JP2003249708A - 半導体露光光源用狭帯域エキシマレーザ装置 - Google Patents

半導体露光光源用狭帯域エキシマレーザ装置

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JP2003249708A JP2002048586A JP2002048586A JP2003249708A JP 2003249708 A JP2003249708 A JP 2003249708A JP 2002048586 A JP2002048586 A JP 2002048586A JP 2002048586 A JP2002048586 A JP 2002048586A JP 2003249708 A JP2003249708 A JP 2003249708A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】PZT素子の高速高精度な制御性をいかしつつ
ダイナミックレンジが狭いという欠点を補完し、発振波
長が突然に大きく変化する場合などにPZT素子による
高速、高精度な波長制御で確実に対処する。 【解決手段】フッ素ガスを含む半導体露光光源用狭帯域
エキシマレーザ装置において、両主放電電極の少なくと
も一方の主放電電極の少なくともその放電面に、コーテ
ィング処理が施されている。そしてPZT素子によって
波長選択素子を駆動制御する。PZT素子に与えられる
駆動電圧Vが初期値V0から限界値V1(下限値)に達し
た場合には時刻t11)、置き換え時間(t11〜t12)内
に、PZT素子がそれまでに駆動した量だけステッパモ
ータを駆動して、PZT素子駆動量をステッパモータで
保持するとともに時刻t12)、ステッパモータを駆動し
ている間にPZT素子の駆動電圧Vを初期電圧値V0に
戻す時刻t12)という置き換え制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造用の縮
小投影型露光装置(ステッパ)の光源として使用される
半導体露光光源用狭帯域エキシマレーザ装置に関する。 【従来の技術及び発明が解決する課題】1)半導体露光
光源用狭帯域エキシマレーザ装置では、露光装置内のレ
ンズ光学系の収差による露光不具合を防止するために、
露光光源であるエキシマレーザ光を狭帯域化した上で、
発振中心波長を目標波長に長期安定的に発振させるとと
もに、発振スペクトル幅Δλを所定の範囲内に収める必
要がある(発振波長および発振スペクトル幅の制御)。 2)また半導体露光光源用狭帯域エキシマレーザ装置で
は、均一な露光を実現するために、半導体ウエハ上に照
射する出力レーザ光のエネルギーを一定に制御する必要
がある(出力レーザ光のエネルギーの制御)。 【0002】まず上記1)の「発振波長および発振スペ
クトル幅の制御」の従来技術について説明する。 【0003】従来の半導体露光光源用狭帯域エキシマレ
ーザ装置では、一般的に、出力レーザ光の一部を波長モ
ニタヘ入射させ、この波長モニタで検出した出力レーザ
光の実際の発振中心波長λcrと、目標発振波長λctとの
差が小さくなるように波長選択素子を駆動する制御が行
われている。 【0004】図6は、従来技術の半導体露光光源用狭帯
域エキシマレーザ装置の構成を示している。同図6は特
願平1−128100号として既に出願され公知となっ
ている本件出願人と一部同一出願人による特許出願の内
容を示している。 【0005】同図6に示すように、レーザチャンバ10
内にはレーザガスが封入され主放電電極14、15が設
けられている。主放電電極14、15間で放電が行われ
レーザガスが励起されるとレーザチャンバ10内で光が
発生し、この光は、ウィンドウ11、12を透過し、フ
ロントミラー20と狭帯域化部30との間で共振、増幅
される。光は狭帯域化部30内のプリズム、グレーティ
ング等の波長選択素子によって狭帯域化されてフロント
ミラー20からレーザ光21として出力される。 【0006】出力レーザ光21の一部はビームスプリッ
タ41で反射されて波長モニタとしてのモニターエタロ
ン43、回折格子型分光器44へ入射される。波長モニ
タ43、44では出力レーザ光21の発振中心波長λcr
や発振スペクトル幅Δλが計測される。計測値は波長コ
ントローラ45へ送信される。 【0007】波長コントローラ45は受信した前記計測
値を目標発振波長λctと比較して、その差が許容範囲外
であればドライバ46を駆動して狭帯域化部30のプリ
ズム又はグレーティングを駆動して発振中心波長λcrを
目標値λctへ近づけるよう制御する。 【0008】以上が従来の「発振波長の制御」の内容で
ある。つぎに「発振スペクトル幅の制御」について説明
する。 【0009】発振スペクトル幅Δλが拡がると波長収差
の問題が顕在化して露光装置で製造される半導体の品質
が悪化する。発振スペクトル幅Δλが拡がる要因として
は、レーザガス全圧の変化、レーザガス中のハロゲンガ
ス濃度の変化、放電幅の拡大などが挙げられる。 【0010】そこで従来より、これらの要因を考慮して
発振スペクトルΔλの拡がりを防止する発明が特許出願
され既に公知となっている。たとえば特願平4−312
202号(出願公開済)には、レーザガス全圧やレーザ
ガス中のハロゲンガスを調整してスペクトル幅の拡がり
