JP2003252778A - ヒアルロニダーゼ阻害剤及び該剤を含有する化粧品、飲食品又は医薬品 - Google Patents

ヒアルロニダーゼ阻害剤及び該剤を含有する化粧品、飲食品又は医薬品

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JP2003252778A
JP2003252778A JP2002051531A JP2002051531A JP2003252778A JP 2003252778 A JP2003252778 A JP 2003252778A JP 2002051531 A JP2002051531 A JP 2002051531A JP 2002051531 A JP2002051531 A JP 2002051531A JP 2003252778 A JP2003252778 A JP 2003252778A
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organic solvent
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Yoshie Ooshima
良恵 大島
Naoya Fushimi
直也 伏見
Tetsuji Tomita
哲司 富田
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Original Assignee
Showa Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒアルロニダーゼ阻害剤を、入手し易い安価
な植物原料から効率的に得ること。 【解決手段】 (1)穀類由来の有機溶剤抽出物のアセ
トン不溶性成分を有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害
剤、(2)穀類が、豆類、米類、麦類、トウモロコシ又
は菜種類である(1)のヒアルロニダーゼ阻害剤、
(3)アセトン不溶性成分が、不ケン化性のものである
(1)のヒアルロニダーゼ阻害剤、(4)アセトン不溶
性成分が、穀類由来の有機溶剤抽出物のケン化処理物か
ら分取したものである(1)のヒアルロニダーゼ阻害
剤、(5)アセトン不溶性成分が、穀類由来の有機溶剤
抽出物のケン化処理物からアセトン抽出残渣を分取した
ものである(1)のヒアルロニダーゼ阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒアルロニダーゼ
阻害剤及び該剤を含有する化粧品、飲食品又は医薬品に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層か
らなっているが、近年、皮膚老化に関する研究が進めら
れ、皮膚老化の原因としては、マクロ的にみれば加齢が
重要な因子であり、更に乾燥、酸化、太陽光(紫外線)
による影響等も皮膚老化に関する直接的な因子として挙
げられてきているが、皮膚老化を機能的にみれば、その
原因は、皮膚真皮におけるヒアルロン酸の減少などとさ
れている。ヒアルロン酸は、水分保持機能を有してお
り、結合組織に広く分布しているジェリー状のマトリッ
クスを形成して細胞を保持したり、皮膚の潤滑性と柔軟
性を保ち、外力及び細菌感染を防止していると考えられ
る。例えば、加齢によって、皮膚にみずみずしさが無く
なってくるのは、ヒアルロン酸が減少することが一つの
要因であると言われている。
【0003】従って、皮膚老化防止のためには、ヒアル
ロン酸を分解するヒアルロニダーゼの働きを抑えて、ヒ
アルロン酸の変性、破壊を防止することが重要である。
また、ヒアルロニダーゼは、起炎酵素としても知られて
おり、その阻害剤は、炎症反応やアレルギー反応を軽減
することが期待できる。
【0004】ヒアルロニダーゼ阻害剤に関する従来例と
しては、例えば、栗の葉、栗のいが、琵琶葉等の溶媒
抽出物(特開平8−217688)、メリッサの抽出
物(特開平9−241149)、フイランツス・エン
プリカ抽出物(特開平11−71290)、谷精草、
小金桜、ときん草、化石草などの抽出物(2000−2
47829)、竜眼種子抽出物(2001−2474
71)等がある。しかし、上記のものは、原料が特殊な
ものであるので、その入手に問題がある。以上のことか
ら、ヒアルロニダーゼ阻害剤を、入手し易い安価な植物
