JP2003242842A - 超電導ケーブル - Google Patents

超電導ケーブル

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JP2003242842A JP2002043687A JP2002043687A JP2003242842A JP 2003242842 A JP2003242842 A JP 2003242842A JP 2002043687 A JP2002043687 A JP 2002043687A JP 2002043687 A JP2002043687 A JP 2002043687A JP 2003242842 A JP2003242842 A JP 2003242842A
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正幸 廣瀬
Takahito Masuda
孝人 増田
Yoshihisa Takahashi
芳久 高橋
Kimiyoshi Matsuo
公義 松尾
Shoichi Honjo
昇一 本庄
Tomoo Mimura
智男 三村
Terumitsu Aiba
輝光 相場
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルコアに複合するスペーサ材料自体の
熱収縮率に関わらずケーブルコアの熱収縮を吸収するこ
とができる超電導ケーブルを提供する。 【解決手段】 スペーサ10と、スペーサ10を中心とし
て、その外周に撚り合わされた3心の超電導ケーブルコ
アとを具える。このスペーサ10は、冷却時の直径の熱収
縮量がスペーサの構成材料自体の熱収縮量よりも大き
い。スペーサの構成としては、内部にガスが充填された
チューブ20と、このチューブの外周にて素線に間隔を設
けてらせん状に巻き付けた中空巻き線30とから構成され
るものが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導ケーブル
と、それに最適なケーブル用スペーサに関するものであ
る。特に、3心の超電導ケーブルコアの熱収縮を撚り合
せの弛みにより吸収できる超電導ケーブルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】超電導ケーブルは、布設後に液体窒素な
どの冷媒をケーブル内に流して冷却される。その際、ケ
ーブル最外層は常温で、ケーブルの内部は約−200℃と
なり、ケーブル内外の温度差は200℃以上となる。その
ときにケーブル構成材料である金属は約0.3%収縮し、
具体的にはケーブル100mごとに30cm程度の熱収縮を生
じる。通常、ケーブルの両端部は中間接続部や終端接続
部で固定されるため、撚り合わせたケーブルコアが収縮
すると撚りが締まり、ケーブルは軸方向の応力と共に側
圧を受け、機械応力に対して性能劣化の大きい超電導導
体がダメージを受ける。そのため、この熱収縮を吸収す
る機構が必要となる。
【0003】従来、このような熱収縮に対応する技術と
して、特開平9-134620号公報に記載のものが知られてい
る。これは、3心のケーブルコアの中心に熱収縮率の大
きい介在物を挿入して撚り合わせ、介在物の熱収縮によ
り3心ケーブルコアの撚り合わせ径を変化させて熱収縮
を吸収するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の技術で
はケーブルコアに複合する介在物として、ケーブルコア
の収縮を吸収できるような大きい熱収縮率を有する材料
を選択しなければならず、この材料選択が困難であると
いう問題があった。
【0005】従って、本発明の主目的は、ケーブルコア
に複合する介在物材料自体の熱収縮率に関わらずケーブ
ルコアの熱収縮を吸収することができる超電導ケーブル
と、それに最適なスペーサとを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、3心のコアの
中心にスペーサを介在し、スペーサの構成材料自体の収
縮に加えて、スペーサの形態を変化させ、冷却時の縮径
程度を大きくすることで上記の目的を達成する。
【0007】すなわち、本発明超電導ケーブルは、スペ
ーサと、スペーサを中心として、その外周に撚り合わさ
れた3心の超電導ケーブルコアとを具えている。そし
て、スペーサは、内部にガスが封入されたチューブと、
このチューブの外周にて複数の素線より構成される中空
体とを具えることを特徴とする。この中空体には、素線
を間隔を開けて撚り合わせた中空巻き線や、素線を織っ
た中空編組体が挙げられる。
【0008】特開平9-134620号公報は、介在物(スペー