を防止する技術が開示されている。また特願平2−21
9602号、特願平2−219603号、特願平2−2
19604号には、電極を放電幅が変化し難いように構
成して発振スペクトル幅の拡がりを防止する技術が開示
されている。 【0011】以上が従来の「発振スペクトル幅の制御」
の内容である。 【0012】つぎに2)の「出力レーザ光のエネルギー
の制御」について説明する。 【0013】出力レーザ光のエネルギーの長期的制御
は、一般的にレーザガスの組成(特にハロゲンガス濃
度)やレーザガス全圧を調整することにより行われる。 【0014】この制御の内容を具体的に説明する。パル
ス発振するエキシマレーザの各パルス出力エネルギーE
を、ほぼ一定に維持する短期的制御は図6の主放電電極
14、15間に印加する電圧値HVの増減により行う。 【0015】例えば、i番目のパルス出力エネルギーE
iが目標値より大きい場合には、i+1番目のパルス発
振のための前記電極間の印加電圧値HVi+1を、i番
目のパルス発振時の印加電圧値HViよりも低い電圧値
に設定して制御を行う。 【0016】また、長期的にパルス発振を繰り返すと、
主放電電極14、15の材料である金属(例えばCu)
とレーザガス中のハロゲンガスとが化学反応してハロゲ
ンガスのみが減少してゆく。 【0017】レーザガス中のハロゲンガスが減少した場
合は、前記電極間の印加電圧値HVの調整ではレーザ出
力特性変動を補正しきれない場合があるため、レーザガ
ス内へハロゲンガスを補給する或いはレーザガス全圧を
上げる等のガス制御が必要になる。この制御に関しては
図4を用いて説明する。 【0018】図4は、レーザガス中に含まれるフッ素ガ
ス(F2)の濃度Rと出力レーザ光のエネルギーEとの
関係を示している。同図4に示すように、フッ素ガス濃
度Rを大きくしていくと出力レーザ光のエネルギーEは
大きくなるが、フッ素ガス濃度Rがある濃度に達すると
逆にエネルギーEが減少に転ずるという特性がある。同
図4に実線矢印Dで示す範囲がフッ素ガス濃度Rを調整
して出力レーザ光エネルギーEを制御する範囲である。 【0019】図5は、レーザガス全圧PTと出力レーザ
光のエネルギーEとの関係を示している。同図5に示す
ように、レーザガス全圧PTと出力レーザ光のエネルギ
ーEとは正の相関を有することがわかる。ただしウイン
ドウ11、12の耐圧限界があるのでレーザガス全圧も
装置としての限界がある。同図5に実線矢印Gで示す範
囲がレーザガス全圧PTを調整して出力レーザ光のエネ
ルギーEを制御する範囲である。 【0020】以上が従来の「出力レーザ光のエネルギー
の制御」の内容である。 【0021】上記「発振波長の制御」に使用されるドラ
イバとしてはPZT(ピエゾ)素子、パルスモータなど
がある。 【0022】PZT素子は、ステッパモータなどのパル
スモータに比べて高速で高精度な制御が可能である。こ
のためPZT素子を用いてプリズムなどの波長選択素子
を駆動制御すると発振波長の安定性が格段に向上する。 【0023】しかしPZT素子はステッパモータなどの
パルスモータと比較して制御可能なダイナミックレンジ
が狭いという欠点を有している。 【0024】(a) このためPZT素子の高速高精度
な制御性をいかしつつダイナミックレンジが狭いという
欠点を補完することが望まれる。 【0025】(b) しかも発振波長が突然に大きく変
化した場合などにはPZT素子による高速、高精度な波
長制御で確実に対処することが望まれる。 【0026】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、PZT素子によって波長選択素子を駆動する
に際して上記(a)、(b)の要望を満たすようにする
ことを、解決課題とするものである。 【0027】 【課題を解決するための手段、作用および効果】そこで
本発明は、解決課題を達成するために、レーザガス中に
フッ素ガスを含む半導体露光光源用狭帯域エキシマレー
ザ装置において、パルスモータとPZT素子により駆動
される波長選択素子と、PZT素子に駆動電圧を与える
ことにより波長選択素子を駆動して発振中心波長を制御
する波長制御手段と、PZT素子の駆動量をパルスモー
タに保持させるようパルスモータに駆動指令を与える置
き換え制御手段とを備え、更に、両主放電電極の少なく
とも一方の主放電電極の少なくともその放電面に、コー
ティング処理が施されていることを特徴とする。 【0028】本発明によれば図1に示すように、PZT
素子141によって波長選択素子(プリズム132)を
駆動制御することにしている。 【0029】図7に示すようにPZT素子141に与え
られる駆動電圧Vが初期値V0から限界値V1(下限値)
に達した場合には(図7(d)の時刻t11)、置き換え
時間(t11〜t12)内に、PZT素子141がそれまで
に駆動した量だけステッパモータ140を駆動して、P
ZT素子駆動量をステッパモータ140で保持するとと
もに(図7(e)の時刻t12)、ステッパモータ140
を駆動している間にPZT素子141の駆動電圧Vを初
期の電圧値V0に戻す(図7(d)の時刻t12)という
置き換え制御を行う。これによりPZT素子141の高
速高精度な制御性をいかしつつダイナミックレンジが狭
