JP2003251913A - インクジェット記録材料 - Google Patents

インクジェット記録材料

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JP2003251913A
JP2003251913A JP2002052651A JP2002052651A JP2003251913A JP 2003251913 A JP2003251913 A JP 2003251913A JP 2002052651 A JP2002052651 A JP 2002052651A JP 2002052651 A JP2002052651 A JP 2002052651A JP 2003251913 A JP2003251913 A JP 2003251913A
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Japan
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polymer particles
ink
inkjet recording
ink jet
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JP2002052651A
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English (en)
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Naomasa Koike
直正 小池
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フォトライクの高光沢、高インク吸収性のイン
クジェット記録材料において、印字画像の耐光性、イン
ク吸収性および印字画像の鮮明性に優れた記録材料を提
供。 【解決手段】耐水性支持体上に無機微粒子と親水性バイ
ンダーを含有する多孔質のインク受容層を有するインク
ジェット記録材料において、前記インク受容層の上に紫
外線吸収成分を含有する高分子粒子からなる保護層を塗
設することを特徴とするインクジェット記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録材料に関し、更に詳しくは、フォトライクな高い光沢
を有し、インク吸収性やインク色彩性に優れ、かつ印字
後の耐光保存性が改良されたインクジェット記録材料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に非晶質シリカやアルミナ等の顔料をポ
リビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔
質のインク吸収層を設けてなる記録材料が知られてい
る。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】一方、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11ー34481号公報等には、
気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと
称す)を用いることが開示されている。一次粒子の平均
粒径が30nm以下の超微粒子、特に気相法シリカは、
インク吸収性が良好で高い光沢の記録材料が得られると
いう特徴がある。近年、フォトライクの記録シートが要
望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリ
オレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポ
リオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステ
ルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカを主体と
するインク受容層が塗設された記録材料が提案されてい
る。
【0005】従来から一般的に用いられてきた紙支持体
は、それ自体がインク吸収層としての役割を有していた
が、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持
体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができな
いため、支持体上に設けられたインク受容層のインク吸
収性が重要であり、インク受容層の空隙率を高める必要
がある。従って、気相法シリカ等の無機微粒子の塗布量
を多くし、更に、無機微粒子に対するバインダーの比率
を低減する必要があった。
【0006】しかしながら無機の超微粒子を用いた高空
隙率の記録層を有するインクジェット記録材料は、イン
ク吸収性は非常に優れているが、耐水性に劣っていた
り、印字後の保管中に印字画像が変色しやすいという問
題を有している。特に印字画像が太陽光や室内光に暴露
された場合の退色が生じやすいという問題が十分には解
決できていない。
【0007】印字画像の耐光性を改良する手段として紫
外線吸収剤をインク受容層の中あるいは上層に設けると
いう技術が多数提案されている。例えば特開昭57−0
87988、特開昭57−074193号公報、特開昭
62−261476号公報、特開平07−108755
号公報にはインク輸送層およびインク保持層に紫外線吸
収剤の少なくとも1層を含有する事が開示されている。
また特開平08−169172号公報、特開平08−1
74988号公報、特開平08−174990号公報、
には4級アンモニウム塩基を結合した重合性ビニル化合
物と紫外線吸収能を有する構造単位を有した重合性ビニ
ル化合物との共重合体を、支持体である原紙あるいはイ
ンク保持層に含有させる事が開示されている。しかしな
がら上記の手法では耐光性改良程度が不十分であり、印
字した場合のインク吸収性を阻害したり、紫外線吸収成
分により印字画像の鮮明性が低下するものであった。ま
た特開平08−183242号公報には4級アンモニウ
ム塩基を結合した重合性ビニル化合物と紫外線吸収能を
有する構造単位を有した重合性ビニル化合物との共重合
体をインク受像層の上層に無機成分の多孔質コロイド粒
子と共に設ける事が記載されているが、この場合、共重
合体が水溶性ポリマーであることからインク吸収性を阻
害し、この欠点を補う為に多孔質コロイド粒子の含有量
を増やすと耐光性が低下するものであった。
【0008】また特開2000−119569号公報で
は紫外線吸収剤を含有した高分子粒子をインクジェット
用インクに添加し耐光性を向上させる事が開示されてい
る。しかしながらインクを印字した後で油溶性染料と高
