JP2003240718A - Icp発光分光分析装置 - Google Patents

Icp発光分光分析装置

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JP2003240718A
JP2003240718A JP2002037559A JP2002037559A JP2003240718A JP 2003240718 A JP2003240718 A JP 2003240718A JP 2002037559 A JP2002037559 A JP 2002037559A JP 2002037559 A JP2002037559 A JP 2002037559A JP 2003240718 A JP2003240718 A JP 2003240718A
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light
plasma flame
outer tube
hole
component element
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JP2002037559A
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English (en)
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Hidehiro Daidoji
英弘 大道寺
Satoru Tanaka
悟 田中
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Horiba Ltd
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Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気に含まれる窒素などの成分の定量分
析を可能とするICP発光分光分析装置を提供する。 【解決手段】 測定対象試料Sに含まれる測定成分元素
をプラズマ炎2中で発光させる発光部3と、この発光ス
ペクトル強度を検出する検出部4とを有し、この光Lの
スペクトル強度を用いて測定成分元素の定量分析を行な
うICP発光分光分析装置1であって、前記プラズマ炎
2を内部で発生させると共にプラズマ炎2内への外気の
巻き込みを防止する外管8を設け、この外管8の前記発
光部分2aに相当する位置においてプラズマ炎2中で発
光した光Lを検出部4に導くための貫通孔10を形成し
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICP(Inductiv
ely Coupled Plasuma:誘導結合プラズマ)発光分光分析
装置に関し、特に窒素などの元素を大気に影響されずに
より正確に測定可能とする横方向測光方式のICP発光
分光分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ICP発光分光分析装置は、
高精度かつ高感度であり、とりわけ、鉄鋼材料等の固体
試料中の成分分析に用いられている。図5は一般的な横
方向測光方式のICP発光分光分析装置の要部構成を示
すである。なお、本発明は基本的に横方向測光方式のI
CP発光分光分析装置に関するものであり、測定対象試
料Sの濃度がある程度高い場合にその定量分析を行うの
に適している。これに対して、軸方向測光方式は環境測
定などの測定対象試料Sの濃度が極めて低い場合には有
利であるが、高濃度の場合には一般的に定量分析が難し
いという問題がある。
【0003】図5において、30はプラズマ炎31を発
生させる三重管構造のプラズマトーチ(すなわち発光
部)であり、測定対象試料Sを噴霧状態にしてなる試料
ガスSgを流すためのサンプル供給管32と、このサン
プル供給管32に同芯状に配置されて不活性ガスとして
例えばアルゴンArを流す内管33および外管34と、
外管34の先端部近傍の外周に配置されて高周波電源
(図外)に接続された誘導コイル35と、発光部30に
おいて測定対象試料Sから放射した光を検出する検出部
36とを有している。
【0004】すなわち、測定対象試料Sはサンプル供給
管32を介して発光部30内に供給されることにより、
誘導コイル35による磁界によって発生したプラズマ炎
内でプラズマ発光する。検出部36の詳細構造は図示を
