JP2003233201A - 露光方法、この露光方法に用いるレジスト、および、この露光方法により製造された半導体装置 - Google Patents
露光方法、この露光方法に用いるレジスト、および、この露光方法により製造された半導体装置Info
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- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 露光光の照射によりレジスト中で発生する二
次電子によるボケの発生を回避し、短波長露光により高
解像化を可能とする、露光方法、この露光方法に用いる
レジスト材料およびこの露光方法により製造された半導
体装置を提供する。 【解決手段】 偏向磁場4.5T、電子加速エネルギ
0.7GeVの放射光発生装置(SR装置)1からの臨
界波長8.46Åの放射光2を、斜入射角1度のロジウ
ムミラー3を用いて2回反射させ、20μmベリリウム
窓4を透過した光を厚さ2μmのダイヤモンドマスク基
板上にX線吸収体パターンを形成したX線マスク5を透
過させた後に基板上のレジスト表面6に照射する露光方
法であって、主な吸収波長帯域が3Å以上13Å以下の
波長範囲内であり、露光によってレジストから発生する
オージェ電子のエネルギが、約0.51KeV以上2.
6KeV以下の範囲にある元素を含むレジストを用い
る。
次電子によるボケの発生を回避し、短波長露光により高
解像化を可能とする、露光方法、この露光方法に用いる
レジスト材料およびこの露光方法により製造された半導
体装置を提供する。 【解決手段】 偏向磁場4.5T、電子加速エネルギ
0.7GeVの放射光発生装置(SR装置)1からの臨
界波長8.46Åの放射光2を、斜入射角1度のロジウ
ムミラー3を用いて2回反射させ、20μmベリリウム
窓4を透過した光を厚さ2μmのダイヤモンドマスク基
板上にX線吸収体パターンを形成したX線マスク5を透
過させた後に基板上のレジスト表面6に照射する露光方
法であって、主な吸収波長帯域が3Å以上13Å以下の
波長範囲内であり、露光によってレジストから発生する
オージェ電子のエネルギが、約0.51KeV以上2.
6KeV以下の範囲にある元素を含むレジストを用い
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細パターン形成
技術用のレジスト、レジストプロセス技術および露光方
法に関するものである。半導体集積回路の製造を中心と
した微細パターンの転写技術において、マスク上に形成
した微細パターンをX線近接露光技術により転写するシ
ステムに用いることを主な目的とし、従来よりも、高速
でかつ微細なパターンの転写を可能とする技術に関する
ものである。
技術用のレジスト、レジストプロセス技術および露光方
法に関するものである。半導体集積回路の製造を中心と
した微細パターンの転写技術において、マスク上に形成
した微細パターンをX線近接露光技術により転写するシ
ステムに用いることを主な目的とし、従来よりも、高速
でかつ微細なパターンの転写を可能とする技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】X線近接露光の、解像度と露光波長との
関係の代表的な結果を図1に示す。横軸が露光波長
(Å)であり縦軸が解像度(nm)を示している。この
中で、X線近接露光の解像度は、原因の異なる2つの要
因で決まるとされてきた。すなわち、フレネル回折によ
り決まる光学像の解像限界と、露光光の照射によってレ
ジスト中で発生する光電子やオージェ電子でレジストを
感光させ、パターンのボケ(解像度の低下。以下、単に
ボケと称する)が生ずる、いわゆる二次電子によるボケ
で決まる解像限界とである。
関係の代表的な結果を図1に示す。横軸が露光波長
(Å)であり縦軸が解像度(nm)を示している。この
中で、X線近接露光の解像度は、原因の異なる2つの要
因で決まるとされてきた。すなわち、フレネル回折によ
り決まる光学像の解像限界と、露光光の照射によってレ
ジスト中で発生する光電子やオージェ電子でレジストを
感光させ、パターンのボケ(解像度の低下。以下、単に
ボケと称する)が生ずる、いわゆる二次電子によるボケ
で決まる解像限界とである。
【0003】フレネル回折による解像限界Rは、次式で
表される。 R=k・(λ・D)1/2 ここで、kは定数、λは露光波長、Dはマスクとウエハ
の間隔である。この式から、露光波長が短い程、また、
マスクとウエハとの間隔が狭い程解像度が高くなる。
