JP2003237890A - ボトル・キャップ組立体におけるキャップ巻締状態の検査方法 - Google Patents
ボトル・キャップ組立体におけるキャップ巻締状態の検査方法Info
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Abstract
ップ確認マークとを撮像してボトルとキャップとの巻締
状態を検出する検査方法において、ボトル確認マークと
キャップ確認マークとの鮮明な撮像が行なわれ、常に確
実な画像処理によってボトルとキャップとの巻締状態を
検出すること。 【解決手段】 ボトル・キャップ組立体の垂直中心軸の
上方にこれと光軸が一致するように光学系レンズを配置
し、光学系レンズの光軸上方に単一のカメラを配置し、
光学系レンズの周囲に配置された照明装置から照射され
る光の光路を調整し、ボトル確認マーク及びキャップ確
認マークに光が直接照射されず、前記キャップのスカー
ト部のキャップ確認マークが形成されていない部分に直
接光が照射されるような条件下で照明を行いながら、光
学系レンズを介して、ボトル確認マークとキャップ確認
マークとを前記カメラにより同時に写し取り、写し取っ
た画像データからキャップの巻締状態の良否を判定す
る。
Description
に螺子装着されたキャップとから成るボトル・キャップ
組立体について、該キャップの締結状態(即ち、巻締状
態)を検査する方法に関する。
容器と、一旦開封されたものであることを明示するタン
パーエビデント機能を有するキャップから成るボトル・
キャップ組立体においては、内容物充填後に、キャップ
がボトルに完全に密封状態に締結されていることが必須
であり、このような検査は、従来は、製品の中からいく
つかの試料を抜き取り、これを実際に開栓し、開栓トル
ク、巻締角度等を測定することによって行っていた。し
かしながら、このような抜き取り検査は製品の一部につ
いて行うにすぎず、必ずしも確実な検査結果を得ること
は困難であり、また検査の確実性を向上させるために抜
き取り試料を多くすればそれだけ生産コストが増加する
ことになる。また巻締機を最初に設定する際に、基本的
な性能を出すための巻締角度に従ってトルクが決定され
ているため、巻締め角度を容易に測定できることが望ま
れている。
の締結状態を容易に確認することが可能なボトル・キャ
ップ組立体も提案されている。例えば、容器口部に、合
成樹脂製キャップを完全に螺着した状態で該キャップ下
端より下方の所定位置に1または複数の位置表示を形成
し、かつキャップの上記合成樹脂製キャップの筒部に、
該キャップを上記容器口部に完全に螺着した状態で上記
位置表示に並ぶ閉栓表示を設けたことを特徴とする閉止
装置(特開平9−12046号公報)や、容器の外周
と、この容器の口部にねじ込まれるスクリューキャップ
の外面とに、それぞれのネジ部のネジ端に対して一定の
位置関係を有する標識を配設し、前記スクリューキャッ
プの装着後に、前記一対の標識の位置関係に基づいて前
記スクリューキャップのねじ込み状態の適否を判別する
ことを特徴とする容器口部の密封状態検査方法(特開平
10−203512号公報)、また、瓶口外周面に形成
したネジ部の始端に相当する部位の瓶首と、瓶口を封緘
するキャップの内周面に形成したネジ部の終端に相当す
る部位の該キャップとにそれぞれ、外部から視認できる
目安部を設け、前記瓶に液体を充填・封緘後にこれら二
つの目安部の位置により瓶口へのキャップの巻締め程度
を非破壊検査できるようにしたことを特徴とする瓶の封
緘構造(特開平11−11504号公報)等が提案され
ている。
は、容器本体のキャップ受け口に取り付けられたキャッ
プまたは該キャップに設けたカバー受け部に取り付けら
れたキャップカバーの何れかのキャップ体取付部をカメ
ラで撮影してその映像情報を記憶し、この映像情報に基
づき上記容器本体またはキャップの基準部と上記キャッ
プ体の測定部との位置関係に基づき当該キャップ体の取
付状態の良否を判定するようにしたことを特徴とするキ
ャップ体取付検査方法が記載されており、カメラでの撮
影は、容器の搬送路に沿って平行に設けられた第一及び
第二のカメラで行うことも記載されている。
は、ビン口天面シールについてではあるが、ビン口天面
にシールされたビン口をビン軸上面から照明しながら撮
像装置により撮像し、画像処理装置によりその撮像信号
からのシールの貼付ずれによってビン口部に発生する全
