JP2003235863A - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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JP2003235863A
JP2003235863A JP2002039573A JP2002039573A JP2003235863A JP 2003235863 A JP2003235863 A JP 2003235863A JP 2002039573 A JP2002039573 A JP 2002039573A JP 2002039573 A JP2002039573 A JP 2002039573A JP 2003235863 A JP2003235863 A JP 2003235863A
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ultrasonic
container
radioactive substance
radiation
treatment apparatus
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JP2002039573A
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English (en)
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Yoshiharu Ishibashi
義治 石橋
Motoji Haratou
基司 原頭
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肺野への超音波の侵入を防止した、乳腺疾患
の治療に好適な超音波治療装置を提供する。 【解決手段】 開口部11を有し、この開口部から挿入
される被検体の乳房部Bを収容する容器12と、この容
器の内側に、周状に配置した複数の超音波振動子13
と、この複数の超音波振動子を、前記容器内の所望の位
置に焦点Fを結ぶように駆動する駆動手段20とを具備
した。これにより、容器内に治療用超音波の焦点を結ば
せるので、乳房の後にある肺野に治療用超音波が照射さ
れることはなく、乳腺疾患への超音波治療が安全に行な
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リンパ節郭清或い
は女性の乳房部を治療対象とするのに好適な超音波治療
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】悪性新生物いわゆる癌が治療対象である
場合、外科的切除術・放射線療法・化学療法(抗癌剤)
が3大療法となっているが、根治的治療法としては外科
的手法に頼っている。このような現状から、治療に伴い
本来その臓器が持つ機能や外見上の形態を大きく損なう
ことが極めて多く、治療により生命を長らえたとしても
患者にとって肉体的、精神的に大きな負担が残る結果と
なっている。また、抗癌剤投与による薬物療法も発達し
てきたものの、副作用があり大きな問題となっている。
【0003】近年医療の分野では、患者への負担を最小
限にとどめながら十分な治療効果を発揮させる最小侵襲
治療(Minimally Invasive Treatment:以下、MIT
と略称する。)の考え方が注目されているとともに、術
後における患者の生活の質(Quality of Life:以
下、QOLと略称する。)の向上も重視されるようにな
ってきている。そのため、特に悪性新生物の治療に対し
て、QOLを考慮したより低侵襲な治療法(治療装置)
の開発が強く望まれ、上述のようなMITの流れの中
で、新しい癌治療技術の1つとして、熱を利用した治療
法が注目を浴びるようになってきた。その著名な例がハ
イパーサーミア療法である。ハイパーサーミア療法は、
腫瘍組織と正常組織との熱感受性の違いを利用して、患
部を42.5℃以上に加温・維持することにより癌細胞
のみを選択的に死滅させる療法である。加温手段として
は、マイクロ波等の電磁波を用いる方法が先行している
が、この方法では生体の電気的特性により深部の腫瘍を
選択的に加温することが困難であり、深さ5cm以上の腫
瘍に対しては良好な治療成績を望むことはできない。そ
のため、生体内深部の腫瘍に対して、深達度の高い超音
波エネルギを利用する方法が提案されている(特公平5
−63177号公報参照)。
【0004】また、上記の加温治療法を更に進めて、凹
面形状のピエゾ素子により発生した超音波を患部に収束
させて加熱することにより、患部組織を熱変性壊死させ
