近年、結石症の治療に体外から強力超音波を照射し、無侵襲的に結石を破砕する結石破砕装置が実用化され、注目されている。また、腫瘍の治療法として、患部を42.5℃以上に加温するハイパーサーミアや、60℃以上の高温にし、熱変性を起こさせる加熱治療が注目さるようになり、「特開昭61−13955号公報」や「特願平3−306106号」に示されるように、体外で発生させた強力な超音波を体内の治療部位に集束させ、組織の超音波エネルギの吸収による発熱で癌を温熱・加熱治療する装置が開発されている。また、超音波による発熱ではなく、結石を破砕するような強力なパルス状の衝撃波を癌に照射し、その機械的な力で細胞を壊死させる治療法も研究されている(Hoshi, S. et al.: J. Urology, Vol.146:439, 1991.)。「特願平3−306106号」では、結石破砕装置と加温・加熱装置が略同様である点に注目し、両者を一体化したものを提案している。
ところで、前記癌治療装置では焦点を位置決めする際、超音波断層像を用いているが、治療対象である腫瘍は3次元的に複雑な形状を呈することが多く、2次元画像では腫瘍全体を万遍なく治療することは非常に困難である。そこで、「特開昭61−209643号公報」のように超音波を用いた3次元画像との組合せも提案されている。しかし、超音波では骨や肺などの含記臓器の後方が見えず、超音波情報をもとにしても正確な3次元画像は得られない。また従来例では単に焦点と治療部位の相対位置を確認するだけであり、治療の効果を判定する手段がなく、数週間から数カ月後にならないと治療の継続・終了の決定が出来なかった。この問題を解決するために「特願平4−43603号」のようにMRIやX線CTと組み合わせた装置も提案されている。
MRIでT2強調画像を撮像すると熱による組織変性状況を確認できる事が報告されている(Jolesz, FA. et al,:Diagnostic Imaging, Sept.,1990.)。従って治療前後に、このT2強調画像の差を観測すれば本治療による生体作用・治療効果の判定が可能であり、未治療部を確認しながら治療できるので、最小限の照射で十分な治療効果を確保できる。MRIのフリーズイメージにそって衝撃波焦点の走査方法・走査範囲、照射の強度・時間・インターバル等の治療計画を立てることも可能である。
しかし、治療計画を立てても正確な位置合わせができなければ正確な治療をすることはできない。
前記の提案では、超音波アプリケータの移動方法や治療台、MRIガントリ等の装置の構造上、患者をMRIのガントリから出し入れする際に超音波アプリケータを患者からはずさなければならない。例えば、治療開始前のMRI画像を撮り治療計画を立てた後、患者をガントリから引き出して超音波アプリケータをつけ、前記MRI像と超音波画像とで患部に対する強力超音波焦点の位置決めをした後、治療を開始する。MRI画像で治療効果の判定や未治療部の確認をしながら治療を進めていく場合は、一度超音波アプリケータを患者からはずして患者をガントリ中に送り込み、MRI画像の撮像を行い、治療効果の判定等を行ってから再び患者をガントリから引き出して超音波アプリケータをとりつけ、焦点位置を確認し直して治療を再開するという作業を繰り返す。ここで、初めの焦点位置をコンピュータ等に超音波振動子と患部の相対位置等で正確に記憶させておいても、患者がわずかでも動いてしまっていれば焦点位置はずれてしまう。特に、何度もアプリケータを付けたりはずしたりする場合は、焦点が目標の位置からずれる確率は大きくなる。また、超音波アプリケータを体表に押しつけるだけでは、呼吸移動により、超音波アプリケータから体表が動いてしまう危険もある。
また、昨今においてはカテーテルに超音波振動子を取り付け、これを患者体内に挿入してMRIガイド下で患部の位置決めを行ない、超音波振動子から強力な超音波を照射して患部を治療するものが考えられている(特願平2−161434)。
このような場合、磁気共鳴信号の受信系が全身用であると、特に治療計画や治療の効果確認を高精細に行ったり、治療モニタをリアルタイムに行うにはS/N比が不十分となる。また表面コイルを用いると、表面コイルが感度ムラが大きいので所望の治療対象を高S/Nに撮像するための位置合わせが困難となる。
一方、従来のピエゾ方式の超音波治療装置では、焦点が非常に小さいため特に限局した範囲を80℃以上の高温に加熱して組織を熱変性させる治療法や衝撃波により機械的に細胞を破壊する治療法では、ハイパーサーミアのように組織の熱感受性の違いを利用して治療を行う方式とは異なり、焦点位置がずれれば正常組織をも破壊してしまう。このため、高い精度の位置決めが必要であったが、従来の装置ではアプリケータに対して患者の患部が呼吸や体動によって移動したり、体表での屈折によって焦点位置が変わったりする危険性があった。
また、屈折によって焦点がデフォーカスされることによって、焦点での温度が期待される温度まで上昇しなかったり、或いは衝撃波の強度が不十分で治療が不十分に終わる可能性がある。これによって癌が再発したり、再治療を要したりして、患者にとっても医師にとっても負担が増加する。更にはデフォーカスによって焦点サイズが大きくなって正しい範囲の治療ができないという恐れも生じる。
