JP2003251156A - 膜濾過装置及び膜濾過方法 - Google Patents

膜濾過装置及び膜濾過方法

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JP2003251156A
JP2003251156A JP2002057921A JP2002057921A JP2003251156A JP 2003251156 A JP2003251156 A JP 2003251156A JP 2002057921 A JP2002057921 A JP 2002057921A JP 2002057921 A JP2002057921 A JP 2002057921A JP 2003251156 A JP2003251156 A JP 2003251156A
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Japan
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membrane
water
temperature
membrane module
cleaning
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JP2002057921A
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English (en)
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Naoki Matsutani
直樹 松渓
Mitsuharu Furuichi
光春 古市
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温度が低下したときに膜モジュールの性能が低
下するのを抑制する。 【解決手段】原水を濾過処理する膜モジュール2と、処
理水(洗浄水)槽4、配管9、ポンプ12、薬剤貯槽
5、配管10、ポンプ13からなる膜モジュール洗浄手
段とを設け、膜モジュール洗浄手段による膜モジュール
2の洗浄度合いを、水温計14によって測定された膜透
過水の温度あるいは原水の温度に応じて変更する。例え
ば、膜透過水又は原水の温度が低くなるほど、膜モジュ
ール2に供給される薬剤の濃度を高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は膜濾過装置に関し、
特には、浄水処理等に用いる膜濾過装置に関する。詳細
には、そのような膜濾過装置の膜モジュールの洗浄装置
に関し、膜モジュールの差圧が上昇するのを抑制する装
置に関する。更に本発明は膜濾過方法に関し、特には、
浄水処理等に用いる膜濾過方法に関する。詳細には、そ
のような膜濾過方法に用いる膜濾過装置の膜モジュール
の洗浄方法に関し、膜モジュールの差圧が上昇するのを
抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原水を濾過処理する膜モジュール
と、膜モジュールを洗浄水によって洗浄する膜モジュー
ル洗浄手段とを具備する膜濾過装置が知られている。こ
の種の膜濾過装置の例としては、例えば特開2001−
259381号公報に記載されたものがある。特開20
01−259381号公報に記載された膜濾過装置で
は、原水を濾過処理する膜モジュールとしてスパイラル
型膜モジュールが設けられている。更に、膜モジュール
を洗浄する膜モジュール洗浄手段として、膜モジュール
を洗浄する空気を供給するための空気供給用配管と、膜
モジュールを洗浄する洗浄水を供給する洗浄水供給用配
管と、膜モジュールを洗浄する洗浄薬液を供給する洗浄
薬液供給用配管とが設けられている。
【0003】本願発明者の研究により、このような膜モ
ジュールの洗浄にあたっては、温度が影響することがわ
かった。即ち、温度が低下すると、膜モジュール洗浄手
段による膜モジュールの洗浄が不十分になってしまい、
その結果、膜モジュールの性能が低下してしまうという
問題点があり、本願発明者の研究によると、温度が低下
すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水供給量
が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュール上の
汚染物質を剥離させる能力が低下し、それにより、膜モ
ジュールの性能が低下する、つまり、膜モジュールの差
圧が上昇することがわかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点に鑑み、本
発明は温度が低下したときに膜モジュールの性能が低下
してしまうのを抑制することができる膜濾過装置を提供
することを目的とする。
【0005】更に本発明は温度が低下したときに膜モジ
ュールの性能が低下してしまうのを抑制することができ
る膜濾過方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、原水を濾過処理する膜モジュールと、膜モジュ
ールを洗浄水によって洗浄する膜モジュール洗浄手段と
を具備する膜濾過装置において、膜モジュール洗浄手段
による洗浄度合いを温度に応じて変更することを特徴と
する膜濾過装置が提供される。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、洗浄水に
薬剤を供給するための薬剤供給手段を有し、温度に応じ
て薬剤濃度を変更することを特徴とする請求項1に記載
の膜濾過装置が提供される。
【0008】請求項3に記載の発明によれば、温度に応
じて洗浄水供給量を変更することを特徴とする請求項1
に記載の膜濾過装置が提供される。
【0009】請求項4に記載の発明によれば、膜モジュ
ールを洗浄する空気を供給するための空気供給手段を有
することを特徴とする請求項1に記載の膜濾過装置が提
供される。
【0010】請求項5に記載の発明によれば、原水を膜
モジュールによって濾過処理し、洗浄水を用いた膜モジ
ュール洗浄手段によって膜モジュールを洗浄する膜濾過
方法において、膜モジュールを洗浄するときに、原水又
