JP2003249277A - 色素増感太陽電池電極 - Google Patents

色素増感太陽電池電極

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JP2003249277A
JP2003249277A JP2002047078A JP2002047078A JP2003249277A JP 2003249277 A JP2003249277 A JP 2003249277A JP 2002047078 A JP2002047078 A JP 2002047078A JP 2002047078 A JP2002047078 A JP 2002047078A JP 2003249277 A JP2003249277 A JP 2003249277A
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film
sensitized solar
solar cell
conductive film
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JP2002047078A
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Mitsuo Yaguchi
充雄 矢口
Koichi Takahama
孝一 高濱
Koji Kishimoto
広次 岸本
Naoko Doi
尚子 土井
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色素増感太陽電池の光電変換効率を向上する
ことができる色素増感太陽電池電極を提供する。 【解決手段】 導電性を有する透明基材1の表面にゾル
をコートして設けた粒子膜2と、透明基材1より導電性
の高い導電膜4とを、それぞれ透明基材1と電気的に接
した状態で設け、粒子膜2の表面に色素3を吸着又は結
合させている色素増感太陽電池電極において、上記導電
膜4が、Zr、Co、W及びTaよりなる群の中から選
ばれた金属を用いて形成した膜である色素増感太陽電池
電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光または人工
光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する色素増感
太陽電池に用いられる色素増感太陽電池電極に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】色素増感型太陽電池は、Nature,
353(1991)P737のB.O’Reganと
M.Glatzelの報告以来、太陽光または人工光の
光エネルギーを電気エネルギーに変換するものとして注
目され、各国で追試や改良が行われている。日本におい
ても、有機色素を用いて増感する太陽電池が特開平10
−92477号公報等で開示されている。
【0003】色素増感型太陽電池の典型的な基本構成
は、図4に示すように、導電性を有する透明基材1上に
金属酸化物の粒子膜2を形成した後、この粒子膜2に色
素3を吸着させた色素増感太陽電池電極10と、電解質
層7を介して対極8とを備えるものである。
【0004】上記色素増感太陽電池電極10は、ガラス
基板1aの表面にフッ素が添加された酸化スズ等の透明
導電膜1bを形成して透明基材1とし、その表面に、酸
化チタン等の金属酸化物の粒子を分散したゾルをドクタ
ーブレード法等によって塗布し、この金属酸化物を塗布
した透明基材1を500℃程度の温度で焼成して粒子膜
2を形成した後、シス−ビス(イソチオシアナート)ビ
ス(2,2’−ビピリジルー4,4’−ジカルボキシレ
ート)ルテニウムなどのRu錯体を用いた色素3を吸着
させて作成されている。
【0005】また、上記対極8は、ガラス基板8aに白
金8bを蒸着したものが汎用されている。実験等のため
に簡易的に作製する場合、対極8は、ガラス基板8aの
表面を鉛筆で黒く塗ることでカーボンを付着させたもの
を用いることもできる。上記色素増感型太陽電池の電解
質層7は、例えば、エチレンカーボネートとアセトニト
リルの混合溶液にヨウ化テトラプロピルアンモニウムと
ヨウ素を混合したものが用いられ、液漏れを防止するた
めに固体化したものが利用されているものもある(例え
