JP2003244904A - 回転電機子用ステータ及びヨークへの永久磁石の接着方法 - Google Patents

回転電機子用ステータ及びヨークへの永久磁石の接着方法

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JP2003244904A JP2002044532A JP2002044532A JP2003244904A JP 2003244904 A JP2003244904 A JP 2003244904A JP 2002044532 A JP2002044532 A JP 2002044532A JP 2002044532 A JP2002044532 A JP 2002044532A JP 2003244904 A JP2003244904 A JP 2003244904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転電機子用ステータのヨークの内周面に防
錆、装飾等のためにクロメート層を形成した後接着剤を
塗布すると、その中に含まれる水分により接着剤がはじ
かれ、ヨークへの永久磁石の接着力の低下が防止するこ
とがあった。 【解決手段】回転電機子用ステータ30は、磁性材料か
ら成り、めっき層13が形成された円筒状のヨーク10
と、めっき層の複数個の磁石接着部16に接着剤18を
介して接着された複数個の永久磁石20と、めっき層の
複数個の磁石非接着部17に形成されたクロメート層2
7と、から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機子用ステ
ータ、及びそのヨークへの永久磁石の接着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】回転電機子の一種である直流モータ(直
流電動機)は、コンミテータ(整流子)及びブラシを備
え、外側の固定されたステータ(固定子)と、内側の回
転するロータ(回転子)から成る。かかるブラシ付き直
流モータの一種に、ステータが円筒状のヨーク(継鉄)
と、その内周面に固着された界磁用永久磁石(以下「永
久磁石」と略称する)とから成るものがある。ヨークは
永久磁石の隣接する磁極同士を磁気的に接続するもの
で、鉄等の磁性体から成り、円筒形状を有する。永久磁
石は主磁束を発生するもので、複数個の永久磁石がヨー
クの内周面に円周方向に隔設される。
【0003】永久磁石は接着剤によりヨークの内周面に
接着されるが、永久磁石の接着の前に、防錆等のために
ヨークの内周面を含む表面に表面処理を施す。その際、
始めに防錆のためにヨークの表面に亜鉛のめっき層を形
成し、次に亜鉛のめっき層の防錆及びヨークの装飾のた
めに亜鉛のめっき層の上にクロメート処理によりクロメ
ート層を形成することがある。亜鉛のめっき層は安価で
ありながら、ある程度の防錆効果が得られる。クロメー
ト層は防錆効果が大きくしかも装飾効果がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にクロ
メート層は微量の水分を含む。特に、六価クロムを使用
している黄色クロメート層は大気中の水分を吸収し、傷
等により破れた部分をこの水分で自己修復する。こうし
て黄色クロメート層が再生され易く、その中に水分が存
在することになる。
【0005】この水分は、ヨークの上記表面処理後行わ
れるヨークへの永久磁石の接着の妨げとなることがあ
る。例えば、亜鉛のめっき層及びクロメート層の形成
後、クロメート層の表面に熱硬化性の接着剤を塗布し、
この接着剤により永久磁石をヨークに接着する。その
後、熱を加えて接着剤を乾燥させる際、乾燥時の加熱に
よりクロメート層内の水分が蒸発し、それに伴いその上
に塗布された接着剤の一部をはじいてしまう。
【0006】その結果、永久磁石の外面とヨークの内周
面との実質的な接着面積が減少し、接着剤による永久磁
石の接着力が低下する。特に、六価クロムを含む黄色ク
ロメート層を形成した場合は、水分の保有量が他のクロ
メート層よりも多いために、この傾向が顕著になる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、回転電機子用ステータを構成するヨークの防錆及び
/又は装飾のためにヨークにクロメート層を形成した場
合でも、接着剤によるヨークへの永久磁石の接着力の低
下が防止できる回転電機子用ステータ、及び該ステータ
におけるヨークへの永久磁石の接着方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の発明者は、クロメ
ート処理の際、ヨークの内周面上のめっき層と永久磁石
