JP2003243986A - A/d変換装置 - Google Patents
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Abstract
供する。 【解決手段】 上位ビットを求めるための初段セルの変
換ビット数が下位ビットを求めるための後段セルの変換
ビット数より多いパイプライン型A/D変換器と、各セ
ルのA/D変換器のデジタル出力からアナログ入力信号
に対応したデジタルコードを決定する誤差修正する手段
を有した加算器と、構成部品としてシリコン半導体(10
0)面および(110)面の(110)方向の2方向にゲート形
成され、絶縁膜に窒化膜およびSOI基板を用いたBala
nced CMOS回路を有することを特徴とする回路を設ける
こととする。
Description
デジタル出力信号に変換するA/D変換装置に関する。
1つとして、パイプライン型A/D変換装置が知られて
いる。この従来のA/D変換装置は、入力信号をサンプ
ル・ホールドするサンプル・ホールド回路と、サンプル
・ホールド回路の出力をA/D変換してデジタル出力を
求めるA/D変換器と、このA/D変換器の変換結果を
再びアナログ信号に変換するD/A変換器と、入力信号
とD/A変換器の出力の差をとる誤差増幅回路とをセル
とした縦続接続であり、A/D変換器のデジタル出力か
らアナログ入力信号に対応するデジタルコード出力を決
定する加算器とから構成される。
般的にMOSFETの差動増幅器を利用したものが使用
され、A/D変換セルの変換ビット数をN1(N1は自
然数)としたとき誤差増幅回路の増幅率GはG=2N1で
ある。
パイプライン型A/D変換装置は、分解能を高くする
と、縦続接続の段数が増えるために誤差増幅回路に要求
される精度が厳しくなり性能がボトルネックになるこ
と、さらにA/D変換セルに要求される精度が厳しくな
るためA/D変換セルの動作速度が遅くなり、結果とし
てこのA/D変換装置の変換速度が遅くなることが問題
になる。そこで、本発明は高速・高精度でかつ小型なA
/D変換器を提供することを目的とする。
は、アナログ入力信号をA/D変換してNビット(Nは
自然数)のデジタル出力信号を出力するA/D変換装置
であって、入力信号をA/D変換してデジタル出力信号
を出力する並列型A/D変換器と、前記デジタル出力信
号をD/A変換するD/A変換器と、前記入力信号と前
記D/A変換器の出力との誤差分増幅を行う誤差増幅回
路とで構成される回路を単位セルとしたパイプライン型
A/D変換器で構成され、初段セルのA/D変換器の変
換ビット数N1(N1は自然数)と後段セルのA/D変
換器の変換ビット数N2(N2は自然数)との関係がN
1>N2であるパイプライン型A/D変換器を備えるこ
とを特徴とする。
A/D変換器の変換ビット数N1(N1は自然数)と前
記アナログ減算回路の誤差増福率Gとの関係がG<2N1
であっても良い。
換器の各セルのA/D変換器は入力電圧をホールドする
サンプル・ホールド回路と基準値電圧をホールドするサ
ンプル・ホールド回路と比較器とで構成され、入力電圧
をホールドするサンプル・ホールド回路にホールドされ
た入力電圧値と前記基準値電圧をホールドするサンプル
・ホールド回路にホールドされた基準値電圧との合成を
行い、その合成した信号を比較器の入力信号とする回路
を2N1-1個配列して構成するようにしても良い。
および前記アナログ加算器は構成部品としてシリコン半
導体(100)面および(110)面の(110)方向
の2方向にゲート形成され、絶縁膜に窒化膜を用いた1
/f雑音が少ないBalanced CMOS回路を有
するようにしても良い。
基づいて説明する。
およびD/A変換とは、時間や空間において連続である
物理量の世界とビット列や数といった抽象的、離散的領
域の間の接点を形成するものである。一般にある時刻に
おける信号を標本化し、標本化された信号をデジタル値
に量子化する機構を備えたのがA/D変換器、逆にデジ
タル値から変換単位を用いて信号を再現するのがD/A
変換器であり、その変換の過程によって、いくつかの主
要な機能が識別できる(表2−1)。
位(conversion unit)への参照が必要となる。デジタ
ル量は物理的信号値と変換単位の比であり、A/Dまた
はD/A変換の動作において単位は細分、複製、拡大さ
れ、これが様々な誤差をもたらす。
振幅ならびに時間についての離散化において量子化と信
号攪乱が支配的である。少数の量子化レベルしかないA
/D変換での量子化誤差は奇数次高調波信号を発生させ
る。信号がより多数の量子化レベル(N>6bit)で量
子化されるならば、信号に対する達成可能な最大のS/
N比は
雑音以上の誤差によって変換器の精度が決定される。以
下では、フラッシュ型A/Dコンバータ、逐次比較型A
/Dコンバータ、パイプライン型A/Dコンバータの3
種類の手法について説明した後、高速高精度A/D変換
に用いられるパイプラインA/Dコンバータの手法を取
り上げ、この手法について解析を行い、導き出される条
件について説明する。
て、A/D変換器は様々な種類が存在するが、表2−1
における変換単位によって3種類に大別される。変換単
位が入力信号値との絶対値比較であるフラッシュ型A/
Dコンバータ、逐次比較型A/Dコンバータ、パイプラ
イン型A/Dコンバータのグループ。変換単位が入力信
号の積微分の時間値である積分型A/Dコンバータ。そ
して、変換単位が入力信号値との予測差分値であるオー
バーサンプリング方式のΔ変調A/DコンバータとΔΣ
変調A/Dコンバータのグループの3種類である。本発
明の実施形態によるA/D変換装置では、技術開発ター
ゲットとして変換単位が入力信号値との絶対値比較のA
/Dコンバータを選択した。
ータ)図1に2bitフラッシュ型A/Dコンバータの
概念図を示す。時間および空間で連続な信号は、サンプ
ル・ホールド回路10(S/H回路)を通してその時刻
における瞬時値を保持する。この値を比較器11〜13
において抵抗分割された参照信号と比較を行い、各々の
比較器11〜13で得られた出力に応じたデジタル出力
を行う。1回のサンプル・ホールドで結果が得られるこ
とからフラッシュA/Dコンバータと呼ばれる。このフ
ラッシュA/Dコンバータの特徴として、 比較器と抵抗だけの構造で理解および設計がしやす
い。が挙げられる。これまでに例えば6bit、500
MS/sのフラッシュ型A/Dコンバータが報告されて
いる。
較器の個数は2N−1である。このとき抵抗分割された
参照電圧の最小差分はVLSBと呼ばれ
ak)のとき16bitの精度を得ようとするとLSBは
15.259[μV]となり、以下のような問題をもつ。 超並列であるためハードウェアの規模が大きくなりす
ぎる。 製造プロセスで制御しなければならないバラつきが実
現困難な値となる。 以上のことからフラッシュ型A/Dコンバータは高速で
あるが、高精度化には向いていないと考えられる。
タ)図2に、逐次比較型A/Dコンバータの概念図を示
す。逐次比較型は、基準となるD/A変換器の出力電圧
が入力信号に最も近くなるように、デジタルコードを2
分探索法によって求める方式である。比較的遅いクロッ
クで高精度のA/D変換器を実現できるため、近年まで
逐次比較型A/Dコンバータを核としたA/D変換器が
主流であった。
