JP2003236541A - 海水の淡水化処理法および装置 - Google Patents

海水の淡水化処理法および装置

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JP2003236541A JP2002043532A JP2002043532A JP2003236541A JP 2003236541 A JP2003236541 A JP 2003236541A JP 2002043532 A JP2002043532 A JP 2002043532A JP 2002043532 A JP2002043532 A JP 2002043532A JP 2003236541 A JP2003236541 A JP 2003236541A
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Madoka Takahashi
円 高橋
Masanobu Noshita
昌伸 野下
Mitsuhiro Shiraishi
充広 白石
Kozo Saeki
公三 佐伯
Takeharu Tanaka
丈晴 田中
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Kobe Steel Ltd
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2段に接続した逆浸透膜装置を用いて海水を
高回収率で淡水化処理する際に、特に第2段目逆浸透膜
装置の分離膜面へのスケール(炭酸塩を含む)の析出・
堆積を防止し、分離膜の劣化を最小限に抑制しつつ、長
期間に亘って高レベルの分離効率を持続可能にするこ
と。 【解決手段】 被処理海水を第1段目逆浸透膜装置によ
って処理した後、第2段目逆浸透膜装置で更に清浄度を
高めるに当たり、前記第1段目逆浸透膜装置の下流側で
且つ前記第2段目逆浸透膜装置の上流側において、膜透
過水にスケール発生防止処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆浸透膜装置を用
いて海水を淡水化する方法と装置の改良に関し、より詳
細には、直列方向に2段に接続された逆浸透膜装置を用
いて海水を処理して淡水化する際に、特に、処理水(透
過水)中のホウ素濃度を水道法の水質基準濃度以下に効
率よく低減できるように改善された方法と装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】逆浸透膜装置を用いた海水の淡水化法
は、淡水が得られ難い離島や臨海地帯などで海水から塩
分などを除去し、飲料に適した淡水を得る方法として広
く利用されている。
【0003】ところで、海水には通常4〜5mg/リッ
トル程度のホウ素が含まれており、通常の逆浸透膜装置
で処理された膜透過水には1〜2.5mg/リットル程
度のホウ素が含まれてくる。このホウ素は、人体にとっ
て必須の元素である反面、摂取量が多くなり過ぎると人
体に悪影響を及ぼすことが確認されるに及び、水道法の
改訂で飲料水中のホウ素濃度は1mg/リットル以下に
規制されることとなった。
【0004】即ち、現在実用化されている逆浸透膜装置
を用いた海水の淡水化によって得られる膜透過水は、現
在の水道法の水質基準で定めるホウ素濃度を満たしてい
ないものもあり、飲料水としての水質基準に合格させる
には、該膜透過水を更に後処理してホウ素を除去し、ホ
ウ素濃度を1mg/リットル以下に低減しなければなら
ない。そこで、膜透過水からホウ素を除去する方法につ
いても幾つかの研究がなされており、例えば、キレー
ト樹脂によってホウ素を捕捉除去する方法、或いは、
膜透過水を更に低圧逆浸透装置にかけてホウ素濃度を基
準値以下に低減する方法などが提案されている。
【0005】しかし上記の方法には、ホウ素をキレー
ト捕捉したキレート樹脂を再生する際の再生排水処理の
問題がある。従って工業的規模での実用性を考えると前
記の方法、即ち、第1段目の逆浸透膜装置で処理した
膜透過水を、その下流側で更に低圧逆浸透膜装置にかけ
て処理することにより、ホウ素濃度を基準値以下に低減