表される。 R=k・(λ・D)1/2 ここで、kは定数、λは露光波長、Dはマスクとウエハ
の間隔である。この式から、露光波長が短い程、また、
マスクとウエハとの間隔が狭い程解像度が高くなる。
【0004】一方、X線照射によりレジスト中で発生す
る二次電子によるボケは、露光波長のX線エネルギの約
1.75乗に比例する。いわゆる、レジスト中での二次
電子のグルンレンジ(=46/σ×E1.75、ここで、σ
はレジストの密度(g・cm3)、Eは、電子のエネルギ
(KeV)である。)が解像度を決めるとされてきた。
る二次電子によるボケは、露光波長のX線エネルギの約
1.75乗に比例する。いわゆる、レジスト中での二次
電子のグルンレンジ(=46/σ×E1.75、ここで、σ
はレジストの密度(g・cm3)、Eは、電子のエネルギ
(KeV)である。)が解像度を決めるとされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近、さらに
詳細な実験的検討および理論的検討により、電子のボケ
は、グルンレジンよりも小さく、電子のボケによる解像
限界はより短波長側まで移動することが明らかになって
きた。これによれば、高解像度のパターンを得るための
最適波長は、10μmギャップの場合、従来の7Åから
新たに6Åまで短波長化が可能なことになる。しかし、
実際の解像限界はフレネル回折のみでなく二次電子によ
るボケとの両者で解像限界が決まると理解されてきた。
すなわち、解像度を決める両者の解像限界の二乗和平均
で現実の解像度が決まるとしてプロットしたのが図1に
示した曲線である。この図1によれば、露光波長を短く
しても解像度はあまり高くならないことになり、短波長
露光の検討が行なわれてこなかった要因の一つになって
いた。
詳細な実験的検討および理論的検討により、電子のボケ
は、グルンレジンよりも小さく、電子のボケによる解像
限界はより短波長側まで移動することが明らかになって
きた。これによれば、高解像度のパターンを得るための
最適波長は、10μmギャップの場合、従来の7Åから
新たに6Åまで短波長化が可能なことになる。しかし、
実際の解像限界はフレネル回折のみでなく二次電子によ
るボケとの両者で解像限界が決まると理解されてきた。
すなわち、解像度を決める両者の解像限界の二乗和平均
で現実の解像度が決まるとしてプロットしたのが図1に
示した曲線である。この図1によれば、露光波長を短く
しても解像度はあまり高くならないことになり、短波長
露光の検討が行なわれてこなかった要因の一つになって
いた。
【0006】本発明は、光電子などの二次電子によるボ
ケに関して詳細に検討を行ない、露光波長を短波長する
ことで解像度の高くなる条件を考察して得られた知見に
基づいてなされた発明である。本発明は、X線近接露光
技術の適用限界を微細領域に広げ、高解像度のパターン
を高速に転写する技術に関するものである。このため、
従来のX線近接露光技術で検討されてきたX線より短波
長のX線を露光に用いることで、フレネル回折に起因す
る解像限界を低減し高解像度化することを狙いとした技
術において発生する問題を解決しようとするものであ
る。
ケに関して詳細に検討を行ない、露光波長を短波長する
ことで解像度の高くなる条件を考察して得られた知見に
基づいてなされた発明である。本発明は、X線近接露光
技術の適用限界を微細領域に広げ、高解像度のパターン
を高速に転写する技術に関するものである。このため、
従来のX線近接露光技術で検討されてきたX線より短波
長のX線を露光に用いることで、フレネル回折に起因す
る解像限界を低減し高解像度化することを狙いとした技
術において発生する問題を解決しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明で想定した短波長
露光システムの構成を図2に示す。また、この短波長露
光システムの露光に用いる代表的な照射光スペクトルの
例を図3に示す。両図を参照して、偏向磁場4.5T、
電子加速エネルギ0.7GeVの放射光発生装置(SR
装置)1からの臨界波長8.46Åの放射光2を、斜入
射角1度のロジウムミラー3を用いて2回反射させて2
0μmベリリウム窓4を透過させ、さらに、この光2を
厚さ2μmのダイヤモンドマスク基板上にX線吸収体パ
ターンを形成したX線マスク5を透過させた後に、基板
上のレジスト表面6に照射する系である。
露光システムの構成を図2に示す。また、この短波長露
光システムの露光に用いる代表的な照射光スペクトルの