いという欠点を、ステッパモータ140の駆動によって
PZT素子駆動量を保持するという制御で補完するよう
にしている。 【0030】以上の説明ではPZT素子の駆動電圧を低
下させて制御を行う例を示したが、発振波長が長波長側
又は短波長側のいずれかの変化する方向に応じてプリズ
ム132の回転方向を変える必要がある。したがって、
前記プリズム132の回転方向に応じてPZT素子の駆
動電圧を低下又は上昇させて制御を行う。前記駆動電圧
を上昇させて制御を行う場合は、前記駆動電圧Vが上限
値に達した場合にステッパモータ140によってPZT
素子駆動量を保持し、PZT素子駆動電圧を初期の電圧
値V0へ戻す。 【0031】これにより上記要望(a)に応えることが
できる。 【0032】本発明では、両主放電電極14、15の少
なくとも一方の主放電電極の少なくともその放電面に、
コーティング処理が施されている。 【0033】コーティング処理が施されている電極(以
下、「コーティング電極」という)は、フッ素ガスF2の
消費量が少ないためフッ素ガス濃度の制御やレーザガス
全圧の制御を行う機会が減る。またフッ素ガス濃度の可
変範囲やレーザガス全圧の可変範囲を狭くすることがで
きる。このため図7(a)に示す発振中心波長λcrの変
化特性Iの傾きは、特性I′に示すように緩やかにな
る。 【0034】これに伴いPZT素子141に与える駆動
電圧Vの変化特性Kの傾きは、図7(d)に特性K′に
示すように緩やかになる。これにより上記置き換え制御
を行う機会が少なくなるとともに全体として置き換え時
間も短くなる。 【0035】置き換え制御を行う機会が少なくなり置き
換え時間の合計が短くなるということは、PZT素子1
41を用いて高速で高精度な発振波長の制御が実行され
ている時間が長くなることを意味する。 【0036】たとえば発振波長が突然大きく変化した場
合を想定する。 【0037】置き換え制御が頻繁に行われ全体の置き換
え時間が長い場合には、発振波長が突然大きく変化した
ときに置き換え制御実行中と重なってしまうことが多
く、PZT素子141による高速高精度な波長制御(置
き換え制御実行中以外の時間に行われる制御)によって
発振波長を目標波長に戻すことができなくなるおそれが
ある。 【0038】しかし本発明によれば置き換え制御が行わ
れる機会が少なくなり全体の置き換え時間が短くなるの
で、発振波長が突然大きく変化したときに置き換え制御
と重なることが少なくなり、PZT素子141による高
速高精度な波長制御によって発振波長を目標波長に迅速
に戻すことができるようになる。 【0039】これにより上記要望(b)に応えることが
できる。 【0040】 【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態について説明する。 【0041】図1は実施形態の半導体露光光源用狭帯域
エキシマレーザ装置の構成を示している。 【0042】図1の構成は、図6で説明した従来の装置
構成の構成要素と一部一致しており同様の機能のものに
は同一符号を付している。 【0043】すなわちレーザチャンバ10内にはレーザ
ガスが封入されている。レーザチャンバ10は金属製で
あり、KrFエキシマレーザであればフッ素ガスF2,希ガ
スとしてのクリプトンKr,バッファガスとしてのネオン
Neを混合したレーザガスが封入されている。またArFエ
キシマレーザであればフッ素ガスF2,希ガスとしての
アルゴンAr,バッファガスとしてのNeを混合したレーザ
ガスが封入されている。 【0044】レーザチャンバ10には、レーザチャンバ
10内で発生する光を外部へ取り出すためのウィンドウ
11、12が設けられている。これらウィンドウ11、
12は紫外線を透過させることができ、レーザガス組成
にフッ素ガスF2を含むことから、フッ素ガスF2に耐性
のある材質、たとえばフッ化カルシウムで構成されてい
る。 【0045】レーザチャンバ10内には、放電によって
レーザガスを励起させるべく一対の主放電電極14、1
5が設けられている。これら主放電電極14、15には
電源装置23から高圧の電圧HVが印加され主放電電極
14、15間で放電が行われる。 【0046】図中、主放電電極14、15は、紙面と平
行に設けられている。主放電電極14、15はそれぞれ
紙面手前と紙面奥側に設置されているので、紙面奥側の
電極は紙面手前側の電極の陰に隠れて図示されていな
い。 【0047】狭帯域化モジュール130は、図6の狭帯
域化部30とドライバ46に相当するものであり、筐体
131の内部に複数のビームエキスパンダプリズム13
2と波長選択グレーティング133とドライバとしてス
テッパモータ140、PZT(ピエゾ)素子141、回
転ステージ13が設けられている。複数のプリズム13
2のうち所定のプリズム132は回転ステージ13上に
固定されている。回転ステージ13は、図中紙面に直行
する軸を中心に回転が可能な状態に配置されているもの
とする。回転ステージ13の回転駆動力は、ステッパモ
ータ140の駆動と、このステッパモータ140の駆動
シャフト先端に取り付けられたPZT素子141の伸縮
駆動によって与えられる。 【0048】主放電電極14、15間で放電が行われレ
ーザガスが励起されるとレーザチャンバ10内で光が発
生する。この光は狭帯域化モジュール130内のプリズ
