JP2003245016A - 植物栽培装置及び植物栽培ベッド - Google Patents

植物栽培装置及び植物栽培ベッド

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JP2003245016A
JP2003245016A JP2002191302A JP2002191302A JP2003245016A JP 2003245016 A JP2003245016 A JP 2003245016A JP 2002191302 A JP2002191302 A JP 2002191302A JP 2002191302 A JP2002191302 A JP 2002191302A JP 2003245016 A JP2003245016 A JP 2003245016A
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JP
Japan
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plant
plant cultivation
cultivating
winding
cultivation
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JP2002191302A
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English (en)
Inventor
Eiichi Motojima
栄一 本島
Kazunori Shimada
和紀 島田
Tsuneo Iwamoto
恒男 岩本
Yasuaki Nomura
保明 野村
Yumie Ide
有美枝 井出
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Seiwa KK
Original Assignee
Seiwa KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性、採光性、栽培密度を向上させる。 【解決手段】 支持移動手段10が、所定高さの位置に
設けられる水平架台部11aと、各栽培手段である植物
栽培ベッド20を吊り下げ支持する吊り下げ部材13
と、前記水平架台部11aによって支持されると共に、
前記吊り下げ部材13を巻き取り又は巻き戻して吊り下
げ部材13の長さを調整可能な巻回部材12とを具備し
て構成される。従って、巻回部材12を水平架台部11
a上で転動させるだけで、容易に植物栽培ベッド20の
上下方向高さ及び水平位置を調整でき、密植栽培を可能
とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物栽培装置及び
植物栽培ベッドに関し、より詳しくは、植物を植えるた
めの培地を有する栽培手段を移動可能に支持できる植物
栽培装置及びこの植物栽培装置に支持させる栽培手段と
して適する植物栽培ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】各種植物を植えて栽培するための栽培手
段としては、各種の培地が充填される鉢やプランターな
どがある。また、硬質の栽培容器やプラスチックフィル
ムなどの軟質の外被部材によって培地が保持され、一般
に家庭園芸などで用いるプランター等より大型に形成さ
れ、施設園芸などで用いられる植物栽培ベッドなどもあ
る。
【0003】従来、これらの栽培手段を複数設置する場
合、各栽培手段で栽培されている植物同士の接触を避
け、また、それらへの均等な採光を確保するために、所
定間隔ごと離間させて配置している。また、イチゴやト
マトなどの果菜類の場合には、受粉、収穫、茎の誘引な
どの各種作業を頻繁に行う必要があるため、隣接する栽
培手段間には、これらの作業を円滑に行うことも考慮し
た作業用スペース(作業用通路)を確保する必要があ
る。このため、温室などの各種栽培施設において、その
全体を栽培面積に割り当てることは実質的に不可能であ
り、上記した作業用通路など、植物を栽培できないスペ
ースが必然的に生じる。このような中で、限られた栽培
施設内において、作業性を損なうことなく、収穫量を上
げるための工夫が種々なされている。その一つに、作業
用通路の幅をさほど変更することなく、栽培手段を上下
方向に複数段配置して行ういわゆる立体栽培と呼ばれる
手段があり、また、各栽培手段を支持する架台自体を水
平方向に移動可能とした移動ベンチを用い、これによ
り、作業用通路の幅を狭め、あるいは作業用通路数を減
らして実質的な栽培面積を上げる手段がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、立体栽
培の場合には、下段に配置された栽培手段に植えられる
植物への採光性の点で問題がある。電照装置などを用い
ることも行われているがこれでは設備コストが高くつ
く。また、従来知られている移動ベンチは、栽培手段が
移動するのではなく、栽培手段を支持する架台が移動す
るものである。このため、架台上に複数列の栽培手段が
並列的に配置されている場合に、栽培手段同士の間隔を
変更できないため、移動ベンチ側方の一方の作業用通路
から作業を行おうとすると、作業者からより離れた位置
に配置された栽培手段の植物へは手が届きにくい。従っ
て、作業者は一方の作業用通路では一方側の栽培手段の
植物のみ手入れし、他方の作業用通路へ回り込んで他方
側の栽培手段の植物の手入れを行う必要がある。
【0005】一方、イチゴのように花梗が伸びて果実が
結実する植物や、トマトのように誘引を必要とする蔓性
の植物を栽培する場合には、栽培手段の上下高さが固定
されているより、上下動可能に設けられていることが好
ましい。これにより、植物の成長に合わせて採光性等の
点から好ましい位置に調整したり、植物へ手入れしやす
い位置に調整したりすることが可能となり、栽培密度も
高めることができる。従来、この種の栽培手段を上下動
可能に支持する装置も知られているが、それらは、いず
れも滑車や天秤棒などを用いて、隣接する複数列の栽培
手段を交互に上下動させる構造のものである。従って、
一方を下降させれば他方が上昇してしまうため、両者と
も同時に適切な高さに設定することができないという問
題がある。
【0006】また、温室などにおいては、栽培手段を構
成する0.5m〜5m程度の植物栽培ベッドが、奥行き
