウム以外の成分である不純物、例えば、Mg、Si、Cu等が偏析したもの等を除去することができる。このため、以下に詳述する化成処理を良好に行うことができる。
【0032】
上記工程(1)において酸洗の処理が施されたアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、通常、上記酸性水溶液を後の工程へ持ち込まないために水洗される。上記水洗の方法としては特に限定されず、一般に金属の表面処理に用いられている方法で行うことができる。
【0033】
本発明の処理方法においては、上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、上記酸性水溶液で処理する工程(1)の後、工程(2)において、ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.01〜0.125g/L、リン酸イオン0.01〜1.0g/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを含むpH1.5〜4.0の酸性化成処理剤で化成処理される。
【0034】
上記ジルコニウムイオン又はチタニウムイオンは、上記酸性皮膜化成処理剤において、皮膜形成成分である。
上記ジルコニウムイオン又はチタニウムイオンの含有量は、上記酸性皮膜化成処理剤中、0.01〜0.125g/Lである。0.01g/L未満であると、形成される皮膜の重量が不足し、耐食性等の性能が不充分となり、0.125g/Lを超えると、形成される皮膜の重量が多くなるために、皮膜が厚膜となり、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の光輝性が損なわれるので、上記範囲に限定される。
【0035】
上記ジルコニウムイオンの供給源としては特に限定されず、例えば、フルオロジルコネート、フルオロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート;(NH4 )2 ZrF6 ;アルカリ金属フルオロジルコネート;フッ化ジルコニウム等を挙げることができる。
【0036】
上記チタニウムイオンの供給源としては特に限定されず、例えば、フルオロチタネート、フルオロチタネート酸等の可溶性フルオロチタネート;(NH4 )2 TiF6 ;アルカリ金属フルオロチタネート;フッ化チタン等を挙げることができる。
【0037】
上記酸性皮膜化成処理剤において、上記リン酸イオンは、皮膜形成成分の1つであり、形成される皮膜の耐食性及び塗膜との密着性に寄与するものである。
【0038】
上記リン酸イオンの含有量は、上記酸性皮膜化成処理剤中、0.01〜1.0g/Lである。0.01g/L未満であると、形成される皮膜の重量が不足し、耐食性等の性能が不充分となり、1.0g/Lを超えると、皮膜が厚膜となりすぎるので、上記範囲に限定される。
【0039】
上記リン酸イオンの供給源としては特に限定されず、例えば、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸アルカリ金属塩等の酸溶液に可溶なリン酸化合物等を挙げることができる。なお、上記リン酸イオンの供給源としては、オルトリン酸を用いるのが望ましいが、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、次リン酸、これらの塩を使用してもよい。
【0040】
上記フッ素イオンは、上記酸性皮膜化成処理剤において、アルミニウムのエッチング剤としての役割をはたすものである。
【0041】
上記フッ素イオンの含有量は、上記酸性皮膜化成処理剤中、0.01〜0.5g/Lである。0.01g/L未満であると、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面のエッチングが不充分となって、形成される皮膜の重量が不足し、0.5g/Lを超えると、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面を不当にエッチングすることになり、該基材の表面が霜に覆われたようなにぶい状態のものとなるので、上記範囲に限定される。
【0042】
上記フッ素イオンの供給源としては、上記酸性皮膜化成処理剤に可溶であり、アルミニウムと錯体を形成することができ、かつ、上記化成処理に対して反作用の効果を呈しないものであれば特に限定されず、例えば、フッ化水素酸、フッ化水素酸塩、フッ化硼素酸等を挙げることができる。なお、上記フッ素イオンの供給源として、上述したジルコニウム又はチタンの錯体を用いる場合には、生成するフッ素イオンの量が不充分であるので、上記フッ素化合物を併用することが望ましい。
【0043】
上記酸性皮膜化成処理剤のpHは、1.5〜4.0である。pHが1.5未満であると、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面を不当にエッチングすることになり、4.0を超えると、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面のエッチングが不充分となるので、上記範囲に限定される。好ましくは、pH2.6〜3.8である。
【0044】
上記酸性皮膜化成処理剤のpHの調整は、硝酸、水酸化アンモニウム;過塩素酸、硫酸等の上記化成処理に対して悪影響を与えない酸又は塩基を用いて行うのが好ましい。なお、硫酸を用いた場合、上記酸性皮膜化成処理剤のpHは、2以上が好ましい。