原料から効率的に得る技術の開発が待たれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒアルロニ
ダーゼ阻害剤を、入手し易い安価な植物原料から効率的
に得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、穀類由来の
有機溶剤抽出物の特定成分にはヒアルロニダーゼ阻害活
性があることを知り、更に研究を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0007】即ち、本発明は、以下の構成からなるもの
である。 1.穀類由来の有機溶剤抽出物のアセトン不溶性成分を
有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。 2.穀類が、豆類、米類、小麦類、トウモロコシ又は菜
種類である上記1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。 3.アセトン不溶性成分が、不ケン化性のものである上
記1又は2記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。 4.アセトン不溶性成分が、穀類由来の有機溶剤抽出物
のケン化処理物から分取したものである上記1、2又は
3記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。 5.アセトン不溶性成分が、穀類由来の有機溶剤抽出物
のケン化処理物からアセトン抽出残渣を分取したもので
ある上記1、2、3又は4記載のヒアルロニダーゼ阻害
剤。 6.ケン化処理物が、酵素処理に基づくものである上記
4又は5記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。 7.酵素処理が、リパーゼ分解である上記6記載のヒア
ルロニダーゼ阻害剤。 8.穀類由来の有機溶剤抽出物が、食用油製造時に発生
する油滓である上記1、2、3、4、5、6又は7記載
のヒアルロニダーゼ阻害剤。 9.皮膚老化防止作用、抗炎症作用又は抗アレルギー作
用を有する上記1、2、3、4、5、6、7又は8記載
のヒアルロニダーゼ阻害剤。 10.上記1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載
のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する化粧品、飲食品又
は医薬品。
【0008】本発明は、「穀類由来の有機溶剤抽出物の
アセトン不溶性成分にはヒアルロニダーゼ阻害活性があ
る。」という新知見に基づいてなされたものである。前
述した、従来のヒアルロニダーゼ阻害剤(従来例〜
)は、実質的には、特殊な植物の水抽出物である。こ
れに対して、本発明の原料である穀類の水抽出物には、
ヒアルロニダーゼ阻害活性は殆どなく(比較例1参
照)、本発明の活性成分は、穀類の有機溶剤抽出物から
得られるものである。従って、上記の従来のヒアルロニ
ダーゼ阻害剤の活性成分と本発明の阻害剤の活性成分と
は、全く異なるものであることは明らかである。
【0009】何れにしても、本発明のヒアルロニダーゼ
阻害剤は、穀類由来の有機溶剤抽出物のアセトン不溶性
成分を有効成分とするものであり、本阻害剤は、その優
れた阻害活性により、皮膚機能強化成分である、ヒアル
ロン酸の活性低下の防止機能を有するという優れた特性
を有する。本発明の穀類由来の有機溶剤抽出物のアセト
ン不溶性成分が、優れたヒアルロニダーゼ阻害活性を有
する理由は解明していないが、該抽出物中に存在する、
アセトン不溶性成分である、スフィンゴイド類、ステロ
ール類、トリテルペノイド類等が単独又は総合的に、該
作用を呈しているものと推察される。
【0010】そして、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有す
るものは、皮膚老化防止作用の外、抗炎症作用や抗アレ
ルギー作用も有するので、本ヒアルロニダーゼ阻害剤
は、抗炎症剤や抗アレルギー剤としての利用も期待でき
る。また、本発明の有効成分である、穀類由来の有機溶
剤抽出物で、アセトン不溶性成分を含むものとしては、
例えば、食用油の製造工程中の脱ガム工程で得られる油
滓が用いられるが、このものは、食用油製造の副産物等