分子粒子が分離しやすく、インクに含まれる高分子粒子
量では耐光性向上が不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、フォトライクな高い光沢を有し、インク吸収性やイ
ンク色彩性に優れ、かつ印字後の耐光保存性が改良され
たインクジェット記録材料を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、耐
水性支持体上に無機微粒子と親水性バインダーを含有す
る多孔質のインク受容層を有するインクジェット記録材
料において、紫外線吸収成分を含有する高分子粒子を有
することにより達成でき、好ましくは、前記インク受容
層の上層に紫外線吸収成分を含有する高分子粒子からな
る保護層を塗設する事により達成される。特に前記高分
子粒子の平均粒子径を500nm以下に、より好ましく
は300nm以下する事により、また、保護層の塗層厚
み0.5μmから5.0μmにする事により良好なイン
クジェット記録材料を得ることができる。更に前記高分
子粒子をビニル系単量体およびジエン系単量体より選ば
れる少なくとも1種の単量体と、重合性官能基を有する
紫外線吸収剤とを重合させたものにする事によって、好
ましくは重合性官能基を有する紫外線吸収剤に2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾールを使用する事により
更に良好なインクジェット記録材料を得ることができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるインクジェット記録材料のインク受
容層には、好ましくはシリカ、アルミナもしくはアルミ
ナ水和物の微粒子が用いられ、特に気相法シリカ超微粒
子によって皮膜中に形成された空隙にインクを吸収させ
るものである。高いインク吸収性を発現させるためには
空隙容量を高める必要があり、このため支持体上には比
較的多量の無機微粒子を塗布する必要があり、また、親
水性バインダー量は空隙率を高めるために減量すること
が好ましい。
【0012】本発明に好ましく用いられる無機超微粒子
は、インク受容層に8g/m2以上含有するのが好まし
く、10〜30g/m2の範囲で用いるのがより好まし
い。この範囲より少ないと、インク吸収性が劣る。親水
性バインダー量は、無機微粒子に対して5〜40質量%
(すなわち親水性バインダーに対する無機微粒子の質量
比(PB比)が20〜2.5)、好ましくは10〜35
質量%(すなわちPB比が10〜約2.9)であること
が好ましい。
【0013】本発明において、無機微粒子はインク受容
層中に主たる割合、すなわちインク受容層の全固形分に
対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、よ
り好ましくは65質量%以上含有することが好ましい。
【0014】気相法シリカは、湿式法に対して乾式法と
も呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られ
る。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼
して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素
の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン
等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状
態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロ
ジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQ
Sタイプとして市販されており入手することができる。
【0015】本発明に用いられる無機超微粒子とくに気
相法シリカ、アルミナもしくはアルミナ水和物の一次粒
子の平均粒径は30nm以下が好ましい。とくに好まし
くは一次粒子の平均粒径が3〜20nmでかつBET法
による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250
〜500m2/g)のものを用いることである。本発明で
云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定
法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表
面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体
としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気
体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く
用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著
名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってB
ET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BE
T式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占
める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0016】本発明において、無機超微粒子とともに用
いられる親水性バインダーとしては、公知の各種バイン
ダーを用いることができるが、透明性が高くインクのよ
り高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用
いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水
性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を
塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較
的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく
用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全また
は部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変
性ポリビニルアルコールである。
【0017】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度200〜5000のものが
