JP2003241810A - 成形型のnc加工用データの作成方法、その作成装置、その作成プログラム及びその記録媒体 - Google Patents

成形型のnc加工用データの作成方法、その作成装置、その作成プログラム及びその記録媒体

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JP2003241810A
JP2003241810A JP2002042103A JP2002042103A JP2003241810A JP 2003241810 A JP2003241810 A JP 2003241810A JP 2002042103 A JP2002042103 A JP 2002042103A JP 2002042103 A JP2002042103 A JP 2002042103A JP 2003241810 A JP2003241810 A JP 2003241810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属板素材と金型と間に成形時の板厚の減少に
起因する微小隙間が発生することのない金型を製作可能
にすること、その為の成形型のNC加工用データの作成
方法、同作成装置、同作成プログラム及び同作成プログ
ラムを記録した記録媒体を提供することである。 【解決手段】 プレス成形の成形時に絞り度合いの大き
い部位では鋼板素材の板厚減少が生じるため、有限要素
法により要素毎の板厚減少量を求め、その板厚減少を面
直交方向に加味した金型曲面を設定し、板厚減少を加味
しない金型曲面形状から予め作成した基準NC加工用デ
ータのうち、板厚減少を無視できないエリアについて
は、板厚減少分を削り残して膨らませた金型曲面形状に
基づいて基準NC加工用データを修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、成形型のNC加
工用データの作成方法、その作成装置、その作成プログ
ラム及びその記録媒体に関し、特に成形加工の際に絞り
加工される部位の板厚減少に起因する成形品の品質低下
を解消する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、例えば自動車のドアのアウタパ
ネルをプレス成形する為の金型を製作する場合には、自
動車の構造データ(CADで作成した構造データ)から
対象となるドアのアウタパネルの構造データを取り出
し、そのデータに基づいて金型曲面形状のZマップモデ
ルを作成し、金型を切削加工機械によって切削加工する
切削工具の半径と前記の金型曲面形状Zマップモデルと
に基づいて、切削工具の中心軌跡が所定の工具移動経路
で通過する工具パス曲線を演算し、その工具パス曲線か
ら金型を切削加工するNC加工用データを作成する。
【0003】尚、参考までに、特開平7−256536
号公報には、ワークの島状の突部を切削加工により形状
する際に、複数の島の2次元輪郭線に基づいて、可能な
限り大径の工具径と、可能な限り工順の少ない加工順
と、各加工順における工具最短移動経路とを決定する技
術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 前記のようにして製
作した金型により、例えば自動車のドアのアウタパネル
をプレス成形する場合、ドアの取手のところの窪みの周
辺部などのような絞り度合いの大きい部位では、金属板
の歪み量が大きくなるため、板厚が最大70〜90μm
程度薄くなることが知られている。このように板厚が減
少する部位では、金型と金属板素材の間に前記のような
板厚減少分に相当する微小隙間が発生するため、その部
位の曲面仕上がり精度が低下して成形品質が低下し、自
動車のドアに組立後における表面の平滑度を確保するこ
とができず、ドアの外面を照らす光の方向によっては表
面の微小な凸凹が目立ってしまうという問題がある。
【0005】従来では、自動車ボディやドアパネルなど
の薄金属板をプレス成形する為の金型を製作する上で、
前記のような板厚減少を加味して金型を製作することは
行なわれていないのが実情である。前記の問題を解消す
る技術はなんら提案されていない。本発明の目的は、金
属板素材と金型と間に前記のような板厚の減少に起因す
る微小隙間が発生することのない金型を製作可能にする
こと、その為の成形型のNC加工用データの作成方法、
同作成装置、同作成プログラム及び同作成プログラムを
記録した記録媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】 請求項1の成形型のN
C加工用データの作成方法は、成形品を成形する成形型
の加工面を切削加工機械の切削工具によって加工するN
C加工用データの作成方法において、前記成形品の曲面
形状に対応する成形型の曲面形状の情報から成形型の曲
面形状Zマップモデルを算出すると共に、その成形型で
成形した場合の成形品の板厚減少量を有限要素法により
メッシュデータと対応付けて算出し、この有限要素法で
求めた板厚減少量のデータに基づいて板厚減少Zマップ
モデルを算出し、この板厚減少Zマップモデルを平滑に
するスムージング処理を施し、次に、前記スムージング
処理した板厚減少Zマップモデルを、成形型曲面形状Z
マップモデルの各位置における面直交方向の削り残り量
として用い、前記成形品を成形する成形型を切削加工す
る為に予め作成した基準NC加工用データを、成形型曲
面形状の各位置に対応する板厚減少Zマップモデルの値
と同じだけ削り残るよう演算し修正することを特徴とす
るものである。
【0007】成形型のNC加工用データを作成する際、
まず最初に成形品の曲面形状に対応する成形型の曲面形
状の情報から成形型の曲面形状Zマップモデルを算出す
ると共に、その成形型で成形した場合の成形品の板厚減
少量を有限要素法によりメッシュデータと対応付けて算
出する。次に、この有限要素法で求めた板厚減少量のデ
ータに基づいて板厚減少Zマップモデルを算出し、この
板厚減少Zマップモデルを平滑にするスムージング処理
を施す。次に、前記スムージング処理した板厚減少Zマ