る。図2の要素回路のうち、例えば16bitのA/D
変換器を実現するためにはD/A変換器を16bitの
精度にしないといけない。一般的に、D/A変換器は多
くのキャパシタで実現する。単位キャパシタを216個集
めて16bitのD/A変換器を実現するには、単位キ
ャパシタの容量バラつきを0.2%の標準偏差に抑える
必要がある。これもフラッシュ型A/Dコンバータ同
様、製造プロセスで制御しなければならないバラつきが
実現困難な値となる。仮に実現できたとしても、16b
itの精度を得るまで比較を繰り返すため、サンプリン
グ周波数をfsample、同期クロック周波数をfclkとす
ると、
るまで2分探索によって、一点の入力信号を16回比較
を繰り返すため、速度の面で大いに不利であることが予
想される。逐次比較型は高精度化には向くが高速化は望
めないと考えられる。
バータ)図3にNbitパイプライン型A/Dコンバー
タの概念図を示す。サンプル・ホールド後、1bitの
A/D変換を行い、その結果を用いて参照電圧と信号と
の差分を取り増幅するのを1ステージ構成としたパイプ
ライン接続である。N段接続することによりNbitの
精度を得ることが可能である。パイプライン型A/Dコ
ンバータの特徴として、 ステージ構成が理解しやすい。 高スループットである。 比較器の出力がそのままデジタル出力である。 ことが挙げられる。において、フラッシュ型A/Dコ
ンバータの次に高速化が可能であり、プロセスによる比
較器のばらつきはフラッシュ型ほど精度を要求されな
い。例えば10bit、20MS/s、35mWのパイ
プラインA/Dコンバータ、1.5V、10bit、1
4.3MS/sのパイプライン型A/Dコンバータが報
告されている。一方、 ステージ間の増幅器に性能を左右される。 単純なパイプライン処理であり、改良の余地がある。 などの問題点もある。パイプライン型A/Dコンバータ
は、高速高精度化に向くと考えられる。以下では、パイ
プライン型A/Dコンバータを中心により具体的に説明
する。
タアーキテクチャ)(1−2−3)で述べたとおり、パ
イプライン型A/Dコンバータは単純なパイプライン処
理であり、改善の余地があると考えられる。以下では従
来のパイプライン型A/Dコンバータの中で最も基本的
な1bit/1ステージ構成について解析を行う。解析
結果から条件を導出し、どのような問題点があるか考察
する。
A/Dコンバータにおける、ステージの動作を図4に示
す。図4中のサンプル・ホールド回路(Sampled and Ho
ldedCircuits:S/H回路)およびΣ記号は、実際はス
イッチトキャパシタ技法を用いたチョッパ型比較器と演
算増幅器の容量である。クロック位相において 時刻tn位相φ1においてS/H回路に入力信号もし
くは前段の差分信号が転送される。(図4(a)) 時刻tn位相φ2でS/H回路で保持された信号S/
Nを比較器によって参照電圧より大きいか小さいかを判
断し、A/D変換値Dnを出力する。(図4(b)) の間、信号S/Nを演算増幅器に転送する。 時刻tn+1位相φ1において演算増幅器で入力電圧を
2倍し、前時刻tnのビット情報Dnを参照して、もし1
ならば1/2Vppを減算し、0ならば1/2Vppを
加算する。からの動作を1クロックで完了すること
から高スループットであることがわかる。また、1ステ
ージで得られる信号の入出力特性は図4(c)のように
なる。この入出力特性は次式で表される。
々な非線形要因が加わり、パイプライン型A/Dコンバ
ータの精度に影響をおよぼす。パイプライン構成で問題
となるのは誤差の伝播であり、特にパイプライン型A/
Dコンバータはその誤差を増幅して後段に送るため、初
段のステージの精度がそのA/Dコンバータの精度を決
定付ける。ここで、NbitパイプラインA/Dコンバ
ータの入力換算誤差は次式で表される。
えられる。 kT/c雑音 演算増幅器の有限利得 回路のセトリング誤差 に関してはSNRを満たすS/H回路、に関しては
ステージ間の増幅器の精度、そしてに関しては増幅器
のS/H回路を駆動する能力をそれぞれ決定する必要が
ある。次項ではそれぞれの現象を解析していく。
得)図5にパイプライン1ステージの構成を示す。パイ
プラインA/Dコンバータのステージの動作は前項の通
りである。Σ記号、増幅器および次段S/H回路はスイ
ッチトキャパシタ回路(Switched Capacitor Circuit
s:SC回路)を用いた演算増幅器で構成される。アナ
ログ入力信号あるいは前段からの信号とそのステージで
得られた量子化基準との差分を増幅して後段のS/H回
路に転送するその役割は、後段の比較器の精度および量
子化基準を緩和する効果がある。しかし、この演算増幅
器が所望の増幅を行えないと、前述の差分信号が不正確
になる。これがS/N比に大きく影響してくる。従っ
て、パイプラインA/Dコンバータにおいて増幅器の効
果は重要である。この項では、演算増幅器に求められる
利得に関して解析を行う。
位相において 位相φ1において、S/H回路の入力容量CSおよび
帰還容量CFに入力信号または前段の信号の電荷QS・Q
Fが保持される。 位相φ2において、CSにおいて保持された電荷QS'
は仮想接地によりCFに移動する。このときの出力Vout
は演算増幅器が理想のものであり、開ループ利得が無限
大であると仮定すると次式で表される。
2Vin−Vrefとなり、理想の差分信号を得ることがで
きる。しかし、実際は開ループ利得は有限であり、利得
をKとすると
ァクターと呼ばれ、開ループ利得を下げる原因となる。
CF=CSであるとして、式2−7と式2−8から演算増
幅器の誤差εを求めると次式で表される。
を適用し、全演算増幅器がすべて同じ利得をもつという
仮定のもと、NbitパイプラインA/Dコンバータの
精度を得るためには、式2−2および、式2−6から式
2−11が成り立つ。
が逆転することは、有効bit数が1bit落ちること
を意味している。式2−11をグラフ化したものを図7
に示す。図7より、16bitの精度を得るには後段1
5bitが式2−11の関係を満たさなければならず、
このときの開ループ利得は
算増幅器に要求される開ループ利得は入力信号の大きさ
によらず後段で確保したいbit数にのみ依存している
ことも示している。
容量に対する要求)A/DコンバータのS/H回路には
主としてSC回路が用いられるのは(1−3−1)にて
説明したとおりである。SC回路はアナログサンプル値
回路であるから、A/Dコンバータだけでなく、通信伝
送路等に挿入され、フィルタの他に等化器にも用いられ
る。SC回路において問題となるのが雑音である。SC
回路はRCアクティブ回路のような連続値を扱う通常のア
ナログ回路では起こらない高周波雑音の折り返しによる
低周波への落ち込みが起こり、帯域内の雑音を増幅させ
S/N比の劣化を招く。雑音を小さくし、高S/N化を
図ることが重要である。この項ではS/H回路の容量値
と雑音について解析を行う。図8(a)にS/H回路を
示す。
ロック信号の漏れがないと仮定して、この項ではに特
化して考える。MOSFETスイッチのオン抵抗をRと
すると熱雑音は4kTRΔfで表される。(kはボルツ
マン定数、Tは絶対温度)このスイッチを介して容量C
に充電するSC回路を考えると、RCの並列された雑音
となる(図8(b))。
関係が得られる。