省略するが例えば測定対象試料Sからの光を効率よく検
出するための集光部と、この光をスペクトル強度に分光
する回折格子などを用いた分光部およびこの分光した光
を検出する検出器とからなる光学系を有している。そし
て、この検出部36によって分光された状態で検出され
たスペクトル強度を解析することによって測定対象試料
Sに含まれる各種成分の分光分析を行なうことができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記通
常のICP発光分光分析装置は、大気Air中に存在す
る窒素ガスN2 などの成分が矢印Aに示すようにプラズ
マ炎31内に巻き込まれることにより、大気Airに約
70%含まれる周囲の窒素Nがプラズマ炎31内におい
て発光することがあった。このため、従来のような発光
部30では窒素Nなどの大気Airに含まれる成分を測
定成分元素とするときにバックグランドが極めて大きく
なるので、その定量分析が困難であった。
【0006】また、窒素のプラズマ発光によって生じる
光は、その波長が短く約174nmであり、大気Air
中の酸素などによっても吸収されて減衰するので、その
定量分析を行なうことをさらに困難にしていた。
【0007】そこで、検出部36内を窒素パージすると
共に、その一部が前記光の入射部36aから漏れ出るよ
うにして、この入射部36aからプラズマ炎31までの
空間から酸素を閉め出すようにすることが考えられる
が、この場合さらに多くの窒素ガスN2 がプラズマ炎3
1に流れ込むことになる。
【0008】さらに、パージ用の窒素ガスN2 がプラズ
マ炎31に流れ込むことを防止するために、検出部36
とプラズマ炎31との間に光透過性に優れた石英ガラス
やフッ化マグネシウムなどの材質の遮蔽板を設けること
が考えられるが、光透過性を有する材料であっても、厚
みがあれば遮蔽板による吸収が問題となり、遮蔽板を肉
薄にすれば強度の問題が生じる。
【0009】本発明は、上述の点を考慮に入れてなされ
たものであり、大気に含まれる窒素などの成分の定量分
析を可能とするICP発光分光分析装置を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
第1発明のICP発光分光分析装置は、測定対象試料に
含まれる測定成分元素をプラズマ炎中で発光させる発光
部と、この発光スペクトル強度を検出する検出部とを有
し、この光のスペクトル強度を用いて測定成分元素の定
量分析を行なうICP発光分光分析装置であって、前記
プラズマ炎を内部で発生させると共にプラズマ炎内への
外気の巻き込みを防止する外管を設け、この外管の前記
発光部分に相当する位置においてプラズマ炎中で発光し
た光を検出部に導くための貫通孔を形成してなることを
特徴としている。
【0011】すなわち、前記外管がプラズマ炎の基端部
分から分析に用いる光の発光部分よりも長い部分(すな
わち、プラズマ炎の全てまたは大部分)を外気から遮断
するので、プラズマ炎によって測定成分元素から発光す
る光に大気成分によるバックグランドがなくなる。前記
貫通孔の大きさは検出部に入射する光を透過できる程度
の小さなものであるため、この貫通孔によってプラズマ
炎に乱流が生じたり、大気成分の混入などの悪影響が生
じることはなく、例えば窒素などの大気成分を測定成分
元素とする場合にも、その定量分析を行うことが可能と
なる。さらには、貫通孔を介してプラズマ炎が外管の外
側に漏出することも防止できる。
【0012】また、前記外管には貫通孔が形成されてい
るので、発光部分から検出部までの間に測定成分元素か
ら発光する光を減衰させるものが何もなく、この光をダ
イレクトに検出部に入射させて、そのスペクトル強度を
精度良く分析することができる。そして、検出部に入射
する光の強度を十分に得るために外管を光透過性のある
材質で形成する必要がないだけでなく、汚れや曇りによ
る光量の減衰などの測定結果に影響を与えることが全く
ないので、測定値の信頼性が高くなると共に、メンテナ
ンスにかかる手間を無くすことが可能となる。
【0013】加えて、外管に形成された貫通孔から出射
する光は外管(およびこの外管の内部で発生するプラズ
マ炎)の中心から放射線方向の光であり、検出器はこの
プラズマ炎内の特定の発光部分から発光する光をプラズ
マ炎に対して横方向から検出するものであるから、その
他の成分による光の吸収を最小限に抑えることができ
る。つまり、他成分による発光および吸光の影響を最小