る治療法も知られている(USP5010711号参
照)。この治療法は、超音波エネルギを収束させて、幅
1〜3mm程度の限局した領域を、およそ1秒間で80
℃以上に加温することが可能であり、主に、肝臓癌、乳
腺疾患、脳腫瘍、泌尿器科系疾患への適用が検討されて
いる。特に、乳癌患者に対して、乳房切除術によらず、
乳房温存を達成する有力な治療法として期待を集めてい
る。しかしながら、乳房部への超音波治療には一つの危
惧が指摘されていた。すなわち、乳房の後方には肺が存
在し、肺は含気性の臓器であるため超音波の影響を受け
易いことである。そのため、乳房に対して胸部正面側へ
向けて超音波を照射すると、その超音波が肺で吸収され
て出血や壊死などの副作用を生ずるおそれがあるという
ことであった。このような危惧への対処として、照射さ
れる超音波が肺野方向へ伝播し難くするように、凹面形
状をした超音波発生源の被検体の体軸に対する配置角度
を制限することが提案され、その詳細が特開平11−1
92231号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この特開平
11−192231号公報に開示されている凹面形状を
した超音波発生源の配置角度を制限する方法では、治療
対象部位が大きく制限されてしまい、適用範囲が狭くな
ってしまうという問題がある。特に、肺野への超音波の
侵入を排除しようとすればするほど、治療対象範囲が狭
まるとともに、治療対象範囲を広げようとすると肺野へ
の超音波の侵入を排除しきれなくなり、肺野での超音波
の吸収に伴う副作用を防止することができないことが大
きな課題であった。また、リンパ節郭清を施すことも困
難であった。本発明は、このような課題を解決するため
になされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、開口部を有し、この開口
部から挿入される被検体の乳房部を収容する容器と、こ
の容器の内側に、周状に配置した複数の超音波振動子
と、この複数の超音波振動子を、前記容器内の所望の位
置に焦点を結ぶように駆動する駆動手段とを具備するこ
とを特徴とする。また、請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載の超音波治療装置において、前記駆動手段
は、前記複数の超音波振動子の内、所望のものを選択的
に駆動することを特徴とする。これにより、肺野などの
超音波の影響を受け易い部位にダメージを与えることな
く、乳腺疾患への超音波治療が容易となる。また、請求
項9に記載の発明は、被検体に超音波を照射する超音波
発生手段と、前記被検体に投与された腫瘍凝集性の放射
性物質を検出する放射線検出手段と、この放射線検出手
段で前記放射性物質を検出した位置に、前記超音波の焦
点を結ぶように前記超音波発生手段を駆動する駆動手段
とを具備することを特徴とする超音波治療装置である。
これにより、腫瘍凝集性の放射性物質を検出した位置に
焦点を結ばせて超音波を照射するので、リンバ節郭清が
容易となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超音波治療装
置の実施の形態について、図1ないし図3を参照して詳
細に説明する。図1は、本発明に係る超音波治療装置の
一実施の形態を概略的に示した系統図である。この超音
波治療装置は、特に女性の乳房部を治療対象とするもの
であり、大別すると超音波アプリケータ10と、本体部
20およびモニタ部30とから構成されている。超音波
アプリケータ10は断面図として示してあるが、上面1
1が開口した例えば樽型に形成された容器12から成
り、その内側に治療用超音波の発生源である片状のピエ
ゾ素子13が、周面状に多数配列されている。すなわ
ち、これら周面状に配列されているピエゾ素子13の中
心は、容器12の中心軸14を通るように配置されてい
る。従って、各ピエゾ素子13を同時に同位相で駆動し
た場合に、容器12の中心かもしくは上面11寄りに焦
点Fを結ぶようになっている。なお、容器12の下面1
5は閉成されていて、ここにイメージング用の超音波プ
ローブ16がその中心軸が容器12の中心軸14と一致
するように挿入されており、この超音波プローブ16は
その中心軸を軸として回転可能となっている。
【0008】一方、本体部20は、治療用超音波の発生
源であるピエゾ素子13の駆動を制御するとともに、イ
メージング用の超音波プローブ16を制御して超音波画
像を生成し、その超音波画像をモニタ30に表示する。
そのため、各ピエゾ素子13に対応させて個別に、整合
器21、駆動部22および移相器23が設けられてい
る。そして移相器23には、発振器24の出力が分岐し