から安価に効率的に得られる点において、価値が高い。
更に、本発明の有効成分は、大豆、米、小麦、トウモロ
コシ、菜種等の食用穀類等から得られるので、本発明
は、安全性の面においても問題がなく、外用剤として
も、経口剤としても、使用可能である点においても、優
れている。以上、穀類由来の有機溶剤抽出物の中で、ア
セトン不溶性成分にヒアルロニダーゼ阻害活性があるこ
とは、本発明により初めて見い出された知見であるの
で、この点からみても、本発明の構成の選択に格別の意
義があることが分かる。
【0011】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、穀類由来の有機溶剤抽
出物のアセトン不溶性成分を有効成分とするものであ
る。従って、本阻害剤の有効成分は、原則的には、穀類
の有機溶剤抽出物であって、活性成分のアセトン不溶成
分を含むものであれば、その種類は問われない。
【0012】(1)穀類の有機溶剤抽出物 抽出用の穀類としては、豆類、米類、麦類、トウモロコ
シ、菜種類等が用いられる。例えば、大豆、小豆、小
麦、大麦、エン麦、ライ麦、米、菜種、トウモロコシ等
の食用又は食用油脂原料に使用されているものが挙げら
れる。穀類は、そのままのものでもよいが、糠や胚芽等
の加工処理物も使用することができる。穀類からの有機
溶剤抽出は、穀類を、そのままで、又は蒸煮、乾燥、粉
砕、圧片などの予備処理を施した後、有機溶剤により抽
出を行うことができる。有機溶剤としては、ヘキサン、
ペンタン、ヘプタン、ベンゼン等の炭化水素;メタノー
ル、エタノール等のアルコール;クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素;メチルエーテル、エチルエーテル等の
エーテル;アセトニトリル等のアクリル等が挙げられ
る。また、これら溶剤の含水物、或いはこれらの溶剤を
一定の比率で混合した混合溶剤が用いられる。抽出操作
は、必要に応じ、加温することにより行うこともでき
る。
【0013】(2)活性成分 本活性成分は、上記の有機溶剤抽出物のアセトン不溶性
成分であるが、このものは、通常、上記の有機溶剤抽出
物をアセトン処理し、その抽出残渣から好適に得られる
ものである。更に、アセトン不溶性成分であって、不ケ
ン化性のものは活性が高く、特に好ましいものである。
ここで、不ケン化性とは、ケン化されない性質、すなわ
ちアルカリや酵素等による加水分解を受けない不ケン化
物の性質を意味する。穀類の有機溶剤抽出物中には、通
常、活性成分であるアセトン不溶性成分の外に、不活性
成分、例えば、グリセリド類や脂肪酸エステル等が含ま
れているが、このような不活性成分は、上記の加水分解
処理により、ケン化され、水溶性成分として分離除去で
きる。加水分解手段としては、アルカリ処理や酵素処理
等の方法を用いることができる。上記の酵素処理に用い
られる酵素としては、脂質を加水分解できる酵素であれ
ば、どのようなものでも用いることができる。例えば、
リパーゼ、ホスホリパーゼ等が挙げられる。ホスホリパ
ーゼとしては、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA
2、ホスホリパーゼB等が挙げられる。リゾホスホリパ
ーゼ、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD等を併用し
てもよい。その他、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフ
ィー等による分画などの手段を用いることができる。更
に、高濃度の活性成分の目的物を得るためには、抽出、
蒸留、カラムクロマトグラフィー等の精製手段を行えば
よい。例えば、抽出の場合、溶剤としては、アルコール
(例えば、エタノール)等の極性溶剤を用いるのがよ
い。
【0014】(3)本阻害剤の利用 本阻害剤は、外用剤として、また経口剤として、いずれ
の形態でも使用可能であり、例えば、(イ)化粧品、
(ロ)飲食品、(ハ)医薬品などに添加することができ
る。
【0015】(イ)化粧品 化粧品としては、化粧用クリーム、乳液、化粧水、美容
エッセンス、パック剤、パウダー、リップクリーム、口
紅、アンダーメイクアップ、ファンデーション、サンケ
ア、浴用剤、ボディシャンプー、ボディローション、石
けん、クレンジングフォーム、軟膏、ゼリー剤、エアゾ
ール剤等の製品形態で用いることができる。化粧品に
