JP2003240280A - 冷暖房設備 - Google Patents

冷暖房設備

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JP2003240280A
JP2003240280A JP2002042090A JP2002042090A JP2003240280A JP 2003240280 A JP2003240280 A JP 2003240280A JP 2002042090 A JP2002042090 A JP 2002042090A JP 2002042090 A JP2002042090 A JP 2002042090A JP 2003240280 A JP2003240280 A JP 2003240280A
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medium
heating
heating medium
circulation path
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Yasuo Futamura
恭生 二村
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TEKKU C KK
C Tech Corp
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TEKKU C KK
C Tech Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い効率で、且つメンテナンスがより容
易な冷暖房設備を提供する。 【解決手段】 蓄熱槽Bに蓄えられた冷暖房媒体を、ポ
ンプP1で熱交換ユニット(11〜16)に圧送して導
入管R1bを介して媒体落下防止装置T1の媒体貯蔵部
に蓄え、所定量を超える冷暖房媒体を、排出管R1cを
介して蓄熱槽Bに帰還させる循環経路を構成する。排出
管R1cの排出口Routは媒体貯蔵部の所定の高さに
設けられ、大気導入口Rairは媒体貯蔵部に設けられ
た排出口Routよりも高い位置の媒体貯蔵部に設けら
れ、導入管R1bの導入口Rinは媒体貯蔵部に設けら
れた排出口Routよりも低い位置の媒体貯蔵部に設け
られる。そして、媒体落下防止装置T1に蓄えられた冷
暖房媒体の液面Rsが、循環経路の冷暖房媒体最上部よ
り低い位置、且つ当該冷暖房媒体の最大吸い上げ高さ以
内となる位置に、媒体落下防止装置T1を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷暖房設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】成層型蓄熱槽を用いた従来の冷暖房設備
の概略構成を図5に示す。図5は、6階建ての建築物に
おける、成層型蓄熱槽を用いた冷暖房設備の例である。
蓄熱槽Bには、液体状態の冷暖房媒体(例えば、水)が
蓄積されている。蓄熱槽B内では、冷暖房媒体の温度に
よる密度差を利用して、上層部には比較的高温(45℃
等)の冷暖房媒体の成層が形成されており、下層部には
比較的低温(5℃等)の冷暖房媒体の成層が形成されて
いる。各階(1F〜6F)には、各階の室内を冷房ある
いは暖房するファンコイルユニット11〜16が設けら
れている。また、建築物の最上部には、深夜等に蓄熱槽
B内部の冷暖房媒体を冷却あるいは加熱しておくヒート
ポンプ2が設けられている。冷暖房設備には、ファンコ
イルユニット11〜16を含む循環経路に冷暖房媒体を
循環させる第1の循環経路と、ヒートポンプ2を含む循
環経路に冷暖房媒体を循環させる第2の循環経路があ
る。
【0003】例えば、第1の循環経路で各階の冷房を行
う場合(図5(A)中に斜線で示した部分が、冷房時に
おける第1の循環経路である)、切替えバルブVH1及
びVL2を閉鎖し、切替えバルブVH2及びVL1を開
通する。そして、ポンプP1で蓄熱槽Bの下層部口SL
から比較的低温の冷暖房媒体を吸い上げ、吸い上げた冷