ップモデルを、成形型曲面形状Zマップモデルの各位置
における面直交方向の削り残り量として用い、前記成形
品を成形する成形型を切削加工する為に予め作成した基
準NC加工用データを、成形型曲面形状の各位置に対応
する板厚減少Zマップモデルの値と同じだけ削り残るよ
う演算し修正する。
【0008】請求項2の成形型のNC加工用データの作
成方法は、請求項1の発明において、前記基準NC加工
用データを修正する際、板厚減少Zマップモデルで板厚
減少量を見込もうとする領域において、成形型曲面形状
Zマップモデルで表現される全ての位置に、各位置を中
心としてその位置に対応する板厚減少量と切削工具の工
具半径とを足した値を半径とする仮想球を想定し、その
仮想球の集合体に対して基準NC加工用データで指示さ
れる切削工具の工具中心が干渉しない位置まで基準NC
加工用データをZ方向へ移動させることで基準NC加工
用データを修正することを特徴とするものである。
【0009】板厚減少が僅少であるため基準NC加工用
データを修正する必要のない領域については、基準NC
加工用データを適用可能である。板厚減少を無視できな
い領域であって板厚減少Zマップモデルで板厚減少を見
込もうとする領域において、成形型曲面形状Zマップモ
デルで表現される全ての位置に、各位置を中心としてそ
の位置に対応する板厚減少量と切削工具の工具半径とを
足した値を半径とする仮想球を想定し、その仮想球の集
合体に対して基準NC加工用データで指示される切削工
具の工具中心が干渉しない位置まで基準NC加工用デー
タをZ方向へ移動させることで基準NC加工用データを
修正するため、板厚減少分を加味して修正したNC加工
用データを作成することができ、板厚減少分を成形型の
曲面形状に反映させて、板厚減少分だけ外側へ膨らんだ
成形型を製作可能となる。
【0010】請求項3の成形型のNC加工用データの作
成方法は、請求項1又は2の発明において、前記成形品
に対応する成形型を用いて成形する成形シミュレーショ
ンを実行し、成形品の板厚減少量を有限要素法によりメ
ッシュデータと対応付けて算出することを特徴とするも
のである。前記成形シミュレーションは、コンピュータ
により有限要素法による構造解析を行ないながら実行さ
れるが、この場合、成形型の曲面形状のメッシュデータ
(ノード・パッチデータ)を入力しておくと、各パッチ
における応力、歪み、板厚減少量などのデータが算出さ
れるため、成形品の板厚減少量を有限要素法のメッシュ
データと対応付けて算出することができる。
【0011】請求項4の成形型のNC加工用データの作
成方法は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記
成形型は、金属板をプレス成形する金型であることを特
徴とするものである。自動車のボディの種々のパネルや
ドアのパネルを金属板からプレス成形して製作する際の
金型の製作に、本願で作成したNC加工用データを適用
することができる。
【0012】請求項5の成形型のNC加工用データ作成
装置は、成形品を成形する成形型の加工面を切削加工機
械の切削工具によって加工するNC加工用データを作成
する成形型のNC加工用データ作成装置において、前記
成形品の曲面形状に対応する成形型の曲面形状の情報か
ら成形型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共に、
その成形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を有限
要素法によりメッシュデータと対応付けて算出する板厚
減少量算出手段と、前記有限要素法で求めた板厚減少量
のデータに基づいて板厚減少Zマップモデルを算出する
板厚減少Zマップモデル作成手段と、前記板厚減少Zマ
ップモデルを平滑にするスムージング処理を施すスムー
ジング処理手段と、前記スムージング処理した板厚減少
Zマップモデルを、成形型曲面形状Zマップモデルの各
位置における面直交方向の削り残し量として用い、前記
成形品を成形する成形型を切削加工する為に予め作成し
た基準NC加工用データを、成形型曲面形状の各位置に
対応する板厚減少Zマップモデルの値と同じだけ削り残
るよう演算し修正するNC加工用データ修正手段と、を
備えたことを特徴とするものである。
【0013】このNC加工用データ作成装置の作用は請
求項1の作用とほぼ同様であるので、簡単に説明する。
板厚減少量算出手段は、成形品の曲面形状に対応する成
形型の曲面形状の情報から成形型の曲面形状Zマップモ
デルを算出すると共に、その成形型で成形した場合の成
形品の板厚減少量を有限要素法によりメッシュデータと
対応付けて算出する。板厚減少Zマップモデル作成手段
は、前記求めた板厚減少量のデータに基づいて板厚減少
Zマップモデルを算出する。スムージング処理手段は板
厚減少Zマップモデルを平滑にするスムージング処理を
施す。NC加工用データ修正手段は、スムージング処理
した板厚減少Zマップモデルを、成形曲面形状Zマップ
モデルの各位置おける面直交方向の削り残し量として用
い、前記成形品を成形する成形型を切削加工する為に予
め作成した基準NC加工用データを、成形型曲面形状の
各位置に対応する板厚減少Zマップモデルの値と同じだ
け削り残るよう演算し修正する。
【0014】請求項6の成形型のNC加工用データ作成
プログラムは、成形品を成形する成形型の加工面を切削
加工機械の切削工具によって加工するNC加工用データ
をコンピュータに作成させる成形型のNC加工用データ
作成プログラムにおいて、前記成形品の曲面形状に対応
する成形型の曲面形状の情報から成形型の曲面形状Zマ
ップモデルを算出すると共に、その成形型で成形した場
合の成形品の板厚減少量を有限要素法によりメッシュデ
ータと対応付けて算出する板厚減少量算出ルーチンと、
前記有限要素法で求めた板厚減少量のデータに基づいて
板厚減少Zマップモデルを算出する板厚減少Zマップモ
デル作成ルーチンと、前記板厚減少Zマップモデルを平
滑にするスムージング処理を施すスムージング処理ルー
チンと、前記スムージング処理した板厚減少Zマップモ