方向に複数配設されて用いられるが、従来知られている
栽培手段の上下動構造は、各植物栽培ベッドを個別に動
作させることはできるものの、各列に属する複数の植物
栽培ベッドを一括して上下動させることが可能なものは
知られていない。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、各列の栽培手段を、隣接する列の栽培手段の位置に
関係なく単独で上下方向に動作可能とすることにより、
植物の栽培位置、作業位置の調整をより適切に行うこと
ができ、栽培密度を高めることができる植物栽培装置を
提供することを課題とする。また、本発明は、上下方向
の動作に加えて水平方向にも動作可能とすることによ
り、あるいは斜め上方又は下方に動作可能とすることに
より、さらに作業性、採光性、栽培密度を向上させるこ
とができる植物栽培装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記各植物栽培装置に用いるのに適す
る植物栽培ベッドを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1記載の本発明では、植物を植えるための
培地を備えた栽培手段が複数列に亘って配置される栽培
施設に用いられる植物栽培装置であって、前記栽培手段
を支持すると共に、この栽培手段を、各列ごとに、少な
くとも上下方向に移動させることができる支持移動手段
を有することを特徴とする植物栽培装置を提供する。請
求項2記載の本発明では、植物を植えるための培地を備
えた栽培手段が複数列に亘って配置される栽培施設に用
いられる植物栽培装置であって、前記栽培手段を支持す
ると共に、この栽培手段を、各列ごとに、上下方向にか
つ隣接する列の栽培手段に対して離接する方向に移動さ
せることができる支持移動手段を有することを特徴とす
る植物栽培装置を提供する。請求項3記載の本発明で
は、植物を植えるための培地を備えた栽培手段が複数列
に亘って配置される栽培施設に用いられる植物栽培装置
であって、前記栽培手段を支持すると共に、この栽培手
段を、各列ごとに、斜め上方又は斜め下方に向かって移
動させることができる支持移動手段を有することを特徴
とする植物栽培装置を提供する。請求項4記載の本発明
では、前記栽培手段が、各列ごとに、各列の奥行き方向
に沿って複数配置されており、前記支持移動手段は、奥
行き方向に沿って複数配置された栽培手段を、各列ごと
に一括して移動させることができる構造であることを特
徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の植物栽培装
置を提供する。請求項5記載の本発明では、前記支持移
動手段は、所定高さの位置に設けられる水平架台部と、
各栽培手段を吊り下げ支持する吊り下げ部材と、前記水
平架台部によって支持されると共に、前記吊り下げ部材
を巻き取り又は巻き戻して吊り下げ部材の長さを調整可
能な巻回部材とを具備して構成されることを特徴とする
請求項1〜4のいずれか1に記載の植物栽培装置を提供
する。請求項6記載の本発明では、前記巻回部材が、水
平架台部に沿って水平方向に移動可能であることを特徴
とする請求項5記載の植物栽培装置を提供する。請求項
7記載の本発明では、前記巻回部材が、水平架台部に沿
って水平方向に移動しながら前記吊り下げ部材を巻き取
り又は巻き戻し可能であることを特徴とする請求項6記
載の植物栽培装置を提供する。請求項8記載の本発明で
は、前記水平架台部が、栽培施設内に、作業用通路を隔
てて複数列設置されており、そのうち少なくとも一列の
水平架台部は、複数の巻回部材が設けられ、複数列の栽
培手段を支持可能であることを特徴とする請求項5〜7
のいずれか1に記載の植物栽培装置を提供する。請求項
9記載の本発明では、前記巻回部材が、前記水平架台部
上を転動可能なパイプ部材から構成され、前記吊り下げ
部材が、該パイプ部材に巻き取り又は巻き戻される紐状
部材から構成されることを特徴とする請求項5〜8のい
ずれか1に記載の植物栽培装置を提供する。請求項10
記載の本発明では、前記栽培手段の移動時の負荷を低減
する負荷低減手段を有することを特徴とする請求項1〜
9のいずれか1に記載の植物栽培装置を提供する。請求
項11記載の本発明では、前記負荷低減手段は、前記巻
回部材に一端側が巻き取り又は巻き戻される紐状部材
と、該紐状部材の他端側に連結され、前記吊り下げ部材
を前記巻回部材に巻き取らせる方向に作用する補助力を
付与する補助力付与部材とを具備して構成されることを
特徴とする請求項10記載の植物栽培装置を提供する。
請求項12記載の本発明では、前記補助力付与部材が、
前記紐状部材を荷重により引っ張る錘であることを特徴
とする請求項11記載の植物栽培装置を提供する。請求
項13記載の本発明では、前記補助力付与部材が、前記
紐状部材に引張力を付与する弾性部材であることを特徴
とする請求項11記載の植物栽培装置を提供する。請求
項14記載の本発明では、前記巻回部材に一端側が巻き
取り又は巻き戻され、該巻回部材に対して前記負荷低減
手段によって作用する補助力の方向と反対方向にバラン
ス力を付与するバランス用紐状部材を有することを特徴
とする請求項11〜13のいずれか1に記載の植物栽培
装置を提供する。請求項15記載の本発明では、内部に
培地を収容可能な袋状に形成された外被部材と、前記外
被部材の上部に、前記支持移動手段に連結される連結手
段とを有し、前記栽培手段として用いられる植物栽培ベ
ッドをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜1
4のいずれか1に記載の植物栽培装置を提供する。請求
項16記載の本発明では、前記外被部材における底部か
ら所定量上方に離間した位置に、排液部が開設されてい
ることを特徴とする請求項15記載の植物栽培装置を提
供する。請求項17記載の本発明では、収容される培地
上面よりも上方における前記外被部材の対向面同士を、
その長手方向に沿って部分的に接合することにより略筒
状に形成される給液部を有し、該給液部に供給される液
体が、非接合部を介して培地に供給される構造であるこ
とを特徴とする請求項15又は16記載の植物栽培装置
を提供する。請求項18記載の本発明では、植物を植え
るための培地を備えた栽培手段を構成し、栽培施設内に
設置された植物栽培装置によって吊り下げ支持可能な植
物栽培ベッドであって、内部に培地を収容可能に袋状に
