JP2003251198A - セラミックハニカム構造体 - Google Patents

セラミックハニカム構造体

Info

Publication number
JP2003251198A
JP2003251198A JP2002141180A JP2002141180A JP2003251198A JP 2003251198 A JP2003251198 A JP 2003251198A JP 2002141180 A JP2002141180 A JP 2002141180A JP 2002141180 A JP2002141180 A JP 2002141180A JP 2003251198 A JP2003251198 A JP 2003251198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell wall
honeycomb structure
cell
wall thickness
ceramic honeycomb
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002141180A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohisa Suwabe
博久 諏訪部
Shunji Okazaki
俊二 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2002141180A priority Critical patent/JP2003251198A/ja
Publication of JP2003251198A publication Critical patent/JP2003251198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒コンバータや微粒子捕集用フィルタとし
て使用される際に発生する熱衝撃や熱応力により、セル
の対角線方向に発生する破壊を防止する。 【解決手段】 外周壁と、この外周壁の内周側でセル壁
により囲まれた多数のセルを有するセラミックハニカム
構造体において、異なるセル壁でのセル壁厚さが均一で
なく、セル壁厚さの平均値tavとセル壁厚さの最大値
max、最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たすセラミックハニカム構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
排気ガス浄化用触媒の担体として或いはディーゼルエン
ジンの排気ガス中の微粒子を除去するためのフィルタと
して使用するに適したセラミックハニカム構造体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】地域環境や地球環境の保全面から、自動
車などのエンジンから排出される排気ガスに含まれる有
害物質の削減が求められ、これに応えるため排気ガス浄
化用として、触媒コンバータ用担体や微粒子捕集用フィ
ルタにセラミックハニカム構造体が使用されている。こ
のセラミックハニカム構造体のセル構造は、圧力損失を
低減させるに適していること、製造が容易なこと等の理
由により図3に示すようにセル形状を四角形、特に正方
形とし、セル壁厚はハニカム構造体内で均一なものが一
般的である。このため、セル壁に平行な方向には強度が
高いが、セル壁に対して斜めの方向の強度が低いという
問題点をもっていた。従って、従来のハニカム構造体
は、触媒コンバータや微粒子捕集用フィルタとして使用
される際に発生する熱衝撃や熱応力により、セルの対角
線方向に破壊するおそれがあった。例えば、従来のセラ
ミックハニカム構造体における具体的破壊状況の模式図
を図4に示す。このような欠点を解消するため特開昭5
5−147154号公報には、外周付近のセル壁の厚さ
を内部のセル壁より厚くすることによりハニカム構造体
外周側の強度を向上させ、結果として、ハニカム構造体
全体の強度を向上させようとする技術が開示されてい
る。また、特公昭51−20435号公報には、セル壁
の交差部に円弧状或いは直線状などの膨大部を形成させ
る製造法が開示され、従来技術の欠点である、セル壁交
差部の隅角部への応力集中によるクラック発生や、隅角
部付近の排気ガス流動が悪いことに起因する触媒反応効
率の低下の問題を解消できるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においても、触媒コンバータや微粒子捕集用フィ
ルタとして使用される際に発生する熱衝撃や熱応力によ
り、セルの対角線方向に破壊するという問題を解消する
には至っていなかった。例えば、特開昭55−1471
54号公報では、外周付近のセル壁の厚さを厚くして外
周付近の強度を改善しているものの、中心付近では同一
厚さのセル壁により構成されていることから、セル壁交
差部の強度はハニカム構造体中心付近の各所で同等とな
り、熱衝撃や熱応力が発生した際に、セル壁交差部に応
力集中が発生し、隣接するセル壁交差部をクラックが連
鎖的に伝播し、セルの対角線方向に破壊するという問題
があった。また、特公昭51−20435号公報では、
セル壁の交差部に円弧状或いは直線上などの膨大部が形
成されていることから、セル壁交差部の応力集中が低減
されるものの、セル壁交差部の強度はハニカム構造体内
の各所で同等となり、熱衝撃や熱応力が発生した際に、
隣接するセル壁交差部をクラックが連鎖的に伝播し、セ
ルの対角線方向に破壊するという問題があった。
【0004】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たもので、熱衝撃や熱応力が発生しても応力集中の発生
するセル壁交差部をセルの対角線方向にクラックが連鎖
的に進展し破壊するという現象を防止することができる
セラミックハニカム構造体を提供しようとするものであ
