JP2003236483A - ホッパー付着物除去装置及びホッパー付着物除去方法 - Google Patents

ホッパー付着物除去装置及びホッパー付着物除去方法

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JP2003236483A
JP2003236483A JP2002041914A JP2002041914A JP2003236483A JP 2003236483 A JP2003236483 A JP 2003236483A JP 2002041914 A JP2002041914 A JP 2002041914A JP 2002041914 A JP2002041914 A JP 2002041914A JP 2003236483 A JP2003236483 A JP 2003236483A
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Toshio Ota
敏夫 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホッパー内に付着した湿灰などの付着物を少
ない労力で除去することができるようにする。 【解決手段】 灰搬送管15と異なる搬送経路(送水制
御弁8、排水側溝9)を設け、灰ホッパー2に付着した
湿灰を、洗浄水ノズル7から噴射される温水により洗浄
し、上記洗浄した後の汚水を、送水制御弁8を介して排
水側溝9に洗い流すことにより、灰ホッパー2付着した
湿灰を確実に除去することができるようにして、作業者
が灰ホッパー2から湿灰を掻き出す作業を不要にして、
作業者の作業負担を大幅に軽減することができるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホッパー付着物除
去装置及びホッパー付着物除去方法に関し、特に、発電
プラントにおいて排出される燃焼排ガス中に含まれる灰
であって、電気集塵機で捕獲され、収容されたホッパー
の壁面に付着した灰を除去するために用いて好適なもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、発電プラントにおけるボイラー
などでは、コストが安価であるなどの理由から、コーク
ス炉ガス(COG)を起動燃料として使用し、通常燃料
として石炭を使用しているが、コークス炉ガスを起動燃
料とし、石炭を使用すると燃焼排ガスに多量の灰が発生
する。
【0003】このため、上記発電プラントにおいては、
ボイラーから排出される上記燃焼排ガス中の灰を電気集
塵機で集塵した後、上記集塵した灰を電気集塵機下部に
配設されたホッパー内に収容するようにしている。
【0004】ところで、上記ボイラーの起動時は、電気
集塵機が配設されている箇所の温度は、室温と同程度に
低下している。このため、起動燃料としてコークス炉ガ
スのような水分を多く含むガスを使用すると、上記電気
集塵機が配設されている箇所付近で上記コークス炉ガス
が凝縮して水分が発生する。このため、ホッパーには電
気集塵機で集塵された灰とともにコークス炉ガスに含ま
れる水分も溜まることになる。
【0005】したがって、上記ホッパーにはドレン水が
生じることとなるとともに、上記電気集塵機で集塵され
てホッパーに溜まった灰は水分を含んだ湿灰状態になっ
てしまう不都合が生じる(以下、水分を含んだ灰を湿灰
と表す)。
【0006】そこで、従来は、上記ホッパーの所定位置
に排水口、灰搬送管に通じる灰搬送弁、及び清掃口を配
設して、ホッパー内に溜まった灰やドレン水を除去する
ようにしていた。
【0007】具体的には、ボイラーの起動時に、灰搬送
弁を閉じるとともに排水口を開けて上記湿灰及びドレン
水を除去する。そして、タイムスケジュールに従って灰
搬送弁を開閉することにより、真空引きされている灰搬
送管を介してホッパー内の灰を系外の所定の位置に搬送
するようにしていた。
【0008】また、灰搬送管の真空状態を監視すること
により、灰搬送弁や灰搬送管に灰が詰まっていると判断
した場合には、作業者が清掃口を開けて灰搬送弁に溜ま
っている湿灰を除去するようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法でホッパー内の湿灰やドレン水を除去する
と以下のような問題があった。