は膜透過水の温度を測定し、膜モジュール洗浄手段によ
る洗浄度合いを原水又は膜透過水の温度に応じて変更す
ることを特徴とする膜濾過方法が提供される。
【0011】請求項6に記載の発明によれば、洗浄水に
薬剤を供給して膜モジュールを洗浄するときに、原水又
は膜透過水の温度を測定し、原水又は膜透過水の温度に
応じて薬剤濃度を変更することを特徴とする請求項5に
記載の膜濾過方法が提供される。
【0012】請求項7に記載の発明によれば、洗浄水を
供給することにより膜モジュールを洗浄するときに、原
水又は膜透過水の温度を測定し、原水又は膜透過水の温
度に応じて洗浄水供給量を変更することを特徴とする請
求項5に記載の膜濾過方法が提供される。
【0013】請求項8に記載の発明によれば、洗浄水及
び空気を供給することにより膜モジュールを洗浄すると
きに、原水又は膜透過水の温度を測定し、原水又は膜透
過水の温度に応じて空気供給量を変更することを特徴と
する請求項5に記載の膜濾過方法が提供される。
【0014】請求項1〜4に記載の膜濾過装置では、膜
モジュール洗浄手段による洗浄度合いが温度に応じて変
更される。具体的には、温度が低下すると、洗浄水の粘
度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、その結
果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥離さ
せる能力が低下する点に鑑み、洗浄水に供給される例え
ば塩素剤のような薬剤の濃度が温度に応じて変更され
る。詳細には、温度が低くなるほど薬剤濃度が高くされ
る。つまり、温度が低下するのに伴って洗浄水による汚
染物質剥離能力が低下するのを補償すべく、温度が低く
なるほど洗浄水に供給される薬剤の濃度が高くされる。
そのため、温度が低下した場合であっても、濃度が高く
された薬剤により、膜モジュール上の汚染物質を十分に
分解除去することができる。つまり、温度が低下したと
きに膜モジュール上の汚染物質が十分に剥離されなくな
るのに伴って膜モジュールの性能が低下してしまうのを
抑制することができる。
【0015】あるいは、温度が低下すると、洗浄水の粘
度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、その結
果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥離さ
せる能力が低下する点に鑑み、膜モジュールを洗浄する
ために供給される洗浄水の供給量が温度に応じて変更さ
れる。詳細には、温度が低くなるほど洗浄水供給量が増
加せしめられる。つまり、温度が低下するのに伴って洗
浄水による汚染物質剥離能力が低下するのを補償すべ
く、温度が低くなるほど膜モジュールに供給される洗浄
水の供給量が増加せしめられる。そのため、温度が低下
した場合であっても、供給量が増加せしめられた洗浄水
により、膜モジュール上の汚染物質を十分に剥離させる
ことができる。つまり、温度が低下したときに膜モジュ
ール上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに伴って
膜モジュールの性能が低下してしまうのを抑制すること
ができる。
【0016】あるいは、温度が低下すると、洗浄水の粘
度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、その結
果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥離さ
せる能力が低下する点に鑑み、膜モジュールを洗浄する
ために洗浄水と共に供給される空気の供給量が温度に応
じて変更される。詳細には、温度が低くなるほど空気供
給量が増加せしめられる。つまり、温度が低下するのに
伴って洗浄水による汚染物質剥離能力が低下するのを補
償すべく、温度が低くなるほど膜モジュールに供給され
る空気の供給量が増加せしめられる。そのため、温度が
低下するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離能力が低
下した場合であっても、供給量が増加せしめられた空気
により、膜モジュール上の汚染物質を十分に剥離させる
ことができる。つまり、温度が低下したときに膜モジュ
ール上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに伴って
膜モジュールの性能が低下してしまうのを抑制すること
ができる。
【0017】好ましくは、膜モジュール洗浄手段による
洗浄度合いが、測定された原水又は膜透過水の温度に応
じて変更される。詳細には、薬剤の濃度、洗浄水の供給
量、あるいは、空気の供給量が、測定された原水又は膜
透過水の温度に応じて変更される。
【0018】あるいは、膜モジュール上に供給された洗
浄水の温度が低下したときに膜モジュール上の汚染物質
が十分に剥離されなくなる点に鑑み、好ましくは、膜モ
ジュール洗浄手段による洗浄度合いが、膜モジュールに
対して供給された薬剤や洗浄水のような膜モジュール洗
浄媒体の温度に応じて変更される。膜モジュールに対し
て供給された膜モジュール洗浄媒体の温度は、実際に測
定されるのが好ましいが、実際に測定するのが困難な場
合には原水又は膜透過水の温度や気温に基づいて推定さ
れてもよい。つまり、膜モジュール洗浄手段による洗浄
度合いを、実際に測定された何らかの温度に応じて変更
するのではなく、例えば暦に基づいて推定される膜モジ
ュール洗浄媒体の温度のような、実際には測定されない
温度に応じて変更することも可能である。
【0019】また、薬剤供給手段から供給される薬剤の
濃度が高すぎると、薬剤に対する配管や弁などの耐性が
不十分になったり、膜モジュールに供給された後の薬剤
の処理に問題が生じてしまう点に鑑み、温度が低くなる
ほど薬剤供給手段から供給される薬剤の濃度が高くされ
るものの、好ましくは、薬剤の濃度に上限が設けられて
いる。それにより、薬剤供給手段から供給される薬剤の
濃度が高すぎるのに伴う問題点を回避することができ
る。
【0020】請求項5〜8に記載の膜濾過方法では、膜
モジュール洗浄手段による洗浄度合いが原水又は膜透過