サ)に必要とされる熱収縮量について試算例を示してい
る。これによれば、介在物を常温から液体窒素温度に冷
却した際の熱収縮量は約60%となっている。このような
大きな熱収縮量を有する材料の選択は、非常に困難であ
る。
【0009】本発明では、スペーサの構成材料自体の収
縮に伴ってスペーサの形態を変化させ、この形態変化分
をも利用することで、スペーサの直径を大きく縮小させ
ている。スペーサの直径を冷却時に大幅に小さくできれ
ば、3心ケーブルコアの冷却に伴う熱収縮量を吸収し
て、ケーブルコアの超電導導体に機械的外圧が作用する
ことを防止できる。このスペーサの径変化は、冷却すれ
ば小さくなり、常温に戻せば大きくなる可逆的変化であ
ることが好ましい。
【0010】大幅な径の変化を実現するため、本発明で
はガスが封止されたチューブを用いる。冷却に伴いケー
ブル収縮時、各コアの撚りが締まると共にチューブ内の
ガス体積が縮小し、チューブの径が小さくなる。それに
伴ってチューブの外周に配置された中空巻き線または中
空編組体も各コアに押圧されて変形し、大きな熱収縮量
を得ることができる。
【0011】(中空巻き線)チューブの外周に素線を撚
り合わせ、常温時に隣接するターンの間に間隔を設けた
中空巻き線を用いる。
【0012】このような中空巻き線は、チューブの外周
に配置されているため、スペーサの外周に3心のケーブ
ルコアを撚り合わせる常温時には各コアの圧力により中
空巻き線が変形することを防止でき、中空巻き線として
の形状を維持することができる。
【0013】一方、冷却時は、素線をコイル状により合
わせて隣接するターンの間に間隔を設けているため、撚
りが締まって素線の間隔が狭くなる。これにより、素線
材料自体の熱収縮量に加えて、コイル自体の形状変形を
も利用して、常温時よりも大幅に直径を小さくすること
ができる。
【0014】素線の撚りピッチは、冷却時にスペーサの
径変化を大きくできるよう、常温時のスペーサの直径に
対して十分大きく採ることが好ましい。例えば、素線の
撚りピッチは常温時のスペーサの直径の20倍以上程度が
好適である。ただし、ピッチが大きすぎるとスペーサは
外周からの圧縮に弱く、変形しやすくなるので、これら
の要素を考慮してコアの熱収縮量を吸収できる極力短い
素線ピッチを選択すれば良い。また、コイル状に形成し
たスペーサは、その両端で各素線を固定しておくことで
長手方向の移動を抑制し、冷却時に大きな径変化を与え
ることができる。
【0015】コイル状に形成した各素線の同士の間隔
は、冷却時にケーブルコアの熱収縮量を吸収できる程度
に大きな径変化が得られる値を選択する。素線の本数や
間隔tは、コアの熱収縮量を考慮して適宜選択すれば良
い。すなわち、冷却時、コアが熱収縮量して撚りが締ま
った状態になったとき、スペーサの撚りも同様に締まっ
て隣接する素線の間隔が閉じられる程度となるように本
数や間隔tを選択する。素線の本数は複数でも単数でも
良い。素線の断面形状は特に限定されないが、一般に円
形の線材が好適である。
【0016】前記素線の撚り合わせは、チューブの外周
に単層に行っても多層に行ってもいずれでも良い。多層
に撚り合わせを行えば、スペーサの形状維持が行いやす
い。特に、多層にした場合、隣接する層の撚りピッチが
互いに異なるように構成すれば、一層保形効果に優れ
る。また、隣接する層の撚りピッチが同じで撚り方向を
逆としても同様の保形効果が得られる。
【0017】(中空編組体)中空巻き線の代わりに、中
空編組体を用いても良い。この編組体は、チューブの外
周にて素線を織った中空体である。
【0018】この中空編組体も、チューブの外周に配置
されているため、スペーサの外周に3心のケーブルコア
を撚り合わせる常温時には各コアの圧力により中空編組
体が変形することを防止でき、中空編組体としての形状
を維持することができる。
【0019】一方、冷却時は、中空編組体自体が3心の
コアに3方から押圧されて変形する。これにより、素線
材料自体の熱収縮量に加えて、中空編組体自体の形状変
形をも利用して、常温時よりも大幅に直径を小さくする
ことができる。
【0020】この中空体は、単独の素線を縦糸・横糸と
して織る場合はもちろん、複数の素線を並列し、この並
列単位を縦糸・横糸として織る場合でも構わない。ま
た、隣接する縦糸同士または横糸同士に隙間を持たせて
織った中空体は、冷却時に素線間の隙間が狭くなること
でより大きな縮径効果が得られる。中空体の織り方は、
平織り、綾織、繻子織などが挙げられる。用いる素線と
しては、断面が円形の線状体でも良いが、テープ状のも
のも好適である。
【0021】上記のスペーサは、撚り線構造、編組構造