【0010】まず、ボイラーの起動初期段階では、上述
したように、ホッパー内には湿灰とドレン水とが溜まる
ため、作業者が排水口を開けて行う湿灰の除去作業は、
多大な労力を要するという問題があった。
【0011】具体的には、ホッパー内に溜まる湿灰の多
くはホッパーの壁面に付着してしまうため、作業者がホ
ッパーに付着した灰を掻き出さなければならず、さら
に、湿灰やドレン水が作業者に降りかかってしまうとい
う問題があった。
【0012】また、灰搬送弁や灰搬送管に湿灰が詰まっ
てしまった場合には、作業者が清掃口を開けて上記灰搬
送弁に溜まった灰を除去しなければならず、多大な労力
を要するという問題があった。
【0013】さらに、ホッパーから排出された湿灰を清
掃する後処理作業も、多大な労力を要するという問題が
あった。
【0014】本発明は、上述の問題点にかんがみ、ホッ
パー内に付着した湿灰などの付着物を少ない労力で除去
することができるようにすることを第1の目的とする。
また、ホッパー内に収容した灰を排出するための排出系
統が詰まってしまうことを防止することを第2の目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のホッパー付着物
除去装置は、収容された灰を外部に排出するための灰搬
出経路と、上記灰搬出経路を開閉する灰搬出経路開閉手
段とを有するホッパーの付着物を除去するホッパー付着
物除去装置であって、上記灰を含むホッパーの付着物を
洗浄する付着物洗浄手段と、上記付着物洗浄手段により
上記付着物を洗浄した時に生じる汚水を上記ホッパーの
外部に排出するための汚水排出経路と、上記汚水排出経
路を開閉する汚水排出経路開閉手段とを有し、上記灰搬
出経路開閉手段を閉めて上記灰搬出経路と上記ホッパー
とを遮断するとともに、上記汚水排出経路開閉手段を開
けて上記汚水排出経路と上記ホッパーとを開通させてか
ら、上記付着物洗浄手段により上記ホッパーに付着した
付着物を洗浄するようにしたことを特徴としている。ま
た、本発明の他の特徴とするところは、上記付着物洗浄
手段により付着物が洗浄されたホッパーを乾燥させるホ
ッパー乾燥手段を有することを特徴としている。また、
本発明のその他の特徴とするところは、上記付着物洗浄
手段によりホッパーに付着した付着物を洗浄した時に生
じる汚水に含まれる浮遊物質の濃度を計測する濃度計測
手段を有し、上記濃度計測手段により計測される浮遊物
質の濃度が基準値以下になったときに、上記付着物洗浄
手段による洗浄が完了したと判断するようにしたことを
特徴としている。また、本発明のその他の特徴とすると
ころは、上記付着物洗浄手段は、上記ホッパーの内壁面
の上方から下方に向けて温水が噴射されるように配設さ
れた複数のノズルを有し、上記複数のノズルから、上記
ホッパーに付着した付着物を洗浄するのに必要な水を噴
射させるようにしたことを特徴としている。また、本発
明のその他の特徴とするところは、上記付着物洗浄手段
は、上記ホッパーに付着した付着物を洗浄する洗浄水と
して、ボイラーのドレン水を利用するようにしたことを
特徴としている。また、本発明のその他の特徴とすると
ころは、上記複数のノズルは、上記ホッパーの内壁面の
内壁面方向で所定の間隔を有し、且つ各ノズルの噴射口
の向いている方向が、上記ホッパーの内壁面の真下方向
から45度以上60度以下の角度を有するように配設さ
れていることを特徴としている。
【0016】本発明のホッパー付着物除去方法は、収容
された灰を外部に排出するための灰搬出経路と、上記灰
搬出経路を開閉する灰搬出経路開閉手段とを有するホッ
パーの付着物を除去するホッパー付着物除去方法であっ
て、上記灰搬出経路開閉手段を閉めて上記灰搬出経路と
上記ホッパーとを遮断するとともに、上記ホッパーに付
着した付着物を上記ホッパーの外部に排出するための汚
水排出経路に配設されている汚水排出経路開閉手段を開
けて上記汚水排出経路と上記ホッパーとを開通させる処
理を行ってから、上記灰を含むホッパーの付着物を洗浄
するための付着物洗浄手段を動作させる処理を行い、上
記ホッパーに付着した付着物を上記付着物洗浄手段によ
り洗浄し、洗浄した時に生じる汚水を上記汚水排出経路
を介して外部に排出するようにしたことを特徴としてい
る。また、本発明の他の特徴とするところは、上記付着
物洗浄手段により付着物が洗浄されたホッパーを、ホッ
パー乾燥手段を動作させて乾燥させる乾燥処理を行うこ
