JP2003240015A - 変速機用同期装置 - Google Patents
変速機用同期装置Info
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- JP2003240015A JP2003240015A JP2002039569A JP2002039569A JP2003240015A JP 2003240015 A JP2003240015 A JP 2003240015A JP 2002039569 A JP2002039569 A JP 2002039569A JP 2002039569 A JP2002039569 A JP 2002039569A JP 2003240015 A JP2003240015 A JP 2003240015A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 レバー部材のてこ作用により同期容量の増大
をはかった変速機の同期装置であって、レバー部材をハ
ブのフランジ部に設けた切り欠き内部に配置する同期装
置において、ハブの形状を単純化して製造コストを下げ
る。 【解決手段】 レバー部材30とハブ12との間にプレ
ート32を設け、該プレート32に、レバー部材30の
端部(支点)30−3a、30−3bを軸方向に支持す
る面面32−1a、32−1bと、ハブ12のフランジ
部12−2に軸方向の係合が可能な係止部32−3a、
32−3b,32−4a、32−4bとを設けた。
をはかった変速機の同期装置であって、レバー部材をハ
ブのフランジ部に設けた切り欠き内部に配置する同期装
置において、ハブの形状を単純化して製造コストを下げ
る。 【解決手段】 レバー部材30とハブ12との間にプレ
ート32を設け、該プレート32に、レバー部材30の
端部(支点)30−3a、30−3bを軸方向に支持す
る面面32−1a、32−1bと、ハブ12のフランジ
部12−2に軸方向の係合が可能な係止部32−3a、
32−3b,32−4a、32−4bとを設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用変速機の変
速操作(ギヤ切り替え)時に、変速ギヤへ向かうスリー
ブの押圧力を、倍力して同期リングを押圧する変速機用
同期装置に関する。
速操作(ギヤ切り替え)時に、変速ギヤへ向かうスリー
ブの押圧力を、倍力して同期リングを押圧する変速機用
同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スリーブとハブおよび同期リング
との間に複数のレバー部材を配置し、スリーブがレバー
部材のてこ作用で同期リングを倍力して押圧する変速機
用同期装置であって、レバー部材をハブのフランジ部に
設けた切り欠き内部に配置したものとしては、本出願人
が特願2000−403857号にて出願した例があ
る。
との間に複数のレバー部材を配置し、スリーブがレバー
部材のてこ作用で同期リングを倍力して押圧する変速機
用同期装置であって、レバー部材をハブのフランジ部に
設けた切り欠き内部に配置したものとしては、本出願人
が特願2000−403857号にて出願した例があ
る。
【0003】上記、従来例にあっては、スリーブとハブ
および同期リングとの間に、ハブのフランジ部に形成し
た複数の切り欠き内部にレバー部材が配置され、スリー
ブの変速ギヤへ向かう移動による押圧力をレバー部材の
てこ作用で倍力して前記同期リングに伝達することによ
り、同期リングと変速ギヤとの摩擦面同士を強力に圧接
する。この結果、スリーブを押圧する操作力を同じとし
て比較した場合、一般的なワーナー型の同期装置より高
い同期容量(摩擦トルク)を得ることができる。しか
も、ハブのフランジ部に設けた切り欠きの内部にレバー
部材を配置したため、軸方向スペースの制約に左右され
ない長所を持っている。
および同期リングとの間に、ハブのフランジ部に形成し
た複数の切り欠き内部にレバー部材が配置され、スリー
ブの変速ギヤへ向かう移動による押圧力をレバー部材の
てこ作用で倍力して前記同期リングに伝達することによ
り、同期リングと変速ギヤとの摩擦面同士を強力に圧接
する。この結果、スリーブを押圧する操作力を同じとし
て比較した場合、一般的なワーナー型の同期装置より高
い同期容量(摩擦トルク)を得ることができる。しか
も、ハブのフランジ部に設けた切り欠きの内部にレバー
部材を配置したため、軸方向スペースの制約に左右され
ない長所を持っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の従来の変速
機用同期装置にあっては、特願2000−403857
号の図10に示すように、レバー部材をハブのフランジ
部に形成した切り欠き内部に内蔵するように配置してい
るので、レバー部材を支持するためハブのレバー部材の
支点からの反力を受ける面の一方側に切り欠きを形成す
るとともに、他方側にスラストワッシャーを係止するス
ナップリング用の溝を形成する必要があった。このた
め、一般的に乗用車用変速機のハブを製造するには焼結
成形工法が用いられるがこの場合、成形プレス設備に高
度な能力を必要とするとともに、スナップリング溝は機
械加工を要するので、ハブの製造コストが高くなるとい
う問題があった。
機用同期装置にあっては、特願2000−403857
号の図10に示すように、レバー部材をハブのフランジ
部に形成した切り欠き内部に内蔵するように配置してい
るので、レバー部材を支持するためハブのレバー部材の
支点からの反力を受ける面の一方側に切り欠きを形成す
るとともに、他方側にスラストワッシャーを係止するス
ナップリング用の溝を形成する必要があった。このた
め、一般的に乗用車用変速機のハブを製造するには焼結
成形工法が用いられるがこの場合、成形プレス設備に高
度な能力を必要とするとともに、スナップリング溝は機
械加工を要するので、ハブの製造コストが高くなるとい
う問題があった。
【0005】また、ハブの切り欠き内部にレバー部材と
このレバー部材を半径方向外側へ付勢するスプリングと
を組み込む際に、スプリングが弾性によって自由状態で
あり、切り欠きから外れやすいこともあって、手作業の
組付けが困難で時間がかかるため、組立コストが高くな
るという問題もあった。
このレバー部材を半径方向外側へ付勢するスプリングと
を組み込む際に、スプリングが弾性によって自由状態で
あり、切り欠きから外れやすいこともあって、手作業の
組付けが困難で時間がかかるため、組立コストが高くな
るという問題もあった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、レバー部材を設けるためのハ