する方法が有効と考えられる。
【0006】この種の方法をより具体的に説明すると、
例えば特開平9−10766号公報には、第1段目の逆
浸透膜装置を通過した膜透過水をpH5.7以上に調整
し、これを低圧で運転される第2段目の逆浸透膜装置で
処理することによって、ホウ素含量を0.2ppmレベ
ル以下に低減する方法が開示されている。また特開平1
1−10146号公報には、逆浸透膜装置を用いて2段
階で海水を処理する際に、第1段目逆浸透膜装置の透過
水の一部を当該逆浸透膜装置の下流側透過水とし、残部
透過水を当該逆浸透膜装置の上流側へ返送すると共に、
第1段目逆浸透膜装置の供給側pH値を8以下とし、第
2段目逆浸透膜装置の供給側pH値を8以上とすること
によって、ホウ素含量を0.2ppm以下に低減する方
法が開示されている。
【0007】そして、この方法で高レベルのホウ素除去
効率を得るには、第2段目逆浸透膜装置の操作圧力を第
1段目逆浸透膜装置の操作圧力よりも低くすると共に、
第2段目逆浸透膜装置への供給水のpHを8〜10のア
ルカリ性に調整することが好ましいことを明らかにして
いる。
【0008】また経済的な観点から高い回収率で運転す
ることが望ましいが、第1段目逆浸透膜装置は、硫酸カ
ルシウムの析出を防ぐには60%程度の回収率が限界で
ある。第2段目逆浸透膜装置は、なるべく高い回収率、
一般的には70%以上、望ましくは90%以上で運転さ
れる。
【0009】ところが、上記の様に第2段目逆浸透膜装
置への供給水(即ち、第1段目逆浸透膜装置の透過水)
を高pH域に調整し、且つ高回収率で運転した場合、第
1段目逆浸透膜装置の透過水中に相当量含まれるカルシ
ウム(約2.5mg/リットル)、マグネシウム、バリ
ウムなどが透過水中に溶存する炭酸と反応し、不溶性の
スケール(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウムなどの炭酸塩を含む)となって第2段目逆浸透膜
装置の分離膜面に析出する現象が生じる。
【0010】そして、該スケールによって分離膜が目詰
りを起こし、分離効率を著しく低下させるばかりでな
く、分離膜を劣化させる大きな原因となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に着目してなされたものであって、その目的は、直
列方向に2段に接続された逆浸透膜装置を用いて海水を
高回収率で淡水化する際に、特に第2段目逆浸透膜装置
の分離膜面への炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム、炭
酸バリウムなどスケール成分の析出・堆積を防止し、分
離膜の劣化を最小限に抑制しつつ、長期間に亘って高レ
ベルの分離効率を持続し得るような方法と装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明に係る海水の淡水化処理法とは、直列方
向に2段に接続された逆浸透膜装置によって海水を高回
収率で淡水化処理する方法において、第2段目逆浸透膜
装置の上流側で、第1段目逆浸透膜装置の膜透過水にス
ケール発生防止処理を施すところに要旨が存在する。
【0013】この方法を実施する際に採用される上記ス
ケール発生防止処理の具体例としては、脱炭酸処理また
はスケール防止剤添加処理が例示される。そして脱炭酸
処理としては、例えば前記第2段目逆浸透膜装置へ供給
される膜透過水と大気(空気)との気液接触によって行
う方法が好ましく採用される。そして該脱炭酸処理によ
って、膜透過水中のCO2濃度を好ましくは5mg/リ
ットル以下に低減すれば、当該脱炭酸処理部よりも下流
側に配置される逆浸透膜装置を高回収率で運転しても、
分離膜面への炭酸塩の析出・堆積を効果的に阻止でき
る。
【0014】また、スケール発生防止処理の他の例とし
て採用される、前記膜透過水へのスケール防止剤の添加
処理に用いられるスケール防止剤としては、例えばポリ
カルボン酸やポリリン酸等が挙げられ、これらのスケー
ル防止剤を添加すれば、第2段目逆浸透膜装置の分離膜
面でのスケールの発生を抑制できる。
