JP2003242726A - オーディオ信号伝送装置、マイクロフォン装置、オーディオ再生装置 - Google Patents

オーディオ信号伝送装置、マイクロフォン装置、オーディオ再生装置

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JP2003242726A
JP2003242726A JP2002363640A JP2002363640A JP2003242726A JP 2003242726 A JP2003242726 A JP 2003242726A JP 2002363640 A JP2002363640 A JP 2002363640A JP 2002363640 A JP2002363640 A JP 2002363640A JP 2003242726 A JP2003242726 A JP 2003242726A
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Fumitaka Nishio
文孝 西尾
Hajime Ichimura
元 市村
Makoto Akune
誠 阿久根
Yasuhiro Ogura
康弘 小倉
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ΣΔ変調を用いて伝送(記録再生)を行う。 【構成】入力端子1からの入力音声信号が加算器2を通
じて積分器3に供給される。この積分器3からの信号が
比較器4に供給され、例えば入力音声信号の中点電位と
比較されて1サンプル期間ごとに1ビット量子化され
る。この量子化信号が遅延器5に供給されて1サンプル
期間分遅延される。この遅延信号が1ビットDA変換器
6を通じて加算器2に供給されて、入力端子1からの入
力音声信号に加算される。これによって比較器4から
は、入力音声信号がΣΔ変調された量子化信号が出力さ
れる。この比較器4から出力される量子化信号が同期信
号と誤り訂正符号(ECC)の付加回路7に供給され、
所定数のサンプルごとの量子化信号に同期信号と誤り訂
正符号が付加される。この同期信号と誤り訂正符号の付
加された量子化信号が記録ヘッド8に供給され、記録媒
体9に記録される。一体の装置で画像を含む情報の作成
と送受信を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ信号をデジ
タル化して伝送(記録・再生)する場合等に適用される
オーディオ信号伝送装置、マイクロフォン装置、オーデ
ィオ再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号をデジタル化して伝送
(記録・再生)する方法として、従来からコンパクトデ
ィスク(以下CDと称する)や、デジタルオーディオテ
ープ(以下DATと称する)等の記録再生装置や、衛星
放送等のデジタル音声放送が実施されている。このよう
なデジタル音声伝送装置において、従来はそのデジタル
化に際しては、サンプリング周波数として48kHz、
44.1kHz等、また量子化ビット数として16ビッ
ト等のフォーマットが規定されていた。
【0003】ところがこのような従来のデジタル音声伝
送装置において、デジタル音声信号の量子化ビット数と
サンプル期間の周波数(サンプリング周波数)は一般的
に復調される音声信号のダイナミックレンジを規定す
る。このため例えばより高音質のデータを伝送するため
には、量子化ビット数を現行の16ビットから20ある
いは24ビット等に拡大したり、サンプリング周波数を
上げて周波数特性を改善することが必要である。しかし
ながら、一度フォーマットを規定してしまうと、量子化
ビット数やサンプリング周波数の拡大を容易に行うこと
ができないため、これらの装置からより高音質の音声信
号を取り出すことはできなかった。
【0004】そこで規定のフォーマットの範囲内で改善
を行うために、サンプリング周波数を拡大したオーバー
サンプリングADコンバータを使用し、デジタルフィル
タと所望の処理を施す手段を介して規定のフォーマット
に変換することが行われている。しかしながらリアルタ
イムで規定のフォーマットに変換して伝送する必要があ
るために、リアルタイム処理を行う信号処理を分割した
り、量子化ビット数を制限する再量子化過程が多くなっ
たりして微小信号成分が失われ、音質改善にも限界があ
った。
【0005】ところで音声信号をデジタル化する方法と
して、ΣΔ変調と呼ばれる方法が提案されている(日本
音響学会誌46巻3号(1990)第251〜257頁
「AD/DA変換器とディジタルフィルタ(山崎芳
男)」等参照)。なおサンプリング周波数は、従来の4
8kHz、44.1kHzに対して、例えばその64倍
あるいは128倍の周波数が用いられる。
【0006】すなわち図17は、例えば1ビットのΣΔ
変調を利用した一例としての構成を示す。この図17に
おいて、入力端子91からの入力音声信号が加算器92
を通じて積分器93に供給される。この積分器93から
の信号が比較器94に供給され、例えば入力音声信号の
中点電位と比較されて1サンプル期間ごとに1ビット量
子化される。なおサンプル期間の周波数(サンプリング
周波数)は、従来の48kHz、44.1kHzに対し
て、その64倍あるいは128倍の周波数が用いられ
る。
【0007】この量子化信号が遅延器95に供給されて
1サンプル期間分遅延される。この遅延信号が1ビット
DA変換器96を通じて加算器92に供給されて、入力
端子91からの入力音声信号に加算される。そして比較
器94から出力される量子化信号が出力端子97に取り
出される。従ってこのΣΔ変調によれば、上記文献にも
示されるように、サンプル期間の周波数(サンプリング
周波数)を充分高くすることによって、1ビットでも広
いダイナミックレンジのデジタル音声信号を得ることが
できる。
【0008】ところがこのΣΔ変調において、変調(量
子化)信号を伝送(記録・再生)する場合には、例えば
量子化信号の“+1”は“1”に“−1”は“0”に変