る。すなわち耐熱衝撃性に優れたセラミックハニカム構
造体を得ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
外周壁と、この外周壁の内周側でセル壁により囲まれた
多数のセルを有するセラミックハニカム構造体におい
て、前記セルの少なくとも一部のセルでのセル壁厚さが
均一でないことを特徴とするセラミックハニカム構造体
である。また、本発明の第2の発明は、セル壁厚さの平
均値tavとセル壁厚さの最大値tmax、最小値t
minが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たすことを特徴とするセラミックハニカム構
造体である。
【0006】次に、本発明の構成の理由を説明する。本
発明の第1の発明の構成において、セラミックハニカム
構造体内のセル壁のセル壁厚さが均一でない。ここでセ
ル壁厚さが均一でないこととは、軸方向に垂直な断面で
見た際に少なくともセル壁の厚さが異なることを意味す
る。例えばハニカム構造体の同一セルを構成するセル壁
の一部が互いに異なる場合や、隣接するセル間でセル壁
厚さが異なる場合、互いに平行なセル壁の厚さが異なる
場合等々である。従って、隔壁の厚さが均一でないた
め、セル壁交差部を構成するセル壁厚さがセル毎に異な
る。このため、セル壁交差部の強度がセル毎に異なり、
ハニカム構造体内各所で一定とはならないため、同程度
の強度を有するセル壁交差部が連続的に存在しないこと
から、熱応力が発生した際にセル壁交差部を連鎖的にク
ラックが進展し、セルの対角線方向に破壊するという現
象を防止することができ、結果的に優れた耐熱衝撃特性
が得られるのである。さらに、本発明の第2の発明の構
成において、セル壁厚さは、セル壁の平均値tavと、
セル壁厚さの最大値tmax、最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たしている。ここでtav/(tmax−t
min)の値は、セル壁厚の平均値に対するバラツキ度
合いを示したものであり、セル壁厚さのバラツキをt
av/(tmax−tmin)の値で40以下とするこ
とによって、ハニカム構造体内のセル壁厚さが均一にな
らないため、いわゆる同程度の強度を有するセル壁交差
部が連続的に存在しないことから、熱衝撃や熱応力によ
りセル壁交差部を連鎖的にクラックが進展し、セルの対
角線方向に破壊するという現象を防止することができ、
結果的に優れた耐熱衝撃特性が得られるのである。一
方、t /(tmax−tmin)の値が40を超え
ると、ハニカム構造体内のセル壁厚さの違いが小さくな
るため、セル壁交差部の強度が同程度に収束することか
ら、熱衝撃や熱応力によりセル壁交差部を連鎖的にクラ
ックが進展し、セルの対角線方向に破壊し易くなり、耐
熱衝撃特性が低下するためである。tav/(tmax
−tmin)の値は好ましくは1〜40であり、更に好
ましくは2〜30である。ここで、tav/(tmax
−tmin)の値の好ましい範囲を1以上としたのは、
1未満では最小壁厚と最大壁厚の差が大きくなることか
ら、ハニカム構造体の押出成形の際に、公知の押出成形
用口金のスリット部から排出されるセラミックス原料の
杯土の速度のバランスが悪くなり、成形体の曲がり或い
は亀裂が発生することもあり好ましくない。尚、セル壁
の交差部に図2(c)に示すような曲線部を形成するこ
とにより、セル壁交差部の応力集中係数を小さくできる
ことから、セル壁交差部の強度が改善され、クラックが
セルの対角線方向に破壊する現象をより防止することが
できる。また、本発明のセラミックハニカム構造体を構
成するセラミック材料としては、本発明が主に、自動車
エンジンの排気ガス浄化用触媒の担体として或いはディ
ーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去するための
フィルタとして使用されるため、耐熱性に優れた材料を
使用することが好ましく、コージェライト、アルミナ、
ムライト、窒化珪素、炭化珪素及びLASからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種を主結晶とするセラミック材
料を用いることが好ましい。中でも、コージェライトを
主結晶とするセラミックハニカム構造体は、安価で耐熱
性、耐化学性に優れ、また低熱膨張であることから最も
好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に基づき詳
細に説明する。
【実施例1】本発明のセラミックハニカム構造体は、カ
オリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、タルク等のコージェライト化原料粉末を、
コージェライト組成となるよう調合して原料とする。こ
れに、バインダー、潤滑剤等の成形助剤、必要に応じて
造孔剤を所定量添加混合した後、水を添加して混練し、
可塑化可能なバッチを作製し、押出成形によってハニカ
ム成形体を得た。この際、ハニカム構造体の少なくとも
一部のセルのセル壁厚さが不均一となるように、公知の
押出成形用金型の出口側の成形溝幅を調整し、図2に示
すようなセル壁を有する成形体とした。その後、得られ
た成形体に対して1400℃の焼成を行い、図1に示す
コージェライト質セラミックハニカム構造体10を得
た。ハニカム構造体の寸法は外径267mm、長さ30
0mm、セル壁平均厚さ0.3mm、セル数46.5セ
ル/cmであった。またハニカム構造体の気孔率は6
5%、平均細孔径は20μmであった。尚、得られたハ
ニカム構造体のセル壁の厚さは以下の方法で測定した。
図5(a)に示すように、ハニカム構造体のX軸、及び
Y軸の直径14、13を等間隔に分割する5箇所×5箇
所計25箇所のセルについて、セルを囲む4つのセル壁
の厚さ15を測定した。測定は、倍率100倍の投影機
を使用して行い、図5(b)に示すように、セル壁の長