て供給されるようになっていて、この移相器23の移相
量や発信器24の発振周波数を制御する制御器25が設
けられている。また駆動部22の出力も制御器25によ
って制御されている。さらに、制御器25には、キーボ
ード、マウス、ジョイスティックなどを有する入力器2
6が接続され、オペレータからの指示を設定したりそれ
を変更したりすることが可能となっている。よってピエ
ゾ素子13とそれを駆動、制御する系統はフェーズドア
レイシステムを構成し、ピエゾ素子13毎の移相量を電
子的に個別に調整することによって、ピエゾ素子13全
体による超音波の焦点の位置を、容器12の中心から上
下方向、左右方向へ任意に移動させることができる。な
お、イメージング用の超音波プローブ16による超音波
画像をモニタ30へ表示する系統(画像表示系)は、周
知の超音波診断装置と同様なので説明は省略するが、制
御器25や入力器26は画像表示系にも共用され、例え
ばモニタ30に表示される超音波画像上に焦点マーカM
を重ねて表示し、この表示された焦点マーカMの位置に
合わせてピエゾ素子13が焦点を結ぶように、駆動部2
2、移相器23、発振器24などを制御器25が制御す
ることになる。また、モニタ30の画面に対して手前方
向あるいは奥方向に存在する部位については、超音波プ
ローブ16を容器12の中心軸14を中心として回転さ
せることによって画面に描出させることができる。
【0009】次に、上記のように構成された本発明に係
る超音波治療装置の使用法と動作について説明する。超
音波アプリケータ10は、例えば、図示しない寝台に取
り付けられ、被検体は寝台に腹這い状に寝てその乳房
を、上面11の開口から容器12内へと挿入する。図1
においてBは被検体の乳房を示し、Dは乳房B内の患部
を示している。容器12内には、ピエゾ素子13から乳
房Bまでの超音波の伝播を補助するための超音波伝播媒
体として、例えば良く脱気された水18が充填されてい
る。オペレータは、モニタ30に表示される超音波プロ
ーブ16による乳房Bの超音波画像から患部Dを確認
し、患部Dにピエゾ素子13による治療用超音波の焦点
Fを一致させるために、入力器26の例えばマウスを操
作して、モニタ30上の焦点マーカMを患部Dに合わせ
るように設定する。このとき、マーカMが容器12の中
心軸14から左右どちらかにずれた場合は、焦点マーカ
Mの中心点から各ピエゾ素子13までの距離を、ピエゾ
素子13毎に計算し、各ピエゾ素子13から照射される
治療用の超音波が、同位相で患部Dに到達するように、
各ピエゾ素子13の駆動波形を調整することになる。
【0010】この計算は制御器25内の演算部で行わ
れ、その結果に基づき整合器21、駆動部22および移
相器23が制御される。また、上下方向にずれた場合も
同様の調整が必要となる。このようにして、ピエゾ素子
13から照射すべき超音波の焦点位置が決められるの
で、所定時間ピエゾ素子13を駆動して患部Dへ超音波
を照射することにより、所望の治療が施される。なお、
上述の実施の形態では、上下、左右に移動させるマーカ
Mの移動量に応じて、全てのピエゾ素子13を電子的に
移相制御することにより、焦点方向を容器12の中心か
ら上下、左右に移動させるものとして説明したが、これ
に限らず、焦点マーカMの左右方向への移動にのみピエ
ゾ素子13の移相制御を追従させ、上下方向には、超音
波アプリケータ10自体を機械的に被検体に対して接離
するようにして、焦点マーカMの位置に治療用超音波の
焦点Fを合わせるようにしてもよい。このようにすれ
ば、ピエゾ素子13を左右方向にのみ移相制御すればよ
いことになるので、制御が簡単となる。また、治療用超
音波の焦点Fの大きさに対して患部Dの方が大きい場合
には、焦点Fを患部Dの範囲にわたって移動するよう
に、ピエゾ素子13の移相制御を繰り返すか、或いは、
ピエゾ素子13による焦点Fの位置を固定したまま超音
波アプリケータ10自体を機械的に移動させて、患部D
全体に治療用超音波を照射させるようにする。さらに
は、特開2000−166940号公報に記載されてい
るような、焦点拡大法を利用してもよい。
【0011】次に、本発明の超音波治療装置において使
用することのできる、超音波アプリケータ10の様々な
形状を、図2に示してあるのでこれらについて説明す
る。なお、図2において図1と同一部分には同一符号を
付して示してあるので、その部分についての説明は省略
する。また、図2(a)、(c)、(d)、(e)で
は、上面11のみを斜視図的に示している。図2(a)
は、図1に示した容器12が樽型をした超音波アプリケ
ータ10であり、図2(b)はその横断面図である。図
1および図2(a)の容器12には、ピエゾ素子13が
両側面にのみ表示されているが、ピエゾ素子13は、図