また、超音波振動子の治療の際には駆動回路と超音波振動子間の電気的な整合を取る必要である。しかし、超音波振動子として使用されるピエゾ素子の機械的共振点に於けるQが高いため、素子の発熱等によって特性が変化するとアンプと素子間のインピーダンスマッチングが治療の進行に伴ってずれてしまい、予定した音響出力が得られない恐れがあった。
また、そのマッチングのズレによって反射が大きくなり、電気−音響変換効率が劣化してしまう可能性があった。
更に、焦点に一致した悪性腫瘍組織を焼き殺すような治療法では焦点投入パワーが大きいので焦点での負圧も大きくなるため、強力な超音波を連続的に印加すると安定したキャビテーションが発生・成長し、超音波を散乱して予定した焦点に十分なパワーが届かない可能性があった。更には、散乱された超音波により発熱が起こり、予期しない位置にホットスポットが出来てしまう可能性も考えられる。
このように、従来における超音波治療装置においては、例えば、腫瘍の治療では数mmのオーダーで正確さが必要な場合があるが、治療とMRI撮像を繰り返すときに超音波アプリケータを付けたりはずしたりしていれば、機械的な調整箇所が多く、また、アプリケータを押しつけることにより患部が動くこともあり、位置わせの精度が落ちることは避けられない。体内での呼吸による患部の移動は避けられないが、体表から超音波アプリケータがずれるという問題を解決するために超音波アプリケータを患部に固定し、3次元画像を撮像する際もはずさないようにする必要がある。
また、MRIガイド下にて超音波治療を行なう際には、特定の患部の画像を高精細に得ようとする場合、体表に表面コイルと呼ばれる受信あるいは送受信用のコイルを置き、近傍の信号をS/N高く収集する。しかし、このような場合には関心部分に超音波アプリケータを装着しなければならないため、患部直上の体表部に表面コイルを置きながら治療する事が不可能であった。
更に、治療部位を決定するために必要とする磁気共鳴画像を高いS/N比で撮影するためには表面コイルを治療部位の近傍に配置する必要がある。しかし、カテーテルに超音波振動子を取付け、体腔内から超音波を照射して治療を行なうものに関しては、表面コイルを治療部位近傍に配置することができないので、良好な磁気共鳴画像を得ることができなかった。
また、従来の超音波治療癌装置においては、患者の患部が呼吸や体動によってアプリケータに対して移動したり、体表での屈折によって焦点位置が変わるという欠点があった。
更に、超音波振動子を駆動させるためのアンプと振動子との間でインピーダンスマッチングがずれると、振動子からの反射電力が大きくなり、これによって電気−音響変換効率が劣化してしまうという問題点があった。
特開昭61−13955号公報
特願平3−306106
特願平3−306106
特開昭61−209643号公報
特願平4−43603
特願平2−161434
Hoshi, S. et al.: J. Urology, Vol.146:439, 1991.
Jolesz, FA. et al,:Diagnostic Imaging, Sept.,1990.
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。まず、超音波治療部を説明する。治療台22の下に取り付けられた超音波アプリケータ1は、治療用強力超音波を照射する超音波振動子2と、強力超音波を患者3まで導くカップリング液4と、該カップリング液4を貯留する水袋5よりなる。アプリケータ1は治療台22に固定して取付けられるものであり、図2に示すように円形平板の超音波振動子2を径方向・周方向に分割した形状を有し、中央には超音波診断像撮像用の超音波プローブ6が取り付けてある。この超音波プローブ6は、前後方向へのスライドと回転移動が可能に構成され、超音波画像診断装置10に接続されている。治療する際は患部を治療孔24に挿入し、焦点7を腫瘍8に一致させてから駆動回路群12で超音波振動子2を駆動して強力超音波を照射し、焦点7と一致した治療部位を高温に維持して治療する。
本実施形態では、強力超音波発生源としてフェーズドアレイを用いた。従って、駆動回路群12の駆動タイミングを位相制御回路群11によって制御することにより、アプリケータ1を移動させずに焦点位置や音場、加温・加熱領域を操作することができる。駆動回路群12は分割した超音波振動子の個数のチャネルに分かれており、制御回路9からの信号により位相制御回路群11で遅延を与えられた独立のタイミング信号により駆動される。これにより超音波の焦点7,7′は3次元的に任意の場所に設定できる。この遅延時間制御による焦点位置の移動操作は、「USP−4526168号公報」に詳述されている。
次に位置決めと3次元像の撮像部について説明する。患者3を治療台22上にうつ伏せに、患部が治療孔24の場所に合うようにセットする。この治療孔24の大きさは治療箇所の大きさ・形状により、テーブルの種類を変えることにより変えることができる。