反射信号を分離し、これを1画面分換算して得た積算値
を基準値と比較してシールずれの良否を判断することを
特徴とするビン口天面シールの検査装置が記載されてい
る。
ば、試料の抜き取り及び実際の開栓という検査方法によ
らずに、ボトル・キャップ組立体の締結状態を確認する
ことは可能となる。しかしながら、上記第一の閉止装置
では、ボトル及びキャップに設けられた表示が互いに一
直線或いは所定の関係となるよう位置することが必要で
あり、その設定が困難であるという問題がある。
の封緘構造では、キャップとボトルの位置関係に一定の
基準範囲を設け、その範囲外のボトル・キャップ組立体
を除外するものであるため、上記第一の従来技術のよう
な問題は生じないが、第一乃至第四の従来技術に記載さ
れた何れのボトル・キャップ組立体においても、キャッ
プに設けられた標識は、ボトルとの関係上、キャップの
側面に設けられているため、ボトル及びキャップに設け
られた標識が一定の位置関係にあることを確認するため
には、ボトル・キャップ組立体の側面から測定する必要
がある。しかしながら、内容物が充填され、キャップで
密封されたボトル・キャップ組立体は、搬送コンベア上
をまちまちにその向きを変えながら生産ライン中を進ん
でいくため、ボトル及びキャップに設けられた標識が必
ずしも検査装置の向きに向いているとは限らず、その場
合には、キャップの締結状態に異常があった場合でも見
逃してしまうことになり、検査の信頼性が低くなる恐れ
がある。このような締結状態に異常のあるボトル・キャ
ップ組立体を見逃さないためには、複数のカメラを周方
向に設置したり、また複数のミラーを配置したりする必
要があり、このため検査装置が複雑になったり、ボトル
・キャップ組立体を連続供給することが困難になる場合
もある。
等は、先に、ボトルの巻締角度確認マークと、キャップ
の巻締角度確認マークとの位置関係を検出することによ
り、ボトルとキャップとの巻締状態を検出する検査装置
において、ボトル・キャップ組立体の上方に配置された
光学系レンズと、前記光学系レンズの上方に配置され、
前記光学系レンズを介して、ボトルの巻締角度確認マー
クとキャップの巻締角度確認マークとを同時に写し取る
単一のカメラと、前記確認マークを照明するための照明
装置と、前記カメラで写し取った画像データに基づく情
報処理により、巻締状態の良否を判定する画像処理装置
とを備えたボトル・キャップ組立体の検査装置を提案し
た(特願2001−187168号)。
不都合がなく、ボトル・キャップ組立体の締結状態がキ
ャップを開栓することなく、容器の軸方向上方から確実
に確認することが可能であり、また上方から単一のカメ
ラにより容易に検査することが可能となるという顕著な
利点を有している。しかるに、この検査装置においても
未だ改善の余地があることが判った。
メラにより、ボトル及びキャップのそれぞれに設けられ
ている巻締角度確認マークを同時に撮像し、写し取られ
たボトルの巻締角度確認マーク(ボトル確認マーク)及
びキャップの巻締角度確認マーク(キャップ確認マー
ク)の画像データに基づいて、画像処理を行ない、これ
ら確認マークの相対的位置データから締結状態の確認が
行なわれる。従って、このような情報処理を確実に行な
うためには、ボトル確認マークとキャップ確認マークと
が鮮明に撮像されることが必要であり、このために、カ
メラとボトル・キャップ組立体との間に配置される光学
系の周囲に照明装置が設けられており、ボトル確認マー
ク及びキャップ確認マークを照明しながら、これらマー
クの撮像が行なわれるように構成されている。
認マーク及びキャップ確認マークの撮像を行なった場
合、ボトル確認マークやキャップ確認マーク(特にボト
ル確認マーク)が必ずしも鮮明に撮像されるとはいえ
ず、画像データに基づく画像処理を行なうことが困難に
なることがあった。また、ボトルの中には、サポートリ
ングなどのボトル確認マークが形成される部分を備えた
口部が結晶化されて白色となっているものや、このよう
な口部も含めて全体が透明に形成されているものがある
が、特に、口部が透明なボトルとキャップとの組立体に
ついては、ボトル確認マークが鮮明に撮像されない場合
が多い。即ち、キャップが巻締められているボトルに
は、飲料等の内容液が充填されているが、カメラで捕ら
えた映像には、ボトルの口部が透明であるため、ボトル
に充填されている内容液の液面の揺れが反映されてしま