ブを単純な形状にすることにより、ハブの成形に高能力
の設備を要しないようにするとともに、ハブにスナップ
リング溝を形成しなくても済むようにして、製造コスト
を下げることを目的とする。
てなされたものであって、レバー部材を設けるためのハ
ブを単純な形状にすることにより、ハブの成形に高能力
の設備を要しないようにするとともに、ハブにスナップ
リング溝を形成しなくても済むようにして、製造コスト
を下げることを目的とする。
【0007】さらに本発明は、ハブの切り欠きにスプリ
ングとともにレバー部材を組み付ける際に、スプリング
の組付けを容易にして組立コストを安くすることも目的
とする。
ングとともにレバー部材を組み付ける際に、スプリング
の組付けを容易にして組立コストを安くすることも目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の本発明の変速機用同期装置は、動
力を伝える軸と、この軸に固定されるボス部から半径方
向に延ばしたフランジ部の外周にスプラインを有するハ
ブと、内周にスプラインが形成されハブの外周にスプラ
イン嵌合により支持されたスリーブと、スリーブが嵌合
可能なスプラインおよび同期のための摩擦面がハブ側に
一体に設けられた変速ギヤと、この変速ギヤの摩擦面に
圧接可能な摩擦面を有する同期リングと、スリーブとハ
ブおよび同期リングとの間に配置された複数のレバー部
材を備え、ハブのフランジ部に形成した複数の略平行な
2側面を有する切り欠きの中にレバー部材を配置して、
レバー部材によるてこ作用でスリーブの変速ギヤへ向か
う移動による押圧力を倍力して同期リングに伝達する変
速機用同期装置であって、レバー部材とハブとの間にプ
レートを設け、プレートに、レバー部材の端部を軸方向
に支持する面と、ハブのフランジ部に軸方向の係合が可
能な係止部とを設けたことを特徴とする。
め、請求項1に記載の本発明の変速機用同期装置は、動
力を伝える軸と、この軸に固定されるボス部から半径方
向に延ばしたフランジ部の外周にスプラインを有するハ
ブと、内周にスプラインが形成されハブの外周にスプラ
イン嵌合により支持されたスリーブと、スリーブが嵌合
可能なスプラインおよび同期のための摩擦面がハブ側に
一体に設けられた変速ギヤと、この変速ギヤの摩擦面に
圧接可能な摩擦面を有する同期リングと、スリーブとハ
ブおよび同期リングとの間に配置された複数のレバー部
材を備え、ハブのフランジ部に形成した複数の略平行な
2側面を有する切り欠きの中にレバー部材を配置して、
レバー部材によるてこ作用でスリーブの変速ギヤへ向か
う移動による押圧力を倍力して同期リングに伝達する変
速機用同期装置であって、レバー部材とハブとの間にプ
レートを設け、プレートに、レバー部材の端部を軸方向
に支持する面と、ハブのフランジ部に軸方向の係合が可
能な係止部とを設けたことを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の本発明の変速機用同期装
置は、プレートとレバー部材との間に、レバー部材を常
に半径方向外側へ押すように付勢したスプリングを設け
たことを特徴とする。
置は、プレートとレバー部材との間に、レバー部材を常
に半径方向外側へ押すように付勢したスプリングを設け
たことを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の本発明の変速機用同期装
置は、スプリングに、ハブのフランジ部に軸方向の係合
が可能な係止部を形成したことを特徴とする。
置は、スプリングに、ハブのフランジ部に軸方向の係合
が可能な係止部を形成したことを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の本発明の変速機用同期装
置は、スプリングとプレートとは、これらを組み合わせ
た状態で、両者がスプリングの弾性で一体になるような
係止部を、スプリングまたはプレートのいずれかに設け
たことを特徴とする。
置は、スプリングとプレートとは、これらを組み合わせ
た状態で、両者がスプリングの弾性で一体になるような
係止部を、スプリングまたはプレートのいずれかに設け
たことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用】請求項1に記載の本発明の変速機用同期
装置にあっては、動力を伝える軸と、この軸に固定され
るボス部から半径方向に延ばしたフランジ部の外周にス
プラインを有するハブと、内周にスプラインが形成され
ハブの外周にスプライン嵌合により支持されたスリーブ
と、スリーブが嵌合可能なスプラインおよび同期のため
の摩擦面がハブ側に一体に設けられた変速ギヤと、この
変速ギヤの摩擦面に圧接可能な摩擦面を有する同期リン
グと、スリーブとハブおよび同期リングとの間に配置さ
れた複数のレバー部材を備え、ハブのフランジ部に形成
した複数の略平行な2側面を有する切り欠きの中にレバ
ー部材を配置して、レバー部材によるてこ作用でスリー
ブの変速ギヤへ向かう移動による押圧力を倍力して同期
リングに伝達する変速機用同期装置であって、レバー部
材とハブとの間にプレートを設け、プレートに、レバー
部材の端部を軸方向に支持する面と、ハブのフランジ部
に軸方向の係合が可能な係止部とを設けたため、同期作
用を行う際に、レバー部材はハブに係止されたプレート
との接点を支点としたてこ作用で、スリーブの押圧力を
倍力して同期リングに伝達する。
装置にあっては、動力を伝える軸と、この軸に固定され
るボス部から半径方向に延ばしたフランジ部の外周にス
プラインを有するハブと、内周にスプラインが形成され
ハブの外周にスプライン嵌合により支持されたスリーブ
と、スリーブが嵌合可能なスプラインおよび同期のため
の摩擦面がハブ側に一体に設けられた変速ギヤと、この
変速ギヤの摩擦面に圧接可能な摩擦面を有する同期リン
グと、スリーブとハブおよび同期リングとの間に配置さ
れた複数のレバー部材を備え、ハブのフランジ部に形成
した複数の略平行な2側面を有する切り欠きの中にレバ
ー部材を配置して、レバー部材によるてこ作用でスリー
ブの変速ギヤへ向かう移動による押圧力を倍力して同期
リングに伝達する変速機用同期装置であって、レバー部
材とハブとの間にプレートを設け、プレートに、レバー
部材の端部を軸方向に支持する面と、ハブのフランジ部
に軸方向の係合が可能な係止部とを設けたため、同期作
用を行う際に、レバー部材はハブに係止されたプレート
との接点を支点としたてこ作用で、スリーブの押圧力を
倍力して同期リングに伝達する。
【0013】請求項2に記載の本発明の変速機用同期装