次に超音波アプリケータ1に取り付けられた超音波プローブ6により描出した超音波診断像で腫瘍8を確認し、超音波診断装置10はこの時の腫瘍8とプローブ6の相対位置のデータを制御回路9に送る。また、このときの超音波プローブ6と振動子2の相対位置はプローブ位置検出装置26で求められ、制御回路9に送られる。また、アプリケータ位置検出装置15も制御回路9にアプリケータ1の全体の位置及び超音波振動子2の位置のデータを送る。制御回路9は、これらの位置のデータより、腫瘍8と超音波振動子2の相対位置を計算し、フェーズドアレイでの設定焦点位置7を決定しこれを記憶する。
また、制御回路9から超音波画像装置10にフェーズドアレイによる設定焦点位置7の情報が送られ、超音波画像装置10には治療中もリアルタイムで治療部位である腫瘍8の状況と焦点7の位置を表示する事が可能である。
次に患者3は、静磁場コイル18と勾配磁場用コイル19が内蔵されている撮像用のガントリ25内に制御回路9に制御された治療台22により送り込まれる。このとき、超音波アプリケータ1は患者からはずされることなく、治療台22に取り付けられたまま動くため、ガントリ25から出し入れするたびに位置合わせをする必要がない。また、撮像に必要な送受信用RFコイル20は、最初から治療孔24の周りに取り付けてある。
ところで、MRI画像を撮像する場合、超音波アプリケータ1及び治療台22の影響で磁場が乱されるのを防ぐために、前記超音波アプリケータ1及び治療台22をなるべく非磁性体で構成する必要がある。例えば、治療台は木製や強化プラスチック製にする。アプリケータやメカニカルアームの材料には、超音波振動子2と駆動回路群12を結ぶ配線等の電気的で磁性体でなくてはならない部分をのぞき、強化プラスチックや非磁性で機械的性質は普通鋳鉄とほぼ等しいオーステナイト鋳鉄の使用が考えられる。メカニカルアームの動力部を電気的なモータでなく、油圧式のものにし、磁性体の使用を少なくすることも考えられる。
次に制御回路9は勾配磁場電源13、送受信回路14をコンソール16より指示した所定のシーケンス(例えばT2強調撮像法)により起動し、患者3体内の3次元の画像情報を、図示しないメモリ内に記憶する。
ここで、患者体内のMRI画像に基づき、あらかじめ治療計画を立てることが可能である。このMRI像のCRT23への表示の方法、超音波断層像と組み合わせた使用方法及び、治療計画の方法は「特願平4−43603号」に述べられている。
MRI画像が得られると、患者をガントリ25内に入れた状態で制御回路9に記憶された焦点7の位置と腫瘍8の位置との一致状態をチェックし、制御回路9が超音波照射の開始を駆動回路12に指示し、治療が開始される。
患者3をガントリ25から出し入れする必要が無ければ、治療と観察の時間ズレやその間での患者3の動きのリスクを少なくできる。
当初の治療計画の中間・あるいは終了と思われる時点で超音波の照射を停止し、治療の進行状況を観察する。これは、前記動作と同様に行われ、腫瘍8周囲のMRI画像を撮像し、生体の変化を調べる。この間も、超音波アプリケータ1は患者3につけたままである。ここで治療前にメモリ上に記憶しておいたT2強調画像のデータと今回のデータをサブトラクションすると熱変性領域が明瞭に確認でき、治療が十分に行われたのか、あるいは不十分で再治療が必要かを判断できる。またこれは当初から治療計画に盛り込んで、所定治療時間おきに自動的に撮像する事も可能である。
MRIによる治療効果判定で十分治療が完了したと判断できる状況になったら、操作者は治療を終了する。この時制御回路9は治療条件の履歴をメモリから呼び出し、治療記録をCRT23から出力できる。ここで、送受信用RFコイルとして体腔内コイルを使用してもよい。
また、超音波振動子にフェイズドアレイを用いたが、これはアニュラーアレイでもよいし、アプリケータを機械的に動かして焦点を移動させてもよい。また、MRI装置の代わりにX線CTを用いてもよい。
本実施形態では乳癌の治療について説明したが、皮膚や前立腺等の他の腫瘍についても同様に説明できる。また、超音波アプリケータは本実施形態のような下方アプローチだけでなく、メカニカルアーム17で移動させることにより、上方アプローチでも用いることができる。
図3は本発明の第2実施形態を示す構成図である。図示のように、アプリケータ31内には治療用強力超音波を発射する超音波振動子32が設置されている。超音波振動子32は凹面形状を成しているため、曲率中心に向け強力超音波は集束され、高エネルギが集中した焦点33が形成される。該超音波振動子32は樹脂製のハウジング34に固定されており、前方には治療用超音波を患者体内にまで伝えるためのカップリング液35が水袋36により封入されている。該カップリング液35は前記ハウジング34に設けられた注入・出口37より注入・出される。
本実施形態では前記水袋36にMRI撮像用の表面コイル38が、図中点線で示す治療用超音波の通過経路39内に掛からない位置に固定されている。このためアプリケータ31が超音波ゼリー等を介して患者に装着された場合は、水袋36の変形に対応して患者体表に密着して保持される事になる。