暖房媒体を逆流防止弁VR1及び配管R1aを介して各
階のファンコイルユニット11〜16に圧送する。ファ
ンコイルユニット11〜16は、比較的低温の冷暖房媒
体が供給されて各階の冷房を行った後、比較的高温とな
った冷暖房媒体を排出管R1cに排出する。排出された
冷暖房媒体は、落下防止弁VR1Eを介して、蓄熱槽B
の上層部口SHから蓄熱槽Bに戻される。第1の循環経
路の最上部には、排気弁VR1aが設けられており、排
気弁VR1aは第1の循環経路内に混入したエア等を排
気する。混入したエア等を排気しないと、ファンコイル
ユニット11〜16に冷暖房媒体を適切に供給できない
ばかりか、配管R1a内及び排出管R1c内に留まって
いる冷暖房媒体が下方に落下する可能性がある。
【0004】逆流防止弁VR1は、ポンプP1から冷暖
房媒体を圧送する方向(図5(A)では上に向かう方
向)にのみ流れを許可し、逆方向(図5(A)では下に
向かう方向)には流れを禁止する。このため、配管R1
a内の冷暖房媒体は、ポンプP1を停止しても配管R1
a内に留まっており、蓄熱槽Bに落下しない。また、落
下防止弁VR1Eの概略構造は、図5(B)に示すとお
りである。弁体Vhは、固定端Vkに接続されたバネV
sに引っ張られ、排出管R1c内の突起部Vtに圧接し
ている。圧接している状態では、冷暖房媒体は落下防止
弁VR1Eを通過できない。排出管R1cに冷暖房媒体
が満たされていても、当該冷暖房媒体の重さでは落下防
止弁VR1Eは開かないようにバネ定数が設定されてい
る。このため、排出管R1c内の冷暖房媒体は、ポンプ
P1を停止しても排出管R1c内に留まっており、蓄熱
槽B内に落下しない。また、図5(C)は、横軸を圧
力、縦軸を流量に設定した場合の、落下防止弁VR1E
の特性を示している。落下防止弁VR1Eは、所定の圧
力(Ps)に達するまでは弁が開かないので流量は0
(ゼロ)であり、所定の圧力(Ps)を越えると、圧力
に応じた流量を流すことができる。
【0005】第2の循環経路で蓄熱槽B内の冷暖房媒体
を冷却する場合、(第1の循環経路と同様に)切替えバ
ルブVH1及びVL2を閉鎖し、切替えバルブVH2及
びVL1を開通する。そして、ポンプP2で蓄熱槽Bの
上層部口SHから比較的高温の冷暖房媒体を吸い上げ、
吸い上げた冷暖房媒体を逆流防止弁VR2及び配管R2
aを介してヒートポンプ2に圧送する。ヒートポンプ2
は、比較的高温の冷暖房媒体が供給され、当該冷暖房媒
体を冷却して排出管R2cに排出する。排出された冷暖
房媒体は、落下防止弁VR2Eを介して、蓄熱槽Bの下
層部口SLから蓄熱槽Bに戻される。落下防止弁VR2
E、第2の循環経路の最上部に設けられた排気弁VR2
aの動作は第1の循環経路と同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷暖房設備で
は、熱交換ユニット(この場合、ファンコイルユニット
11〜16あるいはヒートポンプ2)を通過した冷暖房
媒体を蓄熱槽Bに戻す経路に落下防止弁VR1E(VR
2E)が設けられている。落下防止弁VR1E(VR2
E)は、ポンプP1(P2)を停止しても循環経路に充
填されている冷暖房媒体が落下しないバネ定数に設定さ
れている。このため、ポンプP1(P2)は、冷暖房媒
体を循環させるためには、落下防止弁VR1E(VR2
E)を開通させる圧力分をも必要とするので、余計なエ
ネルギーを消費するため、ポンプP1(P2)の効率が
低下する。また、落下防止弁VR1E(VR2E)は、
ゴミ等が目詰まりし易く、目詰まりにより、冷暖房媒体
が漏洩あるいはエア混入等が発生する可能性がある。こ
のため、落下防止弁VR1E(VR2E)は、定期的な
メンテナンスが必要であり、非常に手間がかかる。本発
明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、よ
り高い効率で、且つメンテナンスがより容易な冷暖房設
備を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載さ