好ましい。
【0018】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号公報に記載
されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモ
ニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中
に有するポリビニルアルコールである。
【0019】本発明においては、上記親水性バインダー
と共にそのバインダーの架橋剤(硬膜剤)を用いること
が特に好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルム
アルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化
合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン
化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキ
シ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特
許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲン
を有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,6
35,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化
合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−
メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記
載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,2
80号、同2,983,611号記載の如きアジリジン
化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如き
カルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,5
37号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如き
ハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキ
サンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジル
コニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機架橋剤等があ
り、これらを1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。これらの中でも、特にほう酸またはほう酸
塩が好ましい。
【0020】上記架橋剤の使用量は、親水性バインダー
の種類、架橋剤の種類、無機微粒子の種類やPB比など
により変化するが、概ね親水性バインダー1g当たり5
〜600mg、好ましくは10〜500mgの範囲であ
る。
【0021】本発明に用いられるインクジェット記録材
料のインク受容層には、無機微粒子と組み合わせて、カ
チオン性化合物を含有することが好ましい。カチオン性
化合物としては、例えばカチオン性ポリマーや水溶性金
属化合物が挙げられる。カチオン性ポリマーとしては、
ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリル
アミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−2069
6号公報、同59−33176号公報、同59−331
77号公報、同59−155088号公報、同60−1
1389号公報、同60−49990号公報、同60−
83882号公報、同60−109894号公報、同6
2−198493号公報、同63−49478号公報、
同63−115780号公報、同63−280681号
公報、特開平1−40371号公報、同6−23426
8号公報、同7−125411号公報、同10−193
776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級ア
ンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられ
る。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000
以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好まし
い。これらのカチオン性ポリマーの使用量は無機超微粒
子に対して0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質
量%である。
【0022】水溶性金属化合物の例としては、好ましく
は多価金属塩であるカルシウム、バリウム、マンガン、
銅、ニッケル、アルミニウム等の金属塩があげられる
が、特に水溶性アルミニウム化合物が好ましい。水溶性
アルミニウム化合物は、例えば無機塩としては塩化アル
ミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはそ
の水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。
さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーであ
る塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、
塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
【0023】前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例
えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+
[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等
のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含ん
でいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0024】 [Al2(OH)nCl6-nm 式1 [Al(OH)3nAlCl3 式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 式3