のいずれであっても、内部にチューブが配置されている
ため、中空巻き線や中空編組体の形状を維持するために
格別の保形手段を用いる必要がない。
【0022】(チューブ)上記中空体はガスが充填され
たチューブの外周に配置される。前記中空体、特に中空
巻き線は、パイプ形状を維持することが難しい。ガスの
充填されたチューブを用いれば、所定の径にチューブを
膨らませ、その外周に撚り線や編組による中空体を形成
することで、パイプ形状の保持を容易に実現できる。
【0023】常温時、径の大きな状態にチューブを膨ら
ませておく。このチューブの外周に中空体を配置してお
けば、外圧を受けてチューブ内のガス圧により中空体が
変形することはなく、コアの撚り合わせ作業などが支障
なく行える。一方、冷却時、チューブ内のガスが大きく
体積減少し、チューブの径が小さくなることで中空体の
縮径を妨げることがない。
【0024】スペーサがチューブだけであればケーブル
コアを撚り合わせる際にチューブが変形し、スペーサと
しての機能を十分果たせない。一方、剛性材料のみであ
れば膨らませることができず、冷却時に剛性材料自体の
収縮量しか縮径させることが難しい。
【0025】ここで用いるチューブは、冷媒温度(液体
窒素なら-196℃)で使用可能な材質で構成する。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂などの
高分子プラスチックや、エチレンプロピレンゴムなどの
ゴム材料が好適である。
【0026】また、チューブは分割される複数のガス室
を具えることが望ましい。複数のガス室を具えていれ
ば、一部のガス室が破れても残りのガス室が健全であれ
ばスペーサとしての機能を保持することができる。チュ
ーブのガス室の分割は、例えば、チューブの長手方向に
適宜な間隔でくびれを設け、ソーセージ状に形成するこ
とが挙げられる。
【0027】チューブ内に充填されるガスは、チューブ
が脆くならないように不活性ガスを用いることが好まし
い。具体的にはN2、Ar、Ne、Heなどが挙げられる。N2
とケーブル冷却時に液化し、Heであればガスで存在する
が、いずれも体積が小さくなるので有効である。その
他、チューブに充填されるガスは空気でも良い。
【0028】チューブ内のガスは、予め一定圧力に加圧
封入してチューブを封止しても良いし、チューブにコン
プレッサーなどの加圧装置を接続して、内圧を所定の圧
力に制御できるようにしても良い。前者の封止構造で
は、加圧装置が必要なく、製造管理面が簡素化できる。
後者の加圧装置接続構造では、スペーサ形成時のガス圧
とコア3心撚り時のガス圧を個別に任意に設定すること
ができる。スペーサ形成時は、撚り線や編組による中空
体の成形に対応できるように所定のガス圧に設定し、コ
ア撚り合わせ時は、コアからの側圧に対抗できるように
ガス圧を高めることができる。
【0029】スペーサの材料は、気体、液体、固体のい
ずれの適用も考えられる。特開平9-134620号公報の発明
では、介在物材料として常温時は気体で、冷却時に液化
または固化するガスを例示している。固体材料のみから
なるものは、気体や液体を封止する構成が必要ない点で
好ましい。気体材料は、冷却に伴う収縮量が大きい点で
好ましい。
【0030】固体材料の具体例としては、液体窒素など
の冷媒中に浸漬されても支障のない金属やプラスチック
が挙げられる。
【0031】スペーサの製造方法は、チューブを中芯と
し、この中芯に複数の素線を間隔を設けて巻き付けた
り、中芯の外周に素線を織って中空体を形成することが
好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0033】(実施例1)図1は本発明超電導ケーブル
の常温時の断面図、図2は同冷却時の断面図である。
【0034】このケーブルは、断熱管1内に収納された
3心のケーブルコア2を具える。断熱管1は、外管3と内
管4との間にスーパーインシュレーション(図示せず)
などの断熱材を配置し、両管3、4の間を真空引きして構
成される。本例では、断熱管1を二重管構造としたが、
断熱管の構造が二重管に限定されるわけではない。
【0035】各ケーブルコアは、熱収縮分を吸収できる
程度の弛みを持って撚り合わされている。外管3と内管4
とはいずれもコルゲート管とした。また、ケーブルコア
2は中心から順に、フォーマ5、超電導導体6、絶縁層7、
遮蔽層8を具えている。また、遮蔽層8の外側に保護層
(図示せず)を設けても良い。フォーマ5が中空の場
合、フォーマ5の内部および内管4と各ケーブルコア2と
の間に形成される空間が冷媒流路となり、フォーマ5が
中実の場合、内管4と各ケーブルコア2との間に形成され