れたとおりの冷暖房設備である。請求項1に記載の冷暖
房設備を用いれば、落下防止弁に代えて媒体落下防止装
置を備えることで、効果的に冷暖房媒体の落下を抑制で
きる。また、当該落下防止装置は単純な構造であり、冷
暖房媒体の循環における抵抗がほとんどないため、ポン
プの負荷を低減できる。また、当該落下防止装置を適切
な高さに設置することにより、サイフォン効果を利用で
きるので、更にポンプの負荷を低減でき、効率を向上さ
せることができる。また、落下防止装置は単純な構造で
あるため、目詰まり等が発生しにくく、メンテナンスも
容易であり、信頼性を向上させることができる。
【0008】また、本発明の第2発明は、請求項2に記
載されたとおりの冷暖房設備である。請求項2に記載の
冷暖房設備を用いれば、循環経路中に冷暖房媒体が充填
されていない初期運転時等において、排気管の第1の弁
と、排出管の第2の弁と、大気導入口の第3の弁を閉鎖
し、ポンプを駆動して冷暖房媒体を圧送しながら、排気
管の第1の弁を開いて循環経路内に混入したエア等を排
気させることで、循環経路内に適切に冷暖房媒体を充填
することができる。
【0009】また、本発明の第2発明は、請求項2に記
載されたとおりの冷暖房設備である。請求項2に記載の
冷暖房設備を用いれば、循環経路の最上部に媒体落下防
止装置を備えることで、サイフォン効果は利用できない
が、循環経路内に混入したエア等は、自動的に最上部の
媒体落下防止装置に到達するので、循環経路最上部の排
気管の第1の弁、排出管の第2の弁、大気導入口の第3
の弁を省略できる。このため、エネルギー消費量の低減
量は落下防止弁を省略した低減量に留まるが、メンテナ
ンスが格段に容易になり、更に信頼性を向上させること
ができる。
【0010】また、本発明の第4発明は、請求項4に記
載されたとおりの冷暖房設備である。請求項4に記載の
冷暖房設備を用いれば、熱交換ユニットにファンコイル
ユニットを用いた循環経路(第1の循環経路)、熱交換
ユニットにヒートポンプを用いた循環経路(第2の循環
経路)の少なくとも一方の循環経路を有することで、ポ
ンプの効率をより向上させ、且つメンテナンスがより容
易な冷暖房設備を提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1は、本発明の冷暖房設備の一実
施の形態の概略構成図を示している。図1は、6階建て
の建築物において、成層型蓄熱槽を用いた冷暖房設備に
本発明を適用した例を示している。以下、図5に示した
従来の冷暖房設備との相違点について説明する。ファン
コイルユニット11〜16(熱交換ユニット)を含む循
環経路に冷暖房媒体(例えば、水)を循環させる第1の
循環経路において、ファンコイルユニット11〜16か
ら排出される冷暖房媒体は、導入管R1bを介して媒体
落下防止装置T1に導かれる。媒体落下防止装置T1
は、それ自体が冷暖房媒体を貯蔵する媒体貯蔵部であ
り、媒体落下防止装置T1の所定の高さの位置には、排
出管R1cの一方の先端(排出口Rout)が設けられ
ている。このため、当該所定の高さに達した冷暖房媒体
(所定量を超える冷暖房媒体)は、ほとんど抵抗なく蓄
熱槽Bへと自動的に排出される。
【0012】また、媒体落下防止装置T1に冷暖房媒体
を導く導入管R1bの一方の先端(導入口Rin)は、
媒体落下防止装置T1に設けられた排出管R1cの一方
の先端(排出口Rout)よりも低い位置に設けられて
いる。このため、冷暖房媒体が循環経路に充填されてい
る状態では、媒体落下防止装置T1内において、冷暖房
媒体は所定の高さ(排出口Routが設けられた高さ)
に維持され、導入管R1bの先端(導入口Rin)は冷
暖房媒体の液面Rsより下に位置する。よって、導入管
R1bの先端(導入口Rin)からエアが混入すること
はほとんど発生しない。
【0013】また、媒体落下防止装置T1には、排出管
R1cの位置(排出口Rout)よりも高い位置に、大
気導入口Rairを設けるための大気導入管A1が接続
されており、媒体貯蔵部に蓄えた冷暖房媒体の液面Rs