形成された外被部材と、前記外被部材の上部に設けら
れ、前記植物栽培装置によって吊り下げ支持する際に連
結される連結手段とを有することを特徴とする植物栽培
ベッドを提供する。請求項19記載の本発明では、前記
外被部材における底部から所定量上方に離間した位置
に、排液部が開設されていることを特徴とする請求項1
8記載の植物栽培ベッドを提供する。請求項20記載の
本発明では、収容される培地上面よりも上方における前
記外被部材の対向面同士を、その長手方向に沿って部分
的に接合することにより略筒状に形成される給液部を有
し、該給液部に供給される液体が、非接合部を介して培
地に供給される構造であることを特徴とする請求項18
又は19記載の植物栽培ベッドを提供する。請求項21
記載の本発明では、前記連結手段が、前記外被部材の上
部付近における対向面同士を接合することにより略筒状
に形成された連結部と、該連結部内に挿入され、前記植
物栽培装置によって吊り下げ支持される支持パイプとを
有してなることを特徴とする請求項18〜20のいずれ
か1に記載の植物栽培ベッドを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に
基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本実施
形態にかかる植物栽培装置1を示す斜視図である。この
図に示したように、本実施形態の植物栽培装置1は、植
物を植えるための培地を備えた栽培手段としての植物栽
培ベッド20を支持移動させることができる支持移動手
段10を有して構成される。本実施形態の植物栽培ベッ
ド20の詳細については後述するが、栽培手段として
は、このような培地が充填された植物栽培ベッド20に
限らず、鉢やプランターなどであってもよい。例えば、
図10(a)に示したように、鉢やプランターなどを個
別に支持移動手段10に支持させることもできるし、図
10(b),(c)に示したように、適宜長さのトレー
のような載置部材に、鉢やプランターなどを載置させて
支持させることもできる。なお、この点は、本実施形態
に限らず、後述する他の実施形態においても同様であ
り、吊り下げ支持される栽培手段としては種々のものを
用いることができる。
【0010】支持移動手段10は、架台11と、この架
台11に支持される巻回部材12と、栽培手段である植
物栽培ベッド20に連結される吊り下げ部材13とを有
して構成される。架台11は、水平架台部11aと、該
水平架台部11aを所定の高さに保持するために地面に
立設される脚部11bとを有してなる。架台11として
は、地面から所定の高さで略水平に保持される水平架台
部11aを有していればよく、例えば、脚部11bの端
部を温室の天井部等に固定して水平架台部11aが下側
となるように配置してもよいし、温室の天井部等に棒状
部材や紐状部材等を吊り下げ、これに略水平に水平架台
部11aを支持させたものであってもよい。また、架台
11は、図1〜図3に示したように、温室の長手(奥行
き)方向又は幅方向に所定間隔ごと、かつ水平架台部1
1a同士が略平行となるように複数配設される。
【0011】巻回部材12は、本実施形態においては、
パイプ部材から形成される。また、少なくとも奥行き方
向に隣接する一対の水平架台部11a間に掛け渡される
だけの長さを有し、隣接する水平架台部11a上で転動
可能に支持される。このように奥行き方向に隣接する一
対の水平架台部11aによって支持されるパイプ部材か
ら構成することにより、吊り下げ部材13を介して支持
される植物栽培ベッド20の荷重を分散支持することが
できる。
【0012】吊り下げ部材13は、紐材、ワイヤ、ある
いは所定の幅を有するベルト部材等の長尺帯(以下、こ
れらを総称して単に「紐状部材」という)から形成さ
れ、巻回部材12と植物栽培ベッド20とを連結してい
る。本実施形態では、パイプ部材からなる巻回部材12
に対し、紐状部材からなる吊り下げ部材13の一端側を
巻き付け固定する。また、吊り下げ部材13の他端側
は、植物栽培ベッド20に設けられる後述の支持パイプ
25に連結される。この結果、巻回部材12を回転させ
ると、吊り下げ部材13が一端側から巻き付けられ、そ
の長さが短くなり、植物栽培ベッド20が上昇し(図2
参照)、その後、逆方向に回転させると巻回部材12に
巻き付けられていた吊り下げ部材13が巻き戻され、植
物栽培ベッド20が下降する(図3参照)。吊り下げ部
材13の一端側は、上記のように巻回部材12に固定連
結されるが、本実施形態では、図1に示したように、巻
回部材12の外面に略半管状ないしは略U字状に形成さ
れた嵌合部材12aが装着されており、吊り下げ部材1
3は、この嵌合部材12aの外面に巻き付けられる構造
となっている。これは、吊り下げ部材13が巻き付けら
れる部位の径を大きくすることにより、より少ない回転
量で吊り下げ部材13の巻き付けを可能とすると共に、
吊り下げ部材13の巻き付け範囲を規制して動作を安定
させるためである。もちろん、この嵌合部材12aは本
発明にとって必須ではなく、巻回部材12に直接巻回さ
れる構成としてもよいし、巻回部材12に他の巻き付け
部材を設けてもよい。
【0013】巻回部材12を水平架台部11a上で回転
させることにより、上記のように吊り下げ部材13が巻
き取り又は巻き戻しされ、これにより一対の水平架台部
11a間に支持された植物栽培ベッド20が上下動する
が、巻回部材12が奥行き方向に所定間隔ごとに配置さ
れた3つ以上の水平架台部11a上に跨る長さを有して
いる場合には、奥行き方向に複数支持された植物栽培ベ
ッド20を一つの巻回部材12で一括して上下動させる
ことができる。一つの巻回部材12に対し、一つの植物
栽培ベッド20を支持させる構成とした場合には、これ
を奥行き方向に複数配置しても、複数の巻回部材12を
回転動作させる必要があるが、このような構成とするこ
とにより、一つの巻回部材12を回転動作させるだけ
で、複数の植物栽培ベッド20を同期して上下動させる
ことができ、操作が極めて容易となる。
【0014】また、水平架台部11aの長さ(脚部11
b,11b間の距離)は、巻回部材12を複数本、好ま
しくは2本並列して配置でき、各巻回部材12に植物栽
培ベッド20を支持させた場合であっても、隣接する植
物栽培ベッド20で栽培されている植物同士が接しない
程度であることが好ましい(図4参照)。これにより、