2(b)の横断面図から明らかなように、容器12の内
面に沿って周状をなすように設けられている。このよう
にしたことにより、各ピエゾ素子13からそれぞれ超音
波を直進する方向へ照射するだけでも、全ての超音波は
樽の湾曲方向に沿って収束されることになり、自然に容
器12の中心に焦点を結ばせることができる。ただし、
容器12の中心から偏った位置に焦点を結ばせるために
は、既に説明したように、各ピエゾ素子13に対して移
相制御することが必要である。さらに、各ピエゾ素子1
3からの治療用超音波は、容器12の中心に向けて照射
されるので、上面11の開口から直接外部へ漏出するお
それはなく、乳房Bの後方にある肺野へダメージを与え
ることはない。
【0012】また、図2(c)は、容器12を円筒型に
形成した超音波アプリケータ10を示したものである。
この場合は、各ピエゾ素子13からそれぞれ超音波を直
進する方向へ照射するだけでは患部Dに超音波を収束さ
せることができないので、各ピエゾ素子13に対して移
相制御することにより、所望の位置に焦点Fを結ばせる
ようにすることが必要である。さらに図2(d)は、容
器12を椀型に形成し、図2(e)は容器12を円錐型
に形成した超音波アプリケータ10を示しており、上面
11の開口はいずれも下面15よりも径が小さく、この
径の小さい開口から乳房Bを容器12内へ挿入するもの
である。このような、容器12を椀型または円錐型に形
成し、径の小さい側を開口とした超音波アプリケータ1
0は、各ピエゾ素子13から照射される治療用の超音波
が、肺野側へ伝播することがないので、安全性が向上す
る。本発明は、上述の実施の形態に限られるものではな
く、種々の形態で実施することができる。例えば、ピエ
ゾ素子13は容器12内の全周面に配置しなくても、図
2(f)として図2(b)と同様の横断面図を示すよう
に、複数のピエゾ素子13を対向する位置に部分的に配
置するようにしてもよい。また、ピエゾ素子13は片状
ではなく、リング状に形成し、これを容器12内に上下
方向に配列させてもよい。さらに、容器12の下面15
に挿入した超音波プローブ16は、リニアスキャン、セ
クタスキャン、コンベックススキャンなど種々のスキャ
ン形式のものであってよい。そして、容器12内に充填
する超音波伝播媒体は、水18に限らずオイルやその他
の超音波伝播物質であればよい。
【0013】ところで、上記の実施の形態では、患部D
を観察するために超音波プローブ16による超音波画像
をモニタ30に表示するようにしたが、生体内のモニタ
リングシステムとして、磁気共鳴イメージング装置(M
RI)、核医学装置(ガンマプローブ)、X線装置(マ
ンモグラフィ)など、周知の医療装置を利用することが
できる。例えば、MRIの化学シフトを利用して、生体
内部の温度分布を非侵襲的に画像化することにより、術
中の発熱点を計測する技術が特開平5−253192号
公報に開示されている。また、図3(a)に示すよう
に、超音波アプリケータ10の下面15に設けられてい
る超音波プローブ16の周りに、2本の放射線検出器、
例えばガンマプローブ40を首振り自在に設置すること
により、より詳細に患部の位置を特定することができ
る。すなわち、例えば乳癌患者に腫瘍凝集性のある放射
性物質(例えばFDG)を投与することにより、癌組織
に放射性物質が凝集し、そこから放射される放射線を少
なくとも2本のガンマプローブ40で異なる方向から検
出すれば、放射線の放射されている位置すなわち患部が
同定できる。そして、ピエゾ素子13の焦点Fに超音波
プローブ16の軸および2本のガンマプローブ40の軸
が全て交わるようにすることにより、ピエゾ素子13か
らの治療用超音波を腫瘍領域に確実に照射することがで
き、治療効果を高めることができる。
【0014】また、腫瘍領域にのみ治療用超音波を照射
するようにできるので、正常組織にダメージを与えるこ
となく、患部のみを治療することができる。勿論、ガン
マプローブ40は2本より3本用いた方が、放射線を検
出する位置すなわち患部Dの位置検出精度を向上させる
ことになることは言うまでもない。さらに、マンモグラ
フィを用いる場合は、超音波アプリケータ10の容器1
2に満たした水18を出し入れ可能とするか、或いはX
線の通過経路に空気袋を用意して、マンモグラフィによ
る撮影の場合には空気袋に空気を満たし、超音波による
治療の際には空気袋の空気を抜くように構成する。なお
さらに、超音波アプリケータ10にバイオプシガイドを
付加すれば、治療と同時に患部組織をピックアップする
ことも可能となる。また、超音波アプリケータ10の容
器12内において、患者の乳房Bが、ピエゾ素子13、
超音波プローブ16、ガンマプローブ40などと一緒の