【0045】
上記化成処理において形成される皮膜の重量は、20〜40mg/m2 が好ましい。20mg/m2 未満であると、耐食性等の性能が不充分であり、40mg/m2 を超えると、厚膜になりすぎてアルミニウムの光輝性が損なわれるおそれがあるだけでなく、かえって耐食性に劣る場合がある。
【0046】
上記化成処理は、形成される皮膜の重量が上記範囲となるように行えばよい。一般的には、処理温度35〜45℃、処理時間40〜50秒で行うのが好ましい。より好ましくは、40℃、45秒程度の処理である。
上記化成処理の方法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等を挙げることができる。
上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、上記化成処理する工程(2)の後、通常、水洗される。
【0047】
本発明においては、上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、その後、工程(3)において、エポキシ樹脂を含む溶液で後処理される。上記エポキシ樹脂を含む溶液での後処理を行うことにより、化成皮膜の表面に塗膜との密着性により優れた薄膜を形成することができ、かつ、耐食性に優れた皮膜を得ることができる。
【0048】
上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの縮合物であるグリシジルエーテル樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラックエポキシ樹脂;ポリグリシジルアクリレート等の多塩基性カルボン酸のポリグリシジルエステル樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、脂肪族ポリオール又はポリエーテルポリオールのグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;含臭素エポキシ樹脂等の1分子内に2個以上のオキシラン基を含有する化合物が挙げられる。
【0049】
上記エポキシ樹脂としては、2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等により、上記エポキシ樹脂を鎖延長して用いることができる。また、分子量又はアミン当量の調節、熱フロー性の改良等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等のモノヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。
【0050】
上記エポキシ樹脂としては、水に溶解させるために、一部のエポキシ基を水和性官能基によって変性したものを用いることも可能である。上記官能基としては、アルカノールアミン等のアミン類によるアンモニウム基、スルフィドによるスルホニウム基等のカチオン性基;カルボキシル基等のアニオン性基;水酸基等のノニオン性基を挙げることができる。好ましくは、カチオン性基である。
上記官能基による変性は、従来の方法に従って行うことができ、例えば、スルホニウム基によって変性させる方法としては、特開平11−209663号公報記載の製造方法等を挙げることができる。
【0051】
上記エポキシ樹脂の数平均分子量は、250〜20000が好ましい。250未満であったり、20000を超えると、塗膜との密着性に劣ったり、耐食性等の物性に劣ることがある。
【0052】
上記エポキシ樹脂として水溶性のものを用いる場合には、水媒体中に溶解することによって、工程(3)において使用するエポキシ樹脂を含む溶液を調製することができる。上記水媒体としては、水を主成分とする媒体であり、水性塗料を調製する際に一般的に使用するアルコール等の水可溶性溶媒を含むものであってもよい。
【0053】
上記エポキシ樹脂が水溶性ではない場合には、水媒体中に乳化分散させるか、又は、各樹脂中のカチオン性基又はアニオン性基を中和できる量の中和剤(酢酸等)で中和処理しエマルションとして水中に乳化分散させることによって、工程(3)において使用するエポキシ樹脂を含む溶液を調製することができる。エマルションを調製する際に、乳化剤を使用することも可能である。
【0054】
本発明においては、上記エポキシ樹脂がその後に塗装される粉体塗膜との間の接着剤的な作用を発揮していると考えられることから、上記エポキシ樹脂を含む溶液で処理した後は、硬化させずに工程(4)において粉体塗料を塗装することが好ましい。従って、上記工程(3)において使用するエポキシ樹脂を含む溶液には、必ずしも硬化剤を含む必要はない。
【0055】
上記エポキシ樹脂の含有量は、上記溶液中、0.5〜10重量%であることが好ましい。0.5重量%未満であると、塗膜の密着性が不充分となり、10重量%を超えると、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材表面上でエポキシ樹脂が凝集したり、塗りむらが生じたりする場合がある。より好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0056】
上記エポキシ樹脂を含む溶液で処理する方法としては、一般的には、処理温度が20〜45℃、処理時間が30秒〜2分程度で行うことが好ましい。また、浸漬法、スプレー法等による処理を挙げることができる。