い、この結果、ボトル確認マークがぼやけたものとなっ
てしまうものと考えられる。また、上記検査装置による
検査では、ボトル・キャップ組立体を上方に配置された
カメラで撮像してキャップの巻締め位置を検出するた
め、キャップの巻締めが一回転(360度)分不足して
いるものも良品と誤認する恐れがあり、これを巻締不良
品として識別することが困難であるという問題もあっ
た。
メラによりボトル確認マークとキャップ確認マークとを
撮像してボトルとキャップとの巻締状態を検出する検査
方法において、ボトル等の種類によらず、例えば口部が
透明となっている透明ボトルについても、ボトル確認マ
ークやキャップ確認マークが鮮明に撮像され、常に確実
な画像処理によってボトルとキャップとの巻締状態を検
出することが可能な方法を提供することにある。本発明
の他の目的は、キャップの巻締めが一回転(360度)
分不足していた場合にも、巻締め不足を認識することが
可能な検査方法を提供することにある。
にキャップが巻締められたボトル・キャップ組立体につ
いて、ボトル巻締角度確認マークと、キャップ巻締角度
確認マークとの位置関係を検出することにより、ボトル
とキャップとの巻締状態を検出する検査方法において、
ボトル・キャップ組立体の垂直中心軸の上方にこれと光
軸が一致するように光学系レンズを配置し、前記光学系
レンズの光軸上方に単一のカメラを配置し、前記光学系
レンズの周囲に照明装置を配置し、前記照明装置から照
射される光の光路を調整し、ボトル巻締角度確認マーク
及びキャップ巻締角度確認マークに光が直接照射され
ず、前記キャップのスカート部のキャップ巻締角度確認
マークが形成されていない部分に直接光が照射されるよ
うな条件下で照明を行いながら、前記光学系レンズを介
して、ボトル巻締角度確認マークとキャップ巻締角度確
認マークとを前記カメラにより同時に写し取り、前記カ
メラで写し取った画像データからボトル巻締角度確認マ
ーク及びキャップ巻締角度確認マークをキャップを中心
とした極座標に読みとり、必要により展開してそれらの
位置を検出し、ボトル巻締角度確認マークとキャップ巻
締角度確認マークとの角度乃至展開距離を算出し、この
角度乃至展開距離により巻締状態の良否を判定すること
を特徴とするボトル・キャップ組立体の検査方法が提供
される。
巻締められたボトル・キャップ組立体を、上方に配置さ
れた単一のカメラで撮像し、得られた映像から、ボトル
巻締角度確認マーク(ボトル確認マーク)とキャップ巻
締角度確認マーク(キャップ確認マーク)との位置関係
を検出することにより、カメラでの撮像に際しての照明
を一定条件下で行うことにある。即ち、照明装置から照
射される光の光路を、遮光板などにより調整し、ボトル
確認マーク及びキャップ確認マークに光が直接照射され
ないように、キャップのスカート部のキャップ確認マー
クが形成されていない部分に直接光が照射されるように
して照明を行いながら、カメラによる撮像を行うもので
あり、このような手段を採用することにより、ボトル確
認マーク及びキャップ確認マークを鮮明に映し出すこと
ができ、例えば、サポートリングのようなボトル確認マ
ークが形成される部分を含めて全体が透明に形成されて
いる透明ボトルを用いた場合にも、ボトル確認マークを
鮮明に映し出すことができ、カメラで写し取った画像デ
ータからボトル確認マーク及びキャップ確認マークの位
置検出を正確に行うことができ、確実にキャップの巻締
状態の良否を判定することが可能となる。本発明におい
て、上記のような条件を満足するようにして照明を行う
ことにより、キャップ確認マークやボトル確認マークが
鮮明に写しだされる理由は明確に解明されていないが、
これらマークが形成されている部分には、直接光が照射
されておらず、スカート部からの反射光によって間接的
に照明されているためではないかと考えられる。即ち、
このような照明条件下で上方に設置されたカメラでボト
ル・キャップ組立体を撮像すると、直接光が照射される
スカート部の輝度は高いが、直接光が照射されないキャ
ップ確認マーク形成部分或いはボトル確認マーク形成部
分の輝度は低くなる。従って、スカート部とのコントラ
ストが高く、この結果、キャップ確認マークやボトル確
認マークが鮮明に映し出され、これらの位置を正確に検
出することができるものと思われる。
部も含めて全体が透明となっている透明ボトルにおいて
も、ボトル確認マークを鮮明に映し出すことができる。
即ち、カメラでの撮像に際して、直接光が照射される部