水の温度に応じて変更される。具体的には、温度が低下
すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水供給量
が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュール上の
汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑み、洗浄水
に供給される薬剤の濃度が原水又は膜透過水の温度に応
じて変更される。詳細には、原水又は膜透過水の温度が
低くなるほど薬剤濃度が高くされる。つまり、温度が低
下するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離能力が低下
するのを補償すべく、膜透過水の温度が低くなるほど洗
浄水に供給される薬剤の濃度が高くされる。そのため、
原水又は膜透過水の温度が低下した場合であっても、濃
度が高くされた薬剤により、膜モジュール上の汚染物質
を十分に分解除去することができる。つまり、原水又は
膜透過水の温度が低下したときに膜モジュール上の汚染
物質が十分に剥離されなくなるのに伴って膜モジュール
の性能が低下してしまうのを抑制することができる。
【0021】あるいは、温度が低下すると、洗浄水の粘
度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、その結
果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥離さ
せる能力が低下する点に鑑み、膜モジュールを洗浄する
ために供給される洗浄水の供給量が原水又は膜透過水の
温度に応じて変更される。詳細には、原水又は膜透過水
の温度が低くなるほど洗浄水供給量が増加せしめられ
る。つまり、温度が低下するのに伴って洗浄水による汚
染物質剥離能力が低下するのを補償すべく、原水又は膜
透過水の温度が低くなるほど膜モジュールに供給される
洗浄水の供給量が増加せしめられる。そのため、原水又
は膜透過水の温度が低下した場合であっても、供給量が
増加せしめられた洗浄水により、膜モジュール上の汚染
物質を十分に剥離させることができる。つまり、原水又
は膜透過水の温度が低下したときに膜モジュール上の汚
染物質が十分に剥離されなくなるのに伴って膜モジュー
ルの性能が低下してしまうのを抑制することができる。
【0022】あるいは、温度が低下すると、洗浄水の粘
度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、その結
果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥離さ
せる能力が低下する点に鑑み、膜モジュールを洗浄する
ために洗浄水と共に供給される空気の供給量が原水又は
膜透過水の温度に応じて変更される。詳細には、原水又
は膜透過水の温度が低くなるほど空気供給量が増加せし
められる。つまり、温度が低下するのに伴って洗浄水に
よる汚染物質剥離能力が低下するのを補償すべく、原水
又は膜透過水の温度が低くなるほど膜モジュールに供給
される空気の供給量が増加せしめられる。そのため、原
水又は膜透過水の温度が低下するのに伴って洗浄水によ
る汚染物質剥離能力が低下した場合であっても、供給量
が増加せしめられた空気により、膜モジュール上の汚染
物質を十分に剥離させることができる。つまり、原水又
は膜透過水の温度が低下したときに膜モジュール上の汚
染物質が十分に剥離されなくなるのに伴って膜モジュー
ルの性能が低下してしまうのを抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。
【0024】図1は本発明の膜濾過装置の第一の実施形
態の概略構成図である。図1において、1は原水槽、2
は原水を濾過処理するための膜モジュール、3は膜モジ
ュール2内に配置された限外濾過(UF)膜、4は処理
水槽、5は薬剤(NaClO)を貯えた薬剤貯槽であ
る。6は原水を原水槽1に供給するための配管、7は原
水槽1内の原水を膜モジュール2に供給するための配
管、8は膜モジュール2において処理された膜透過水を
処理水槽4に送るための配管である。9は処理水槽4内
の膜透過水を洗浄水として膜モジュール2に供給するた
めの配管、10は薬剤含有洗浄水を膜モジュール2に供
給するために薬剤貯槽5内の薬剤を洗浄水に対して添加
するための配管である。11は原水槽1内の原水を膜モ
ジュール2に供給するために配管7上に配置された原水
供給ポンプ、12は処理水槽4内の膜透過水を洗浄水と
して膜モジュール2に供給するために配管9上に配置さ
れた洗浄水供給ポンプ、13は薬剤貯槽5内の薬剤を洗
浄水に対して添加するために配管10上に配置された薬
剤添加ポンプである。14は配管8内を流れる膜透過水
の温度を測定するための水温計である。
【0025】図1に示すように、第一の実施形態では、
膜モジュール2を洗浄する膜モジュール洗浄手段が、処
理水槽4、配管9及び洗浄水供給ポンプ12からなる洗
浄水供給手段と、薬剤貯槽5、配管10及び薬剤添加ポ
ンプ13からなる薬剤供給手段とによって構成されてい
る。膜モジュール洗浄手段による洗浄度合いは、膜透過
水の温度に応じて変更される。具体的には、水温計14
により測定された膜透過水の温度に基づいて薬剤添加ポ
ンプ13の流量が変更され、その結果、膜モジュール2
に供給される薬剤の濃度が変更されることになる。詳細
には、基本的に、膜透過水の温度が低くなるほど、膜モ
ジュール2に供給される薬剤の濃度が高くなるように薬
剤添加ポンプ13の流量が増加せしめられる。但し、膜
モジュール2に供給される薬剤の濃度が高くなりすぎる
と、薬剤に対する配管や弁(図示せず)などの耐性が不
十分になったり、膜モジュール2に供給された後の薬剤
の処理に問題が生じてしまうため、第一の実施形態で
は、膜モジュール2に供給される薬剤の濃度に上限が設
けられている。
【0026】以下、実施例を説明することにより上述し
た第一の実施形態の膜濾過装置の効果について説明す
る。
【0027】試験装置 図1に示した試験装置を使用した。 通水条件 原水:河川表流水 処理量:50m/day 膜面積:28m 膜:ポリスルホン系限外濾過膜 洗浄水量:5m/day 薬剤(NaClO)濃度:5〜10mg/l