上記エポキシ樹脂を含む溶液で処理することによって得られる膜厚としては、0.1〜10μmが好ましい。0.1μm未満であると、密着性を向上することができず、10μmを超えると、アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の光輝性が損なわれる場合がある。
【0057】
上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、上記工程(3)の後、水洗を行うことなく、乾燥される。本発明においては、塗膜との密着性を向上させる点から、エポキシ樹脂を完全には硬化させないか又は未硬化の状態で、次の工程(4)によって粉体塗装することが好ましい。従って、上記乾燥は、100〜140℃で、20〜30分程度で行うことが好ましい。
【0058】
本発明においては、上記アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、その後、工程(4)において、粉体塗装される。一般的に、粉体塗料は、塗装後の塗膜の内部応力が高く、通常の塗装前処理を行った後に粉体塗装した場合には、耐食性に優れたものを得ることができなかった。本発明においては、上記エポキシ樹脂を含む溶液で処理する工程(3)によって、化成皮膜の表面に塗膜との密着性に優れた薄膜を形成することができるため、耐食性に優れた塗膜を得ることができる。また、環境への安全性の点からも粉体塗装が好ましい。
【0059】
上記粉体塗装に用いられる塗料としては特に限定されないが、アルミニウム基材表面及びアルミニウム合金基材表面の光輝性を保持するために、アクリル系のクリヤー粉体塗料を使用することが好ましい。
【0060】
本発明のアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法は、塗装の前処理として、工程(1)による酸洗−工程(2)による化成処理−工程(3)による後処理を行った後、粉体塗装を行うものである。これらの各工程は、本発明の処理方法において、アルミニウムの光輝性を保持しつつ、耐食性及び塗膜の密着性に優れた塗装物を得るために重要な役割を果たすものである。
【0061】
即ち、上記工程(1)による酸洗は、基材表面の不純物を除去するための工程であり、上記工程(2)による化成処理は、耐食性及び塗膜の密着性に優れた透明度の高い皮膜を形成するための工程である。更に、工程(3)による後処理は、更に塗膜との密着性を高め、かつ、優れた耐食性を有する薄膜を形成させるための工程である。
【0062】
従って、この一連の工程を経ることにより、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面洗浄と、塗膜との密着性、耐食性等の性能の付与とが順次行われ、その後に工程(4)によって粉体塗装が行われた場合であっても、従来の塗装前処理方法に比べて、アルミニウムの光輝性を保持し、かつ、耐食性等の性能も優れた塗装物が得られる。
上記処理方法により処理されてなるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材もまた、本発明の1つである。
【0063】
また、本発明のアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法は、化成処理において有害物質であるクロムを含んでいない処理液を用いているが、従来のノンクロメート処理とは異なり、クロメート処理と同等以上の性能を有する皮膜を形成させることができる。従って、化成処理液を含む排水の処理負荷を軽減することができ、また、塗装方法も粉体塗装であるため、これらの点から環境衛生上も好ましい処理方法である。
【0064】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0065】
実施例1
アルミニウム合金(AC−4C)テストパネル及びA−1100Pテストパネルの2種の基材を用いて、脱脂を行った後、水洗を行い、以下に示した条件で酸洗処理、水洗、化成処理、水洗、後処理を行い、乾燥した後、粉体塗装を行った。水洗は、水道水シャワーで行い、各工程は、全てディップ方式で処理を行った。乾燥は、電気乾燥機で120℃、25分間行った。
【0066】
(A)脱脂
処理液:2%(w/v)サーフクリーナー53(日本ペイント社製)
処理温度:50℃
処理時間:3分
(B)酸洗処理
処理液:3%(w/v)サーフクリーナー355A(日本ペイント社製;FeSO4 ・7H2 O0.81g/L、98%硫酸12.1g/L、pH0.9)
処理温度:40℃
処理時間:3分
(C)化成処理
処理液:2.5%(w/v)アルサーフ501N−1(日本ペイント社製;リン酸ジルコニウム系処理剤;(NH4 )2 ZrF6 0.12g/L、75%H3 PO4 0.10g/L、55%HF0.02g/L、42%HBF4 0.16g/L、pH3.5)
処理温度:40℃
処理時間:45秒
【0067】
(D)後処理
処理液:パワーニックス110F−2(日本ペイント社製;成分は、変成エポキシエマルション;不揮発分36重量%)を樹脂固形分が2重量%となるように水で希釈したもの
処理温度:25℃
処理時間:1分
(E)粉体塗装
パウダックスA400(アクリル系粉体塗料、日本ペイント社製)を乾燥膜厚80μmとなるように塗装し、160℃20分間焼付けを行った。
【0068】