分はキャップのスカート部であり、他の部分は、スカー
ト部からの反射光により間接的に照明される。従って、
ボトル確認マークが形成されているボトル口部のサポー
トリングを透過してボトルに充填されている内容液の液
面に到達し、そこで反射される光は、極めて少なくな
る。この結果、ボトル内容液の液面の揺れ等がカメラで
映し出される画像にほとんど反映されず、ボトル確認マ
ークが鮮明に映し出されるのである。
ボトル・キャップ組立体を撮像してキャップ確認マーク
及びボトル確認マークの位置を検出する場合、通常、両
者の高低差を認識することができないという問題があ
る。即ち、先にも述べた通り、キャップの巻締めが一回
転分(360度)不足していた場合、キャップ確認マー
クとボトル確認マークの高低差が認識できないと、この
ような巻締め不足が正常なものと判定されてしまう。し
かるに、本発明によれば、ボトル確認マークが鮮明に映
し出されることを利用して、キャップの巻締めが360
度不足している場合も正確に判定することができる。即
ち、キャップの巻締めが360度不足している場合に
は、正常に巻締められている場合に比して、キャップが
ボトルから浮いた状態にあるため、キャップの下端とボ
トルのサポートリングとの隙間が大きく、サポートリン
グに形成されているボトル確認マークは、サポートリン
グの周縁からキャップの中心側に位置している部分ま
で、その全体が鮮明に映し出される。一方、正常に巻締
められている場合には、キャップの下端とボトルのサポ
ートリングとの隙間が極めて小さく、ボトル確認マーク
は、サポートリングの周縁及びその近傍に位置している
部分のみが鮮明に映し出されるが、キャップの中心側に
位置している部分は映し出されない。従って、カメラで
撮像されたボトル確認マークの長さを測定することによ
り、キャップの巻締めが360度不足している場合も正
確に判定することができる。即ち、360度不足してい
る場合には、映し出されたボトル確認マークの長さは、
正常に巻締められている場合に比して長いからである。
例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の検査方
法を実施するために用いる検査装置の配置を示す図であ
り、図2は、本発明の検査方法の原理を説明するための
図であり、図3は、本発明の検査方法が適用されるボト
ルにおいて、そのサポートリングに形成されるボトル確
認マークの形状の代表例を示す図であり、図4は、本発
明の検査方法の全体のプロセスを示すフローチャートで
あり、図5は、本発明の検査方法で必要な照明条件を説
明するための図であり、図6は、正常にキャップが巻締
められたボトル・キャップ組立体のカメラ入力画像の要
部と、その極座標展開を示す図であり、図7は、キャッ
プの巻締めが一回転(360度)分不足しているボトル
・キャップ組立体のカメラ入力画像の要部と、その極座
標展開を示す図である。
置の配置を示す図1において、ボトル・キャップ組立体
30の垂直軸上方に、光学系レンズ40と、キャップに
形成されているキャップ確認マーク及びボトルのサポー
トリングに形成されているボトル確認マーク(図1にお
いて、これらマークは省略されている)を撮像するため
のCCD撮像素子を備えたカメラ50とが、前記組立体
30の垂直軸と光学系の光軸とが一致するように配置さ
れている。また、特殊光学系レンズ40の周囲には、照
明装置60が環状に配置されている。カメラ50は、下
端部が開口している筒状のフード51内に収納されてお
り、このフード51の開口部中心には、上記のレンズ4
0が配置され、レンズ40とカメラ50との間の光路
は、筒状フード51によって覆われている。更に、カメ
ラ50からケーブル52を介して送られる画像データを
処理するための画像処理装置(画像処理コンピュータ)
70および画像データおよび検査結果を表示するための
モニター75が配置されている。
においては、キャップの旋回によりボトルへの締結が行
われたボトル・キャップ組立体30について、上記カメ
ラ50により撮像されたキャップ及びボトル確認マーク
の画像データに基づいてキャップの巻締状態の評価が行
われる。即ち、カメラ50により写し出された映像か
ら、キャップ確認マーク及びボトル確認マークの位置を
極座標に読み取り、必要により展開して、巻締め状態を
正確に評価することができる。この評価の原理を説明す
