JP2003253432A - 真空蒸着装置 - Google Patents

真空蒸着装置

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JP2003253432A JP2002057796A JP2002057796A JP2003253432A JP 2003253432 A JP2003253432 A JP 2003253432A JP 2002057796 A JP2002057796 A JP 2002057796A JP 2002057796 A JP2002057796 A JP 2002057796A JP 2003253432 A JP2003253432 A JP 2003253432A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でコーティングに悪影響を及ぼす
不純物の存在を抑制することのできる自動供給機能を備
えた真空蒸着装置を提供する。 【解決手段】 装置内部に処理剤の入った容器が複数個
置かれ、容器を順次所定場所へ自動供給するための自動
供給手段を備える真空蒸着装置において、自動供給手段
は容器を押し出すための棒状の押出部材と,押出部材に
接合され押出部材を回転駆動させる駆動手段とからな
り、押出部材は回転運動のみによって容器を所定場所へ
押し出す構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空中にて被蒸着物
にコーティングを行うための真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、各種材料表面に真空中にてコーティ
ングを行い、真空蒸着によって薄膜を形成させる真空蒸
着装置が知られている。このような真空蒸着装置におい
ては自動供給装置を用いてコーティング用の処理剤が入
った容器を自動供給させて効率よく処理剤を加熱蒸散さ
せて蒸着する方法が知られている。この自動供給装置
は、容器を所定場所に複数個積み重ねておき、一番下の
容器を押し出しておき、押し出された容器を電子銃や抵
抗加熱体等により加熱させ処理剤を蒸散させるものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
押し出しによる容器の供給は、ラックアンドピニオンギ
ア等を用いた直動案内機構を使用し、モータ等の回転を
直線運動に置き換えて行うものである。このような直動
案内機構を使用する場合、ギア等を円滑に駆動させるた
めにグリス等の潤滑剤を使用する必要がある。真空蒸着
においてこのような潤滑剤の使用は不純物の蒸発を促す
こととなり、被蒸着物のコーティングに悪影響を及ぼす
こととなる。また、このような特殊環境で使用される潤
滑剤は高価である。また、直動案内機構ではそれらを構
成する部品が多くなるため、異物の侵入を防止するため
の設計が必要となってくる。
【0004】上記従来技術の問題点に鑑み、簡単な構成
でコーティングに悪影響を及ぼす不純物の存在を抑制す
ることのできる自動供給機能を備えた真空蒸着装置を提
供することを技術課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。 (1) 装置内部に処理剤の入った容器が複数個置か
れ、前記容器を順次所定場所へ自動供給するための自動
供給手段を備える真空蒸着装置において、前記自動供給
手段は前記容器を押し出すための棒状の押出部材と,該
押出部材に接合され押出部材を回転駆動させる駆動手段
とからなり、前記押出部材は回転運動のみによって前記
容器を所定場所へ押し出すことを特徴とする。 (2) (1)の真空蒸着装置は、前記容器を載置する
ための載置台と、該載置台に載せられた前記容器を前記
押出部材の回転軌道上に位置させるために前記載置台を
駆動させる駆動手段と、を備えることを特徴とする。 (3) (1)の真空蒸着装置において前記載置台は円
環形状を有しており、前記押出部材は前記載置台の円環
内側に位置するとともに前記駆動手段による回転軸中心
は前記載置台の円環外側に位置することを特徴とする。 (4) (3)の真空蒸着装置において、前記載置台上
には前記容器を内部に積み重ねて保持するための筒状の
保持手段を有し、該保持手段の下部には前記押出部材を
挿通させるとともに前記容器を前記円環外側に押出すた
めの開口部が設けられていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1(a)は本実施の形態で使用する真
空蒸着装置内部を横方向から見たときの概略構成図であ
り、図1(b)は真空蒸着装置内部を上方から見たとき
の概略構成を示す図である。
【0007】1は真空蒸着装置本体である。2は被蒸着
物3を装置本体1内部の天井に取り付けるための取付部
材である。本実施の形態の被蒸着物3は反射防止コーテ
ィング(以下ARコートと記す)が施された偏光板を使
用している。取付部材2は装置本体1内部の天井に回転
可能に取り付けられており、モータ等からなる駆動装置
4の駆動により、軸4aを回転軸中心として水平方向に
回転される。
【0008】10は撥水性を高めるためのフッ素化合物
からなる処理剤が入れられた容器13を載置する円環状
の載置台である。載置台10の上面はその円環形状に沿
って後述する筒部12を複数個載置することができるよ
うになっている。また、載置台10は装置本体1内部の
底面から所定距離だけ持ち上げられた位置に回転可能に
取り付けられている。
【0009】11は載置台10を回転させるための駆動
手段である。駆動手段11に設けられている回転ギア1
1aは載置台10の下部に設けられているギア10aと
嵌合しており、駆動手段11の回転ギア11aの駆動に