ば、特開2000―90990号公報等)。
【0006】上記のような構成の色素増感型太陽電池
は、一般の太陽電池であるP−N接合型半導体太陽電池
と比較して、製造に真空を必要としないので製造のため
のエネルギーが小さい点、資源枯渇が危惧されているシ
リコン等の材料を用いない点、コスト的にも低コストで
作製が可能である点等の理由から、新しい太陽電池とし
て注目されている。
【0007】ところが、上記色素増感太陽電池は、色素
3から酸化チタン等の金属酸化物の粒子膜2へ注入され
た電子は、粒子膜2の内部を伝わり、透明基材1の透明
導電膜1bに注入され、透明導電膜1b内部を伝わり、
透明基材1の一端に設けられた取り出し電極から、外部
に取り出されので、透明導電膜1bの抵抗が高いと、光
電変換効率の減少に繋がるという問題があった。
【0008】本出願人は、すでに、上記問題を解決する
手段として、導電性を有する透明基材の表面に、粒子膜
と、金を用いて形成した導電膜とを、それぞれ透明基材
と電気的に接した状態で設けることで、色素増感太陽電
池電極の内部抵抗を低減させ、色素増感太陽電池の光電
変換効率を上昇させることが可能なことを見出し、特開
2001−357898公報に開示している。
【0009】しかし、色素増感太陽電池の光電変換効率
は実用化に対しては、さらなる光電変換効率の改善が求
められているのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みてなされたものであり、色素増感太陽電池の光電変
換効率を向上することができる、色素増感太陽電池電極
を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の色
素増感太陽電池電極は、導電性を有する透明基材の表面
にゾルをコートして設けた粒子膜と、透明基材より導電
性の高い導電膜とを、それぞれ透明基材と電気的に接し
た状態で設け、粒子膜の表面に色素を吸着又は結合させ
ている色素増感太陽電池電極において、上記導電膜が、
Zr、Co、W及びTaよりなる群の中から選ばれた金
属を用いて形成した膜であることを特徴とする。
【0012】請求項2に係る発明の色素増感太陽電池電
池電極は、請求項1記載の色素増感太陽電池電極におい
て、上記Zr、Co、W及びTaよりなる群の中から選
ばれた金属を用いて形成した膜が、Zr、Co、W及び
Taよりなる群の中から選ばれた金属の膜であることを
特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】図1は、請求項1及び請求項2に係る発明
の色素増感太陽電池電極の一実施形態を示した断面図で
あり、導電性を有する透明基材1の表面にゾルをコート
して設けた粒子膜2と、Zr、Co、W、及びTaより
なる群の中から選ばれた金属の膜からなる導電膜4と
を、それぞれ透明基材1と電気的に接した状態で設け、
粒子膜2の表面に色素3を吸着させた構成を備えるもの
である。
【0015】上記導電膜4である、Zr、Co、W、及
びTaよりなる群の中から選ばれた金属の膜は、粒子膜
2が形成されていない部位のみにおいて透明基材1の表
面に形成され、上記導電膜4と上記透明基材1とが電気
的に直接接する。本実施形態では、上記導電膜4と粒子
膜2とは、それぞれの側面部で接する構成であるが、色
素増感太陽電池を組立てた際に、その光電変換効率を低
下させない範囲で粒子膜2の表面の一部にも導電膜4が
コートされていても構わない。導電膜4のコートは、粒
子膜2の表面をマスキングした状態でZr、Co、W、
及びTaよりなる群の中から選ばれた金属をスパッタリ
ング蒸着法を用いて蒸着することによって行なうことが
できる。
【0016】また、上記実施形態では、上記導電膜4と
して、Zr、Co、W及びTaよりなる群の中から選ば
れた金属の膜を用いたが、Zr、Co、W及びTaより
なる群の中から選ばれた金属を用いた膜、例えば、Au
で形成した層の上に、Zr、Co、W及びTaよりなる
群の中から選ばれた金属の層を設けた2層構造の膜等を
用いることもできる。
【0017】上記透明基材1としては、導電性及び透明
性を有しているものであれば使用することができるが、
導電性、透明性、さらに耐熱性を高いレベルで併せ持つ
点から、ガラス基板1aの表面にスズ系酸化物などをコ