るための図2(カメラ入力画像および極座標展開)にお
いて、ボトル確認マークの二次元極座標上(カメラ入力
画像上)の位置Pは、中心からの半径r1およびx軸か
らの角度θ1により、 P(r1、θ1)、ここでx=r1cosθ1、y=r
1sinθ1 で表される。また、キャップ確認マークの二次元極座標
上(カメラ入力画像上)の位置Qは、同様にして中心か
らの半径r2およびx軸からの角度θ2により、 Q(r2、θ2)、ここでx=r2cosθ2、y=r
2sinθ2で表される。
クの巻締角度(θ)は、式(1): θ=θ2−θ1 ‥(1) で表され、また極座標展開での距離(L)は、式
(2): L=r1(θ2−θ1) ‥(2) で表すことができる。従って、適切な巻締状態になって
いるボトル・キャップ組立体30の巻締角度(θ0、こ
のθ0もボトル確認マーク基準のキャップ確認マークの
角度で定められる)あるいは展開距離(L0)を一定の
許容範囲のものとして予め設定しておくことにより、上
記測定で検出される巻締角度θと設定巻締角度(θ0)
とを対比し、あるいは検出された展開距離(L)と設定
展開距離(L0)とを対比することにより、巻締状態の
良否を検出することができる。なお、図2の座標の説明
では、角度の方向は反時計方向に正としているが、実際
のキャップの締結では、時計方向に旋回による締結が行
われるので、座標を裏返しにして考慮すればよい。
0およびカメラ50の光軸を、ボトル・キャップ組立体
30の垂直軸と一致させて、ボトルの巻締角度確認マー
ク(ボトル確認マーク)Pとキャップの巻締角度確認マ
ーク(キャップ確認マーク)Qとを、単一のカメラ50
により二次元画像内に同時に取り込むことにより、面倒
で複雑な処理を施すことなしに、しかも簡便な画像処理
により、ボトル確認マークPとキャップ確認マークQと
の相対的位置関係を検出し、ボトルとキャップとの巻締
状態の良否を検出することができる。
ャップ組立体30の上方に配置されたカメラ50を用い
て、キャップ確認マークQとボトル確認マークPとを同
時に撮像するため、キャップ確認マークPは、キャップ
の頂板部の周縁部、頂板部とスカート部とのコーナー
部、或いはスカート部の外面に形成され、且つボトル確
認マークは、ボトルのサポートリングに形成される。ま
た、キャップ確認マークQとボトル確認マークPは、カ
メラ50による撮像および画像処理により明確で鮮明な
像となるようにサイズおよび形状を定める。例えば、キ
ャップ確認マークQは、一般に径が0.5乃至1.5m
m程度の円形の凹部として設けるのがマークの認識の点
で好ましい。また、ボトル確認マークPは、その代表的
な例を示す図3を参照して、幅W(周方向長さ)が1.
0乃至4.5mmの溝或いは凸部1として、ボトルのサ
ポートリング5に設けることが好ましい。即ち、上記凸
部1において、周方向両端の辺1a,1bの少なくとも
一方がボトル確認マークPとして認識される。また、上
記のような幅Wを有する溝或いは凸部1の上方からみた
形状は、特に制限されるものではなく、例えば、全体と
して三角形状、台形状であってもよいし、また、周方向
両端の辺1a,1bが互いに平行となっている矩形状で
あってもよい。図3の例では、溝或いは凸部1は、台形
状で示されている。
ークの認識が容易であり、また、ボトルの場合も、サポ
ートリング5等を有するボトル口部が白化したもので
は、光反射量が大きく、マークの検出が、透明なものに
比して容易である。しかるに、透明なボトル首部の場合
には、光反射量が少ないため、その検出が困難となるこ
ともある。従って、このようなときには、ボトル確認マ
ークPを鮮明に示すために、上記の溝或いは凸部1の表
面を粗面化する等の手段を採用することができる。
ップ確認マークQとの相対的位置関係を検出するために
は、キャップの頂板部の中心(図2において、x軸とy
軸との交点に相当する部分)或いは、キャップ確認マー
クQに対して対称位置に補助マークを設けることもでき
る。即ち、この補助マークとキャップ確認マークQとを
結ぶ線分と、キャップの頂板部の中心とボトル確認マー
クPとを結ぶ線分とがなす角度、或いはその展開距離を
算出することにより、図2に関して説明したのと同様な
方法で、ボトル確認マークPとキャップ確認マークQと
の相対的位置関係を検出することができる。
キャップの径よりも大きな径を有する平凸レンズ或いは
メニスカス凸レンズを用いることが、キャップ確認マー