ところで超音波振動子32は通常圧電セラミックスで出来ている。これは非磁性体・非導電体であるが、その前後面には駆動電圧印加用の電極が構成されている。従ってMRI内で高周波磁場が印加された場合、電極内に渦電流が発生して磁場を乱し、ひいては画像を劣化させる要因となる。これを防ぐために本発明の電極は図4に示すようにスリット51が複数切り込まれており、電極面上の渦電流に対する導電率を低下させている。
さらに本発明のアプリケータ31には治療用超音波の焦点位置を示す構造物が構成されている。具体的には超音波振動子32の中央と焦点33を結ぶ中心軸40上に針あるいは棒状の突起物41が取り付けられている。また超音波振動子32の辺縁部に、円錐の一部の形状を成し治療用超音波の通過経路39に一致した構造体42が取り付けられている。これら突起物41と構造体42はMRIで描出され、しかも患者に対し仮に接触しても障害を与える事の無いような柔軟な物質、例えばゴムなどで製造される。またハウジング34にも中心軸40の位置に突起物43が設けられている。本アプリケータ31を患者に装着したままMRIで撮像した断層像を図5に模式的に示した。本MRI撮像時は患者61の身体全体の画像と患部周辺の高分解能の画像を合わせてとるため、アプリケータ31内の表面コイル38と同時に図示しない全体コイルを用いて撮像する。この時体内の治療対象である腫瘍62は表面コイル38による高分解能領域63内に描出される。また画像には患者の身体断面61と同時にアプリケータ31の断層像も撮像される。この時アプリケータ31内の突起物41・43が描出されておれば断層面が治療用超音波の中心軸と一致している事が判るため、操作者は超音波振動子32の両側に見えている構造物42の2つの延長線が交わる部位が焦点であると認識する事ができる。もし腫瘍62が明瞭に描出されているのに突起物41・43が描出されない場合は、「治療用超音波の中心軸は腫瘍に一致しているが断層面との角度が異なる」、「治療用超音波の中心軸が腫瘍に一致していない」の2つのケースが考えられる。従って操作者はまずMRIの断層面を治療用超音波の中心軸に合わせ、次に腫瘍との垂直方向のずれを検出し、アプリケータ31の位置を合わせ込んでいくことになる。この作業によりMRIの空間座標におけるアプリケータ31の絶対位置を機械的に計測する事無く、操作者の目視による位置合わせが可能となる。
上記実施形態では焦点位置を示すガイドのため2種類の構造物を用いたが、どちらか片方でも焦点位置の特定は可能である。また本形状以外にも図6に示すような形状でも同様の効果が得られる。
上記実施形態では超音波振動子は単板の凹面形状を成していたが、複数の振動子を集合させたフェーズドアレイ型のアプリケータでも同様に実施できる。例えば電極形状に関しては図7(a)に示すような振動子群の場合、(b)に示すように1つずつの振動子電極にスリットを入れれば良い。またフェーズドアレイ型のアプリケータでは電子的に焦点位置が変わるが、構造物により焦点位置の基準点を示し、そこからの移動量を認識する事により、実際の焦点位置を把握する事が出来る。
上記実施形態では患者体外から装着するアプリケータを示したが、患者の口腔、大腸、腟等に挿入して治療するタイプの体腔内アプリケータでもサイズ・形状が異なるだけで同様である。なおこの実施形態はハイパーサーミア、結石破砕はもちろんすべての超音波治療装置に適用可能である。
図8は本発明の第3実施形態の構成を示すブロック図である。同図において、静磁場磁石71は励磁用電源72により励磁され、被検体79にz方向の一様な静磁場を印加する。勾配磁場コイル73は静磁場磁石内に配置され、シーケンスコントローラ82によって制御される駆動回路74により駆動され、寝台80上の被検体79に対して、直交するx,y,zの3方向にそれぞれ磁場挟持が直線的に変化する勾配磁場Gx,Gy,Gzを印加する。一様コイル77は送受信兼用コイルで、勾配磁場コイル内に配置される。シーケンスコントローラ92による制御下で、送信部75からの高周波信号がデュプレクサ76を介して一様コイル77に印加され、これにより発生する高周波磁場が、寝台80上の送信コイル内の被検体79に印加される。一様コイルには被検体79の画像化すべき領域に均一な高周波磁場を発生できるもので、例えば鞍型コイル、分布定数型コイル、あるいはこれらを用いて構成されるクォードラチャ送信コイルが使用される。
磁気共鳴信号受信用表面コイルを具備した体腔内プローブ81は、被検体79の体腔に挿入され、被検体79からの磁気共鳴信号を受信し、受信信号は受信部78へ送られる。一様コイル77においても信号を受信してもよく、その場合受信信号はデュプレクサ76を介して受信部78へ送られる。デュプレクサ76は、一様コイル77を送信と受信に切り替えて使用するためのものであり、送信時には送信部75からの多高波信号を一様コイル79に伝達し、受信時には一様コイルからの受信信号を受信部に導く働きをする。受信信号は検波と、ローパスフィルタによる帯域制限を受けたあと、シーケンスコントローラ82による制御下で、データ収集部83に送られる。データ受信機部83では、受信信号の収集と、そのA/D変換を行い、画像再構成用データとして電子計算機84へ送られる。