換される。その場合に、仮に伝送系で異常が発生して信
号が失われると、信号は“1”または“0”に固定され
てしまう。ここでΣΔ変調においては、連続した“1”
と“0”はそれぞれ復調信号の正の最大値と負の最大値
に相当する。このため仮に伝送系で信号路が断線したよ
うな場合には、その瞬間に最大レベルのノイズが発生す
ることになり、モニタ用のアンプやスピーカーを破壊す
る恐れがあった。
【0009】なお従来のCDやDAT等においては、連
続した“1”と“0”が、それぞれ復調信号の中間値に
なるように信号フォーマットが定められており、上述の
ような最大レベルのノイズが発生することはない。そこ
で上述のΣΔ変調によって得られたデータをデジタルフ
ィルタと所望の処理を施す手段を用いて、CDやDAT
等の信号フォーマットに変換してから伝送すれば、上述
のような最大レベルのノイズの発生は防止できる。
【0010】しかしながらこの場合に、伝送される信号
では従来と同様に量子化ビット数やサンプリング周波数
の拡大による高音質データの抽出が困難になる。またΣ
Δ変調によって得られたデータからCDやDAT等の信
号フォーマットへ変換して伝送する場合には、その変換
をリアルタイムで行う必要があって、信号処理を分割し
たり量子化ビット数を制限しているために再量子化過程
が多くなり、高音質データの抽出はさらに困難であっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この出願はこのような
点に鑑みて成されたものであって、解決しようとする問
題点は、従来の規定されたフォーマットでは量子化ビッ
ト数の拡大を容易に行うことができないこと。さらに、
オーバーサンプリングADコンバータやΣΔ変調で量子
化した量子化信号にデジタルフィルタと所望の処理を施
す手段を介して規定のフォーマットの範囲内で改善を行
う場合でも、リアルタイムで規定のフォーマットに変換
して伝送する必要があるため、信号処理を分割したり量
子化ビット数を制限しているために再量子化過程が多く
なり音質改善に限界があったこと。またΣΔ変調を用い
た伝送では、例えば伝送(記録・再生)系で異常が発生
し信号が失われたような場合に、最大レベルのノイズが
発生してモニタ用のアンプやスピーカーを破壊する恐れ
があったというものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため本発明において
は、1ビットのΣΔ変調で量子化した量子化信号を所定
数のサンプルごとに分割し、この分割された量子化信号
に同期信号と誤り訂正符号を付加して伝送(記録)す
る。また一旦伝送(記録・再生)された量子化信号から
規定のフォーマットに変換することで処理時間の制約を
なくし、デジタルフィルタと所望の処理を施す手段にお
ける信号処理の分割と再量子化過程を排除する。さらに
量子化信号に異常が発生した場合に所定のアイドリング
信号に切り換えるようにしたものである。
【0013】
【作用】これによれば、いわゆるΣΔ変調で変調した量
子化信号を伝送(記録・再生)することで、ダイナミッ
クレンジの拡大や任意のフォーマットへの変換等を容易
に行うことができる。また一旦伝送(記録・再生)され
た量子化信号から規定のフォーマットに変換することで
処理時間の制約をなくし、デジタルフィルタと所望の処
理を施す手段における信号処理の分割と再量子化過程を
排除することによって、高精度、高音質のデータ変換を
行うことができると共に、規定のフォーマットに変換す
る際に、その時点で最も優れたデジタルフィルタと所望
の処理を用いることで、同一の規定のフォーマットの範
囲内で何回でも音質改善を行うことができる。さらに伝
送系の異常時等に量子化信号を所定のアイドリング信号
に切り換えることによって、異常時等での最大レベルの
ノイズの発生を防止することができる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明のデジタル音声伝送装置を記
録再生装置に適用した場合の構成を示す。なおこの図1
は、例えば1ビットのΣΔ変調を利用した一例としての
構成を示す。
【0015】この図1において、入力端子1からの入力
音声信号が加算器2を通じて積分器3に供給される。こ
の積分器3からの信号が比較器4に供給され、例えば入
力音声信号の中点電位と比較されて1サンプル期間ごと
に1ビット量子化される。なおサンプル期間の周波数
(サンプリング周波数)は、従来の48kHz、44.
1kHzに対して、その64倍あるいは128倍の周波
数が用いられる。
【0016】この量子化信号が遅延器5に供給されて1
サンプル期間分遅延される。この遅延信号が1ビットD
A変換器6を通じて加算器2に供給されて、入力端子1
からの入力音声信号に加算される。これによって比較器
4からは、上述の入力音声信号がΣΔ変調された量子化
信号が出力される。この比較器4から出力される量子化
信号が同期信号と誤り訂正符号(ECC)の付加回路7
に供給され、所定数のサンプルごとの量子化信号に同期
信号と誤り訂正符号が付加される。この同期信号と誤り
訂正符号の付加された量子化信号が記録ヘッド8に供給
され、記録媒体(磁気テープ)9に記録される。
【0017】すなわち図2は記録媒体(磁気テープ)9
に記録される信号のフォーマットを示す。ここで量子化
信号は同図のAに示すように元のデータD(t−7)、
D(t−6)・・・D(t−1)、D(t)、D(t+
1)・・・D(t+9)、D(t+10)のまま記録し
てもよいが、同図のBに示すように例えば12個のデー
タD(0)〜D(11)ごとに分割し、この分割ごとに
同期信号S(0)〜S(3)と誤り訂正符号P(0)〜
P(3)を付加することによって、伝送(記録・再生)
中に発生する伝送誤りを検出、訂正することができる。
さらに記録再生装置にあっては、記録媒体上で発生する
バーストエラーに対しても充分に対応できるように、デ
ータにインターリーブ等の処理を施すことも考えられ
る。
【0018】さらに再生ヘッド10によって上述の記録
媒体(磁気テープ)9に記録された信号が再生される。