る空間が冷媒流路となる。超電導導体6には、Y系、Bi系
などの酸化物超電導体が好適である。絶縁層7の一例と
しては、冷媒が含浸された紙テープや紙テープとプラス
チックテープの複合紙を巻回したものが挙げられる。冷
媒には、液体窒素や液体ヘリウム等が利用できる。
【0036】そして、前記3心コアの中心にスペーサ10
が配置されている。このスペーサ10は、冷却時、コアの
撚りが締まることに対応してスペーサ10の外径を大幅に
縮小できる構成となっている。すなわち、図3、4に示
すように、内部にガスが充填されたチューブ20と、チュ
ーブ20の外周にて複数の素線を螺旋状に巻き付けた中空
巻き線30とから構成されている。
【0037】チューブ20は、冷媒に用いる液体窒素温度
でも使用が可能なエチレンプロピレンゴムで構成した。
その外径は、常温時、各コアに十分な隙間を設け、スペ
ーサを除去した状態を仮想すると、コア2の撚りに弛み
を持たせた状態となる程度としている。本例では、予め
所定の圧力にガスを封入したチューブ20を用いた。この
所定の圧力は、スペーサ10にコアを撚り合わせる際、ス
ペーサ10が変形しない程度の圧力とした。また、チュー
ブ内に充填するガスにはヘリウムガスを用いた。このチ
ューブ20は、複数のガス室に分割しても良いし、コンプ
レッサーなどの加圧装置に接続して、内圧を調整できる
ように構成しても良い。
【0038】一方、中空巻き線30は、図3(A)に示すよ
うに、常温時、隣接するターンの間に間隔が形成される
ようにチューブの外周に巻き付けられている。本例で
は、断面が円形の金属線を素線31として中空巻き線30を
構成した。
【0039】図4に示すように、上記のチューブ20の外
周に前記の中空巻き線30を形成する。チューブの外周に
素線31を巻き付ける際、チューブの内圧により素線31を
中空のらせん状に保形して巻回することができる。常温
時、スペーサ10の直径d1は大きく、素線同士の間には間
隔tが設けられた状態にある(図3A)。
【0040】また、コア2の撚り合わせ時、チューブ20
により内側から中空体12を保持するため、コア2の側圧
によってスペーサ10が変形することを抑制できる。
【0041】冷却時は、チューブ内のガスが収縮してチ
ューブ20が縮径する。図4において、左側の細い円筒
は、チューブ20が収縮して縮径した状態を示している。
この縮径に伴って、中空巻き線30も縮径する。その際、
素線31自身が縮小すると共に、図3(B)に示すように、
中空巻き線30における各ターン間の間隔が狭くなる変形
の双方が起こる。この中空巻き線30の材料自体の縮小と
各ターン間の間隔が狭くなる変形との併合によって中空
巻き線30を縮径し、コア2の撚り合わせを閉じて、熱収
縮分を吸収する。つまり、冷却時、コア2の撚りが締ま
ることに伴ってスペーサ10の直径d2も小さくでき、コア
2の熱収縮を吸収して超電導導体に応力が作用すること
を防止する。
【0042】(試算例)どのような形態のスペーサを用
いれば、冷却前後でどの程度の径変化が可能かを試算し
た。
【0043】冷却時に0.3%収縮する金属材料で直径14m
mのコイル状スペーサを作った場合、素線のピッチを300
mmとすると次のようになる。
【0044】収縮前の1ピッチの素線長をL1、収縮後の1
ピッチの素線長をL2とする。その場合、L2=L1×0.997
となる。また、L1は√{3002+(14π)2}で表される。さ
らに、収縮後のスペーサの直径をXとすると、 L2=0.997×√{3002+(14π)2}=√{3002+(Xπ)2} となる。
【0045】この式よりXを求めると、X=11.84となり、
約15%直径が縮小されることがわかる。
【0046】また、ピッチを500mmとして同様の試算を
行った。その場合のXは6.6mmであり、収縮前からみれば
約半分の直径に収縮できていることがわかる。
【0047】さらに、冷却時に0.3%収縮するプラスチ
ック材料でスペーサを構成し、ピッチを200mmとした場
合についても同様の試算を行った。その結果、Xは5.3mm
となり、冷却前の直径を半分以下にまで縮小できること
がわかる。
【0048】(実施例2)図5はチューブ20と編組体に
よる中空体を用いた本発明スペーサの説明図である。
【0049】本例は、中空体が巻き線か編組体であるか
を除いて実施例1と同じである。この中空編組体40は、
テープ状の鋼帯を素線とし、この鋼帯を縦糸・横糸とし
て円筒状に織ったものをスペーサとしている。また、隣
接する縦糸または横糸との間には隙間が形成されるよう
に織られている。図5において、左側の細い円筒は、チ