ム132、グレーティング133という波長選択素子に
よって狭帯域化される。 【0049】すなわちレーザチャンバ10内で発生しウ
インドウ12を透過した光ビーム120は、筐体131
の内部へ入射する。そして、光ビーム120はプリズム
132で光ビーム幅が拡大されて、グレーティング13
3の溝形成面へ入射する。 【0050】なお本実施例の主放電電極14、15とプ
リズム132及びグレーティング133の配置関係につ
いて説明すると、主放電電極14から主放電電極15へ
向かう放電方向とプリズム132による光ビーム幅拡大
方向とは直行し、かつ放電方向とグレーティング133
の溝形成方向とは平行になるように、各部品が配置され
ているものとする。 【0051】筐体131には筐体131の内部ヘパージ
ガスを導入する孔135が設けられている。孔135か
らは、清浄な窒素ガス等の不活性ガス145がパージガ
スとして筐体131の内部へ連続的に導入される。導入
された不活性ガス145によって筐体131内部の不純
物が外部ヘ排出される。 【0052】レーザチャンバ10内で発生した光は、ウ
ィンドウ11、12を透過し、半透過型のフロントミラ
ー20と狭帯域化モジュール130との間で共振、増幅
される。レーザチャンバ10内で発生した光はフロント
ミラー20とグレーティング133との間を往復しなが
ら主放電電極14、15間のゲイン領域で増幅されつつ
狭帯域化されて、フロントミラー20から出力レーザ光
21として出射される。 【0053】出力レーザ光21の一部はビームスプリッ
タ41で反射される。反射したレーザ光21は、波長モ
ニタ37およびエネルギーモニタ38へ入射される。 【0054】エネルギーモニタ38では、各パルス毎に
出力レーザ光21のエネルギーEが計測される。計測さ
れた出力レーザ光21のエネルギーEはレーザコントロ
ーラ29に送信される。レーザコントローラ29では、
計測した実際の出力レーザ光21のエネルギーEと目標
出力レーザ光のエネルギーEPTとを比較する処理が実
行される。この比較の結果、出力レーザ光21の実際の
エネルギーEが目標値EPTに対して過剰又は過少であ
れば、レーザコントローラ29は、過剰又は過小分を補
正するための電圧指令を電源装置23に送信する。これ
により電源装置23は、出力レーザ光21のエネルギー
Eを目標値EPTにするために電極印加電圧HVを主放
電電極14、15に印加する。これにより出力レーザ光
21のエネルギーEが補正されて目標値EPTに一致さ
せることができる。 【0055】同様に、波長モニタ37では、各パルス毎
に出力レーザ光21の発振中心波長λcrおよびスペクト
ル幅Δλが計測される。計測された発振中心波長λcrお
よびスペクトル幅Δλはレーザコントローラ29に送信
される。レーザコントローラ29では、計測した実際の
発振中心波長λcrと目標発振波長λctとを比較するとも
に、実際のスペクトル幅Δλと目標スペクトル幅Δλt
とを比較する処理が実行される。 【0056】この比較の結果、実際の発振中心波長λcr
と目標発振波長λctとの差が許容範囲外である場合に
は、目標値λct、Δλtに一致させるために駆動指令を
ドライバとしてのステッパモータ140、PZT素子1
41に出力する。これにより回転ステージ13が回転
し、この回転に応じてプリズム132の姿勢が変化し、
実際の発振中心波長λcrが目標値λctに一致する。 【0057】ステッパモータ140に駆動指令が与えら
れると、この駆動指令に応じた回転位置にステッパモー
タ140が回転し、このステッパモータ140の回転位
置に応じた回転角まで回転ステージ13が回転する。そ
して回転ステージ13の回転位置に応じた姿勢にプリズ
ム132が位置決めされる。同様にPZT素子141に
駆動指令が与えられると、この駆動指令に応じてPZT
素子141が伸縮し、このPZT素子141の伸縮位置
に応じた回転角まで回転ステージ13が回転する。そし
て回転ステージ13の回転位置に応じた姿勢にプリズム
132が位置決めされる。 【0058】プリズム132が回転しその姿勢が変化す
ると、グレーティング133への光ビーム120の入射
角度Φが変化する。これにより光ビーム120の選択波
長を変えることができ、出力レーザ光21の実際の発振
中心波長λcrを目標発振波長λctに一致させることがで
きる。 【0059】本実施形態では、主放電電極14、15の
うちアノード側の電極の放電面に、セラミックス材を含
むコーティング材によってコーティング処理が施されて
いる。 【0060】ここでコーティング電極をアノード側の電
極としているのは、アノード側電極は摩耗が激しい電極
であるという理由による。しかし本発明としてはアノー
ド側電極に限ることなく、アノード側電極およびカソー
ド側電極の双方をコーティング電極として構成してもよ
い。また実施形態では放電面のみコーティング処理が施
されているが、電極全体に渡りコーティング処理が施さ
れてもよい。また実施形態では、コーティング材として
セラミックス材を含むようにしているが、後述のコーテ
ィング電極の特性(1)〜(6)のうち少なくともいず
れか1つの有用な効果が得られるコーティング材であれ
ばよい。 【0061】なお、セラミックス材としては耐ハロゲン