【0025】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0026】本発明において、上記水溶性の金属化合物
のインク受容層中の含有量は、無機微粒子に対して0.
1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量
%である。
【0027】インク受容層の膜面pHは3〜6が好まし
く、この膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方法
N0.49に記載の方法に従って、蒸留水を用い、30
秒後に測定した表面pHである。
【0028】インク受容層には、更に皮膜の脆弱性を改
良するために各種油滴を含有することができる。そのよ
うな油滴としては室温における水に対する溶解性が0.
01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動
パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホス
フェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、
スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブ
チルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート
等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有
させることができる。そのような油滴は好ましくは親水
性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いる
ことができる。
【0029】本発明において、インク受容層に界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用することもできる。界面活性剤の添加量
はインク受容層を構成するバインダー100gに対して
0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01
〜3gである。
【0030】本発明において、インク受容層には更に、
着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、酸化防止
剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍
光増白剤、粘度安定剤などの公知の各種添加剤を添加す
ることもできる。
【0031】本発明で使用する紫外線吸収成分を含有す
る高分子粒子は、ビニル系単量体あるいはジエン系単量
体より選ばれる少なくとも1種以上の単量体を乳化剤の
存在下で重合させる際に重合性官能基を有さない紫外線
吸収剤を、前記単量体に溶解させながら重合させること
により高分子粒子を得る方法と、ビニル系単量体あるい
はジエン系単量体より選ばれる少なくとも1種以上の単
量体と重合性官能基を有する紫外線吸収剤とを乳化剤の
存在下で共重合して高分子粒子を得る方法がある。
【0032】本発明のビニル系単量体としては公知のも
のが使用でき、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸及びメタク
リル酸のメチル、エチル、プロピル、2−エチルヘキシ
ル、ヒドロキシエチルエステル、スチレン、アクリルア
ミド、メタクリルアミド等が使用できる。本発明のジエ
ン系単量体としては公知なものが使用でき、例えばブタ
ジエン、イソプレン等があげられる。
【0033】本発明に用いられる重合性官能基を有さな
い紫外線吸収剤としては公知なものが使用でき、例えば
サリチル酸系では、(フェニルサリシレート、p−te
rt−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェ
ニルサリシレート等)、ベンゾフェノン系では(2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオ
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ジヒドロキシ−
4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等)、またベ
ンゾトリアゾール系では{2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ジ・tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,
6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチ
ルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビ
ス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル〕等}、シアノアクリレート系(2−エチルヘキシル
−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エ
チル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート
等)等があげられる。
【0034】また重合性官能基を有する紫外線吸収剤と
しては、例えばベンゾトリアゾール系では2−(2′−
ヒドロキシ−5′−(メタ)アクリロイルオキシエチル
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−5′−(メタ)アクリロイルオキシエチル
フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−5′−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルフェニル)−5−クロロ−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t
ert−ブチル−5′−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−ク
ロロ−2H−ベンゾトリアゾールなどがあげられる。ま
たベンゾフェノン系では2−ヒドロキシ−4−{2−
(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイル
オキシ}ブトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロ
キシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メ
タ)アクリロイルオキシ}エトキシ−4′−(2−ヒド
ロキシエトキシ)ベンゾフェノン等が使用できる。
【0035】これらの中でも、ベンゾトリアゾール系が
好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタク
リロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
が好ましい。重合性官能基を有する紫外線吸収剤を使用
した高分子粒子は、重合性官能基を有さない紫外線吸収
剤を使用した高分子粒子と比較して紫外線吸収剤がプリ
ードアウトしにくい事から高分子粒子内により多くの紫
外線吸収剤を含有させ、より良好な耐光性を得る事がで
きる。
【0036】本発明の紫外線吸収成分を含有する高分子
粒子は、公知の乳化重合法によって調製できる。例えば
窒素気流下、水等の溶媒中にビニル系単量体あるいはジ
エン系単量体、更に紫外線吸収剤、乳化剤を攪拌しなが
ら添加する。攪拌を進め、所定の粒径のエマルジョンに
調製した後に重合開始剤を添加し、反応温度を高め、重
合を促進することにより紫外線吸収成分を含有する高分
子粒子を得る事ができる。高分子粒子の平均粒径は攪拌
条件により乳化粒径をコントロールすることにより所定
の平均粒径を得る事ができる。
【0037】紫外線吸収成分を含有する高分子粒子の平
均粒径は、任意の粒径のものが使用できるが、粒径が大
きい場合にはインクジェット印字画像の鮮明性が阻害さ
れる事がある。これは高分子粒子の平均粒径が大きくな
る事により光散乱しやすくなることに起因すると考えら
れ、好ましくは平均粒径を500nm以下、更に好まし
くは300nm以下にする事が好ましい。また高分子粒
子の平均粒径を50nm以下にすると乳化安定性が低下
したり、インク吸収性が低下する事がある。
【0038】また紫外線吸収成分を含有する高分子粒子
からなる保護層は塗層厚みを0.5μmから5.0μm
の範囲で設定する事が好ましい。耐光性の観点からは前
記高分子粒子からなる保護層を厚く設ける事が望ましい
が、インク吸収性や印字画像の鮮明性が低下する傾向に
ある。また保護層の厚みが0.5μmよりも薄い場合に
は耐光性の改善効果が十分なものでは無くなる傾向であ
る。
【0039】紫外線吸収剤の使用量は、重合性官能基を
有さない紫外線吸収剤を使用する場合、重合を阻害せず
に単量体に溶解できる量であることが必要であり、単量
体100質量部に対して1質量部から30質量部程度が
好ましい。また重合性官能基を有する紫外線吸収剤を使
用する場合もビニル系単量体あるいはジエン系単量体と
の相溶性が良好な範囲で使用量を決定する事が好まし
く、単量体100質量部に対して1質量部から50質量
部、好ましくは5質量部から30質量部の範囲で調製す
る。
【0040】本発明の保護層は、前記高分子粒子の他に
バインダーやバインダーの架橋剤が添加される。バイン
ダーとしては、ポリビニルアルコール類の他にラテック
ス類を使用する事もできる。また必要に応じて無機顔
料、有機顔料、蛍光増白剤等を添加する事もできる。バ
インダーは前記高分子粒子の固形分100質量部に対し
て5〜30質量部、好ましくは10〜30質量部が保護
層に使用される。架橋剤はバインダー100質量部に対
して0.5〜60質量部好ましくは1〜50質量部使用
される。
【0041】本発明に用いられる耐水性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹
脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイ
ミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂
フィルム、及び紙の両面もしくは片面にポリオレフィン
樹脂をラミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。本発明
に用いられる耐水性支持体の厚みは、約50〜300μ
m程度が好ましい。
【0042】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。さらに、表面サイズ剤、
表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー
剤等が表面塗布されていてもよい。
【0043】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0044】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0045】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0046】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0047】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0048】本発明において、インク受容層の塗布方法
は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることがで
きる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0049】
【実施例】以下、本発明を代表的な、合成例、実施例に
より詳しく説明する。なお、部とは固形分質量部を意味
する。 合成例1(高分子粒子1〜4の調製) 温度計、攪拌機を備えたフラスコにイオン交換水100
0gを入れ、窒素気流下で攪拌した。ついで2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H
−ベンゾトリアゾール200g、メタクリル酸メチル6
00gの混合液に乳化剤を50g添加し2時間攪拌を加
え乳化を進めた。このフラスコに10%過硫酸アンモニ
ウム水溶液50gを混合し、反応温度を80℃に昇温し
更に2時間攪拌を続けた。この反応物を室温まで冷却し
た後アンモニア水を加えpH7、固形分40%、平均粒
径200nmの高分子粒子1を調製した。また攪拌条件
を調整して平均粒子径100nmの高分子粒子(高分子
粒子2)、平均粒径400nmの高分子粒子(高分子粒
子3)、平均粒径600nmの高分子粒子(高分子粒子
4)を調整した。
【0050】合成例2(高分子粒子5の調製) 温度計、攪拌機を備えたフラスコにイオン交換水100
0gを入れ、窒素気流下で攪拌した。ついで2−ヒドロ
キシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキ
シベンゾフェノン200g、メタクリル酸メチル600
gの混合液に乳化剤を50g添加し2時間攪拌を加え乳
化を進めた。このフラスコに10%過硫酸アンモニウム
水溶液50gを混合し、反応温度を80℃に昇温し更に
2時間攪拌を続けた。この反応物を室温まで冷却した後
アンモニア水を加えpH7、固形分40%、平均粒径2
00nmの高分子粒子乳化液を調製した。
【0051】合成例3(高分子粒子6の調製) 温度計、攪拌機を備えたフラスコにイオン交換水100
0gを入れ、窒素気流下で攪拌した。ついで2−(2’
−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール100g、メタクリル酸メチル600g
の混合液に乳化剤を50g添加し2時間攪拌を加え乳化
を進めた。このフラスコに10%過硫酸アンモニウム水
溶液30gを混合し、反応温度を80℃に昇温し更に2
時間攪拌を続けた。この反応物を室温まで冷却した後ア
ンモニア水を加えpH7、固形分40%、平均粒径20
0nmの高分子粒子を調製した。
【0052】実施例1 広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルフ
ァイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディア
ン スタンダード フリーネスで300mlになるまで
叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤と
してアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、
強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量
%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミ
ドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加
し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを
長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾
燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄
造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリ
エチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のア
ナターゼ型酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹
脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35
μmになるように押出コーティングし、微粗面加工され
たクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の
面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン
樹脂70質量部と密度0.918g/m 2の低密度ポリエ
チレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に3
20℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーテ
ィングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押
出被覆した。
【0053】上記ポリオレフィン樹脂被覆紙表面に高周
波コロナ放電処理を施した後、下引き層をゼラチンが5
0mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成し
た。
【0054】気相法シリカとシャロールDC902P
(カチオン性ポリマー)を含む水溶液を高圧ホモジナイ
ザーで分散し、ポリビニルアルコール等を加えて下記組
成となるようなインク受容層塗液を調整した。 <インク受容層塗液の調整> 気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)100部 ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重縮合物 3部 (第一工業製薬(株)製、商品名シャロールDC902P) ポリビニルアルコール 25部 (商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500) 塩基性ポリ水酸化アルミニウム(理研ク゛リーン株製のヒ゜ュラケムWT) 3部 ほう酸 4部 両性界面活性剤 0.3部 (商品名:SWAM AM-2150、日本サーファクタント製)
【0055】次に合成例1で調製した高分子粒子1の乳
化液にポリビニルアルコール等を加えて下記組成となる
ような保護層を調製した。
【0056】 <保護層塗液の調製> 高分子粒子1 100部 ポリビニルアルコール 25部 (商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500) ほう酸 4部
【0057】支持体上にエクストルージョン方式を使用
し、インク受容層の固形分で25g/m2、保護層の固形
分が0.9g/m2となる様に塗抹、乾燥してインクジェ
ット記録材料を作成した。この材料の保護層の厚みを電
子顕微鏡を使用して測定したところ1.0μmであっ
た。
【0058】実施例2 実施例1の保護層の高分子粒子1を高分子粒子2に置き
換えた以外は実施例1と同様にインクジェット記録材料
を作成した。
【0059】実施例3 実施例1の保護層の高分子粒子1を高分子粒子3に置き
換えた以外は実施例1と同様にインクジェット記録材料
を作成した。
【0060】実施例4 実施例1の保護層の高分子粒子1を高分子粒子5に置き
換えた以外は実施例1と同様にインクジェット記録材料
を作成した。
【0061】実施例5 実施例1の保護層の高分子粒子1を高分子粒子6に置き
換えた以外は実施例1と同様にインクジェット記録材料
を作成した。
【0062】実施例6 実施例1の保護層の塗層厚みを3μmになる様に塗布量
を変えて塗抹する以外は実施例1と同様にインクジェッ
ト記録材料を作成した。
【0063】実施例7 実施例1の保護層の高分子粒子1を高分子粒子4に置き
換えた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録
材料を作成した。