さをほぼ2等分16する中間点でのセル壁厚さ15を測
定し、セル壁厚さとした。このようにして測定した4箇
所/1セル×25箇所、計100箇所のセル壁厚の測定
値から、その平均値tav、最大値tma 及び最小値
minからtav/(tmax−tmin)の値を求
めた。得られたセラミックハニカム構造体に対して、耐
熱衝撃性の評価を行った。耐熱衝撃性の評価試験は、一
定温度に加熱された電気炉中にセラミックハニカム構造
体を挿入して30分間保持し、その後室温に急冷し、目
視観察でクラックが発見された温度差(加熱温度−室
温)を耐熱衝撃温度とした。また、目視による判定でク
ラックが発見されない場合は、25℃温度を上昇させ同
様の試験を行い、クラックが発生するまで繰り返した。
なお、試験数は各3個とし、それらの平均で示した。結
果を表1に示す。表1に示したように、セル壁厚がハニ
カム構造体内で不均一であるtav/(tmax−t
min)の値が40以下の試験NO.1〜5及び試験N
O.8〜9のハニカム構造体は、耐熱衝撃温度が、自動
車エンジンの排気ガス浄化用触媒の担体として、或い
は、ディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去す
るためのフィルタとして使用される際に、問題ないレベ
ルである耐熱衝撃温度700℃以上を示した。このため
実使用時の熱衝撃によってもクラックが発生し、破壊に
至る心配が少ない。一方、tav/(tmax−t
min)の値が40を越えた試験NO.6、7及び9の
ハニカム構造体は、セル壁厚の厚さの違いが小さく、均
一となるため、耐熱衝撃温度が700℃未満となり、実
使用時の熱衝撃によりクラックが発生し、破壊する心配
がある。
【0008】
【表1】
【0009】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明によ
れば、セラミックハニカム構造体内のセル壁のセル壁厚
さが均一でないことから、セル壁交差部の強度がハニカ
ム構造体内各所で一定とはならず、強度の低いセル壁交
差部が連続的に存在しないことから、熱衝撃や熱応力が
発生した際にセル壁交点部を連鎖的にクラックが進展
し、セルの対角線方向に破壊するという現象を防止する
ことができ、耐熱衝撃性に優れたセラミックハニカム構
造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態でのセラミックハニカム構造体を示
した斜視図である。
【図2】(a)本発明のセラミックハニカム構造体のセ
ル壁を示す図である。 (b)本発明の別のセラミックハニカム構造体のセル壁
を示す図である。 (c)本発明の別のセラミックハニカム構造体のセル壁
を示す図である。
【図3】従来のセラミックハニカム構造体のセル壁を示
す図である。
【図4】従来のセラミックハニカム構造体における具体
的破壊状況の模式図である。
【図5】セラミックハニカム構造体のセル壁厚さの測定
個所を示す図である。
【符号の説明】
10:セラミックハニカム構造体 11:セル壁 12:貫通孔 13:Y軸の直径 14:X軸の直径 15:セル壁の厚さ 16:セル壁の長さの二等分長さ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月18日(2002.10.
18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
外周壁と、この外周壁の内周側でセル壁により囲まれた
多数のセルを有するセラミックハニカム構造体におい
て、前記セルのセル壁厚さが、軸方向に垂直な断面全領
域において均一でないことを特徴とするセラミックハニ
カム構造体である。また、本発明の第2の発明は、軸方
向に垂直な断面でのX軸及びY軸の直径を等間隔に分割
する5箇所×5箇所計25箇所のセルについて、セルを
囲む4つのセル壁厚さであって、セル壁厚さの平均値t
avとセル壁厚さの最大値tmax、最小値t
minが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のセラ
ミックハニカム構造体である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】次に、本発明の構成の理由を説明する。本
発明の第1の発明の構成において、セラミックハニカム
構造体内のセル壁のセル壁厚さが均一でない。ここでセ
ル壁厚さが均一でないこととは、軸方向に垂直な断面で
見た際に断面全領域においてセル壁の厚さが異なること
を意味する。例えばハニカム構造体の同一セルを構成す
るセル壁の一部が互いに異なる場合や、隣接するセル間
でセル壁厚さが異なる場合、互いに平行なセル壁の厚さ
が異なる場合等々である。従って、隔壁の厚さが均一で
ないため、セル壁交差部を構成するセル壁厚さがセル毎
に異なる。このため、セル壁交差部の強度がセル毎に異
なり、ハニカム構造体内各所で一定とはならないため、
同程度の強度を有するセル壁交差部が連続的に存在しな
いことから、熱応力が発生した際にセル壁交差部を連鎖
的にクラックが進展し、セルの対角線方向に破壊すると
いう現象を防止することができ、結果的に優れた耐熱衝
撃特性が得られるのである。さらに、本発明の第2の発
明の構成において、軸方向に垂直な断面でのX軸及びY
軸の直径を等間隔に分割する5箇所×5箇所計25箇所
のセルについて、セルを囲む4つのセル壁厚さであっ
て、セル壁厚さは、セル壁の平均値tavと、セル壁厚
さの最大値tmax、最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たしている。ここでtav/(tmax−t
min)の値は、セル壁厚の平均値に対するバラツキ度
合いを示したものであり、セル壁厚さのバラツキをt
av/(tmax−tmin)の値で40以下とするこ
とによって、ハニカム構造体内のセル壁厚さが均一にな
らないため、いわゆる同程度の強度を有するセル壁交差