デルを、成形型曲面形状Zマップモデルの各位置におけ
る面直交方向の削り残り量として用い、前記成形品を成
形する成形型を切削加工する為に予め作成した基準NC
加工用データを、成形型曲面形状の各位置に対応する板
厚減少Zマップモデルの値と同じだけ削り残るよう演算
し修正するNC加工用データ修正ルーチンとを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0015】この成形型のNC加工用データ作成プログ
ラムの作用は、請求項1の作用とほぼ同様であるので、
簡単に説明する。板厚減少量算出ルーチンにより、形品
の曲面形状に対応する成形型の曲面形状の情報から成形
型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共に、その成
形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を有限要素法
によりメッシュデータと対応付けて算出する。次に、板
厚減少Zマップモデル作成ルーチンにおいて、前記求め
た板厚減少量のデータに基づいて板厚減少Zマップモデ
ルを算出する。次に、スムージング処理ルーチンにおい
て、板厚減少Zマップモデルを平滑にするスムージング
処理を施し、次のNC加工用データ修正ルーチンにおい
て、スムージング処理した板厚減少Zマップモデルを、
成形型曲面形状Zマップモデルの各位置における面直交
方向の削り残り量として用い、前記成形品を成形する成
形型を切削加工する為に予め作成した基準NC加工用デ
ータを、成形型曲面形状の各位置に対応する板厚減少Z
マップモデルの値と同じだけ削り残るよう演算し修正す
る。
【0016】請求項7の記録媒体は、成形品を成形する
成形型の加工面を切削加工機械の切削工具によって加工
するNC加工用データをコンピュータに作成させる成形
型のNC加工用データ作成プログラムであって、前記成
形品の曲面形状に対応する成形型の曲面形状の情報から
成形型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共に、そ
の成形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を有限要
素法によりメッシュデータと対応付けて算出する板厚減
少量算出ルーチンと、前記有限要素法で求めた板厚減少
量のデータに基づいて板厚減少Zマップモデルを算出す
る板厚減少Zマップモデル作成ルーチンと、前記板厚減
少Zマップモデルを平滑にするスムージング処理を施す
スムージング処理ルーチンと、前記スムージング処理し
た板厚減少Zマップモデルを、成形型曲面形状Zマップ
モデルの各位置における面直交方向の削り残り量として
用い、前記成形品を成形する成形型を切削加工する為に
予め作成した基準NC加工用データを、成形型曲面形状
の各位置に対応する板厚減少Zマップモデルの値と同じ
だけ削り残るよう演算し修正するNC加工用データ修正
ルーチンとを備えた成形型のNC加工用データ作成プロ
グラムをコンピュータで読み取り可能に記録したもので
ある。この記録媒体の作用は、請求項6の作用とほぼ同
様であるので、説明を省略する。
【0017】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の成形型のNC加
工用データの作成方法、その作成装置、その作成プログ
ラムおよびその作成プログラム記録した記録媒体の実施
の形態について、図面を参照して説明する。図1は、金
属薄板をプレス成形する成形型のNC加工用データの作
成装置10を示し、NC加工用データ作成装置10のハ
ードウェア自体は、基本的に一般的なコンピュータと同
様のもので、NC加工用データ作成装置10は、制御ユ
ニット11、キーボード12、マウス13、ディスプレ
イ14、カラープリンタ15などを有し、外部のホスト
コンピュータ1に接続されている。
【0018】制御ユニット11は、CPU16、ROM
17、RAM18、これらにバス19にて接続された入
出力インターフェース20、ハードディスク装置21、
FD2(フレキシブルディスク)を駆動するFDD2
2、ホストコンピュータ1との間でデータの送受信を行
う為の通信用インターフェース23(I/F)、ディス
プレイ14の為のディスプレイコントローラ24(D/
C)、カラープリンタ15の為のドライバ25などが装
備されている。
【0019】前記ホストコンピュータ1には、CADに
より作成された自動車全体の構造データが格納されてい
る。制御ユニット11は、ホストコンピュータ1から、
自動車の所望の部分の構造データを読み出すことが可能
である。制御ユニット11のハードディスク装置21に
は、OSや後述のNC加工用データ作成制御を含む種々
の制御の制御プログラムが格納されている。制御ユニッ
ト11のROM17にはコンピュータ立ち上げ用のブー
トプログラムなどが格納され、RAM18には種々のワ
ークメモリが設けられている。1つのFD2には、後述
のNC加工用データ作成制御により作成されたNC加工
用データが格納され、別のFD2には、NC加工用デー
タ作成制御で作成された種々のデータが格納される。他
の1つのFD2にはハードディスク装置21から読み出
される本願特有のNC加工用データ作成制御の制御プロ
グラムが格納される。
【0020】図2は、ホストコンピュータ1から読み込
んだ自動車の例えば左側後部ドアのアウタパネルに関す
る構造データから作成されるアウタパネル成形用金型の
曲面面形状Zマップモデル30を示す。このアウタパネ
ルの把手の部分には凹部31が形成されるが、成形時に
凹部31の周辺において素材としての鋼板の板厚減少
(最大で70〜90μm程度)が生じ、金型(成形型に
相当する)と素材鋼板との間に微小な隙間が発生するた
め、成形性が低下し易く成形品質を高めるのが非常に難
しい。
【0021】そこで、例えば、板厚減少に対する修正を
施す修正対象エリア32を凹部31等の絞り成形部とそ
の周辺を含むエリアとして設定する。この場合、修正対
象エリア32の外形輪郭線を規定する点群のデータ(X