限に抑えて、特により低濃度レベルにおいて、大気中の
窒素などの成分の測定レンジを広げることができる。
【0014】前記貫通孔の形状が外管の長手方向に細長
いスリットである場合には、貫通孔と検出器の位置関係
を合わせやすいだけでなく、測定成分にあわせて発光部
分(観測点)の位置を変えることも可能である。また、
スリットは貫通孔の面積を十分に小さくして、プラズマ
炎に対する外部からの混入や巻き込みなどを防止できる
と共に、目的とする測定成分元素が発光する光を効率よ
く検出器に入射することが可能となり、感度および測定
精度を向上することができる。
【0015】前記貫通孔を介して放射線状に出射する光
が内部を通って前記検出部へと導かれるように、前記外
管の外側面に連通連結される光導出管を形成してなる場
合には、光導出管によって外気の流れを遮断すること
で、前記貫通孔を介して外気が外管の外側から内側に流
れ込むことをより確実に防止することができ、それだけ
測定精度を向上できる。さらに、光導出管により貫通孔
から出射する光が内部を通って前記検出部へと導かれる
ので、この光を減衰することがない。
【0016】第2発明のICP発光分光分析装置は、測
定対象試料に含まれる測定成分元素をプラズマ炎中で発
光させる発光部と、この発光スペクトル強度を検出する
検出部とを有し、この光のスペクトル強度を用いて測定
成分元素の定量分析を行なうICP発光分光分析装置で
あって、前記プラズマ炎を内部で発生させると共にプラ
ズマ炎内への外気の巻き込みを防止する外管を設け、こ
の外管の前記発光部分に相当する位置においてプラズマ
炎中で発光した光を検出部に導くための肉薄の光透過窓
を形成してなることを特徴としている。
【0017】すなわち、前記外管により外気を遮断し、
大気成分によるバックグランドがなくなる。前記発光部
分に相当する位置(発光取出し位置)に形成された光透
過窓の大きさは検出部に入射する光を透過できる程度の
小さなものであり、肉薄に形成されている。つまり、光
透過窓によって外気を完全に遮断できると共に、その面
積が小さいので強度が問題になることがなく可及的に肉
薄に形成することができ、これによって光透過窓による
光の吸収を抑えることができる。また、貫通孔を介して
プラズマ炎が外管の外側に漏出することも完全に防止で
きる。
【0018】加えて、外管に形成された貫通孔から出射
する光は外管(およびこの外管の内部で発生するプラズ
マ炎)の中心から放射線方向の光であり、検出器はこの
プラズマ炎内の特定の発光部分から発光する光をプラズ
マ炎に対して横方向から検出(ラジアル測定)するもの
であるから、その他の成分による光の吸収を最小限に抑
えることができる。つまり、他成分による発光および吸
光の影響を最小限に抑えて特に低濃度レベルにおいて大
気中の窒素などの成分の測定レンジを広げることができ
る。
【0019】前記光透過窓がプラズマ炎中で発光した光
を検出部に集光させる光学系の一部をなすレンズである
場合には、面積の小さな光透過窓を最大限に用いて効率
よく光を集光してこれを検出することができ、測定感度
が向上する。
【0020】前記検出部の光学系を不活性ガスによって
パージさせてなる場合には、プラズマ炎中で発光した光
が検出部において酸素などの大気成分によって吸収され
ることがなく、それだけ測定感度が向上する。なお、パ
ージに用いる気体として窒素が前記貫通孔から検出部ま
での空間に位置する大気成分を除去できるように、検出
部の先端から漏出してもよいが、この場合、貫通孔の大
きさが小さいので検出部から漏出した気体が内部のプラ
ズマ炎に悪影響を及ぼすことがほとんどない。一方、面
積の小さな光透過窓を設ける場合には、パージに用いる
気体を検出部から漏出させることも可能であるが、検出
部の先端を外管に連設させてこの不活性ガスを検出部内
に密閉することにより、不活性ガスの消費を抑えること
ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のICP発光分光
分析装置1の全体構成の一例を示す図である。本発明の
ICP発光分光分析装置1は大きく分けて測定対象試料
Sに含まれる測定成分元素(例えば窒素)をプラズマ炎
2中で発光させる発光部3(プラズマトーチ)と、その
発光Lのスペクトル強度を検出する検出部4と、検出部
4を制御すると共に検出部4から得られた光Lのスペク
トル強度を用いて測定成分元素の定量分析を行なう演算
処理部5とからなっている。