作業用通路は、複数列、好ましくは2列の植物栽培ベッ
ド20に対し、それらの少なくとも一方の側部に確保す
るだけで済む。
【0015】巻回部材12を、上記したように水平架台
部11a上で回転可能に設ける際に、回転させても、水
平架台部11a上における位置が変化しない構成とした
場合には、巻回部材12に巻回される吊り下げ部材13
によって植物栽培ベッド20は上下動するだけである。
これによっても、同じ水平架台部11a上で支持されて
いる一方の巻回部材12を回転動作することにより、一
方の植物栽培ベッド20を単独で上下動させることがで
き、例えば、一方側から作業を行う場合、一方の植物栽
培ベッド20を下降させておくことで他方の栽培ベッド
20の植物に対して容易に作業を行うことができるとい
う利点を有する。また、植物栽培ベッド20を植物の成
長に合わせて、各列ごとに上下動させることができるた
め、採光のバランスを図ることが容易となり、また、栽
培期間の調整を容易に行うことができる。
【0016】但し、本実施形態においては、巻回部材1
2の回転位置を固定せずに、回転と共に水平架台部11
a上における位置が変化するように転動可能に設けてい
る。この結果、図4(a)に示したように、一方の巻回
部材12を一方向へ回転させると、他方の巻回部材12
に接近する方向に水平架台部11a上を移動しながら、
吊り下げ部材13が巻き戻されていき、植物栽培ベッド
20が下降していく。逆方向へ回転させた場合には、他
方の巻回部材12から離間する方向へ水平架台部11a
上を移動しながら、吊り下げ部材13が巻き付けられ、
植物栽培ベッド20が上昇していく。すなわち、本実施
形態によれば、巻回部材12を回転させて水平架台部1
1a上で転動させると、斜め下方又は斜め上方に植物栽
培ベッド20を移動させることができる構成となってい
る。
【0017】本実施形態においては、このように巻回部
材12による水平移動と吊り下げ部材13による上下移
動とが同時になされる構成となっており、その結果、植
物栽培ベッド20が斜め上方又は斜め下方に移動してい
く。このような構成とすることで、迅速に植物栽培ベッ
ド20の水平位置と上下高さ位置との調整を行うことが
できるという利点を有するが、巻回部材12による水平
位置の調整と吊り下げ部材13による上下高さ位置の調
整とを2段階で別々に行う構成とすることも可能であ
る。
【0018】また、巻回部材12には、図示しないが、
ハンドルを連結しておき、ハンドル操作により容易に回
転できる構成とすることが好ましい。この場合、ハンド
ルと巻回部材12とをギア機構を介して連結することに
より、ハンドルの操作力を小さくする構成とすることも
できる。
【0019】また、手動式ではなく、モータ駆動とする
こともできる。例えば、図5に示すように、水平架台部
11aに、モータを内蔵した駆動装置30の本体ケース
30aを、架台11の両側の脚部11bに掛け渡して設
けた自転防止用の回り止めパイプ40に係合して設け、
それぞれの駆動装置30の本体ケース30aから突出す
る図示しない駆動軸を巻回部材12の端部に連結して、
モータの回転で巻回部材12を回転させることができ
る。モータの駆動に伴って巻回部材12が回転すると、
該巻回部材12が水平架台部11a上を転動するため、
これに伴って、駆動装置30は、回り止めパイプ40に
案内されて水平方向に移動する。
【0020】ここで、本実施形態において栽培手段を構
成する植物栽培ベッド20は、図8に示したように、プ
ラスチックからなり、内部に培地を収容したバッグ型に
形成された外被部材21を有して構成される。外被部材
21は、例えば、培地を充填した際に、直径5cm〜5
0cm程度、長さ0.5m〜5m程度の略筒状をなすよ
うな大きさで形成される。これらは栽培する植物の種類
によっても異なり、また、例えば、温室の長手方向の長
さに相当する数十メートルの長さとすることも可能であ
るが、持ち運びや取り扱いの容易さを考慮すると適宜の
長さで区切ったものが好ましい。また、このように適宜
の長さと区切ることにより、病気が発生した場合でも、
その蔓延が一つの植物栽培ベッド20内で済むという利
点も有する。
【0021】外被部材21の上部付近は、長手方向に沿
った対向面同士を線状に溶着等によって接合することに
より略筒状に形成された連結部22が形成されている。
この連結部22内に、支持パイプ25を挿通し、連結部
22から突出している部位を上記した吊り下げ部材13
に結びつけることで、植物栽培ベッド20が吊り下げ部
材13に吊り下げ支持される構成である。なお、吊り下
げ部材13への連結手段としては、このような略筒状に
形成された連結部22とそれに挿通される支持パイプ2
5とからなるものでなくてもよい。吊り下げ部材13に
対して直接又は間接に容易に連結できる構造であればよ
く、例えば、外被部材21に取り付けたフックなどの係
合部材(図示せず)を支持パイプ25に引っ掛ける構造
としたり、あるいは、係合部材を直接吊り下げ部材13
に係合させる構造としたりすることができる。
【0022】また、図8(a)に示したように、外被部
材21の底部から所定量上方に離間した位置に、孔やス
リット等からなる排液部23を形成することが好まし
い。排液部23を培地が充填された外被部材21におけ
る最も低い位置(底部)に開設した場合には、給液され
た培養液や水などの液体のうち、培地に保水されなかっ
た余剰液は全てそのまま排出されてしまうが、排液部2
3の開設位置を、このように底部から多少上方とするこ
とにより、外被部材21の底部から排液部23の開設位
置までに所定量の液体が湛水される。このため、水バッ
ファ(緩衝帯)が得られ、給液量、給液回数、排液量、
排液回数を減らすことができる。
【0023】外被部材21内に収容されている培地の充
填部21aの上方であって、連結部22との境界との間
は、図8(a),(b)に示したように、空間21bが
形成されている。そこで、この図8に示した態様では、
この空間に散液孔を有する給液用ホース26などの給液
手段を挿入し、培地及び植物に対して給液を施すように
なっている。しかしながら、かかる構成の場合には、給
液用ホース26などの別途の給液手段を配設しなければ
ならない。そこで、図9に示したように、充填部21a
における培地上面よりも上方であって連結部22よりも
下方において、外被部材21の長手方向に沿って部分的
に対向面同士を溶着などにより接合した接合ラインを形
成することで、連結部22の下方に、もう1カ所、筒状