とを特徴としている。また、本発明のその他の特徴とす
るところは、上記付着物洗浄手段によりホッパーに付着
した付着物を洗浄した時に生じる汚水に含まれる浮遊物
質の濃度を濃度計測手段によって計測する計測処理と、
上記濃度計測手段により計測される浮遊物質の濃度が基
準値以下になったときに、上記付着物洗浄手段による洗
浄が完了したと判断する洗浄終了判断処理とを行うこと
を特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明のホッパー付着物除去装置及びホッパー付着物除
去方法の実施の形態について説明する。なお、本実施の
形態では、ホッパー付着物除去装置を発電プラントに適
用した場合を例に挙げて説明する。
【0018】図1は、本発明の実施の形態を示し、ホッ
パー付着物除去装置の構成の一例を示した図である。図
1において、電気集塵機1で捕獲した灰を収容するため
の灰ホッパー2の内壁面に付着した灰を含む付着物を除
去する本実施の形態のホッパー付着物除去装置3は、ボ
イラーブロータンク4と、送水ポンプ5と、送水制御弁
6と、洗浄水ノズル7と、汚水排出経路開閉手段として
配設される洗浄水排出弁8と、汚水排出経路に配設され
る排水側溝9と、SS分析計10と、空気制御弁11
と、空気ノズル12と、スチームトレース13と、灰ホ
ッパ壁面温度計14とを有している。そして、上記灰ホ
ッパー2は、灰搬送弁15と灰搬送管16とを有してい
る。
【0019】上記電気集塵機1は、例えば石炭ボイラー
からの燃焼排ガスの排出経路に配設され、上記燃焼排ガ
ス中に含まれる灰を捕獲するために、図示しないコロナ
放電を起こすための電極や、電気集塵板などを有してい
る。
【0020】すなわち、電気集塵機1は、上記石炭ボイ
ラーから排出される石炭などに含まれる灰をコロナ放電
などにより荷電させ、上記荷電させた灰を静電力の作用
により電気集塵板に引き寄せて捕獲する。そして、上記
電気集塵板を叩くなどして捕獲した灰を灰ホッパー2に
落として収容するようにしている。
【0021】灰ホッパー2は、上記電気集塵機1の下部
に配設され、上述したようにして電気集塵機1で捕獲さ
れた灰や、石炭ボイラーの起動時に上記ガスが凝縮する
ことによって生じる水を収容しておくためのものであ
る。このように、灰ホッパー2には、灰(乾燥した灰、
湿灰の両方を含む)の他にドレン水も溜まることにな
る。
【0022】なお、図1では、電気集塵機1の下部に灰
ホッパー2を2つ配設した場合を示したが、電気集塵機
1の下部に配設する灰ホッパー2の数は2つに限定され
るものではない。
【0023】ボイラーブロータンク4は、灰ホッパー2
の内壁面に付着した灰を含む付着物を後述するようにし
て洗い流すための水を貯蔵するタンクである。このボイ
ラーブロータンク4は、具体的に、石炭ボイラーの水質
維持のために系外に排出されるドレン水を希釈するなど
して80℃から100℃程度の温度になった温水を貯蔵
する。
【0024】送水ポンプ5は、ブロー水を系外に排出す
る時に使用される既存のポンプであり、ボイラーブロー
タンク4に貯蔵された80℃〜100℃程度の温度の温
水を灰ホッパー2に供給するためのものである。
【0025】このように、80℃〜100℃程度に水温
を下げて送水ポンプ5から灰ホッパー2に温水を供給す
るのは、大気圧下で100℃を超える温水を使用する
と、上記既存のポンプが、キャビテーション現象などに
より損傷してしまう虞があるからである。
【0026】なお、既存のポンプを送水ポンプ5として
使用せずに別途のポンプを送水ポンプ5として配設する
ようにしてもよいということは言うまでもない。
【0027】送水制御弁6は、送水ポンプ5から灰ホッ
パー2に供給される温水の流量を調整するための弁であ
る。この送水制御弁6は、灰ホッパー2に溜まったドレ
ン水が排出された後に開放される。
【0028】洗浄水ノズル7は、送水制御弁6が開放し
たときに送水ポンプ5から供給される温水を、灰ホッパ
ー2の内壁面の上方から下方に向けて噴射するためのも
のであり、複数配設されている。
【0029】これら複数の洗浄水ノズル7は、図2に示
すように、灰ホッパー2の内壁面方向で所定の間隔を有
し、且つ各ノズル7の噴射口の向いている方向が灰ホッ
パー2の内壁面の真下方向から45度以上60度以下
(内壁面方向から30度以上45度以下)の角度を有す
るように配設されている。