置にあっては、プレートとレバー部材との間に、レバー
部材を常に半径方向外側へ押すように付勢したスプリン
グを設けたため、同期作用を始める際にスリーブは、ス
プリングの弾性による付勢力に対抗してレバー部材を半
径方向内側へ押すとともに、レバー部材が同期リングを
押圧して摩擦トルクが発生する。
置にあっては、プレートとレバー部材との間に、レバー
部材を常に半径方向外側へ押すように付勢したスプリン
グを設けたため、同期作用を始める際にスリーブは、ス
プリングの弾性による付勢力に対抗してレバー部材を半
径方向内側へ押すとともに、レバー部材が同期リングを
押圧して摩擦トルクが発生する。
【0014】請求項3に記載の本発明の変速機用同期装
置にあっては、スプリングに、ハブのフランジ部に軸方
向の係合が可能な係止部を形成したため、ハブの切り欠
きに組みつけた際に、スプリングはハブに係止される。
置にあっては、スプリングに、ハブのフランジ部に軸方
向の係合が可能な係止部を形成したため、ハブの切り欠
きに組みつけた際に、スプリングはハブに係止される。
【0015】請求項4に記載の本発明の変速機用同期装
置にあっては、スプリングとプレートとは、これらを組
み合わせた状態で、両者がスプリングの弾性で一体にな
るような係止部を、スプリングまたはプレートのいずれ
かに設けたため、ハブに組みつける際に両者は一体にな
った状態を保持する。
置にあっては、スプリングとプレートとは、これらを組
み合わせた状態で、両者がスプリングの弾性で一体にな
るような係止部を、スプリングまたはプレートのいずれ
かに設けたため、ハブに組みつける際に両者は一体にな
った状態を保持する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を図に基
づき説明する。図1、図2は、本発明に係る車両用変速
機における1速および2速の同期装置の要部を示す。図
1は図2におけるA−A線の断面図である。図2は図1
における出力軸と1速ギヤ、2速ギヤと2速同期リング
を取り去って右側(1速ギヤ側)から見た外観図であ
り、スリーブのみ断面を表している。
づき説明する。図1、図2は、本発明に係る車両用変速
機における1速および2速の同期装置の要部を示す。図
1は図2におけるA−A線の断面図である。図2は図1
における出力軸と1速ギヤ、2速ギヤと2速同期リング
を取り去って右側(1速ギヤ側)から見た外観図であ
り、スリーブのみ断面を表している。
【0017】また、図3は、図2の部分拡大図であり、
わかりやすくするためスリーブを取り去った状態で描い
てある。図4は、図1の部分拡大図であり、2速ギヤ側
を描いてある。図5は、ハブの外観図であり、図1にお
いて左側から見た図である。図6はプレートの外観図、
図6はスプリングの外観図であり、いずれも図3におい
て上方から見た図である。
わかりやすくするためスリーブを取り去った状態で描い
てある。図4は、図1の部分拡大図であり、2速ギヤ側
を描いてある。図5は、ハブの外観図であり、図1にお
いて左側から見た図である。図6はプレートの外観図、
図6はスプリングの外観図であり、いずれも図3におい
て上方から見た図である。
【0018】図1において、10は出力軸であり、図示
はしないが出力軸10は車輪と連結されており、車両を
駆動する。この出力軸10は、図中、中央部には外スプ
ライン部10−1が、この右隣には大径部10−2が、
左隣には小径部10−3が一体的に形成してある。
はしないが出力軸10は車輪と連結されており、車両を
駆動する。この出力軸10は、図中、中央部には外スプ
ライン部10−1が、この右隣には大径部10−2が、
左隣には小径部10−3が一体的に形成してある。
【0019】この出力軸10の外スプライン部10−1
には、ハブ12をスプライン結合して常時一体回転する
ようにしてある。ハブ12は内周側のボス12−1とこ
のボス12−1から半径方向外側へ伸ばされた薄肉のフ
ランジ部12−2と、このフランジ部12−2の外周の
環状部12−3に形成したスプライン12−4からな
り、このスプライン12−4にリング状のスリーブ14
のスプライン14−1が噛み合わされて、スリーブ14
を回転方向に一体でかつ軸方向に相対移動可能に支持し
ている。
には、ハブ12をスプライン結合して常時一体回転する
ようにしてある。ハブ12は内周側のボス12−1とこ
のボス12−1から半径方向外側へ伸ばされた薄肉のフ
ランジ部12−2と、このフランジ部12−2の外周の
環状部12−3に形成したスプライン12−4からな
り、このスプライン12−4にリング状のスリーブ14
のスプライン14−1が噛み合わされて、スリーブ14
を回転方向に一体でかつ軸方向に相対移動可能に支持し
ている。
【0020】スプライン14−1の内周には、図3に示
すように斜面14−2aおよび14−2bからなる溝1
4−2が形成されている。スリーブ14の外周には周方
向に沿ってフォーク溝14−3が形成され、図示しない
シフトフォークが摺動可能に嵌め合わされて、図示しな
いシフトレバーにより、これに連動してシフトフォーク
が回転するスリーブ14を軸方向に移動可能である。
すように斜面14−2aおよび14−2bからなる溝1
4−2が形成されている。スリーブ14の外周には周方
向に沿ってフォーク溝14−3が形成され、図示しない
シフトフォークが摺動可能に嵌め合わされて、図示しな
いシフトレバーにより、これに連動してシフトフォーク
が回転するスリーブ14を軸方向に移動可能である。
【0021】上記大径部10−2は、外周に軸受16a
を介して1速ギヤ18(変速ギヤ)を回転自在に支持し
ており、この1速ギヤ18は出力軸10に平行に配置さ
れた図示しない入力軸に一体の1速入力ギヤと常時噛み
合っている。1速ギヤ18のハブ12側には円錐状の摩
擦面18−1とスプライン18−2を形成する。1速ギ
ヤ18は、ハブ12と出力軸10の肩10−4により軸
方向の移動を規制されている。
を介して1速ギヤ18(変速ギヤ)を回転自在に支持し
ており、この1速ギヤ18は出力軸10に平行に配置さ
れた図示しない入力軸に一体の1速入力ギヤと常時噛み
合っている。1速ギヤ18のハブ12側には円錐状の摩
擦面18−1とスプライン18−2を形成する。1速ギ
ヤ18は、ハブ12と出力軸10の肩10−4により軸
方向の移動を規制されている。
【0022】一方、小径部10−3には、ハブ12の左
側に隣接してブッシュ20が固定され、軸受16bを介
して2速ギヤ22(変速ギヤ)を回転自在に支承する。
2速ギヤ22は、図示しない入力軸に一体の2速入力ギ
ヤと常時噛み合っている。2速ギヤ22のハブ12側に
