JP2003244263A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JP2003244263A
JP2003244263A JP2002039148A JP2002039148A JP2003244263A JP 2003244263 A JP2003244263 A JP 2003244263A JP 2002039148 A JP2002039148 A JP 2002039148A JP 2002039148 A JP2002039148 A JP 2002039148A JP 2003244263 A JP2003244263 A JP 2003244263A
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signal
probability density
density distribution
deconvolution
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JP2002039148A
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Takashi Wakutsu
隆司 和久津
Makoto Tsuruta
鶴田  誠
Mikihiro Yamazaki
幹宏 山崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線信号の変調多値数を高精度で推定するこ
とができる信号処理装置を提供する。 【解決手段】 信号処理装置は、無線信号を受信して受
信信号を出力する受信部2と、受信部2から出力される
受信信号を検波して振幅信号を出力する検波器11と、
検波器11から出力される振幅信号の確率密度分布を算
出する確率密度分布算出部12と、確率密度分布算出部
12で算出された確率密度分布に対して所定の装置関数
をデコンボリューションするデコンボリューション演算
部13と、デコンボリューション演算部13の演算結果
から受信信号の変調多値数を推定する変調多値数検出部
14とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信電波を監視す
る電波監視装置等に使用される信号処理装置に関し、特
に受信した未知の無線信号から受信信号の変調多値数を
推定する信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線装置の急激な普及に伴って、
電波の利用状況の監視に対する重要性が益々増加してい
る。限られた帯域内で電波を有効に利用するためには、
無線機器の故障や違法な無線機器の運用により、他の無
線機器の運用に障害が生じるような事態を防止する必要
があり、そのために、このような異常電波の発生を常時
監視するための種々の電波監視装置が用いられている。
【0003】この種の電波監視装置としては、例えば特
開平10−224312号に開示されたものが知られて
いる。この装置では、アンテナにより受信された受信信
号が、受信機により中間周波数(IF)に変換され、A
/D変換された後、信号分析装置に入力されて、受信信
号諸元の解析のための信号分析処理が行われる。信号分
析装置としては、高速計算機やディジタル・シグナル・
プロセッサ(DSP)が用いられる。対象とするディジ
タル変調波は、周波数変調(FSK)波、位相変調(P
SK)波、GMSK(ガウシアン・フィルタド・ミニマ
ム・シフト・キーイング)波、直交振幅変調(QAM)
波等である。従来、M値FSK信号などの変調多値数の
推定には、スペクトラムアナライザなどを用いて、変調
波のスペクトル形状を分析するようにしている。また、
例えば特開平8−43465号に開示された電波監視装
置のように、複数の帯域通過フィルタの出力レベルと所
定の判定基準レベルとを比較して変調波のスペクトルを
分析するものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電波監視装置では、単に変調波のスペクトル形
状から変調多値数を推定するだけの信号分析方法である
ため、推定精度の点で難があった。本発明は、上記の点
に鑑みなされたものであり、無線信号の変調多値数を高
精度で推定することができる信号処理装置を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る信号処理装
置は、無線信号を受信して受信信号を出力する受信手段
と、前記受信手段から出力される受信信号を検波して振
幅信号を出力する検波器と、前記検波器から出力される
振幅信号の確率密度分布を算出する確率密度分布算出手
段と、前記確率密度分布算出手段で算出された確率密度
分布に対して所定の装置関数をデコンボリューションす