水(超音波伝播媒体)18に漬からないようにするのが
衛生上望ましい。そのため、図3(b)に示すように、
容器12の内側に、水その他の超音波伝播媒体は透過さ
せないが超音波自体は良好に透過させる材料で形成され
た膜50を配置し、膜50を境として両側に水18を充
填した二層構造とするのがよい。
【0015】ところで、治療用の超音波を照射するピエ
ゾ素子13と放射線を検出するガンマプローブ40と
を、超音波アプリケータ10に取り付けて組み合わせて
用いることによって、センチネルリンパ節を発見して、
リンパ節にのみ治療用超音波を照射し、筋肉を切断した
り余計な領域を切除したりすることなくリンパ節郭清が
可能となるので、次にその実施の形態について説明す
る。すなわち、腫瘍凝集性のある放射性物質としてグル
コースに放射性物質を標識した「FDG」が知られてい
る。癌細胞はグルコースを沢山消費するので、癌患者に
FDGを投与すると癌組織にFDGが集積し、そこから
放射線が放射される。このことは、腫瘍細胞が存在する
リンパ節でも同様である。よって、FDGを投与した後
センチネルリンパ節などに十分集積した時点で、センチ
ネルリンパ節などから放射される放射線をガンマプロー
ブ40で検出すると、ガンマプローブ40の軸上のどこ
かにFDGが集積したセンチネルリンパ節(患部D)が
あることになる。そこで、超音波アプリケータ10は動
かさず、ガンマプローブ40のみを移動させて別の位置
から、先の軸上をスキャンするようにガンマプローブ4
0の傾き角を変化させ、放射線を検出すればそこがセン
チネルリンパ節(患部D)の位置であることが分かる。
このようにして、センチネルリンパ節の位置が同定でき
るので、その位置へ向けてピエゾ素子13から治療用の
超音波を照射すればセンチネルリンパ節を郭清すること
ができる。このとき、ガンマプローブ40の位置情報に
合わせて、ピエゾ素子13の焦点をセンチネルリンパ節
(患部D)の位置にくるように、フェーズドアレイ技術
などによって電子的に制御すればよく、この場合超音波
アプリケータ10の形状は、図2、図3に示したものに
限定されることはない。
【0016】また別の手段としては、超音波アプリケー
タ10を機械的に移動させてもよい。すなわち、ガンマ
プローブ40は移動させて使うものの、その角度は所定
位置に固定しておく。そして、ガンマプローブ40の最
初の位置で放射線を検出すれば、この位置でのガンマプ
ローブ40の軸上に、FDGが集積したセンチネルリン
パ節(患部D)が存在することになる。そこで、ガンマ
プローブ40を移動させて別の位置に固定する。さら
に、ピエゾ素子13から照射される治療用超音波の焦点
位置が、最初に固定されていたガンマプローブ40の軸
上をスキャンするように、超音波アプリケータ10を機
械的に移動させる。そして、移動後のガンマプローブ4
0で放射線が検出されれば、その位置がセンチネルリン
パ節(患部D)の位置であり、そこにピエゾ素子13に
よる治療用超音波の焦点位置が一致していることにな
る。よって、その位置へ向けてピエゾ素子13から治療
用の超音波を照射すればセンチネルリンパ節を郭清する
ことができる。なおこの場合、ガンマプローブ40を2
本設けておけば、ガンマプローブ40を移動させる必要
はなくなる。このような実施の形態において、ガンマプ
ローブ40によるセンチネルリンパ節など患部Dの検出
情報は、モニタ30に表示される画像上に示しても良い
し、音によって術者に通知しても良い。また、画像上に
マーカを重ねて表示するようにしても良い。さらに、検
出位置をレーザポインタなどでポインティングし、そこ
に治療用の超音波を照射するようにピエゾ素子13を備
えた超音波アプリケータ10を機械的に移動させてもよ
い。
【0017】また、ガンマプローブ40に代えて、一般
にガンマカメラとして知られている核医学装置で使用さ
れている、二次元状に複数の放射線検出器を配列すると
ともに、各放射線検出器で同時に検出した放射線のレベ
ルから放射線源の位置を計算する位置計算回路を用いて
も、センチネルリンパ節(患部D)の位置を検出するこ
とができることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1な
いし請求項8に記載の発明によれば、肺野などの超音波
の影響を受け易い部位にダメージを与えることなく、乳
腺疾患への超音波治療が容易となり、副作用のない安全
な超音波治療装置を提供することができる。また、請求
項9ないし請求項11に記載の発明によれば、乳腺疾患
に限らずリンパ節郭清にも効果的な超音波治療装置が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波治療装置の一実施の形態を