【0028】本試験での水温変化は5〜25℃であっ
た。これに対し洗浄水塩素濃度(薬剤濃度)を5mg/
l〜10mg/lに変化させた。制御は以下の式を用い
た。洗浄水塩素濃度(mg/l)=−0.25×水温
(℃)+11.25洗浄水塩素濃度の上限は50mg/
lとした。塩素注入制御の係数設定は年間の膜差圧上昇
速度を見た上で決定する必要があると言える。
【0029】図2は試験結果を示したグラフである。図
2の縦軸は膜透過水温と膜差圧とを示しており、横軸は
日付を示している。図2の下側のグラフにおいて、実線
は薬剤濃度を膜透過水の温度に応じて変更した第一の実
施形態の膜濾過装置における膜差圧を示しており、破線
は薬剤濃度を膜透過水の温度に応じて変更していない従
来の膜濾過装置における膜差圧を示している。図2に示
すように、第一の実施形態の膜濾過装置によれば、膜透
過水の温度が低くなる冬季における膜差圧が上昇してし
まうのを抑制することができた。
【0030】第一の実施形態によれば、膜透過水の温度
が低下すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水
供給量が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュー
ル2上の汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑
み、上述したように、膜モジュール2を洗浄するために
供給される薬剤の濃度が膜透過水の温度に応じて変更さ
れる。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど薬剤濃
度が高くされる。つまり、膜透過水の温度が低下するの
に伴って洗浄水による汚染物質剥離能力が低下するのを
補償すべく、膜透過水の温度が低くなるほど膜モジュー
ル2に供給される薬剤の濃度が高くされる。そのため、
膜透過水の温度が低下した場合であっても、濃度が高く
された薬剤により、膜モジュール2上の汚染物質を十分
に分解除去することができる。つまり、膜透過水の温度
が低下したときに膜モジュール2上の汚染物質が十分に
分解除去されなくなるのに伴って膜モジュール2の性能
が低下してしまうのを抑制することができる。
【0031】更に第一の実施形態によれば、薬剤貯槽5
から供給される薬剤流量が多すぎると、薬剤に対する配
管や弁などの耐性が不十分になったり、膜モジュール2
に供給された後の薬剤の処理に問題が生じてしまう点に
鑑み、上述したように、膜透過水の温度が低くなるほど
薬剤貯槽5から供給される薬剤流量が増加せしめられる
ものの、薬剤貯槽5から供給される薬剤流量には上限が
設けられている。そのため、薬剤貯槽5から供給される
薬剤流量が多すぎるのに伴う問題点を回避することがで
きる。
【0032】以下、本発明の膜濾過装置の第二の実施形
態について説明する。図3は本発明の膜濾過装置の第二
の実施形態の概略構成図である。図3において、図1に
示した参照番号と同一の参照番号は、図1に示した部品
又は部分と同一の部品又は部分を示している。図3に示
すように、第二の実施形態では、膜モジュール2を洗浄
する膜モジュール洗浄手段が、処理水槽4、配管9及び
洗浄水供給ポンプ12からなる洗浄水供給手段と、薬剤
貯槽5、配管10及び薬剤添加ポンプ13からなる薬剤
供給手段とによって構成されている。膜モジュール洗浄
手段による洗浄度合いは、膜透過水の温度に応じて変更
される。具体的には、水温計14により測定された膜透
過水の温度に基づいて洗浄水供給ポンプ12の流量が変
更され、それに伴い、膜モジュール2に供給される薬剤
の濃度が変化しないように薬剤添加ポンプ13の流量が
変更される。つまり、膜モジュール2に供給される薬剤
の濃度が変更されることなく、膜モジュール2に供給さ
れる洗浄水の流量が変更されることになる。詳細には、
膜透過水の温度が低くなるほど、膜モジュール2に供給
される洗浄水の流量が多くなるように洗浄水供給ポンプ
12の流量が増加せしめられる。そのとき、膜モジュー
ル2に供給される薬剤の濃度が変化しないように、薬剤
添加ポンプ13の流量が増加せしめられる。
【0033】第二の実施形態によれば、膜透過水の温度
が低下すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水
供給量が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュー
ル2上の汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑
み、上述したように、膜モジュール2を洗浄するために
供給される洗浄水の供給量が膜透過水の温度に応じて変
更される。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど洗
浄水供給量が増加せしめられる。つまり、膜透過水の温
度が低下するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離能力
が低下するのを補償すべく、膜透過水の温度が低くなる
ほど膜モジュール2に供給される洗浄水の供給量が増加
せしめられる。そのため、膜透過水の温度が低下した場
合であっても、供給量が増加せしめられた洗浄水によ
り、膜モジュール2上の汚染物質を十分に剥離させるこ
とができる。つまり、膜透過水の温度が低下したときに
膜モジュール2上の汚染物質が十分に剥離されなくなる
のに伴って膜モジュール2の性能が低下してしまうのを
抑制することができる。
【0034】以下、本発明の膜濾過装置の第三の実施形
態について説明する。第三の実施形態の膜濾過装置の構
成は、図3に示した第二の実施形態の膜濾過装置の構成
と同様である。第三の実施形態では、膜モジュール2を
洗浄する膜モジュール洗浄手段が、処理水槽4、配管9
及び洗浄水供給ポンプ12からなる洗浄水供給手段と、
薬剤貯槽5、配管10及び薬剤添加ポンプ13からなる
薬剤供給手段とによって構成されている。膜モジュール
洗浄手段による洗浄度合いは、膜透過水の温度に応じて