の上部をほぼ大気圧に維持する。大気導入管A1には充
填バルブVA1が設けられており、排出管R1cには充
填バルブVR1bが設けられている。循環経路内に冷暖
房媒体が充填されていない初期運転時等において、循環
経路の最上部に設けられた排気弁VR1a(第1の弁)
と、排出管R1cに設けられた充填バルブVR1b(第
2の弁)と、大気導入管A1に設けられた充填バルブV
A1(第3の弁)を閉鎖し、ポンプP1を駆動して冷暖
房媒体を圧送した後、循環経路内にあったエア等が圧縮
されて最上部に貯まった時期を見計らって、循環経路の
最上部に設けられた排気弁VR1a(第1の弁)を開い
て循環経路内に混入したエア等を排気し、循環経路中に
冷暖房媒体を充填する。そして、循環経路に冷暖房媒体
を充填した後、排気弁VR1aを閉鎖し、充填バルブV
R1b、VA1を開通して、通常の冷房運転あるいは通
常の暖房運転を開始する。
【0014】通常の冷房運転あるいは通常の暖房運転で
は、ポンプP1で蓄熱槽B内の冷暖房媒体をファンコイ
ルユニット11〜16に圧送し、冷暖房媒体を媒体落下
防止装置T1を介して蓄熱槽Bに戻す。なお、媒体落下
防止装置T1に蓄えられた冷暖房媒体の液面Rsが、循
環経路の最上部(この場合、排気弁VR1a)より低い
位置、且つ当該冷暖房媒体の最大吸い上げ高さ(水の場
合は約10m)以内となる位置に、媒体落下防止装置T
1を配置している。つまり、冷暖房媒体に水を用いた場
合、H1は10m以内(例えば、9m)に設定する。
【0015】また、ヒートポンプ2(熱交換ユニット)
を含む循環経路に冷暖房媒体(例えば、水)を循環させ
る第2の循環経路において、ヒートポンプ2から排出さ
れる冷暖房媒体は、導入管R2bを介して媒体落下防止
装置T2に導かれる。媒体落下防止装置T2の構成は媒
体落下防止装置T1と同様であるので説明を省略する。
以下、循環経路中に冷暖房媒体が充填されていない初期
運転時等の動作、循環経路に冷暖房媒体を充填した後の
動作は、第1の循環経路で説明した動作と同様であるの
で、説明を省略する。なお、媒体落下防止装置T2に蓄
えられた冷暖房媒体の液面が、循環経路の最上部(この
場合、排気弁VR2a)より低い位置、且つ当該冷暖房
媒体の最大吸い上げ高さ(水の場合は約10m)以内と
なる位置に、媒体落下防止装置T2を配置している。つ
まり、冷暖房媒体に水を用いた場合、H2は10m以内
(例えば、9m)に設定する。
【0016】次に、図2(A)、(B)を用いて、本発
明の冷暖房設備で利用している液体に関する原理につい
て簡単に説明する。図2(A)は、第1原理(最大吸い
上げ高さ)を説明する図である。液体が蓄えられた容器
G1に、一方が開通された筒状容器G2(この場合、左
側が開通している)を沈めて、筒状容器G2内に空気が
入らないように持ち上げる。すると、筒状容器G2内の
液体の液面は、容器G1の液体の液面より上がる。この
とき、筒状容器G2内の上部Paはほぼ真空状態であ
り、筒状容器G2内の液体(容器G1の液面よりも高い
位置の液体)にかかる重力と、容器G1の液面に作用し
ている大気圧Pとが平衡状態となっている。このとき、
筒状容器G2内の液体の液面の高さの最大値(Hma
x)を、当該液体の最大吸い上げ高さとする。最大吸い
上げ高さは、液体の種類によって異なり、例えば、水の
場合は約10mである。重力に逆らって液体を吸い上げ
る場合は、当該最大吸い上げ高さ以上には吸い上げるこ
とができない。また、系内を液体で充填して系内に空気
を含まなければ、最大吸い上げ高さ以内であれば、系内
に液体を充填した状態を維持できる。この原理により、
図1において第1の循環経路では、H1が最大吸い上げ
高さ以下であるため、媒体落下防止装置T1に冷暖房媒
体を導入する導入管R1b内の冷暖房媒体は、系内に冷
暖房媒体を充填した状態を維持し、媒体落下防止装置T
1内に落下して来ることはない。
【0017】図2(B)は、第2原理(サイフォンの原
理)を説明する図である。液体が蓄えられた容器G3及
びG4を、液体で充填された配管G5で接続し、容器G
3内の液面高さと容器G4内の液面高さに差(この場