この信号が同期分離及び誤り訂正回路11に供給され、
上述の入力音声信号がΣΔ変調された量子化信号が取り
出される。そこでこの取り出されたΣΔ変調された量子
化信号は、簡単なアナログフィルタ12を通すことによ
ってアナログ信号に戻すことができ、このアナログ音声
信号をモニタ端子13から取り出すことができる。
【0019】また、同期分離及び誤り訂正回路11から
取り出されるΣΔ変調された量子化信号は、デジタル処
理によるデシメーション(間引き)フィルタ14を用い
て、任意のCDやDAT等の信号フォーマットに変換す
ることができる。そこでこの任意のフォーマットに変換
された信号は、任意のフォーマットのデジタルレコーダ
ー15や、CDやDAT装置16、あるいはミニディス
ク(MD)やデジタルコンパクトカセット(DCC)装
置17等で記録したり、これらの装置の再生系を通して
通常のDA変換器18に供給し、変換されたアナログ音
声信号を出力端子19から取り出すことができる。
【0020】このようにして、入力音声信号がΣΔ変調
されて記録され、さらに記録された信号が任意の信号フ
ォーマットで再生される。さらにこのようなΣΔ変調さ
れた信号は、図3のAに示すようなスペクトラムを有し
ており、同図のBに示すような従来のCDやDAT等の
信号フォーマットに比べて、例えば可聴範囲の20kH
z以下で、斜線を付して示す量子化ノイズが低くされ、
広いダイナミックレンジが得られる。
【0021】また、図3のCにおいて、現行のΣΔ変調
回路による信号のスペクトラムが例えば曲線aで示すよ
うであった場合に、将来的に例えば図中に曲線bで示す
ようなスペクトラムの信号の得られるΣΔ変調回路が開
発される可能性がある。その場合に上述の装置であれ
ば、ΣΔ変調回路を変えるのみで、記録フォーマットや
その他の構成は上述の装置のままで性能を向上させるこ
とができる。
【0022】さらに上述のように、サンプリング周波数
を、従来の48kHz、44.1kHzの64倍あるい
は128倍といった極めて高い周波数に設定することが
できるために、従来は20kHzまでであった記録され
る音声信号の周波数帯域を飛躍的に伸ばすことができ
る。
【0023】こうして上述のデジタル音声伝送装置によ
れば、入力音声信号(入力端子1)を1ビットのΣΔ変
調で量子化(加算器2、積分器3、比較器4、遅延器
5)し、その量子化された出力信号を伝送するようにし
たデジタル音声伝送装置において、比較器から出力され
る量子化信号を所定数のサンプルごとに分割し、この分
割された所定数のサンプルごとの量子化信号に同期信号
と誤り訂正符号を付加(回路7)して伝送することによ
り、いわゆるΣΔ変調で量子化した量子化信号の伝送
(記録・再生)を行うことができ、ダイナミックレンジ
の拡大や任意のフォーマットへの変換等を容易に行うこ
とができるものである。
【0024】さらに上述の装置において、入力音声信号
がデジタル信号で供給される場合には、1サンプル期間
分遅延された信号の帰還路でのDA変換は不要になる。
そこで図4に示すように、アナログ入力端子1からの信
号は上述の回路に供給されると共に、デジタル入力端子
21が設けられる。なおこの図4は、例えば1ビットの
ΣΔ変調を利用した一例としての構成を示す。
【0025】そしてこのデジタル入力端子21からの信
号は、図示のように上述のアナログ入力端子1からの回
路と同様の動作のデジタル回路で構成された加算器2
2、積分器23、比較器24、及び、遅延器25の回路
に供給される。なおこの回路で上述のDA変換器6に相
当する回路は不要になる。さらにこの比較器24からの
信号と上述の比較器4からの信号がスイッチ26で選択
されて、同期信号と誤り訂正符号の付加回路7に供給さ
れるようにする。
【0026】これによって、アナログ入力及びデジタル
入力のいずれにも対応できるデジタル音声記録再生装置
を形成することができる。あるいはデジタル入力だけの
装置を形成してもよい。
【0027】また図5は、本発明のデジタル音声伝送装
置をマイクロフォン装置に適用した場合の構成を示す。
なおこの図5は、例えば1ビットのΣΔ変調を利用した
一例としての構成を示す。
【0028】この図5において、マイクロフォンカプセ
ル31からの音声信号が、アンプ32を通じて加算器3
3に供給される。この加算器33からの信号が積分器3
4に供給され、この積分器34からの信号が比較器35
に供給される。そして例えば入力音声信号の中点電位と
比較されて1サンプル期間ごとに1ビット量子化され
る。なおサンプル期間の周波数(サンプリング周波数)
は、従来の48kHz、44.1kHzに対して、その
64倍あるいは128倍の周波数が用いられる。
【0029】この量子化信号が遅延器36に供給されて
1サンプル期間分遅延される。この遅延信号が1ビット
DA変換器37を通じて加算器33に供給されて、アン
プ32からの音声信号に加算される。これによって比較
器35からは、上述のマイクロフォンカプセル31から
の音声信号がΣΔ変調された量子化信号が出力される。
さらにこの比較器35から出力される量子化信号が同期
信号と誤り訂正符号の付加回路38に供給され、所定数
のサンプルごとの量子化信号に同期信号と誤り訂正符号
が付加される。
【0030】この同期信号と誤り訂正符号が付加された
量子化信号が、伝送線39を通じて伝送される。さらに
伝送された信号は同期分離及び誤り訂正回路41に供給
され、上述のマイクロフォンカプセル31からの音声信
号がΣΔ変調された量子化信号が取り出される。この取
り出されたΣΔ変調された量子化信号は、簡単なアナロ
グフィルタ42に供給されてアナログ信号に戻され、こ
のアナログ音声信号が出力端子43に取り出される。
【0031】あるいは同期分離及び誤り訂正回路41か
ら取り出されるΣΔ変調された量子化信号は、デジタル
処理によるデシメーション(間引き)フィルタ44を用
いて、任意のCDやDAT等の信号フォーマットに変換
される。そしてこの任意のフォーマットに変換された信
号は、DAT等の任意のフォーマットのデジタルレコー