部が連続的に存在しないことから、熱衝撃や熱応力によ
りセル壁交差部を連鎖的にクラックが進展し、セルの対
角線方向に破壊するという現象を防止することができ、
結果的に優れた耐熱衝撃特性が得られるのである。一
方、t /(tmax−tmin)の値が40を超え
ると、ハニカム構造体内のセル壁厚さの違いが小さくな
るため、セル壁交差部の強度が同程度に収束することか
ら、熱衝撃や熱応力によりセル壁交差部を連鎖的にクラ
ックが進展し、セルの対角線方向に破壊し易くなり、耐
熱衝撃特性が低下するためである。tav/(tmax
−tmin)の値は好ましくは1〜40であり、更に好
ましくは2〜30である。ここで、tav/(tmax
−tmin)の値の好ましい範囲を1以上としたのは、
1未満では最小壁厚と最大壁厚の差が大きくなることか
ら、ハニカム構造体の押出成形の際に、公知の押出成形
用口金のスリット部から排出されるセラミックス原料の
杯土の速度のバランスが悪くなり、成形体の曲がり或い
は亀裂が発生することもあり好ましくない。尚、セル壁
の交差部に図2(c)に示すような曲線部を形成するこ
とにより、セル壁交差部の応力集中係数を小さくできる
ことから、セル壁交差部の強度が改善され、クラックが
セルの対角線方向に破壊する現象をより防止することが
できる。また、本発明のセラミックハニカム構造体を構
成するセラミック材料としては、本発明が主に、自動車
エンジンの排気ガス浄化用触媒の担体として或いはディ
ーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去するための
フィルタとして使用されるため、耐熱性に優れた材料を
使用することが好ましく、コージェライト、アルミナ、
ムライト、窒化珪素、炭化珪素及びLASからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種を主結晶とするセラミック材
料を用いることが好ましい。中でも、コージェライトを
主結晶とするセラミックハニカム構造体は、安価で耐熱
性、耐化学性に優れ、また低熱膨張であることから最も
好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に基づき詳
細に説明する。
【実施例1】本発明のセラミックハニカム構造体は、カ
オリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、タルク等のコージェライト化原料粉末を、
コージェライト組成となるよう調合して原料とする。こ
れに、バインダー、潤滑剤等の成形助剤、必要に応じて
造孔剤を所定量添加混合した後、水を添加して混練し、
可塑化可能なバッチを作製し、押出成形によってハニカ
ム成形体を得た。この際、ハニカム構造体のセル壁厚さ
が軸方向に垂直な断面全領域において不均一となるよう
に、公知の押出成形用金型の出口側の成形溝幅を調整
し、図2に示すようなセル壁を有する成形体とした。そ
の後、得られた成形体に対して1400℃の焼成を行
い、図1に示すコージェライト質セラミックハニカム構
造体10を得た。ハニカム構造体の寸法は外径267m
m、長さ300mm、セル壁平均厚さ0.3mm、セル
数46.5セル/cmであった。またハニカム構造体
の気孔率は65%、平均細孔径は20μmであった。
尚、得られたハニカム構造体のセル壁の厚さは以下の方
法で測定した。図5(a)に示すように、ハニカム構造
体のX軸、及びY軸の直径14、13を等間隔に分割す
る5箇所×5箇所計25箇所のセルについて、セルを囲
む4つのセル壁の厚さ15を測定した。測定は、倍率1
00倍の投影機を使用して行い、図5(b)に示すよう
に、セル壁の長さをほぼ2等分16する中間点でのセル
壁厚さ15を測定し、セル壁厚さとした。このようにし
て測定した4箇所/1セル×25箇所、計100箇所の
セル壁厚の測定値から、その平均値tav、最大値t
ma 及び最小値tminからtav/(tmax−t
min)の値を求めた。得られたセラミックハニカム構
造体に対して、耐熱衝撃性の評価を行った。耐熱衝撃性
の評価試験は、一定温度に加熱された電気炉中にセラミ
ックハニカム構造体を挿入して30分間保持し、その後
室温に急冷し、目視観察でクラックが発見された温度差
(加熱温度−室温)を耐熱衝撃温度とした。また、目視
による判定でクラックが発見されない場合は、25℃温
度を上昇させ同様の試験を行い、クラックが発生するま
で繰り返した。なお、試験数は各3個とし、それらの平
均で示した。結果を表1に示す。表1に示したように、
セル壁厚がハニカム構造体内で不均一であるtav
(tmax−tmin)の値が40以下の試験NO.1
〜5及び試験NO.8〜9のハニカム構造体は、耐熱衝
撃温度が、自動車エンジンの排気ガス浄化用触媒の担体
として、或いは、ディーゼルエンジンの排気ガス中の微
粒子を除去するためのフィルタとして使用される際に、
問題ないレベルである耐熱衝撃温度700℃以上を示し
た。このため実使用時の熱衝撃によってもクラックが発
生し、破壊に至る心配が少ない。一方、tav/(t
max−tmin)の値が40を越えた試験NO.6、
7及び9のハニカム構造体は、セル壁厚の厚さの違いが
小さく、均一となるため、耐熱衝撃温度が700℃未満
となり、実使用時の熱衝撃によりクラックが発生し、破
壊する心配がある。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年1月10日(2003.1.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
外周壁と、この外周壁の内周側でセル壁により囲まれた
多数のセルを有するセラミックハニカム構造体におい
て、前記セルの少なくとも一部のセルにおいて、セル壁
厚さが均一でなく、セル壁交差部を構成するセル壁厚さ
がセル毎に異なることを特徴とするセラミックハニカム
構造体である。また、本発明の第2の発明は、軸方向に