【0015】また本発明の淡水化装置とは、上記淡水化
処理法の実施に用いられる装置を提供するもので、直列
方向に2段に接続された逆浸透膜装置によって海水を高
回収率で淡水化する海水の淡水化処理装置において、第
1段目逆浸透膜装置の下流側で且つ第2段目逆浸透膜装
置の上流側に、スケール発生防止手段が設けられている
ところに要旨が存在する。
【0016】該装置におけるスケール発生防止手段の具
体例としては、脱炭酸装置またはスケール防止剤添加装
置が挙げられ、脱炭酸装置としては、前記第2段目逆浸
透装置へ供給される膜透過水に空気を気液接触させる機
能を備えたものが具体例として挙げられる。またスケー
ル防止剤添加装置としては、前記第2段目逆浸透膜装置
へ供給される膜透過水にスケール防止剤を混入させる機
能を備えたものが具体例として挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明では、直列方向
に接続された2段の逆浸透膜装置によって被処理海水を
高回収率で淡水化処理する際に、前掲の公知技術で指摘
した如く、第2段目逆浸透膜装置で生じる分離膜面への
スケール(炭酸カルシウムの如き炭酸塩を含む)の析出
・堆積を防止することによって、分離効率の低下を防止
すると共に膜劣化を防止するところに特徴を有するもの
で、この方法及び装置を採用することにより、長期間安
定して高レベルの淡水化処理効率を持続可能にすると共
に、逆浸透膜装置の寿命を延長して設備の保全やメンテ
ナンス性を高めることができる。
【0018】以下、代表的な実施形態を示す図面を参照
しつつ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はも
とより下記図示例に限定されるわけではなく、前・後記
の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施する
ことも勿論可能である。
【0019】図1は、本発明に係る淡水化処理法と装置
を例示するフロー図であり、図中、1は海水タンク、2
は、海水中に含まれる浮遊夾雑物等を除去するための前
処理装置、3は第1段目逆浸透膜装置、4はスケール発
生防止手段としての脱炭酸装置、5は中間タンク、6は
アルカリ液槽、7は第2段目逆浸透膜装置、P1〜P3
ポンプを夫々示している。
【0020】この装置を用いて海水の淡水化を行うに当
たっては、海水タンク1に溜められた海水を前処理装置
2へ送り、海水中に含まれている浮遊夾雑物等を予め除
去した後、ポンプP1によって所定の圧力で第1段目逆
浸透膜装置3へ供給する。該第1段目逆浸透膜装置3で
は、内部に装着された逆浸透膜によって塩分が除去さ
れ、塩分濃度の高い非透過水と淡水化された透過水に分
離され、非透過水はラインL1から排出される。
【0021】一方、透過水はラインL2から抜き出しス
ケール発生防止装置としての脱炭酸装置4へ送り、該脱
炭酸装置4でスケール発生防止処理としての脱炭酸処理
を行って透過水中の全炭酸濃度を低減した後、ラインL
3から中間タンク5へ送られる。このとき、好ましくは
アルカリ槽6から適量のアルカリ水溶液をポンプP2
ら供給することによって透過水のpHを調整する。そし
て、ポンプP3で所定圧力に昇圧してから第2逆浸透膜
装置7へ送り、透過水中に含まれる特にホウ素などを更
に除去することによって、ホウ素濃度を水道法の水質基
準である1mg/リットル以下に低減する。
【0022】ところで、前掲の従来法で説明した如く、
ホウ素除去率を高めるため第2段目逆浸透膜装置への供
給水(被処理水)のpHをアルカリ性に調整し、且つ高
回収率で運転すると、第2段目逆浸透膜装置の入側で
は、被処理水(第1段目逆浸透膜装置からの透過水)中
に溶存している炭酸ガスとCaイオン、Mgイオン、B
aイオンなどとの反応による炭酸塩の生成が進み易くな
る。そのため、淡水化操作を行うと被処理水中の炭酸塩
濃度が高まり、該炭酸塩濃度が飽和溶解度を超えると、
該炭酸塩が分離膜面上に析出して分離膜の目詰りを生じ
させ、透過率が低下すると共に膜劣化を起こす原因にな
る。
【0023】そこで本発明では、第1段目逆浸透膜装置
3と第2段目逆浸透膜装置7を結ぶラインにスケール発