Y2次元データ、又はXYZ3次元データ)を入力設定
することにより修正対象エリア32を設定する。図3
(a)は修正対象エリア32を平面視で見た領域を示
す。図3(b)は修正対象エリア32を有限要素法によ
り構造解析する為のメッシュ割り(複数のノードNij
と、複数のパッチEij)(但し、i=1,2・・,j=
1,2・・)を示す。この場合、凹部31などの絞り成
形部の近傍部位は、成形による歪みも大きくなり、板厚
減少の程度が著しくなるので、2〜3mmのメッシュに
細かくメッシュ割りし、その他の領域は10〜20mm
程度のメッシュ割りとする。
【0022】次に、図2〜図19を参照しながら、成形
品(例えば、ドアのアウタパネル)を成形する金型の加
工面を切削加工機械の切削工具によって加工するNC加
工用データの作成方法について説明する。但し、このN
C加工用データの作成は、NC加工用データの作成装置
10のHDD21に予め格納した制御プログラムにより
実行される。
【0023】図19に示すように、このNC加工用デー
タの作成処理が開始されると、S1において、ホストコ
ンピュータ1に格納されている自動車の構造データか
ら、成形対象構造(例えば、ドアのアウタパネル)の構
造データが読み出されてRAM18に格納され、次に、
S2において、図2に示すような、金型曲面形状Zマッ
プモデル30が作成される。但し、この金型曲面形状Z
マップモデルは、X,Y方向に所定の小ピッチ(例え
ば、1mm)で並べた金型表面上の構成点Pmnを規定す
る3次元座標データPmn(x,y,z)の集合である。
但し、m=1,2,・・,n=1,2,・・である。
【0024】次に、S3において、金型曲面形状Zマッ
プモデル30に基づいて、金型を切削加工機械の切削工
具により加工する為の基準NC加工用データ(図8の工
具パス曲線30Bの曲線群のデータ)を作成し、RAM
18のメモリに格納する。但し、図4に示すように、修
正対象エリア32を含む成形対象構造の全領域の基準N
C加工用データを作成する。この場合、一般的な工具パ
ス曲線作成処理と同様に、金型曲面形状Zマップモデル
30の表面に対して、切削工具(ボールエンドミル)と
同径の仮想球3を所定の工具移動経路でもって転がす時
の仮想球の中心が描く曲線群(工具パス曲線30Bの曲
線群)のデータとして基準NC加工用データを作成す
る。
【0025】尚、切削加工機械をNC制御する際には、
X,Y方向への送りピッチ(例えば、100μm)毎に
切削工具のX,Y方向の位置を制御する関係上、基準N
C加工用データにおけるX,Y方向の構成点間ピッチ
は、金型曲面形状Zマップモデル30における構成点間
ピッチよりも細かいため、X,Y方向に関しては金型曲
面形状Zマップモデル30から補完演算により、NC加
工用データにおける構成点を演算する。尚、前記のNC
制御におけるZ方向への送りピッチは例えば1〜2μm
である。
【0026】次に、S4において、修正対象エリア32
(図2〜図5参照)を設定する修正対象エリア設定デー
タを入力する。この場合、この修正対象エリア32の外
形線(XY平面における外形線、又は金型表面における
外形線の何れか)を規定する座標データを入力し、RA
M18のメモリに格納する。次に、S5において、図5
に示すように、前記の金型曲面形状Zマップモデル30
から修正対象エリア32の金型曲面形状Zマップモデル
30Aを作成する。この場合、修正対象エリア32の外
部における構成点Pmn(x,y,z)のZ座標値を適当
な所定値(例えば、Z0)に設定することにより、修正対
象エリア32の金型Zマップモデル30Aを作成するこ
とができる。次に、S6において、図3(b)に示すよ
うに、修正対象エリア32を有限要素法の多数の要素に
分割する為のノードパッチデータを入力する。この場
合、多数のノードNijの3次元座標Nij(x,y,z)
のデータと、各パッチEijを規定する複数のノードのデ
ータを入力設定する。
【0027】次に、S7において、修正対象エリア32
に対して有限要素法による構造解析を行う。この場合、
成形品の曲面形状と同じ曲面形状を有する仮想金型を用
いて成形加工する成形シミュレーションを作成装置10
により実行する。この有限要素法による構造解析によ
り、各パッチEijにおける応力Eij(σx,σy,σz )と
歪みEij(εx , εy,εz )が算出される。
【0028】次に、S8において、修正対象エリア32
の板厚減少データを作成する。この場合、各パッチEij
を囲む複数のノードNijの座標データNij(x,y,
z)から各パッチEijの面と直交する方向Eij( α,
β,γ)が所定の演算式にて演算され、その面と直交す
る方向の歪みEij(εn )が、前記の方向Eij( α,
β,γ)と前記の歪みEij(εx,εy,εz )の値から所
定の演算式にて演算され、その面と直交する方向の板厚
減少量ΔtがΔt=εn ×t(但し、tは板厚)として
求める。こうして、成形品の板厚減少量Δtをメッシュ
データと対応付けて算出する。但し、有限要素法の構造
解析プログラムが、前記の歪みEij(εn )を演算する
ルーチンを含む場合には、S7とS8とが1つのステッ
プにおいて実行される。
【0029】次に、S9において、例えば図6に示すよ
うな板厚減少Zマップモデル33を作成する。これは、
修正対象エリア32の各パッチEijにおける板厚減少量
Δtを表したデータである。次に、S10において、図
7に示すように、板厚減少Zマップモデル33をスムー
ジング処理する。このスムージング処理は、一般的な平
滑化演算処理や最小二乗法処理により容易に行うことが
できる。
【0030】次に、S11において、図8〜図11に示
すように、前記S3において予め求めて記憶しておいた
基準NC加工用データを、スムージング処理した板厚減
少Zマップモデル33Aを加味して修正する。ここで、
このS11における演算処理について詳しく説明する。
図8には、修正対象エリア32の金型曲面形状Zマップ
モデル30Aと、NC加工用データによる工具パス曲線
30Bと、スムージング処理した板厚減少Zマップモデ
ル33Aとが示されている。