SFETのオン抵抗や帯域に依存しないためSC回路の
みでなく、容量を扱う問題はほぼすべてkT/C雑音で
考えることができる。
に式2−14を適用し、全ステージがすべて同じ容量を
もつという仮定のもと、NbitパイプラインA/Dコ
ンバータの精度を得るためには、式2−2から式2−1
5が成り立つ。
式2−15を適用することで式2−16が得られる。
めす。図9は、入力信号が1VppのときのS/H容量
とA/DコンバータのS/N比をプロットしている。右
横軸はS/N比における有効bit数を示している。1
6bitのパイプラインA/Dコンバータを実現するた
めには、有効bit数が15bit以上ないといけな
い。このときの容量限界は、23.5[pF]となる。ま
た、この値は式2−15からLSBを満足する最小のキ
ャパシタを求めることでも与えられる。
るかは製造プロセスに依存する。0.6μmプロセスで
は、およそ200×200μmになる。最小のMOSF
ETトランジスタが0.6×1.8μmの大きさである
とすると、3.7×104倍の大きさとなる。従来は初
段で求められる容量値をパイプライン全段において使用
してきたが、この大きさの容量を同じに利用するのは非
現実的である。従って2段目以降は容量が小さくなるよ
う構成を多少変更する必要がある。ここで式2−6およ
び式2−15をもう一度振り返る。式2−6において初
段容量における熱雑音e1と2段目以降の総熱雑音e2〜
eNによって式2−15は次のように変形される。
総kT/C雑音は初段ステージのA/D変換において因
果関係はなく、独立させて考えることができる。すなわ
ち、LSBに影響するのは式2−18右辺の第2項だけ
であり、2段目以降の容量C 2はC1の1/4の大きさに
することが可能である。このとき2段目以降の容量限界
は5.86[pF]となり、同時に全体も1/4の大きさと
なる。従って、2段目以降の容量は5.86[pF](以
上)を選択すべきと考えられる。
間に対する要求)演算増幅器の利得の有限性に関しては
(1−3−1)で述べたとおりである。しかしこれはD
C利得、すなわち静的特性である。クロック周波数が十
分に小さく、容量を充電する時間が無視できる場合は有
効であるが、実際はそれを考慮した過渡現象から問題を
解決しなければならない(図10)。
をτt、サンプリング時間をτsとすると演算増幅器の伝
達関数は以下の式で与えられる。
−10同様、
う仮定のもと、NbitパイプラインA/Dコンバータ
の精度を得るためには、式2−11同様 式2−21が
成り立つ。
利得およびセトリング時間の二つのパラメータが演算増
幅器の精度を決定することを表している。A/Dコンバ
ータの仕様を示す項目として、微分非線形性(differen
tial nonlinearity、DNL)および積分非線形性(integr
al nonlinearity、INL)がある。微分非線形性とは2つ
の隣接したデジタルコードの物理領域での相関関係を表
す。すなわちVLSBからの偏移が微分非線形性であり、
その曲線は
対応する物理量の値を示す。一方積分非線形性は実際の
変換値の理想的な変換値からの(LSBで測った)偏移
ドに対応する値である。A/DおよびD/A変換器につ
いて、DNLとINLは全コードに渡るグラフもしくは
レンジ全域での最大値を示す数値として明記される。
題となるのは誤差伝播であると(1−3)で述べた。
(1−3−2)で与えられたS/H回路の容量限界式2
−15は熱雑音の性質上ランダム誤差であることからD
NLに影響を与えると考えられる。式2−21は演算増
幅器の系統誤差であるためINLに影響を与えると考え
られる。ここで、式2−21を式2−23に代入すると
ープ利得とセトリング時間によって生じる最大誤差が誤
差伝播で蓄積された結果を意味する。これをグラフ化し
たものを図11に示す。図11は式2−24におけるセ
トリング時間とサンプリング時間の比exp(-τs/τt)
をパラメータとしている。
バータの手法で16bit・100MS/sを実現する
には、比exp(-τs/τt)が最低でも2×10-5以下で
なければならない事がわかる。このとき演算増幅器の増
幅率2におけるカットオフ周波数は2.164[GHz]で
ある。しかし、このとき演算増幅器の開ループ利得が1
10[dB]以上であってもINLは0.8[LSB]前後であ
ることをグラフは示している。逆に、開ループ利得が式
2−11で得られる理論限界97.6[dB]であるとする
と、カットオフ周波数が3[GHz]以上あってもINLは
1以下にならない。
トリング時間の関係は一種のトレードオフの状態にあ
り、一方の仕様を緩めるともう一方に要求される仕様が
厳しくなる。そして、一般的なトレードオフとの違いは
どちらも限界値であってはならないことである。クリテ
ィカルな仕様を避け、INLを0.3LSBに決定する
と、開ループ利得は120[dB]、カットオフ周波数が
2.5[GHz]前後の演算増幅器を設計しなくてはならな
い。
のパイプラインA/Dコンバータのアーキテクチャにつ
いて解析を行い、分解能16bit、サンプリング周波
数100MS/sにおける条件を示した。まとめたもの
を表2−2に示す。
の解析をとおして以下の問題点が浮かびあがった。パイ
プラインA/Dコンバータで構成において、ステージ間
の差分信号増幅に用いられる演算増幅器の性能がA/D
コンバータ全体の精度をおおきく左右する。すなわち、
パイプライン型A/Dコンバータにおいて問題となるの
は誤差の増幅伝播であり、その誤差を所望の大きさに抑
えるために初段のS/H回路の容量、および差分信号の
増幅のための演算増幅器に求められる条件を解析した。
演算増幅器の性能とは、すなわち開ループ利得とセトリ
ング時間であり、開ループ利得が小さいと差分信号の伝
播が不正確になり、セトリング時間が大きいと所定の時
間(サンプリング時間)内に後段のS/H容量に十分な
電荷転送が行えず、開ループ利得が十分に大きくてもや
はり差分信号の伝播が不正確になる。また、演算増幅器
において要求される開ループ利得は入力信号の大きさに
よらず、後段で確保したいbit数にのみ依存している
ことを示した。また、従来のパイプラインA/Dコンバ
ータの手法で16bit・100MS/sを実現するに
は、セトリング時間比exp(-τs/τt)が最低でも2×
10-4以下でなければならず、このとき演算増幅器の増
幅率2におけるカットオフ周波数は2.164[GHz]で
あることを示した。周波数特性における傾きを一般的な
1[1/logHz]とすると、このときのユニティゲイン周波
数は4.33[GHz]となる。クリティカルな仕様を避
け、INLを0.3LSBに決定すると、開ループ利得
は120[dB]、カットオフ周波数が2.5[GHz]前後の
演算増幅器を設計しなくてはならない。このときの演算
増幅器に要求されるユニティゲイン周波数は5[GHz]と
非常に大きな値となる。
るために特に演算増幅器に非常に厳しい条件が求められ
る。しかし上記の仕様を満たすA/Dコンバータはおろ
か、演算増幅器でさえも報告がない。前述の10bi
t、20MS/s、35mWのパイプラインA/Dコン
バータはSNDRが58.7[dB]、INLが0.6LS
Bと演算増幅器の精度が問題となっていると考えられ
る。
における面積は減少可能であり、カットオフ周波数の問