は円錐状の摩擦面22−1とスプライン22−2を形成
する。ブッシュ20の左側には、スラストワッシャー2
4が出力軸10に固定されており、2速ギヤ22は該ス
ラストワッシャー24とハブ12により軸方向の移動を
規制されている。
側に隣接してブッシュ20が固定され、軸受16bを介
して2速ギヤ22(変速ギヤ)を回転自在に支承する。
2速ギヤ22は、図示しない入力軸に一体の2速入力ギ
ヤと常時噛み合っている。2速ギヤ22のハブ12側に
は円錐状の摩擦面22−1とスプライン22−2を形成
する。ブッシュ20の左側には、スラストワッシャー2
4が出力軸10に固定されており、2速ギヤ22は該ス
ラストワッシャー24とハブ12により軸方向の移動を
規制されている。
【0023】スリーブ14は、図1の状態のようにハブ
12のスプライン12−4のみに噛み合いスプライン1
8−2、22−2とは噛み合わない中立位置、図1の状
態から右方へ所定量移動したときは、スリーブ14の左
方部分がハブ12のスプライン12−4に噛み合ったま
ま右方部分が1速ギヤ18のスプライン18−2に噛み
合う1速位置、図1の状態から左方へ所定量移動したと
きは、スリーブ12の右方部分がハブ12のスプライン
12−4に噛み合ったまま左方部分が2速ギヤ22のス
プライン22−2に噛み合う2速位置となるスリーブ1
4の長さ、および位置関係としてある。
12のスプライン12−4のみに噛み合いスプライン1
8−2、22−2とは噛み合わない中立位置、図1の状
態から右方へ所定量移動したときは、スリーブ14の左
方部分がハブ12のスプライン12−4に噛み合ったま
ま右方部分が1速ギヤ18のスプライン18−2に噛み
合う1速位置、図1の状態から左方へ所定量移動したと
きは、スリーブ12の右方部分がハブ12のスプライン
12−4に噛み合ったまま左方部分が2速ギヤ22のス
プライン22−2に噛み合う2速位置となるスリーブ1
4の長さ、および位置関係としてある。
【0024】次に同期装置について説明する。同期装置
は、1速ギヤ18側、2速ギヤ22側とも基本的に対称
形状および構造であるので、2速ギヤ22側を中心に説
明する。26は2速同期リングであり、ハブ12と2速
ギヤ22との間に配置するとともにこの2速同期リング
26には、2速ギヤ22の摩擦面22−1に対応する摩
擦面26−1およびハブ12側に被押圧面26−2(図
4)が形成されて、後述の同期作用時に被押圧面26−
2が軸方向に押圧されて摩擦面26−1と摩擦面22−
1との摩擦面同士が圧接可能としてある。
は、1速ギヤ18側、2速ギヤ22側とも基本的に対称
形状および構造であるので、2速ギヤ22側を中心に説
明する。26は2速同期リングであり、ハブ12と2速
ギヤ22との間に配置するとともにこの2速同期リング
26には、2速ギヤ22の摩擦面22−1に対応する摩
擦面26−1およびハブ12側に被押圧面26−2(図
4)が形成されて、後述の同期作用時に被押圧面26−
2が軸方向に押圧されて摩擦面26−1と摩擦面22−
1との摩擦面同士が圧接可能としてある。
【0025】また、2速同期リング26は、被押圧面2
6−2からハブ12側に向けて3カ所に突起26−3が
設けられ、この突起26−3は図2、図3で分かるよう
に断面がほぼ台形の形状をしており、それぞれ2カ所に
斜面26−3a、26−3bを有する。
6−2からハブ12側に向けて3カ所に突起26−3が
設けられ、この突起26−3は図2、図3で分かるよう
に断面がほぼ台形の形状をしており、それぞれ2カ所に
斜面26−3a、26−3bを有する。
【0026】ハブ12は、図5に正面から見た形状を示
すように、フランジ部12−2には外周の環状部12−
3にかけて3カ所に放射状の切り欠き12−5が設けら
れ、平行な2側面12−5a、12−5bと底部12−
5cを形成している。スリーブ14とハブ12と2速同
期リング26との間には、3個のレバー部材30が前記
切り欠き12−5の内部に配置されている。
すように、フランジ部12−2には外周の環状部12−
3にかけて3カ所に放射状の切り欠き12−5が設けら
れ、平行な2側面12−5a、12−5bと底部12−
5cを形成している。スリーブ14とハブ12と2速同
期リング26との間には、3個のレバー部材30が前記
切り欠き12−5の内部に配置されている。
【0027】スリーブ14および2速同期リング26と
レバー部材30の関係は、図3、図4にその詳細を示
す。レバー部材30は、スリーブ14に形成された斜面
14−2aに対応した頂部30−1aと、2速同期リン
グ26の被押圧面26−2に対応した押圧面30−2a
が形成され、半径方向内側には端部30−3aが形成さ
れている。
レバー部材30の関係は、図3、図4にその詳細を示
す。レバー部材30は、スリーブ14に形成された斜面
14−2aに対応した頂部30−1aと、2速同期リン
グ26の被押圧面26−2に対応した押圧面30−2a
が形成され、半径方向内側には端部30−3aが形成さ
れている。
【0028】軸方向反対側(1速ギヤ18用)を含む
各、頂部30−1a、30−1b、押圧面30−2a、
30−2b、および端部30−3a、30−3bには、
後述する作動を円滑にするためと、摩耗を防止するため
に適度な丸みを有している。ここで、レバー部材30は
後述する「てこ作用」を行う際に、頂部30−1aが
「力点」、押圧面30−2aが「作用点」、端部30−
3aが「支点」の役割をそれぞれ果たす。なお、前述の
ようにレバー部材30は、図4に見るように左右対称形
状である。また、レバー部材30は、ハブ12の切り欠
き12−5の内部で、その側面12−5a、12−5b
に沿って移動可能である。
各、頂部30−1a、30−1b、押圧面30−2a、
30−2b、および端部30−3a、30−3bには、
後述する作動を円滑にするためと、摩耗を防止するため
に適度な丸みを有している。ここで、レバー部材30は
後述する「てこ作用」を行う際に、頂部30−1aが
「力点」、押圧面30−2aが「作用点」、端部30−
3aが「支点」の役割をそれぞれ果たす。なお、前述の
ようにレバー部材30は、図4に見るように左右対称形
状である。また、レバー部材30は、ハブ12の切り欠
き12−5の内部で、その側面12−5a、12−5b
に沿って移動可能である。
【0029】さらに、レバー部材30には台形の孔30
−6が形成されており、2カ所の斜面30−6a、30
−6bが前述の2速同期リング26の突起26−3と一
定の遊びを有して係合している。なお、孔30−6に
は、右側から1速同期リング28の突起28−3も同様
に係合しているが、以降の説明は省略する。