合、HS1の差)を持たせる。すると、高い方の容器内
の液体(この場合、容器G4内の液体)が、配管G5を
昇って低い方の容器へ移動し、やがて双方の容器内の液
面の高さが一致して、液体の移動が停止する。このと
き、H4、H5は最大吸い上げ高さ以下でなければこの
現象は発生しない。図1において第1の循環経路では、
媒体落下防止装置T1の液面Rsの高さ以上の部分が、
サイフォンの原理を利用している。この原理により、媒
体落下防止装置T1の液面Rsの高さ以上の部分に充填
されている冷暖房媒体は自然に媒体落下防止装置T1へ
と移動することになる。
【0018】◆[第1の実施の形態]次に、第1の実施
の形態を、図3を用いて説明する。図3は、冷房運転時
における第1の循環経路及び冷暖房媒体の充填状態を示
している。第1の循環経路中の斜線及びドットで示した
部分には冷暖房媒体が充填されていることを示してい
る。なお、ドットで示した部分(媒体落下防止装置T1
内の液面より高い部分及び媒体落下防止装置T1内の部
分)の冷暖房媒体は既に説明した第1原理及び第2原理
を利用している部分であり、斜線で示した部分の冷暖房
媒体は当該原理を利用していない部分である。
【0019】冷房運転時は、切替えバルブVH1及びV
L2を閉鎖し、切替えバルブVH2及びVL1を開通す
る。(暖房運転時には、閉鎖と開通が逆になる。)そし
て、ポンプP1で蓄熱槽B内の下層部口SLから比較的
低温の冷暖房媒体を吸い上げ、吸い上げた冷暖房媒体
を、逆流防止弁VR1を介して配管R1aに圧送し、フ
ァンコイルユニット11〜16に供給する。ファンコイ
ルユニット11〜16に供給された比較的低温の冷暖房
媒体は、ファンコイルユニット11〜16によって各階
の室内の冷房に使用され、熱交換の結果、温度を上昇さ
せながら導入管R1bに排出されていく。導入管R1b
に排出された冷暖房媒体は、媒体落下防止装置T1内の
媒体貯蔵部に蓄えられる。そして、当該媒体貯蔵部に蓄
えられた冷暖房媒体は、所定量を超えると(この場合、
排出口Routの高さに達すると)排出管R1cを介し
て自己の重力により、自然に蓄熱槽Bに戻る。従来の冷
暖房設備では、図5(C)に示す特性の落下防止弁VR
1Eにより、冷暖房媒体が蓄熱槽Bに戻る際、Ps以上
の圧力により、一気にM1の流量が戻る(微小量を徐々
に戻すことができなかった)。このため、蓄熱槽B内の
温度成層を乱す可能性があった。しかし、本実施の形態
では、冷暖房媒体を蓄熱槽に、微小量から徐々に戻すこ
とが適切にできるので、蓄熱槽B内の温度成層を乱すこ
とを抑制でき、効率の向上に寄与している。
【0020】第1原理は、媒体落下防止装置T1内の液
面Rsより高い部分(図3中の(E1)部分)における
導入管R1b内に充填されている冷暖房媒体の部分及び
媒体落下防止装置T1内の冷暖房媒体の部分(図3中の
ドットで示した部分)に利用されている。第2原理は、
媒体落下防止装置T1内の液面Rsより高い部分(図3
中の(E1)部分)における導入管R1b内に充填され
ている冷暖房媒体の部分及び媒体落下防止装置T1内の
冷暖房媒体の部分(図3中のドットで示した部分)に利
用されている。(蓄熱槽Bの液面を媒体落下防止装置T
1の液面の高さまで持ち上げれば、図2(B)とほぼ同
じ状態となる。) このため、媒体落下防止装置T1内の液面Rsより高い
部分の冷暖房媒体は、媒体落下防止装置T1内に落下す
ることなく(第1原理より)、ポンプP1からの比較的
小さな圧送力(図3中の(E1)の高さ分を圧送する圧
送力よりも、充分小さな圧送力)でも容易に移動させる
ことが可能である(第2原理より)。ポンプP1を停止
して循環経路内に冷暖房媒体を充填させている場合(こ
の場合、冷暖房媒体は循環経路内に留まっていて移動し
ない)は、第1原理を利用している。また、ポンプP1
を駆動して循環経路内の冷暖房媒体を充填させつつ移動
させる場合は、第1原理と第2原理を利用している。
【0021】これにより、ポンプP1で蓄熱槽B内の冷
暖房媒体を媒体落下防止装置T1の液面Rsの高さより