ガスという観点で高純度アルミナセラミックスが望まし
い。また、セラミックス材を含むコーティング材として
はセラミックス剤と金属との混合物が望ましい。混合す
る金属は導電性等の観点からCu(銅)が望ましい。 【0062】つぎに以上の構成において、主放電電極1
4、15のうち少なくとも一方の電極の少なくともその
放電面にコーティング処理が施されていることによる作
用、効果について説明する。 【0063】・第1の実施形態 まず図1に示す半導体露光光源用狭帯域エキシマレーザ
装置の主放電電極14、15のうち少なくとも一方の電
極の少なくともその放電面にコーティング処理が施され
ている場合について説明する。コーティング電極それ自
体は、つぎのような特性を備えている。 【0064】(1)電極印加電圧HVを下げたとしても
ノーコート電極(コーティング処理が施されていない主
放電電極14、15)に比べてエネルギーのばらつきσ
Eの悪化が少ない。 【0065】(2)ノーコート電極に比べて電極削れ量
が少ない。 【0066】(3)ノーコート電極に比べて電極削れ量
が少ないのでフッ素ガス消費量も少ない。 【0067】(4)ノーコート電極に比べて電極削れ量
が少ないのでレーザガス中に発生するダストも少ない。 【0068】(5)ノーコード電極に比べて出力(パワ
ー)は出難い。 【0069】(6)電極印加電圧HVを、ある電圧値以
下に下げるとノーコート電極に比べてレーザ光エネルギ
ーEが大きくなる逆転現象を生ずる。 【0070】第1の実施形態によれば、両主放電電極1
4、15の少なくとも一方の主放電電極の少なくともそ
の放電面に、コーティング処理が施されているので、上
記特性(5)に示すデメリットはあるものの上記特性
(1)〜(6)に相当する有用な効果が得られる。 【0071】なお本第1の実施形態において、レーザ装
置の運転は任意であり、後述する波長チャープが問題と
なるバーストモード運転(パルスレーザ光の発振休止と
パルスレーザ光の連続発振を交互に繰返すバースト発振
動作で行われる運転)で運転される場合に限定されるわ
けではない。 【0072】・第2の実施形態 つぎに、図1に示す半導体露光光源用狭帯域エキシマレ
ーザ装置を、バーストモードつまりパルスレーザ光の発
振休止とパルスレーザ光の連続発振を交互に繰返すバー
スト発振動作で運転する場合について説明する。 【0073】バーストモードで運転する場合には波長チ
ャープが発生して発振波長が安定しなくなるという問題
が発生する。 【0074】図2を用いて波長チャープについて説明す
る。図2の横軸は経過時間tを示し縦軸はパルスレーザ
光の発振中心波長λcrを示している。 【0075】同図2にMで示すように、波長チャープと
は、パルスレーザ光の発振休止とパルスレーザ光の連続
発振を交互に繰返すいわゆるバーストモードでの発振動
作を行うときに、連続パルス発振初期における数〜数十
パルスの発振中心波長λcrが目標発振波長λctからδλ
だけ外れるという現象である。 【0076】波長チャープ自体は電極印加電圧HVを下
げれば減少すると考えられている。しかし電極印加電圧
HVを下げると出力レーザ光21のエネルギーのばらつ
きσEが大きくなるという問題が発生する。 【0077】ここで主放電電極14、15をコーティン
グ電極にすると、上記特性(1)が得られ、これにより
エネルギーのばらつきσEの悪化を最小にくいとめつつ
波長チャープを抑制することができる。これについて図
3を参照して説明する。 【0078】図3は、横軸に電極印加電圧HVをとり縦
軸に出力レーザ光エネルギーのばらつきσEをとったグ
ラフを示している。 【0079】ノーコート電極の場合、図3のBに示すよ
うに、波長チャープを減少させるべく電極印加電圧HV
を低下させると、出力レーザ光のエネルギーのばらつき
σEが大きくなってしまう。これに対してコーティング
電極の場合、図3のAに示すように、波長チャープを減
少させるべく電極印加電圧HVを低下させると、出力レ
ーザ光のエネルギーのばらつきσEが大きくなる点では
ノーコード電極の場合と同様の傾向を示すが、同じ電極
印加電圧であればノーコート電極の場合よりもエネルギ
ーのばらつきσEの悪化は少ない。 【0080】電極印加電圧HVが下がれば、パルスレー
ザ発振休止状態から連続パルス発振動作へ移った直後の
レーザガスの急激な温度変化や放電による音響波のレベ
ルが下がり波長チャープが減少する。 【0081】電極印加電圧HVを下げるに伴い出力レー
ザ光のエネルギーのばらつきσEが大きくなるものの、
そのばらつきσEの悪化は、ノーコート電極と比較して
抑制される。このため半導体ウエハ上に照射する出力レ
ーザ光のエネルギーを一定に維持でき均一な露光を維持
することができる。 【0082】そこで本第2の実施形態では、バーストモ
ードで運転が行われ波長チャープの発生が問題となる半
導体露光光源用狭帯域発エキシマレーザ装置において、
主放電電極14、15に印加する電圧HVを、波長チャ
ープが減少する程度まで低下させるとともに、両主放電
電極14、15の少なくとも一方の主放電電極の少なく
ともその放電面に、コーティング処理が施されている。
これにより波長チャープが減少するとともに出力レーザ
光のエネルギーのばらつきσEが少なくなり、バースト
モード運転時における発振波長が安定化するとともに露