変更される。具体的には、水温計14により測定された
膜透過水の温度に基づいて洗浄水供給ポンプ12及び薬
剤添加ポンプ13の流量が変更される。その結果、膜モ
ジュール2に供給される薬剤の濃度が変更されると共
に、膜モジュール2に供給される洗浄水の流量が変更さ
れることになる。詳細には、膜透過水の温度が低くなる
ほど、膜モジュール2に供給される洗浄水の流量が多く
なるように洗浄水供給ポンプ12の流量が増加せしめら
れると共に、膜モジュール2に供給される薬剤の濃度が
高くなるように薬剤添加ポンプ13の流量が増加せしめ
られる。但し、膜モジュール2に供給される薬剤の濃度
が高くなりすぎると、薬剤に対する配管や弁(図示せ
ず)などの耐性が不十分になったり、膜モジュール2に
供給された後の薬剤の処理に問題が生じてしまうため、
第三の実施形態では、膜モジュール2に供給される薬剤
の濃度に上限が設けられている。
【0035】第三の実施形態によれば、膜透過水の温度
が低下すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水
供給量が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュー
ル上の汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑み、
上述したように、膜モジュール2を洗浄するために供給
される洗浄水の供給量が膜透過水の温度に応じて変更さ
れる。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど洗浄水
供給量が増加せしめられる。つまり、膜透過水の温度が
低下するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離能力が低
下するのを補償すべく、膜透過水の温度が低くなるほど
膜モジュール2に供給される洗浄水の供給量が増加せし
められる。そのため、膜透過水の温度が低下した場合で
あっても、供給量が増加せしめられた洗浄水により、膜
モジュール2上の汚染物質を十分に剥離させることがで
きる。つまり、膜透過水の温度が低下したときに膜モジ
ュール2上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに伴
って膜モジュール2の性能が低下してしまうのを抑制す
ることができる。
【0036】更に、膜透過水の温度が低下すると、洗浄
水の粘度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、そ
の結果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥
離させる能力が低下する点に鑑み、上述したように、膜
モジュール2を洗浄するために供給される薬剤の濃度が
膜透過水の温度に応じて変更される。詳細には、膜透過
水の温度が低くなるほど薬剤濃度が高くされる。つま
り、膜透過水の温度が低下するのに伴って洗浄水による
汚染物質剥離能力が低下するのを補償すべく、膜透過水
の温度が低くなるほど膜モジュール2に供給される薬剤
の濃度が高くされる。そのため、膜透過水の温度が低下
した場合であっても、濃度が高くされた薬剤により、膜
モジュール2上の汚染物質を十分に分解除去することが
できる。つまり、膜透過水の温度が低下したときに膜モ
ジュール2上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに
伴って膜モジュール2の性能が低下してしまうのを抑制
することができる。
【0037】更に第三の実施形態によれば、膜モジュー
ル2に供給される薬剤濃度が高すぎると、薬剤に対する
配管や弁などの耐性が不十分になったり、膜モジュール
2に供給された後の薬剤の処理に問題が生じてしまう点
に鑑み、第一の実施形態と同様に、膜透過水の温度が低
くなるほど膜モジュール2に供給される薬剤濃度が高く
されるものの、膜モジュール2に供給される薬剤濃度に
は上限が設けられている。そのため、膜モジュール2に
供給される薬剤濃度が高すぎるのに伴う問題点を回避す
ることができる。
【0038】以下、本発明の膜濾過装置の第四の実施形
態について説明する。図4は本発明の膜濾過装置の第四
の実施形態の概略構成図である。図4において、図1に
示した参照番号と同一の参照番号は、図1に示した部品
又は部分と同一の部品又は部分を示している。15は空
気を膜モジュール2に供給するための配管、16は空気
を膜モジュール2に供給するために配管15上に配置さ
れた空気供給ポンプである。
【0039】図4に示すように、第四の実施形態では、
膜モジュール2を洗浄する膜モジュール洗浄手段が、配
管15及び空気供給ポンプ16からなる空気供給手段
と、処理水槽4、配管9及び洗浄水供給ポンプ12から
なる洗浄水供給手段と、薬剤貯槽5、配管10及び薬剤
添加ポンプ13からなる薬剤供給手段とによって構成さ
れている。膜モジュール洗浄手段による洗浄度合いは、
膜透過水の温度に応じて変更される。具体的には、水温
計14により測定された膜透過水の温度に基づいて空気
供給ポンプ16の流量が変更され、その結果、膜モジュ
ール2に供給される空気の流量が変更されることにな
る。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど、膜モジ
ュール2に供給される空気の流量が多くなるように空気
供給ポンプ16の流量が増加せしめられる。
【0040】第四の実施形態によれば、膜透過水の温度
が低下すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水
供給量が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュー
ル上の汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑み、
上述したように、膜モジュール2を洗浄するために供給
される空気の供給量が膜透過水の温度に応じて変更され
る。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど空気供給