少し高い位置まで持ち上げれば、冷暖房媒体は自然に媒
体落下防止装置T1へと移動することになる。つまり、
図3に示す本実施の形態では、ポンプP1は、第1の循
環経路の最上部(この場合、排気弁VR1a)まで冷暖
房媒体を持ち上げる必要がなく、媒体落下防止装置T1
の液面Rsの高さより少し高い位置まで持ち上げるだけ
でよく、ポンプP1のエネルギー消費量を低減でき、効
率を向上させることができる。なお、第2の循環経路に
ついては、第1の循環経路と同様であるので、説明を省
略する。
【0022】次に、ポンプP1のエネルギー消費量(第
1の循環経路におけるエネルギー消費量)を、具体的な
例で説明する。ここでは判り易くするために、ポンプP
1の仕事に対するエネルギーを、すべて高さ(m)に変
換して説明する。図5に示す従来の冷暖房設備における
ポンプP1の場合、各階の高さを3.8m、蓄熱槽Bの
液面から1階フロアまでを2.2mとする。また、蓄熱
槽Bの液面から第1の循環経路の最上部(この場合、排
気弁VR1a)までを25mとする。ポンプP1は、冷
暖房媒体を、蓄熱槽Bの液面から第1の循環経路の最上
部の高さまで圧送するために、25m分の仕事を要し、
ファンコイルユニットの抵抗として、例えば5m分の仕
事を要する。また、第1の循環経路(この場合、落下防
止弁VR1Eを除く)の全配管抵抗として、例えば5m
分の仕事を要する。更に、落下防止弁VR1Eを加圧し
て開通させるために、例えば5m分の仕事を要する。以
上により、ポンプP1の仕事量の合計は、40m(=2
5m+5m+5m+5m)となる。
【0023】図3に示す第1の実施の形態におけるポン
プP1の場合、ポンプP1は、冷暖房媒体を、蓄熱槽B
の液面から媒体落下防止装置T1内の液面Rsの高さま
で圧送するために、16m(=25m−9m)分の仕事
を要し、ファンコイルユニットの抵抗として、例えば5
m分の仕事を要する。また、落下防止弁VR1Eを除い
た、第1の循環経路の全配管抵抗として、5m分の仕事
を要するのは同じである。また、落下防止弁VR1Eを
加圧して開通させる仕事量は、0mである。以上によ
り、ポンプP1の仕事量の合計は、26m(=16m+
5m+5m+0m)となり、従来と比較して、仕事量
(エネルギー消費量)をより低減して効率をより向上さ
せることが可能となる。
【0024】また、媒体落下防止装置T1は、容器(媒
体貯蔵部)と配管(導入管、排出管、大気導入管(大気
導入口))で構成されている極めて単純な構造であり、
目詰まり等の故障がほとんど発生しない。このため、媒
体落下防止装置T1のメンテナンス性は、落下防止弁V
R1Eと比較して、非常に良い。なお、媒体落下防止装
置T1内の液面Rsより上部の空間部分の容量、大気導
入管A1の長さは、例えば、循環経路に異常等(最上部
からエアが混入等)が発生して、液面Rsより上部の循
環経路中の冷暖房媒体が、媒体落下防止装置T1内に一
気に流れ込んだ場合であっても、冷暖房媒体が外部に溢
れないような容量、長さに設定しておくことが好まし
い。
【0025】◆[第2の実施の形態]次に、図4を用い
て、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の
形態の説明では、第1の実施の形態との相違点について
説明する。第2の実施の形態では、媒体落下防止装置T
1内の冷暖房媒体の液面Rsが、循環経路の最上部とな
るように、媒体落下防止装置T1を設ける。この場合、
排気弁VR1a、充填バルブVR1b、VA1を省略す
ることができる。その理由は、循環経路に混入したエア
等は、自動的に最上部の媒体落下防止装置T1に達し、
媒体落下防止装置T1内で気泡となって排出され、その
まま大気中に排出されるからである。よって、初期運転
時等、循環経路にエア等が混入した場合であっても、排
気弁VR1a、充填バルブVR1b、VA1の操作が不
要である。このため、メンテナンス性は、第1の実施の
形態よりも更に良い。しかし、第2の実施の形態では、
第1原理及び第2原理を利用している部分は見当たらな
い。このため、効率は第1の実施の形態には及ばない。