は、本阻害剤の他に、油分、界面活性剤、アルコール、
保湿剤、抗酸化剤、美白剤、紫外線吸収剤、防菌防かび
剤、顔料、色素、香料などを適宜添加することができ
る。
【0016】(ロ)飲食品 飲食品としては、菓子類(ガム、キャンディー、キャラ
メル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グ
ミ、定菓等)、小麦加工食品類(そば、うどん、ラーメ
ン等の麺類、パン、ホットケーキ、天ぷら等)、乳製品
(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、飲料(ジ
ュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料
等)、その他の加工食品等の製品形態で用いることがで
きる。飲食品には、劣化防止剤、甘味料、香料、着色
料、乳化剤、酸化防止剤、増量剤等の添加剤を適宜配合
することができる。
【0017】(ハ)医薬品 本阻害剤は、常用の医薬用担体を用いて医薬品とするこ
とができる。例えば、経口用固形剤を得る場合は、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、増沢剤、矯味剤等を加え、常法に
よって錠剤、顆粒剤、カプセル剤とする。また、適宜の
安定剤、その他常用の助剤を加え、常法により注射剤な
どの非経口用製剤とすることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。な
お、特に断らない限り、「%」は重量%を意味する。
【0019】<ヒアルロニダーゼ阻害活性の測定>実施
例及び比較例の有機溶剤抽出物のヒアルロニダーゼ阻害
活性の測定は、以下の方法で測定した。エッペンチュー
ブに1mg/mlヒアルロニダーゼ(牛睾丸由来typeIV
−S750〜1,500units/mg、シグマ社製)酢酸緩衝液
(0.1M、pH4.0)溶液100μl、実施例及び比較例の
抽出物を、適宜DMSOで希釈して濃度調整したDMS
O溶液100μlを混合し、37℃で20分間プレイン
キュベートした後、0.1mg/mlCompound 48/
80(和光純薬工業社製)酢酸緩衝液溶液100μlを
添加する。更に37℃で20分間インキュベートした
後、0.8mg/mlヒアルロン酸カリウム(鶏冠由
来、和光純薬工業社製)酢酸緩衝液溶液200μlを添
加し反応を開始した。37℃で40分間反応させた後、
0.4N水酸化ナトリウム溶液100μlを添加して反
応を停止させ、氷冷した。0.8Mホウ酸カリウム溶液
(pH9.0)100μl加え、沸騰水中で3分間加熱後、
室温まで冷却し、反応液140μlと、p−ジメチルア
ミノベンズアルデヒド(和光純薬工業社製)10gを1
0N塩酸12.5ml、酢酸87.5mlに溶解し、次
いで酢酸で10倍に希釈して得た1%p−ジメチルアミ
ノベンズアルデヒド溶液600μlを混合した。37℃
で30分間反応させ、585nmにおける吸光度を測定
した。阻害活性は、阻害剤を添加しない時の酵素活性を
50%阻害するのに必要な酵素反応液中の阻害剤濃度
(IC50)で表した。即ち、その数値が低い方が阻害
活性は強いといえる。
【0020】
【実施例1】大豆からn−ヘキサンで抽出した粗原油の
脱ガム工程で得られた油滓を、ロータリーエバポレータ
ーを用いて水分を0.2%まで乾燥して、目的の大豆抽
出物を得た。
【0021】
【実施例2】菜種からn−ヘキサンで抽出した粗原油の
脱ガム工程で得られた油滓を、ロータリーエバポレータ
ーを用いて水分を0.2%まで乾燥して、目的の菜種抽
出物を得た。
【0022】
【実施例3】実施例1で得られた大豆抽出物100gに
対して、アセトン500gを加え攪拌分散させた。次い
で、遠心分離によって分散物を回収し、真空乾燥に供し
て、目的の大豆抽出物のアセトン抽出残渣71gを得
た。
【0023】
【実施例4】実施例1の大豆の代わりに小麦胚芽を用い
て、実施例1と同様の方法により得られた小麦胚芽抽出
物100gに対し、実施例3と同様の処理を行い、小麦
胚芽抽出物からアセトン抽出残渣75gを得た。
【0024】
【実施例5】実施例1で得られた抽出物200g、及び
水(抽出物に対して、トリアシルグリセロールリパーゼ
(名糖産業(株)製)5000U/gを含む)200gを
混合乳化した後、35℃にて72時間、ケン化した。次
