JP2003235543A - 組織細切器および組織細切方法 - Google Patents
組織細切器および組織細切方法Info
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Abstract
織細切の操作を誰でも簡単に行うことができるようにす
る。 【解決手段】 円筒部1の一方の開放端側(入口部6)
に格子状の上金網3を設けるとともに、他方の開放端側
(出口部7)に格子状の下金網4を設け、入口部6をす
り鉢状にして組織片を上金網3の上に載置可能なように
形成し、一対の金網3,4を所定の角度を成して互いに
対向させるように形成する。このように構成した組織細
切器10の上金網3に組織片を載置して遠心管に設置
し、組織細切器10の設置された遠心管を遠心分離機に
セットして遠心分離することにより、組織片を2つの金
網3,4によってブロック状に細切する。
Description
織細切方法に関し、特に、手術などで摘出した組織の細
胞培養を行う際に当該摘出組織を細かく切断するための
器具、および当該摘出組織の細切方法に関するものであ
る。
摘出し、癌細胞自体を治療や研究に使う試みが盛んに行
われている。癌細胞を治療や研究に使うためには、摘出
した組織から癌細胞を培養する必要がある。一般に、細
胞培養を行うためには、摘出組織を2〜4mm立方程度
の大きさのブロック状に細切する必要がある。
る。図4に示すように、従来は2本の手術用メスを用
い、これらを交差させた状態で組織を挟み、2本のメス
を左右に引くことによって組織を切断する。このような
操作を何回か繰り返すことにより、組織を細かく切り刻
んでいくものであった。
来の細切手法では、手技を確実に遂行するためには熟練
を要するとともに、熟練者であっても、操作を完了する
までには約20分前後の長い時間がかかってしまうとい
う問題があった。また、細切の操作中に細菌が組織中に
混入する危険性が高くなるという問題もあった。
に成されたものであり、摘出組織から細胞培養を行うた
めに必要な組織細切の操作を誰でも簡単に行うことがで
きるようにすることを目的とする。また、本発明は、細
切の操作中に細菌が組織中に混入する危険性を低減でき
るようにすることを目的とする。
筒状体の一方の開放端側に格子状の第1の切断部材を設
けるとともに、上記筒状体の他方の開放端側に格子状の
第2の切断部材を設け、細胞培養を行うために摘出した
組織片を上記第1の切断部材の上に載置可能なように形
成し、上記第1および第2の切断部材を所定の角度を成
して互いに対向させるように形成したことを特徴とす
る。
の開放端側をすり鉢状に形成し、上記第1の切断部材を
上記すり鉢状に形成された部分の底面部に設けている。
また、上記筒状体の他方の開放端側を斜めに切り落とさ
れた形状に形成し、上記第2の切断部材を上記斜めに切
り落とされた部分に設けている。また、上記筒状体の一
方の開放端に、把持用の柄を備えた枠を形成している。
〜4の何れか1項に記載の組織細切器に組織片を載置し
て遠心管に設置し、上記組織細切器の設置された遠心管
を遠心分離機にセットして遠心分離することにより、上
記組織片を上記第1および第2の切断部材によってブロ
ック状に細切するようにしたことを特徴とする。
に基づいて説明する。図1は、本実施形態の組織細切器
10を示す斜視図であり、図2は、本実施形態の組織細
切器10を示す六面図である。
の組織細切器10は、円筒部1を有し、その一方の開放
端側(入口部)6はすり鉢形状、他方の開放端側(出口
部)7は斜めに切り落とされた形状になっている。
径が大きく設定されたリング状の枠2が設けられてい
る。枠2の内側には、組織細切器10をピンセット等で
把持するための柄5が設けられている。
く避けるために、ピンセット等で接触する場所を一箇所
に決めて接触面をなるべく少なくするためである。後述
するように、組織を実際に細切する際には、組織細切器
10に枠2を覆うようにキャップをするので、柄5は枠
2の内側に設けられる。
部分の底面部には格子状の上金網3が設けられ、出口部
7の斜面部分には格子状の下金網4が設けられている。
これにより、一対の金網3,4がある一定の角度を成し
て互いに対向する位置に設けられている。格子目の幅
は、細切しようとする組織のサイズに合わせて2〜10
mm(好ましくは2〜4mm)になっている。
の使用状態を説明するための図である。図3に示すよう
に、組織細切器10を使用するときは、既製のスクリュ
ーキャップ付ポリエチレン製50ml遠心管11に、そ
の入口エッジ部12に枠2を引っ掛けるようにして組織
細切器10を装着する(図3(a))。なお、組織細切
器10の円筒部1は、その外径が既製の遠心管11にほ
ぼ嵌合するサイズに形成されている。
5ml程度注入し、上金網3の上に細切したい組織片3
0を置く(図3(b))。そして、遠心管11のキャッ
プ13を組織細切器10の上から装着する(図3