るデコンボリューション演算手段と、前記デコンボリュ
ーション演算手段の演算結果から前記受信信号の変調多
値数を推定する変調多値数検出手段とを備えてなること
を特徴とする。
【0006】本発明によれば、受信信号を検波して得ら
れた振幅信号の確率密度分布を算出し、算出された確率
密度分布に対して装置関数をデコンボリューションする
ことにより、振幅信号に畳み込まれた装置関数の影響を
排除した受信信号の確率密度分布から受信信号の変調多
値数を推定するようにしているので、低SNR環境下に
おいても、受信信号の変調多値数、例えばM値FSK信
号の多値数Mを、事前の情報なしに高精度に推定するこ
とが出来る。
【0007】本発明の一つの実施形態においては、受信
手段から出力される受信信号の信号伝送速度を検出する
信号伝送速度検出手段が更に備えられ、デコンボリュー
ション演算手段は、検出された信号伝送速度に基づいて
デコンボリューションの際の装置関数のサイズを決定す
る。これにより、信号伝送速度に応じた適切なサイズの
装置関数を用いてより精度の高い変調多値数の推定が可
能になる。
【0008】本発明の他の実施形態においては、変調多
値数検出手段が、デコンボリューション演算手段での演
算結果に対して、予め設定された閾値との比較を行うこ
とで有意情報を摘出し、その得られた有意情報に対して
グループ化処理を行うことにより変調多値数を推定す
る。これにより、ノイズの影響を排除して更に高精度な
変調多値数の推定が可能になる。
【0009】本発明の更に他の実施形態においては、受
信信号からシンボルクロックを抽出するシンボルクロッ
ク抽出手段と、抽出されたシンボルクロックで受信信号
をリサンプリングするリサンプリング手段とが更に備え
られ、検波器は、リサンプリングされた受信信号を検波
して振幅信号を出力する。これにより、検波器への入力
信号として不確定なサンプリングポイントのデータが排
除されて変調多値数の推定精度が更に向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の一実施形態に係る信号処理装置について説明する。図
1は、本発明の一実施形態に係る信号処理装置を示すブ
ロック図である。この実施の形態では、信号処理装置
は、実空界の電波を受信するアンテナ1と、このアンテ
ナ1から出力される信号をベースバンド(BB)信号に
ダウンコンバートして受信信号として出力する受信部2
と、受信部2により得られたBB信号を用いて信号分析
を行う信号分析部3と、信号分析部3での分析結果を表
示する表示部4と、各部を制御する制御器5と、制御器
5に接続されて信号分析のための各種データ等を記憶す
る記憶部6とを備えている。
【0011】受信部2は、例えば図2に示すように構成
されている。アンテナ1により受信された信号は、まず
受信機21で中間周波(IF)信号に変換される。IF
信号は、A/Dコンバータ(ADC)22によってディ
ジタル受信信号に変換される。ディジタル受信信号は信
号帯域特定部23に供給され、ここで受信信号の信号帯
域が特定される。ディジタル受信信号は、帯域変換器2
4にも入力され、信号帯域特定部23で特定された信号
帯域の中心周波数がDCにシフトするようにディジタル
受信信号を周波数変換する。これにより、IF信号がB
B信号に変換される。BB信号の帯域幅は、帯域幅推定
部25によって推定される。この推定結果に基づいてフ
ィルタ26のタップ係数が決定され、推定された帯域幅
のBB信号が抽出される。これらの処理において、受信
部制御器27は制御器5と連携して各部を制御する。
【0012】上述した信号帯域特定部23は、例えば、
図3に示すような構成により実現することができる。A
DC22から出力されるディジタル受信信号は、FFT
31でFFT(高速フーリエ変換)され、ここで受信信
号のスペクトルが求められる。この周波数領域信号の電
力を電力測定部32でモニタすることで、信号が存在す
るかどうかを検出する。比較器33には、受信部制御器
27によって予め基準レベルが設定される。なお、FF
T31と同等の機能は、フィルタバンク34によっても
実現することができる。FFT31とフィルタバンクは
どちらかが実装されていても良いし、受信部制御器27
によってどちらかが選択されてもよい。
【0013】信号分析部3は、例えば図1に示すよう
に、受信部2により得られたBB信号に対して、検波信
号処理を行って振幅信号を出力する検波器11と、検波
器11が出力した振幅信号の振幅についての確率密度分
布を算出する確率密度分布算出部12と、確率密度分布
算出部12が出力した確率密度分布に対して予め定めた
装置関数をデコンボリューションするデコンボリューシ
ョン演算部13と、このデコンボリューション演算部1
3の出力を評価して変調多値数を推定する変調多値検出
部14とを備えて構成されている。
【0014】制御器5は、これらの信号処理を統括して