−6が形成されており、2カ所の斜面30−6a、30
−6bが前述の2速同期リング26の突起26−3と一
定の遊びを有して係合している。なお、孔30−6に
は、右側から1速同期リング28の突起28−3も同様
に係合しているが、以降の説明は省略する。
【0030】図2、図3のようにレバー部材30が半径
方向外側にある場合は、2速同期リング26の突起26
−3とレバー部材30の孔30−6とは、2カ所の斜面
26−3a、30−6a間、斜面28−3b、30−6
b間に隙間があるようになっているが、後述するように
レバー部材30が半径方向内側へ移動すると、これらの
隙間が小さくなる。このため、図2、図3の状態にあっ
ては、2速同期リング26はレバー部材30、ハブ1
2、スリーブ14に対して若干回転することができる。
方向外側にある場合は、2速同期リング26の突起26
−3とレバー部材30の孔30−6とは、2カ所の斜面
26−3a、30−6a間、斜面28−3b、30−6
b間に隙間があるようになっているが、後述するように
レバー部材30が半径方向内側へ移動すると、これらの
隙間が小さくなる。このため、図2、図3の状態にあっ
ては、2速同期リング26はレバー部材30、ハブ1
2、スリーブ14に対して若干回転することができる。
【0031】次に、プレート32について説明する。プ
レート32は、前述のレバー部材30のてこ作用におい
て支点となる端部30−3a、30−3bからの反力を
ハブ12で受けるためのもので、図6に示すような形状
をしている。図6はプレート32を図3の上方から見た
ものである。すなわち、中央部には孔32−1が形成さ
れ、その側面32−1a、32−1bはレバー部材30
の端部30−3a、30−3bが接して支持するように
なっている。
レート32は、前述のレバー部材30のてこ作用におい
て支点となる端部30−3a、30−3bからの反力を
ハブ12で受けるためのもので、図6に示すような形状
をしている。図6はプレート32を図3の上方から見た
ものである。すなわち、中央部には孔32−1が形成さ
れ、その側面32−1a、32−1bはレバー部材30
の端部30−3a、30−3bが接して支持するように
なっている。
【0032】また、プレート32の両端部には、係止部
32−2a、32−2b、32−3a、32−3bがあ
り、これらはハブ12のフランジ部12−2に係合し
て、軸方向にハブ12と一体になっている。したがっ
て、レバー部材30はプレート32を介してハブ12に
支持されている。
32−2a、32−2b、32−3a、32−3bがあ
り、これらはハブ12のフランジ部12−2に係合し
て、軸方向にハブ12と一体になっている。したがっ
て、レバー部材30はプレート32を介してハブ12に
支持されている。
【0033】続いて、スプリング34について説明す
る。図7は、スプリング34を図3の上方から見た外観
である。スプリング34は板バネであり、プレート32
とレバー部材30との間に配置されて、レバー部材30
を常に半径方向外側へ押すように付勢されている。図7
のように、スプリング34を上から見た形状は前述のプ
レート32と似ており、中央部に孔34−1が形成され
てレバー部材30が係合可能になっており、両側に係止
部34−2a、34−2b、34−3a、34−3bが
形成されて、ハブ12のフランジ部12−2に係合して
軸方向に外れないようになっている。同時に、係止部3
4−2a、34−2b、34−3a、34−3bを含む
スプリング34全体が弾性体として、レバー部材30を
外側へ押すように付勢されている。
る。図7は、スプリング34を図3の上方から見た外観
である。スプリング34は板バネであり、プレート32
とレバー部材30との間に配置されて、レバー部材30
を常に半径方向外側へ押すように付勢されている。図7
のように、スプリング34を上から見た形状は前述のプ
レート32と似ており、中央部に孔34−1が形成され
てレバー部材30が係合可能になっており、両側に係止
部34−2a、34−2b、34−3a、34−3bが
形成されて、ハブ12のフランジ部12−2に係合して
軸方向に外れないようになっている。同時に、係止部3
4−2a、34−2b、34−3a、34−3bを含む
スプリング34全体が弾性体として、レバー部材30を
外側へ押すように付勢されている。
【0034】また、スプリング34の中央部片側にはフ
ック34−4が形成され、プレート32と組み合わせた
場合に、スプリング34の弾性によりプレート32に係
止するようになっている。これは、プレート32にスプ
リング34を組み合わせてから、両者を一緒にハブ12
の切り欠き12−5の内部に組みつける作業を容易にす
るためである。
ック34−4が形成され、プレート32と組み合わせた
場合に、スプリング34の弾性によりプレート32に係
止するようになっている。これは、プレート32にスプ
リング34を組み合わせてから、両者を一緒にハブ12
の切り欠き12−5の内部に組みつける作業を容易にす
るためである。
【0035】次に、上記の構成になる本発明の実施態様
における同期装置の作動につき、2速への変速操作(シ
フト操作)に伴う同期作用を説明する。中立位置では図
1に示すように、スリーブ14は1速ギヤ18、2速ギ
ヤ22のスプライン18−2、22−2のいずれとも噛
み合っていない。したがって、図示しないエンジンが稼
動中で、図示しないクラッチが接続されて1速ギヤ1
8、2速ギヤ22が回転していても、この回転力は車輪
には伝わらず車両を駆動することはない。
における同期装置の作動につき、2速への変速操作(シ
フト操作)に伴う同期作用を説明する。中立位置では図
1に示すように、スリーブ14は1速ギヤ18、2速ギ
ヤ22のスプライン18−2、22−2のいずれとも噛
み合っていない。したがって、図示しないエンジンが稼
動中で、図示しないクラッチが接続されて1速ギヤ1
8、2速ギヤ22が回転していても、この回転力は車輪
には伝わらず車両を駆動することはない。
【0036】ここで、図示しないクラッチを解放し2速
にシフトするため、図示しないシフトフォークを図1に
おいて左側へ移動し始めると、スリーブ14のスプライ
ン14−1がハブ12のスプライン12−4をスライド
する。このときスリーブ14の斜面14−2aが3個の
レバー部材30の頂部30−1aに接し、スプリング3
4の弾性による付勢力に対抗してレバー部材30を半径
方向内側へ押すとともに、レバー部材30が右側へ傾く
ように回動させる。
にシフトするため、図示しないシフトフォークを図1に
おいて左側へ移動し始めると、スリーブ14のスプライ
ン14−1がハブ12のスプライン12−4をスライド