より載置台10を図示する矢印方向に回転させることが
できる。
【0010】12は載置台10上に置かれ、その内部に
容器13を複数個入れておくための筒部である。容器1
3は熱伝導性の良い銅製のものを使用している。図2に
示すように筒部12には処理剤が入れられた容器13が
数個積み重ねられた状態で入れられている。また、筒部
12の下部には開口部12a、12bが設けられてい
る。筒部12内に入れられている一番下の容器13は、
開口部12aから後述する押出装置20によって押され
ることで、開口部12bより筒部12外部に押し出され
る。12cは筒部12を載置台10と嵌合させるための
凸部である。筒部12は載置台10上に設けられている
図示なき凹部に凸部12cを嵌め込むことにより、載置
台10上に固定保持される。
【0011】20は押出装置である。押出装置20は容
器13を押し出すための押出棒21、押出棒21を載置
台10の円環内に位置させるための軸部22、軸部22
を回転駆動させるための駆動装置23からなる。軸部2
2は載置台10の外側に設置されている駆動装置23に
接合されているとともに、その先端は載置台10下部に
設けられた空間を通って載置台10の内側まで延びてい
る。押出棒21はその先端を載置台10に置かれた筒部
12の開口部12aと同じ高さにしつつ、軸部22の先
端に取り付けられている。軸部22の先端に取り付けら
れた押出棒21は駆動装置23の駆動によって図1
(b)に示す矢印方向に回転するようになっている。
【0012】押出棒21の回転軌道の中心(回転軸)は
円環状の載置台10の外側に位置するため、載置台10
の内側に置かれた押出棒21を回転駆動させるだけで、
容器13を載置台10の内側から外側へ押し出すことが
可能である。
【0013】従来の押し出し機構では、回転軸による動
力をラックアンドピニオン機構により直線運動に変換
し、容器の押し出しを行っている。しかしながら本実施
の形態で使用する押出装置20では、押し出しを直線運
動ではなく、回転運動のみにより行うものとしている。
その結果、直線運動に変換するための機構(ギア、直動
案内部等)を必要としないため、ギア等に必要とされる
潤滑剤を極力使用しなくてすみ、真空蒸着時の不純物の
発生を抑えることができる。また、構成部品が少ないた
め、特別な設計をするまでもなく押出装置20内への異
物の侵入を抑制することができる。
【0014】14は押出装置20によって押し出された
容器13を載置する台である。台14は押出棒21の回
転軌道上に位置する載置台10の外側に設置されてい
る。30は台14上に押し出された容器13を抵抗加熱
部40へ運ぶための搬送装置である。搬送装置30は容
器13を挟持するアーム部31と、アーム部31に接合
され、挟持部31を図示する矢印方向に上下及び回転さ
せるための駆動部からなる。
【0015】40は抵抗加熱部、41は抵抗加熱部40
に接続される電源である。図3は抵抗加熱部40の詳細
を示す図である。本実施の形態で用いられる抵抗加熱部
40は、基材としてタングステンやモリブデン等の抵抗
加熱として一般的に使用される金属板を用いるととも
に、その上面にはアルミナの絶縁体40aの被膜が形成
されている。この絶縁体40aの被膜の形成はアルミナ
粉末を抵抗加熱部40に溶着させることにより形成され
ている。
【0016】また、絶縁体40aはアルミナに限らず、
その他のセラミックス等の熱伝導性がよく絶縁性を有す
るものであれば良い。絶縁体40aの被膜はその上に置
かれる容器13に対して効率よく熱を伝えるために、絶
縁体の厚さは50μm〜200μm程度が好ましい。更
に好ましくは100μm〜150μmである。厚みが5
0μm未満の場合、薄すぎてしまい容器の接触や蒸発等
により剥がれてしまう恐れがある。また、厚みが200
μmを超えると被膜にクラックが入り剥がれやすくな
る。また、本実施の形態で使用するアルミナの絶縁体は
耐摩耗性が高いため、本実施の形態のように自動給材に
て多数の容器13を抵抗加熱部40に順次載置する場合
に基材の保護にもつながることとなる。
【0017】15は加熱により処理剤がなくなった容器
13を廃棄する廃棄ボックス、16は装置本体1内を真
空にするための真空ポンプである。また、前述した真空
蒸着装置1内部における位置制御が必要な駆動機構はサ
ーボモータを使用しており、シーケンサ等からなる制御
部50によって位置制御ができるようになっている(図
4参照)。
【0018】以上のような構成を備える真空蒸着装置に
ついて、制御系のブロック図を図4に示し、その動作を
説明する。初めに偏光板等の被蒸着物3を取付部材2に
取り付けるとともに、処理剤が入れられた容器13が複
数個入れられた筒部12を載置台10に取り付けてお
く。次に真空ポンプを使用して、装置本体1内を真空に
しておく(真空度10-3〜10-4Pa程度)。所定の真
空度が得られたら、制御部50は駆動装置4を用いて所
定の回転速度で被蒸着物3を回転させる。
【0019】制御部50は駆動装置11を使用して載置
台10を回転させ、筒部12を押出棒21の回転軌道上
に位置させる。筒部12が押出棒21の回転軌道上に位
置したら、制御部50は駆動装置23を使用して押出棒
21を回転させる。回転駆動している押出棒21の先端
は、その回転軌道上に位置する筒部12の開口部12a
より容器13を押し、容器13を台14上まで押し出
す。
【0020】容器13が台14まで押し出されると、制
御部50は駆動装置23を逆回転駆動させ、押出棒21
を元に位置に戻す。開口部12aより押出棒21が抜か
れると、筒部12内に積み上げられている容器13が下
に落ち、次の容器13を押し出すことができるようにな
る。
【0021】次に制御部50は駆動装置32を使用して
アーム部31を台14上に載せられた容器13上に位置