との間にクロメート層が形成されないクロメート層の形
成方法及び接着剤の塗布方法を思い付いて、本発明を完
成した。
【0009】本願の第1発明による回転電機子用ステー
タは、請求項1に記載されているように、磁性材料から
成り少なくとも内周面にめっき層が形成された円筒状の
ヨークと、めっき層上の複数個の磁石接着部に接着剤を
介して接着された複数個の永久磁石と、めっき層上の複
数個の磁石非接着部に形成されたクロメート層とから成
ることを特徴とする。
【0010】この回転電機子用ステータでは、めっき層
上の磁石接着部にはクロメート層が形成されておらず、
永久磁石は接着剤によりヨーク内周面にしっかり接着さ
れている。そして、磁石非接着部はクロメート層により
防錆及び装飾されている。
【0011】請求項2に記載の回転電機子用ステータで
は、請求項1において、めっき層が亜鉛のめっき層から
成る。このステータによれば、安価でありながら優れた
防錆作用が得られる。
【0012】請求項3に記載の回転電機子用ステータで
は、請求項2においてクロメート層はクロムを主成分と
する。このステータによれば、更に優れた防錆作用及び
装飾効果が得られる。
【0013】一方、本願の第2発明によるヨークへの永
久磁石の接着方法は、請求項4に記載されているよう
に、磁性材料から成り円筒状のヨークの少なくとも内周
面に形成されためっき層上の複数個の磁石接着部をマス
ク部材でマスキングするマスキング工程と、めっき層上
のマスキングされた磁石接着部以外の複数個の磁石非接
着部にクロメート層を形成するクロメート層形成工程
と、マスク部材を取り外した磁石接着部に接着剤により
複数個の永久磁石を磁石接着部に接着する磁石接着工程
とから成ることを特徴とする。
【0014】このヨークへの永久磁石の接着方法では、
磁石接着部がマスク部材にマスキングされた状態で磁石
非接着部にクロメート層が形成され、その後接着剤によ
り磁石接着部に永久磁石が接着される。よって、クロメ
ートがヨークと永久磁石との間に浸入することが防止さ
れる。
【0015】請求項5に記載の永久磁石の接着方法で
は、請求項4のマスキング工程において、複数個の磁石
接着部を複数個のマスク部材から成るマスキングユニッ
トにより同時にマスキングする。この接着方法によれ
ば、複数個の磁石接着部が効率よくマスキングされる。
【0016】請求項6に記載の永久磁石の接着方法で
は、請求項4のマスキング工程において、複数個のヨー
クを複数個のマスキングユニットから成るマスキング装
置により同時にマスキングする。この接着方法によれ
ば、複数個のヨークの磁石接着部が更に効率よくマスキ
ングされる。
【0017】請求項7に記載の永久磁石の接着方法で
は、請求項4の磁石接着工程において、めっき層形成工
程で磁石接着部の周縁にクロメート層により形成された
縁を目印として永久磁石を接着する。この接着方法によ
れば、複数個の永久磁石のヨークの内周面のめっき層上
での位置決めが容易かつ確実になる。
【0018】
【発明の実施の形態】<回転電機子>本発明は、自動車
のスタータ(始動電動機)及び発電機、産業機器の駆動
モータ及び電動工具用モータ等に適用することができ
る。その中の直流モータは外側に固定され全体として円
筒状のステータ(固定子)と、該ステータの内部空間に
回転可能に配置されたロータ(回転子又は電機子)と、
コンミテータ(整流子)及びブラシとを有し、界磁に永
久磁石を使用する。コンミテータ及びブラシは公知のも
のが採用でき、ロータも公知のものが採用できる。 <ステータ>上述したように、ステータはヨークと、表
面処理層(めっき層及びクロメート層)と、複数個の永
久磁石とら成る。 ヨークは鉄等の磁性材料から成り円筒形状を有する。
少なくとも内周面、なるべく表面全体(内周面、外周面
及び両端面)に防錆性に優れためっき層が形成されてい
ることが望ましい。めっき層として亜鉛のめっき層を採
用すれば、安価でありながら、比較的高い防錆能力が得
られる(請求項2に相当)。亜鉛のめっき層の厚さは5
から30μmとできる。 クロメート層はクロメート処理により形成され、亜鉛
のめっき層等が形成されたヨークに更に耐食性を付与
し、また数種類の色調を付与することができる。ここ
で、「クロメート処理」とは、クロム酸や重クロム酸を
主成分とする水溶液中にヨーク等を浸して、腐食に対し
て安定な皮膜を形成することである。クロメートの具体
例としては、例えば黄色クロメートや白色クロメートが
ある。黄色クロメートは外観が黄色を呈し、白色クロメ
ートは光沢のある銀白色を呈している。
【0019】クロメート層は少なくともヨークの内周面
に形成されためっき層上の磁石非接着部に形成されてい
れば良い。ここで、「磁石接着部」とはヨークの内周面