【0031】修正対象エリア32の金型曲面形状Zマッ
プモデル30Aと、スムージング処理した板厚減少Zマ
ップモデル33Aとから、板厚減少Zマップモデル33
Aを、金型曲面形状Zマップモデル30Aの各位置にお
ける面直交方向の削り残し量として用い、図9に示すよ
うに、板厚減少を加味した金型曲面形状Zマップモデル
34を作成する。板厚減少は鋼板の面に直交する方向向
きに発生することから、板厚減少Zマップモデル33A
の板厚減少量は金型の表面に直交する方向に付加するよ
うに設定する。次に、図10に示すように、この板厚減
少量を加味した金型の曲面形状に対応するように、図8
に示す基準NC加工用データによる工具パス曲線30B
の曲線群を、成形型曲面形状の各位置に対応する板厚減
少Zマップモデル33Aの値と同じだけ削り残るよう修
正して、図10、図11に示す修正後の工具パス曲線3
0Cの曲線群を表すNC加工用データを作成する。
【0032】次に、上記の図9〜図10に対応するデー
タ処理について図12〜図18を参照して補足説明す
る。図8に示す板厚減少Zマップモデル33Aの板厚減
少量Δtを金型の表面に直交する方向に付加するとは、
図12に示すように、修正対象エリア32の金型曲面形
状Zマップモデル30Aで規定された金型表面上の構成
点群を各点における板厚減少量Δtだけ金型の表面と直
交する方向へ且つ金型表面を膨らます方へ移動させるこ
とである。
【0033】この場合、図13に示す板厚減少Zマップ
モデル33Aを、図14に示すように、板厚減少領域3
5(板厚減少量を見込もうとする領域に相当する)を変
えることなく、金型表面に直交するように配置する。次
に、図15に示すように、基準NC加工用データで規定
された工具パス曲線30Bの構成点P0 ,P1,P2,
・・・の位置を修正する際には、その板厚減少領域35
において、基準NC加工用データに基づく工具パス曲線
30B上に中心を有する切削工具と同径の仮想球3を想
定し、その仮想球3が板厚減少を加味した金型曲面形状
Zマップモデル34と干渉しない位置まで基準NC加工
用データをZ方向へ移動させることで基準NC加工用デ
ータを修正した「板厚減少を加味したNC加工用デー
タ」を作成する。
【0034】この基準NC加工用データの修正処理につ
いて図15〜図18に基づいて説明する。まず、基本的
には、板厚減少量を見込もうとする領域において、金型
曲面形状Zマップモデル34で表現される全ての位置
に、各位置を中心としてその位置に対応する板厚減少量
と切削工具の工具半径とを足した値を半径とする仮想球
を想定し、その仮想球の集合体に対して基準NC加工用
データで指示される切削工具の工具中心が干渉しない位
置まで基準NC加工用データをZ方向へ移動させること
で、基準NC加工用データを修正する。具体的には、図
15に示すように、基準NC加工用データで規定された
工具パス曲線30Bの構成点のうち、板厚減少領域35
内の構成点を構成点P0 ,P1,P2,・・・をとし、
切削工具と同径の仮想球3の半径をRとし、板厚減少量
の最大値をmax αとしたとき、最初の構成点P0 から順
々に、構成点P0 を中心とし半径が(R+max α)の仮
想球4を想定し、この仮想球4と干渉する金型表面の干
渉領域5を算出する。
【0035】次に、図15、図16に示すように、前記
干渉領域5の各点Q1 ,Q2,・・を中心とし、半径が
(R+Δt1 ),(R+Δt2 ),・・の仮想球C1,
C2,・・・を求める。但し、Δt1,Δt2,・・は各点
Q1 ,Q2,・・における板厚減少量である。次に図1
7に示すように、それら複数の仮想球C1,C2,・・
・の軌跡を包絡するZプラス側包絡線36を求め、構成
点P0 をZプラス側包絡線35までZ軸プラス方向へ移
動させて構成点P0 ’とする。
【0036】その他の構成点P1,P2,・・・につい
ても、上記のようなデータ処理を行って、多数の構成点
P0 ,P1,P2,・・・の位置を修正して構成点P0
’,P1’,P2’,・・・とするように、基準NC
加工用データを修正する(図18参照)。板厚減少を加
味して修正後のNC加工用データによる工具パス曲面線
30Cは、板厚減少領域35以外では工具パス曲面線3
0Bと同じ曲面線となり、板厚減少領域35内では前記
のように修正した構成点P0 ’,P1’,P2’,・・
・を結ぶ曲線となる。但し、上記のデータ処理を全部の
工具パス曲面線30Cについて行うことは勿論である。
【0037】以上説明した金型NC加工用データの作成
方法によれば、スムージング処理した板厚減少Zマップ
モデルを、金型曲面形状Zマップモデルの各位置におけ
る面直交方向の削り残り量として用い、金型曲面形状Z
マップモデルの各位置に対応する板厚減少Zマップモデ
ルの値と同じだけ削り残るように、予め作成した基準N
C加工用データを修正するため、板厚減少Zマップモデ
ルに相当する厚さだけ削り残して外側へ膨らんだ金型を
製作することが可能となり、その金型を用いて成形する
ことで成形品の品質を高め、表面の仕上がり精度の高い
成形品を製作することが可能となる。また、板厚減少Z
マップモデルをスムージング処理してから金型曲面形状
Zマップモデルの修正に用いるので、滑らかな金型表面
を形状可能な金型NC加工用データを作成することがで
きる。
【0038】特に、板厚減少に対する修正を施す必要の
ない領域(区域、ゾーン)については、予め作成した基
準NC加工用データをそのまま適用することかでき、板
厚減少に対する修正を施す必要のある領域についての
み、基準NC加工用データを修正することが可能である
から、データ処理負荷を低減でき、汎用性に優れ、無駄
なデータ処理を最小限に抑制することができる。
【0039】次に、本願の成形型のNC加工用データの
作成装置10は、図19の制御プログラムを実現する種
々の手段であって図2の制御ユニット11に含まれる種
々の手段を備えており、その種々の手段は、図20に示
すように、また図19に基づく前述の説明からも明らか
なように、少なくとも、板厚減少量算出手段41と、金
型NC加工用データ作成手段42と、板厚減少Zマップ