いで、95%エタノール400gを混合した後、遠心分
離して、得られた油層と水層からなる層から、油層の油
分を分離し、不溶物を除去し、エタノール抽出物を回収
した。次に、回収したエタノール抽出物は、減圧加熱し
て、エタノールと水を除去した後、遠心分離して、不溶
物を除去し、油分を回収した。回収した油分を、分子蒸
留(180〜200℃、0.2mmHg以下)に供して、
蒸留残渣10gを得た。次いで、得られた蒸留残渣に、
95%エタノール50gを加えて攪拌分散させ、遠心分
離によってエタノール抽出物を回収した。抽出物はロー
タリーエバポレーターで乾燥して、目的の不ケン化性の
大豆抽出物4gを得た。
【0025】
【実施例6】実施例5の分子蒸留の蒸留残渣に対して、
エタノール抽出の代わりに、以下の、アセトン処理によ
る分離を行った。得られた蒸留残渣10gに、アセトン
100gを加えて攪拌分散させた後、遠心分離して、ア
セトン抽出物を除去し、アセトン抽出残渣を回収した。
回収した残渣は真空乾燥に供して、目的の大豆抽出物の
不ケン化性のアセトン抽出残渣3gを得た。
【0026】
【比較例1】大豆粉100gに対して、0.2%(v/
v)のリン酸溶液1Lを添加して攪拌した後、pHを4.
7に調整し、50℃で60分間抽出した。次いで、遠心
分離により、抽出液を回収した。得られた抽出物はロー
タリーエバポレーターで乾燥して、大豆水抽出物3gを
得た。上記の実施例及び比較例の活性を、上記のヒアル
ロニダーゼ阻害活性の測定法で測定した。測定結果を、
表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、以下のことが分かる。 (1)穀類の水抽出物には、ヒアルロニダーゼ阻害活性
が殆どなく(比較例1)、ヒアルロニダーゼ阻害活性成
分は、穀類の有機溶剤抽出物に存在していること。 (2)実施例1の大豆抽出物と実施例3の該抽出物をア
セトン処理して得られるアセトン抽出残渣の活性を比較
すると、活性は、実施例3の方が高く、また、実施例5
のケン化処理して得た大豆抽出物と実施例6の該抽出物
をアセトン処理したアセトン抽出残渣の活性を比較する
と、活性は、実施例6の方が高く、何れも、アセトンに
抽出されない残渣の方が活性が高いので、穀類由来の有
機溶剤抽出物中にはアセトン不溶性成分が存在し、該成
分に、ヒアルロニダーゼ阻害活性があること。 (3)実施例1の大豆抽出物と該抽出物をケン化処理し
て得た不ケン化性成分からなる抽出物の実施例5の活性
を比較すると、活性は実施例5の方が高いので、穀類由
来の活性成分を含有する有機溶剤抽出物を、ケン化処理
して、ケン化性成分を除去すると、ヒアルロニダーゼ阻
害活性が高くなることになるが、これは、穀類由来の有
機溶剤抽出物中のケン化成分には、活性がないことを示
していること。 (4)実施例6の結果から、穀類由来の有機溶剤抽出物
中の、アセトン不溶性成分であって、不ケン化性のもの
には、非常に高いヒアルロニダーゼ阻害活性があるこ
と。 (5)以上のことから、穀類由来の有機溶剤抽出物中に
は、アセトン不溶性成分が存在し、該成分にはヒアルロ
ニダーゼ阻害活性があること、また、該成分が、不ケン
化性であれば、更に高い活性を有すること。
【0029】
【実施例7】化粧品の製造 実施例5の大豆抽出物を用い、以下の配合(単位:重量
%)で、常法によりクリームを製造した。 セトステアリルアルコール 4.0 スクワラン 40.0 流動パラフィン 5.0 ミツロウ 3.0 還元ラノリン 5.0 大豆抽出物 0.2 エチルパラベン 0.3 モノステアリン酸グリセリド 2.0 グリセリン 5.0 精製水 35.5
【0030】得られたクリームを乾燥肌、張りがない、
皺が気になる等、肌トラブルに悩む20〜40歳代の女
性20名をパネラーとし、顔、腕、足に、朝夕2回、三
ヶ月間塗布した。その結果、潤い、肌の張り、皺の改
善、かゆみの改善等、良好な結果が得られた。
【0031】
【実施例8】 ソフトカプセルの製造 実施例5の大豆抽出物を用い、以下の配合(単位:重量
%)で、常法によりソフトカプセルを製造した。 植物油 99.0 大豆抽出物 1.0
【0032】
【実施例9】ドリンクの製造 実施例5の大豆抽出物を用い、以下の配合(単位:重量
%)で、ドリンクを製造した。 オレンジ果汁 5.0 果糖ぶどう糖液糖 11.0 クエン酸 0.2 L−アスコルビン酸 0.02 香料 0.2 大豆抽出物 0.1 水 83.48