ダー45で記録される。さらに同期分離及び誤り訂正回
路41から取り出されるΣΔ変調された量子化信号が、
そのままデジタルレコーダー46で記録されるようにし
てもよい。
【0032】従ってこの装置において、ΣΔ変調が用い
られることによって、伝送線39を長くしても音質が劣
化することがなく、極めて良好な伝送を行うことができ
る。またマイクロフォン本体にはΣΔ変調のための回路
を設けるだけで、複雑なAD変換器等を設ける必要がな
く、簡単な構成で小型且つ軽量に実現することができ
る。
【0033】なおこの装置において、伝送線39の長さ
が短く信号の劣化の恐れがない場合には、同期信号と誤
り訂正符号の付加回路38及び同期分離及び誤り訂正回
路41は無くてもよい。また伝送線39は有線に限ら
ず、送信機及び受信機を設けて無線で行うこともでき
る。
【0034】さらに上述の装置において、ΣΔ変調され
た量子化信号を任意のCDやDAT等の信号フォーマッ
トに変換するためのデジタルフィルタ14及び44は、
具体的には例えば図6に示すようにして形成することが
できる。
【0035】すなわち図6において、例えば図1の同期
分離及び誤り訂正回路11から取り出されるΣΔ変調さ
れた量子化信号がデジタルフィルタ14を構成する1段
構成のFIRフィルタ71に供給される。また同期分離
及び誤り訂正回路11からの量子化信号のサンプリング
信号と、例えばCD装置16cからのCDフォーマット
のサンプリング信号が位相差検出回路72に供給され、
これらのサンプリング信号の位相差が検出される。
【0036】そしてこの検出された位相差がフィルタリ
ング係数の算出回路73に供給され、位相差に応じたF
IRフィルタ71のフィルタリング係数が算出される。
従ってこの算出されたフィルタリング係数がFIRフィ
ルタ71に供給されることによって、このFIRフィル
タ71からは例えばCDフォーマットで定められたサン
プリング周波数で任意のビット数の信号が取り出され
る。
【0037】さらにこのFIRフィルタ71からの信号
が、例えば量子化ノイズが所望の形状となるように処理
(ノイズシェーピング)を行う処理回路74に供給され
て、例えばCDフォーマットで定められたビット数のデ
ジタル音声信号が取り出される。そしてこの取り出され
たデジタル音声信号が、例えばCD装置16cで記録さ
れたり、このCD装置16cの再生系を通して通常のD
A変換器18に供給され、変換されたアナログ音声信号
が出力端子19から取り出される。
【0038】従ってこの装置において、例えばCDフォ
ーマットのサンプリング信号の周波数を44.1kHz
とし、この周波数をfsとして同期分離及び誤り訂正回
路11から取り出される量子化信号のサンプリング信号
の周波数が64fsだった場合に、位相差検出回路72
でこれらの信号の位相差が検出される。そしてこの位相
差に応じて算出された例えば32ビットのフィルタリン
グ係数が1段構成のFIRフィルタ71に供給されるこ
とによって、例えばサンプリング周波数が64fsで1
ビットの量子化信号が、サンプリング周波数がfsで3
2ビットのデジタル音声信号に変換される。
【0039】さらにこのサンプリング周波数がfsで3
2ビットのデジタル音声信号が、途中で再量子化される
ことなく処理回路74に供給されることによって、例え
ば量子化ノイズが可聴域外に集中するようにノイズシェ
ーピング処理が行われて、例えばCDフォーマットのサ
ンプリング周波数がfsで16ビットのデジタル音声信
号が取り出される。このようにして例えばサンプリング
周波数が64fsで1ビットの量子化信号が、サンプリ
ング周波数がfsで16ビットのCDフォーマットのデ
ジタル音声信号に変換される。
【0040】こうして上述のデジタル音声伝送装置によ
れば、デジタルフィルタ14には量子化信号のサンプリ
ング信号と取り出されるデジタル音声信号のサンプリン
グ信号との位相差を検出する手段(位相差検出回路7
2)を設け、この検出された位相差に基づいてフィルタ
リング(FIRフィルタ71)の係数を変更(フィルタ
リング係数算出回路73)してサンプリング周波数の変
換を行うと共に、このフィルタリングされた信号を途中
で再量子化することなく所望の処理を施す手段(処理回
路74)を介して任意の形式のデジタル音声信号を取り
出すことにより、量子化信号を途中で再量子化すること
なくビット変換及び圧縮を行うことができ、高精度、高
音質のデータ変換を行うことができるものである。
【0041】すなわち従来の装置では、デジタル信号の
演算処理を行う場合にリアルタイム処理が必要であった
ために回路内部で処理を分割して多段構成のフィルタを
使用したり、データ語長に制限を加えるために再量子化
が行われ、これが繰り返されることによって信号の劣化
が発生していた。このような信号の劣化は例えば再量子
化の前にディザを加算することによって疑似的に軽減す
ることはできるが、本質的な劣化は避けえないものであ
った。これに対して上述の装置によれば、一旦記録され
たΣΔ変調された量子化信号を使うので、リアルタイム
処理が不要なためデータ語長に制限のない1段構成の回
路を使って、量子化信号を途中で再量子化することなく
ビット変換及び圧縮を行うことができ、高精度、高音質
のデータ変換を行うことができるものである。
【0042】なお上述の装置において、位相差に基づい
てフィルタリングを行うFIRフィルタ71は、フィル
タリング係数が可変のフィルタであれば任意の形式のも
のが使用できる。またフィルタリング係数算出回路73
は、位相差から演算で求める方法に限らず、位相差の値
をアドレス入力とするROMテーブル等によって形成す
ることも可能である。さらに上述の例のように、量子化
信号のサンプリング周波数と取り出されるデジタル音声
信号のサンプリング周波数が整数比の場合には、位相差
が一定となるので1段構成のFIRフィルタ71の係数
を固定し、位相差検出回路72とフィルタリング係数算
出回路73を省略することもできる。
【0043】さらに上述の装置において、例えばサンプ
リング周波数が64fsで1ビットの量子化信号を、サ