モデル作成手段43と、スムージング処理手段44と、
NC加工用データ修正手段45などを有する。
【0040】前記板厚減少量算出手段41は、成形品の
曲面形状に対応する金型の曲面形状の情報(前記のホス
トコンピュータ1に格納された自動車の構造データ4
0)から前記の金型曲面形状Zマップモデル30を作成
すると共に、その金型で成形した場合の成形品の板厚減
少量を有限要素法によりメッシュデータと対応付けて算
出する。前記金型NC加工用データ作成手段42は、板
厚減少量算出手段41により作成された金型曲面形状Z
マップモデル30から金型を切削加工機械で加工するN
C加工用データを作成する。
【0041】前記板厚減少Zマップモデル作成手段43
は、前記板厚減少量算出手段41により有限要素法を介
して求めた板厚減少量のデータに基づいて前記の板厚減
少Zマップモデル33を算出する。前記スムージング処
理手段44は、板厚減少Zマップモデル作成手段43に
より作成された板厚減少Zマップモデル33を平滑にす
るスムージング処理を施す。前記NC加工用データ修正
手段45は、スムージング処理手段44によりスムージ
ング処理した前記の板厚減少Zマップモデル33Aを、
金型曲面形状Zマップモデル30の各位置における面直
交方向の削り残り量として用い、前記成形品を成形する
金型を切削加工する為に前記金型NC加工用データ作成
手段42により予め作成した基準NC加工用データを板
厚減少Zマップモデル33Aに基づいて演算し修正す
る。このとき、板厚減少Zマップモデル33Aで板厚減
少量を見込もうとする領域において、金型曲面形状Zマ
ップモデル30で表現される全ての位置に、各位置を中
心としてその位置に対応する板厚減少量と切削工具の工
具半径とを足した値を半径とする仮想球を想定し、その
仮想球の集合体に対して基準NC加工用データで指示さ
れる切削工具の工具中心が干渉しない位置まで基準NC
加工用データをZ方向へ移動させることで基準NC加工
用データを修正する。
【0042】本願は、成形型のNC加工用データの作成
プログラムを含むものであり、この作成プログラムは、
少なくとも、成形品の曲面形状に対応する金型の曲面形
状の情報から前記の金型曲面形状Zマップモデル30を
算出すると共に、その金型で成形した場合の成形品の板
厚減少量を有限要素法によりメッシュデータと対応付け
て算出する板厚減少量算出ルーチン(図19のS1〜S
8)と、前記有限要素法を介して求めた板厚減少量のデ
ータに基づいて前記の板厚減少Zマップモデル33を算
出する板厚減少Zマップモデル作成ルーチン(図19の
S9)と、前記板厚減少Zマップモデル33を平滑にす
るスムージング処理を施すスムージング処理ルーチン
(図19のS10)と、前記スムージング処理した板厚
減少Zマップモデル33Aを、金型曲面形状Zマップモ
デル30の各位置における面直交方向の削り残り量とし
て用い、成形品を成形する金型を切削加工する為に予め
作成した基準NC加工用データを、金型曲面形状の各位
置に対応する板厚減少Zマップモデル33Aの値と同じ
だけ削り残るよう演算し修正するNC加工用データ修正
ルーチン(図19のS11)とを有するものである。
【0043】本願は、成形型のNC加工用データ作成プ
ログラムをコンピュータで読み取り可能に記録したFD
2(記録媒体に相当する)を含むものであり、この成形
型のNC加工用データ作成プログラム自体は、前記段落
〔0042〕に記載した複数のルーチンを含むものであ
る。この成形型のNC加工用データ作成プログラムは、
ハードディスク装置21からFD2に複写されてコンピ
ュータで読み取り可能に記録されている。このFD2
が、請求項7の記録媒体に相当する。
【0044】但し、本願の成形型のNC加工用データ作
成プログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した
記録媒体としては、前記のFD2(フレキシブルディス
ク)に限らず、それ以外の種々の記録媒体(MO、CD
−ROM、メモリカードなど)を適用可能であるが、そ
の記録媒体には、前記の成形型のNC加工用データ作成
プログラムをコンピュータで読み取り可能に記録されて
いるものとする。
【0045】尚、本願発明は、自動車のドアのアウタパ
ネルを成形する成形型の作成以外に、ボンネット、ムー
フ、トランクリッンド、フロントやリヤのフェンダー類
などの種々のパネル材の成形型の作成にも適用可能であ
り、自動車以外の製品や装置における、薄金属板のパネ
ル材の成形型の作成の為のNC加工用データの作成にも
適用可能である。また、前記実施の形態は一例に過ぎ
ず、実施実施形態の各部に種々の変更を付加した形態で
実施可能であることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】 請求項1の発明(作成方法)によれ
ば、成形型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共に
その成形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を有限
要素法によりメッシュデータと対応付けて算出し、この
有限要素法で求めた板厚減少量のデータに基づいて板厚
減少Zマップモデルを算出し、この板厚減少Zマップモ
デルをスムージング処理し、このスムージング処理した
板厚減少Zマップモデルを、成形型曲面形状Zマップモ
デルの各位置における面直交方向の削り残り量として用
い、成形型を切削加工する為に予め作成した基準NC加
工用データを、成形型曲面形状の各位置に対応する板厚
減少Zマップモデルの値と同じだけ削り残るよう演算し
修正するため、成形による板厚減少による隙間が生じな
いように板厚減少分を削り残して外側へ膨らませた成形
型を切削する為のNC加工用データを作成することがで
きる。
【0047】こうして、板厚減少の修正を施したNC加
工用データを用いて製作した成形型により成形する場合
には、板厚減少分に起因する隙間が成形型とワークとの
間に発生しないため、成形性が向上し、成形品の品質も