【0022】前記発光部3は、同芯状に配置された主に
石英ガラスなどよって形成されたサンプル供給管6と、
内管7と、外管8と、この外管8の外周においてサンプ
ル供給管6および内管7の上端よりも上側に配置された
誘導コイル9とを有している。
【0023】本例の外管8はコイル9の上部において分
割可能な基本管8aと延長管8bとからなり、プラズマ
炎2の全体を外気Airから遮断する。また、前記基本
管8aの下端部からはプラズマ炎2を発生させるための
気体の一例としてアルゴンArを例えば毎分12〜15
L程度供給する。
【0024】また、前記内管7の下端部からは、前記ア
ルゴンArを例えば毎分1L程度供給する。つまり、コ
イル9に電流を流すことにより、アルゴンArをプラズ
マ燃焼して外管8内においてプラズマ炎2を発生させる
ことができる。なお、コイル9内に発生したプラズマ炎
は外管8によって供給されるアルゴンArの流れによっ
て全体的に浮き上がった状態になる。
【0025】そして、サンプル供給管6を介して供給さ
れる測定対象試料Sはプラズマ炎2の中で加熱してプラ
ズマ発光する。このとき、測定対象試料Sに含まれる各
測定成分元素はその種類にしたがって異なる位置におい
て光Lを放射し、その発光部分2aをある程度定めるこ
とができる。
【0026】また、前記外管8の前記発光部分2aに相
当する位置(発光取出し位置)には、プラズマ炎2中で
発光した光Lを透過するための貫通孔10を形成してい
る。拡大図に示すように、本例の貫通孔10は例えばそ
の直径Dが1mm程度の小さなピンホールであり、貫通
孔10を通る光Lの光路を妨げないようにテーパ10a
が形成されている。
【0027】前記貫通孔10は小さなピンホールである
から、極めて容易に形成することができ、外管8の強度
を低下させるものではなく、また、外管8の外側の外気
Airを外管8内に引き込むものでも、外管8内のプラ
ズマ炎2の流れに乱流などの悪影響を及ぼすものでもな
い。しかも、発光部分2aから放射する光Lを全く減衰
させることなく外管8外に取り出すことが可能である。
【0028】すなわち、外管8をプラズマ炎2の基端部
分2bから分析に用いる光の発光部分2aよりも長い部
分(本例ではその全体)を覆う程度の長さにすることで
空気を有効に遮蔽してプラズマ炎2を外気Airから確
実に遮断した状態を保つことができ、従来生じていた外
気Airの巻き込みを最小限に抑えることができると共
に、プラズマ炎2によって生じた光Lを効率よく取り出
すことができる。また、外管8のすぐ内側には毎分12
〜15L程度供給される大流量のアルゴンArが流れて
いるので、外管8内は外気Airに対して少なくとも幾
らかは加圧状態であるから、この貫通孔10を介して外
気Airが外管8内に流入することはないと考えられ
る。
【0029】しかしながら、もし仮に外気Airがこの
貫通孔10を介して外管8内に入ることがあったとして
も、これが外管8のすぐ内側を流れるアルゴンArによ
って下流側(図面の上側)に流されるので、少なくとも
発光部分2aから生じる光Lに悪影響を与えることはほ
とんどないということができる。つまり、測定対象試料
S中の窒素などの大気成分の定量分析精度が上がる。
【0030】次に、前記検出部4の一例を説明すると、
11は前記貫通孔10に対応する位置に配置された集光
レンズ、12は集光レンズ11によって集光される焦点
位置に配置されたスリット(ピンホール)、13はスリ
ット12を透過して拡散する光Lを例えば平行光に変換
して反射する曲面を有する反射鏡、14はこの反射鏡1
3からの光を波長毎に分離する回折格子、15はこの回
折格子14によって分離された光Lsを一点に集光させ
るように反射する反射鏡、16はこの光Lsの焦点位置
に配置されたスリット(ピンホール)、17はこのスリ
ット16を通った光Lsの強度を検出する検出器であ
る。
【0031】前記各部11〜17は検出器4の光学系を
形成しており、その全体が外気Airから遮断されたキ
ャビン18内に設けられて、このキャビン18内には前
記プラズマ炎2を起こすためのアルゴンArとは異なる
不活性ガスとして、例えば窒素ガスN2 がパージされて
いる。また、前記集光レンズ11に相当する部分に光学
筒18aを形成し、この光学筒18aの先端18bが前
記貫通孔10に望ませて開放されている。
【0032】前記集光レンズ11は前記光Lの吸収が非
常に小さい材料によって形成されており、貫通孔10か