部24を形成することが好ましい。この筒状部24は、
部分的にしか接合されておらず、適宜の間隔で孔状又は
スリット状の非接合部24bが形成された構成であり
(図9(b)参照)、筒状部24内に通液することによ
り、非接合部24bを介して培地へ液体を供給する給液
部となり、給液部も一体的に形成された植物栽培ベッド
20を提供することができる。なお、給液部となる筒状
部24の側面適宜位置には、液体を供給するための液体
補給口24aが設けられている。
【0024】上記したようにバッグ型に形成された植物
栽培ベッド20に植物を植える際には、外被部材21の
側面の適宜位置を開口させて、内部に収容された培地に
植える。この場合、植物を植えやすくするために、予
め、孔やスリットなどを空けておいてもよいが、運搬や
設置時における培地の脱落を防ぐ手段が別途必要となる
ため、ミシン目などを入れておくことで、必要な時に容
易に開口できる構成とすることが好ましい。外被部材2
1はプラスチックフィルムから形成されるため、このよ
うなミシン目などが予め形成されていなくても、カッタ
ーなどを用いて一部に切れ目を入れて、あるいは孔部を
形成して、植物を植えることももちろん可能である。な
お、この植物栽培ベッド20は、上記のように連結部2
2に支持パイプ25が挿通されて支持されるため、上面
から見た場合に、連結部22を挟んで培地の充填部21
aが両側に膨出する。従って、植物は、培地の充填部2
1aに対し、両側から植え付けることができる。
【0025】本実施形態の植物栽培装置1を用いた場合
には、架台11の水平架台部11a上の両側部付近に、
図4に示したように、2本の巻回部材12を配置する。
この際、隣接する架台11間に形成される作業用通路を
常態において確保しておく必要はほとんどなく、架台1
1は、温室内においてこの作業用通路となるべき部位を
隔てて隣接する植物栽培ベッド20で成長している植物
同士が接触したりしない程度の間隔で複数列で設置して
おく(図4(b)参照)。通常の栽培状態においては、
このように、巻回部材12で支持された各列の植物栽培
ベッド20の高さがほぼ同じであり、一方が他方の陰に
なるようなことがない。従って、いずれの植物栽培ベッ
ド20で成長している植物に対しも、十分な採光を確保
することができる。なお、温室などの栽培施設内におい
て、いずれか少なくとも一つの水平架台部11aが上記
のように植物栽培ベッド20を複数支持可能な長さを有
していれば、当該水平架台部11aの少なくとも一方の
側部の作業用通路を狭めることができるため、植物栽培
ベッド20を各列ごとに移動できない従来の技術と比較
した場合には、栽培密度や採光性を向上させることがで
きる。
【0026】作業を行う際には、ハンドルを把持して、
図4(a)に示したように、いずれか一方の巻回部材1
2を他方の巻回部材12に接近させる方向に回転させ
る。これにより、図4(b)に示したように、隣接する
架台11との間に、作業用スペース(作業用通路)が確
保される。このとき、一方の植物栽培ベッド20は斜め
下方に移動していくため、他方の植物栽培ベッド20と
は上下高さが異なった状態で接近することになる。従っ
て、作業者は、一方の植物栽培ベッド20が他方の植物
栽培ベッド20に接近したことにより確保された作業用
通路において、いずれの植物栽培ベッド20に対しても
所定の手入れ作業を施すことができる。必要な作業が済
んだならば、上記と逆方向に巻回部材12を回転させて
常態位置に戻せば、上記の通り、十分な採光がいずれの
植物栽培ベッド20にも確保される。また、ハンドル操
作によって、植物栽培ベッド20を任意の高さに調整で
きるため、作業者の体格や作業の種類などに合わせて、
無理のない姿勢で作業を行うことができ、作業能率の向
上にも資する。
【0027】また、作業用通路を確保するために巻回部
材12を回転させるに当たって、本実施形態において
は、水平架台部11a上に支持された回転部材12のい
ずれでも回転させることができる構成となっている。し
かも、いずれも他方への接近方向に回転させると吊り下
げ部材13が巻き戻されるように設けている。従って、
回転移動させる巻回部材12がいずれか一方というよう
に限定される構成ではない。このため、作業用通路は、
架台11のいずれの側部にも形成することができる。も
ちろん、一方の回転部材12を水平移動できないように
固定して、他方の巻回部材12のみを水平移動できるよ
うにすることも可能であるが、作業性を考慮すると、本
実施形態のように、架台11のいずれの側部にも作業用
通路を確保できる構成とすることが好ましい。
【0028】また、上記のように、常態においては、各
列の植物栽培ベッド20がほぼ同じ高さであるため、均
一な採光性を確保できるが、薬剤散布を行う場合には、
両者が同じ高さのままでは、隣接する植物が邪魔にな
り、作業者からみて奥に位置する列の植物に対し、薬剤
を散布しにくい。しかしながら、本実施形態によれば、
薬剤散布のために作業用通路を確保する際に、いずれか
の巻回部材12を所定量回転させるだけで、植物栽培ベ
ッド20が上下動するため、隣接する植物同士の高さが
異なることになる。従って、作業者から見て奥に位置す
る列の植物に対しても容易に薬剤を散布でき、薬剤散布
の均一性を高めることができる。
【0029】このように、本実施形態の植物栽培装置1
によれば、常態において作業用通路を確保する必要がな
く、従来よりも栽培施設内における植物間の間隔を接近
させた密植栽培が可能となる。その一方、密植栽培して
も、必要な管理作業等も容易に行え、しかも、採光性、
薬剤散布の均一性も確保することができる。従って、同
じ栽培施設においても、品質を落とすことなく、作物の
収穫量を大幅に上げることができる。
【0030】次に、本発明の他の実施形態にかかる植物
栽培装置について説明する。この植物栽培装置は、図6
に示すように、栽培手段としての植物栽培ベッド20の
移動時の負荷、すなわち、植物栽培ベッド20の荷重に
よる負荷を低減する負荷低減手段を有している。巻回部
材12に対し、ギア機構を介してハンドルを連結するこ
とにより巻回部材12を回転させる際に必要な力(操作
力)を低減することはできるが、その場合には、植物栽
培ベッド20を所定量移動させる際の回転量が増加す
る。これに対し、本実施形態のように負荷低減手段を設
けた場合には、ギア機構の減速比をより小さくしても、
あるいはギア機構を設けなくても、巻回部材12を回転