光を均一に行うことができるようになる。 【0083】・第3の実施形態 ところで上記第2の実施形態において、電極印加電圧H
Vを下げれば、各パルス光のエネルギーEのレベルも比
例して低下してしまい露光に必要なレーザ光のエネルギ
ーEのレベルを確保することができなくなる。このため
エネルギーEのレベルが低下した分を補償する必要があ
る。 【0084】そこで本第3の実施形態では、第2の実施
形態の構成に加えて、電極印加電圧HVを低下させるこ
とに伴い露光に必要なレーザ光のエネルギーEが低下し
た分を補償する補償手段を備えるようにしている。この
補償手段は、レーザチャンバ10のレーザガスの組成を
調整する手段、たとえばフッ素ガスF2の濃度を調整す
る手段あるいはレーザガス全圧PTを調整する手段で具
現化することができる。 【0085】たとえばフッ素ガスF2の濃度を図4に示
す制御範囲Cで調整することで、電極印加電圧HVを低
下させることに伴い露光に必要なレーザ光のエネルギー
Eが低下した分を補償する。 【0086】またレーザガスの全圧PTを図5に示す制
御範囲Fで調整することで、電極印加電圧HVを低下さ
せることに伴い露光に必要なレーザ光のエネルギーEが
低下した分を補償する。 【0087】上記特性(6)で説明したように、コーテ
ィング電極は電極印加電圧HVを、ある電圧値以下に下
げるとノーコート電極に比べてレーザ光エネルギーEが
大きくなる逆転現象を生ずる特性を備えている。したが
って、前記印加電圧HVが前記逆転現象を生じさせる電
圧値以下であればノーコート電極を用いるよりもレーザ
光エネルギーEの前記補償は容易となる。 【0088】・第4の実施形態 つぎにレーザガス中にフッ素ガスF2を含む半導体露光
光源用狭帯域エキシマレーザ装置において、両主放電電
極14、15の少なくとも一方の主放電電極の少なくと
もその放電面に、コーティング処理が施されている実施
形態について説明する。 【0089】ノーコート電極を用いて「出力レーザ光の
エネルギーの制御」を行う場合、図4に説明したように
実線矢印Dで示す制御範囲でフッ素ガス濃度Rを調整し
て出力レーザ光のエネルギーEを制御していた。また図
5で説明したように、実線矢印Gで示す制御範囲でレー
ザガス全圧PTを調整して出力レーザ光のエネルギーE
を制御していた。 【0090】これに対してノーコート電極の代わりにコ
ーティング電極を採用すると、電極印加電圧HVが上記
特性(6)で説明した前記逆転現象を生じさせる電圧値
よりも大きい場合においては、ノーコート電極に比べて
電極印加電圧HVが同じ場合でも出力レーザ光21のエ
ネルギーEのレベルは低下する。 【0091】また、波長チャープ抑制のために電極印加
電圧HVを低下させているので出力レーザ光21のエネ
ルギーEは一層低下することになる。この問題の解決に
ついて説明する。 【0092】コーティング電極を採用して電極印加電圧
値HVを下げた場合には、図4の破線矢印Cに示すよう
にノーコート電極の場合の制御範囲Dのうちフッ素ガス
濃度Rが高い領域内でフッ素ガス濃度Rを調整して出力
レーザ光エネルギーEを制御する。またコーティング電
極を採用して電極印加電圧値HVを下げた場合には、図
5の破線矢印Fに示すようにノーコート電極の場合の制
御範囲Gのうちレーザガス全圧PTが高い領域内でレー
ザガス全圧PTを調整して出力レーザ光のエネルギーE
を制御する。図4、図5ではフッ素ガス濃度R、レーザ
ガス全圧PTの上限を変更していないが、コーティング
電極採用に伴い上限値を上昇させてもよい。 【0093】なお、電極印加電圧HVが上記特性(6)
で説明した前記逆転現象を生じさせる電圧値よりも小さ
い場合においては、コーティング電極はノーコート電極
に比べてレーザ光エネルギーEが大きくなるので、ノー
コート電極を用いるよりも電極印加電圧HVを低下させ
ることに伴い露光に必要なレーザ光のエネルギーEが低
下した分を補償することは容易となる。 【0094】ここで上記特性(3)で説明したようにコ
ーティング電極はフッ素ガス消費量が少ないという特性
を備えているので、ノーコート電極に比べてフッ素ガス
濃度Rの可変範囲またはガス全圧PTの可変範囲を更に
狭めることができる。 【0095】このように本第4の実施形態によれば、出
力レーザ光のエネルギーEを一定にするためのレーザガ
ス組成(フッ素ガス濃度R)、レーザガス全圧PTの調
整範囲を、より狭めることができるようになり、出力レ
ーザ光のエネルギーEの制御を、より安定して、より精
度よく行えることができるようになる。 【0096】なお本第4の実施形態において、レーザ装
置の運転は任意であり、波長チャープが問題となるバー
ストモード運転(パルスレーザ光の発振休止とパルスレ
ーザ光の連続発振を交互に繰返すバースト発振動作で行
われる運転)で運転される場合に限定されるわけではな
い。 【0097】・第5の実施形態 PZT素子141は、ステッパモータ140などのパル
スモータに比べて高速で高精度な制御が可能である。こ
のためPZT素子141を用いてプリズム132などの
波長選択素子を駆動制御すると発振波長の安定性が格段
に向上する。しかしPZT素子141はステッパモータ
140などのパルスモータと比較して制御可能なダイナ