ューブ20が収縮して縮径した状態を示している。
【0050】このスペーサでも、コアの撚り合わせ時、
チューブ20により内側から中空編組体40を保持するた
め、コアの側圧によってスペーサが変形することを抑制
できる。つまり、図6(A)に示すように、中空編組体40
はチューブ20の外周で円筒状に保形される。この状態で
ケーブルコア2は、間隔を保ってより合わされている。
【0051】一方、冷却時は、チューブ内のガスが収縮
してチューブ20が縮径する。それに伴って、3心のコア
2により中空編組体40は三方から押圧され、図6(B)に示
すように、コア2間に挟まれる三方が突出した形状に変
形される。その際、中空編組体40の素線自身が縮小する
ことと、各縦糸と横糸の間隔が閉じられることの併合に
よっても縮径される。そして、コア2の撚り合わせを閉
じて、熱収縮分を吸収することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
3心の撚り合わせた超電導ケーブルコアの中心にスペー
サを設け、このスペーサを、冷却時の直径の熱収縮量が
スペーサの構成材料自体の熱収縮量よりも大きい構成と
することで冷却時に大幅に直径を縮小でき、コアの熱収
縮量を、コアの撚り合わせの締まりにより吸収すること
ができる。
【0053】また、内部にガスの充填されたチューブに
より中空巻き線あるいは中空編組体を保持することで、
コア撚りあわせ時の側圧で中空体が変形することを防止
し、スペーサとしての機能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明超電導ケーブルの常温時の断面図であ
る。
【図2】本発明超電導ケーブルの冷却時の断面図であ
る。
【図3】本発明スペーサの中空巻き線の説明図で、(A)
は常温時、(B)は冷却時の形状を示している。
【図4】チューブと撚り線による中空体を用いた本発明
スペーサの説明図である。
【図5】チューブと編組体による中空体を用いた本発明
スペーサの説明図である。
【図6】チューブと編組体による中空体を用いた本発明
スペーサの説明図で、(A)は常温時、(B)は冷却時の形
状を示している。
【符号の説明】
1 断熱管 2 ケーブルコア 3 外管 4 内管 5 フォーマ 6 超電導導体 7 絶縁層 8 遮蔽層 10 スペーサ 20 チューブ 30 中空巻き線 31 素線 40 中空編組体
フロントページの続き (72)発明者 増田 孝人 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 高橋 芳久 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 松尾 公義 東京都八王子市石川町2967 東京電力株式 会社多摩支店八王子工務所内 (72)発明者 本庄 昇一 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 三村 智男 神奈川県川崎市幸区柳町26 東京電力株式 会社神奈川支店川崎工務所内 (72)発明者 相場 輝光 東京都豊島区東池袋1の25の8タカセビル 東京電力株式会社送変電建設部送変電技 術センター内 Fターム(参考) 5G321 BA01 CA16 CA53 CB04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペーサと、 スペーサを中心として、その外周に撚り合わされる3心
    の超電導ケーブルコアとを具え、 前記スペーサは、 内部にガスが充填されたチューブと、 このチューブの外周に素線をらせん状に巻き付けて各タ
    ーンの間に間隔を設けた中空巻き線とから構成されるこ
    とを特徴とする超電導ケーブル。
  2. 【請求項2】 スペーサと、 スペーサを中心として、その外周に撚り合わされる3心
    の超電導ケーブルコアとを具え、 前記スペーサは、 内部にガスが充填されたチューブと、 このチューブの外周にて素線を織った中空編組体とから
    構成されることを特徴とする超電導ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記チューブ内のガス圧力が調整自在に
    構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    超電導ケーブル。
  4. 【請求項4】 前記チューブが複数に分割されたガス室
    を具えることを特徴とする請求項1または2に記載の超
    電導ケーブル。
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