電子計算機84はコンソール85により制御され、受信部78から入力された画像再構成用データについて2次元フーリエ変換を含む画像再構成処理を行う。またシーケンスコントローラ82の制御も行う。電子計算機84により得られた画像データは画像ディスプレイ96に供給され、画像が表示される。
体腔内プローブ81には集束超音波を発生できるピエゾ素子群からなる超音波振動子が配置され、それぞれの素子には、独立した駆動用パルサ群88と、そのそれぞれに遅延回路89が結合されている。駆動用パルサ88は電源87の電位により強度が決定され、遅延回路89からのトリガに応じて各ピエゾ素子に電圧パルスを印加する。電源87、遅延回路89からは、電子計算機84てコントロールされる。
また電子計算機84のコントロール下で水回路90は体腔内プローブ81内のバルーンを膨脹せ、バルーン表面を体腔に蜜着させる。
図9に体腔内プローブ81の内部構造を示した。バルーン91は外部の水回路90から供給される水で膨脹される。バルーン91表面には磁気共鳴信号受信用表面コイルが配置されており、バルーン表面を高S/Nに撮像する事ができる。バルーン91の下部には振動子93が配置されている。超音波振動子を用いて、超音波を送信する際に各素子の移送を制御することでその焦点の位置を3次元的に電子的に移動できることはよく知られている。(米国特許第4,526,168号)。図9の様な配置にすることで表面コイルにて高S/Nに撮像可能な範囲と、集束超音波の焦点可動域を常に重ねられる。
次に、治療の手順について述べる。まず体腔内プローブを挿入しない状態で一様コイルの送受信でMR画像を得て、治療対象の位置を得る。そしてその位置が治療できるような方向、深さに体腔内プローブを挿入する。挿入後、バルーンに水を注入し膨脹させてプローブを固定する。そして一様コイルから送信され高周波磁場信号により励起し、発生する磁気共鳴信号を表面コイルにて受信し、治療部位を撮像する。その画像に従い超音波を患部に対し照射し、治療を行う。治療後、治療の効果確認のために治療前の撮像と同様にもう一度MRIの撮像を行う。
治療対象の位置を得るにはMRIによらなくとも、超音波診断装置などを用いて、大まかな位置をリアルタイムにモニタしながらプローブの位置合わせを行ってもよいし、光ファイバを導いてこれにより内視鏡的に体腔内をモニタしながら患部に位置合わせしても構わない。またこれらによって治療位置決めまで行って治療を行っても構わない。
また配置されたコイルから高周波を送信し、患部に誘導加温を起こして、加熱治療を行っても構わない。また治療モニタに超音波振動子を用い、通常の超音波診断装置のように治療部位をモニタしても構わない。
ここではバルーンとMR表面コイルと超音波振動子がすべて一体になっているので挿入後バルーンを膨脹させると全てが完全固定となり、プローブの位置、向きは容易には変えられない。しかし図10の用にバルーンを二重に配置し、それぞれを膨脹させ、超音波振動子と、表面コイルを固定したコイル用バルーン95を一体化にて、図中斜線部のみを回転させることにより、プローブを挿入し固定した後の内側プローブの回転による向きの移動が可能となる。外側バルーン94によってプローブ自体は固定される。さらに外側バルーン94を軸方向に延長し、この中で振動子、表面コイル部が軸方向にも移動できようにすることにより、事前に一様コイルで画像化して、治療位置を決定しなくても、プローブを挿入、外側バルーンにより固定した後に治療部位に位置合わせすることも可能である。また超音波振動子は電子的な3次元焦点移動ができなくても、深さ方向だけの電子的制御が可能ならば、振動子と表面コイル部の機械的な回転、並進移動により、3次元的に焦点を移動する事は可能となる。
また図11のように、周囲方向に均一な磁場を発生するようなコイル101をバルーン102表面に配置することで、周方向に一定の画像が得られるので、コイル101をバルーン103と共に体腔に固定して振動子103のみを回転・並進移動させて治療位置決めを行ってもよい。特にここでは左右にお互いに反対巻きのソレノイドコイルを配置しその間の周方向を高S/Nに撮像できるようにした。
ここではバルーン内に水を注入することとしたが、ここで用いる水は水道水ではなくイオン交換水、あるいは純水等を用いるのが適当である。また音響的にインピーダンスマッチングが取れるような他の物質でも構わない。バルーン内に水が注入されていると、MRI画像には水の存在する部位が明るく撮像されてしまい、相対的に他の観察したい部位の感度が悪化する可能性がある。これを抑制するためにバルーンの存在する位置を予め認識し、その内部の信号は抑制したり、あるいは、水の代わりに脂肪を注入することで、MRIの技術の一つである脂肪抑制を用いて信号を抑制することが可能と思われる。脂肪以外でも化学シフトにより磁気共鳴周波数が異なり、音響インピーダンスが生体と大きく変わらない液体を注入して信号を抑制することもできる。