【0033】
【発明の効果】(1)本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤
は、高い活性を有しているので、皮膚老化防止剤として
非常に優れている。
【0034】(2)ヒアルロニダーゼ阻害活性を有する
ものは、通常、抗炎症作用や抗アレルギー作用もあるの
で、本ヒアルロニダーゼ阻害剤は、抗炎症剤や抗アレル
ギー剤としての利用が期待できる。
【0035】(3)本発明は、有効成分の抽出物が、植
物油製造の副産物から安価に効率的に得られる点におい
ても、優れている。
【0036】(4)本発明の有効成分の抽出物は、食用
原料由来のものであるので、安全性の面においても問題
がなく、本発明のものは、外用剤としても、経口剤とし
ても、使用可能である点において有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/52 A61K 7/00 K A61K 7/00 N A61P 17/16 A61P 17/16 29/00 29/00 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 A23L 2/00 F (72)発明者 富田 哲司 茨城県つくば市桜1丁目16番 昭和産業株 式会社総合研究所バイオ研究センター内 Fターム(参考) 4B017 LC03 LG08 LG09 LG10 LP01 LP06 4B018 MD49 ME07 ME10 ME14 MF10 MF12 4C083 AA082 AA112 AC022 AC072 AC122 AC422 AC482 AD512 BB51 CC01 CC02 CC05 DD31 EE03 EE06 EE07 EE10 EE12 EE13 4C088 AB15 AB61 AB73 AB74 AB78 AC04 CA25 MA63 NA10 NA14 ZA89 ZB11 ZB13 ZC20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀類由来の有機溶剤抽出物のアセトン不
    溶性成分を有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 穀類が、豆類、米類、麦類、トウモロコ
    シ又は菜種類である請求項1記載のヒアルロニダーゼ阻
    害剤。
  3. 【請求項3】 アセトン不溶性成分が、不ケン化性のも
    のである請求項1又は2記載のヒアルロニダーゼ阻害
    剤。
  4. 【請求項4】 アセトン不溶性成分が、穀類由来の有機
    溶剤抽出物のケン化処理物から分取したものである請求
    項1、2又は3記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  5. 【請求項5】 アセトン不溶性成分が、穀類由来の有機
    溶剤抽出物のケン化処理物からアセトン抽出残渣を分取
    したものである請求項1、2、3又は4記載のヒアルロ
    ニダーゼ阻害剤。
  6. 【請求項6】 ケン化処理物が、酵素処理に基づくもの
    である請求項4又は5記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  7. 【請求項7】 酵素処理が、リパーゼ分解である請求項
    6記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  8. 【請求項8】 穀類由来の有機溶剤抽出物が、食用油製
    造時に発生する油滓である請求項1、2、3、4、5、
    6又は7記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  9. 【請求項9】 皮膚老化防止作用、抗炎症作用又は抗ア
    レルギー作用を有する請求項1、2、3、4、5、6、
    7又は8記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8又は9記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する化粧
    品、飲食品又は医薬品。
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