制御を行う。制御器5は、検波器11に対して、検波方
法やダイナミックレンジ等を設定する。また、制御器5
は、確率密度分布算出部12に対して、確率密度分布算
出の際の観測の時間、範囲、分解能、入力信号を観測す
る範囲(振幅値の範囲)等を設定する。さらに、デコン
ボリューション演算部13に対して、デコンボリューシ
ョンを行う際の装置関数や装置関数のサイズ、反復回数
を設定する。さらに、変調多値数検出部14に対して、
判定基準レベル等を設定する。
【0015】次に、このように構成された本実施形態に
係る信号処理装置の動作について説明する。無線信号が
アンテナ1を介して受信され、受信部2によりBB信号
に変換された後、検波器11では、受信部2により得ら
れたBB信号に対して検波信号処理が行われる。なお、
図には明記していないが、検波器11における検波信号
処理の前後において、移動平均演算等を行ってもよい。
例えば単純移動平均演算を例にとると、移動平均演算器
の入力系列をx(i)としたとき、その出力系列y(i)は、次
式によって得られる。
【0016】
【数1】
【0017】ここでNaveは平均化サンプル数である。受
信対象信号のボーレートよりもサンプリング周波数が十
分高速であれば、このような移動平均処理によって耐雑
音特性を向上させることができる。
【0018】いま、受信信号として、8値のFSKを想
定する。M値のFSK変調信号は、例えば、伝送符号に
したがって搬送波周波数を、
【0019】
【数2】
【0020】のいずれかに変化させることによって生成
される。搬送波周波数の変更は、発振周波数の異なる複
数の発振器の出力を選択することによっても行うことが
できるが、周波数の急な切り替えは、スペクトルの拡大
を生じさせてしまうため、一般には、位相が連続となる
CP(Continuous Phase)FSKが用いられる。搬送波
の位相は、過去の周波数偏移の積分として表現される。
このため、CPFSKの位相軌跡は、位相木(位相ダイ
ヤグラム)によって表現することができる。位相木は、
時間経過つまり観測時間と共に増大するが、搬送波の位
相は、0から2πの範囲において循環するため、つまり
2πを法(モジュロ)とすることによって位相木は縮退
する。さらに、変調指数に制約を加えることによって、
所定の集合要素を巡回的に変化するようになる。つま
り、位相の変化を観測することによって、巡回的に変化
する集合を把握することが可能となる。
【0021】本実施形態では、位相もしくは周波数の変
化を把握するために、検波器11において、BB信号に
対して検波信号処理が施される。検波は、例えば、周波
数変動を振幅変動に変換する演算であり、ディスクリミ
ネータやクロスプロダクト(外積)演算等によって行う
ことが出来る。
【0022】検波器11からは、変調に対応した振幅信
号が出力されるので、確率密度分布算出部12では、検
波器11が出力した振幅信号の振幅についての確率密度
分布が算出される。図4は、検波器11から出力された
振幅信号の確率密度分布、つまり確率密度分布算出部1
2の出力信号を横軸をサンプル・インデックス(振
幅)、縦軸を確率密度としてグラフ化したものである。
なお、受信信号は8値のFSKであり、さらにタイミン
グ同期が達成されていない状況を想定して、オーバーサ
ンプリング系におけるすべての受信包絡値を、確率密度
分布の観測対象としている。図4から明らかなように、
検波器11から出力される振幅信号の確率値密度分布
は、いくつかのピークを持つ分布となり、このピークの
数が推定しようとしている変調多値数であるということ
ができるが、この確率密度分布のままでは、正確な推定
が困難である。
【0023】そこで、この信号処理装置では、この確率
密度分布に対してデコンボリューション演算部13で予
め設定された装置関数をデコンボリューションする。デ
コンボリューションは、コンボリューション(畳み込み)
の逆の演算を指す信号処理である。この処理では、振幅
信号の確率密度分布に畳み込まれている装置関数の影響
を排除する。ここで、デコンボリューション演算部13
における信号処理を説明する。デコンボリューションの
逆の演算である畳み込み演算では、畳み込みを行う演算
部への入力系列をx、装置関数をHとすると、出力系列y
は、
【0024】
【数3】
【0025】により記述される。デコンボリューション
は、前述したように畳み込み演算の逆の演算であり、出
力系列と装置関数から入力系列を求める演算、つまり上
記の出力系列yから入力系列xを求める演算である。この
演算は、例えば、ヤコビ(Jacobi)の反復法を用いて実
行することができる。ヤコビの反復法では、装置関数行
列の対角要素のみを残して移項して得られる行列Dを考
え、この逆行列を用いて、第k+1回目の近似解x(k+1)
【0026】
【数4】
【0027】により求める。この近似解が収束するまで