生防止手段を設け、ここでスケール発生防止処理を行
う。図1の例では、スケール発生防止手段として脱炭酸
装置4を設け、該脱炭酸装置4で被処理水を脱炭酸処理
することによって炭酸濃度を低減する。即ち図1の例で
は、ラインL2から送られてくる膜透過水に、脱炭酸装
置4で空気を吹き込んで気液接触させることにより、被
処理水中の炭酸ガス濃度を低減する。そうすると、スケ
ール発生源の1つである炭酸塩の生成源としの炭酸が減
少することになる。その結果、分離膜面へのスケールの
析出が防止もしくは抑制され、従来技術で指摘したよう
な問題を解消することができる。
【0024】なお図1の例の如く、空気吹き込みによっ
て脱炭酸を行う場合、脱炭酸装置4ヘの吹き込みに先立
って空気をアルカリスクラバーなどで予め処理し、空気
中の炭酸ガス濃度を低減しておけば、脱炭酸装置4での
脱炭酸効率を更に高めることができるので好ましい。ま
た、脱炭酸効率を高めるための他の手段として、脱炭酸
装置4内を減圧しながら被処理水を散布することも有効
である。また被処理水中の炭酸ガスの飽和溶解度は、空
気吹込みの他、酸素や窒素ガスの吹込みによっても減少
するので、空気に代えてそれらのガスを脱炭酸用の気液
接触ガスとして使用することも有効である。
【0025】被処理水と脱炭酸用ガスを気液接触させる
具体的な方法は特に制限されないが、一般的な方法とし
ては、被処理水槽内に脱炭酸用ガスをバブリングさせる
法、或いは、充填塔や棚段式の気液接触塔などを使用
し、対向流方式で被処理水と気液接触させる方法などが
例示される。
【0026】そして、上記脱炭酸処理による炭酸塩の析
出防止作用を実用規模で有効に発揮させるには、第2段
目逆浸透膜装置の回収率を70〜85%で運転した場
合、被処理水中の全炭酸濃度をCO2換算濃度で5mg
/リットル以下、より好ましくは3mg/リットル以下
に低減させるのがよく、それにより第2段目逆浸透膜装
置の分離膜面への炭酸塩の析出を実質的に無くすことが
できることを確認している。尚、第2段目逆浸透膜装置
を更に高い回収率で運転する場合には、被処理水中の全
炭酸塩濃度を更に低くする必要がある。
【0027】また、他のスケール発生防止処理として、
第1段目逆浸透膜装置3と第2段目逆浸透膜装置7を結
ぶラインで被処理水にスケール防止剤を添加し、第2段
目逆浸透膜装置の分離膜面でのスケールの発生を抑制す
ることも有効である。この方法を採用する場合は、例え
ば図2に示す如く透過水送給管路にスケール防止剤供給
部を設け、これにスケール防止剤槽8からポンプP4
通してスケール防止剤を混入させればよく、これらスケ
ール防止剤槽8とポンプP4がスケール防止剤添加手段
を構成している。
【0028】スケール防止剤の種類は特に限定されない
が、好ましいものとしては、例えばポリカルボン酸、ポ
リリン酸などを挙げることができる。ちなみに、ポリカ
ルボン酸系のスケール防止剤は、例えばバイオラブ社か
ら商品名「フロコン100」として市販されている。ま
たポリリン酸系のスケール防止剤としては、例えばヘキ
サメタリン酸ソーダなどが挙げられる。これらのスケー
ル防止剤を被処理水に対して1〜5mg/リットル程度
添加すれば、第2段目逆浸透膜装置7の分離膜面でのス
ケールの発生を効果的に抑制できるので好ましい。
【0029】なお、海水中の炭酸濃度や淡水化装置全体
の設備仕様などによっては、前記脱炭酸装置4による脱
炭酸用ガスとの気液接触と、スケール防止剤の添加を併
用することが効果的である。
【0030】上記の様に本発明では、2段の逆浸透膜装
置を用いて海水を高収率で淡水化する際に、第2段目逆
浸透膜装置の分離膜面への炭酸塩の析出を、その上流側
で脱炭酸処理することによって防止し、及び/又はスケ
ール防止剤の添加によりスケールの発生を抑制するとこ
ろに最大の特徴を有しており、それ以外の具体的な設備
の構成や操業条件などは必要に応じて任意に変更できる
が、2段の各逆浸透膜装置を接続して淡水化処理する際
の好ましい条件を示すと次の通りである。
【0031】即ち、第1段目逆浸透膜装置の好ましい操
作条件は、回収率;40〜63%、被処理水pH;5.