する。このときスリーブ14の斜面14−2aが3個の
レバー部材30の頂部30−1aに接し、スプリング3
4の弾性による付勢力に対抗してレバー部材30を半径
方向内側へ押すとともに、レバー部材30が右側へ傾く
ように回動させる。
【0037】そのためレバー部材30は前述のように、
スリーブ14から押される頂部30−1aをてこの力
点、端部30−3aをてこの支点、押圧面30−2aが
2速同期リング26の被押圧面26−2に当接してこれ
をてこの作用点として機能する。この際、支点に作用す
る力は、プレート32を介してハブ12のフランジ部1
2−2が受ける。
スリーブ14から押される頂部30−1aをてこの力
点、端部30−3aをてこの支点、押圧面30−2aが
2速同期リング26の被押圧面26−2に当接してこれ
をてこの作用点として機能する。この際、支点に作用す
る力は、プレート32を介してハブ12のフランジ部1
2−2が受ける。
【0038】したがって、スリーブ14でレバー部材3
0を押す力が倍力されて2速同期リング26を押しつけ
るので、2速同期リング26の摩擦面26−1と、2速
ギヤ22の摩擦面22−1とが圧接され、両者間に回転
数の差がある場合には摩擦トルクが発生する。この摩擦
トルクによりスリーブ14側と、2速ギヤ22との間の
同期作用が行われる。このとき、摩擦トルクにより2速
同期リング26はレバー部材30に対して若干回転し、
前記2カ所の斜面26−3a、30−6a間、斜面26
−3b、30−6b間の隙間のいずれかを詰めて両者が
接する。
0を押す力が倍力されて2速同期リング26を押しつけ
るので、2速同期リング26の摩擦面26−1と、2速
ギヤ22の摩擦面22−1とが圧接され、両者間に回転
数の差がある場合には摩擦トルクが発生する。この摩擦
トルクによりスリーブ14側と、2速ギヤ22との間の
同期作用が行われる。このとき、摩擦トルクにより2速
同期リング26はレバー部材30に対して若干回転し、
前記2カ所の斜面26−3a、30−6a間、斜面26
−3b、30−6b間の隙間のいずれかを詰めて両者が
接する。
【0039】このため、前記の摩擦トルクが斜面26−
3a、30−6a間、斜面26−3b、30−6b間の
どちらかに作用するので、レバー部材30は半径方向外
側へ押される方向に力を受け、スリーブ14はレバー部
材30の頂部30−1aを押し続ける。すなわち、同期
作用が行われて摩擦トルクが作用している限り、スリー
ブ14がレバー部材30を半径方向内側へ移動させるこ
とができないような、スリーブ14の斜面14−2a、
およびレバー部材30の孔30−6と2速同期リング2
6の突起26−3の斜面30−6a、30−6b、斜面
26−3a、26−3bの角度をそれぞれ適切に設定し
てある。
3a、30−6a間、斜面26−3b、30−6b間の
どちらかに作用するので、レバー部材30は半径方向外
側へ押される方向に力を受け、スリーブ14はレバー部
材30の頂部30−1aを押し続ける。すなわち、同期
作用が行われて摩擦トルクが作用している限り、スリー
ブ14がレバー部材30を半径方向内側へ移動させるこ
とができないような、スリーブ14の斜面14−2a、
およびレバー部材30の孔30−6と2速同期リング2
6の突起26−3の斜面30−6a、30−6b、斜面
26−3a、26−3bの角度をそれぞれ適切に設定し
てある。
【0040】これにより、スリーブ14でレバー部材3
0を押す力が倍力されて2速同期リング26を強く押し
続け、両摩擦面26−1と22−1間の摩擦トルクで同
期作用が促進される。同期作用が終了すると、前記の摩
擦トルクがなくなるので、スリーブ14はレバー部材3
0を半径方向内側へ押し込みながら進行し、2速ギヤ2
2のスプライン22−2と噛み合って変速(シフト)が
完了する。
0を押す力が倍力されて2速同期リング26を強く押し
続け、両摩擦面26−1と22−1間の摩擦トルクで同
期作用が促進される。同期作用が終了すると、前記の摩
擦トルクがなくなるので、スリーブ14はレバー部材3
0を半径方向内側へ押し込みながら進行し、2速ギヤ2
2のスプライン22−2と噛み合って変速(シフト)が
完了する。
【0041】この際、レバー部材30が半径方向内側へ
移動するとともに、レバー部材30の孔30−6と2速
同期リング26の突起26−3の斜面30−6a、30
−6b、斜面26−3a、26−3bの作用により、同
期リング26は回転方向の位相が図2の状態に押し戻さ
れる。スリーブ14とスプライン22−2とが噛み合っ
た結果、エンジンの回転力は2速ギヤ22からスリーブ
14、ハブ12を介して出力軸10に伝わり、図示しな
い車輪を駆動する。
移動するとともに、レバー部材30の孔30−6と2速
同期リング26の突起26−3の斜面30−6a、30
−6b、斜面26−3a、26−3bの作用により、同
期リング26は回転方向の位相が図2の状態に押し戻さ
れる。スリーブ14とスプライン22−2とが噛み合っ
た結果、エンジンの回転力は2速ギヤ22からスリーブ
14、ハブ12を介して出力軸10に伝わり、図示しな
い車輪を駆動する。
【0042】以上は、2速ギヤ22に向かう変速につい
て説明したが、1速ギヤ18に向かう変速においても同
様であり、図示しない入力軸側に設ける場合が多い3速
や4速においても同様の同期装置を設けることができる
ことは言うまでもない。次に、上記の同期装置の組立に
ついて説明する。まず、プレート32とスプリング34
とを係合させてフック34−3で係止することで、スプ
リング34の弾性で両者は一体になる。
て説明したが、1速ギヤ18に向かう変速においても同
様であり、図示しない入力軸側に設ける場合が多い3速
や4速においても同様の同期装置を設けることができる
ことは言うまでもない。次に、上記の同期装置の組立に
ついて説明する。まず、プレート32とスプリング34
とを係合させてフック34−3で係止することで、スプ
リング34の弾性で両者は一体になる。
【0043】この状態で両者を、切り欠き12−5に対
して半径方向外側から内側に向けて挿入すると、プレー
ト32の係止部32−3a、32−3b、32−4a、
32−4bとスプリング34の係止部34−2a、34
−2b、34−3a、34−3bがハブ12のフランジ
部12−2に係合して、両者とも軸方向に係止する。
して半径方向外側から内側に向けて挿入すると、プレー
ト32の係止部32−3a、32−3b、32−4a、
32−4bとスプリング34の係止部34−2a、34
−2b、34−3a、34−3bがハブ12のフランジ
部12−2に係合して、両者とも軸方向に係止する。
【0044】ここで、レバー部材30を同様に、切り欠