させる。容器13上にアーム部31が位置すると、制御
部50は駆動装置32を使用してアーム部31を下げる
とともに、アーム部31を用いて容器13を挟む。制御
部50は容器13を挟んだアーム部31を駆動装置32
を使用して持ち上げたあと、回転駆動させて抵抗加熱部
40上(絶縁体40a上)に容器13を載置する。
【0022】制御部50は電源41を用いて所定の電流
を流し、抵抗加熱部40を800〜1100℃程度に加
熱させる。本実施の形態で使用する銅製の容器のように
安価で熱伝導性の良いものは導電性を有する金属である
ことが多いため、抵抗加熱部40上に直接容器13を載
せてしまうと、容器13側に電流が流れてしまい、所望
する温度で加熱できなくなる。
【0023】本実施の形態のように、容器13と抵抗加
熱部40との間に絶縁体40aを設けることにより、容
器13側に電流が流れることがない。このため、容器1
3が載せられた抵抗加熱部40周囲の加熱温度が下がる
ことがなく、効率よく容器13を加熱させることができ
る。
【0024】容器13が加熱されることによって、容器
13内部に入れられた処理剤が蒸散し、本体1内部の天
井に取り付けられている被蒸着物3に蒸着する。このと
き被蒸着物3が取り付けられている取付部材2は常時一
定速度にて回転しているため、取り付けた複数の被蒸着
物3にまんべんなく蒸着が行われることとなる。
【0025】加熱が所定時間行われ、抵抗加熱部40上
に置かれている容器13内の処理剤が完全になくなる
と、制御部50は搬送装置30を使用して容器13を廃
棄ボックス15に廃棄する。被蒸着物3への蒸着が足り
ない場合には、上述した操作を行い、新しい容器13を
抵抗加熱部40上に載置し蒸着を行う。
【0026】以上の実施形態では抵抗加熱部の上面に絶
縁体の被膜を形成するものとしているが、これに限るも
のではなく、抵抗加熱部全体に被膜を形成させておいて
も良い。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明では抵抗加熱に流
す電流が容器側に流れることがないため、効率よく加熱
を行うことができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明では回転運動のみ
により容器の押し出しを行うため、回転運動を直線運動
に変換する変換ギアや直動案内機構を設ける必要がな
い。このため簡単な構成で、潤滑剤を使用する必要がな
く不純物の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空蒸着装置の構成を示した図である。
【図2】容器が多数載置される筒部の構成を示した図で
ある。
【図3】抵抗加熱部の構成を示した図である。
【図4】制御系を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 真空蒸着装置本体 2 取付部材 3 被蒸着物 10 載置台 11 駆動手段 12 筒部 13 容器 20 押出装置 30 搬送装置 40 抵抗加熱部 40a 絶縁体 41 電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置内部に処理剤の入った容器が複数個
    置かれ、前記容器を順次所定場所へ自動供給するための
    自動供給手段を備える真空蒸着装置において、前記自動
    供給手段は前記容器を押し出すための棒状の押出部材
    と,該押出部材に接合され押出部材を回転駆動させる駆
    動手段とからなり、前記押出部材は回転運動のみによっ
    て前記容器を所定場所へ押し出すことを特徴とする真空
    蒸着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の真空蒸着装置は、前記容器を
    載置するための載置台と、該載置台に載せられた前記容
    器を前記押出部材の回転軌道上に位置させるために前記
    載置台を駆動させる駆動手段と、を備えることを特徴と
    する真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の真空蒸着装置において前記載
    置台は円環形状を有しており、前記押出部材は前記載置
    台の円環内側に位置するとともに前記駆動手段による回
    転軸中心は前記載置台の円環外側に位置することを特徴
    とする真空蒸着装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の真空蒸着装置において、前記
    載置台上には前記容器を内部に積み重ねて保持するため
    の筒状の保持手段を有し、該保持手段の下部には前記押
    出部材を挿通させるとともに前記容器を前記円環外側に
    押出すための開口部が設けられていることを特徴とする
    真空蒸着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006028607A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Showa Shinku:Kk 蒸着材料の供給・回収手段及び真空装置
KR101081364B1 (ko) 2009-09-28 2011-11-08 주식회사 선익시스템 유기 발광 다이오드 제조공정용 금속재료 공급장치
JP2016091593A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 株式会社Cics 蒸発材料補充装置及び蒸発材料補充方法

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