クQのみならず、ボトル確認マークPをも鮮明に写し取
るために好ましい。ボトル確認マークPは、このマーク
を設けるサポートリングのサイズ(径)により、(a)
キャップの最外周部よりも径方向外側に位置する場合、
(b)キャップの最外周部に重なっている場合、(c)
キャップの最外周部よりも径方向内側に位置する場合等
の様々な場合があり得る。これらのボトル確認マークP
において、上記(b)および(c)の場合には、幾何学
的には軸上方からはボトル巻締角度確認マークを検出す
ることは不可能に近い。しかるに、キャップの径よりも
大きな径を有する平凸レンズ或いはメニスカス凸レンズ
を用いることにより、上記(b)および(c)の場合で
あっても、ボトル確認マークPから斜め上方且つ外方に
でる光をレンズ内に取り込み、屈折させることにより、
明確なボトル確認マークPの像を形成させることが可能
となる。また、ボトル確認マークPから取り込む光線の
面積を広げることができるので、ボトル確認マークの像
の濃度およびコントラストを高める上で有利である。例
えば、レンズ40はキャップの径よりも大きい径を有す
る平凸レンズであり、キャップの径の約3倍程度の径を
有しており、平凸レンズの平らな面がボトル・キャップ
組立体30の側に面していいる。平凸レンズの径はキャ
ップの径の約2乃至4倍の径を有しているのが適当であ
る。平凸レンズの代わりにメニスカス凸レンズを用い
て、ボトル確認マークPからの集光力をより高めること
もできる。
マークQとボトル確認マークPとを、これらが共にレン
ズ40の被写界深度(焦点深度とも呼ぶ)内にある条件
で撮像することが好ましい。レンズには、焦点を合わせ
る距離を次第に遠方にしていくと、ある距離になると無
限遠まで焦点が合うようになり、この距離を過焦点距離
と呼び、過焦点距離(fh)は、レンズの焦点距離を
f、レンズのFナンバー(絞り)をF、許容ぼけをAと
して表して、下記式(3): で表される。許容ぼけ(A)としては一般に0.033
の値が採用されている。一方、被写界深度とはある距離
に焦点を合わせたときその距離にある被写体が鮮明に写
るだけではなく、被写体の前後もある範囲は鮮明に写る
範囲をいい、被写界深度の近い限界(近点、d1)およ
び被写界深度の遠い限界(遠点、d2)は、焦点を合わ
せた距離(d0)および過焦点距離(fh)に関して、
下記式(4)および(5)で与えられる。 かくして、本発明によれば、レンズの焦点距離f、レン
ズのFナンバー(絞り)Fを選択し、且つ焦点を合わせ
る距離d0 を選ぶことにより、キャップ確認マークQ
とボトル確認マークPとをレンズの被写界深度内に入る
ようにすることができる。
は、画像処理装置(画像処理コンピュータ)70とカメ
ラ50との間で、図4に示すフローチャートに基づいて
行われる。まず、検査装置の運転信号を検出し、この運
転信号を検出した後、カメラ50からのボトル・キャッ
プ組立体の検出信号を待つ。この検出信号があり次第、
カメラ50による画像データが画像処理装置(画像処理
コンピュータ)70に取り入れられる。この画像データ
に基づいて、ボトル・キャップ組立体の中心が検出され
る。この中心の検出は、先に述べたように、キャップ頂
板部の中心に補助マークを設けて行ってもよいし、キャ
ップ頂板部の円周から芯出しを行ってもよい。中心の検
出が行われた後、二次元座標上の画像データを図2に関
して説明したような極座標に展開し、キャップ確認マー
クQとボトル確認マークPとを検出する。極座標上で検
出されたキャップ確認マークQの位置とボトル確認マー
クPの位置とから、直ちに両者の角度(θ)あるいは距
離(L)が算出され、測定で検出される巻締角度θと設
定巻締角度(θ0)とを対比し、あるいは検出された距
離(L)と設定距離(L0)とを対比することにより、
巻締状態の良否を検出する。すなわち、角度あるいは距
離が範囲外であれば、不良を表示し、範囲内であれば、
次の測定に戻る。
合、カメラ50での撮像により、ボトル確認マークP
と、キャップ確認マークQとを鮮明に映し出すことが必
須であり、このために、図1の検査装置において、レン
ズ40の周辺には、環状の照明装置60が配置され、照
明を行いながら、カメラ50による撮像を行う。本発明
によれば、かかる照明を、一定条件を満足するように行
うことが重要である。即ち、この照明条件を説明するた
めの図5において、フード51の下端開口部の内側に
は、レンズ40が設けられており、その外側には、適当