上のめっき層上の永久磁石が接着される部分(領域)の
ことであり、「磁石非接着部」とは内周面のめっき層上
のそれ以外の部分である。内周面のめっき層上におい
て、磁石接着部と磁石非接着部とは円周方向に交互に位
置している。磁石接着部及び磁石非接着部の形状や個数
は永久磁石の形状や個数によって決まる。なお、クロメ
ート層の厚さは0.3から1.5μmの範囲で形成され
る。また、クロメート層は、めっき層がヨークの内周面
以外にも形成された場合は、その部分にも形成すること
が望ましい。亜鉛のめっき層の上にクロメート層を形成
すれば(請求項3に相当)、亜鉛のめっき層及びクロメ
ート層による防錆効果と、クロメート層による装飾効果
とが得られる。 永久磁石としては、小形状で大きな磁気力が得られる
希土類磁石や、フェライト磁石を採用できる。永久磁石
の形状は特に制約はなく、少なくともヨークの内周面と
同じ曲率の外面を持てばよい。永久磁石の個数は2個、
4個、6個又は8個とできる。 永久磁石をヨークに接着する接着剤としては、公知の
熱硬化性接着剤(例えばエポキシ系樹脂)を使用するこ
とができる。 <接着方法>上述したように、永久磁石のヨークへの接
着方法はマスキング工程と、クロメート層形成工程と、
磁石接着工程と、から成る。 マスキング工程ではまず、ヨークの少なくとも内周面
にめっき層を形成する。めっき層は、内周面及びその他
の面(外周面、両端面)に形成することが望ましい。め
っき層を形成する際、亜鉛を利用することができる。め
っき層上の複数個の磁石接着部は単一のマスク部材によ
りマスキングしても良いし、複数個のマスク部材により
マスキングしても良い。複数個のマスク部材を使用する
場合、複数個の磁石接着部を順次(一つづつ)マスキン
グしても良いが、作業効率等を考えると同時にマスキン
グすることが望ましい。
【0020】複数個の磁石接着部を同時にマスキングす
るためには、例えば複数個のマスク部材から成るマスキ
ングユニットを使用することができる(請求項5に対
応)。各マスク部材は少なくとも各磁石接着部をマスキ
ングできる大きさを持てば良いが、磁石接着部と同じ形
状にすることが望ましい。尚、マスク部材の材質にはゴ
ム等を採用することができる。また、複数個のマスキン
グユニットから成るマスキング装置を使用すれば、複数
個のヨークを同時にマスキングすることができる(請求
項6に相当)。 クロメート層形成工程では、複数個の磁石非接着部の
個々にクロメート層を形成しても良い。但し、本発明の
接着方法では磁石接着部はマスク部材によりマスキング
されているので、内周面のめっき層全体に一気にクロメ
ート処理を施すことできる。 磁石接着工程では、複数個のマスク部材を除去し、ク
ロメート層が形成されていない複数個の磁石接着部のそ
れぞれに順次又は同時に接着剤を塗布する。次に、手作
業又は自動機械により各永久磁石を各磁石接着部に接着
する。例えば手作業で永久磁石を接着する際、クロメー
ト層形成工程で磁石接着部の周囲にクロメート層により
形成された矩形枠状の縁を目印とすることができる(請
求項7に対応)。
【0021】
【実施例】以下、図面を基に本発明の実施例を説明す
る。 (直流モータ用ステータ)図1、図2及び図3に示すよ
うに、ステータ30は円筒状のヨーク10と、その内周
面11に接着された4個の永久磁石20とから成る。ヨ
ーク10は鉄から成り、両端が開口した円筒状を有し、
厚さは軸方向でも円周方向でも全体的に均一である。ヨ
ーク10の内周面11及び外周面12には亜鉛のめっき
層(以下「亜鉛皮膜」と呼ぶ)13及び14が形成され
ている(図5(f)参照)。亜鉛皮膜13及び14の厚
さは5から30μmである。尚、ヨーク10の両端面1
5a及び15bにも亜鉛皮膜が形成されている。
【0022】内周面11の亜鉛皮膜13上の4個の磁石
接着部16には接着剤18を介して4個の永久磁石20
が接着されている(図5(f)参照)。接着剤18は熱
硬化性のものであり、亜鉛皮膜13上に円周方向に90
度隔てて形成された矩形状の4個の磁石接着部16に塗
布されている。
【0023】各磁石接着部16上に、湾曲した薄い矩形
板状の永久磁石20が接着されている。各永久磁石20
は内面21及び外面22と、一対の端面23a及び23
bと、一対の側面24a及び24bとを持つ。厚さは長
手方向及び短手方向の全体に亘って均一である。短手方
向の長さは隣接する永久磁石20間にすき間26ができ
る程度であり、長手方向の長さはヨーク10の長さより
も少し短い。4個の永久磁石20はうち2個はN極を持
ち2個はS極を持ち、N極同士及びS極同士が対向する
ように配置されている。
【0024】内周面11の亜鉛皮膜13のうち磁石非接
着部17にはクロメート層(以下「クロメート皮膜」と