0〜7.0、より望ましくは6.0〜6.5、圧力;
4.0〜10.0MPa、より望ましくは5.0〜8.
3MPa、第2段目逆浸透膜装置の好ましい条件は、回
収率;60〜90%、被処理水pH;8〜10、より望
ましくは8.5〜9.8、圧力;0.5〜4.0MPa
である。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0033】実施例1 図1に示したフロー図に準拠し、海水を第1段目逆浸透
膜装置で処理した後、透過水を脱炭酸装置に通して空気
と気液接触させることにより脱炭酸処理し、次いでpH
調整してから第2段目逆浸透膜装置に通して処理するこ
とにより淡水化を行った。なお脱炭酸装置としては、気
液接触促進用の充填材が充填された内径300mm、高
さ2700mmの充填塔を使用し、上方から被処理水を
流しながら塔底側から空気を吹き込み、対向流で気液接
触させる方法を採用した。
【0034】そして、脱炭酸装置での空気吹き込み量を
種々変更し、該脱炭酸装置における入側と出側の処理水
中の全炭酸濃度をTOC計によって測定すると共に、第
2段目逆浸透膜装置の分離膜面への炭酸塩の付着状況を
目視観察した。結果を表1に示す。尚、原水(海水)の
成分、第1段目及び第2段目逆浸透膜装置の操業条件な
どは下記の通りとした。 [原水(海水)の成分]Ca濃度;445mg/リット
ル、ホウ素濃度;4.56mg/リットル、全炭酸濃
度;75mg/リットル、 [第1段目逆浸透膜装置の運転条件]被処理水pH;
6.5、温度;21.6℃、圧力;8.0MPa、回収
率;60%、 [第2段目逆浸透膜装置の運転条件]被処理水pH;
9.1、温度;21.6℃、圧力;1.4MPa、回収
率;85%、
【0035】
【表1】
【0036】表1からも明らかな様に、脱炭酸装置で空
気吹込みを行わなかった場合は、出側の全炭酸濃度が高
いため第2段目逆浸透膜装置の濃縮水側の炭酸塩濃度が
高くなり、分離膜面に炭酸塩の析出が生じた。
【0037】これに対し、脱炭酸装置で被処理水と空気
を気液接触させると、被処理水中の全炭酸濃度を大幅に
低減できる。尚これらの実験から、脱炭酸に空気との気
液接触を採用する場合、(吹込み空気量)/(被処理水
量)の比が5倍では、処理後の全炭酸濃度は2.3mg
/リットルまでしか低減しておらず、第2段目逆浸透膜
装置の分離膜面への炭酸塩の析出を完全に阻止すること
ができなかった。これに対し、(吹込み空気量)/(被
処理水量)の比を25倍あるいは40倍に高めると、処
理後の全炭酸濃度は1.3mg/リットルにまで低減
し、第2段目逆浸透膜装置の分離膜面への炭酸塩の析出
を完全になくすことができた。
【0038】なお本発明者らの行った他の実験によれ
ば、脱炭酸装置で処理水中の炭酸ガス濃度を1.7mg
/リットル以下に低減すれば、第2段目逆浸透膜装置の
分離膜面への炭酸塩の析出をほぼ完全に防止できること
を確認している。また、この実験で用いた様な充填塔型
の脱炭酸装置を使用する場合、被処理水を適度に加熱
し、或いは減圧条件で気液接触を行えば、より少ない空
気吹込み量で脱炭酸を効率よく進めることができるこ
と、また吹込み空気をアルカリスクラバー等で処理して
全炭酸濃度を低減しておけば、脱炭酸効率が更に向上す
ることを確認している。
【0039】実施例2 上記実施例1において、空気との気液接触による脱炭酸
に代えて、第1段目逆浸透膜装置から得た透過水にスケ
ール防止剤を添加する方法を採用し、同様の実験を行っ
た。即ち、実施例1で用いたのと同じ海水を使用し、第
1段目逆浸透膜装置により実施例1と同じ条件で処理し
た透過水に、スケール防止剤としてバイオラブ社製の商
品名「フロコン100」(ポリカルボン酸含量:35質
量%)を脱イオン水で10倍に希釈してから、透過水量
1.4m3/時間当たり2.4ppm相当量注入し、こ
れを第2段目逆浸透膜装置へ供給して連続的に淡水化処
理を行った。
【0040】そして、スケール防止剤添加後、第2段目
逆浸透膜装置の透過前後のホウ素濃度を測定し、併せ
て、第2段目逆浸透膜装置の分離膜面へのスケールの析
出状況を調べた。その結果、スケール防止剤の添加によ
り、第2段目逆浸透膜装置の分離膜面へのスケールの析
出は殆ど認められなくなり、また、第2逆浸透膜装置か