な取付板65を介してビス止め等により、照明装置60
が環状に設けられている。また、レンズ40の下部に
は、図1にも示されているように、ボトル・キャップ組
立体30が配置されている。このボトル・キャップ組立
体30において、キャップ10は、頂板部11、スカー
ト部12を有しており、スカート部12の下端には、T
Eバンド13が破断可能なブリッジ等を介して設けられ
ている。この図5の例においては、キャップ確認マーク
Qは、頂板部11の周縁部に設けられている。更にボト
ル15の口部には、ボトル確認マークPを備えたサポー
トリング5を有している。
記照明装置60には、遮光板68が取り付けられてお
り、照明装置60からの光Lは、遮光板68によって光
路調整され、キャップ10のスカート部12に直接照射
されるようになっている。従って、キャップ確認マーク
Q及びボトル確認マークPの何れにも光は直接照射され
ない。本発明によれば、上記のように、キャップ確認マ
ークQ及びボトル確認マークQの何れにも光が直接照射
されないように、キャップ10のスカート部12に直接
光を照射しての照明により、カメラ50による撮像を行
うことにより、キャップ確認マークQ及びボトル確認マ
ークPの何れをも鮮明な映像として捕らえることができ
る。例えば、キャップ確認マークQやボトル確認マーク
Pに直接光が照射されるようにして照明を行うと、光が
直接照射されたマークはコントラストが著しく高い映像
として捕らえられてしまい、その判別が難しくなり、前
述した画像処理を正確に行うことが困難となってしま
う。
0は、LED、蛍光灯、ハロゲンランプ等、公知のもの
であってよいが、キャップ確認マークQやボトル確認マ
ークPに直接光が照射されないようにスカート部12に
選択的に光が照射されるように光路調整できるという点
では、LEDが最も好適である。また、図5の例では、
キャップ確認マークQは、キャップ10の頂板部11に
形成されているが、既に述べた通り、このマークQは、
スカート部12の外面に設けることもできる。このよう
な場合には、当然のことながら、直接光が照射される部
分を、キャップ確認マークQが形成されている部分から
ずらしてスカート部12に直接光を照射することが必要
となる。
ップ確認マークQ及びボトル確認マークPの何れをも鮮
明な映像として捕らえることができるが、かかる利点
は、サポートリングが透明に形成されている透明ボトル
に適用した場合にも損なわれることはない。即ち、サポ
ートリングが透明なボトルでは、ボトル内に充填された
内容液の液面の揺れがボトル確認マークPの映像に反映
されてしまい、この結果、ボトル確認マークPの映像が
ぼやけて不鮮明になってしまう等の問題がある。しかる
に、本発明では、照明装置60からの直接光は、キャッ
プ10のスカート部12に照射され、サポートリングな
どのボトルの部分には照射されない。従って、ボトル内
容液の液面に到達する光の量が少なく、該液面での光反
射が有効に抑制されている。従って、ボトル内容液の液
面の揺れがボトル確認マークPの映像に反映することが
なく、このような透明ボトルにおいても、ボトル確認マ
ークPを鮮明に映し出すことができ、該マークPを確実
に判別することが可能となる。
及びボトル確認マークPの映像が常に鮮明であることか
ら、上方からの単一のカメラによってこれらマークを撮
像するという手段を採用しているにもかかわらず、キャ
ップの360度(一回転)巻締め不足も確実に判定し得
るという顕著な利点を有する。即ち、図6及び図7に
は、それぞれ、ボトル・キャップ組立体のカメラ入力画
像の要部とその極座標展開が示されており、図6は、正
常にキャップが巻締められているボトル・キャップ組立
体についてのものであり、図7は、キャップの巻締めが
一回転(360度)分不足しているボトル・キャップ組
立体についての図である。図6及び図7において、1が
ボトルのサポートリングに形成されている溝であり、そ
の周方向両端部の一方の辺がボトルマークPとなってい
る。
は、ボトルのサポートリングとキャップの下端(例えば
TEバンドの下端)との間の隙間は極めて小さく、この
ため、図6に示されているように、溝1のキャップ中心
部分は映っておらず、サポートリングの周縁側の部分の
みが鮮明に映っている。従って、極座標展開で示されて
いるボトルマークPの長さL1は短い。一方、キャップ
の巻締めが360度不足している場合には、正常に巻締