ミックレンジが狭いという欠点を有している。 【0098】そこで本第5の実施形態では、基本的には
PZT素子141によってプリズム132を駆動制御す
ることにし、PZT素子141に与えられる駆動電圧V
が初期値V0から限界値V1(下限値)に達した場合に
は、PZT素子141がそれまでに駆動した量だけステ
ッパモータ140を駆動して、PZT素子駆動量をステ
ッパモータ140で保持するとともに、ステッパモータ
140を駆動している間にPZT素子141の駆動電圧
Vを初期の電圧値V0に戻すという置き換え制御を行
い、PZT素子141の高速高精度な制御性をいかしつ
つダイナミックレンジが狭いという欠点を、ステッパモ
ータ140の駆動によってPZT素子駆動量を保持する
という制御で補完するようにしている。 【0099】この制御内容について図7を参照して説明
する。 【0100】図7(a)は、レーザコントローラ29に
よる波長制御を行わずに発振波長の変化を放置した場合
に、初期値の発振中心波長をλ0として実際の発振中心
波長λcrが変化する様子を特性Iで示している。また図
7(b)はレーザ発振のオン(ON)、オフ(OFF)
の状態変化Hを示している。 【0101】図7(c)、(d)、(e)は本実施形態
による置き換え制御を実行した場合を示している。 【0102】図7(c)は上記初期値λ0を目標値とし
たとき目標値λ0と実際の発振中心波長λcrとの差δλc
oが変化する様子Jを示している。 【0103】図7(d)はPZT素子141に与えられ
る駆動電圧Vの変化Kを示している。PZT素子141
にはV0を初期値(電圧値0)として下限値をV1とする
駆動電圧Vが与えられて駆動する。つまりPZT素子1
41の駆動量つまり伸縮範囲は、電圧値Vが変化する範
囲V0〜V1によって規定される。 【0104】図7(e)はステッパモータ140に与え
られる指令パルス数Pの変化Lを示している。ステッパ
モータ140にはP0を初期値(指令パルス数0)とし
て下限を無限大とする指令パルス数Pが与えられて駆動
する。 【0105】図7(a)〜(e)の横軸は時間軸tで共
通である。 【0106】いまレーザコントローラ29で波長制御を
行わなかった場合を想定する。この場合にはレーザ発振
が時刻t10でONされてから(図7(b)参照)、レー
ザ発振中心波長λcrが初期の目標値λ0から徐々に増大
していく(図7(a)参照)。こうした波長変化の要因
は、レーザガスや他の部分の温度変化、フッ素ガス濃度
Rの変動、レーザガス全圧PTの変動などが考えられ
る。レーザガスやレーザ装置の温度変化は、共振器長や
波長選択素子の光学特性を変化させる可能性がある。ま
たレーザガスの屈折率はレーザガスの種類や密度によっ
て変化するので、フッ素ガス濃度Rの変化やレーザガス
全圧PTの変化により共振器の光学路長が変化して発振
波長がずれてくる可能性がある。 【0107】これに対してレーザコントローラ29で波
長制御を行ったものとする。この場合には、レーザ発振
が時刻t10でONされてから(図7(b)参照)、PZ
T素子141に駆動電圧Vが与えられるとともに(図7
(d)参照)、ステッパモータ140にパルス数指令P
が与えられ(図7(e)参照)、目標波長λ0と実際の
発振中心波長λcrとの差である波長誤差δλcoがほぼ零
になる(図7(c)参照)。 【0108】すなわち図7(d)に示すように、図7
(a)に示される時刻t10〜時刻t11における波長変動
分を補償すべくPZT素子141に与えられる駆動電圧
Vは同時刻t10〜t11の間において初期値V0から下限
値V1まで変化する。この電圧変化に応じた駆動量だけ
PZT素子141は駆動する。しかしながらPZT素子
141自体は、これ以上駆動することができないので、
つぎの時刻t11〜t12の間に駆動電圧Vは初期値V0ま
で戻されて、PZT素子141は初期の駆動位置に復帰
する。一方PZT素子141の駆動電圧Vを初期値V0
に戻している間(時刻t11〜t12の間:以下「置き換え
時間」という)に、PZT素子141がそれまでに駆動
した量(V1−V0相当分)だけステッパモータ140を
駆動すべくパルス数指令P1が与えられる。これにより
ステッパモータ140は、PZT素子141が時刻t10
〜t11の間で駆動した駆動量だけ駆動され、PZT素子
141の駆動量を保持する。 【0109】以下同様に、図7(a)に示される時刻t
11〜時刻t13における波長変動分を補償すべく、時刻t
12〜時刻t13間でPZT素子141が駆動して、PZT
素子141に与えられる駆動電圧Vが限界値V1(下限
値)に達すると、つぎの置き換え時間(時刻t13〜時刻
t14)内に、PZT素子141がそれまでに駆動した量
(2(V1−V0分))に相当するパルス数指令(P2)
をステッパモータ140を与えてステッパモータ140
を駆動して、PZT素子141がこれまでに駆動した量
を保持する(図7(e)の時刻t14参照)。これととも
に同置き換え時間(時刻t13〜時刻t14)内にステッパ
モータ140が駆動されている間に、PZT素子141
の駆動電圧Vを初期の電圧値V0に戻す制御が行われる
(図7(d)の時刻t13〜時刻t14参照)。 【0110】ここで本実施形態では、両主放電電極1
4、15の少なくとも一方の主放電電極の少なくともそ