例を図3に示す。両図を参照して、偏向磁場4.5T、
電子加速エネルギ0.7GeVの放射光発生装置(SR
装置)1からの臨界波長8.46Åの放射光2を、斜入
射角1度のロジウムミラー3を用いて2回反射させて2
0μmベリリウム窓4を透過させ、さらに、この光2を
厚さ2μmのダイヤモンドマスク基板上にX線吸収体パ
ターンを形成したX線マスク5を透過させた後に、基板
上のレジスト表面6に照射する系である。
【0008】図3において、比較のため示した従来技術
は、炭化珪素ミラーで厚さ2μmの炭化珪素マスク基板
を用いた系である。従来のX線露光システムでは主とし
て珪素の吸収端より長い波長7Åより長波長の光を用い
ている。一方、本発明の短波長露光システムでは、7Å
より短波長の波長を含み3Å程度までの光を用いている
ことが特徴である。
は、炭化珪素ミラーで厚さ2μmの炭化珪素マスク基板
を用いた系である。従来のX線露光システムでは主とし
て珪素の吸収端より長い波長7Åより長波長の光を用い
ている。一方、本発明の短波長露光システムでは、7Å
より短波長の波長を含み3Å程度までの光を用いている
ことが特徴である。
【0009】ここでは、主として放射光発生装置からの
X線を用いる系について説明するが、発明の原理の基づ
き、放射光発生装置からのX線に限るものではなく、プ
ラズマX線源を含む各種のX線源を用いた露光技術にお
いても同様の効果が得られる。さらには、X線と同程度
エネルギを有する電子線を用いる露光技術によっても同
様の効果が得られる。
X線を用いる系について説明するが、発明の原理の基づ
き、放射光発生装置からのX線に限るものではなく、プ
ラズマX線源を含む各種のX線源を用いた露光技術にお
いても同様の効果が得られる。さらには、X線と同程度
エネルギを有する電子線を用いる露光技術によっても同
様の効果が得られる。
【0010】X線近接露光技術に於いて短波長のX線に
よる露光が困難とされてきた課題は、露光光によりレジ
スト中で発生する二次電子の飛程が解像限界を決めると
され、短波長化により解像度が低下するとされてきたこ
とである。光学像は、露光波長の短波長化により波長の
平方根に比例して高解像化し、マスクとウエハとの間隙
を狭くすることで高解像化する。
よる露光が困難とされてきた課題は、露光光によりレジ
スト中で発生する二次電子の飛程が解像限界を決めると
され、短波長化により解像度が低下するとされてきたこ
とである。光学像は、露光波長の短波長化により波長の
平方根に比例して高解像化し、マスクとウエハとの間隙
を狭くすることで高解像化する。
【0011】一方、短波長側には、光電子およびオージ
ェ電子からなる二次電子によりボケが発生し、このボケ
が解像度を制限することによる限界、すなわち、二次電
子による解像限界があるとされてきた。この二次電子に
よる解像限界は、実験と計算によって、近年、高解像側
に変更され、短波長化が可能な方向へ修正されてきた。
しかし、解像度はフレネル回折による解像限界と二次電
子による解像限界との両者の影響で決まるため、露光光
の短波長化によっては高解像化が困難との結論が得られ
ていた。
ェ電子からなる二次電子によりボケが発生し、このボケ
が解像度を制限することによる限界、すなわち、二次電
子による解像限界があるとされてきた。この二次電子に
よる解像限界は、実験と計算によって、近年、高解像側
に変更され、短波長化が可能な方向へ修正されてきた。
しかし、解像度はフレネル回折による解像限界と二次電
子による解像限界との両者の影響で決まるため、露光光
の短波長化によっては高解像化が困難との結論が得られ
ていた。
【0012】すなわち、本発明の解決しようとする課題
は、露光光の照射によりレジスト中で発生する二次電子
によるボケが解像度を制限していることである。本発明
はこの課題を解決し短波長露光により高解像化を行なう
ことにある。
は、露光光の照射によりレジスト中で発生する二次電子
によるボケが解像度を制限していることである。本発明
はこの課題を解決し短波長露光により高解像化を行なう
ことにある。
【0013】X線近接露光技術などの化学反応に必要な
エネルギより遥かに高いエネルギの光や、加速された電
子やイオンなどによる露光、すなわち、高エネルギ露光
に於いては、露光光によりレジスト中で発生する光電
子、およびオージェ電子などの二次的電子によりレジス
トの化学反応が励起されパターン形成が行なわれる。す
なわち、レジスト中で二次的に発生する電子が露光には
重要となる。ここでは、露光光の照射により発生する電
子を詳細に検討した。