題は解決できるが、利得は減少する傾向にある。MOS
FETを用いた演算増幅器は以降にて説明するが、表2
−2の条件を満たす演算増幅器の設計は困難であり非現
実的である。演算増幅器に要求される性能を緩和する必
要があることが考えられる。
タ手法の拡張)(1−1)〜(1−3−3)では従来技
術におけるパイプライン型A/Dコンバータについて解
析を行い、問題点を指摘した。すなわち、初段A/D変
換後の演算増幅器の精度と後段のパイプラインの段数で
ある。式2−11、式2−21で与えられるとおり、求
められる条件は2Nに比例して指数関数的に大きくな
る。そこで、従来の技術において1ステージの処理bi
t数を増やすことによって、初段における精度の確保お
よびパイプラインの段数を減少させ、誤差伝播の改善の
効果を調べる。
bit処理のパイプライン型A/Dコンバータを扱った
が、これを拡張して1段Bbit処理におけるNbit
パイプライン型A/Dコンバータを考えてみる。図12
に1段Bbit処理のパイプライン型A/Dコンバータ
を示す。1段Bbit処理でM段接続とし、このときB
×M=Nbitとする。BbitのA/Dコンバータは
フラッシュと同じ構成になる。図12において、入力換
算誤差である式2−6を拡張すると以下の式3−1にな
る。
(式2−17)、演算増幅器の開ループ利得(式2−1
1)およびセトリング時間(式2−24)に要求される
条件は以下のように拡張される。
=1のとき、これまで解析してきた式2−11、式2−
17、式2−24となる。この3式において重要となる
係数22B/(22B−1)はBが大きいほど1に漸近して
いくことがわかる。S/Hの容量限界および演算増幅器
の開ループ利得において式からは、Nbitの精度を得
るには、1段で処理するbit数に関わらず一見2Nの
みに比例する事がわかる。
一見緩和されるように考えられる。しかし、1段1bi
t処理において要求されるカットオフ周波数は増幅度が
2のときのそれである。1段Bbit処理において要求
されるカットオフ周波数は増幅度が2Bのときのそれで
ある。これを図にすると図13になる。
オフ周波数はある値に、すなわち式3−4において係数
22B/(22B−1)を1にしたときの大きさに収束し、
さらに1/2B培の値となる。より明確にすると、1段
1bit処理の時に必要とされるカットオフ周波数から
ln((3/4)1/2/2B)≒-(0.13+B×0.693)を差し引いた
値に収束する。しかし、ユニティゲイン周波数において
は、周波数特性における傾きを一般的な1[1/logHz]と
すると、2B培しなければならない。16bit・10
0MS/sのA/D変換を実現するのに、1段1bit
処理のパイプラインA/Dコンバータにおける最低カッ
トオフ周波数が2.164[GHz]であったことから、ユ
ニティゲイン周波数は4.33[GHz]となる。1段Bb
it処理においてBを2としたときのユニティゲイン周
波数の収束値は7.8[GHz]と逆に速度を上げてしまう
ことになるのである。
おいて1ステージの処理bit数を増やしてパイプライ
ンのステージ数を減らしたところで、S/H容量は係数
22B/(22B−1)に応じた改善の効果が得られること
がわかり、最大25%の改善の効果が得られることがわ
かる。しかし演算増幅器においては、開ループ利得はほ
とんど緩和されず、逆にユニティゲイン周波数を大きく
あげてしまう。一般的に演算増幅器の評価は、開ループ
利得と、ユニティゲイン周波数である。ユニティゲイン
周波数を大きくするにはデバイスを微細化するか消費電
力をあげる方法が考えられるが、この二者は矛盾する。
に要求される性能の緩和)(2−1)では従来技術にお
けるパイプライン型A/Dコンバータについて1ステー
ジにおける処理bit数を増やすことによって、改善を
試みた。初段で処理するbit数が増えることによっ
て、後段のパイプラインステージ数が減少するため、初
段S/H容量は3/4の大きさになるが、信号をもとの
大きさに増幅するため、演算増幅器の改善の効果はほと
んど得られなかった。ただし、初段で多bitのA/D
変換をおこない最初に精度を確保するぶんには、いい構
成と考えられる。したがって、前節の初段のA/D変換
はBbitであるが、後段は増幅度を抑えることによ
り、演算増幅器に要求される性能を緩和する構成を考え
る必要がある。
Dコンバータを採用し、後段パイプラインステージ数を
1段1bit処理の10ステージとし、初段と次段の間
の増幅率を2とした複合パイプラインA/Dコンバータ
を提案する(図14)。
セプトである。 初段で6bitを1度に変換することにより、最初に
精度を確保する。フラッシュ型で6bit程度は設計が
容易であり、速度を犠牲にしてフラッシュADCの精度
をあげることも可能である。 後段10bitのパイプラインステージも精度は確保
できる。 初段ステージと次段ステージの間の増幅率を2に抑え
ることにより、初段の演算増幅器に要求される利得とセ
トリング時間を緩和する。 一方、次のような問題点もある。 初段ステージと次段ステージの間の増幅率を2に抑え
るため、入力信号振幅が初段と次段で異なり、1/25
(1/32)となる。
手法として、図14の構成によって演算増幅器に求めら
れる性能を検討し、それによって得られる条件について
従来型と比較する。
バータアーキテクチャ) (2−3−1 初段6bitフラッシュステージとS/
H容量に対する要求)パイプラインA/Dコンバータに
おいて、式2−6で与えられるように初段のA/D変換
の精度は最も重要である。初段のA/D変換の精度が悪
いと、その誤差は後段パイプラインステージによって増
幅を繰り返し、結果としてSINADに大きな影響を与
える。そこで初段で6bitのA/D変換を行うことに
より、5段分の誤差伝播を解決し精度を確保することを
考えた。
的には初段で6bitの変換を行った後の差分信号は1
/26(1/64)となるため、26培の増幅を行い、次
段以降の入力信号を初段と同じスケールに戻すことを考
える。しかし、式3−3で与えられる演算増幅器の有限
利得を考慮した静的な入出力特性において、入力容量C
Sは帰還容量CFに対して26-1倍の大きさを用意しない
といけない。このときのフィードバックファクターfは
1/26となる。式2−11、式3−3で与えられるよ
うに、演算増幅器の開ループ利得は入力信号の大きさに
は依存しないことから、提案する構成において、初段と
次段の増幅度を26培として後段10bitの精度を得
るには
度と変わらなくなる。演算増幅器に要求される精度を緩
和するという前提条件と矛盾してしまう。故に初段と次
段の間の増幅度を2に抑えるのである。
提案するフラッシュ複合型パイプラインA/Dコンバー
タにおいて、(1−3−2)同様、S/H回路に要求さ
れる精度を考えてみる。初段のS/Hの容量限界値が従
来型・提案型ともに同じ23.5[pF]であることは、式
2−17から即座に推察できる。問題は次段以降に要求
される容量値である。初段kT/C雑音と、2段目以降
の総kT/C雑音は初段ステージのA/D変換において
因果関係はなく、独立させて考えることができることを
(1−3−2)で述べた。そしてこのときのkT/C雑
音は式2−18で与えられる。
タにおいて、従来型の後段15bit入力信号1Vpp
と提案型の後段10bit入力信号1/25Vpp(31.