向上する。特に、本発明では、板厚減少に対する修正を
施す必要のない領域(区域、ゾーン)については、予め
作成した基準NC加工用データをそのまま適用すること
かできるから、板厚減少に対する修正を施す必要のある
領域についてのみ、基準NC加工用データを修正するこ
とが可能であるから、汎用性に優れ、無駄なデータ処理
負荷を最小限に抑制することができる。
【0048】請求項2の発明(作成方法)によれば、基
準NC加工用データを修正する際、板厚減少Zマップモ
デルで板厚減少を見込もうとする領域において、成形型
曲面形状Zマップモデルで表現される全ての位置に、各
位置を中心としてその位置に対応する板厚減少量と切削
工具の工具半径とを足した値を半径とする仮想球を想定
し、その仮想球の集合体に対して基準NC加工用データ
で指示される切削工具の工具中心が干渉しない位置まで
基準NC加工用データをZ方向へ移動させることで基準
NC加工用データを修正するため、成形型切削の際に板
厚減少Zマップモデルに基づいて板厚減少分を削り残す
ことができ、板厚減少分を加味した成形型を切削可能と
なる。
【0049】請求項3の発明(作成方法)によれば、成
形品に対応する成形型を用いて成形する成形シミュレー
ションで得た成形品の板厚減少量を有限要素法によりメ
ッシュデータと対応付けて算出するため、ワークのパッ
チ(要素)毎の板厚減少量を算出することができる。
【0050】請求項4の発明(作成方法)によれば、前
記成形型は金属板をプレス成形する金型であるから、金
属板をプレス成形する際の板厚減少を加味して金型を製
作することが可能となる。請求項5の発明(作成装置)
によれば、請求項1の発明とほぼ同様の効果が得られ
る。請求項6の発明(作成プログラム)によれば、請求
項1の発明とほぼ同様の効果が得られる。請求項7の発
明(記録媒体)によれば、請求項1の発明とほぼ同様の
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の実施形態に係る成形型NC加工用データ
作成装置のブロック図である。
【図2】成形用金型の曲面形状Zマップモデルの説明図
である。
【図3】(a)は修正対象エリアの平面図、(b)は修
正対象エリアの有限要素のメョシュ割りを示す説明図で
ある。
【図4】金型曲面形状Zマップモデルの説明図である。
【図5】修正対象エリアの金型曲面形状Zマップモデル
の説明図である。
【図6】板厚減少Zマップモデルの説明図である。
【図7】スムージング処理後の板厚減少Zマップモデル
の説明図である。
【図8】修正対象エリアの金型曲面形状Zマップモデル
と工具パス曲線とスムージング処理後の板厚減少Zマッ
プモデルの説明図である。
【図9】板厚減少Zマップモデルを加味した修正対象エ
リアの金型曲面形状Zマップモデルの説明図である。
【図10】図9相当図と修正工具パス曲線とを示す説明
図である。
【図11】修正した金型NC加工用データに相当する修
正工具パス曲線を示す図である。
【図12】金型表面の構成点を板厚減少分だけ面直交方
向へ移動させる状態を説明する説明図である。
【図13】金型部分と板厚減少Zマップモデルを説明す
る図である。
【図14】金型部分に板厚減少Zマップモデルを面直交
方向に付加する状態を説明する図である。
【図15】板厚減少を加味した金型部分と工具パス曲線
と仮想球と干渉領域を説明する図である。
【図16】干渉領域の複数の点を中心として描いた仮想
球の説明図である。
【図17】図16のa部の拡大図である。
【図18】板厚減少を加味した金型部分と修正した工具
パス曲線を示す図である。
【図19】成形型NC加工用データ作成方法を示すフロ
ーチャートである。
【図20】成形型NC加工用データ作成装置の諸手段を
説明するブロック図である。
【符号の説明】
2 FD 3 仮想球 10 成形型NC加工用データ作成装置 11 制御ユニット 21 ハードディスク装置 22 FDD 30 金型曲面形状Zマップモデル 30A 修正対象エリアの金型曲面形状Zマップ
モデル 33 板厚減少Zマップモデル 33A スムージング処理後の板厚減少Zマップ
モデル 30B 基準NC加工用データに対応する工具パ
ス曲線 30C 板厚減少を加味して修正後のNC加工用
データに対応する修正工具パス曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中廣 幹夫 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 中村 幸保 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 4E050 JB02 JB10 JD03 5H269 AB19 EE05 FF07 QA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品を成形する成形型の加工面を切削
    加工機械の切削工具によって加工するNC加工用データ
    の作成方法において、 前記成形品の曲面形状に対応する成形型の曲面形状の情
    報から成形型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共
    に、その成形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を
    有限要素法によりメッシュデータと対応付けて算出し、 この有限要素法で求めた板厚減少量のデータに基づいて
    板厚減少Zマップモデルを算出し、 この板厚減少Zマップモデルを平滑にするスムージング
    処理を施し、 次に、前記スムージング処理した板厚減少Zマップモデ
    ルを、成形型曲面形状Zマップモデルの各位置における
    面直交方向の削り残り量として用い、前記成形品を成形
    する成形型を切削加工する為に予め作成した基準NC加
    工用データを、成形型曲面形状の各位置に対応する板厚
    減少Zマップモデルの値と同じだけ削り残るよう演算し