また図13のように、振動子103後部に固定用バルーン102を装着し、バルーン102内には通常の空気104を注入し、反対側から押すような形で振動子103を直接体腔内に密着させてもよい。この場合、バルーン102内部に注入する物質はどんなものでも構わない。
以上は主に直腸、尿道等の体腔に挿入するプローブであったが、これは血管内の血栓溶解治療用のカテーテル等にも応用できる。血管内血栓溶解プローブは「特願平3−209446号」に示されているように、血栓溶解剤を患部近くに投与し、これに超音波を照射することで治療効果を高める様な装置である。血栓溶解剤なしでも超音波照射のみでも治療可能である。
実施形態として図12に示したように、血管内挿入型のカテーテル先端に、外部に超音波振動子103を持ち、内部に外部の超音波振動子103近傍を周方向に一様に高S/Nに撮像できるソレノイドタイプのコイル105を配置することで、血管内の血栓のある位置にカテーテルを挿入し、振動子近傍の血栓等をMRIでモニタし、治療効果を確認しながら血栓溶解剤を投与したり、超音波を照射するなど血栓溶解治療を行うことができる。
また、ここまでは治療手段を超音波としたが、これはいかなる治療手段でも構わない。例えば図14のように、図11の超音波振動子103のかわりにレーザーの照射部106を設け、これを回転させることで体腔周辺の治療部位にレーザーを照射し、熱的、あるいは光化学的に治療を行う。ただこの方法では熱的治療の場合、体腔の浅部の正常組織まで影響を及ぼしてしまう恐れがあるので、バルーン102に注入する水は水回路で対流させ、冷却をする必要がある。光化学的治療とは、腫瘍選択性をもち、レーザーを照射することで抗腫瘍効果を発揮するような薬剤を体内に投与し、レーザーを照射し治療するもので、薬剤投与をプローブ先端よりMRIのモニタに従い行うことで薬剤の腫瘍選択性を高めることができる。
また、MRIの撮像用パラメータは、温度の変化等治療の影響を受け、変化すると思われる。治療と画像化のタイミングは、治療の影響が十分に除去されたときに画像化できるよう、十分なインターバルを取る必要がある。これらのタイミング(シーケンス)は電子計算機84の制御下で、MRIのパルスシーケンスと同期される。
治療のモニタとしてはリアルタイム性が重要であるので、撮像にはS/Nは劣化するが高速、あるいは超音波パルスシーケンスを用いることが必要である。
しかし正確に治療位置を決定したり、治療効果を判定するには高精細に撮像することも必要となる。そのためには、特に前立腺等のように体腔周辺に治療対象が存在する場合などは、治療と撮像の効率化のため、治療領域と撮像領域を治療の影響がでない範囲でずらすことで、治療と撮像を同時に行い、リアルタイム性の向上を図ることができる。この場合、撮像部位を限定することで撮像時間の短縮を図れるので、通常のスピンエコーなどのパルスシーケンスで高精細な撮像が可能となる。例えば図15のように治療予定部位115があった場合、治療部位111に超音波を照射し、それと同時に、超音波照射の影響を受けない部位115を撮像し、前回治療した部位113の治療効果確認、あるいは撮像画像から次の治療部位114を決定したりすることで、治療と撮像を平行して行える。この場合はMR表面コイルは周方向に均一に撮像できるものとした。コイルは通常の一方向のみを撮像する表面コイルの場合は、治療の影響を受ける部位に比べ十分大きな撮像領域をとることで、同時に治療、撮像ができる。撮像は選択励起法などで特定領域のみを高分解能に撮像できるものとした。
図16は(a)は本発明の第4実施形態の構成を示すブロック図である。同図において治療用超音波を照射する1つまたは複数のピエゾ素子125は水袋124を介して患者121にカップリングしている。ピエゾ素子125は駆動回路127により駆動され、水袋中のカップリング液を介して患者体内の患部122内に強力超音波の焦点123を形成する。
治療中の状態はピエゾ素子の幾何学的焦点を通過する面の断層像が得られるようにアプリケータに固定された超音波プローブ126からの反射波信号を超音波診断装置128によってCRT129に表示することでモニタする。また、強力超音波の照射によって患者121体表やピエゾ素子125が発熱する恐れがあり、特に体表での発熱は火傷等の副作用を引き起こす可能性があるので、冷却装置131によって水袋124内のカップリング液を冷却・灌流する。超音波の照射・超音波強度の変更・冷却温度の設定等の制御は制御回路132にて行う。更に、患部122に一致させた焦点123が患者の体動・呼吸等によってずれないように、患部に対してアプリケータ固定用ベルト133を使用して固定する。
上記実施形態では、患者患部にアプリケータを固定する手段としてベルトを使用したが、図16(b)に示すようにアプリケータに吸着用のラバーリング132を付けて、吸引ポンプ135にて患者121体表とカップリング膜の間の空気を吸引することでアプリケータを患者に吸着させて固定することも可能である。