垂直な断面でのX軸及びY軸の直径を等間隔に分割する
5箇所×5箇所計25箇所のセルについて、セルを囲む
4つのセル壁厚さであって、セル壁厚さの平均値tav
とセル壁厚さの最大値tmax、最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のセラ
ミックハニカム構造体である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】次に、本発明の構成の理由を説明する。本
発明の第1の発明の構成において、セラミックハニカム
構造体内のセル壁のセル壁厚さが均一でない。ここでセ
ル壁厚さが均一でないこととは、軸方向に垂直な断面で
見た際に少なくともセル壁の厚さが異なることを意味す
る。例えばハニカム構造体の同一セルを構成するセル壁
の一部が互いに異なる場合や、隣接するセル間でセル壁
厚さが異なる場合、互いに平行なセル壁の厚さが異なる
場合等々である。従って、隔壁の厚さが均一でないた
め、セル壁交差部を構成するセル壁厚さがセル毎に異な
る。このため、セル壁交差部の強度がセル毎に異なり、
ハニカム構造体内各所で一定とはならないため、同程度
の強度を有するセル壁交差部が連続的に存在しないこと
から、熱応力が発生した際にセル壁交差部を連鎖的にク
ラックが進展し、セルの対角線方向に破壊するという現
象を防止することができ、結果的に優れた耐熱衝撃特性
が得られるのである。さらに、本発明の第2の発明の構
成において、軸方向に垂直な断面でのX軸及びY軸の直
径を等間隔に分割する5箇所×5箇所計25箇所のセル
について、セルを囲む4つのセル壁厚さであって、セル
壁厚さは、セル壁の平均値tavと、セル壁厚さの最大
値tmax、最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たしている。ここでtav/(tmax−t
min)の値は、セル壁厚の平均値に対するバラツキ度
合いを示したものであり、セル壁厚さのバラツキをt
av/(tmax−tmin)の値で40以下とするこ
とによって、ハニカム構造体内のセル壁厚さが均一にな
らないため、いわゆる同程度の強度を有するセル壁交差
部が連続的に存在しないことから、熱衝撃や熱応力によ
りセル壁交差部を連鎖的にクラックが進展し、セルの対
角線方向に破壊するという現象を防止することができ、
結果的に優れた耐熱衝撃特性が得られるのである。一
方、t /(tmax−tmin)の値が40を超え
ると、ハニカム構造体内のセル壁厚さの違いが小さくな
るため、セル壁交差部の強度が同程度に収束することか
ら、熱衝撃や熱応力によりセル壁交差部を連鎖的にクラ
ックが進展し、セルの対角線方向に破壊し易くなり、耐
熱衝撃特性が低下するためである。tav/(tmax
−tmin)の値は好ましくは1〜40であり、更に好
ましくは2〜30である。ここで、tav/(tmax
−tmin)の値の好ましい範囲を1以上としたのは、
1未満では最小壁厚と最大壁厚の差が大きくなることか
ら、ハニカム構造体の押出成形の際に、公知の押出成形
用口金のスリット部から排出されるセラミックス原料の
杯土の速度のバランスが悪くなり、成形体の曲がり或い
は亀裂が発生することもあり好ましくない。尚、セル壁
の交差部に図2(c)に示すような曲線部を形成するこ
とにより、セル壁交差部の応力集中係数を小さくできる
ことから、セル壁交差部の強度が改善され、クラックが
セルの対角線方向に破壊する現象をより防止することが
できる。また、本発明のセラミックハニカム構造体を構
成するセラミック材料としては、本発明が主に、自動車
エンジンの排気ガス浄化用触媒の担体として或いはディ
ーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去するための
フィルタとして使用されるため、耐熱性に優れた材料を
使用することが好ましく、コージェライト、アルミナ、
ムライト、窒化珪素、炭化珪素及びLASからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種を主結晶とするセラミック材
料を用いることが好ましい。中でも、コージェライトを
主結晶とするセラミックハニカム構造体は、安価で耐熱
性、耐化学性に優れ、また低熱膨張であることから最も
好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に基づき詳
細に説明する。
【実施例1】本発明のセラミックハニカム構造体は、カ
オリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、タルク等のコージェライト化原料粉末を、
コージェライト組成となるよう調合して原料とする。こ
れに、バインダー、潤滑剤等の成形助剤、必要に応じて
造孔剤を所定量添加混合した後、水を添加して混練し、
可塑化可能なバッチを作製し、押出成形によってハニカ
ム成形体を得た。この際、ハニカム構造体の少なくとも
一部のセルのセル壁厚さが不均一となるように、公知の
押出成形用金型の出口側の成形溝幅を調整し、図2に示
すようなセル壁を有する成形体とした。その後、得られ
た成形体に対して1400℃の焼成を行い、図1に示す
コージェライト質セラミックハニカム構造体10を得
た。ハニカム構造体の寸法は外径267mm、長さ30
0mm、セル壁平均厚さ0.3mm、セル数46.5セ
ル/cmであった。またハニカム構造体の気孔率は6
5%、平均細孔径は20μmであった。尚、得られたハ
ニカム構造体のセル壁の厚さは以下の方法で測定した。
図5(a)に示すように、ハニカム構造体のX軸、及び
Y軸の直径14、13を等間隔に分割する5箇所×5箇
所計25箇所のセルについて、セルを囲む4つのセル壁
の厚さ15を測定した。測定は、倍率100倍の投影機
を使用して行い、図5(b)に示すように、セル壁の長
さをほぼ2等分16する中間点でのセル壁厚さ15を測