化成処理(C)において形成される皮膜の重量を、ジルコニウムの付着量として蛍光X線にて分析したところ、30mg/m2 であった。後処理(D)において形成される皮膜は、パーマスコープ(フィッシャー社製)によって測定したところ、1μmであった。
得られた基材を用いて、複合腐食試験を行った。アルミニウム合金(AC−4C)テストパネルについては、切削面及びショット面について各々試験した。
結果を表1に示した。
複合腐食試験
塗膜にクロスカットを入れ、塩水噴霧17時間→強制乾燥3時間→塩水浸漬2時間→自然乾燥(室温)2時間のサイクル〔CCT(cycle corrosion test)サイクル〕を60サイクル行い、クロスカット部の両側の錆幅(mm)を測定した。
また、試験後の基材のクロスカット部に発生した錆について、下記評価により目視で確認を行った。
○:実用化可能レベルである。
×:実用化可能レベルではない。
【0069】
【表1】
【0070】
実施例2
実施例1の後処理(D)において、パワーニックス110F−2の代わりに、エポライト400E(共栄社化学社製;ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル;数平均分子量600)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして処理した。結果を表1に示した。
【0071】
比較例1
実施例1の後処理(D)において、パワーニックス110F−2の代わりに、PC2200(日本ペイント社製;エチレンアクリル酸コポリマー;数平均分子量100)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして処理した。結果を表1に示した。
【0072】
比較例2
実施例1の後処理(D)において、パワーニックス110F−2の代わりに、ジュリマーNP13L(日本純薬社製;ポリアクリル酸;数平均分子量70)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして処理した。結果を表1に示した。
【0073】
比較例3
実施例1において、酸洗処理(B)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にした処理した。結果を表1に示した。
【0074】
比較例4
実施例2において、酸洗処理(B)を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にした処理した。結果を表1に示した。
【0075】
比較例5
比較例1において、酸洗処理(B)を行わなかったこと以外は、比較例1と同様にした処理した。結果を表1に示した。
【0076】
比較例6
比較例2において、酸洗処理(B)を行わなかったこと以外は、比較例2と同様にした処理した。結果を表1に示した。
【0077】
以上の結果より、本発明の処理を行ったものは、アルミニウム合金(AC−4C)テストパネルの切削面及びショット面並びにA−1100Pテストパネルのいずれの基材に対しても、優れた耐食性を示した。
工程(3)においてエポキシ樹脂以外の樹脂を用いた比較例1、2、5及び6は、いずれかの基材において耐食性に劣るものであった。また、酸洗処理を行わなかった比較例3〜6は、更に耐食性が劣っていた。
【0078】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法は、上述のとおりであるので、有害なクロムを含んだ処理剤を用いることなく、耐食性、粉体塗膜の密着性等の性能に優れ、アルミニウムの光輝性を保持することができる塗膜を形成することができる。
また、本発明の処理方法により処理されてなるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、耐食性、塗膜の密着性に優れ、かつ、アルミニウムの光輝性が保持されており、高級感が要求される用途、例えばアルミホイール等の自動車用部品に好適に用いることができる。
Claims (4)
- アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材を、
第2鉄イオン0.1〜0.4g/L及び硫酸イオンを含むpH0.6〜2.0の酸性水溶液で処理する工程(1)、
ジルコニウムイオン又はチタニウムイオン0.01〜0.125g/L、リン酸イオン0.01〜1.0g/L、及び、フッ素イオン0.01〜0.5g/Lを含むpH1.5〜4.0の酸性化成処理剤で化成処理する工程(2)、
エポキシ樹脂を含む溶液で処理する工程(3)、並びに、
粉体塗装する工程(4)
を含み、
前記エポキシ樹脂を含む溶液で処理することによって得られる薄膜の膜厚は、0.1〜10μmであり、
前記粉体塗装に用いられる塗料は、アクリル系のクリヤー粉体塗料である
ことを特徴とするアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法。 - アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材は、ホイールである請求項1記載の処理方法。
- 化成処理する工程(2)により形成される皮膜の重量は、5〜50mg/m2である請求項1又は2記載の処理方法。
- 請求項1、2又は3記載の処理方法により処理されてなるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材。
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