JP2003246883A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物

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JP2003246883A JP2002048243A JP2002048243A JP2003246883A JP 2003246883 A JP2003246883 A JP 2003246883A JP 2002048243 A JP2002048243 A JP 2002048243A JP 2002048243 A JP2002048243 A JP 2002048243A JP 2003246883 A JP2003246883 A JP 2003246883A
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Takeshi Hodaka
武 穂高
Makio Mori
麻樹夫 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷上摩擦性能を安定的に向上させたタイヤト
レッド用ゴム組成物を提供する。 【解決手段】 ジエン系ゴム100重量部及び熱によっ
て既に膨張が完了した既膨張黒鉛を予め0.1〜3.0
倍量(重量)の油状成分で油展処理した油展処理既膨張
黒鉛を既膨張黒鉛として1〜30重量部含んでなるタイ
ヤトレッド用ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤトレッド用ゴ
ム組成物に関し、更に詳しくは、熱によって既に膨張が
完了した既膨張黒鉛を油展処理してジエン系ゴムに配合
することにより既膨張黒鉛の飛散を防止すると共に、ジ
エン系ゴムなどとの混合時の粒子破壊を防止して高い氷
上摩擦性能を安定して得ることができるタイヤトレッド
用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムに硬質物質、発泡剤、中空微粒子等
を配合し、表面にミクロな凹凸を作ることによって、氷
の表面に発生する水膜を除去し、氷上摩擦を向上させる
手法が、従来より数多く検討され、開発されている。し
かしながら、これらの方法では一般に添加剤の材質が脆
いため、混合後に添加剤の一部が微細化又は破壊されて
所望の効果を発揮できない場合があるという問題があ
る。また、ゴム組成物に各種の目的で膨張黒鉛を配合し
たものも知られている。例えば、特開昭52−9564
5号公報には、20〜500倍に膨張させた膨張黒鉛を
ゴムに配合してなる導電性の優れたゴム組成物が、ま
た、特開平3−70754号公報には、チタネートカッ
プリング剤で表面処理した膨張黒鉛をゴムに配合した熱
伝導率の改善されたゴム組成物が、更に、特開平10−
195251号公報には、中和処理された熱膨張黒鉛を
配合した耐火性ゴム組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先き
に、膨張黒鉛を、氷上摩擦性能を高める目的で、タイヤ
用ゴム組成物に初めて適用した(特開2001−279
020号公報)が、このゴム組成物はその混合時に配合
されている膨張黒鉛粒子が破壊されて所定の配合効果が
得られないおそれがあるという問題があることを確認し
た。そこで本発明者らはかかる問題を克服すべく既膨張
黒鉛を配合してタイヤトレッドの氷上摩擦性能を改良す
ることを試みた。
【0004】即ち、本発明は、氷上摩擦性能に優れた既
膨張黒鉛配合タイヤトレッド用ゴム組成物の配合時の既
膨張黒鉛粒子の飛散を防止すると共に、配合時の粒子の
破壊を防止して氷上摩擦性能を更に改良したタイヤトレ
ッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ジエン
系ゴム100重量部及び熱によって既に膨張が完了した
既膨張黒鉛を予め0.1〜3.0倍量(重量)の油状成
分で油展処理した油展処理既膨張黒鉛を既膨張黒鉛とし
て1〜30重量部含んでなるタイヤトレッド用ゴム組成
物が提供される。
【0006】本発明によれば、また、前記ゴム組成物
に、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、熱によっ
て膨張して気体封入熱可塑性樹脂となる熱膨張性マイク
ロカプセル1〜20重量部を更に配合してなるタイヤト
レッド用ゴム組成物が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】黒鉛は、グラファイトの層が重な
り合った構造を有しており、その層間に膨張性物質を挿
入したものが膨張黒鉛である。膨張黒鉛は、通常、粒子
サイズ30〜600μmであり、市販品として、一般
に、入手可能である。この膨張黒鉛を熱処理すると、層
間に内包する気化物質が膨張することによって層間が広
がり、曲線が伸びるような挙動で不可逆的に膨張して、
膨張が完了した既膨張黒鉛となる。かかる既膨張黒鉛の
面の構造は硬質グラファイトであり、その膨張構造は力
学的な負荷に対してもある程度保持される。そのため
に、一度膨張したこのような既膨張黒鉛をゴムに配合
し、粒子破壊が起こらない条件で混練すると、加硫ゴム
の表面には適度な凹凸が形成され、これが氷雪用タイヤ
でのゴム/氷間の摩擦力の向上(ミクロなタイヤ表面排
水効果)を発揮する。
【0008】膨張黒鉛による氷雪用タイヤでのゴム/氷
間の摩擦力向上の実施方法は、先行発明(特開2001
−279020号公報参照)に示したような未膨張の膨
張黒鉛を配合したゴム組成物をタイヤの加硫工程で膨張
黒鉛を膨張させる方法以外に、ゴム組成物の混合中、又
は押出し加工中、に膨張黒鉛を膨張させる手段も考えら
れる。しかしながら、混練中、又は押出し加工中、に膨
張黒鉛を膨張させると、その工程の途中でゴム組成物の
比重が大きく変わることによって加工不良が発生するた