ンプリング周波数が48kHzで16ビットのDATフ
ォーマットのデジタル音声信号に変換する場合には、例
えば図7に示すように変換が行われる。
【0044】すなわち図7において、DAT装置16d
から取り出されるDATフォーマットのサンプリング信
号の周波数は、fsを用いると(48/44.1)fs
で表される。従ってこの図7において、同期分離及び誤
り訂正回路11から取り出されるΣΔ変調された量子化
信号がデジタルフィルタ14を構成する1段構成のFI
Rフィルタ71に供給される。また同期分離及び誤り訂
正回路11からの64fsのサンプリング信号と、例え
ばDAT装置16dからの(48/44.1)fsのサ
ンプリング信号が位相差検出回路72に供給され、これ
らのサンプリング信号の位相差が検出される。
【0045】そしてこの検出された位相差がフィルタリ
ング係数の算出回路73に供給され、算出されたフィル
タリング係数がFIRフィルタ71に供給されることに
よって、このFIRフィルタ71からは例えば(48/
44.1)fsのサンプリング周波数で32ビットのデ
ジタル音声信号が取り出される。さらにこのFIRフィ
ルタ71からの信号が処理回路74に供給されて、例え
ばDATフォーマットで定められたビット数のデジタル
音声信号が取り出される。
【0046】従ってこの変換されたデジタル音声信号を
例えばDAT装置16dで記録したり、このDAT装置
16dの再生系を通して通常のDA変換器18に供給し
て、変換されたアナログ音声信号を出力端子19から取
り出すことができる。
【0047】なお上述の装置において、デジタルフィル
タ14を構成するFIRフィルタ71に供給されるΣΔ
変調された量子化信号は、同期分離及び誤り訂正回路1
1から取り出されるものに限らず、図1のΣΔ変調器の
出力、すなわち比較器4から出力される量子化信号が直
接供給されるようにしてもよい。またこの場合に、図1
の入力端子1〜1ビットDA変換器6のΣΔ変調器と共
に、FIRフィルタ71〜処理回路74を一体にしたA
D変換器として形成することもできる。
【0048】さらに図8は、この装置を用いて例えばサ
ンプリング周波数が2fsで24ビットのハイビット・
ハイサンプリングデジタルオーディオレコーダ80に記
録を行う場合の構成を示す。
【0049】この図8のAにおいて、上述の入力端子1
〜1ビットDA変換器6からなるΣΔ変調器70から取
り出されるΣΔ変調された量子化信号がデジタルフィル
タ14を構成する1段構成のFIRフィルタ71に供給
される。またΣΔ変調器70からの量子化信号のサンプ
リング信号と、レコーダ80からの周波数が2fsのサ
ンプリング信号が位相差検出回路72に供給され、検出
された位相差から算出回路73でFIRフィルタ71の
フィルタリング係数が算出される。
【0050】これによって、例えば係数が32ビットの
フィルタリング係数が1段構成のFIRフィルタ71に
供給されることによって、サンプリング周波数が2fs
で32ビットのデジタル音声信号が取り出される。そし
てこのFIRフィルタ71からの信号が途中で再量子化
されることなく処理回路74に供給されて、例えばサン
プリング周波数が2fsで24ビットのデジタル音声信
号が取り出され、レコーダ80に記録される。
【0051】従ってこの装置において、入力端子1に供
給されるアナログ音声信号が例えばサンプリング周波数
が、2fsで24ビットのハイビット・ハイサンプリン
グデジタルオーディオレコーダ80に記録される訳であ
るが、この場合に複雑な構成となる多ビットのAD変換
器を設ける必要がなく、また量子化信号を再量子化する
ことがなく、簡単な構成で高精度、高音質のデジタル音
声信号の記録を行うことができる。
【0052】さらにこのレコーダ80に記録されたデジ
タル音声信号を再生して、例えばCD装置16cを通じ
て取り出す場合には、例えば図8のBに示すようにして
行われる。
【0053】すなわち図8のBにおいて、レコーダ80
から取り出されるデジタル音声信号がデジタルフィルタ
14を構成するFIRフィルタ71に供給される。また
レコーダ80からの2fsのサンプリング信号と、例え
ばCD装置16cからのfsのサンプリング信号が位相
差検出回路72に供給され、検出された算出回路73で
FIRフィルタ71のフィルタリング係数が算出され
る。
【0054】これによって、例えば係数が32ビットの
フィルタリング係数が1段構成のFIRフィルタ71に
供給されることによって、サンプリング周波数がfsで
55ビットのデジタル音声信号が取り出される。そして
このFIRフィルタ71からの信号が途中で再量子化さ
れることなく処理回路74に供給されて、例えばCDフ
ォーマットで定められたビット数のデジタル音声信号が
取り出される。従ってこの取り出されたデジタル音声信
号が、例えばCD装置16cで記録されたり、このCD
装置16cの再生系を通して取り出される。
【0055】従ってこの装置において、例えばサンプリ
ング周波数が2fsで24ビットのハイビット・ハイサ
ンプリングデジタルオーディオレコーダ80に記録され
たデジタル音声信号を、例えばCDフォーマットのデジ
タル音声信号に変換して取り出すことができると共に、
この変換に際して量子化信号を再量子化することがな
く、簡単な構成で高精度、高音質のデジタル音声信号の
記録を行うことができる。
【0056】ところで上述のデジタル音声伝送装置にお
いて、ΣΔ変調されたデジタル音声信号を記録再生する
デジタル音声記録再生装置とその周辺機器は、従来より
も高ダイナミックレンジで、伝送(記録・再生)可能な
周波数帯域も広く、またこれから開発されるであろう様
々なデジタル音声のメディアに対応できる高いフレキシ
ビリティーを実現できるものである。
【0057】その場合に、このようなΣΔ変調されたデ
ジタル音声信号を記録するデジタル音声記録再生装置と
その周辺機器を実現する上で、機器の故障や記録メディ
アのダメージ、あるいは信号伝送路の断線等による信号
途絶が起こった場合の雑音防止と後段に接続された機器