ら放射する光Lを効率よく捕らえて、これをスリット1
2に集光させることにより、検出感度を向上している。
また、反射鏡13,15は、光Lを分光しやすいように
回折格子14の面の大きさに広げ、光密度を稼ぐために
検出器17に集光させるものである。
【0033】回折格子14は演算処理部5からのシーケ
ンス制御によって回動可能に構成されており、これによ
って光Lのスペクトル強度を検出し、測定成分元素(本
例の場合窒素)の定量分析を精度良く行うことができ
る。
【0034】また、キャビン18内を窒素パージするこ
とにより、キャビン18の中から大気Airを排出する
ことができ、本例の場合のように大気成分によって吸収
されるような波長(例えば200nmよりも短い波長)
の光L,Lsも減衰することなくこれを検出することが
できる。なお、光学筒18aの先端18bを貫通孔10
に望ませた状態で開放しているので、キャビン18内の
窒素ガスN2 が先端18bから連続的に排出されて、光
学筒18aと外管8との間から外気Airを取り除くこ
とができる。
【0035】つまり、発光部分2aにおいて発生した光
Lはプラズマ炎2から検出器17に至るまで外気Air
に一切接触することがないので、大気成分(酸素など)
によって減衰することがない。また、貫通孔10は外管
8の材質や厚みによる発光強度の減衰を無くすものであ
るから、光Lの減衰を可及的に防ぐことができる。それ
ゆえに外管8は耐熱性を有するものであれば、その材質
を限定するものではない。例えば、外管8はアルミナや
セラミックなど、光透過性のない材料で形成してもよ
い。
【0036】加えて、プラズマ炎2の大部分が外管8に
よって覆われているので、外気Airがプラズマ炎2内
に混入して外気Airによるプラズマ発光が生じること
も確実に防止できる。したがって、測定成分元素が窒素
Nである場合のように、従来は定量分析が困難であると
されていた大気成分の測定成分元素であっても、これを
低能度まで測定することができる。
【0037】また、本例では検出部4内にパージするガ
スとして窒素ガスN2 を用いているので、ランニングコ
ストを安くすることが可能であるが、この窒素ガスN2
に変えてヘリウムHeやネオンNeなど(プラズマ炎に
用いるアルゴンArおよび測定成分元素N以外)を用い
て、プラズマ炎用のガスArとパージ用のガス(He,
Neなど)を2系統供給するようにしてもよい。これに
よってプラズマ炎2に対して貫通孔10から窒素Nが混
入することをさらに確実に防止することが可能である。
【0038】図2は本発明のICP発光分光分析装置1
の別の例を示す図である。図2において、図1と同じ符
号を付した部材は同一または同等の部材であるから、そ
の詳細な説明を省略する。
【0039】図2において、19は図1のピンホール1
0に対応する(発光取出し位置)に形成された外管8の
長手方向に細長いスリット(貫通孔)、20はスリット
19を介して放射線状に出射する光が内部を通って前記
検出部4へと導かれるように前記外管8の外側面に前記
光が放射される方向に連通連結される光導出管である。
【0040】なお、前記スリット19の横幅Wは例えば
20μm〜2mm程度、その高さ幅Hは例えば2〜6m
m程度であり、前記光導出管20はスリット19の大き
さよりも若干大きな管内を有し、スリット19を介して
放射する光Lの光路を妨害しないように徐々に広がる形
状にしている。つまり、前記光導出管20の管内の形状
や大きさは光Lの光路に対して若干大きい程度とするこ
とが望ましい。しかしながら、本発明はこの光導出管2
0の形状を限定するものではない。
【0041】本例のように構成することにより、両矢印
Xに示すように、検出部4がスリット19の範囲内で発
光部分2aの位置を調節することが可能である。また、
本例の場合、図1に示した例に比べて、多くの光Lを検
出することができるので、感度向上を達成できる。
【0042】加えて、光導出管20によってスリット1
9の開口部を覆っているので、外気Airやパージ用ガ
スN2 などが光導出管20およびスリット19を介して
外管8内に流入することを防止するでき、図1の例に比
べて貫通孔19の面積が広くなっても、プラズマ炎2に
外気Airやパージ用ガスN2 などが混入することを効
果的に防止できる。
【0043】図3は前記ICP発光分光分析装置1の別
の変形例を示す図である。図3において、図1,2と同
じ符号を付した部分は同一または同等の部分である。