【0064】実施例8 実施例1の保護層の塗抹厚みを6μmとなる様に塗布量
を変えて塗抹する以外は実施例1と同様にしてインクジ
ェット記録材料を作成した。
【0065】実施例9 実施例1の保護層の塗層厚みを0.4μmとなる様に塗
布量を変えて塗抹する以外は実施例1と同様にしてイン
クジェット記録材料を作成した。
【0066】比較例1 実施例1の保護層を設けない以外は実施例1と同様にし
てインクジェット記録材料を作成した。
【0067】比較例2 実施例1の保護層組成を下記の様にする以外は実施例1
と同様にしてインクジェット記録材料を作成した。 2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ ール(湿式粉砕で平均粒径0.8μmに分散したもの) 100部 ポリビニルアルコール 25部 (商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500) ほう酸 4部
【0068】得られた各々のインクジェット記録シート
について、下記の通り評価した。
【0069】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製PM−800C)を用いて、
C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPP
C用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写
したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価
した。 ○:全く転写しない。 △:少し転写する。 ×:かなり転写する。
【0070】<印字画像の鮮明性>インクジェットプリ
ンター(セイコーエプソン社製PM−800C)を用い
て、黒画像を100%で印字し、その印字部の発色濃度
を測定した。
【0071】<耐光性>インクジェットプリンター(セ
イコーエプソン社製PM−770C)を用いてCYMK
のインクでそれぞれベタ印字を行い、アトラス社製サン
テストCPS光退色試験機にて600W/m2で30時間
照射した後、印字部の濃度を測定し、画像残存率(照射
後濃度/照射前の濃度)を求め、CMYK画像の内、最
も残存率が低いものを表示した。
【0072】結果を表1に示す。
【0073】
【表1】 ───────────────────────────────── 記録材料 高分子粒子 保護層 インク吸収性 印字画像 耐光性 平均粒径 厚み の鮮明性 (%) (nm) (μm) (発色濃度) ───────────────────────────────── 実施例1 200 1.0 ○ 1.50 91 実施例2 100 1.0 ○ 1.54 92 実施例3 400 1.0 ○ 1.37 94 実施例4 200 1.0 ○ 1.51 87 実施例5 200 1.0 ○ 1.48 85 実施例6 200 3.0 ○△ 1.46 94 実施例7 600 1.0 ○ 1.30 89 実施例8 200 6.0 △ 1.46 96 実施例9 200 0.4 ○ 1.52 85 比較例1 − 1.0 ○ 1.52 72 比較例2 − 1.0 ○ 1.22 75 ─────────────────────────────────
【0074】上記結果から明らかなように、本発明の紫
外線吸収成分を含有する高分子粒子からなる保護層を設
けることにより耐光性試験における画像残存性が向上す
る。また保護層の厚みに関しては厚い場合には耐光性は
更に良化するもののインク吸収性が低下傾向にあり、薄
い場合には耐光性の効果が低下してしまうことから0.
5μmから5.0μmの範囲にする事が好ましい事が分
かる。また高分子粒子の平均粒径では大粒径の場合に発
色濃度が低下する傾向があることから好ましくは500
nm以下に、更に好ましくは300nm以下にすること
が好ましい。高分子粒子中の組成に関しては重合性官能
基を有する紫外線吸収剤を使用する事により、更に良好
な耐光性を示しており、特にベンゾトリアゾール系であ
る2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを使用するこ
とにより最も良い耐光性を示した。
【0075】
【発明の効果】上記結果から明らかなように、本発明の
インクジェット記録材料により、フォトライクな高い光
沢を有し、インク吸収性やインク色彩性に優れ、かつ印
字後の耐光保存性が改良されたインクジェット記録材料
が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に無機微粒子と親水性バ
    インダーを含有する多孔質のインク受容層を有するイン
    クジェット記録材料において、紫外線吸収成分を含有す
    る高分子粒子を有してなることを特徴とするインクジェ
    ット記録材料。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層の上に紫外線吸収成分
    を含有する高分子粒子からなる保護層を塗設する事を特
    徴とする請求項1記載のインクジェット記録材料。
  3. 【請求項3】 前記高分子粒子の平均粒子径が500n
    m以下である請求項1,2記載のインクジェット記録材
    料。
  4. 【請求項4】 前記高分子粒子の平均粒子径が300n
    m以下である請求項1〜3記載のインクジェット記録材
    料。
  5. 【請求項5】 前記保護層の塗層厚みが0.5μmから
    5.0μmである請求項2〜4の何れかの1項に記載の
    インクジェット記録材料。
  6. 【請求項6】 前記高分子粒子がビニル系単量体および
    ジエン系単量体より選ばれる少なくとも1種の単量体
    と、重合性官能基を有する紫外線吸収剤とを重合させて
    得られるものである請求項1〜5の何れかの1項に記載
    のインクジェット記録材料。
  7. 【請求項7】 前記重合性官能基を有する紫外線吸収剤
    が2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチ
    ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである請求項
    6記載のインクジェット記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010221549A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Fujifilm Corp インクジェット記録媒体の製造方法

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