繰り返すことによって解を求める。なお、装置関数とし
ては、例えばTriangle、Gauss、sinc(sin(x)/x)等を用
いることができる。これらは、本システムの運用状況に
応じて適宜設定すれば良い。図6は、Triangleの装置関
数g(n)の例を示すグラフである。この装置関数g(n)は次
式で与えられる。
【0028】
【数5】
【0029】ここで、は装置関数のサイズである。
【0030】図6の実線で示すグラフがデコンボリュー
ション結果を示している。この図から明らかなように、
デコンボリューションによって図中破線で示す元の確率
密度分布のピークの部分のみが強調されて抽出された分
布を得ることができる。これにより確率密度分布のピー
ク部分の実体がより明確になる。
【0031】変調多値数検出部14では、求められた図
6に示すデコンボリューション演算結果と、制御器5に
より設定された判定基準レベルTHとの比較を行い、判
定基準レベルTHを超えた信号の個数を求めることによ
って検出される。図示の例の場合、8つのピークが判定
基準レベルTHを超えるので、変調多値数は8と推定さ
れる。判定基準レベルTHは、予め決定しておいた固定
値としても良いし、デコンボリューション演算部13か
ら出力される信号を用いて適応的に設定しても良い。一
般に、判定基準レベルTHを適応的に設定することによ
って、多値数検出特性は向上する。
【0032】なお、図1で示した構成は、本発明の一実
施の形態を示したものであり、実施の形態によっては、
この信号分析部3において、他の信号処理機能を具備し
ていることもあり得る。さらに、本信号処理装置に装置
の外部と信号をやり取りするインターフェースを備えて
いてもよい。
【0033】また、前述のデコンボリューションの説明
では、雑音成分を無視して説明を行った。しかしなが
ら、実環境では、受信信号には雑音成分が印加されてい
る。本発明における信号処理では、雑音成分を無視、つ
まりy=Hx+nをy=Hxとして取り扱うが、これによる特性劣
化は僅かである。
【0034】また、図4に示した結果は、タイミング同
期が達成されていない状況においても、本信号処理装置
が良好な特性を有していることを示している。タイミン
グ同期が達成されていない状況は、オーバーサンプリン
グ系におけるすべての受信包絡値を、確率密度分布の観
測対象とすることで模擬している。タイミング同期が達
成されていない状況においても良好な特性を有している
ということは、受信対象信号の事前情報が未知である電
波監視システムにおいて、必須の仕様であり、本発明に
よれば、このような要求を満足した信号処理装置を提供
することが出来る。
【0035】次に、図7を用いて、本発明の他の実施形
態に係る信号処理装置について説明する。なお、図7に
おいて図1と同一部分には同一符号を付し、重複する説
明は割愛する。図7では、信号分析部3’に、受信信号
のシンボルクロックを検出するシンボルクロック抽出部
41が具備されている。このシンボルクロック抽出部4
1は、受信信号の信号伝送速度を検出する信号伝送速度
検出機能も備えており、2乗回路等の、既存のシンボル
クロック検出のための信号処理機能が実装されている。
なお電波監視システム等の応用では、ここに実装される
信号処理は、事前情報を必要としない方式が実装される
ことが望まれる。シンボルクロック抽出部41から出力
されるシンボルクロックに関する情報はデコンボリュー
ション演算部13に入力されている。また、受信部2に
おいて検出された帯域幅情報がデコンボリューション演
算部13に入力されている。デコンボリューション演算
部13では、受信部2から入力される帯域幅情報および
シンボルクロック抽出部41から入力されるシンボルク
ロックに関する情報を用いて、装置関数のサイズLを決
定する。装置関数のサイズLは、デコンボリューション
演算の特性を左右する要因の一つである。
【0036】検波器11では、M値FSK信号の周波数
の変化を、検波信号処理によって、振幅変動に変換して
いる。従って、振幅変動を観測することは、周波数変動
を観測していることと等価である。M値FSK信号の周
波数の変化は、信号伝送速度や変調指数によって変化す
る。従って、前述の帯域幅情報やシンボルクロックに関
する情報を用いて、装置関数のサイズLを適応的に変化
させることは、変調多値数検出特性の向上の点で非常に
有効である。なお、装置関数のサイズLは、図7に示し
たように、帯域幅情報およびシンボルクロックに関する
情報の両方を用いて決定してもよいし、どちらか一方を
用いて決定しても良い。また、信号分析部制御器44よ
り入力される規定値を用いて決定しても良い。これらの
選択は、信号分析部制御器44により適宜行うようにす
れば良い。
【0037】図7において、シンボルクロック抽出部4
1で抽出されたシンボルクロックは、また、リサンプリ
ング部42にも与えられている。リサンプリング部42