の保護の為のミュート機能は必要不可欠である。しかし
ながら従来は、ΣΔ変調信号を扱うデジタル信号処理系
でミュートを行う方法は知られていなかった。
【0058】そこで本願発明者は、次に述べるような手
段を用いてΣΔ変調信号を扱うデジタル信号処理系で実
施可能なミュート機能を提案する。最初に、従来の問題
点を1ビットのΣΔ変調信号を例に使って説明する。
【0059】1ビットのΣΔ変調の場合、例えば図9の
Aに示すような負の最大値から正の最大値まで振れる音
声信号のΣΔ変調信号は、同図のBに模式的に示すよう
な“+1”と“−1”の2値のパルス密度変調信号に変
換される。この時、音声信号の基準となる中点(すなわ
ち0V)に相当するポイントは、同図のC、Dに模式的
に示すような“+1”のパルスの密度と“−1”のパル
スの密度が同じパルス密度変調信号に変換される。この
ことを式で表わすと次のようになる。
【0060】
【数1】
【0061】そこで上述の1ビットのΣΔ変調信号を実
際にデジタル信号として記録、再生、伝送する際には、
上述し図9のBに併記したように、例えば“+1”は
“1”、“−1”は“0”に変換される。
【0062】一方、記録、再生の過程で異常が起こった
り伝送路が断線したりして信号が失われた場合には、信
号は“1”か“0”に固定されるようにするのが一般的
である。その場合にΣΔ変調における連続した“1”と
“0”は、それぞれ正の最大値と負の最大値に相当す
る。
【0063】このため記録、再生の過程で異常が起こっ
たり伝送路が断線したりした瞬間に、図10のA(デジ
タル信号)及びB(アナログ信号)やC(デジタル信
号)及びD(アナログ信号)に示すような最大出力のノ
イズや過大なDCオフセットが発生する。そしてこのよ
うなノイズやDCオフセットによって、「バチッ」とい
う耳障りな雑音の発声や、モニタ用のアンプやスピーカ
ーを破壊する恐れがある。
【0064】一方、従来のPCMデータを扱うデジタル
音響機器の場合には、通常は2の補数形式のデジタルデ
ータで信号を扱っている。このため、記録、再生の過程
で異常が起こったり伝送路が断線したりして信号が失わ
れて、信号がオール“1”やオール“0”に固定されて
も、オール“1”やオール“0”は中点すなわちミュー
ト信号に相当して、モニタ用のアンプやスピーカーを破
壊する可能性はなかった。
【0065】このことは、記録、再生の過程で異常が起
こったり伝送路が断線したりして信号が失われた際に、
中点に相当する信号が入力されるようにすればミュート
機能を実現できることを意味している。そこでΣΔ変換
信号に関しても、記録、再生の過程で異常が起こったり
伝送路が断線したりして信号が失われた際に、中点に相
当する信号が入力されるようにすればミュート機能を実
現できることになる。
【0066】そこで以上の点を踏まえて発明されたΣΔ
変調信号のミュート機能の基本構成を図11に示す。
【0067】すなわち本機能は、入力端子51に供給さ
れる入力信号を監視して、ある一定時間以上持続する連
続した固定値データを検出する連続固定値データ検出器
52と、アナログ復調された際に中点電圧(通常は0
V)となるようなΣΔ変調信号を発生させるアイドリン
グ信号発生器53と、遅延回路54、スイッチ回路5
5、スイッチコントローラ56、出力端子57から構成
される。
【0068】以下に1ビットのΣΔ変調信号の場合を例
に動作説明を行う。
【0069】まず入力端子51に接続された連続固定値
データ検出器52は、ΣΔ変調された音声信号には存在
しない、ある一定時間以上接続する連続した固定値デー
タが入力信号(図12のA)に入っているがどうかを検
出する。この固定値データ検出には一定時間信号を監視
する必要があり、この検出を行なっている間に固定値信
号が出力に出てしまわないようにするため、入力信号は
固定値データ検出とスイッチ切り換えに必要な時間だけ
信号を遅延させる遅延回路54に入力される。
【0070】連続固定値データ検出器52で、一定時間
以上持続する連続した固定値データを検出すると、直ち
にスイッチコントローラ55はスイッチ54を遅延回路
54からの信号(図12のC)から、アイドリング信号
発生器53からの信号(図12のD)に切り換えるコン
トロール信号(図12のB)を発生し、出力をアイドリ
ング信号側に切り換えミュート状態に入る。この切り換
えられた信号(図12のE)が出力端子57に取り出さ
れる。
【0071】次に入力信号が連続した固定値データから
正常なΣΔ変調信号に復帰すると、連続固定値データ検
出器52がデータの変化を検出するが、入力信号は固定
値データ検出とスイッチ切り換えに必要な時間だけ信号
を遅延させる遅延回路54に入力されているので、デー
タ変化の検出後直ちにスイッチ56を切り換えると、遅
延回路54に残っていた連続固定値データが出力され、
過大なノイズとDCオフセットを発生する。
【0072】そこでスイッチコントローラ55から出す
ミュート解除のコントロール信号(図12のB)を、デ
ータ変化の検出後から遅延回路54の遅延時間分だけ遅
らせて発生させ、出力を入力信号側に切り換えてミュー
トを解除する。これによって正常なΣΔ変調信号に戻っ
たところでミュートが解除される。
【0073】従ってこの装置において、出力端子57に
は図12のEに示すような出力信号が取り出される。そ
してこの信号はアナログ信号に復調したときに図12の
Fに示すような信号となり、過大なノイズやDCオフセ
ットの発生が防止される。すなわちこの信号によれば、
「プツッ」という小レベルの雑音は発声するものの、耳
障りな程ではなく、またこれによってモニタ用のアンプ
やスピーカーが破壊されるもない。
【0074】このようにすることで、ΣΔ変調された音
声信号には存在しない、ある一定時間以上持続する連続
した固定値データが入力信号に入ってきた際のミュート
機能を実現できる。
【0075】ところで上述の図9、図10及び図12で
は、ΣΔ変調信号を模式的に表わすために規則的な変調
パターンの波形として描いたが、実際のΣΔ変調信号に
は多少不規則性がある。従って入力信号からアイドリン