らの透過水のホウ素濃度は十分に低減されることが確認
された。
【0041】
【発明の効果】上記の様に本発明の方法及び装置によれ
ば、海水を2段の逆浸透膜装置で淡水化処理する際に、
特に第2段目逆浸透膜装置で生じる分離膜面へのスケー
ル(炭酸塩を含む)の析出による分離効率の低下や分離
膜の劣化を可及的に防止することができ、安定した操業
性のもとでより清浄度の高い淡水を効率よく得ることが
できる。特に本発明によれば、最近の水道法で厳しくな
ったホウ素濃度に関する水質基準も十分に満たす飲料水
を効率よく得ることができ、逆浸透膜装置を用いた淡水
化技術の汎用化を一段と増進し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフロー図である。
【図2】本発明の他の実施例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 海水タンク 2 前処理装置 3 第1段目逆浸透膜装置 4 脱炭酸装置4 5 中間タンク 6 アルカリ槽 7 第2段目逆浸透膜装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/20 C02F 1/20 A 5/00 610 5/00 610Z 5/08 5/08 F 5/10 610 5/10 610Z (72)発明者 白石 充広 神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式 会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 佐伯 公三 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 田中 丈晴 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA03 KA02 KA03 KA41 KA52 KA55 KA56 KB17 KD30 PA01 PB03 4D011 AA15 AA16 AB03 AD03 4D037 AA06 AB11 BA23 BB01 BB02 BB07 CA03 CA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列方向に2段に接続された逆浸透膜装
    置によって海水を淡水化処理する方法において、第2段
    目逆浸透膜装置の上流側で、第1段目逆浸透膜装置の膜
    透過水にスケール発生防止処理を施すことを特徴とする
    海水の淡水化処理法。
  2. 【請求項2】 前記スケール発生防止処理が脱炭酸処理
    である請求項1に記載の淡水化処理法。
  3. 【請求項3】 前記脱炭酸処理を、第2段目逆浸透膜装
    置へ供給される膜透過水と空気との気液接触によって行
    う請求項2に記載の淡水化処理法。
  4. 【請求項4】 前記脱炭酸処理によって、前記第2段目
    逆浸透膜装置へ供給される膜透過水中の全炭酸濃度を、
    CO2換算で5mg/リットル以下に低減する請求項2
    または3に記載の淡水化処理法。
  5. 【請求項5】 前記スケール発生防止処理が、前記膜透
    過水にスケール防止剤を添加するスケール防止剤添加処
    理である請求項1に記載の淡水化処理法。
  6. 【請求項6】 直列方向に2段に接続された逆浸透膜装
    置によって海水を淡水化する海水の淡水化処理装置にお
    いて、第1段目逆浸透膜装置の下流側で且つ第2段目逆
    浸透膜装置の上流側に、スケール発生防止手段が設けら
    れていることを特徴とする海水の淡水化処理装置。
  7. 【請求項7】 前記スケール発生防止手段が脱炭酸装置
    である請求項6に記載の淡水化処理法。
  8. 【請求項8】 前記脱炭酸装置が、前記第2段目逆浸透
    装置へ供給される膜透過水と空気を気液接触させる機能
    を備えたものである請求項7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記スケール発生防止手段がスケール防
    止剤添加装置である請求項6に記載の装置。
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