【0030】このようにして洗浄水ノズル7を配設する
のは、灰ホッパー2の内壁面に付着した付着物を洗い流
すのに必要な水膜を、少ない個数の洗浄水ノズル7で形
成することができるようにするためである。
【0031】そして、本実施の形態のホッパー付着物除
去装置3では、試運転時に、洗浄水ノズル7の形状、洗
浄水ノズル7から噴射される水の流量と圧力、洗浄水ノ
ズル7の配設角度、洗浄水ノズル7の配設個数などを適
宜調整して、灰ホッパー2に溜まった灰を洗い流すこと
ができる水膜が形成されるようにしている。
【0032】ただし、洗浄水ノズル7の形状、洗浄水ノ
ズル7の配設角度、洗浄水ノズル7の配設個数を調整す
るのはコストがかかるので、実際には、洗浄水ノズル7
から噴射される水の流量と圧力を調整しながら灰ホッパ
ー2の内壁面での水膜を実測し、所定の水膜が形成され
るようにしている。具体的には、例えば2mm程度の水
膜が形成されるようにするのが好ましい。
【0033】なお、洗浄水ノズル7が配設されている箇
所における灰ホッパー2の内周長と、洗浄水ノズル7か
ら噴射される水の流量とから上記水膜を計算するように
してもよい。このようにすれば、上記水膜を実測しなく
てもよくなる。また、灰ホッパー2に堆積される灰の性
状をも考慮して水膜を決定するのがより好ましい。
【0034】洗浄水排出弁8は、灰ホッパー2の下部に
配設され、この弁を開放することにより洗浄水ノズル7
から噴射される水が、灰ホッパー2に溜まった灰ととも
に、第2の排出経路に配設された排水側溝9に洗い流さ
れる。
【0035】SS(Suspended Solid)分析計10は、
灰ホッパー2から洗浄水排出弁8を介して排水側溝9に
洗い流される汚水に含まれる浮遊物質(灰)の濃度を測
定する機能を有する。作業者は、このSS分析計10の
測定値に基づいて、灰ホッパー2内の灰の量を確認す
る。
【0036】なお、上記SS分析計10における基準値
は、ホッパー付着物除去装置3の試運転時における測定
値などを考慮して決定するのが好ましい。
【0037】空気制御弁11は、空気ノズル12に供給
される乾燥空気の量を制御するための弁であり、上記S
S分析計10の測定値に基づいて灰ホッパー2に溜まっ
た灰が洗い流されたことが確認された後に開放される。
【0038】空気ノズル12は、上記空気制御弁11が
開放したときに供給される乾燥空気を、灰ホッパー2の
内壁面に対して上方から噴射することにより灰ホッパー
2を乾燥させるためのものである。なお、本実施の形態
では、灰ホッパー2の内壁面方向で所定の間隔を有する
ように上記空気ノズル12を複数配設している。
【0039】スチームトレース13は、空気ノズル12
から噴出される乾燥空気と併用して灰ホッパー2を乾燥
させるためのものである。具体的には、灰ホッパー2の
外壁面に沿って螺旋状に配設された管内に、高温高圧の
蒸気を流すことにより実現される。
【0040】灰ホッパー壁面温度計14は、灰ホッパー
2の内壁面上に配設され、灰ホッパー2の内壁面の温度
を計測するための温度計である。
【0041】灰搬送弁15は灰搬出経路開閉手段として
設けられているものである。上記灰搬送弁15が開状態
となることにより、上記灰ホッパー2内の灰が灰搬出経
路に配設された上記灰搬送管16に供給される。灰搬送
管16内に供給された灰は、灰搬送管16に配設された
搬送手段によって所定の集積場所に搬送される。上記搬
送手段としては、ベルトコンベア、スクリューコンベ
ア、真空または圧縮空気を利用した手段等、任意の手段
を利用することができる。
【0042】次に、図3のフローチャートを参照しなが
ら、本実施の形態のホッパー付着物除去装置3の作業手
順の一例を説明する。
【0043】まず、最初のステップS1において、スチ
ームトレース13を作動させる。次に、ステップS2に
おいて、石炭ボイラー1の起動前に、灰搬送弁15を閉
じるとともに洗浄水排出弁8を開放する。これにより、
灰ホッパー2と灰搬送管16とが遮断される。
【0044】次に、ステップS3において、石炭ボイラ
ーの起動後に灰ホッパー2に溜まったドレン水が洗浄水
排出弁8を介して排水側溝9に排出されるまで待機し、
排出されたらステップS4に進む。
【0045】そして、ステップS4において、送水制御
弁6を開放する。これにより、ボイラーブロータンク4
内に貯蔵されている水が、洗浄水ノズル7から噴出さ