ートして、透明導電膜1bを形成したものが好ましい。
スズ系酸化物には、インジウム/スズ複合酸化物(IT
O)、アンチモン/スズ複合酸化物(ATO)、フッ素
ドープ酸化スズなどがあるが、数百℃の熱によっても導
電性が低下しない点や有害物質でない点などからフッ素
ドープ酸化スズをコートしたガラス基板が特に好まし
い。またコストが低い点からはITOをコートしたガラ
ス基板が好ましい。
【0018】また、上記粒子膜2の作製に用いるゾルと
しては、溶剤中に固体成分である粒子(粉体)が分散さ
れたものを用いることができる。この溶剤としては有機
溶媒あるいは水を単独で使用してもよく、有機溶媒と水
との混合物を用いてもよい。分散される固体の粒子とし
ては色素吸着液や電池を構成する電解質と反応しないか
反応しにくいものであって、色素からの電子注入が可能
なものであれば、使用することができるものであり、例
えば金属酸化物の粒子を用いることができる。具体的に
は、例えば、チタニア、アンチモン/スズ複合酸化物
(ATO)、酸化スズ、酸化亜鉛などをそれぞれ単独で
用いることができ、またこれらのうちの2種類以上を複
合したり混合したりして用いることもできる。粒子の粒
径は任意に設定することができるが、粒子膜2の表面積
を大きくして色素の吸着量を増加させるという理由か
ら、粒子の粒径は小さい程好ましい。
【0019】尚、粒子膜2内部での光の散乱を利用して
さらに光電変換効率を上げるために、上記のゾルに光を
散乱する粒径3μm以上の粒子を添加してもよい。ま
た、粒子膜2の多孔性を制御するために、ゾルにポリエ
チレングリコール等の有機高分子を添加してもよい。こ
の有機高分子はゾルをコートした後に数百℃の温度で焼
成することによって炭酸ガス等に酸化分解され、粒子膜
の多孔度を増加させることができ、結果的に色素増感太
陽電池の光電変換効率を向上させることができるもので
ある。
【0020】ゾルを調製する方法としては、溶媒中に粒
子をほぼ均一に分散できる方法を用いるが、例えば、粒
子を空気中や不活性ガス中で焼成することによって結晶
化させ、この結晶化した粒子を溶媒に配合してペイント
シェーカー等の攪拌器で攪拌することによって、溶液中
に粒子が分散したゾルを調製することができる。また、
結晶化する前の粒子を溶媒に配合してペイントシェーカ
ーなどの攪拌器で攪拌して溶液中に粒子を分散させ、こ
の後、溶液中の粒子をオートクレーブ中で結晶化させる
ようにしてゾルを調製するようにしてもよい。ここで、
ゾルをコートして形成される粒子膜2の透明性をより高
くしたり表面積をより大きくしたりする場合には、溶液
中の粒子をオートクレーブ処理して結晶化させる方法が
好ましく、ゾルをコートして形成される粒子膜2を安価
に作製する場合には、空気中や不活性ガス中で焼成して
結晶化させた粒子を溶媒に分散させる方法を採用するの
が好ましい。
【0021】本実施形態に係る色素増感太陽電池電極
は、導電性を有する透明基材1の表面の一部が粒子膜2
ではなく導電膜4で覆われていて、上記導電膜4が、Z
r、Co、W及びTaより選ばれた金属の膜であるの
で、この色素増感太陽電池電極を使用した色素増感太陽
電池は、従来の上記導電膜4にAuの膜を用いたものよ
りも、光電変換効率を高くすることができるものであ
る。このように光電変換効率を高めることができる理由
としては、導電膜4から電解質層中のレドックス(例え
ば、ヨウ素レドッス)への逆電子移動が、導電膜4に、
Auの膜を用いる場合に比べ、Zr、Co、W及びTa
よりなる群の中から選ばれた金属の膜を用いた方が、よ
り抑制されるためと考えられるが、明らかではない。
【0022】次に、本実施形態に係る色素増感太陽電池
電極の製造方法について、図2(a)〜(c)を用いて
説明する。まず、ガラス基板1aの表面にスズ系酸化物
などをコートして透明導電膜1bを形成することで作製
される導電性の透明基材1を用い、この導電性の透明基
材1の表面にゾルをコートすることによって、図2
(a)に示すように粒子2aが積み重なった粒子膜2を
形成する。透明基材1にゾルをコートする方法として
は、グラビアコート法、スピンコート法、ドクターブレ
ード法、ディップコーティング法、スクリーンプリント
法など、従来から行なわれている任意の方法を採用する
ことができる。粒子膜2の膜厚は2μm以上に設定する