さえる際に必要な力(操作力)を小さくすることができ
る。従って、本実施形態の場合には、植物栽培ベッド2
0として、重量の重い、あるいは長さの長い大型のもの
を用いた場合や、所定長の植物栽培ベッド20を奥行き
方向に複数配置し、これを一括して上下動させる場合な
ど、植物栽培ベッド20の負荷が大きい場合に特に有効
である。
【0031】すなわち、本実施形態の植物栽培装置は、
上記した実施形態と同様に、架台11が、水平架台部1
1aと脚部11bとを有しており、例えば、パイプ部材
からなる巻回部材12が、奥行き方向に隣接する一対の
水平架台部11a間に掛け渡され、隣接する水平架台部
11a上で転動可能に支持されている。また、巻回部材
12に対し、嵌合部材12aを介して紐状部材などから
なる吊り下げ部材13の一端部が巻き付け固定されてい
る。なお、本実施形態では、植物栽培ベッド20とし
て、鉢20aと、この鉢20aを載置したトレー20b
とからなるものを用いており、トレー20bの端部に、
吊り下げ部材13の他端部が固定されている。
【0032】負荷低減手段は、一端側が巻き取り又は巻
き戻される負荷低減用の紐状部材50と、該紐状部材5
0の他端側に連結され、吊り下げ部材13を巻回部材1
2に巻き取らせる方向に作用する補助力を付与する補助
力付与部材とから構成される。具体的には、巻回部材1
2に対し、紐状部材(紐材、ワイヤ、あるいは所定の幅
を有するベルト部材等の長尺帯など)50の一端部が巻
き付け固定されており、該紐状部材50は、架台11の
水平架台部11aに沿って、水平架台部11aの一方の
端部に伸び、この端部に回動可能に取り付けられた滑車
60に巻回されて、架台11の脚部11bに沿って鉛直
方向下方に伸び、さらに、下端部には、補助力付与部材
としての錘70が連結されている。錘70の中心部には
孔70aが形成され、孔70aをもって脚部11bにス
ライド自由に嵌挿される。
【0033】また、一端側が巻回部材12に巻き付けら
れ、他端側が上記紐状部材50が伸びる方向と反対方
向、すなわち、上記水平架台部11の一方の端部に設け
た滑車60の位置とは反対方向に伸び、他端側が水平架
台部11aの他方の端部付近に設けたフック80を介し
て固定されるバランス用紐状部材(紐材、ワイヤ、ある
いは所定の幅を有するベルト部材等の長尺帯など)90
が設けられている。
【0034】ここで、錘70を配設することにより、植
物栽培ベッド20を上昇させる際の負荷を低減できる
が、錘70が重すぎては植物栽培ベッド20を下降させ
る際の負荷が過大となる。従って、錘70は植物栽培ベ
ッド20と釣り合うような重さであることが好ましい。
また、上記のようなバランス用紐状部材90を設けない
場合には、紐状部材50が滑車60に至るまで水平架台
部11aに沿って水平方向に配設されているため、巻回
部材12を横方向(水平方向)にずらす力が作用し、巻
回部材12の動作が安定しない。従って、バランス用紐
状部材90を設けることによって、巻回部材12を横方
向にずらす力を相殺させるバランス力を作用させること
が好ましい。
【0035】かかる構成においては、上記したように、
巻回部材12を水平架台部11a上で回転させることに
より、他方の巻回部材12から離れる方向あるいは接近
する方向に水平架台部11a上を移動しながら、吊り下
げ部材13が巻き取り又は巻き戻しされ、これにより一
対の水平架台部11a間に支持された植物栽培ベッド2
0が上下動する。また、植物栽培ベッド20を上昇させ
る際に、巻回部材12を水平架台部11a上で回転させ
ると、負荷低減手段を構成する紐状部材50が巻き戻さ
れ、錘70が脚部11bをスライドして下降すると共
に、バランス用紐状部材90が巻き取られる。逆に、植
物栽培ベッド20を下降させる際に、巻回部材12を水
平架台部11a上で回転させると、紐状部材50は巻き
取られ、錘70が脚部11bをスライドして上昇すると
共に、バランス用紐状部材90が巻き戻される。
【0036】従って、植物栽培ベッド20を上昇させる
際には、錘70の重量が、負荷低減手段を構成する紐状
部材50を介して巻回部材12を回転させる補助力とし
て作用するため、植物栽培ベッド20を上昇させる際の
負荷が低減される。なお、植物栽培ベッド20を下降さ
せる際に、巻回部材12を水平架台部11a上で回転さ
せると、吊り下げ部材13が巻き戻されると共に、負荷
低減手段を構成する紐状部材50が巻き取られ、錘70
が上がっていく。
【0037】また、負荷低減手段を構成する補助力付与
部材としては、上記した錘70に代え、紐状部材50に
引張力を付与する弾性部材、例えば、引張スプリング1
00を用いることもできる。具体的には、図7に示した
ように、紐状部材50を水平架台部11aの一端部に設
けた滑車60に巻回し、架台11の脚部11bに沿って
鉛直方向下方に伸ばし、その下端部に、引張スプリング
100の一端部を連結した構成である。引張スプリング
100の他端部は、架台11の脚部11bの基端部付近
に固定される。
【0038】かかる構成においては、植物栽培ベッド2
0を上昇させる際には、引張スプリング100の引張力
により、負荷低減手段を構成する紐状部材50が巻回部
材12から巻き戻されると共に、バランス用紐状部材9
0が巻き取られる。逆に、植物栽培ベッド20を下降さ
せる際には、引張スプリング100の引張力に抗して、
紐状部材50が巻回部材12に巻き取られると共に、バ
ランス用紐状部材90が巻き戻される。従って、植物栽
培ベッド20を上昇させる際には、引張スプリング10
0の引張力が、紐状部材50を介して巻回部材12を回
転させる補助力として作用する。この結果、植物栽培ベ
ッド20を上昇させる際の負荷が低減される。引張スプ
リング100は、その引張力が植物栽培ベッド20とバ
ランスする程度であることが好ましいことは上記した錘
70を用いた場合と同様である。また、図6及び図7に
おいては、負荷低減手段を構成する紐状部材50及び補
助力付与部材である錘70又は引張スプリング100と
して、一方の巻回部材12に対して設けたものしか図示
していないが、他方の巻回部材12に対しても同様に負
荷低減手段が設けられることはもちろんである。なお、
その他の構成、作用については上記した実施形態と同様
である。
【0039】
【発明の効果】本発明の植物栽培装置によれば、栽培手
段を各列ごとに少なくとも上下方向に移動させることが