定し、セル壁厚さとした。このようにして測定した4箇
所/1セル×25箇所、計100箇所のセル壁厚の測定
値から、その平均値tav、最大値tma 及び最小値
minからtav/(tmax−tmin)の値を求
めた。得られたセラミックハニカム構造体に対して、耐
熱衝撃性の評価を行った。耐熱衝撃性の評価試験は、一
定温度に加熱された電気炉中にセラミックハニカム構造
体を挿入して30分間保持し、その後室温に急冷し、目
視観察でクラックが発見された温度差(加熱温度−室
温)を耐熱衝撃温度とした。また、目視による判定でク
ラックが発見されない場合は、25℃温度を上昇させ同
様の試験を行い、クラックが発生するまで繰り返した。
なお、試験数は各3個とし、それらの平均で示した。結
果を表1に示す。表1に示したように、セル壁厚がハニ
カム構造体内で不均一であるtav/(tmax−t
min)の値が40以下の試験NO.1〜5及び試験N
O.8〜9のハニカム構造体は、耐熱衝撃温度が、自動
車エンジンの排気ガス浄化用触媒の担体として、或い
は、ディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去す
るためのフィルタとして使用される際に、問題ないレベ
ルである耐熱衝撃温度700℃以上を示した。このため
実使用時の熱衝撃によってもクラックが発生し、破壊に
至る心配が少ない。一方、tav/(tmax−t
min)の値が40を越えた試験NO.6、7及び9の
ハニカム構造体は、セル壁厚の厚さの違いが小さく、均
一となるため、耐熱衝撃温度が700℃未満となり、実
使用時の熱衝撃によりクラックが発生し、破壊する心配
がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態でのセラミックハニカム構造体を示
した斜視図である。
【図2】(a)本発明のセラミックハニカム構造体のセ
ル壁を示す図である。 (b)本発明の別のセラミックハニカム構造体のセル壁
を示す図である。
【図3】従来のセラミックハニカム構造体のセル壁を示
す図である。
【図4】従来のセラミックハニカム構造体における具体
的破壊状況の模式図である。
【図5】セラミックハニカム構造体のセル壁厚さの測定
個所を示す図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年4月22日(2003.4.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
外周壁と、この外周壁の内周側でセル壁により囲まれた
多数のセルを有するセラミックハニカム構造体におい
て、前記セルのセル壁厚さが均一でなく、セル壁交差部
を構成するセル壁厚さがセル毎に異なることを特徴とす
るセラミックハニカム構造体である。また、本発明の第
2の発明は、軸方向に垂直な断面でのX軸及びY軸の直
径を等間隔に分割する5箇所×5箇所計25箇所のセル
について、セルを囲む4つのセル壁厚さであって、セル
壁厚さの平均値tavとセル壁厚さの最大値tmax
最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のセラ
ミックハニカム構造体である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】次に、本発明の構成の理由を説明する。本
発明の第1の発明の構成において、セラミックハニカム
構造体内のセル壁のセル壁厚さが均一でない。ここでセ
ル壁厚さが均一でないこととは、軸方向に垂直な断面で
見た際にセル壁の厚さが異なることを意味する。例えば
ハニカム構造体の同一セルを構成するセル壁の一部が互
いに異なる場合や、隣接するセル間でセル壁厚さが異な
る場合、互いに平行なセル壁の厚さが異なる場合等々で
ある。従って、隔壁の厚さが均一でないため、セル壁交
差部を構成するセル壁厚さがセル毎に異なる。このた
め、セル壁交差部の強度がセル毎に異なり、ハニカム構
造体内各所で一定とはならないため、同程度の強度を有
するセル壁交差部が連続的に存在しないことから、熱応
力が発生した際にセル壁交差部を連鎖的にクラックが進
展し、セルの対角線方向に破壊するという現象を防止す
ることができ、結果的に優れた耐熱衝撃特性が得られる
のである。さらに、本発明の第2の発明の構成におい
て、軸方向に垂直な断面でのX軸及びY軸の直径を等間
隔に分割する5箇所×5箇所計25箇所のセルについ
て、セルを囲む4つのセル壁厚さであって、セル壁厚さ
は、セル壁の平均値tavと、セル壁厚さの最大値t
max、最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たしている。ここでtav/(tmax−t
min)の値は、セル壁厚の平均値に対するバラツキ度
合いを示したものであり、セル壁厚さのバラツキをt
av/(tmax−tmin)の値で40以下とするこ
とによって、ハニカム構造体内のセル壁厚さが均一にな
らないため、いわゆる同程度の強度を有するセル壁交差
部が連続的に存在しないことから、熱衝撃や熱応力によ
りセル壁交差部を連鎖的にクラックが進展し、セルの対
角線方向に破壊するという現象を防止することができ、
結果的に優れた耐熱衝撃特性が得られるのである。一
方、t /(tmax−tmin)の値が40を超え
ると、ハニカム構造体内のセル壁厚さの違いが小さくな
るため、セル壁交差部の強度が同程度に収束することか
ら、熱衝撃や熱応力によりセル壁交差部を連鎖的にクラ
ックが進展し、セルの対角線方向に破壊し易くなり、耐
熱衝撃特性が低下するためである。tav/(tmax
−tmin)の値は好ましくは1〜40であり、更に好
ましくは2〜30である。ここで、tav/(tmax
−tmin)の値の好ましい範囲を1以上としたのは、
1未満では最小壁厚と最大壁厚の差が大きくなることか
ら、ハニカム構造体の押出成形の際に、公知の押出成形
用口金のスリット部から排出されるセラミックス原料の