のが好ましい。粒子膜2の膜厚が2μmより小さいと光
電変換効率が小さくなる傾向にあるからである。粒子膜
2の膜厚の上限は、透明基材1との密着性が低下しない
程度であればよく、例えば20μmに設定することがで
きる。また、このように粒子膜2を形成した後、透明基
材1と粒子膜2の密着性を高めるために、必要に応じて
焼成を行なってもよい。
【0023】尚、上記のように粒子2aが積み重なった
粒子膜2を形成した後、粒子膜2の粒子2aの表面にチ
タニアやシリカなどの金属酸化物膜を形成するようにし
てもよい。金属酸化物膜の形成は、本出願人が特開平1
1−171537号公報に開示しているように、金属の
フッ化物溶液又はフッ化錯体溶液と粒子膜2を接触させ
て粒子2aの表面に金属酸化物膜を析出させることによ
って行なうことができる。
【0024】上記のように透明基材1の表面に粒子膜2
を形成するにあたって、ドクターブレード法などでゾル
をコートして粒子膜2を形成する場合には、導電膜4を
形成する部位にも粒子膜2が形成されているので、導電
膜4を形成する部位の粒子膜2を除去する。粒子膜2を
部分的に除去する方法は、透明基材1の光透過性や導電
性を低下させずに粒子膜2を除去できる方法を用いるこ
とができる。例えばカッターの刃など鋭利物で切り取る
ようにして除去してもよく、レーザ光を照射して除去す
るようにしてもよく、あるいは残しておく部分の粒子膜
2をマスキングして酸によるエッチングなど化学的な方
法で溶解して除去するようにしてもよい。鋭利物で除去
する方法が、簡便で低コストに実施できるので好まし
い。
【0025】次に、透明基材1に導電膜4をコートす
る。導電膜4としては、Zr、Co、W及びTaよりな
る群の中から選ばれた金属の膜を用いる。導電膜4をコ
ートするにあたって、粒子膜2の表面を含めた全面に導
電膜4を形成すると、色素増感太陽電池を組み立てる際
に電解質が粒子膜2に到達しなくなるので、導電膜4で
粒子膜2の表面の全面が被覆されないようにする必要が
ある。図2(b)に示すように、導電膜4は粒子膜2が
形成されていない部位のみにおいて透明基材1の表面に
形成するようにするのが好ましいが、色素増感太陽電池
の光電変換効率を低下させない範囲で粒子膜2の表面に
も導電膜4がコートされていても構わない。導電膜4の
コートは、例えば、粒子膜2の表面をマスキングした状
態で金属を真空蒸着法やスパッタリング蒸着法を用いて
蒸着することによって行なうことができる。また導電膜
4の厚みは特に限定されるものではないが、0.2μm
〜5μm程度の範囲が好ましい。
【0026】ここで、上記粒子膜2と上記導電膜4は、
図3に示すように、それぞれ細長い矩形状に形成するこ
ともでき、粒子膜2と導電膜4は複数本ずつその幅方向
(短手方向)で、透明基材1の表面に沿って交互に設け
ることもできる。そして隣り合う導電膜4間に設けられ
た各粒子膜2の大きさは発電効率が高くなるため小さい
程好ましい。しかし各粒子膜2の幅寸法(短手方向の寸
法)が小さくなり過ぎると、導電膜4の幅寸法の下限に
は限界があるので、電極の面積に対する粒子膜2の面積
の割合が小さくなって、光電変換効率が低下する傾向に
ある。
【0027】また、隣り合う粒子膜2間に設けられた各
導電膜4の大きさは小さいほうが、粒子膜2の全体の大
きさを大きくして入射光への開口面積を大きくすること
ができる点で好ましい。ここで、図3に示すように、導
電膜4と接続される集電部12を電極の表面に形成する
にあたって、この集電部12に向かって長い形状になる
ように導電膜4を形成するのが好ましい。集電部12は
この部分に導線を接続して、発電された電気を外部に出
力するパッドとなるものであり、導電膜4をこのように
集電部12に向かって長い形状になるように形成するこ
とによって、発生した電気が効率良く移動することがで
きるようになり、光電変換効率を高めることができるの
で好ましい。
【0028】上記のようにして導電性の透明基材1の表
面に粒子膜2と導電膜4を、それぞれ透明基材1に電気
的に接した状態で設けた後、図2(c)のように粒子膜
2の表面に色素3を吸着させ、あるいは結合させること
によって、色素増感太陽電池電極を得ることができるも
のである。色素3としては色素増感太陽電池に使用され
る任意のものを用いることができるものであり、例えば