グ信号に切り換えの際、またはアイドリング信号から入
力信号に切り換えの際に、短い周期であれば入力信号と
アイドリング信号の信号パターンが一致するところを見
つけることが可能である。
【0076】そこで、この入力信号とアイドリング信号
の信号パターンの一致を検出して信号切り換えを行うこ
とで、ミュート解除の際のショックノイズをさらに抑え
ることができる。この信号パターン一致検出器58を追
加した構成を図13に、一連の流れに対応した各部の信
号を図14に示す。なお図はそれぞれ図11、図12に
対応し、相当する部分には同一符号を付す。
【0077】すなわち図13において、入力端子51に
接続された連続固定値データ検出器52は、ΣΔ変調さ
れた音声信号には存在しない、ある一定時間以上接続す
る連続した固定値データが入力信号(図14のA)に入
っているがどうかを検出する。この固定値データ検出に
は一定時間信号を監視する必要があり、この検出を行な
っている間に固定値信号が出力に出てしまわないように
するため、入力信号は固定値データ検出とスイッチ切り
換えに必要な時間だけ信号を遅延させる遅延回路54に
入力される。
【0078】連続固定値データ検出器52で、一定時間
以上持続する連続した固定値データを検出すると、直ち
にスイッチコントローラ55はスイッチ54を遅延回路
54からの信号(図14のC)から、アイドリング信号
発生器53からの信号(図14のD)に切り換えるコン
トロール信号(図14のB)を発生し、出力をアイドリ
ング信号側に切り換えミュート状態に入る。この切り換
えられた信号(図14のE)が出力端子57に取り出さ
れる。
【0079】次に入力信号が連続した固定値データから
正常なΣΔ変調信号に復帰すると、連続固定値データ検
出器52がデータの変化を検出するが、入力信号は固定
値データ検出とスイッチ切り換えに必要な時間だけ信号
を遅延させる遅延回路54に入力されているので、デー
タ変化の検出後直ちにスイッチ56を切り換えると、遅
延回路54に残っていた連続固定値データが出力され、
過大なノイズとDCオフセットを発生する。
【0080】そこでスイッチコントローラ55から出す
ミュート解除のコントロール信号(図14のB)を、デ
ータ変化の検出後から遅延回路54の遅延時間分だけ遅
らせて発生させる。それと共に、遅延回路54からの信
号(図14のC)とアイドリング信号発生器53からの
信号(図14のD)が信号パターン一致検出器58に供
給される。そしてこれらの信号パターンが一致したとこ
ろで、出力を入力信号側に切り換えてミュートを解除す
る。
【0081】これによって正常なΣΔ変調信号に戻り、
かつ信号パターンが一致されたところでミュートが解除
される。従ってΣΔ変調された音声信号には存在しな
い、ある一定時間以上持続する連続した固定値データが
入力信号に入ってきた際のミュート機能を実現できると
共に、入力信号とアイドリング信号の信号パターンの一
致を検出して信号切り換えを行うことで、ミュート解除
の際のショックノイズをさらに抑えることができる。
【0082】さらに、アイドリング信号発生器53につ
いては、入力信号と同じΣΔ変調方式で中点に相当する
信号を生成しても良いが、この場合音声帯域の信号は無
くなるものの、図15のAに示すようにΣΔ変調特有の
高周波寄りのノイズは残る。そこでΣΔ変調のサンプリ
ング周波数fsの1/2の周期の信号をアイドリング信
号とすれば、その信号スペクトラムは図15のBに示す
ようにサンプリング周波数の1/2の成分だけとなっ
て、ノイズを抑えることができる。
【0083】そこで例えば1ビットのΣΔ変調の場合に
は、図16に示すように、1個のDフリップフロップ6
1と1個のスイッチ62だけでこれを実現でき、回路を
簡単に実現することができる。
【0084】すなわち図16において、入力信号のΣΔ
変調信号が、スイッチ62を通じてDフリップフロップ
61のD端子に供給される。このDフリップフロップ6
1のクロック端子にサンプリングクロック信号が供給さ
れる。さらにこのDフリップフロップ61の正転出力信
号が取り出されると共に、このDフリップフロップ61
の反転出力信号がスイッチ62に供給される。そしてこ
のスイッチ62が上述のコントロール信号で切り換えら
れる。
【0085】従ってこの装置において、上述のコントロ
ール信号でスイッチ62が切り換えられると、Dフリッ
プフロップ61のD端子に反転出力信号が供給される。
これによってDフリップフロップ61からは、サンプリ
ングクロック信号ごとに反転される信号が取り出され、
サンプリング周波数fsの1/2の周期の信号が取り出
される。このようにしてΣΔ変調のサンプリング周波数
fsの1/2の周期の信号をアイドリング信号とするミ
ュート機能を、1個のDフリップフロップ61と1個の
スイッチ62だけで実現することができる。
【0086】こうして上述のデジタル音声伝送装置によ
れば、量子化信号(入力端子51)を監視する手段(連
続固定値データ検出器52)と、量子化信号を所定期間
遅延する手段(遅延回路54)と、入力音声信号の中点
電位に相当するアイドリング信号を発生する手段(アイ
ドリング信号発生器53)とを設け、監視手段で量子化
信号が通常存在しない固定値となったことが検出された
ときに、遅延手段からの量子化信号を発生手段からのア
イドリング信号に切り換え(スイッチ回路55、スイッ
チコントローラ56)、監視手段で量子化信号が固定値
でなくなったことが検出されたときに、発生手段からの
アイドリング信号を遅延手段からの量子化信号に切り換
えて伝送(出力端子57)することにより、異常時等で
の最大レベルのノイズの発生を防止することができるも
のである。
【0087】なお上述の説明では、1ビットのΣΔ変調
を例に説明したが、多ビットのΣΔ変調についても同様
の構成でミュート機能が実現できることは自明である。
【0088】また、この回路は、現在生産されている、
ΣΔ変調方式のフロントエンドを搭載したADコンバー
タLSIやDAコンバータLSIにおいて、外付けのデ