の放電面に、コーティング処理が施されている。 【0111】コーティング電極は上記特性(3)で説明
したように、フッ素ガスF2の消費量が少ないためフッ
素ガス濃度Rの制御やレーザガス全圧PTの制御を行う
機会が減る。このため、図7(a)に示す発振中心波長
λcrの変化特性Iの傾きは、特性I′に示すように緩や
かになる。また図4、図5で説明したようにフッ素ガス
濃度Rの可変範囲やレーザガス全圧PTの可変範囲を狭
くすることができる。この可変範囲を狭くすることによ
っても図7(a)に示す発振中心波長λcrの変化特性I
の傾きは、特性I′に示すように緩やかになる。更にコ
ーティング電極を採用して、且つフッ素ガス濃度Rの可
変範囲やレーザガス全圧PTの可変範囲を狭くすること
によって図7(a)に示す発振中心波長λcrの変化特性
Iの傾きは、一層緩やかになる。 【0112】これに伴いPZT素子141に与える駆動
電圧Vの変化特性Kの傾きは、図7(d)に特性K′に
示すように緩やかになる。これにより図7(e)L’に
示すように上記置き換え制御を行う機会が少なくなると
ともに全体として置き換え時間も短くなる。 【0113】置き換え制御を行う機会が少なくなり置き
換え時間の合計が短くなるということは、PZT素子1
41を用いて高速で高精度な発振波長の制御が実行され
ている時間が長くなることを意味する。 【0114】たとえば発振波長が突然大きく変化した場
合を想定する。 【0115】置き換え制御が頻繁に行われ全体の置き換
え時間が長い場合には、発振波長が突然大きく変化した
ときに置き換え制御実行中と重なってしまうことが多
く、PZT素子141による高速高精度な波長制御(置
き換え制御実行中以外の時間に行われる制御)によって
発振波長を目標波長に戻すことができなくなるおそれが
ある。 【0116】しかし本実施形態によれば置き換え制御が
行われる機会が少なくなり全体の置き換え時間が短くな
るので、発振波長が突然大きく変化したときに置き換え
制御と重なることが少なくなり、PZT素子141によ
る高速高精度な波長制御によって発振波長を目標波長に
迅速に戻すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本実施形態の半導体露光光源用狭帯域エ
キシマレーザ装置の構成を示す図である。 【図2】図2は波長チャープを説明する図である。 【図3】図3は電極印加電圧と出力レーザ光エネルギー
のばらつきとの関係を示す図である。 【図4】図4はフッ素ガス濃度と出力レーザ光エネルギ
ーとの関係を示す図である。 【図5】図5はレーザガス全圧と出力レーザ光エネルギ
ーとの関係を示す図である。 【図6】図6は狭帯域発振エキシマレーザ装置を例示す
る図である。 【図7】図7は本実施形態における波長制御を説明する
図である。 【符号の説明】 14、15 主放電電極 29 レーザコントローラ 132 ビームエキスパンダプリズム(波長選択素子) 140 ステッパモータ 141 PZT素子
フロントページの続き (72)発明者 溝口 計 神奈川県平塚市万田1200 ギガフォトン株 式会社内 (72)発明者 三村 龍夫 神奈川県平塚市万田1200 ギガフォトン株 式会社内 (72)発明者 堀 司 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 住谷 明 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 Fターム(参考) 2H097 CA13 GB00 LA10 5F046 BA04 CA04 DA01 5F071 AA06 CC08 FF03 FF09 JJ03 JJ05 5F072 AA06 FF03 HH02 HH05 JJ03 JJ05 KK07 KK18 KK26 MM12 MM19 RR05 YY09

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 レーザガス中にフッ素ガスを含む半導
    体露光光源用狭帯域エキシマレーザ装置において、 パルスモータとPZT素子により駆動される波長選択素
    子と、 PZT素子に駆動電圧を与えることにより波長選択素子
    を駆動して発振中心波長を制御する波長制御手段と、 PZT素子の駆動量をパルスモータに保持させるようパ
    ルスモータに駆動指令を与える置き換え制御手段とを備
    え、更に、 両主放電電極の少なくとも一方の主放電電極の少なくと
    もその放電面に、コーティング処理が施されていること
    を特徴とする半導体露光光源用狭帯域エキシマレーザ装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10916910B2 (en) 2017-04-26 2021-02-09 Gigaphoton Inc. Line narrowing module
US11264773B2 (en) 2017-06-13 2022-03-01 Gigaphoton Inc. Laser apparatus and method for manufacturing optical element

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