25mVpp)における2段目S/H容量をプロットしたもの
を図15に示す。
型は初段において5bit分の精度を確保したことによ
り、後段パイプラインステージにおけるS/N比は10
bit分の62[dB]となる。しかし、kT/C雑音で要
求される容量値は変わらないことがわかる。これは初段
と次段の間の増福率を2に抑えたためで当然の結果と考
えられる。しかし、容量はプロセスの微細化・薄膜化に
よって、簡単に面積を小さくすることができるため、あ
まり大きな問題ではない。
得の緩和)初段以降のパイプラインステージ数を15段
から10段に抑え、初段と次段の間の増幅率を2に抑え
たことにより、演算増幅器の開ループに求められる利得
限界は、式2−11より25(30[dB])緩和されるこ
とがわかる。一方、式2−11は演算増幅器の利得が入
力信号振幅に依存しないことを示しているため、信号振
幅が小さくなったことによる問題点はここでは見出せな
い。逆に線形性がよくなり高調波歪が減ることを以下に
述べる。
求の緩和)(2−3−2)の通り、初段において多bi
t変換することによって、演算増幅器に求められる開ル
ープ利得は緩和される。一方、セトリング時間も同様に
式2−24から緩和されることが容易に想像がつく。初
段以降のパイプラインステージ数において15段のIN
Lと10段に抑えたINLの比較を図16に示す。
バータの手法で16bit・100MS/sを実現する
には、セトリング時間比exp(-τs/τt)が最低でも2
×10-5以下でなければならないのに対して、提案型の
パイプラインA/Dコンバータにおいては6×10-4と
なり、2/3の大きさに改善される。このとき演算増幅
器の増幅率2におけるカットオフ周波数は1.484[G
Hz]である。1段多bit処理において最大13%程度
の改善であったのに比較して、20%以上の改善効果が
ある。INLを0.3LSBに決定すると、従来技術で
は、開ループ利得が120[dB]、カットオフ周波数が
2.5[GHz]前後の演算増幅器を設計しなくてはならな
いのに対して、開ループ利得は85[dB]、カットオフ周
波数が1.8[GHz]前後になる。
従来技術の拡張から初段多bit変換の利点を得、次世
代の高速高精度A/D変換の手法を提案し、この手法に
ついて解析を行った。以下表3−1に分解能16bi
t、サンプリング周波数100MS/sにおける条件を
示す。
バータを従来技術で構成するには、その演算増幅器の性
能が、開ループ利得が97.6[dB]以上、増幅度2にお
けるカットオフ周波数が2.164[GHz]以上必要であ
るのだが、現状ではそのような演算増幅器は報告されて
いない。さらに、従来技術をそのまま適用していくとさ
らに高速高精度なA/Dコンバータの設計は不可能であ
ると考えられる。
まず従来のパイプラインA/Dコンバータを1段多bi
t変換する拡張を考えた。しかし、1ステージの処理b
it数をBbitに増やしてパイプラインのステージ数
を減らしたところで、S/H容量は係数22B/(22B−
1)に応じ、最大25%の改善の効果が得られることが
確認できた。しかし演算増幅器においては、開ループ利
得はほとんど緩和されず、ユニティゲイン周波数は逆に
大きくなってしまうことを確認した。
えたフラッシュ複合パイプラインA/Dコンバータを提
案した。後段を1段1bit処理の10ステージとし、
初段を6bitのフラッシュA/Dコンバータを採用し
て最初に精度を確保する。後段が15ステージから10
ステージに抑えられることによって、初段のS/N比を
劣化させることなく後段パイプラインに要求されるS/
N比が改善されることを示した。ステージ間の演算増幅
器に対する条件は増幅率を2に抑えたことによって、開
ループ利得が97.6[dB]から67.5[dB]へ、カット
オフ周波数は2.164[GHz]から1.484[GHz]へ、
それぞれ2/3の値に改善されることを示した。図17
に各パイプライン型A/Dコンバータの比較を示す。
パイプラインA/Dコンバータを1として1段多bit
処理のパイプラインA/Dコンバータおよび、(2−
3)で提案したフラッシュ複合型パイプラインA/Dコ
ンバータのそれぞれを正規化してあり、特にカットオフ
周波数およびユニティゲイン周波数は、サンプリング時
間も用いて正規化してある。1段多bit処理が演算増
幅器において、開ループ利得がほとんど改善されず、一
見カットオフ周波数は改善されるように思われてもユニ
ティゲイン周波数は大きくなってしまう。一方、(2−
3)で提案した複合型パイプラインA/Dコンバータで
は、S/H容量の改善は見られなかったが、思惑通りに
演算増幅器に対する利得、カットオフ周波数、ユニティ
ゲイン周波数すべてにおいて改善の効果が確認された。
開ループ利得は30%、カットオフ周波数とユニティゲ
イン周波数ともに約20%の改善の効果があることが示
された。
算増幅器)(2−1)〜(2−3−2)での議論は、モ
デル化した回路構成から、kT/C雑音や演算増幅器の
非線形要因を解析的な式で検討した。さらに、回路はそ
れ自身で雑音を発生させず、ミスマッチなどもゼロと仮
定した上での議論であった。しかし、これだけでは実際
の回路は実現できない。これらのアナログ回路を実際の
CMOS集積回路にのせるためには、MOSFETの動
作を理解する必要がある。つまり実際の集積回路を設計
するには、(2−1)〜(2−3−2)で説明した理論
性能のほかに演算増幅器や比較器などの個別回路を構成
するMOSFETが、どれだけの性能をもっていれば必
要とされる性能を実現できるのかを、MOSFETの特
性をモデリングし、非線形要因や制約を検討する必要が
ある。
モデリングはデジタル回路シミュレーションの要請によ
り発展してきた。従来のIC用のMOSFETモデリン
グは、デジタル回路設計に必要なゲートサイズにおいて
補償されている程度で、様々なゲートサイズを用いるこ
とが考えられるアナログ回路では必ずしも正確な結果を
反映しない。また、条件をある程度絞り込まないと、膨
大な量のシミュレーションが必要になる。アナログ・デ
ジタル回路が混載されたチップの重要性が増していく流
れの中でアナログ設計にも適用できるMOSFETモデ
ルの開発を行う必要がある。しかしモデルの開発は容易
ではない。まず、アナログ回路を設計する上で重要とな
る性能を、個別に特徴のみを抽出したモデリングを行う
必要があると考えられる。この特徴のみを抽出したモデ
リングから、アナログ回路設計の指針を確立し、アナロ
グ回路設計の容易化とシミュレーションの回数を減らす
技術の開発が急務であると考えられる。
/Dコンバータを設計する上で必要とされる条件を解析
によって導出し、SPICEをベースとした回路シミュ
レータを用いて検証する。
求)デジタル回路は、ゲート電圧が閾値より高いか低い
かによって、出力信号をLowもしくはHighの2値
を一意的に決定する。出力値はある時間内にLowもし
くはHighに近い値をとればよく、ほとんど精度は要
求されず、むしろ速度が重要視される。一方、アナログ
回路は入出力の線形性が重要視される。非線形性の問題
は(2−1)〜(2−3−2)で述べたとおりである。
線形性を得るためにアナログデバイスはMOSFETの
飽和領域で動作させる必要がある。MOSFETにおい
て、飽和領域のドレイン電流はゲート電圧バイアスによ
って決まり、
量、Wはゲート幅、Lはゲート長である。λ(V)はチャ
ネル長変調係数と呼ばれ、ドレインに加えられた電圧に
よって、ドレイン拡散層とチャネル近傍の基板界面で形
成される空乏層幅が変化し、チャネル長が変化する現象
で、次式で表される。
は電荷量、Nchは基板(チャネル)濃度、Vbiは基板と拡
散層のバリアハイト、ψsはチャネルの表面ポテンシャ
ルである。チャネルの表面ポテンシャルはフェルミ関数
で表される。チャネル長変調係数はゲート電圧とドレイ
ン電圧によって変化することを示しているが、ドレイン