れ、灰ホッパー2の壁面に付着していた付着物(灰)が
洗い流される。そして、灰を含んだ汚水が洗浄水排出弁
8を介して排水側溝9に排出される。
【0046】次に、ステップS5において、SS分析計
10の測定値が第1の基準値以下になるまで待機し、測
定値が第1の基準値以下になり、灰ホッパー2の壁面に
付着していた灰が洗い流されると、ステップS6に進
み、送水制御弁6を閉じる。
【0047】次に、ステップS7において、空気制御弁
11を開放する。これにより、空気ノズル12から灰ホ
ッパー2の内壁面に乾燥空気が噴出され、灰ホッパー2
の乾燥作業が開始する。
【0048】次に、ステップS8において、SS分析計
10の測定値が上記第1の基準値よりも低い値の第2の
基準値以下になるまで待機し、測定値が第2の基準値以
下になり、洗浄水排出弁8からの排出物中に灰がほとん
ど含まれなくなったらステップS9に進む。
【0049】そして、ステップS9において、洗浄水排
出弁6と空気制御弁11を閉じる。次に、ステップS1
0において、灰搬送弁14を開放する。これにより、灰
ホッパー2内の灰が灰搬送管16に送られる。
【0050】以上のように、本実施の形態では、ホッパ
ーに付着している湿灰などの付着物を除去するための送
水制御弁8及び排水側溝9を設け、石炭ボイラー起動時
に、灰搬送弁15を閉じるとともに送水制御弁8を開
き、灰ホッパー2に付着した湿灰を、洗浄水ノズル7か
ら噴射される水により洗浄して排水側溝9に洗い流すよ
うにしたので、ホッパーに付着した湿灰を確実に除去す
ることができる。これにより、従来行われていた、作業
者がホッパーから湿灰を掻き出す作業を不要にすること
ができ、作業者の作業負担を大幅に軽減することができ
る。特に、灰ホッパー2の壁面に付着していた灰を除去
するための灰搬送弁15や灰搬送管16に灰が詰まって
しまうことを防止することができる。
【0051】さらに、灰を洗い流した後の灰ホッパー2
の内壁面を、空気ノズル12やスチームトレース13を
用いて乾燥させるようにしたので、灰を洗い流した後に
灰ホッパー2の内壁面に水滴などが付着されたままにな
ることを防止することができる。
【0052】これにより、灰を洗い流した後に灰ホッパ
ー2に収容する灰が、灰ホッパー2の内壁面に付着して
しまうことを防止することができ、灰の排出をより容易
に行うことができる。
【0053】なお、本実施の形態では、発電プラントに
既存するポンプを流用してホッパー付着物除去装置3を
安価に構成することができるようにしているが、既存の
ポンプを使用せずに100℃以上の高温の水を灰ホッパ
ー2に供給することができる構成にしてもよい。
【0054】具体的には、例えば、石炭ボイラーからの
ドレン水を直接灰ホッパー2に供給するようにしてもよ
い。このようにすれば、灰ホッパー2に溜まった灰を高
温の水で洗い流すことができ、灰ホッパー2に溜まった
灰をより効率よく洗い流すことができる。
【0055】また、上述した洗浄水ノズル7の配設角度
は、コストなどを考慮した最適値であるが、灰ホッパー
2に溜まった灰を洗い流すことができれば、配設角度は
上述した範囲に限定されない。
【0056】また、本実施の形態のホッパー付着物除去
装置3では、洗浄水排出弁8からの排出物中に灰がほと
んど含まれなくなったことを確認してから灰ホッパー2
の乾燥作業を終了するようにしたが、灰ホッパー壁面温
度計14により計測される灰ホッパー2の内壁面の温度
がスチームトレース13の出口の温度に到達した後、さ
らに一定時間が経過してから乾燥作業を終了するように
してもよい。
【0057】ここで、上記一定時間とは、灰ホッパー2
の内壁面に付着している水滴などを乾燥させるのに必要
な時間であり、スチームトレース13の温度、スチーム
トレース13内の蒸気の温度、及び空気ノズル12から
噴出される乾燥空気の量などに基づいて理論的に決定さ
れる。具体的には十数時間までの範囲を意味する。
【0058】ただし、灰ホッパー2を乾燥させるのに実
際上必要な時間は、理論値よりも多くなることもあるの
で、理論値よりも多少余裕を見て上記一定時間を設定す
る必要がある。
【0059】その他、乾燥作業中に洗浄水排出弁8から
排出される排ガスに含まれる水分を測定し、測定した水
分が基準値以下になったときに乾燥作業を終了するよう
にしてもよい。
【0060】さらに、上述のようにして行われる乾燥作