められている場合に比して、キャップがボトルに対して
浮いた状態にあり、ボトルのサポートリングとキャップ
の下端との間には、大きな隙間が形成される。従って、
溝1の全体が鮮明に映し出されており、極座標展開で示
されているボトルマークPの長さL2は長い。即ち、L
1<L2の関係となっている。
められたときのボトルマークPの長さL1を画像処理装
置に記憶させておくことにより、この長さL1との関係
から、360度巻締め不足をも確実に判定することが可
能となる。
ル及びキャップに用いることができる。例えば、ボトル
としては、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂か
ら成る延伸ブローボトルや、射出成形等によるボトル等
に好適に用いることができるが、勿論、ガラス製ボトル
にも適用することができる。また、サポートリングを備
えた口部が透明な透明ボトルにも有効に適用し得ること
は既に述べた通りである。キャップとしては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、塩化ビ
ニル樹脂等の合成樹脂を圧縮成形、射出成形等して得ら
れるキャップの他、アルミニウム等の金属製のキャップ
でもよい。更に、キャップ下端には、TEバンドが弱化
部を介して一体に設けられているキャップであることが
好ましいが、巻締め後シュリンクフィルムで覆うような
場合には、TEバンドのないキャップにも適用すること
が可能である。
トル確認マークの何れにも光が直接照射されないよう
に、キャップスカート部に直接光を照射しての照明によ
り、上方に配置された単一のカメラによってキャップ確
認マーク及びボトル確認マークの何れをも鮮明な映像と
して捕らえることができる。従って、ボトル確認マーク
が形成されるサポートリングを有する口部が透明に形成
されている透明ボトルについても、両者の位置関係の検
出が正確にしかも容易に行われ、キャップの巻締め状態
を正確に判定することができる。また、上方に配置され
た単一のカメラによる映像を利用しているにもかかわら
ず、キャップの360度巻締め不足をも確実に判定する
ことが可能である。
装置の配置を示す図。
て、そのサポートリングに形成されるボトル確認マーク
の形状の代表例を示す図。
ーチャート。
ための図。
プ組立体のカメラ入力画像の要部と、その極座標展開を
示す図。
しているボトル・キャップ組立体のカメラ入力画像の要
部と、その極座標展開を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 ボトルにキャップが巻締められたボトル
・キャップ組立体について、ボトル巻締角度確認マーク
と、キャップ巻締角度確認マークとの位置関係を検出す
ることにより、ボトルとキャップとの巻締状態を検出す
る検査方法において、 ボトル・キャップ組立体の垂直中心軸の上方にこれと光
軸が一致するように光学系レンズを配置し、 前記光学系レンズの光軸上方に単一のカメラを配置し、 前記光学系レンズの周囲に照明装置を配置し、 前記照明装置から照射される光の光路を調整し、ボトル
巻締角度確認マーク及びキャップ巻締角度確認マークに
光が直接照射されず、前記キャップのスカート部のキャ
ップ巻締角度確認マークが形成されていない部分に直接
光が照射されるような条件下で照明を行いながら、前記
光学系レンズを介して、ボトル巻締角度確認マークとキ
ャップ巻締角度確認マークとを前記カメラにより同時に
写し取り、 前記カメラで写し取った画像データからボトル巻締角度
確認マーク及びキャップ巻締角度確認マークをキャップ
を中心とした極座標に読みとり、必要により展開してそ
れらの位置を検出し、ボトル巻締角度確認マークとキャ
ップ巻締角度確認マークとの角度乃至展開距離を算出
し、この角度乃至展開距離により巻締状態の良否を判定
することを特徴とするボトル・キャップ組立体の検査方
法。 - 【請求項2】 キャップ巻締角度確認マークは、頂板部
の周縁部、頂板部とスカート部とのコーナー部、或いは
スカート部の外面に形成されており、且つボトル巻締角
度確認マークがボトルのサポートリングに形成されてい
る請求項1に記載の検査方法。 - 【請求項3】 前記ボトルは、サポートリングを有する
口部が透明な透明ボトルである請求項1又は2に記載の
検査方法。
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