図4は、冷房運転時における第1の循環経路及び冷暖房
媒体の充填状態を示している。第1の循環経路中の斜線
で示した部分には冷暖房媒体が充填されていることを示
している。冷房運転時等の動作について、第1原理、第
2原理を利用していないこと以外は第1の実施の形態と
同様であるので説明を省略する。
【0026】次に、ポンプP1のエネルギー消費量(第
1の循環経路におけるエネルギー消費量)を、具体的な
例で説明する。図4に示す第2の実施の形態におけるポ
ンプP1の場合、ポンプP1は、冷暖房媒体を、蓄熱槽
Bの液面から媒体落下防止装置T1内の液面Rsの高さ
まで圧送するために、25m分の仕事を要し、ファンコ
イルユニットの抵抗として、例えば5m分の仕事を要す
る。また、落下防止弁VR1Eを除いた、第1の循環経
路の全配管抵抗として、5m分の仕事を要するのは同じ
である。また、落下防止弁VR1Eを加圧して開通させ
る仕事量は、0mである。以上により、ポンプP1の仕
事量の合計は、35m(=25m+5m+5m+0m)
となり、従来と比較して、仕事量(エネルギー消費量)
を低減することが可能となるが、第1の実施の形態の低
減量には及ばない。しかし、第2の実施の形態では、上
記に説明したように、排気弁VR1a、充填バルブVR
1b、VA1を省略できるので、第1の実施の形態より
も、更にメンテナンス性が良い。また、循環経路内に混
入したエア等が自動的に抜けるので、エア等の混入時間
が短くなり、配管等の腐食の進行が抑制され、非常に高
い信頼性を有している。
【0027】本発明の冷暖房設備は、本実施の形態で説
明した構成、形状、寸法等に限定されず、本発明の要旨
を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能であ
る。例えば、大気導入管A1の代わりに大気導入口のみ
を設けてもよい。また、蓄熱槽Bは、本実施の形態で説
明した成層型蓄熱槽の他にも、種々の蓄熱槽を用いるこ
とが可能である。落下防止弁VR1E、VR2Eの構
造、形状、特性等は、図5(B)、(C)に限定される
ものではない。本発明の冷暖房設備は、建築物の冷暖房
設備に限定されず、液体を最大吸い上げ高さ以上に圧送
する様々な設備に適用することが可能である。また、以
上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)
等は、等号を含んでも含まなくてもよい。また、本実施
の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限
定されるものではない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4のい
ずれかに記載の冷暖房設備を用いれば、より高い効率
で、且つメンテナンスがより容易な冷暖房設備を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷暖房設備の一実施の形態の概略構成
図である。
【図2】本発明の冷暖房設備で利用している原理を説明
する図である。
【図3】第1の実施の形態において、冷房運転時におけ
る第1の循環経路及び冷暖房媒体の充填状態を示す図で
ある。
【図4】第2の実施の形態において、冷房運転時におけ
る第1の循環経路及び冷暖房媒体の充填状態を示す図で
ある。
【図5】従来の冷暖房設備の概略構成図である。
【符号の説明】
2 ヒートポンプ 11〜16 ファンコイルユニット B 蓄熱槽 R1a、R2a 配管 R1b、R2b 導入管 Rin 導入口 R1c、R2c 排出管 Rout 排出口 Rs 液面 Rair 大気導入口 A1、A2 大気導入管 P1、P2 ポンプ VR1、VR2 逆流防止弁 VR1a、VR2a 排気弁 VA1、VA2、VR1b、VR2b 充填バルブ T1、T2 媒体落下防止装置 VR1E、VR2E 落下防止弁 VH1、VH2、VL1、VL2 切替えバルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体状態の冷暖房媒体を熱交換ユニット