業の判断に用いた測定値から経験的に乾燥時間を設定す
るようにしてもよい。
【0061】また、本実施の形態では、洗浄水ノズル7
から噴射される温水により灰を排出する構成としたが、
例えば、高圧の蒸気と温水とを併用して灰を洗い流すよ
うにしてもよい。すなわち、灰を洗い流すことができれ
ばどのような手段であってもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ホッパーに付着した付着物を洗浄する付着物洗浄手段
と、上記付着物洗浄手段により上記ホッパーに付着した
付着物を洗浄した時に生じる汚水をホッパーの外部に除
去するための汚水排出経路と、上記汚水排出経路と上記
ホッパーとの開通または遮断を行うために開閉動作を行
う汚水排出経路開閉手段とを設け、上記ホッパー内に収
容した灰を外部に搬出するための灰搬出経路とホッパー
とを遮断するとともに、上記汚水排出経路とホッパーと
を開放してから、上記ホッパーに付着した付着物を洗浄
し、上記付着物を洗浄したことにより生じる汚水を上記
汚水排出経路に流すようにしたので、ホッパーに付着し
た付着物を容易且つ確実に除去することができる。これ
により、従来のように作業者がホッパーに付着している
付着物を掻きだす作業を不要にすることができ、作業者
の作業負担を大幅に軽減することができる。特に、ホッ
パー内に収容した灰を除去するための灰搬出経路開閉手
段や灰搬出経路が詰まってしまうことを確実に防止する
ことができ、作業者の作業負担を大幅に軽減することが
できる。
【0063】また、本発明の他の特徴によれば、上記灰
を洗い流した後に、ホッパーを乾燥させるようにしたの
で、ホッパーに付着している付着物を除去した後に、ホ
ッパーに水分が付着されたままになることを防止するこ
とができる。これにより、ホッパーに付着している付着
物を除去した後にホッパーに収容される灰が、上記ホッ
パーの壁面に付着してしまうことを防止することができ
る。
【0064】また、本発明のその他の特徴によれば、ボ
イラーのドレン水を利用してホッパーの内壁面に温水を
噴射するようにしたので、ホッパーに付着している付着
物を安価に除去することができる。
【0065】また、本発明のその他の特徴によれば、ホ
ッパーの内周方向で所定の間隔を有し、且つ噴射口の向
いている方向が上記ホッパーの内壁面の真下方向から4
5度以上60度以下の角度を有するように複数のノズル
を配設したので、少ない数のノズルによりホッパーに付
着した付着物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、ホッパー付着物除
去装置の構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態を示し、洗浄水ノズルが配
設された灰ホッパーの内壁面の様子を模式的に示した図
である。
【図3】本発明の実施の形態を示し、ホッパー付着物除
去装置の作業手順の一例を説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 電気集塵機 2 灰ホッパー 3 ホッパー付着物除去装置 4 ボイラーブロータンク 5 送水ポンプ 6 送水制御弁 7 洗浄水ノズル 8 洗浄水排出弁 11 空気制御弁 12 空気ノズル 13 スチームトレース 15 灰搬送弁 16 灰搬送管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B116 AA32 AB53 BB22 BB82 CC03 CC05 3B201 AA32 AB53 BB22 BB82 BB92 CC11 CC21 3E070 AA19 AB11 DA01 GA11 RA07 VA15 WF14 4D054 AA02 EA09 EA10 4G068 AA07 AB27 AC11 AD29 AD33 AF35 AF37

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収容された灰を外部に排出するための灰
    搬出経路と、上記灰搬出経路を開閉する灰搬出経路開閉
    手段とを有するホッパーの付着物を除去するホッパー付
    着物除去装置であって、 上記灰を含むホッパーの付着物を洗浄する付着物洗浄手
    段と、 上記付着物洗浄手段により上記付着物を洗浄した時に生