ルテニウム錯体などを使用することができる。また色素
の吸着や結合は、色素を溶解した色素吸着液に浸漬する
ことによって行なうことができるものであり、色素は粒
子膜2の表面以外に導電膜4の表面などに吸着・結合さ
れていても差し支えない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0030】(実施例1)透明ガラス板1aの表面にI
TO膜からなる透明導電膜1bを設けて形成した40m
m×35mm×厚み1.1mmの導電性を有する透明基
材1を用い、十分に洗浄して乾燥した。そしてこの透明
基材1の表面にSolaronix社製酸化チタンゾル
「TiNanoxide−T」をグラビアンコート法
で、20mm×20mmの範囲に膜厚が5μmとなるよ
うにコートした。次に、これを室温で乾燥した後、空気
中で、500℃の温度で1時間焼成して、透明基材1の
表面に酸化チタンの粒子からなる粒子膜2を形成した
(図2(a)参照)。
【0031】次に、市販のカッターナイフを用い、粒子
膜2が5mm×20mmの3つの長方形となるように切
り目を入れ、切り目の部分の粒子膜2を除去した。この
切り目の部分の幅は0.1mmであり、試験後の断面の
SEM観察により、この切れ目は粒子膜2のみが除去さ
れていて透明導電膜1bは除去されていないことを確認
した。
【0032】次に、粒子膜2及び透明基材1の表面をマ
スキングし、Zrをスパッタリング蒸着法で蒸着を行な
うことによって、粒子膜2間の切り目の部分において透
明基材1の表面に導電膜4を形成した(図2(b)参
照)。導電膜4の厚みは4μmであり、隣り合う粒子膜
2間での導電膜4の幅は0.1mmであった。また導電
膜4は、図3に示すように、隣り合う粒子膜2間の部分
の他に、透明基板1の一方の端部の表面にも形成するよ
うにしてあり、この透明基板1の端部の表面に形成され
る導電膜4で集電部12が形成されるものである。
【0033】次に、色素3としてSolaronix社
製ルテニウム色素「Ruthenium535」を用
い、これを1リットルのエタノールに0.135g溶解
させて色素吸着液を調製し、この色素吸着液に上記の粒
子膜2と導電膜4を形成した透明基材1を1昼夜浸漬
し、表面に色素3を吸着させ(図2(c)参照)、その
後、これをエタノールで洗浄して室温で乾燥した。この
ようにして色素増感太陽電池電極を得た。
【0034】(実施例2)Zrをスパッタリング蒸着法
で蒸着することで導電膜4を形成することに代え、Co
をスパッタリング蒸着法で蒸着することで導電膜4を形
成すること以外は、実施例1と同様にして、色素増感太
陽電池電極を得た。
【0035】(実施例3)Zrをスパッタリング蒸着法
で蒸着することで導電膜4を形成することに代え、Wを
スパッタリング蒸着法で蒸着することで導電膜4を形成
すること以外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽
電池電極を得た。
【0036】(実施例4)Zrをスパッタリング蒸着法
で蒸着することで導電膜4を形成することに代え、Ta
をスパッタリング蒸着法で蒸着することで導電膜4を形
成すること以外は、実施例1と同様にして、色素増感太
陽電池電極を得た。
【0037】(比較例)Zrをスパッタリング蒸着法で
蒸着することで導電膜4を形成することに代え、Auを
真空蒸着法で蒸着することで導電膜4を形成すること以
外は、実施例1と同様にして、色素増感太陽電池電極を
得た。
【0038】上記のようにして作製した色素増感太陽電
池電極を用いて色素増感太陽電池を組み立てた。まず電
解液を、エチレンカーボネート80容量%とアセトニト
リル20容量%の混合溶液にヨウ化テトラプロピルアン
モニウム及びヨウ素をそれぞれ0.46モル/リット
ル、0.06モル/リットルとなるように溶解して調製
した。また、30mm×30mm×厚み0.5mmのシ
リコーンゴム板の中心部を、周囲を幅5mmで残して、
20mm×20mmの窓を切り抜くことによって、枠状
のスペーサを作製した。さらに、対極を作製した。すな
わち、40mm×35mm×厚み1.1mmのITO膜
付き透明ガラス板を十分に洗浄して乾燥し、このガラス
板の表面を2Bの鉛筆で黒く塗りつぶすことによってI
TO膜の表面にカーボンを付着させ、対極とした。
【0039】そして、実施例1〜4及び比較例で得た各