概略的に示した系統図である。
【図2】本発明の超音波治療装置において使用すること
のできる、超音波アプリケータの様々な実施の形態を示
した説明図である。
【図3】本発明における超音波アプリケータの、他の実
施の形態を示した説明図である。
【符号の説明】
10 超音波アプリケータ 11 上面 12 容器 13 ピエゾ素子 15 下面 16 超音波プローブ 18 水 20 本体部 30 モニタ B 乳房 D 患部 F 焦点 M 焦点マーカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C060 JJ25 JJ27 MM24 4C099 AA01 CA11 CA20 JA13 LA30 NA20 PA01 4C301 CC02 EE11 EE19 FF25 GA03 GC12 KK27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有し、この開口部から挿入され
    る被検体の乳房部を収容する容器と、 この容器の内側に、周状に配置した複数の超音波振動子
    と、 この複数の超音波振動子を、前記容器内の所望の位置に
    焦点を結ぶように駆動する駆動手段と、を具備すること
    を特徴とする超音波治療装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段は、前記複数の超音波振動
    子の内、所望のものを選択的に駆動することを特徴とす
    る請求項1に記載の超音波治療装置。
  3. 【請求項3】 前記容器は、樽形または筒形に形成され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2のいず
    れか1項に記載の超音波治療装置。
  4. 【請求項4】 前記容器は、椀形または円錐形に形成さ
    れ、両端側の面積の小さい側が前記開口部となっている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1
    項に記載の超音波治療装置。
  5. 【請求項5】 前記容器には、前記開口部に対向する面
    に画像形成用の超音波プローブが備えられていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記
    載の超音波治療装置。
  6. 【請求項6】 前記容器には、被検体に投与された腫瘍
    凝集性の放射性物質を検出する放射線検出器が、前記超
    音波プローブの周りに少なくとも2個備えられているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の超音波治療装置。
  7. 【請求項7】 前記放射線検出器で放射性物質を検出し
    た位置に、前記複数の超音波振動子の焦点を結ぶように
    前記駆動手段を制御する制御手段を備えたことを特徴と
    する請求項6に記載の超音波治療装置。
  8. 【請求項8】 前記超音波プローブおよび前記放射線検
    出器は、それぞれの軸が前記複数の超音波振動子の焦点
    に交わるように、前記容器に設けられていることを特徴
    とする請求項6に記載の超音波治療装置。
  9. 【請求項9】 被検体に超音波を照射する超音波発生手
    段と、前記被検体に投与された腫瘍凝集性の放射性物質
    を検出する放射線検出手段と、 この放射線検出手段で前記放射性物質を検出した位置
    に、前記超音波の焦点を結ぶように前記超音波発生手段
    を駆動する駆動手段と、を具備することを特徴とする超
    音波治療装置。
  10. 【請求項10】 異なる方向から前記放射性物質を検出
    するように前記放射線検出手段を移動させる移動手段
    と、 前記放射性物質を検出したときの前記放射線検出手段の
    位置および方向を検出する位置検出手段と、 この位置検出手段で検出した位置および方向から、前記
    放射性物質の位置を特定する演算手段と、をさらに具備
    することを特徴とする請求項9に記載の超音波治療装
    置。
  11. 【請求項11】 前記超音波発生手段および前記放射線
    検出手段を保持する保持手段と、 前記放射線検出手段で前記放射性物質を検出したとき
    に、その検出方向に前記超音波発生手段から照射される
    超音波の方向を一致させ、その方向へ前記保持手段を移
    動させる移動手段と、をさらに具備することを特徴とす
    る請求項9に記載の超音波治療装置。
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