できる構成とすることにより、他の列の栽培手段の位置
に拘わらず、単独で上下動させることができる。このた
め、一方側から作業を行う場合、一方の栽培手段を下降
させておくことで他方の栽培手段の植物に対して容易に
作業を行うことができる。また、各栽培手段を植物の成
長に合わせて、各列ごとに上下動させることができるた
め、採光のバランスを図ることが容易となり、また、栽
培期間の調整を容易に行うことができる。また、栽培手
段を各列ごとに上下動させる構成とすることにより、奥
行き方向に複数支持された栽培手段を一括して上下動さ
せることができ、上下動操作が極めて容易である。
【0040】上下方向のほかに隣接する列の栽培手段に
対して離接する方向(水平方向)へも移動可能とした場
合、あるいは斜め上方又は斜め下方に移動可能とした場
合には、常態において作業用通路を確保する必要がなく
なり、従来よりも栽培施設内における植物間の間隔を接
近させた密植栽培が可能となる。その一方、密植栽培し
ても、必要な管理作業等も容易に行え、しかも、採光
性、薬剤散布の均一性も確保することができる。従っ
て、同じ栽培施設においても、品質を落とすことなく、
作物の収穫量を大幅に上げることができる。特に、上下
方向と水平方向の移動が同時になされ、斜め上方又は斜
め下方に移動する構成とした場合には、より迅速に作業
用通路を確保することができる。また、巻回部材を回転
させるだけで済むため、装置構成が極めて簡易であり、
低コストで提供することができる。また、負荷低減手段
を設けた場合には、栽培手段が上下動作する際の負荷が
低減されるため、支持移動手段を構成する巻回部材に加
える力を小さくすることができ、手動でも容易に操作す
ることができる。
【0041】また、本発明の植物栽培ベッドによれば、
培地が収容される袋状に形成された外被部材に、植物栽
培装置で吊り下げ支持可能な連結手段を有している。従
って、栽培手段としての植物栽培ベッドを吊り下げ支持
するタイプの植物栽培装置に広く適用することができ
る。特に、本発明のように栽培手段を上下動させたり、
水平移動させたり、あるいは斜め移動させたりする植物
栽培装置に好適に用いることができる。しかも、連結手
段を備え、袋状に形成した外被部材内に培地を充填した
だけの構成であるため、安価に製造できると共に、取り
扱いや設置作業も容易である。また、給液部も一体に形
成した構成とすることにより、別途の給液手段を設ける
必要がない。さらに、排液部の位置を底部から所定量上
方に離間した位置とすることにより、所定量の液体を湛
水することが可能となり、給液回数給液量、排液回数、
排液量の減少、管理作業の容易化に資する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態にかかる植物栽
培装置を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、上記実施形態にかかる植物栽培装置に
おいて、植物栽培ベッドが上昇している状態を示す側面
図である。
【図3】図3は、上記実施形態にかかる植物栽培装置に
おいて、植物栽培ベッドが下降している状態を示す側面
図である。
【図4】図4は、上記実施形態にかかる植物栽培装置の
作用を説明するための図であり、(a)は一方の植物栽
培ベッドの移動の様子を示す図であり、(b)は一方の
植物栽培ベッドの移動後の状態を示す図である。
【図5】図5は、巻回部材の駆動にモータを適用した例
を示す概略斜視図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態にかかる植物栽
培装置の一例を示す概略斜視図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態にかかる植物栽
培装置の他の例を示す概略斜視図である。
【図8】図8は、上記実施形態にかかる植物栽培装置に
用いるのに適する本発明の植物栽培ベッドの一例を示す
図であり、(a)は概略斜視図であり、(b)は概略正
面図である。
【図9】図9は、上記実施形態にかかる植物栽培装置に
用いるのに適する本発明の植物栽培ベッドの他の例を示
す図であり、(a)は概略正面図であり、(b)は概略
側面図である。
【図10】図10は、栽培手段として鉢やプランターを
支持する場合の具体例を例示した図であり、(a)はプ
ランターを個別に吊り下げ支持した図を、(b)はトレ
ーにプランターを載置して吊り下げ支持した図を、
(c)はトレーに鉢を載置して吊り下げ支持した図を示
す。
【符号の説明】
1 植物栽培装置 10 支持移動手段 11 架台 11a 水平架台部 12 巻回部材 13 吊り下げ部材 20 植物栽培ベッド 21 外被部材 22 連結部 23 排液部 24 筒状部 25 支持パイプ 26 給液用ホース 50 紐状部材 70 錘 90 バランス用紐状部材 100 引張スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 恒男 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 (72)発明者 野村 保明 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 (72)発明者 井出 有美枝 栃木県下都賀郡国分寺町柴262−10 株式 会社誠和小金井工場内 Fターム(参考) 2B027 ND01 NE01 NE07 QB12 QB22 QC35 RA02 RC06 RE27 TA05 TA09 TA10 TA22 TA28 TB02 TC07 TC09 TC10 TC11 UA04 UA08 UA10 UA14

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物を植えるための培地を備えた栽培手
    段が複数列に亘って配置される栽培施設に用いられる植
    物栽培装置であって、 前記栽培手段を支持すると共に、この栽培手段を、各列
    ごとに、少なくとも上下方向に移動させることができる
    支持移動手段を有することを特徴とする植物栽培装置。
  2. 【請求項2】 植物を植えるための培地を備えた栽培手
    段が複数列に亘って配置される栽培施設に用いられる植
    物栽培装置であって、 前記栽培手段を支持すると共に、この栽培手段を、各列
    ごとに、上下方向にかつ隣接する列の栽培手段に対して