電圧を一定とするとその変化はゲート電圧によってのみ
決まる。
m)および、ドレイン−ソース間抵抗(rDS)は
gm*rDSと表される。
ャネル長変調係数のみによって決まることを意味する。
式4−2同様、ドレイン電圧を一定にすれば、利得はゲ
ート電圧によってのみ定まり、ゲート電圧に反比例する
ことがわかる。
の利得を示している。MOSFETモデルはBSIM3v3.2
である。tox=9[nm]、Nch=2.498×1017[1/cm3]、ドレイ
ン電圧Vddが1[V]のとき、ゲート長Lをパラメータとして
0.35、0.45、0.6、0.8、1.0、1.2[μm]、W/L比を10とし
てSilvaco社 SmartSpiceTMにて回路シミュレーションを
行った。従来、入力振幅1[V]で動作させるために、Vgef
fは0.6[V]程度必要だったのに対し、入力振幅を31.25[m
V]にしたことにより、Vgeffはより小さい0.2[V]を選択
することが可能となる。このとき、利得差は10[dB]以上
であることが読み取れる。また、Vgeffを固定すると利
得はLだけで決まり、Vgeff=0.2[V]において45[dB@1.2μ
m]、30[dB@0.35μm]である。残りの利得はカスコード化
で稼ぐが、これは後述する。
FETの真性カットオフ周波数(fT)は以下の式で表さ
れる。
容量LWCoxとオーバーラップ容量CGS 0を加算した値に等
しい。
示す。この演算増幅器を1Trで構成したとし(b)、容
量だけを抽出した微小信号等価回路を(c)に示す。図
19(b)(c)において、CDB=αCGSはドレインに印
加される電圧によって生じるドレイン−基板間寄生容量
である。このとき、1Trで等価された、演算増幅器のユ
ニティゲイン周波数は次式で表される。
量Cとフィードバックファクターfは
7の比をとると、
て、CFにおいて正規化時定数をプロットしたものを、図
20に示す。図20は、γ=2、β=4としてBSIM3v3.2モ
デルを用いた。tox=9[nm]、Nch=2.498×1017[1/cm^3]、
L=0.35[μm]である。式4−9と図20の意味するとこ
ろは、一定のバイアス条件のもとでCGSとCDBを除いた総
負荷はfTに対して最適なゲート容量とバイアス電流値が
存在するということである。すなわち総負荷を高速に駆
動するためにバイアス電流を増幅するが、バイアス一定
の条件のもとでバイアス電流を増幅するということは、
ゲート幅Wを増やすことである。こうしてバイアスを増
やす一方で、寄生容量CDBもゲート幅(およびバイアス
電圧)に依存するため、値が増加していく。Wがある値
に達したところで、寄生容量を駆動する電流が総負荷を
上回り、速度は減少方向に転じると考えられる。
ク時の式4−7は式4−3を用いて
調係数λは式4−2で与えられる。このとき表面ポテン
シャルψsは、フェルミ関数で与えられるが、Vgeffが十
分に小さいとしたとき(チャネルが弱反転状態にあると
き)以下のボルツマン近似式が成り立つ。
が強反転状態にあるとき)は真性キャリア濃度niと基板
濃度より以下の式が成り立つ。
ドレイン拡散直下の空乏層幅であり、次式で与えられ
る。
乏層幅であり、次式で与えられる。
1に示す。式4−11中のaはゲート絶縁膜と表面空乏
層の容量比であり、
た、式4−11、式4−12および式4−16中のβは
q/kTであり、式4−10のβとは異なる。このときの寄
生容量CDBとゲート容量CGSには以下の近似式が成り立
つ。
ばれる。式4−10より導出したピーク曲線と、シミュ
レーションによって得られた点をプロットしたものを図
22に示す。図中の点線は微細化を進めた際のピーク値
を線形近似によって予測したものである。図22におい
て、導出に用いたパラメータはγ=2、β=4としてBSIM3v
3.2モデルを用いた。tox=9[nm]、Nch=2.498×101 7[1/cm
3]、L=0.35[μm]である。ゲートバイアス電圧をパラメ
ータとして、0.2、0.4、0.8[V]において、導出を行っ
た。導出における表面ポテンシャルはVgeff=0.2[V]のと
きは式4−11を、Vgeff=0.8[V]のときは式4−12
を、Vgeff=0.4[V]のときは中間遷移状態と考え式4−1
1と式4−12の和平均を用いた。
〜13を式4−10に与えた。シミュレーションはSilv
aco社 SmartSpiceTMにて行った。図22からわかること
は、式4−10とシミュレーションの結果は、ズレこそ
あるものの傾向は同じである。すなわち、最適化された
ユニティゲイン周波数は、1/Lに比例するということで
ある。また、ゲートバイアス電圧にも依存するのが読み
取れる。
した、従来型パイプラインA/Dコンバータでは、増幅
度2におけるカットオフ周波数が2.164[GHz]以上必要で
あった。また信号振幅が1VppであることからVgeffに0.8
[V]以上を選択する必要があり、この条件を満たすため
には、0.35[μm]のゲート長での最適化ユニティゲイン
周波数5.087[GHz]を選択しなければならないと考えられ
る。スロープファクターが一般的な値4/3であったとし
て、このときのカットオフ周波数は、3.391[GHz]であ
る。しかしこのときの単体のMOSFET利得は前項よ
り18[dB]であり、カスコード化しても97.6[dB]を得るの
は困難と予想される。一方、提案しているフラッシュ複
合A/Dコンバータは振幅の小ささゆえ、Vgeff=0.2[V]
を選択することが可能で、このときのゲート長0.35[μ
m]における最適化ユニティゲイン周波数は、2.429[GHz]
であり、カットオフ周波数は1.619[GHz]である。また、
単体のMOSFET利得は前項より30[dB]である。カス
コード化で67.5[dB]の利得は容易であると考えられる。
ション結果はLが大きくなるほどズレが生じ、最大で50%
のずれが生じた。これには様々な原因が考えられるが、
式4−10はデバイス物理に基づいて理論的に導いた式
であるが、式4−11のような近似式が存在したこと
や、ドレイン拡散層をグラデーション分布ではなくジャ
ンクションとして扱ったこと、移動度を固定で扱ったこ
とが主に挙げられる。ドレイン電圧一定の条件下でゲー
ト長が大きくなると横方向電界が劣化する。横方向電界
の劣化による移動度の劣化がひとつの原因と考えられ
る。
て、BSIM3v3.2は400もの様々なフィッティングパラメー
タを用いて、微細化を進めた際の問題を解決している
が、それゆえ難解になってしまっている。
く知られた望まれない成分のひとつに全高調波歪率(to
tal harmonic distortion、THD)というのがある。これ
は信号とその高調波の比率である。サンプリング周波数
で決まるナイキスト周波数以上の成分がアナログ入力信
号に存在すると、A/D変換することによって折り返し
雑音が混入する。通常、5次ないしは10次高調波までがT
HDに勘定され、より高次の成分ならびに折り返し雑音は
SINA/Dへの寄与に勘定される(図23)。高調波歪
が起こる原因は、演算増幅器のチャネル長変調効果によ
って生じる利得の変動や、入出力間の相変化による出力
値のズレが考えられる。
Nを著しく損ねる。これを防ぐために、演算増幅器を設
計およびバイアスを決定する必要がある。図24(a)
に基本的な差動型演算増幅器を示す。この演算増幅器に
おいて電圧フォロアの構成をとり(b)、過渡解析を行
う。過渡解析結果を用いて高速フーリエ変換(Fast fou
rier transfer、FFT)を行い、THDを求める。このこと
により、理想的であれば入出力信号が一致するため歪は
発生せずTHDは0になるはずであるが、前述のように入出
力に変化が現れ、歪が発生するものと考えられる。THD
の逆数から信号/歪比(Signal to distortion ratio、S
DR)が算出される。SDRを求めたものを図25に示す。