    じる汚水を上記ホッパーの外部に排出するための汚水排
    出経路と、 上記汚水排出経路を開閉する汚水排出経路開閉手段とを
    有し、 上記灰搬出経路開閉手段を閉めて上記灰搬出経路と上記
    ホッパーとを遮断するとともに、上記汚水排出経路開閉
    手段を開けて上記汚水排出経路と上記ホッパーとを開通
    させてから、上記付着物洗浄手段により上記ホッパーに
    付着した付着物を洗浄するようにしたことを特徴とする
    ホッパー付着物除去装置。
  2. 【請求項2】 上記付着物洗浄手段により付着物が洗浄
    されたホッパーを乾燥させるホッパー乾燥手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のホッパー付着物除去
    装置。
  3. 【請求項3】 上記付着物洗浄手段によりホッパーに付
    着した付着物を洗浄した時に生じる汚水に含まれる浮遊
    物質の濃度を計測する濃度計測手段を有し、上記濃度計
    測手段により計測される浮遊物質の濃度が基準値以下に
    なったときに、上記付着物洗浄手段による洗浄が完了し
    たと判断するようにしたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載のホッパー付着物除去装置。
  4. 【請求項4】 上記付着物洗浄手段は、上記ホッパーの
    内壁面の上方から下方に向けて温水が噴射されるように
    配設された複数のノズルを有し、 上記複数のノズルから、上記ホッパーに付着した付着物
    を洗浄するのに必要な水を噴射させるようにしたことを
    特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のホッパー
    付着物除去装置。
  5. 【請求項5】 上記付着物洗浄手段は、上記ホッパーに
    付着した付着物を洗浄する洗浄水として、ボイラーのド
    レン水を利用するようにしたことを特徴とする請求項4
    に記載のホッパー付着物除去装置。
  6. 【請求項6】 上記複数のノズルは、上記ホッパーの内
    壁面の内壁面方向で所定の間隔を有し、且つ各ノズルの
    噴射口の向いている方向が、上記ホッパーの内壁面の真
    下方向から45度以上60度以下の角度を有するように
    配設されていることを特徴とする請求項4または5に記
    載のホッパー付着物除去装置。
  7. 【請求項7】 収容された灰を外部に排出するための灰
    搬出経路と、上記灰搬出経路を開閉する灰搬出経路開閉
    手段とを有するホッパーの付着物を除去するホッパー付
    着物除去方法であって、 上記灰搬出経路開閉手段を閉めて上記灰搬出経路と上記
    ホッパーとを遮断するとともに、上記ホッパーに付着し
    た付着物を上記ホッパーの外部に排出するための汚水排
    出経路に配設されている汚水排出経路開閉手段を開けて
    上記汚水排出経路と上記ホッパーとを開通させる処理を
    行ってから、上記灰を含むホッパーの付着物を洗浄する
    ための付着物洗浄手段を動作させる処理を行い、 上記ホッパーに付着した付着物を上記付着物洗浄手段に
    より洗浄し、洗浄した時に生じる汚水を上記汚水排出経
    路を介して外部に排出するようにしたことを特徴とする
    ホッパー付着物除去方法。
  8. 【請求項8】 上記付着物洗浄手段により付着物が洗浄
    されたホッパーを、ホッパー乾燥手段を動作させて乾燥
    させる乾燥処理を行うことを特徴とする請求項7に記載
    のホッパー付着物除去方法。
  9. 【請求項9】 上記付着物洗浄手段によりホッパーに付
    着した付着物を洗浄した時に生じる汚水に含まれる浮遊
    物質の濃度を濃度計測手段によって計測する計測処理
    と、 上記濃度計測手段により計測される浮遊物質の濃度が基
    準値以下になったときに、上記付着物洗浄手段による洗
    浄が完了したと判断する洗浄終了判断処理とを行うこと
    を特徴とする請求項7または8に記載のホッパー付着物
    除去方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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