量が増加せしめられる。つまり、膜透過水の温度が低下
するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離能力が低下す
るのを補償すべく、膜透過水の温度が低くなるほど膜モ
ジュール2に供給される空気の供給量が増加せしめられ
る。そのため、膜透過水の温度が低下した場合であって
も、供給量が増加せしめられた空気により、膜モジュー
ル2上の汚染物質を十分に剥離させることができる。つ
まり、膜透過水の温度が低下したときに膜モジュール2
上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに伴って膜モ
ジュール2の性能が低下してしまうのを抑制することが
できる。
【0041】以下、本発明の膜濾過装置の第五の実施形
態について説明する。図5は本発明の膜濾過装置の第五
の実施形態の概略構成図である。図5において、図4に
示した参照番号と同一の参照番号は、図4に示した部品
又は部分と同一の部品又は部分を示している。図5に示
すように、第五の実施形態では、膜モジュール2を洗浄
する膜モジュール洗浄手段が、配管15及び空気供給ポ
ンプ16からなる空気供給手段と、処理水槽4、配管9
及び洗浄水供給ポンプ12からなる洗浄水供給手段と、
薬剤貯槽5、配管10及び薬剤添加ポンプ13からなる
薬剤供給手段とによって構成されている。膜モジュール
洗浄手段による洗浄度合いは、膜透過水の温度に応じて
変更される。具体的には、水温計14により測定された
膜透過水の温度に基づいて空気供給ポンプ16及び薬剤
添加ポンプ13の流量が変更され、その結果、膜モジュ
ール2に供給される空気の流量及び薬剤の濃度が変更さ
れることになる。詳細には、膜透過水の温度が低くなる
ほど、膜モジュール2に供給される空気の流量が多くな
るように空気供給ポンプ16の流量が増加せしめられる
と共に、膜モジュール2に供給される薬剤の濃度が高く
なるように薬剤添加ポンプ13の流量が増加せしめられ
る。但し、膜モジュール2に供給される薬剤の濃度が高
くなりすぎると、薬剤に対する配管や弁(図示せず)な
どの耐性が不十分になったり、膜モジュール2に供給さ
れた後の薬剤の処理に問題が生じてしまうため、第五の
実施形態では、膜モジュール2に供給される薬剤の濃度
に上限が設けられている。
【0042】第五の実施形態によれば、膜透過水の温度
が低下すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水
供給量が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュー
ル上の汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑み、
上述したように、膜モジュール2を洗浄するために供給
される空気の供給量が膜透過水の温度に応じて変更され
る。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど空気供給
量が増加せしめられる。つまり、膜透過水の温度が低下
するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離能力が低下す
るのを補償すべく、膜透過水の温度が低くなるほど膜モ
ジュール2に供給される空気の供給量が増加せしめられ
る。そのため、膜透過水の温度が低下した場合であって
も、供給量が増加せしめられた空気により、膜モジュー
ル2上の汚染物質を十分に剥離させることができる。つ
まり、膜透過水の温度が低下したときに膜モジュール2
上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに伴って膜モ
ジュール2の性能が低下してしまうのを抑制することが
できる。
【0043】更に、膜透過水の温度が低下すると、洗浄
水の粘度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、そ
の結果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥
離させる能力が低下する点に鑑み、上述したように、膜
モジュール2を洗浄するために供給される薬剤の濃度が
膜透過水の温度に応じて変更される。詳細には、膜透過
水の温度が低くなるほど薬剤濃度が高くされる。つま
り、膜透過水の温度が低下するのに伴って洗浄水による
汚染物質剥離能力が低下するのを補償すべく、膜透過水
の温度が低くなるほど膜モジュール2に供給される薬剤
の濃度が高くされる。そのため、膜透過水の温度が低下
した場合であっても、濃度が高くされた薬剤により、膜
モジュール2上の汚染物質を十分に分解除去することが
できる。つまり、膜透過水の温度が低下したときに膜モ
ジュール2上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに
伴って膜モジュール2の性能が低下してしまうのを抑制
することができる。
【0044】更に第五の実施形態によれば、薬剤貯槽5
から供給される薬剤流量が多すぎると、薬剤に対する配
管や弁などの耐性が不十分になったり、膜モジュール2
に供給された後の薬剤の処理に問題が生じてしまう点に
鑑み、上述したように、膜透過水の温度が低くなるほど
薬剤貯槽5から供給される薬剤流量が増加せしめられる
ものの、薬剤貯槽5から供給される薬剤流量には上限が
設けられている。そのため、薬剤貯槽5から供給される
薬剤流量が多すぎるのに伴う問題点を回避することがで
きる。
【0045】以下、本発明の膜濾過装置の第六の実施形
態について説明する。図6は本発明の膜濾過装置の第六
の実施形態の概略構成図である。図6において、図4に
示した参照番号と同一の参照番号は、図4に示した部品
又は部分と同一の部品又は部分を示している。図6に示
すように、第六の実施形態では、膜モジュール2を洗浄
する膜モジュール洗浄手段が、配管15及び空気供給ポ
ンプ16からなる空気供給手段と、処理水槽4、配管9
及び洗浄水供給ポンプ12からなる洗浄水供給手段と、
薬剤貯槽5、配管10及び薬剤添加ポンプ13からなる
薬剤供給手段とによって構成されている。