め、実用的でない。これに対し、本発明のように、あら
かじめ膨張の完了した既膨張黒鉛をゴムに配合すると、
工程の途中でゴム組成物の比重の変化が少なく、より実
用的に氷雪用タイヤでのゴム/氷間の摩擦力を向上させ
ることができる。
【0009】既膨張黒鉛は、グラファイト製品の原料と
して使われているため入手が容易であり、しかも膨張処
理が完了しているためゴムの加硫温度が自由に選択でき
るので好都合に使用することができる。また、既膨張黒
鉛はゴムの加工工程で更なる膨張処理を必要としないた
め、未膨張の膨張黒鉛の使用よりも容易であるというメ
リットもある。更に、この既膨張黒鉛は、その骨核構造
が炭素原子からなっているため、ゴムマトリクスやカー
ボンブラックとの親和性も良好であり、ゴムに配合した
場合にも加硫ゴムの耐摩耗性能を低下させることもな
い。
【0010】先行発明(特開2001−279020号
公報参照)に示したように、未膨張の膨張黒鉛を配合し
たゴム組成物をタイヤ加硫時に膨張黒鉛を膨張させる
と、膨張黒鉛原料の膨張開始温度が、ゴム組成物の混練
中又は押出し加工中のゴム組成物にかかる最高温度より
も高く、かつタイヤの加硫工程での加工温度よりも低い
必要があり、実用的には190℃程度が上限である。し
かしながら、最も一般的な膨張黒鉛は層間に硫酸のよう
な強酸物質が挿入されているため、層間物質の沸点は2
90℃であり、膨張黒鉛の膨張開始温度は290℃以上
の温度が必要となる。従って先行発明で用いる膨張黒鉛
では、層間物質に硫酸の水和物を使用したり、硫酸以外
の強酸物質を使用する等の改良を行うことによって膨張
開始温度を低くした特殊な原料を使用する必要があっ
た。本発明で用いる既膨張黒鉛は、ゴムに配合する前に
既に膨張が完了しているものであり、膨張黒鉛を膨張さ
せる温度条件が自由に選べるため、膨張黒鉛原料の選定
に制約がない。
【0011】しかしながら、かかる既膨張黒鉛もゴム組
成物に配合する際に、嵩比重の低い既膨張黒鉛が、例え
ば計量中又は混合中に飛散したり、ゴムその他の成分と
の混合時に黒鉛粒子が破壊されたりするために、所定の
配合効果が発揮できないおそれがあるという問題があっ
た。然るに本発明によれば、この既膨張黒鉛粒子をゴム
成分などとの配合に先立って油状成分で油展することに
よって、かかる問題も解決することができる。本発明に
従って、既膨張黒鉛を油展処理することによって、原料
の嵩比重が高くなるために黒鉛粒子の飛散性が改善され
(原料取扱性の改善)、かつ混合時の原料分散が良好に
なり、集塵機に吸われることによる原料ロスも抑制され
る。また、混合時の剪断力による黒鉛粒子の破壊が抑制
され、ゴムの加硫時に既膨張黒鉛が所定の空隙形成性能
を発揮し、氷上性能が一層高いゴム組成物を安定に得る
ことができる。
【0012】本発明に従って熱によって既に膨張が完了
した既膨張黒鉛を油展処理するに当たっては、既膨張黒
鉛を0.1〜3.0倍量(重量)、好ましくは0.5〜
1.5倍量(重量)の油状成分で処理する。油展処理方
法としては、例えば固体粉砕用ミキサーを用いて既膨張
黒鉛粒子と油状成分とを混合することによって実施する
ことができる。油状成分の量が少な過ぎると粒子破壊の
防止効果が小さいので好ましくなく、逆に多過ぎると既
膨張黒鉛粒子のゴム配合内への分散が悪くなるので好ま
しくない。
【0013】本発明において既膨張黒鉛を油展するのに
用いることのできる油状成分については特に限定はない
が、好ましくは鉱物油系軟化剤(例えばパラフィン系、
芳香族系、ナフテン系、コールタール、クマロン−イン
デン樹脂)、植物油系軟化剤(例えばステアリン酸等の
脂肪酸、綿実油等の脂肪油、パインワール、ロジン、フ
ァクチス)、合成軟化剤(例えばヂオクチルフタレー
ト、ジオクチルセバケート)、シランカップリング剤
(例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
ビス−(3−トリエトキシシリル−プロピル)テトラス
ルフィド)、液状シリケート化合物、液状シロキサン化
合物(例えばエトキシメチルハイドロジエンポリシロキ
サン)などをあげることができる。
【0014】本発明において使用するジエン系ゴムとし
ては、従来よりタイヤ用として使用されている任意のジ
エン系ゴム、例えば天然ゴム(NR)、各種ブタジエン
ゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム
(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクルロニ
トリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレ
ン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共
重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が
挙げられる。これらのジエン系ゴムは、本発明のタイヤ
トレッドとして使用する場合には、その低転動抵抗と耐
摩耗性、低温性能を両立させて向上させるために、その
平均ガラス転移温度(Tg)が−55℃以下、更に好ま
しくは−75℃〜−90℃のものを使用することが好ま
しい。
【0015】本発明において配合する熱処理により膨張
が完了した既膨張黒鉛は、その熱処理前の膨張黒鉛の粒
子径が好ましくは50〜400μm、更に好ましくは1
00〜200μmのものを用いて、これを熱処理して最
終的に体積膨張率にて100〜1000倍に膨張させた
ものを使用することが好ましい。この体積膨張率が10
0倍未満のものではタイヤ表面に十分な空隙が得られな
いおそれがあり、また、1000倍を超えると黒鉛の層
構造が破壊されるおそれがある。本発明においては、ジ
エン系ゴム100重量部に対し、前記既膨張黒鉛1〜3
0重量部、好ましくは5〜10重量部を配合する。この