また上記実施形態で、アプリケータが重くて患者に負担をかけるような場合には図17に示すようにアプリケータを牽引アーム136によって保持することで、患者にアプリケータの重さが掛からないようアーム移動機構137にて制御することも可能である。更に、呼吸モニタ装置138によって患者の呼吸をモニタすることで、呼吸に合わせてアプリケータが患部に追従するように制御回路132によりアーム移動機構137に制御信号を送り、アームの移動を制御することも可能である。
図18は第3実施形態の変形例を示す構成図である。乳癌や皮膚癌などの浅在性の腫瘍では体表や焦点後方の肋骨での発熱による副作用を抑えるためにも、超音波の集束角度を広くして焦点以外の超音波通過領域のエネルギー密度を下げる必要がある。さらに体表を冷却するために水袋内の水温を低くする必要も出てくると考えられ、生体組織と超音波伝達媒体として通常よく用いられる水との間に音速差を生じ、超音波がその境界面で屈折して超音波画像上のねらった位置に正確に焦点を生じない可能性がある。
本実施形態ではこのような問題点を解決するために、水袋124内の音響カップリング液の温度によって音速調整剤混合装置139で例えばプロパノール等の音速調整剤と水との混合比を可変にするように制御することでカップリング液と生体組織との音速差をなくして超音波の屈折を抑えることが可能になる。
この際、プロパノールと水の混合比による音速の変化や温度による水の音速の変化については超音波技術便覧(日刊工業新聞社刊)に記述されており、メモリ(図示せず)にテーブルとしてデータを予め持っていて、水温及び生体組織の音速より音速調整剤の混合比を決定し、制御回路132はその混合比データを音速調整剤混合回路139に送り水袋124内の音響カップリング液の音速を生体の音速に一致させる。ここで、生体組織の音速は予め1570m/sとして固定して計算する。
上記実施形態では、生体組織及びカップリング液の音速を固定していたが、乳癌のような場合には図19に示すようにアプリケータの端に対向する送信用トランスデューサ141と受信用トランスデューサ143を付けておき、それらの値を求めてもよい。図に従ってその詳細な動作を説明する。まず、制御回路132からの信号に従って送信用駆動アンプ142により送信用トランスデューサ141を駆動する。送信された超音波は水袋124内のカップリング液を伝搬し、受信用トランスデューサ143により受信する。受信された超音波は電気的な信号に変換され、受信回路144を介して制御回路132にその信号を送る。そして制御回路にて送信から受信までに掛かった伝搬時間t1 を算出する。次に、患者にアプリケータを接触させた時の伝搬時間を同様にして測定し、同時に超音波画像より得た超音波伝搬経路中の生体組織の長さdを測定し、そのときの伝搬時間t2 を算出する。これらの値より、カップリング液の伝搬速度C1 及び生体組織の伝搬速度C2 を求める。
または、図20のようにしてカップリング液及び生体中の音速を測定することも可能である。まず、アプリケータにパルスモータ等で移動可能なように固定された超音波プローブ126を体表自体して垂直になるように保持する。そして、例えば肋骨のような反射エコーの大きなものを体内の超音波マーカー145として、そのマーカー145が超音波画像上で(1)のように中心軸上に来るようにアプリケータもしくは超音波プローブを移動させる。これにより体表までの伝搬時間t1 とマーカーまでの伝搬時間t2 を求める。次に超音波プローブもしくはアプリケータ全体を体表に対して角度θ傾け、体表に対して平行に移動させて超音波画像上で(3)のようにマーカー145が中心軸上に来るようにして、プローブの移動距離より1の値を求め、その値を制御回路132に送ってC1 ,C2 を算出する。そして、その値に従って音速調整剤混合装置139を制御してカップリング液の音速を生体の音速にそろえる。
上記では音速調整剤を混合することで超音波の体表での屈折やデフォーカスを抑えていたが、グリセロール等を混合することによってカップリング液の音響インピーダンスを生体組織に一致させて体表での超音波の反射を抑えるように制御することも可能である。またこの際には、音速が異なるために体表で屈折が起こる可能性があるが、このような場合には遅延回路140によって駆動回路127の駆動位相を変えることでビエゾ素子125の駆動タイミングを制御して焦点3での位相タイミングを合わせて、屈折によるデフォーカスを補正する。
図21は本発明の第5実施形態の構成を示すブロック図ある。治療用強力超音波を発生し患部に照射するための1つまたは複数のピエゾ素子155は水袋154を介して患者151にカップリングしている。ピエゾ素子155はアンプ158によりシグナルジェネレータ159からの交流信号を増幅して電力計156、インピーダンスマッチング回路157を通して駆動され、水袋中のカップリング液を介して患者体内の患部152内に強力超音波の焦点153を形成する。
治療中の状態はピエゾ素子155の幾何学的焦点を通過する面の断層像が得られるようにアプリケータに固定された超音波プローブ160からの反射波信号を超音波診断装置161によってCRT162に表示することでモニタする。また、強力超音波の照射によって患者151体表やピエゾ素子155が発熱する恐れがあり、特に体表での発熱は火傷等の副作用を引き起こす可能性があるので冷却装置164によって水袋154内のカップリング液を冷却・灌流する。超音波の照射・超音波強度の変更・冷却温度の設定・駆動周波数等の制御は制御回路163にて行う。