き12−5に対して半径方向外側から内側に向けて挿入
して、スプリング34の孔34−1およびプレート32
の孔32−1に係合させる。これらをハブ12の3カ所
の切り欠き12−5で行ったうえで、スリーブ14をハ
ブ12に係合することで要部の組立ができる。なお、プ
レート32とスプリング34とを係止する部位(上記で
はフック34−3)は、プレート32とスプリング34
のいずれ側に設けてもよい。
き12−5に対して半径方向外側から内側に向けて挿入
して、スプリング34の孔34−1およびプレート32
の孔32−1に係合させる。これらをハブ12の3カ所
の切り欠き12−5で行ったうえで、スリーブ14をハ
ブ12に係合することで要部の組立ができる。なお、プ
レート32とスプリング34とを係止する部位(上記で
はフック34−3)は、プレート32とスプリング34
のいずれ側に設けてもよい。
【0045】以上の説明で分かるように、本発明の同期
装置にあっては、それぞれのレバー部材30のてこ作用
で同期のための強い摩擦トルクを得ることが可能であり
ながら、レバー部材30の支点に作用する力を、プレー
ト32を介してハブ12で受ける構成にしたため、ハブ
12の切り欠き12−5は形状が単純になり、一般的な
焼結成形設備で製造可能であるとともに、スナップリン
グが必要ないため溝加工が要らず加工コストの低減をは
かることができる。
装置にあっては、それぞれのレバー部材30のてこ作用
で同期のための強い摩擦トルクを得ることが可能であり
ながら、レバー部材30の支点に作用する力を、プレー
ト32を介してハブ12で受ける構成にしたため、ハブ
12の切り欠き12−5は形状が単純になり、一般的な
焼結成形設備で製造可能であるとともに、スナップリン
グが必要ないため溝加工が要らず加工コストの低減をは
かることができる。
【0046】また、スプリング34を、レバー部材30
とプレート32の中間に設けるとともに、軸方向にハブ
12に係合する形状にした。同期作用という観点では、
スプリング34はレバー部材30を半径方向外側へ押す
力を作用させればいいので、ハブ12とプレート32の
間にスプリング34を配置することも可能であるが、そ
の場合、レバー部材30の半径方向の移動とともにプレ
ート32も移動することになるので、プレート32とハ
ブ12の間の摩擦が生じて同期および変速作用が円滑に
いかなくなる恐れや、摩擦する部分の摩耗も懸念され
る。したがって、スプリング34をレバー部材30とプ
レート32の中間に設けることで、これらの心配がいら
なくなる。
とプレート32の中間に設けるとともに、軸方向にハブ
12に係合する形状にした。同期作用という観点では、
スプリング34はレバー部材30を半径方向外側へ押す
力を作用させればいいので、ハブ12とプレート32の
間にスプリング34を配置することも可能であるが、そ
の場合、レバー部材30の半径方向の移動とともにプレ
ート32も移動することになるので、プレート32とハ
ブ12の間の摩擦が生じて同期および変速作用が円滑に
いかなくなる恐れや、摩擦する部分の摩耗も懸念され
る。したがって、スプリング34をレバー部材30とプ
レート32の中間に設けることで、これらの心配がいら
なくなる。
【0047】さらに、プレート32とスプリング34と
をハブ12に組み付ける際に、両者を事前に係合してフ
ック34−3で係止しておくことができるとともに、ハ
ブ12にセットした状態でスプリング34が軸方向へ外
れる恐れがないので、続くレバー部材30の組みつけも
大幅にやりやすくなる。
をハブ12に組み付ける際に、両者を事前に係合してフ
ック34−3で係止しておくことができるとともに、ハ
ブ12にセットした状態でスプリング34が軸方向へ外
れる恐れがないので、続くレバー部材30の組みつけも
大幅にやりやすくなる。
【0048】上記の説明は、ハブ12を焼結成形する場
合について記述したが、機械加工で製造する場合におい
ても切り欠き12−5の形状が単純になるので製造コス
トを低くすることができる。
合について記述したが、機械加工で製造する場合におい
ても切り欠き12−5の形状が単純になるので製造コス
トを低くすることができる。
【0049】
【発明の効果】以上、説明してきたように、本発明の変
速機用同期装置によれば、以下のような効果を得ること
ができる。請求項1に記載の本発明の変速機用同期装置
によれば、レバー部材とハブとの間にプレートを設け、
プレートに、レバー部材の端部を軸方向に支持する面
と、ハブのフランジ部に軸方向の係合が可能な係止部と
を設けたため、ハブの切り欠きの形状を単純にすること
ができるので、一般的な焼結成形設備で製造可能である
とともに、スナップリングが必要ないため溝加工が要ら
ず加工コストの低減をはかることができる。
速機用同期装置によれば、以下のような効果を得ること
ができる。請求項1に記載の本発明の変速機用同期装置
によれば、レバー部材とハブとの間にプレートを設け、
プレートに、レバー部材の端部を軸方向に支持する面
と、ハブのフランジ部に軸方向の係合が可能な係止部と
を設けたため、ハブの切り欠きの形状を単純にすること
ができるので、一般的な焼結成形設備で製造可能である
とともに、スナップリングが必要ないため溝加工が要ら
ず加工コストの低減をはかることができる。
【0050】請求項2に記載の本発明の変速機用同期装
置によれば、プレートとレバー部材との間に、レバー部
材を常に半径方向外側へ押すように付勢したスプリング
を設けたため、同期作用においてレバー部材が半径方向
内側へ移動する際に、スプリングが変形してプレートは
移動しないため、同期および変速作用が円滑にいくとと
もに、プレートとハブとの接触点の摩耗を防止すること
ができる。
置によれば、プレートとレバー部材との間に、レバー部
材を常に半径方向外側へ押すように付勢したスプリング
を設けたため、同期作用においてレバー部材が半径方向
内側へ移動する際に、スプリングが変形してプレートは
移動しないため、同期および変速作用が円滑にいくとと
もに、プレートとハブとの接触点の摩耗を防止すること
ができる。
【0051】請求項3に記載の本発明の変速機用同期装
置によれば、スプリングに、ハブのフランジ部に軸方向
の係合が可能な係止部を形成したため、ハブの切り欠き
に組みつけた状態でスプリングはハブに係止されてハブ
から外れる恐れがないので、続くレバー部材の組付けを
容易に行うことができる。
置によれば、スプリングに、ハブのフランジ部に軸方向
の係合が可能な係止部を形成したため、ハブの切り欠き
に組みつけた状態でスプリングはハブに係止されてハブ
から外れる恐れがないので、続くレバー部材の組付けを