    に供給して冷房あるいは暖房に利用する冷暖房設備であ
    って、 蓄熱槽と、冷暖房媒体と、ポンプと、熱交換ユニット
    と、媒体落下防止装置とを備え、 媒体落下防止装置は、熱交換ユニットを通過した冷暖房
    媒体を媒体貯蔵部に導入する導入管と、導入した冷暖房
    媒体を蓄える媒体貯蔵部と、媒体貯蔵部に蓄えた冷暖房
    媒体の液面上部をほぼ大気圧に維持する大気導入口と、
    媒体貯蔵部に蓄えた冷暖房媒体を蓄熱槽に排出する排出
    管とで構成され、 排出管の一方の先端は媒体貯蔵部の所定の高さに設けら
    れ、排出管の他方の先端は蓄熱槽に接続され、 大気導入口は、媒体貯蔵部に設けられた排出管の一方の
    先端よりも高い位置の媒体貯蔵部に設けられ、 導入管の一方の先端は媒体貯蔵部に設けられた排出管の
    一方の先端よりも低い位置の媒体貯蔵部に設けられ、導
    入管の他方の先端は熱交換ユニットの冷暖房媒体排出側
    に接続され、 蓄熱槽に蓄えられた冷暖房媒体をポンプで熱交換ユニッ
    トに圧送し、当該熱交換ユニットを通過した冷暖房媒体
    を、導入管を介して媒体落下防止装置の媒体貯蔵部に蓄
    え、媒体貯蔵部に蓄えた冷暖房媒体のうちで所定量を超
    える冷暖房媒体を、排出管を介して蓄熱槽に帰還させる
    循環経路を構成し、 媒体落下防止装置に蓄えられた冷暖房媒体の液面が、循
    環経路の冷暖房媒体最上部より低い位置、且つ当該冷暖
    房媒体の最大吸い上げ高さ以内となる位置に、媒体落下
    防止装置を配置する、ことを特徴とする冷暖房設備。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冷暖房設備であって、 循環経路の最上部には、循環経路内と大気とを接続する
    排気管を開通あるいは閉鎖可能な第1の弁が設けられ、 排出管には、当該排出管を開通あるいは閉鎖可能な第2
    の弁が設けられ、 大気導入口には、当該大気導入口を開通あるいは閉鎖可
    能な第3の弁が設けられている、 ことを特徴とする冷暖房設備。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の冷暖房設備であって、 媒体落下防止装置の配置位置を、媒体落下防止装置に蓄
    えられた冷暖房媒体の液面が、循環経路の冷暖房媒体最
    上部となる位置に配置する、ことを特徴とする冷暖房設
    備。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の冷暖房
    設備であって、 熱交換ユニットとして冷暖房媒体が供給されて冷房ある
    いは暖房を行うファンコイルユニットを用いた第1の循
    環経路と、熱交換ユニットとして冷暖房媒体が供給され
    て冷暖房媒体を冷却あるいは加熱するヒートポンプを用
    いた第2の循環経路の、少なくとも一方の循環経路を有
    する、ことを特徴とする冷暖房設備。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006313059A (ja) * 2005-04-05 2006-11-16 Univ Of Tokyo 省エネルギー空調用擬似密閉型冷温水循環システムおよび低損失流体搬送システム
CN103196186A (zh) * 2013-03-13 2013-07-10 广西比迪光电科技工程有限责任公司 一种带蓄水箱的中央空调系统
JP2013213672A (ja) * 2013-07-26 2013-10-17 Sasakura Engineering Co Ltd 空調装置
KR102168523B1 (ko) * 2020-02-06 2020-10-21 주식회사 숨터 축열 및 지열을 이용하기 위한 호흡관 모듈 및 이를 이용한 물 생성시스템

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