杯土の速度のバランスが悪くなり、成形体の曲がり或い
は亀裂が発生することもあり好ましくない。尚、セル壁
の交差部に図2(c)に示すような曲線部を形成するこ
とにより、セル壁交差部の応力集中係数を小さくできる
ことから、セル壁交差部の強度が改善され、クラックが
セルの対角線方向に破壊する現象をより防止することが
できる。また、本発明のセラミックハニカム構造体を構
成するセラミック材料としては、本発明が主に、自動車
エンジンの排気ガス浄化用触媒の担体として或いはディ
ーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去するための
フィルタとして使用されるため、耐熱性に優れた材料を
使用することが好ましく、コージェライト、アルミナ、
ムライト、窒化珪素、炭化珪素及びLASからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種を主結晶とするセラミック材
料を用いることが好ましい。中でも、コージェライトを
主結晶とするセラミックハニカム構造体は、安価で耐熱
性、耐化学性に優れ、また低熱膨張であることから最も
好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に基づき詳
細に説明する。
【実施例1】本発明のセラミックハニカム構造体は、カ
オリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、タルク等のコージェライト化原料粉末を、
コージェライト組成となるよう調合して原料とする。こ
れに、バインダー、潤滑剤等の成形助剤、必要に応じて
造孔剤を所定量添加混合した後、水を添加して混練し、
可塑化可能なバッチを作製し、押出成形によってハニカ
ム成形体を得た。この際、ハニカム構造体のセル壁厚さ
が不均一となるように、公知の押出成形用金型の出口側
の成形溝幅を調整し、図2に示すようなセル壁を有する
成形体とした。その後、得られた成形体に対して140
0℃の焼成を行い、図1に示すコージェライト質セラミ
ックハニカム構造体10を得た。ハニカム構造体の寸法
は外径267mm、長さ300mm、セル壁平均厚さ
0.3mm、セル数46.5セル/cmであった。ま
たハニカム構造体の気孔率は65%、平均細孔径は20
μmであった。尚、得られたハニカム構造体のセル壁の
厚さは以下の方法で測定した。図5(a)に示すよう
に、ハニカム構造体のX軸、及びY軸の直径14、13
を等間隔に分割する5箇所×5箇所計25箇所のセルに
ついて、セルを囲む4つのセル壁の厚さ15を測定し
た。測定は、倍率100倍の投影機を使用して行い、図
5(b)に示すように、セル壁の長さをほぼ2等分16
する中間点でのセル壁厚さ15を測定し、セル壁厚さと
した。このようにして測定した4箇所/1セル×25箇
所、計100箇所のセル壁厚の測定値から、その平均値
av、最大値tma 及び最小値tminからtav
/(tmax−tmin)の値を求めた。得られたセラ
ミックハニカム構造体に対して、耐熱衝撃性の評価を行
った。耐熱衝撃性の評価試験は、一定温度に加熱された
電気炉中にセラミックハニカム構造体を挿入して30分
間保持し、その後室温に急冷し、目視観察でクラックが
発見された温度差(加熱温度−室温)を耐熱衝撃温度と
した。また、目視による判定でクラックが発見されない
場合は、25℃温度を上昇させ同様の試験を行い、クラ
ックが発生するまで繰り返した。なお、試験数は各3個
とし、それらの平均で示した。結果を表1に示す。表1
に示したように、セル壁厚がハニカム構造体内で不均一
であるtav/(tmax−tmin)の値が40以下
の試験NO.1〜5及び試験NO.8〜9のハニカム構
造体は、耐熱衝撃温度が、自動車エンジンの排気ガス浄
化用触媒の担体として、或いは、ディーゼルエンジンの
排気ガス中の微粒子を除去するためのフィルタとして使
用される際に、問題ないレベルである耐熱衝撃温度70
0℃以上を示した。このため実使用時の熱衝撃によって
もクラックが発生し、破壊に至る心配が少ない。一方、
av/(tmax−tmin)の値が40を越えた試
験NO.6、7及び9のハニカム構造体は、セル壁厚の
厚さの違いが小さく、均一となるため、耐熱衝撃温度が
700℃未満となり、実使用時の熱衝撃によりクラック
が発生し、破壊する心配がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B28B 3/26 ZAB B01D 53/36 C 4G069 Fターム(参考) 3G090 AA02 AA03 CA04 3G091 AA02 AB01 BA10 BA39 GA06 GA11 GB17X 4D019 AA01 BA05 BB06 BC07 BD10 CA01 4D048 BA10X BB02 BB15 EA06 4G054 AA05 AB09 AC00 BD19 4G069 AA08 AA10 BA13A BA13B CA03 DA06 EA19 EA25 ED06 FA01 FB67

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周壁と、この外周壁の内周側でセル壁
    により囲まれた多数のセルを有するセラミックハニカム
    構造体において、前記セルの少なくとも一部のセルでの
    セル壁厚さが均一でないことを特徴とするセラミックハ
    ニカム構造体。
  2. 【請求項2】 外周壁と、この外周壁の内周側でセル壁
    により囲まれた多数のセルを有するセラミックハニカム
    構造体において、セル壁厚さの平均値tavとセル壁厚
    さの最大値tmax、最小値tminが、 tav/(tmax−tmin)≦40 の関係を満たすことを特徴とするセラミックハニカム構
    造体。