【0046】膜モジュール洗浄手段による洗浄度合い
は、膜透過水の温度に応じて変更される。具体的には、
水温計14により測定された膜透過水の温度に基づいて
空気供給ポンプ16の流量が変更され、その結果、膜モ
ジュール2に供給される空気の流量が変更されることに
なる。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど、膜モ
ジュール2に供給される空気の流量が多くなるように空
気供給ポンプ16の流量が増加せしめられる。更に、水
温計14により測定された膜透過水の温度に基づいて洗
浄水供給ポンプ12の流量が変更され、それに伴い、膜
モジュール2に供給される薬剤の濃度が変化しないよう
に薬剤添加ポンプ13の流量が変更される。つまり、膜
モジュール2に供給される薬剤の濃度が変更されること
なく、膜モジュール2に供給される洗浄水の流量が変更
されることになる。詳細には、膜透過水の温度が低くな
るほど、膜モジュール2に供給される洗浄水の流量が多
くなるように洗浄水供給ポンプ12の流量が増加せしめ
られる。そのとき、膜モジュール2に供給される薬剤の
濃度が変化しないように、薬剤添加ポンプ13の流量が
増加せしめられる。
【0047】第六の実施形態によれば、膜透過水の温度
が低下すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水
供給量が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュー
ル上の汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑み、
上述したように、膜モジュール2を洗浄するために供給
される空気及び洗浄水の供給量が温度に応じて変更され
る。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど空気及び
洗浄水の供給量が増加せしめられる。つまり、膜透過水
の温度が低下するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離
能力が低下するのを補償すべく、膜透過水の温度が低く
なるほど膜モジュール2に供給される空気及び洗浄水の
供給量が増加せしめられる。そのため、膜透過水の温度
が低下した場合であっても、供給量が増加せしめられた
空気及び洗浄水により、膜モジュール2上の汚染物質を
十分に剥離させることができる。つまり、膜透過水の温
度が低下したときに膜モジュール2上の汚染物質が十分
に剥離されなくなるのに伴って膜モジュール2の性能が
低下してしまうのを抑制することができる。
【0048】以下、本発明の膜濾過装置の第七の実施形
態について説明する。第七の実施形態の膜濾過装置の構
成は、図6に示した第六の実施形態の膜濾過装置の構成
と同様である。第七の実施形態では、膜モジュール2を
洗浄する膜モジュール洗浄手段が、配管15及び空気供
給ポンプ16からなる空気供給手段と、処理水槽4、配
管9及び洗浄水供給ポンプ12からなる洗浄水供給手段
と、薬剤貯槽5、配管10及び薬剤添加ポンプ13から
なる薬剤供給手段とによって構成されている。
【0049】膜モジュール洗浄手段による洗浄度合い
は、膜透過水の温度に応じて変更される。具体的には、
水温計14により測定された膜透過水の温度に基づいて
空気供給ポンプ16の流量が変更され、その結果、膜モ
ジュール2に供給される空気の流量が変更されることに
なる。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど、膜モ
ジュール2に供給される空気の流量が多くなるように空
気供給ポンプ16の流量が増加せしめられる。更に、水
温計14により測定された膜透過水の温度に基づいて洗
浄水供給ポンプ12及び薬剤添加ポンプ13の流量が変
更される。その結果、膜モジュール2に供給される薬剤
の濃度が変更されると共に、膜モジュール2に供給され
る洗浄水の流量が変更されることになる。詳細には、膜
透過水の温度が低くなるほど、膜モジュール2に供給さ
れる洗浄水の流量が多くなるように洗浄水供給ポンプ1
2の流量が増加せしめられると共に、膜モジュール2に
供給される薬剤の濃度が高くなるように薬剤添加ポンプ
13の流量が増加せしめられる。但し、膜モジュール2
に供給される薬剤の濃度が高くなりすぎると、薬剤に対
する配管や弁(図示せず)などの耐性が不十分になった
り、膜モジュール2に供給された後の薬剤の処理に問題
が生じてしまうため、第七の実施形態では、膜モジュー
ル2に供給される薬剤の濃度に上限が設けられている。
【0050】第七の実施形態によれば、膜透過水の温度
が低下すると、洗浄水の粘度が上昇して実質的な洗浄水
供給量が低下し、その結果、洗浄水によって膜モジュー
ル上の汚染物質を剥離させる能力が低下する点に鑑み、
上述したように、膜モジュール2を洗浄するために供給
される空気及び洗浄水の供給量が温度に応じて変更され
る。詳細には、膜透過水の温度が低くなるほど空気及び
洗浄水の供給量が増加せしめられる。つまり、膜透過水
の温度が低下するのに伴って洗浄水による汚染物質剥離
能力が低下するのを補償すべく、温度が低くなるほど膜
モジュール2に供給される空気及び洗浄水の供給量が増
加せしめられる。そのため、膜透過水の温度が低下した
場合であっても、供給量が増加せしめられた空気及び洗
浄水により、膜モジュール2上の汚染物質を十分に剥離
させることができる。つまり、膜透過水の温度が低下し
たときに膜モジュール2上の汚染物質が十分に剥離され
なくなるのに伴って膜モジュール2の性能が低下してし
まうのを抑制することができる。
【0051】更に、膜透過水の温度が低下すると、洗浄
水の粘度が上昇して実質的な洗浄水供給量が低下し、そ
の結果、洗浄水によって膜モジュール上の汚染物質を剥
離させる能力が低下する点に鑑み、上述したように、膜
モジュール2を洗浄するために供給される薬剤の濃度が
膜透過水の温度に応じて変更される。詳細には、膜透過
水の温度が低くなるほど薬剤濃度が高くされる。つま
り、膜透過水の温度が低下するのに伴って洗浄水による
汚染物質剥離能力が低下するのを補償すべく、膜透過水
の温度が低くなるほど膜モジュール2に供給される薬剤