呼ぶ)27が形成されている(図5(f)参照)。即
ち、亜鉛皮膜13と永久磁石20の外周面22との間に
は、接着剤18が存在するのみで、クロメート皮膜27
は存在しない。尚、外周面12の亜鉛皮膜14、及び両
端面15a、15bの亜鉛皮膜(不図示)にもクロメー
ト皮膜が形成されている。
【0025】従って、磁石接着部16上において接着剤
18はクロメート皮膜27内の水分によりはじかれてお
らず、永久磁石20は外面22の全面において接着剤1
8により磁石接着部16に強固に接着されている。ま
た、人目に触れることがあるヨーク10の外周面12に
は亜鉛皮膜及びクロメート皮膜が形成されているので、
防錆作用が向上するとともに、装飾作用も得られる。 (永久磁石のヨークへの接着方法)次に、上記ステータ
30におけるヨーク10への永久磁石20の接着方法に
ついて説明する。図4及び図5に示すように、取付方法
は前処理工程S1、亜鉛めっき工程S2、マスキング工
程S3、クロメート処理工程S4、乾燥工程S5、接着
剤塗布工程S6、及び磁石接着工程S7から成る。
【0026】前処理工程S1では、亜鉛皮膜13及び1
4を形成するための準備をする。図5(a)に示すよう
に、ヨーク10の内周面11上の油脂成分Xを溶解除去
するアルカリ洗浄、酸化皮膜及び錆を除去する第1酸洗
浄、酸化皮膜を仕上除去する電解洗浄、及びヨーク10
を活性化させる第2酸洗浄等を含む。
【0027】亜鉛めっき工程S2では、図5(b)に示
すように、前処理が終了したヨーク10の内周面11及
び外周面12並びに両端面15a及び15bに亜鉛の亜
鉛皮膜13及び14等を形成する。その際、電気めっき
を用い、金属塩水溶液中に陽極としての亜鉛と、陰極と
してのヨーク10をセットする。すると、陽極の亜鉛が
電流の通電で電気分解しヨーク10の表面に析出し、亜
鉛皮膜13、14等を形成する。
【0028】尚、ここでは亜鉛めっき工程S2の後に、
亜鉛皮膜13の表面上の皮膜を除去する活性化工程を実
行する。
【0029】マスキング工程S3では、図5(c)に示
すように、亜鉛皮膜13上の4個の磁石接着部16をマ
スキングユニットの4個のマスク部材31で同時にマス
キングする。このマスキングユニット40は図6に示す
ように、4個の支持部41を持つ十字部材42と、各支
持部41の先端に先端に取り付けられゴムから成る四分
円状のマスク部材31とから成る。各マスク部材31の
外面の曲率はヨーク10の内周面11の曲率と等しくさ
れ、直径方向で対向するマスク部材31同士の外径は、
ヨークの内周面11の内径よりも少し大きくされてい
る。マスク部材31の円周方向の長さは永久磁石20の
内面21のそれとほぼ等しく、軸方向の長さは永久磁石
20の内面21のそれとほぼ等しくされている。
【0030】ヨーク10は一方の開口から軸方向に挿入
してマスキングユニット40に取り付けられる。挿入に
伴い、各マスク部材31の外面側の部分が半径方向内向
きに弾性的変形し、亜鉛皮膜13上の4個の磁石接着部
16が同時にかつ確実にマスキングされる。
【0031】しかも、ここでは、図7に示すように、複
数個のマスキングユニット40がフレーム46に配置さ
れてマスキング装置45を形成している。よって、複数
個のステータ30のヨーク10を同時にマスキングする
ことができ、その分作業効率が上がる。
【0032】以上の前処理工程S1、亜鉛めっき工程S
2、活性化工程及びマスキング工程S3が請求項1に記
載した発明におけるマスキング工程に対応する。
【0033】クロメート処理工程S4では、図5(d)
に示すように、ヨーク10の表面のうちマスキングされ
なかった内周面11上の磁石非接着部17と、外周面1
2及び両端面15a、15bにクロメート皮膜27を形
成する。即ち、磁石接着部16をマスク部材31により
マスキングしたヨーク10をクロム酸溶液に数秒間浸漬
する。すると、亜鉛皮膜上にクロムを主成分(Cr23
・xH2O)とした酸化皮膜即ちクロメート皮膜27が
形成される。
【0034】このクロメート処理工程S4が請求項1に
記載した発明におけるクロメート層形成工程に対応す
る。
【0035】クロメート皮膜27の形成後、各ヨーク1
0を各マスキングユニット40から取り外す。すると、
クロメート皮膜27が形成されていない磁石接着部16
の周囲にクロメート皮膜により矩形状の線(縁)28が
形成される。次に、乾燥工程S5においてクロメート皮
膜27を乾燥させる。
【0036】接着剤塗布工程S6では、図5(e)に示
すように、クロメート皮膜27が形成されていない磁石
接着部16に熱硬化性の接着剤18を塗布する。接着剤
18の塗布はここでは作業者の手作業により行い、少な
くとも亜鉛皮膜13上の線(縁)28で囲まれた領域内