は、受信信号をシンボルクロックでリサンプリングす
る。そして、このリサンプリングされたデータと元の受
信信号とが信号分析部制御器44の制御のもとでセレク
タ43により択一的に選択されて検波器11に導かれて
いる。したがって、例えばシンボルクロック抽出前は元
の受信信号を検波器11に導き、シンボルクロック抽出
後はリサンプリングされた受信信号を検波器11に導く
等の切り替え処理を行うことにより、未知の信号からそ
の推定精度を徐々に高めていくことができる。
【0038】次に、図8を用いて、本発明の更に他の実
施形態に係る信号処理装置について説明する。図8は、
検波器11から出力された信号の確率密度分布、および
デコンボリューション演算部13から出力される信号を
それぞれ実線及び破線で表したグラフである。なお、受
信信号は4値のFSKである。タイミング同期が達成さ
れていない状況を想定して、オーバーサンプリング系に
おけるすべての受信包絡値を、確率密度分布の観測対象
としている点は図4および図6と同様である。図8か
ら、デコンボリューション後の信号波形は、インパルス
状の複数のパルスが集まったような形状をしている場合
があることが分かる。このような信号波形から所望の変
調多値数を得るには、ある種のパターンマッチング処理
と併用することが望ましいことが確認できる。つまり、
図8の場合であれば、図9に示すようにグループ化を行
うことで、4値として認識する。なお、パターンマッチ
ング信号処理としては、既存の種々のアルゴリズムが適
用できる。
【0039】図10は、このグループ化に関する信号処
理の一例を説明するための図である。図8を用いて述べ
たように、デコンボリューション後の信号波形は、イン
パルス状の複数のパルスが集まったような形状をしてい
る場合がある。なお、図8の横軸は、デコンボリューシ
ョン演算部13の入力の振幅値に対応した番号であり、
縦軸は、確率密度である。変調多値数検出部14では、
このデコンボリューション後の信号波形を用いて、変調
多値数を検出する。まず、デコンボリューション演算部
13が出力する信号系列のサンプル番号iを走査して、
サンプル番号に対応する確率密度p[i]の最大値max(p
[j])を検出する。jは、確率密度が最大である時のサン
プル番号である。その最大値から制御装置から予め設定
される値αを減算して得られる値max(p[j])−αを、閾
値として設定する。
【0040】その後、再び、デコンボリューション演算
部13が出力する信号系列のサンプル番号iを走査し
て、サンプル番号に対応する確率密度p[i]が、先に設定
した閾値max(p[j])−αを越えるかどうかを調べ、p[i]
> max(p[j])−αである場合には、q[i]=1を、そうでな
い場合には、q[i]=0を設定する。q[i]は、閾値を超える
確率密度が連続しているかどうかを検出するための変
数、即ち有意情報である。
【0041】さらにその後、再び、デコンボリューショ
ン演算部13が出力する信号系列のサンプル番号iを走
査して、先の信号処理で得た、閾値を超えるサンプル番
号が連続しているかどうかを検出する変数q[i]におい
て、1が連続しているかどうかを調べる。もし1が連続し
ていた場合には、その連続する番号の部分を同一のクル
ープとして扱う。
【0042】以上の手順の信号処理を経た後に、変調多
値数検出部14は、上述の手順により得られたグループ
の数を調べ、その数を変調多値数として制御器に送信す
ると同時に、表示部4に出力する。つまり、図10で
は、変調多値数として4が出力される。なお、上述の説
明では、グループを区分する際に、1が連続しているか
どうかを調べたが、1が連続しているかどうかを調べる
際に、"グループとグループとの間の0の数がn以上な
ければならない"等の制約を加えても良い。
【0043】このように、デコンボリューションを行う
演算部13が出力する信号に対して、予め設定された閾
値との比較を行うことで有意情報を摘出し、さらにその
得られた有意情報に対してグループ化を行うことで、変
調多値数の検出精度を向上させることが可能である。
【0044】なお、上述の説明では、M値FSK変調波
を対象として説明を行ってきたが、変調波がPSKもし
くはQAMである場合についても本発明は適用可能であ
る。即ち、本発明の特徴は、検波器が出力した信号の確
率密度分布に対して、デコンボリューション演算を適用
することにある。PSKもしくはQAM変調波に対して
は、M値FSK変調の場合における検波器を直交検波器
に置き換えることで、容易に拡張できる。直交検波器に
よって、I軸及びQ軸の振幅応答を得ることが出来るた
め、この振幅応答変動の存在確率密度分布を求め、さら
にその結果に対してデコンボリューションを適用する。
変調波がPSKもしくはQAMである場合には、変調多
値数検出部14は、I軸およびQ軸に関するデコンボリ