配合量が少な過ぎると加硫ゴム表面でのミクロレベルの
凹凸が小さいため十分な効果が発揮できず、また逆に多
過ぎるとタイヤの耐摩耗性に悪影響が生じる。
【0016】本発明においては、好ましくは、前記油展
既膨張黒鉛と共に、粒子サイズ20〜600μmの未膨
張の膨張黒鉛をジエン系ゴム100重量部に対し1〜3
0重量部、好ましくは3〜10重量部配合することがで
きる。この配合量が少な過ぎると、加硫ゴム表面のミク
ロレベルでの凹凸が小さく十分な効果が発揮できないお
それがあり、また、逆に多過ぎると耐摩耗性に悪影響が
出るおそれがある。
【0017】前記未膨張の膨張黒鉛は従来から公知のも
のを使用することができ、例えば、天然の鱗片状グラフ
ァイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等
を無機酸である濃硫酸又は硝酸等と強酸化剤である濃硝
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩または重クロム酸塩等
で処理してグラファイト層間化合物を生成させた炭素の
層状構造を維持したままの結晶質化合物を挙げることが
できる。
【0018】また、本発明においては、好ましくは、前
記ジエン系ゴム100重量部に対して、熱によって膨張
して気体封入熱可塑性樹脂となるマイクロカプセルを、
好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは3〜10重
量部、更に含ませることができる。この配合量が少な過
ぎると所望の効果が得られないので好ましくなく、逆に
多過ぎると耐摩耗性の低下が起こるおそれがあるので好
ましくない。
【0019】前記の熱によって膨張して気体封入熱可塑
性樹脂となるマイクロカプセルは、熱により気化して気
体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した粒子であ
り、その膨張開始温度以上の温度、通常140〜190
℃の温度で加熱することにより膨張し、その熱可塑性樹
脂からなる外殻中に気体を封じ込めたマイクロカプセル
となる。このマイクロカプセルの未膨張時の粒径は、好
ましくは5〜300μmであり、更に好ましくは粒径1
0〜200μmのものである。このようなマイクロカプ
セル(未膨張粒子)としては、例えば、現在、スウェー
デンのEXPANCELより商品名「エクスパンセル0
91DU−80」または「エクスパンセル092DU−
120」等として、又は松本油脂(株)より商品名「マ
ツモトマイクロスフェアーF−85」又は「マツモトマ
イクロスフェアーF−100」等として入手可能であ
る。
【0020】前記マイクロカプセルの外殻成分を構成す
る熱可塑性樹脂としては、その膨張開始温度が好ましく
は100℃以上、更に好ましくは120℃以上で、最大
膨張温度が好ましくは150℃以上、更に好ましくは1
60℃以上のものを用いることができる。そのような熱
可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリル
の重合体、又は(メタ)アクリロニトリル含有量の高い
共重合体が好適に用いられる。この共重合体の場合の他
のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニ
ル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メ
タ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエ
ン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用い
られる。なお、上記熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メ
タ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリ
ルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていて
もよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱
可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋
されていてもかまわない。
【0021】前記の熱により気化して気体を発生する液
体としては、例えばn−ペンタン、イソペンタン、ネオ
ペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテ
ルのような炭化水素類又は塩化メチル、塩化メチレン、
ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチ
レンなどの塩素化炭化水素のような液体が挙げられる。
【0022】本発明のゴム組成物には、ゴム補強剤とし
て、通常ゴム組成物に配合される任意のカーボンブラッ
クを配合することができる。また、シリカで表面処理を
施したカーボンブラックも使用可能である。またシリカ
も使用することができる。
【0023】カーボンブラックの配合量は、ゴム成分1
00重量部に対し、好ましくは20〜80重量部、更に
好ましくは30〜60重量部である。この配合量が少な
過ぎるとゴムを十分に補強できないため、例えば耐摩擦
性が悪化するので好ましくなく、逆に多過ぎると硬度が
高くなり過ぎたり、加工性が低下したりするので好まし
くない。また通常ゴム組成物に配合することができる沈
降性シリカは、ゴム成分100重量部に対し、0〜50
重量部配合する。このシリカは使用しなくてもよく、使
用する場合にはtanδのバランスが改良される範囲の
配合量で用いるのがよく、これが多過ぎると電気伝導度
が低下し、また補強剤の凝集力が強くなり、混練中の分