の濃度が高くされる。そのため、膜透過水の温度が低下
した場合であっても、濃度が高くされた薬剤により、膜
モジュール2上の汚染物質を十分に分解除去することが
できる。つまり、膜透過水の温度が低下したときに膜モ
ジュール2上の汚染物質が十分に剥離されなくなるのに
伴って膜モジュール2の性能が低下してしまうのを抑制
することができる。
【0052】更に第七の実施形態によれば、薬剤貯槽5
から供給される薬剤流量が多すぎると、薬剤に対する配
管や弁などの耐性が不十分になったり、膜モジュール2
に供給された後の薬剤の処理に問題が生じてしまう点に
鑑み、上述したように、膜透過水の温度が低くなるほど
薬剤貯槽5から供給される薬剤流量が増加せしめられる
ものの、薬剤貯槽5から供給される薬剤流量には上限が
設けられている。そのため、薬剤貯槽5から供給される
薬剤流量が多すぎるのに伴う問題点を回避することがで
きる。
【0053】上述したすべての実施形態では、水温計1
4により測定された膜透過水の温度に基づいて洗浄水供
給ポンプ12、薬剤添加ポンプ13及び/又は空気供給
ポンプ16の流量が変更されている。他の実施形態で
は、代わりに、水温計により測定された原水の温度に基
づいて洗浄水供給ポンプ、薬剤添加ポンプ及び/又は空
気供給ポンプの流量を変更することも可能である。ある
いは、処理水槽4から膜モジュール2上に供給された洗
浄水の温度が低下したときに膜モジュール2上の汚染物
質が十分に剥離されなくなる点に鑑み、上述した実施形
態の変形例では、洗浄水供給ポンプ12、薬剤添加ポン
プ13及び/又は空気供給ポンプ16の流量を、膜モジ
ュール2に対して供給された薬剤や洗浄水のような膜モ
ジュール洗浄媒体の温度に応じて変更することも可能で
ある。膜モジュール2に対して供給された膜モジュール
洗浄媒体の温度は、実際に測定される。他の変形例で
は、膜モジュール2に対して供給された膜モジュール洗
浄媒体の温度を実際に測定するのが困難な点に鑑み、膜
モジュール2に対して供給された膜モジュール洗浄媒体
の温度が、水温計14により測定された膜透過水又は原
水の温度あるいは気温に基づいて推定される。つまり、
他の変形例では、膜モジュール洗浄手段による洗浄度合
いを、実際に測定された何らかの温度に応じて変更する
のではなく、例えば暦に基づいて推定される膜モジュー
ル洗浄媒体の温度のような、実際には測定されない温度
に応じて変更することも可能である。
【0054】
【発明の効果】請求項1〜8に記載の発明によれば、温
度が低下したときに膜モジュールの性能が低下してしま
うのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜濾過装置の第一の実施形態の概略構
成図である。
【図2】試験結果を示したグラフである。
【図3】本発明の膜濾過装置の第二の実施形態の概略構
成図である。
【図4】本発明の膜濾過装置の第四の実施形態の概略構
成図である。
【図5】本発明の膜濾過装置の第五の実施形態の概略構
成図である。
【図6】本発明の膜濾過装置の第六の実施形態の概略構
成図である。
【符号の説明】
1 原水槽 2 膜モジュール 3 限外濾過膜 4 処理水槽 5 薬剤貯槽 12 洗浄水供給ポンプ 13 薬剤添加ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA06 HA61 KC03 KC14 KC16 KD24 KE02Q KE06Q KE12Q KE16P KE23Q MA04 MB02 MC62 MC62X PA01 PB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水を濾過処理する膜モジュールと、膜
    モジュールを洗浄水によって洗浄する膜モジュール洗浄
    手段とを具備する膜濾過装置において、膜モジュール洗
    浄手段による洗浄度合いを温度に応じて変更することを
    特徴とする膜濾過装置。
  2. 【請求項2】 洗浄水に薬剤を供給するための薬剤供給
    手段を有し、温度に応じて薬剤濃度を変更することを特
    徴とする請求項1に記載の膜濾過装置。
  3. 【請求項3】 温度に応じて洗浄水供給量を変更するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の膜濾過装置。
  4. 【請求項4】 膜モジュールを洗浄する空気を供給する
    ための空気供給手段を有することを特徴とする請求項1
    に記載の膜濾過装置。
  5. 【請求項5】 原水を膜モジュールによって濾過処理
    し、洗浄水を用いた膜モジュール洗浄手段によって膜モ
    ジュールを洗浄する膜濾過方法において、膜モジュール
    を洗浄するときに、原水又は膜透過水の温度を測定し、
    膜モジュール洗浄手段による洗浄度合いを原水又は膜透
    過水の温度に応じて変更することを特徴とする膜濾過方
    法。
  6. 【請求項6】 洗浄水に薬剤を供給して膜モジュールを
    洗浄するときに、原水又は膜透過水の温度を測定し、原
    水又は膜透過水の温度に応じて薬剤濃度を変更すること
    を特徴とする請求項5に記載の膜濾過方法。
  7. 【請求項7】 洗浄水を供給することにより膜モジュー
    ルを洗浄するときに、原水又は膜透過水の温度を測定
    し、原水又は膜透過水の温度に応じて洗浄水供給量を変
    更することを特徴とする請求項5に記載の膜濾過方法。
  8. 【請求項8】 洗浄水及び空気を供給することにより膜
    モジュールを洗浄するときに、原水又は膜透過水の温度
    を測定し、原水又は膜透過水の温度に応じて空気供給量
    を変更することを特徴とする請求項5に記載の膜濾過方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014171922A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Suido Kiko Kaisha Ltd 膜の洗浄方法
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