ューションを行う演算部13の出力を用いて、多値数を
判定する。また、QAMに適用できるため、GMSKや
Offset QPSK変調に適用が可能であることは、説明
するまでもない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はによれ
ば、確率密度分布の波形分解に、デコンボリューション
を用いるようにしているので、 事前の情報を用いずに受信信号の変調多値数を高精度
に推定することが出来る、 低SNR環境下においても多値数検出特性を向上させ
ることが出来る、 タイミング同期が達成されていない状況においても、
変調多値数の推定精度の向上を図ることが出来る、 という効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る信号処理装
置を示すブロック図である。
【図2】 同装置における受信部の構成を示すブロック
図である。
【図3】 同受信部における信号帯域特定部の構成を示
すブロック図である。
【図4】 同装置における確率密度分布算出部で算出さ
れた確率密度分布を示すグラフである。
【図5】 同装置におけるデコンボリューション演算部
で用いられる装置関数の一例を示すグラフである。
【図6】 同装置におけるデコンボリューション演算部
での演算結果を示すグラフである。
【図7】 本発明の第2の実施の形態に係る信号処理装
置を示すブロック図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態を説明するための
グラフである。
【図9】 同実施の形態を説明するためのグラフであ
る。
【図10】 同実施の形態を説明するためのグラフであ
る。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 受信部 3,3’ 信号分析部 4 表示部 5 制御器 6 記憶部 11 検波器 12 確率密度分布算出部 13 デコンボリューション演算部 14 変調多値数検出部 41 シンボルクロック抽出部 42 リサンプリング部 43 セレクタ 44 信号分析部制御器
フロントページの続き (72)発明者 山崎 幹宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝小向工場内 Fターム(参考) 5K004 AA04 AA08 EA01 EG11 JA01 JG01 5K047 AA11 BB01 FF11 GG11 MM11 MM38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線信号を受信して受信信号を出力する
    受信手段と、 前記受信手段から出力される受信信号を検波して振幅信
    号を出力する検波器と、 前記検波器から出力される振幅信号の確率密度分布を算
    出する確率密度分布算出手段と、 前記確率密度分布算出手段で算出された確率密度分布に
    対して所定の装置関数をデコンボリューションするデコ
    ンボリューション演算手段と、 前記デコンボリューション演算手段の演算結果から前記
    受信信号の変調多値数を推定する変調多値数検出手段と
    を備えてなることを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記受信手段から出力される受信信号の
    信号伝送速度を検出する信号伝送速度検出手段を更に備
    え、 前記デコンボリューション演算手段は、前記検出された
    信号伝送速度に基づいてデコンボリューションの際の装
    置関数のサイズを決定するものであることを特徴とする
    請求項1記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記変調多値数検出手段は、前記デコン
    ボリューション演算手段での演算結果に対して、予め設
    定された閾値との比較を行うことで有意情報を摘出し、
    その得られた有意情報に対してグループ化処理を行うこ
    とにより変調多値数を推定するものであることを特徴と
    する請求項1又は2記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記受信信号からシンボルクロックを抽
    出するシンボルクロック抽出手段と、 前記抽出されたシンボルクロックで前記受信信号をリサ
    ンプリングするリサンプリング手段とを更に備え、 前記検波器は、前記リサンプリングされた受信信号を検
    波して前記振幅信号を出力するものであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項記載の信号処理装置。
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