JP2002141180A 2001-12-27 2002-05-16 セラミックハニカム構造体 Pending JP2003251198A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002141180A JP2003251198A (ja) 2001-12-27 2002-05-16 セラミックハニカム構造体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001395759 2001-12-27
JP2001-395759 2001-12-27
JP2002141180A JP2003251198A (ja) 2001-12-27 2002-05-16 セラミックハニカム構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003251198A true JP2003251198A (ja) 2003-09-09

Family

ID=28677216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002141180A Pending JP2003251198A (ja) 2001-12-27 2002-05-16 セラミックハニカム構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003251198A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006126507A1 (ja) * 2005-05-23 2006-11-30 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体
WO2020075603A1 (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 イビデン株式会社 ハニカム構造体

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006126507A1 (ja) * 2005-05-23 2006-11-30 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体
KR100893514B1 (ko) 2005-05-23 2009-04-16 니뽄 가이시 가부시키가이샤 허니컴 구조체
US7658985B2 (en) 2005-05-23 2010-02-09 Ngk Insulators, Ltd. Honeycomb structure
JP5252916B2 (ja) * 2005-05-23 2013-07-31 日本碍子株式会社 ハニカム構造体
WO2020075603A1 (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 イビデン株式会社 ハニカム構造体
JP2020059636A (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 イビデン株式会社 ハニカム構造体
JP7154931B2 (ja) 2018-10-12 2022-10-18 イビデン株式会社 ハニカム構造体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6803086B2 (en) Porous honeycomb structure body, the use thereof and method for manufacturing the same
US7867456B2 (en) Honeycomb structure, method of manufacturing the structure, and exhaust emission control system
US7208108B2 (en) Method for producing porous ceramic article
JP5144075B2 (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
EP1291061A1 (en) Honeycomb structure and honeycomb filter, and method of producing them
KR100595769B1 (ko) 하니컴 구조체
EP0191982A1 (en) Ceramic honeycomb body
JP2004001365A (ja) ハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体
EP1251247B1 (en) Exhaust gas purifying filter
EP1473445A1 (en) Honeycomb structure
JP2003181233A (ja) 高強度ハニカム構造体、その成形方法及びハニカム構造コンバーター
JPWO2006095835A1 (ja) ハニカム構造体、及びその製造方法
US11027269B2 (en) Plugged honeycomb structure
JP2006239603A (ja) ハニカム構造体
JP4161292B2 (ja) セラミックハニカム構造体
JP2018061926A (ja) 目封止ハニカム構造体
JP2003277155A (ja) セラミックハニカム構造体およびその製造方法
JP2018167200A (ja) ハニカムフィルタ
CN109967133B (zh) 蜂窝结构体
JP2003251198A (ja) セラミックハニカム構造体
JP2004175654A (ja) セラミックハニカム構造体
JP7274275B2 (ja) ハニカム構造体
JP2012030219A (ja) ハニカム構造体およびこれを用いたガス処理装置
JP2018167221A (ja) ハニカム構造体
US20230405505A1 (en) Honeycomb filter