次に本実施形態のシステム全体としての動作を説明する。一般的にピエゾ素子155はその厚さで決定される機械的共振の周波数が決まっており、その周波数は素子の電気的なインピーダンス特性に於ける反共振点の周波数に一致する。実際の使用の際にはこの周波数でアンプ158の出力インピーダンスに整合するようにインピーダンスマッチング回路157によってチューニングして使用するのが電気的に最も効率の良い使用法となる。ところが、高電力投入時には各マッチング素子(LやC)が発熱したり、ピエゾ素子自体が発熱して電気的・機械的な共振特性が変化するためにインピーダンスの整合が少しずつずれていく現象が起こる。この現象を抑制するために、通過形のワットメータ156により順方向及び逆方向の通過電力をモニタして振動子からの反射電力が最小になるように制御回路163にてシグナルジェネレータ159の周波数を制御する。ここで駆動周波数が振動子の機械共振周波数より大きく外れてしまうと音出力が出なくなるので、駆動周波数は機械共振周波数の±15%の範囲で可変とする。
駆動周波数の検出法は、現在の周波数からΔfだけ周波数を変えたときの反射電力の変化量ΔWを求め、ΔW/Δfが極小となる方向に周波数を制御する。この時、周波数の変化と共にアンプ158出力端からみたインピーダンス自体も変化するためにピエゾ素子155に投入される電力も変化するので、単位時間当たりの焦点投入エネルギーが一定になるようにシグナルジェネレータ159の駆動電圧を制御回路163により制御する(図22)。
上記実施形態では、単位時間当たりの焦点投入エネルギーが一定になるようにシグナルジェネレータの駆動電圧を制御したが、焦点でのピーク・インテンシティが一定になるように制御する事も可能である。更には、焦点での発熱は超音波の集束効果及び減衰率の周波数依存性のために周波数の3乗に比例することが知られているが、このことを考慮して周波数・投入電力・電気−機械変換効率より焦点での発熱の理論値を計算しその値が一定になるように制御する事も可能である。
上記実施形態では、インピーダンスのマッチングを駆動側の周波数を変える事で補正していたが、マッチング回路7内のLおよびCを可変にしておいて、ω2 LC=1 (但し、ω=2πf)
L:インダクタC:キャパシタf:周波数の関係を保った状態でインピーダンスを反射電力が最小になるように制御回路13により制御する事も可能である(図23)。
本実施形態の変形例としては、ハイパワー投入時に焦点に発生するキャビテーションを抑えるために制御回路163によってシグナルジェネレータ159の周波数をステップ状もしくは連続的に変化させる。これによって、焦点領域に周波数に依存したサイズのキャビテーションができても、周波数が変化すると元の周波数に依存したサイズのキャビテーションは消滅し、新しいサイズのキャビテーションが生成されるが、新しいキャビテーションの生成・成長には時間がかかるために単独の周波数での駆動に比べてキャビテーションが出来にくくなる。これによって狙った治療部位に超音波が届かずに十分な治療が出来なかったり、焦点手前に発生したキャビテーションによって超音波が散乱されて、狙った部位よりも手前側に発熱最大点ができたりといった状況を回避でき、より正確かつ副作用の少ない治療が行える。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 超音波アプリケータ、2 超音波振動子、6 超音波プローブ、7 焦点、8 腫瘍、11 位相制御回路、12 駆動回路、14 送受信回路、15 アプリケータ位置検出装置、17 メカニカルアーム、18 静磁場コイル、20 RFコイル、21 テーブル移動装置、22 治療台、24 治療孔、26 超音波プローブ位置検出装置、31 アプリケータ、32 超音波振動子、33 焦点、34 ハウジング、36 水袋、38 サーフェスコイル、41,43 突起物、42 構造物、51 スリット、79 被検体、80 寝台、81 体腔内プローブ、83 パルサ、89 遅延回路、90 水回路、91 バルン、92 表面コイル、93 振動子、106 レーザ照射部、122 患部、127 駆動回路、128 超音波診断装置、129 CTR、130 温度センサ、131 冷却装置、132 制御回路、133 アプリケータ固定用ベルト、134 呼吸用ラバーリング、134 吸着用ラバーリング、135 吸引ポンプ、136 牽引アーム、137 アーム移動機構、138 患者呼吸モニタ装置、139 超音波調整剤混合装置、140 遅延回路、141 送信用トランスデューサ、142 送信用駆動アンプ、143 受信用トランスデューサ、144 受信回路、145 マーカー、151 患者、152 患部、157 インピーダンスマッチング回路、158 アンプ、159 シグナルジェネレータ、160 超音波プローブ、161 超音波診断装置、162 CRT、163 制御回路、164 冷却装置、165 入力装置、166 アーム制御機構