散が不充分となるので好ましくない。本発明において使
用するカーボンブラックには特に限定はないが、窒素吸
着比表面積(N2 SA)が好ましくは70m2 /g以
上、更に好ましくは80〜200m2 /gで、ジブチル
フタレート吸油量(DBP)が好ましくは95ml/10
0g以上、更に好ましくは110〜140ml/100g
のカーボンブラックを使用する。
【0024】本発明に係るタイヤ用ゴム組成物には、更
に、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種
オイル、老化防止剤、充填剤、可塑化剤、その他一般ゴ
ム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合するこ
とができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練、加硫
して組成物とし、加硫又は架橋することができる。これ
らの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、
従来の一般的な配合量とすることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定す
るものでないことは言うまでもない。
【0026】実施例1〜2及び比較例1〜2 サンプルの作製 表1に示す配合(重量部)にしたがって、1.7リット
ル密閉式バンバリーミキサーを用いて、ゴム、カーボン
ブラック等の加硫促進剤、硫黄、マイクロカプセル、膨
張黒鉛及び既膨張黒鉛又は油展既膨張黒鉛を除く配合剤
を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却
させた後、同じバンバリーミキサーにて、加硫促進剤、
硫黄、マイクロカプセル、膨張黒鉛及び既膨張黒鉛又は
油展既膨張黒鉛を配合した。
【0027】評価試験方法 加硫ゴムの膨張率 各コンパウンドを直径3cm、高さ1.5cmの円柱形のモ
ールド内で170℃にて15分加硫し、加硫後に十分に
水中冷却されたゴムの中心部を切り抜き、比重測定を行
った。膨張率は計算比重に対する加硫ゴムの比重の低下
率として算出した。結果を表Iに示す。
【0028】氷上摩擦力 各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状
の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験
機にて氷上摩擦係数を、測定温度−3.0℃、荷重5.
5kg/cm3 、ドラム回転速度25km/hで測定した。結
果を表Iに示す。
【0029】
【表1】
【0030】表Iに示す通り、本発明に従えば、170
℃で15分間プレス加硫したゴムは、未膨張の膨張黒鉛
及び熱膨張性マイクロカプセルを配合した比較例に比べ
て、実施例1及び2のように、油展既膨張黒鉛を配合す
ることによって、膨張力及び氷上摩擦力が共に高くなっ
た。
【0031】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によると、ジエン
系ゴムに既膨張黒鉛を配合する際に、既膨張黒鉛をあら
かじめ0.1〜3倍量(重量)の油状成分で油展処理す
ることにより、粉体原料の嵩比重を上げ、かつ黒鉛粒子
周りの局所的な潤滑性を高めることによる混合時の粒子
破壊の防止をはかることができ、その結果として氷上摩
擦性能が更に改良される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA08 AC02 CB62 CB76 CC04X DA59 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 BB151 BC051 BG102 DA026 FB086 FB096 FB156 FB266 FB282 FD016 GN01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム100重量部及び熱によっ
    て既に膨張が完了した既膨張黒鉛を予め0.1〜3.0
    倍量(重量)の油状成分で油展処理した油展処理既膨張
    黒鉛を既膨張黒鉛として1〜30重量部含んでなるタイ
    ヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 油展処理に用いる油状成分が鉱物油系軟
    化剤、植物油系軟化剤、合成軟化剤、シランカップリン
    グ剤、液状シリケート化合物及び液状シロキサン化合物
    からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1
    に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ジエン系ゴム100重量部に対し
    て、熱によって膨張して気体封入熱可塑性樹脂となる熱
    膨張性マイクロカプセル1〜20重量部を更に含む請求
    項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度
    が−55℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のゴム組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1710274A1 (en) * 2005-04-07 2006-10-11 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire having a rubber component containing exfoliated graphite
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