に塗布する磁石接着工程S7では、図5(f)に示すよ
うに、塗布された接着剤18上に永久磁石20を接着す
る。以上の接着剤観光工程S6及び磁着接着工程S7が
請求項1に記載した発明における磁石接着工程に対応す
る。
【0037】永久磁石20は亜鉛皮膜13上において軸
方向及び円周方向の所定位置に位置決めすることが必要
であるが、ここでは亜鉛皮膜13上に矩形状の線(縁)
28が形成されている。従って、この縁28を目印にす
ることにより永久磁石20を磁石接着部16に容易かつ
簡単に位置決め、接着することができる。
【0038】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の回転電
機子用ステータによれば、磁石接着部に塗布した接着剤
はクロメート層により殆どはじかれておらず、永久磁石
は接着剤により磁石接着部に強固に接着されている。ま
た、磁石非接着部はめっき層及びクロメート層により発
錆が防止されるとともに、外観が向上する効果が奏され
る。
【0039】一方、本発明のヨークへの永久磁石の接着
方法によれば、クロメート層の形成時にクロメートが磁
石接着部に浸入することが防止され、引き続く接着剤の
磁石接着部への塗布を確実に行うことができる効果が奏
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転電機子用ステータの一つの実
施例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した回転電機子用ステータの平面図で
ある。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】本発明に係るヨークへの永久磁石の接着方法の
一つの実施例を示すフローチャートである。
【図5】(a)(b)(c)(d)(e)及び(f)は
図4に示した接着方法におけるヨーク、めっき層、クロ
メート層、接着剤及び永久磁石の関係を説明する説明図
である。
【図6】図4の接着方法において使用するマスキングユ
ニットの斜視説明図である。
【図7】図6のマスキングユニットが複数個配置されて
成るマスキング装置の斜視説明図である。
【符号の説明】
10:ヨーク 11:内周面 13:亜鉛皮膜 16:磁石接着部 17:磁石非接着部 18:接着剤 20:永久磁石 22:外面 27:クロメート皮膜 28:縁 30:ステータ 31:マスク部材 40:マスキングユニット 45:マスキング装

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料から成り少なくとも内周面にめ
    っき層が形成された円筒状のヨークと、 前記めっき層上の複数個の磁石接着部に接着剤を介して
    接着された複数個の永久磁石と、 前記めっき層上の複数個の磁石非接着部に形成されたク
    ロメート層と、から成ることを特徴とする回転電機子用
    ステータ。
  2. 【請求項2】 前記めっき層は亜鉛のめっき層である請
    求項1に記載の回転電機子用ステータ。
  3. 【請求項3】 前記クロメート層はクロムを主成分とす
    る請求項2に記載の回転電機子用ステータ。
  4. 【請求項4】 磁性材料から成り円筒状のヨークの少な
    くとも内周面に形成されためっき層上の複数個の磁石接
    着部を、マスク部材でマスキングするマスキング工程
    と、 前記めっき層上の複数の磁石非接着部にクロメート層を
    形成するクロメート層形成工程と、 前記マスク部材を取り外した複数個の前記磁石接着部に
    接着剤を塗布し、複数個の前記永久磁石を該接着剤によ
    り該磁石接着部に接着する磁石接着工程と、から成るこ
    とを特徴とするヨークへの永久磁石の接着方法。
  5. 【請求項5】 前記マスキング工程において、複数個の
    前記磁石接着部を複数個の前記マスク部材から成るマス
    キングユニットにより同時にマスキングする請求項4に
    記載のヨークへの永久磁石の接着方法。
  6. 【請求項6】 前記マスキング工程において、複数個の
    前記ヨークを複数個の前記マスキングユニットから成る
    マスキング装置により同時にマスキングする請求項4に
    記載のヨークへの永久磁石の接着方法。
  7. 【請求項7】 前記磁石接着工程において、前記めっき
    層形成工程で前記磁石接着部の周縁に前記クロメート層
    により形成された縁を目印として前記永久磁石を接着す
    る請求項4に記載のヨークへの永久磁石の接着方法。
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