色素増感太陽電池電極の上に、粒子膜2や導電膜4が窓
内に見えるようにスペーサを置き、スペーサの窓部分に
電解液を入れ、さらにその上に空気が入らないにように
置き、色素増感太陽電池電極と対極をクリップで挟んで
固定することによって、色素増感太陽電池を組み立て
た。
【0040】上記のように組み立てた色素増感太陽電池
を蛍光灯(松下電工社製「SQ982F」、54W)の
下に置き、色素増感太陽電池電極と対極の間の解放電圧
と短絡電流を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1にみられるように、実施例1〜4のも
のは短絡電流が比較例のものよりも増加しており、光電
変換効率が向上していることが確認される。
【0043】
【発明の効果】請求項1〜2に係る発明の色素増感太陽
電池電極は、導電性を有する透明基材の表面にゾルをコ
ートして設けた粒子膜と、透明基材より導電性の高い導
電膜とを、それぞれ透明基材と電気的に接した状態で設
け、粒子膜の表面に色素を吸着又は結合させている色素
増感太陽電池用電極において、上記導電膜が、Zr、C
o、W及びTaよりなる群の中から選ばれた金属を用い
て形成した膜である色素増感太陽電池電極であるので、
従来の色素増感太陽電池よりも光電変換効率を向上させ
ることのできる色素増感太陽電池電極となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る色素増感太陽電池電極
の製造の各工程を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態の他の一例を示す平面図であ
る。
【図4】従来の色素増感太陽電池の構成を説明する説明
図である。
【符号の説明】
1 透明基材 2 粒子膜 3 色素 4 導電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 広次 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 土井 尚子 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 BA18 FA04 FA06 FA07 GA03 5H032 AA06 AS06 AS16 AS19 CC09 EE07 EE16 EE18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する透明基材の表面にゾルを
    コートして設けた粒子膜と、透明基材より導電性の高い
    導電膜とを、それぞれ透明基材と電気的に接した状態で
    設け、粒子膜の表面に色素を吸着又は結合させている色
    素増感太陽電池電極において、上記導電膜が、Zr、C
    o、W及びTaよりなる群の中から選ばれた金属を用い
    て形成した膜であることを特徴とする色素増感太陽電池
    電極。
  2. 【請求項2】 上記Zr、Co、W及びTaよりなる群
    の中から選ばれた金属を用いて形成した膜が、Zr、C
    o、W及びTaよりなる群の中から選ばれた金属の膜で
    あることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池
    電極。
JP2002047078A 2002-02-22 2002-02-22 色素増感太陽電池電極 Pending JP2003249277A (ja)

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JP2006286434A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Kansai Pipe Kogyo Kk 色素増感型太陽電池用電極基板、色素増感型太陽電池用光電極および対向電極、ならびに色素増感型太陽電池
KR20200053655A (ko) * 2009-09-18 2020-05-18 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 태양전지, 그 제조방법 및 태양전지 모듈

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