【0044】図3において、21は図1,2の貫通孔1
0,19に対応する発光取出し位置において外管8の内
側から形成された有底孔、22は同じ発光取出し位置に
おいて外管8の外側から形成された有底孔、23は両有
底孔21,22の底面によって形成される肉薄の光透過
窓である。すなわち、本例のICP発光分光分析装置1
は外管8の前記発光部分2aに相当する位置においてプ
ラズマ炎2中で発光した光Lを検出部4に導くための肉
薄の光透過窓23を形成する例を示すものである。
【0045】本例の光透過窓23はその面積が前記貫通
孔10,19と同程度に狭く、その肉厚は光Lの減衰が
測定感度に悪影響を与えない程度に薄く形成されてい
る。本例の場合、外管8は例えば石英ガラスによって形
成されており、この外管8を切削することにより光透過
窓23を形成しているので、その材質は石英ガラスであ
る例を示しているが、その肉厚が薄いので、これによる
光Lの吸収が問題になることがない。
【0046】しかしながら、前記光透過窓23として例
えばフッ化マグネシウムからなる窓材をはめ込むように
してもよい。
【0047】何れにしても、光透過窓23の面積を狭く
して、その周囲を外管8によって保持することにより、
その膜厚を肉薄に形成してもその強度の低下を防ぐこと
ができる。つまり、光透過窓23によって生じる光Lの
吸収を最小限に抑えることが可能となる。
【0048】また、前記光透過窓23は幾らか凹レンズ
となるように形成して、発光部分2aから放射方向に発
光する光Lのピーム径を広げて集光レンズ11に入射さ
せるように構成している。すなわち、前記光Lを効率よ
く検出部4に導くことができる。
【0049】本例の場合、光透過窓23によって外管8
の内外を完全に分離しているので、孔21,22によっ
てプラズマ炎2内に外気Airが混入することを確実に
防止できる。また、本例の場合は、前記キャビン18内
にパージガスを充填した状態で密閉することも可能であ
るから、パージガスを常時消費する必要がないので、コ
ストを削減できる。すなわち、ヘリウムHe,ネオンN
e,アルゴンArなどの別のパージガスを用いてもよ
い。
【0050】図4は図3の更なる変形例を示す図であ
る。本例において、図1〜3に示したものと同じ符号を
付した部材は同一または同等の部材である。図4におい
て、24は前記有底孔22に対応するもので外管8の外
側から形成された有底孔、25はこの有底孔24の底面
によって形成される肉薄の光透過窓である。すなわち、
本例も外管8の前記発光部分2aに相当する位置におい
てプラズマ炎2中で発光した光Lを検出部4に導くため
の肉薄の光透過窓25を形成する例を示すものである。
【0051】本例において、光透過窓25を透過した光
Lは図1〜3における集光レンズ11を介することなく
直接反射鏡13へと照射される。すなわち、本例におけ
る光透過窓25は前記集光レンズ11の役割を兼ねてお
り、有底孔24は前記スリット12の役割を兼ねてい
る。これによって、光Lの減衰を可及的に抑えて、検出
感度を向上することができる。
【0052】なお、上述した各例に示すICP発光分光
分析装置1は何れも発光部3を構成する外管8が基本管
8aと延長管8aに二分割可能としたものである例を示
しているが、本発明はこの点を限定するものではない。
すなわち、外管8は一体的に形成されていてもよい。同
様に、上述した各例のサンプル管6,内管7,外管8は
組み立て型三重管であり任意に分解可能であるが、これ
らは一体成形されていてもよい。
【0053】さらには、上述した各例においては測定対
象成分として窒素Nを励磁しているが、他の大気成分、
例えば炭素(CO2 )、硫黄(SO2 )などにも同様に
測定可能であることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のICP発
光分光分析装置は、プラズマ炎の全てまたは大部分を外
気から遮断することにより、プラズマ炎によって測定成
分元素から発光する光に大気成分によるバックグランド
をなくし、大気に含まれる窒素などの成分の定量分析を
可能とする。
【0055】加えて、外管に形成された貫通孔から出射
する光は外管(およびこの外管の内部で発生するプラズ
マ炎)の中心から放射線方向の光であり、検出器はこの
プラズマ炎内の特定の発光部分から発光する光をプラズ
マ炎に対して横方向から検出するものであるから、その
他の成分による光の吸収を最小限に抑えることができ