IM3v3.2である。tox=9[nm]、Nch=2.498×1017[1/cm3]、
負荷CL=27.35[pF]、n-MOSのゲート幅Wn=17.824[mm]、p-
MOSのゲート幅Wp=3Wn、L=0.35[μm]である。Vgeff=VDS=
0.2[V]になるように、電源電圧Vdd=1.3582[V]とし、入
力信号振幅vppをパラメータとして31.25、62.5、125、2
50[mV]においてSilvaco社 SmartSpiceTMにて回路シミュ
レーションを行った。
ことを示している。16bit、100MS/sのパイプライ
ンA/Dを設計するにあたって、ナイキストレートまで
の周波数帯域においてSDR≧SNRを必要とする。従来方式
ではSDRが92.06[dB]以上が要求されるが、図25はその
要求を満たせないことを示している。一方、提案型では
SDRが61.96[dB]まで抑えられることを(2−1)〜(2
−3−2)において説明した。図25はvpp=31.25[mV]
において、ナイキストレートまでその要求を満たしてい
ることを示している。
(3−1−1)で述べているように、高利得を得るには
カスコード化が必須である。カスコードとは(a)に示
すようなトランジスタをドレイン−ソースで縦積みする
構成のことを言う。この構成の特徴は出力抵抗が非常に
高く、CGDによる出力から入力への高周波での帰還がな
いことである。
とその等価回路を示す。この構成における開ループ利得
は、
利得の乗算で表される。以降は式4−19を中心として
考える。
コンバータにおいて、従来技術では97.6[dB]の開ループ
利得を必要とすることは(1−3−1)で説明した。こ
こで(3−1−2)で説明したように、入力信号のゲー
ト長に0.35[μm]を選択したとすると、入力ゲートが単
体で得られる利得は18[dB]である。式4−19から考え
れば、カスコードのゲートは80[dB]もの単体利得を得な
ければならない。ところで、(3−1−1)にて説明し
たように、利得はゲート長と信号バイアスに依存する。
そこでカスコードのゲートにおいて利得を得るためにゲ
ート長を大きくする必要がある。ここで、式4−1で与
えられるバイアス電流を一定にするために、ゲート電圧
を上げてはならない。せっかくゲート長で利得を得て
も、ゲート電圧で下がってしまう。つまり、ゲート幅W
を大きくすることになる。ところでカスコードのゲート
長に10[μm]を選択してもこのときの単体利得は60[dB]
である。合計しても80[dB]弱である。このときのゲート
幅は30倍にも及ぶ。大きさも非現実的であるが、式4−
17で与えられるように寄生容量は約3倍になり、結果
として式4−10で与えられるユニティゲイン周波数は
30%小さい3.5[GHz]となり、所望の帯域を得られなくな
る。帯域を上げるために入力ゲートをさらに微細化した
ところで、微細化とともに単体利得も減少するため、ま
すます所望の利得は得られないのである。従来型で実現
不可能な理由はここにある。
ラインA/Dコンバータにおいては同じ0.35[μm]で
も、低バイアス化によって単体利得は30[dB]である。こ
のときカスコードの単体利得は40〜50[dB]も得れば十分
であり、45[dB@1.2μm]を選択しても寄生容量はほとん
ど増加せず、入力ゲートの寄生容量と同等の大きさであ
りユニティゲイン周波数もそのままであることがわか
る。以上のことから、複合型パイプラインA/Dコンバ
ータと低バイアス化の組み合わせは十分実現しうる解で
あることが考えられる。
の開発)これまで次世代型A/Dコンバータとして、
(2−3)において複合型パイプラインA/Dコンバー
タを提案し、理論に基づき様々な観点から解析を行って
きた。本節ではこれまでの解析に基づいたパイプライン
A/Dコンバータを設計した。
ポリ3層メタル9m角である。0.6[μm]で得られるピーク
のユニティゲイン周波数fu#peakはおよそ1.2[GHz]であ
り、増幅率2におけるカットオフ周波数は700[MHz]程度
である。プロトタイプの試作は14bit 50MS/sとした。プ
ロトタイプであることと、16bitであると絶縁膜が
およそ13.5[nm]であるため、16bitにおける初段入
力容量23.5[pF]はおよそ200×200μmになり面積コスト
がかかりすぎることが理由である。
力信号1Vppとし、初段を4bitのフラッシュ型A/D、後
段を10bitのパイプラインA/Dコンバータとした。こ
のときの初段直後の差分信号は62.5mVppとなる。増幅率
を2に抑えているため2段目以降の信号振幅は125mVppと
なる。また、10bitパイプライン型A/Dコンバータに
おいて1.5bit/1ステージの構成をとり、デジタルエラー
コレクション(Digitalerror collection logic、DEC
L)のアルゴリズムを採用した。デジタルエラーコレク
ションとは1bitの信号を1.5bitに冗長することにより、
コンパレータミスマッチと、信号のオーバーレンジに対
して高い耐性をもったアルゴリズムのことである。結果
としてS/N比やINL、DNLなどの評価項目の大幅な向上
をもたらすことで知られている。なお、試作範囲にはデ
ジタルディレイロジック(Digital delay login、DDL)
は含まれるが、DECLは含まれていない。
従来型では50MS/sでサンプリングは不可能だが、提案型
においては可能であると考えられる。
rtSpiceTMを用いた。レイアウトおよび検証にはCA/D
ence社のicfbを利用した。回路シミュレーションにおい
てパイプラインが正しく動作することを確認した。図2
8に演算増幅器のSDRを、図29に試作におけるレイア
ウトを示す。
は、68[dB]となり、10bitのパイプラインA/Dにおけ
るS/NR62[dB]に対して、十分に大きい。また、ナイキ
ストレート近傍においても、ほぼ平坦なSDRを得られる
ことが確認できた。
バータのコアサイズは16.94[mm]となった。一概に比較
はできないが、従来型のパイプラインA/Dがその2倍
以上なると思われる。
Tの基本特性を解析し、パイプラインA/Dコンバータ
を設計する上で必要となる条件を検討した。これまでの
コンセプトと解析条件を用いて、パイプラインA/Dコ
ンバータを設計した。シミュレーションではパイプライ
ンが動作することを確認し、また演算増幅器のSDRも精
度を得るのに十分であることを確認した。
能を実現し、大規模LSIの一つのセルとしてA/D変換
をまとめたいという要請に答えるには様々な問題があり
困難である。
に、より具体的な解析をシステムレベルにおいて検証し
た。従来のパイプラインA/Dコンバータにおいて問題
なのは誤差の増幅伝播であり、ステージ間の演算増幅器
の性能がA/Dコンバータ全体の性能を決定付ける。演
算増幅器の性能とはすなわち、開ループ利得とカットオ
フ周波数であり、この2者はトレードオフの関係にある
ため、現状技術では将来的により高速高精度なA/Dコ
ンバータを実現するのは不可能であることを示唆した。
いて誤差の増幅伝播が問題であることから、1段多bit処
理でパイプラインステージ数を減らすことから検証を行
った。そこで、初段で多bit変換の利点をしめし、一方
で増幅率とカットオフ周波数の問題がある。すなわち、
パイプラインステージ数を減らしたところで、ステージ
間増幅率が増加しているため結果必要となる開ループ利
得は変わらず、カットオフ周波数は減少するように見え
るが、増幅率におけるカットオフ周波数であり、総合的
なユニティゲイン周波数は逆に増加してしまう。
つ、初段は多bit変換を行う複合型のパイプラインA/
Dコンバータを提案した。増幅率を抑えた結果、開ルー
プ利得およびカットオフ周波数は従来と比較して20%程
度減少することを示した。
MOSFETデバイスの観点から次世代パイプラインA
/Dコンバータを実現するために必要となる性能を検証