    修正する、 ことを特徴とする成形型のNC加工用データの作成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記基準NC加工用データを修正する
    際、板厚減少Zマップモデルで板厚減少量を見込もうと
    する領域において、成形型曲面形状Zマップモデルで表
    現される全ての位置に、各位置を中心としてその位置に
    対応する板厚減少量と切削工具の工具半径とを足した値
    を半径とする仮想球を想定し、その仮想球の集合体に対
    して基準NC加工用データで指示される切削工具の工具
    中心が干渉しない位置まで基準NC加工用データをZ方
    向へ移動させることで基準NC加工用データを修正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形型のNC加工用
    データの作成方法。
  3. 【請求項3】 前記成形品に対応する成形型を用いて成
    形する成形シミュレーションを実行し成形品の板厚減少
    量を有限要素法によりメッシュデータと対応付けて算出
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の成形型の
    NC加工用データの作成方法。
  4. 【請求項4】 前記成形型は、金属板をプレス成形する
    金型であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記
    載の成形型のNC加工用データの作成方法。
  5. 【請求項5】 成形品を成形する成形型の加工面を切削
    加工機械の切削工具によって加工するNC加工用データ
    を作成する成形型のNC加工用データ作成装置におい
    て、 前記成形品の曲面形状に対応する成形型の曲面形状の情
    報から成形型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共
    に、その成形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を
    有限要素法によりメッシュデータと対応付けて算出する
    板厚減少量算出手段と、 前記有限要素法で求めた板厚減少量のデータに基づいて
    板厚減少Zマップモデルを算出する板厚減少Zマップモ
    デル作成手段と、 前記板厚減少Zマップモデルを平滑にするスムージング
    処理を施すスムージング処理手段と、 前記スムージング処理した板厚減少Zマップモデルを、
    成形型曲面形状Zマップモデルの各位置における面直交
    方向の削り残し量として用い、前記成形品を成形する成
    形型を切削加工する為に予め作成した基準NC加工用デ
    ータを、成形型曲面形状の各位置に対応する板厚減少Z
    マップモデルの値と同じだけ削り残るよう演算し修正す
    るNC加工用データ修正手段と、 を備えたことを特徴とする成形型のNC加工用データ作
    成装置。
  6. 【請求項6】 成形品を成形する成形型の加工面を切削
    加工機械の切削工具によって加工するNC加工用データ
    をコンピュータに作成させる成形型のNC加工用データ
    作成プログラムにおいて、 前記成形品の曲面形状に対応する成形型の曲面形状の情
    報から成形型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共
    に、その成形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を
    有限要素法によりメッシュデータと対応付けて算出する
    板厚減少量算出ルーチンと、 前記有限要素法で求めた板厚減少量のデータに基づいて
    板厚減少Zマップモデルを算出する板厚減少Zマップモ
    デル作成ルーチンと、 前記板厚減少Zマップモデルを平滑にするスムージング
    処理を施すスムージング処理ルーチンと、 前記スムージング処理した板厚減少Zマップモデルを、
    成形型曲面形状Zマップモデルの各位置における面直交
    方向の削り残り量として用い、前記成形品を成形する成
    形型を切削加工する為に予め作成した基準NC加工用デ
    ータを、成形型曲面形状の各位置に対応する厚さ板厚Z
    マップモデルの値と同じだけ削り残るよう演算し修正す
    るNC加工用データ修正ルーチンと、 を備えたことを特徴とする成形型のNC加工用データ作
    成プログラム。
  7. 【請求項7】 成形品を成形する成形型の加工面を切削
    加工機械の切削工具によって加工するNC加工用データ
    をコンピュータに作成させる成形型のNC加工用データ
    作成プログラムであって、 前記成形品の曲面形状に対応する成形型の曲面形状の情
    報から成形型の曲面形状Zマップモデルを算出すると共
    に、その成形型で成形した場合の成形品の板厚減少量を
    有限要素法によりメッシュデータと対応付けて算出する
    板厚減少量算出ルーチンと、 前記有限要素法で求めた板厚減少量のデータに基づいて
    板厚減少Zマップモデルを算出する板厚減少Zマップモ
    デル作成ルーチンと、 前記板厚減少Zマップモデルを平滑にするスムージング
    処理を施すスムージング処理ルーチンと、 前記スムージング処理した板厚減少Zマップモデルを、
    成形型曲面形状Zマップモデルの各位置における面直交
    方向の削り残し量として用い、前記成形品を成形する成
    形型を切削加工する為に予め作成した基準NC加工用デ
    ータを、成形型曲面形状の各位置に対応する板厚減少Z
    マップモデルの値と同じだけ削り残るよう演算し修正す
    るNC加工用データ修正ルーチンと、 を備えた成形型のNC加工用データ作成プログラムをコ
    ンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体。
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