る。つまり、他成分による発光および吸光の影響を最小
限に抑えて大気に含まれる窒素などの成分の測定レンジ
を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICP発光分光分析装置の一例を示す
図である。
【図2】前記ICP発光分光分析装置の別の例を示す図
である。
【図3】前記ICP発光分光分析装置の別の構成を示す
図である。
【図4】図3の変形例を示す図である。
【図5】従来の代表的なICP発光分光分析装置の構成
を示す図である。
【符号の説明】
1…ICP発光分光分析装置、2…プラズマ炎、2a…
発光部分、2b…基端部分、3…発光部、4…検出部、
8…外管、10…貫通孔、19…スリット(貫通孔)、
20…光導出管、23,25…光透過窓、L…光、S…
測定対象試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA01 BA11 BA12 BA13 CA03 EA08 GA11 GB01 GB05 GB16 HA01 HA03 JA04 KA04 KA05 MA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象試料に含まれる測定成分元素を
    プラズマ炎中で発光させる発光部と、この発光スペクト
    ル強度を検出する検出部とを有し、この光のスペクトル
    強度を用いて測定成分元素の定量分析を行なうICP発
    光分光分析装置であって、前記プラズマ炎を内部で発生
    させると共にプラズマ炎内への外気の巻き込みを防止す
    る外管を設け、この外管の前記発光部分に相当する位置
    においてプラズマ炎中で発光した光を検出部に導くため
    の貫通孔を形成してなることを特徴とするICP発光分
    光分析装置。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔の形状が外管の長手方向に細
    長いスリットである請求項1に記載のICP発光分光分
    析装置。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔を介して放射線状に出射する
    光が内部を通って前記検出部へと導かれるように、前記
    外管の外側面に連通連結される光導出管を形成してなる
    請求項1または2に記載のICP発光分光分析装置。
  4. 【請求項4】 測定対象試料に含まれる測定成分元素を
    プラズマ炎中で発光させる発光部と、この発光スペクト
    ル強度を検出する検出部とを有し、この光のスペクトル
    強度を用いて測定成分元素の定量分析を行なうICP発
    光分光分析装置であって、前記プラズマ炎を内部で発生
    させると共にプラズマ炎内への外気の巻き込みを防止す
    る外管を設け、この外管の前記発光部分に相当する位置
    においてプラズマ炎中で発光した光を検出部に導くため
    の肉薄の光透過窓を形成してなることを特徴とするIC
    P発光分光分析装置。
  5. 【請求項5】 前記光透過窓がプラズマ炎中で発光した
    光を検出部に集光させる光学系の一部を構成するレンズ
    である請求項4に記載のICP発光分光分析装置。
  6. 【請求項6】 前記検出部の光学系を不活性ガスによっ
    てパージさせてなる請求項1〜5の何れかに記載のIC
    P発光分光分析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013534022A (ja) * 2010-05-05 2013-08-29 ペルキネルマー ヘルス サイエンシーズ, インコーポレイテッド 誘導装置、およびそれを用いる低流動プラズマ
JP2015179039A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 株式会社日立ハイテクサイエンス Icp発光分光分析装置

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JP2013534022A (ja) * 2010-05-05 2013-08-29 ペルキネルマー ヘルス サイエンシーズ, インコーポレイテッド 誘導装置、およびそれを用いる低流動プラズマ
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