した。従来技術では、16bit 100MS/sのパイプライ
ンA/Dを実現するには、0.35[μm]以下の世代が必要
で、それでも開ループ利得97.6[dB]以上、カットオフ周
波数2.164[GHz]以上を同時に実現するのはデバイスサイ
ズを考慮しても非現実的であり、また不可能であること
をしめした。一方で第3章で提案した複合型パイプライ
ンA/Dコンバータは0.35[μm]で十分に実現できる。
グ回路を実際のCMOS集積回路にのせるためには、アナロ
グ回路のコアサイズも重要なファクターとなる。理論
上、どんなに高速化・高精度化の設計がなされてもその
アナログ回路がチップ上に集積できなければ意味はな
く、集積するためにパイプラインを折り返した場合はク
ロックスキューやクロックツリーの問題が新たに発生す
る。チップ上にパイプラインが直線状に配置されるのが
望ましい。
最適な消費電力や正規化時定数が存在するのは、(3−
1)〜(3−2)で述べたとおりである。このとき最適
化されたゲート容量Cgsは以下の式で与えられる。
じるドレイン-基板間寄生容量とゲート容量の比で、β
はS/H回路の入力容量CSと帰還容量CFの比である。γは
駆動容量CLと帰還容量CFの比である。CGSはゲート-ソー
ス間容量であり,ゲート容量LWCoxとオーバーラップ容
量CGS0を加算した値に等しいことを(3−1)〜(3−
2)で述べた。ここでオーバーラップ容量を無視して,
式B-1は以下の式に展開される。
におけるゲートサイズは,tOX=9[nm],εOXは3.9,ε0
は8.854×10-12[F/m2],α=1,β=4,γ=2,CF=5.86[p
F]を用いて,LW=5715[μm2]となり小型であるとは言え
ない。
りに窒化膜を用いることにより消費電力はそのままにゲ
ートサイズの微小化を図る。窒化膜の比誘電率はεr=7.
5であり,酸化膜の比誘電率の約2倍である。このときゲ
ートサイズは酸化膜に対して,約1/2のLW=2972[μm2]と
なる。一方,ドレイン-基板間寄生容量とゲート容量の
比αも約1/2となるため,デバイスサイズは最適から外
れるものの,多少速度が上がる。
よる高速化・小型化)一般的に演算増幅器は図24で示
される差動増幅器で構成される。従来はn-MOSトランジ
スタもp-MOSトランジスタもSi(100)面に形成されてい
て,このときn-MOSとp-MOSの移動度が1:2.5〜3であるた
め,n-MOSと同等にするためにp-MOSのデバイスサイズを
3倍程度にする必要があった。
りn-MOSとp-MOSの移動度を同等にすることにより,p-MO
Sのデバイスサイズが1/3となるためドレイン-基板間寄
生容量も減少し,さらに高速に動作することができる。
もしくは速度を抑えるように設計すれば,デバイスの小
型化と低消費電力化を図ることができる。
Sと窒化膜とSOI基板の併用による高速化・小型化)
(4−2)で示した通り,ゲート絶縁膜を酸化膜から窒
化膜に変えることにより,デバイスサイズを約1/2にす
ることが可能である。また,BalancedCMOSではp-MOSの
デバイスサイズを1/3にすることができる。この2者を組
み合わせることによりさらに高速化することができると
考えられる。また,SOI基板を用いることによりドレイ
ン-基板間寄生容量を無視することでき,結果としてよ
り高速化を図ることができる。図30に式4-10を用いた
それぞれのプロットを示す。図30より,窒化膜・Bala
ncedCMOS・SOI基板をすべて用いることにより従来より2
培の高速化が可能となることがわかる。逆に速度が同一
になるように設計すれば,消費電力は1/2に,デバイス
サイズは1/4になることがわかる。
アナログ入力信号をA/D変換してデジタル出力信号を
出力する並列型A/D変換器と、前記デジタル出力信号
をD/A変換するD/A変換器と、前記アナログ入力信
号と前記D/A変換器の出力との誤差分増幅を行う誤差
増幅回路とで構成される回路を単位セルとし、初段セル
の変換ビット数が後段セルの変換ビット数より多いパイ
プライン型A/D変換器により、高速・高精度でかつ小
型なA/D変換器を提供することができる。
図である。
である。
す図である。
ング例を示す図である。
る。
ある。
す図である。
示す図である。
を示す図である。
例を示す図である。
る。
ある。
す図である。
る。
間演算増幅器の構成を示す図である。
である。
の関係を示す図である。
す図である。
る。
クチャを示す図である。
す図である。
トを示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 アナログ入力信号をA/D変換してNビ
ット(Nは自然数)のデジタルコード信号を出力するA
/D変換装置であって、 前記アナログ入力信号をA/D変換してデジタル出力信
号を出力する並列型A/D変換器と、 前記デジタル出力信号をD/A変換するD/A変換器
と、 前記アナログ入力信号と前記D/A変換器の出力との誤
差分増幅を行う誤差増幅回路とで構成される回路を単位
セルとしたパイプライン型A/D変換器で構成され、 初段セルのA/D変換器の変換ビット数N1(N1は自
然数)と後段セルのA/D変換器の変換ビット数N2
(N2は自然数)との関係がN1>N2であることを特
徴とするA/D変換装置。 - 【請求項2】 アナログ入力信号をA/D変換してNビ
ット(Nは自然数)のデジタルコード信号を出力するA
/D変換装置であって、 パイプライン型A/D変換器で構成され、初段のA/D
変換器の変換ビット数N1(N1は自然数)と誤差増幅
回路の誤差増福率Gとの関係がG<2N1であることを特
徴とするA/D変換装置。 - 【請求項3】 前記パイプライン型A/D変換器の各セ
ルのA/D変換器は、アナログ入力電圧をホールドする
サンプル・ホールド回路と、 基準値電圧をホールドするサンプル・ホールド回路と、 比較器とで構成され、 前記アナログ入力電圧をホールドするサンプル・ホール
ド回路にホールドされた入力電圧値と、前記基準値電圧
をホールドするサンプル・ホールド回路にホールドされ
た基準値電圧との合成を行い、合成した信号を比較器の
入力信号とする回路を2N1-1個配列して構成されること
を特徴とする請求項1または2に記載のA/D変換装
置。 - 【請求項4】 前記サンプル・ホールド回路、前記比較
器および前記アナログ加算器は構成部品としてシリコン
半導体(100)面と(110)面の(110)方向の
2方向にゲート形成され、絶縁膜に窒化膜およびSOI
基板を用いたBalanced CMOS回路を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のA/D変換装置。 - 【請求項5】 前記パイプライン型A/D変換器の各セ
ルのA/D変換器は、各セルのA/D変換器のデジタル
出力からアナログ入力信号に対応したデジタルコードを
決定するための誤差修正を行う手段を有する加算器を備
えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載
のA/D変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002044057A JP2003243986A (ja) | 2002-02-20 | 2002-02-20 | A/d変換装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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2002
- 2002-02-20 JP JP2002044057A patent/JP2003243986A/ja not_active Ceased
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