ジタルミュート機能としても使用できる。
【0089】
【発明の効果】この発明によれば、いわゆるΣΔ変調で
変調した量子化信号を伝送(記録・再生)することで、
ダイナミックレンジの拡大や任意のフォーマットへの変
換等を容易に行うことができるようになった。また一旦
伝送(記録・再生)された量子化信号から規定のフォー
マットに変換することで処理時間の制約をなくし、デジ
タルフィルタと所望の処理を施す手段における信号処理
の分割と再量子化過程を排除することによって、高精
度、高音質のデータ変換を行うことができると共に、規
定のフォーマットに変換する際に、その時点で最も優れ
たデジタルフィルタと所望の処理を用いることで、同一
の規定のフォーマットの範囲内で何回でも音質改善を行
うことができるようになった。さらに伝送系の異常時等
に量子化信号を所定のアイドリング信号に切り換えるこ
とによって、異常時等での最大レベルのノイズの発生を
防止することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるデジタル音声伝送装置の一例の構
成図である。
【図2】その説明のための図である。
【図3】その説明のための図である。
【図4】本発明によるデジタル音声伝送装置の他の例の
構成図である。
【図5】本発明によるデジタル音声伝送装置の他の例の
構成図である。
【図6】本発明によるデジタルフィルタの一例の構成図
である。
【図7】本発明によるデジタルフィルタの他の例の構成
図である。
【図8】本発明によるデジタルフィルタの他の例の構成
図である。
【図9】ΣΔ信号の説明のための図である。
【図10】ΣΔ信号の説明のための図である。
【図11】本発明によるデジタル音声伝送装置の一例の
要部の構成図である。
【図12】その説明のための図である。
【図13】本発明によるデジタル音声伝送装置の他の例
の要部の構成図である。
【図14】その説明のための図である。
【図15】その説明のための図である。
【図16】本発明によるデジタル音声伝送装置の他の例
の要部の構成図である。
【図17】従来のΣΔ変調の一例を示した構成図であ
る。
【符号の説明】
1…入力端子、2…加算器、3…積分器、4…比較器、
5…1サンプル遅延器、6…1ビットDA変換器、7…
同期信号と誤り訂正符号(ECC)の付加回路、8…記
録ヘッド、9…記録媒体(磁気テープ)、10…再生ヘ
ッド、11…同期分離及び誤り訂正回路、12…アナロ
グフィルタ、13…モニタ端子、14…デシメーション
(間引き)フィルタ、15…デジタルレコーダー、16
…CDやDAT装置、17…MDやDCC装置、18…
DA変換器、19…出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿久根 誠 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小倉 康弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D020 BB10 5D044 AB05 EF01 GK14 5J064 AA01 BA03 BB01 BC07 BC08 BC11 BC15 BC23 BD02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロフォンと、 上記マイクロフォンから入力されるオーディオ信号をΣ
    Δ変調するΣΔ変調手段と、 上記ΣΔ変調手段から出力されるシグマデルタ変調され
    たオーディオ信号を伝送する伝送手段と、 上記伝送されたシグマデルタ変調されたオーディオ信号
    を受信しフィルタ処理するフィルタ手段とを備えてなる
    オーディオ信号伝送装置。
  2. 【請求項2】 マイクロフォンユニットと、 上記マイクロフォンユニットから出力されたオーディオ
    信号増幅する増幅手段と、 上記増幅手段から出力される出力信号をΣΔ変調するΣ
    Δ変調手段と、 上記ΣΔ変調手段から出力されるシグマデルタ変調され
    たオーディオ信号を出力する出力端子とを筐体内に収納
    したことを特徴とするマイクロフォン装置。
  3. 【請求項3】 記録媒体に記録されたΣΔ変調が施され
    たデジタル信号と同期信号とエラー訂正コードを再生す
    る再生手段と、 上記再生手段にて再生されたΣΔ変調が施されたデジタ
    ル信号に対して、上記エラー訂正コードに基づいてエラ
    ー訂正処理を行う信号処理手段と、 上記信号処理手段にてエラー訂正処理されたΣΔ変調が
    施されたデジタル信号に対してサンプリング周波数を変
    換するとともに量子化ビットを再量子化するFIRフィ
    ルタ手段と、 上記FIRフィルタ手段にて再量子化されたデジタル信
    号の量子化ビットを更に低減する変換手段とを備えてな
    るオーディオ再生装置。
  4. 【請求項4】 上記再生手段にて再生されたΣΔ変調が
    施されたデジタル信号のサンプリング周波数と上記変換
    手段でのサンプリング周波数との位相差を検出する位相
    差検出手段とを更に備え、 上記位相差検出手段にて検出した位相差に基づいて上記
    FIRフィルタ手段の係数が決定されることを特徴とす
    る請求項3記載のオーディオ再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018506228A (ja) * 2015-01-12 2018-03-01 ユウトウ・テクノロジー(ハンジョウ)・カンパニー・リミテッド マルチチャンネルデジタルマイクロフォン

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JP2018506228A (ja) * 2015-01-12 2018-03-01 ユウトウ・テクノロジー(ハンジョウ)・カンパニー・リミテッド マルチチャンネルデジタルマイクロフォン

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