    離接する方向に移動させることができる支持移動手段を
    有することを特徴とする植物栽培装置。
  3. 【請求項3】 植物を植えるための培地を備えた栽培手
    段が複数列に亘って配置される栽培施設に用いられる植
    物栽培装置であって、 前記栽培手段を支持すると共に、この栽培手段を、各列
    ごとに、斜め上方又は斜め下方に向かって移動させるこ
    とができる支持移動手段を有することを特徴とする植物
    栽培装置。
  4. 【請求項4】 前記栽培手段が、各列ごとに、各列の奥
    行き方向に沿って複数配置されており、前記支持移動手
    段は、奥行き方向に沿って複数配置された栽培手段を、
    各列ごとに一括して移動させることができる構造である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の植
    物栽培装置。
  5. 【請求項5】 前記支持移動手段は、所定高さの位置に
    設けられる水平架台部と、各栽培手段を吊り下げ支持す
    る吊り下げ部材と、前記水平架台部によって支持される
    と共に、前記吊り下げ部材を巻き取り又は巻き戻して吊
    り下げ部材の長さを調整可能な巻回部材とを具備して構
    成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に
    記載の植物栽培装置。
  6. 【請求項6】 前記巻回部材が、水平架台部に沿って水
    平方向に移動可能であることを特徴とする請求項5記載
    の植物栽培装置。
  7. 【請求項7】 前記巻回部材が、水平架台部に沿って水
    平方向に移動しながら前記吊り下げ部材を巻き取り又は
    巻き戻し可能であることを特徴とする請求項6記載の植
    物栽培装置。
  8. 【請求項8】 前記水平架台部が、栽培施設内に、作業
    用通路を隔てて複数列設置されており、そのうち少なく
    とも一列の水平架台部は、複数の巻回部材が設けられ、
    複数列の栽培手段を支持可能であることを特徴とする請
    求項5〜7のいずれか1に記載の植物栽培装置。
  9. 【請求項9】 前記巻回部材が、前記水平架台部上を転
    動可能なパイプ部材から構成され、前記吊り下げ部材
    が、該パイプ部材に巻き取り又は巻き戻される紐状部材
    から構成されることを特徴とする請求項5〜8のいずれ
    か1に記載の植物栽培装置。
  10. 【請求項10】 前記栽培手段の移動時の負荷を低減す
    る負荷低減手段を有することを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか1に記載の植物栽培装置。
  11. 【請求項11】 前記負荷低減手段は、前記巻回部材に
    一端側が巻き取り又は巻き戻される紐状部材と、該紐状
    部材の他端側に連結され、前記吊り下げ部材を前記巻回
    部材に巻き取らせる方向に作用する補助力を付与する補
    助力付与部材とを具備して構成されることを特徴とする
    請求項10記載の植物栽培装置。
  12. 【請求項12】 前記補助力付与部材が、前記紐状部材
    を荷重により引っ張る錘であることを特徴とする請求項
    11記載の植物栽培装置。
  13. 【請求項13】 前記補助力付与部材が、前記紐状部材
    に引張力を付与する弾性部材であることを特徴とする請
    求項11記載の植物栽培装置。
  14. 【請求項14】 前記巻回部材に一端側が巻き取り又は
    巻き戻され、該巻回部材に対して前記負荷低減手段によ
    って作用する補助力の方向と反対方向にバランス力を付
    与するバランス用紐状部材を有することを特徴とする請
    求項11〜13のいずれか1に記載の植物栽培装置。
  15. 【請求項15】 内部に培地を収容可能な袋状に形成さ
    れた外被部材と、前記外被部材の上部に、前記支持移動
    手段に連結される連結手段とを有し、前記栽培手段とし
    て用いられる植物栽培ベッドをさらに備えていることを
    特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載の植物栽
    培装置。
  16. 【請求項16】 前記外被部材における底部から所定量
    上方に離間した位置に、排液部が開設されていることを
    特徴とする請求項15記載の植物栽培装置。
  17. 【請求項17】 収容される培地上面よりも上方におけ
    る前記外被部材の対向面同士を、その長手方向に沿って
    部分的に接合することにより略筒状に形成される給液部
    を有し、該給液部に供給される液体が、非接合部を介し
    て培地に供給される構造であることを特徴とする請求項
    15又は16記載の植物栽培装置。
  18. 【請求項18】 植物を植えるための培地を備えた栽培
    手段を構成し、栽培施設内に設置された植物栽培装置に
    よって吊り下げ支持可能な植物栽培ベッドであって、 内部に培地を収容可能に袋状に形成された外被部材と、
    前記外被部材の上部に設けられ、前記植物栽培装置によ
    って吊り下げ支持する際に連結される連結手段とを有す
    ることを特徴とする植物栽培ベッド。
  19. 【請求項19】 前記外被部材における底部から所定量
    上方に離間した位置に、排液部が開設されていることを
    特徴とする請求項18記載の植物栽培ベッド。
  20. 【請求項20】 収容される培地上面よりも上方におけ
    る前記外被部材の対向面同士を、その長手方向に沿って
    部分的に接合することにより略筒状に形成される給液部
    を有し、該給液部に供給される液体が、非接合部を介し
    て培地に供給される構造であることを特徴とする請求項
    18又は19記載の植物栽培ベッド。
  21. 【請求項21】 前記連結手段が、前記外被部材の上部
    付近における対向面同士を接合することにより略筒状に
    形成された連結部と、該連結部内に挿入され、前記植物
    栽培装置によって吊り下げ支持される支持パイプとを有
    してなることを特徴とする請求項18〜20のいずれか
    1に記載の植物栽培ベッド。
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