(c))。このように組織細切器10を装着した遠心管
11を、円筒部1の正面が回転の外側を向くように既製
の遠心分離機(図示せず)に設置して、800〜300
0回転/分(通常1200〜1500回転/分)で1〜
5分間遠心分離をする。この回転速度は、組織片30を
傷めずに細切可能な程度の遠心力を生むものである。こ
れにより、組織片30が以下のように細切される。
ると、遠心力によって、遠心管11がその上端側を軸と
して水平方向に傾く。このとき、円筒部1上方の上金網
3に置かれた組織片30は、遠心力によって円筒部1下
方に引かれ、上金網3を通過して柱状に切断される。柱
状になった組織は、更に円筒部1下方に引かれ、円筒部
1の正面側の内側壁を伝って下金網4の上に到達する。
1下方に更に引かれて下金網4を通過することにより、
更に切断される。下金網4は上金網3に対して一定の角
度を成しているので、ここでは上金網3による切断の方
向と異なる方向に組織が切断される。これにより、組織
は2〜10mm(好ましくは2〜4mm)立方程度のブ
ロック状に細切される。細切された組織は、遠心管11
の底部に貯留する。本実施形態の組織細切器10は滅菌
されており、一度使用したら再利用はせずに、使い捨て
にする。
よれば、遠心管11にセットした組織細切器10の上金
網3に細切したい組織片30を置いて遠心分離機にかけ
るだけで、組織片30を2〜10mm(好ましくは2〜
4mm)立方程度のブロック状に細切することができ
る。したがって、組織細切の手技に熟練を必要としなく
なり、誰でも簡単に組織を細切することができるように
なる。また、密封した用器の中で、かつ短時間で細切す
ることができるので、その細切の操作中に細菌が組織中
に混入する危険性を低減することもできる。
本体形状を円筒により形成しているが、必ずしも円筒で
ある必要はなく、筒状体であれば良い。また、上記実施
形態では金網を用いているが、組織を切断できれば他の
素材を用いても良い。また、細切する組織は癌組織のほ
か、正常組織であっても良い。
て50mlサイズのものを用いているが、15mlなど
他のサイズのものを用いても良く、組織細切器10のサ
イズをそれに合わせて形成しても良い。ただし、組織片
等を入れる操作は50mlサイズの方が行いやすく、よ
り好ましい。
るにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、こ
れによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されては
ならないものである。すなわち、本発明はその精神、ま
たはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で
実施することができる。
組織細切の手技に熟練を要することがなくなり、誰でも
簡単に組織を細切することができるとともに、短時間で
かつ無菌的に組織を細切することができる。
するための図である。
心管 12 遠心管の入口エッジ部 13 遠心管のキャップ 20 組織培養液 30 組織片
Claims (5)
- 【請求項1】 筒状体の一方の開放端側に格子状の第1
の切断部材を設けるとともに、上記筒状体の他方の開放
端側に格子状の第2の切断部材を設け、 細胞培養を行うために摘出した組織片を上記第1の切断
部材の上に載置可能なように形成し、 上記第1および第2の切断部材を所定の角度を成して互
いに対向させるように形成したことを特徴とする組織細
切器。 - 【請求項2】 上記筒状体の一方の開放端側をすり鉢状
に形成し、上記第1の切断部材を上記すり鉢状に形成さ
れた部分の底面部に設けたことを特徴とする請求項1に
記載の組織細切器。 - 【請求項3】 上記筒状体の他方の開放端側を斜めに切
り落とされた形状に形成し、上記第2の切断部材を上記
斜めに切り落とされた部分に設けたことを特徴とする請
求項1に記載の組織細切器。 - 【請求項4】 上記筒状体の一方の開放端に、把持用の
柄を備えた枠を形成したことを特徴とする請求項1〜3
の何れか1項に記載の組織細切器。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の組織
細切器に組織片を載置して遠心管に設置し、上記組織細
切器の設置された遠心管を遠心分離機にセットして遠心
分離することにより、上記組織片を上記第1および第2
の切断部材によってブロック状に細切するようにしたこ
とを特徴とする組織細切方法。
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2002
- 2002-02-12 JP JP2002033491A patent/JP4156847B2/ja not_active Expired - Fee Related
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