容易に行うことができる。
【0052】請求項4に記載の本発明の変速機用同期装
置によれば、スプリングとプレートとは、これらを組み
合わせた状態で、両者がスプリングの弾性で一体になる
ような係止部を、スプリングまたはプレートのいずれか
に設けたため、ハブに組みつける際に両者は一体になっ
た状態を保持するので、ハブへの組付けを容易に行うこ
とができる。
置によれば、スプリングとプレートとは、これらを組み
合わせた状態で、両者がスプリングの弾性で一体になる
ような係止部を、スプリングまたはプレートのいずれか
に設けたため、ハブに組みつける際に両者は一体になっ
た状態を保持するので、ハブへの組付けを容易に行うこ
とができる。
【図1】本発明の変速機用同期装置の断面図であり、図
2におけるA−A線における断面である。
2におけるA−A線における断面である。
【図2】図1における出力軸と1速ギヤ、2速ギヤと2
速同期リングを取り去って右側から見た外観図である。
速同期リングを取り去って右側から見た外観図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】ハブの外観図である。
【図6】プレートの外観図であり、図3において上方か
ら見た図である。
ら見た図である。
【図7】スプリングの外観図であり、図3において上方
から見た図である。
から見た図である。
10:出力軸
12:ハブ
14:スリーブ
16:軸受
18:1速ギヤ(変速ギヤ)
20:ブッシュ
22: 2速ギヤ(変速ギヤ)
24:スラストワッシャー
26:2速同期リング
28:1速同期リング
30:レバー部材
32:プレート
34:スプリング
Claims (4)
- 【請求項1】 動力を伝える軸と、 この軸に固定されるボス部から半径方向に延ばしたフラ
ンジ部の外周にスプラインを有するハブと、 内周にスプラインが形成され前記ハブの外周にスプライ
ン嵌合により支持されたスリーブと、 該スリーブが嵌合可能なスプラインおよび同期のための
摩擦面が前記ハブ側に一体に設けられた変速ギヤと、 この変速ギヤの摩擦面に圧接可能な摩擦面を有する同期
リングと、 前記スリーブと前記ハブおよび前記同期リングとの間に
配置された複数のレバー部材を備え、 前記ハブの前記フランジ部に形成した複数の略平行な2
側面を有する切り欠きの中に前記レバー部材を配置し
て、該レバー部材によるてこ作用で前記スリーブの前記
変速ギヤへ向かう移動による押圧力を倍力して前記同期
リングに伝達する変速機用同期装置であって、 前記レバー部材と前記ハブとの間にプレートを設け、 該プレートに、前記レバー部材の端部を軸方向に支持す
る面と、前記ハブの前記フランジ部に軸方向の係合が可
能な係止部とを設けたことを特徴とする変速機用同期装
置。 - 【請求項2】 前記プレートと前記レバー部材との間
に、前記レバー部材を常に半径方向外側へ押すように付
勢したスプリングを設けたことを特徴とする請求項1に
記載の変速機用同期装置。 - 【請求項3】 前記スプリングに、前記ハブのフランジ
部に軸方向の係合が可能な係止部を形成したことを特徴
とする請求項1または2のいずれかに記載の変速機用同
期装置。 - 【請求項4】 前記スプリングと前記プレートとは、こ
れらを組み合わせた状態で、両者が前記スプリングの弾
性で一体になるような係止部を、前記スプリングまたは
前記プレートのいずれかに設けたことを特徴とする請求
項1乃至3のいずれかに記載の変速機用同期装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002039569A JP2003240015A (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 変速機用同期装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002039569A JP2003240015A (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 変速機用同期装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003240015A true JP2003240015A (ja) | 2003-08-27 |
Family
ID=27780548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002039569A Pending JP2003240015A (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 変速機用同期装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003240015A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006029582A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-02-02 | Hoerbiger Antriebstechnik Gmbh | 変速機用の同期装置 |
KR100887848B1 (ko) | 2007-12-12 | 2009-03-09 | 현대자동차주식회사 | 수동변속기 구조 |
JP2010196826A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Daihatsu Motor Co Ltd | ダブルコーン式シンクロメッシュ装置 |
-
2002
- 2002-02-18 JP JP2002039569A patent/JP2003240015A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006029582A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-02-02 | Hoerbiger Antriebstechnik Gmbh | 変速機用の同期装置 |
JP4663424B2 (ja) * | 2004-06-30 | 2011-04-06 | ヘアビーガー アントリープステクニーク ゲーエムベーハー | 変速機用の同期装置 |
KR100887848B1 (ko) | 2007-12-12 | 2009-03-09 | 현대자동차주식회사 | 수동변속기 구조 |
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