エネルギより遥かに高いエネルギの光や、加速された電
子やイオンなどによる露光、すなわち、高エネルギ露光
に於いては、露光光によりレジスト中で発生する光電
子、およびオージェ電子などの二次的電子によりレジス
トの化学反応が励起されパターン形成が行なわれる。す
なわち、レジスト中で二次的に発生する電子が露光には
重要となる。ここでは、露光光の照射により発生する電
子を詳細に検討した。
【0014】図1のX線近接露光の解像度を評価する中
で、二次電子によるボケを決めるために従来から用いら
れていた値は、露光波長のエネルギをそのまま発生する
電子のエネルギとみなし、これから電子のレジスト中の
グルンレンジなどを考慮し、解像限界の直線を求めてい
た。これは、従来用いられていた7Åより長波長の露光
波長帯では、ほぼ実験事実を説明できる値が得られてい
たためである。
で、二次電子によるボケを決めるために従来から用いら
れていた値は、露光波長のエネルギをそのまま発生する
電子のエネルギとみなし、これから電子のレジスト中の
グルンレンジなどを考慮し、解像限界の直線を求めてい
た。これは、従来用いられていた7Åより長波長の露光
波長帯では、ほぼ実験事実を説明できる値が得られてい
たためである。
【0015】本発明の主目的である7Åより短波長の波
長を含む露光波長帯では、レジスト材料を構成する元素
により、状況が激変することを見い出した。本発明は、
レジスト材料を構成する元素から発生する二次電子につ
いて詳細に検討して得られた知見に基づいて発明したも
のである。
長を含む露光波長帯では、レジスト材料を構成する元素
により、状況が激変することを見い出した。本発明は、
レジスト材料を構成する元素から発生する二次電子につ
いて詳細に検討して得られた知見に基づいて発明したも
のである。
【0016】本発明が主として想定している7Åより短
波長のX線を含む短波長露光の露光波長帯、すなわち、
3KeV程度までのエネルギ帯には、各種の軽元素の吸
収端が存在している。この吸収端の前後で、発生する光
電子やオージェ電子の状況が大きく変化する。本発明
は、このことを利用することでなされたものである。す
なわち、従来から用いられてきた露光光のエネルギをそ
のままボケを決めるための電子のエネルギとして用いる
のではなく、現実にレジスト中で発生する電子に着目
し、この電子のエネルギでボケが決まることに着目し、
解像度限界を再評価してなされた発明である。
波長のX線を含む短波長露光の露光波長帯、すなわち、
3KeV程度までのエネルギ帯には、各種の軽元素の吸
収端が存在している。この吸収端の前後で、発生する光
電子やオージェ電子の状況が大きく変化する。本発明
は、このことを利用することでなされたものである。す
なわち、従来から用いられてきた露光光のエネルギをそ
のままボケを決めるための電子のエネルギとして用いる
のではなく、現実にレジスト中で発生する電子に着目
し、この電子のエネルギでボケが決まることに着目し、
解像度限界を再評価してなされた発明である。
【0017】図4にX線を照射したとき各元素から発生
する二次電子のエネルギを示す。横軸が照射X線の波長
(Å)であり、縦軸が発生する二次電子のエネルギ(e
V)である。X線照射により光電子とオージェ電子とを
発生するが、光電子は、露光波長のエネルギから、励起
された電子の結合エネルギを差し引いたエネルギを持っ
ている。また、オージェ電子は、励起された準位と外核
電子の準位とのエネルギ差から、外核電子の結合エネル
ギをさらに差し引いたエネルギを持っている。外核電子
の結合エネルギが小さければ、オージェ電子のエネルギ
は同時に発生する特性X線のエネルギとほぼ一致する。
する二次電子のエネルギを示す。横軸が照射X線の波長
(Å)であり、縦軸が発生する二次電子のエネルギ(e
V)である。X線照射により光電子とオージェ電子とを
発生するが、光電子は、露光波長のエネルギから、励起
された電子の結合エネルギを差し引いたエネルギを持っ
ている。また、オージェ電子は、励起された準位と外核
電子の準位とのエネルギ差から、外核電子の結合エネル
ギをさらに差し引いたエネルギを持っている。外核電子
の結合エネルギが小さければ、オージェ電子のエネルギ
は同時に発生する特性X線のエネルギとほぼ一致する。
【0018】二次電子ではなくX線を発生する割合は蛍
光収率と呼ばれる値で示される。このエネルギ帯での蛍
光収率は2〜3パーセント程度であり、X線露光により
レジスト中で発生するのは、X線は少なく、ほぼ二次電
子とみなしてよい。
光収率と呼ばれる値で示される。このエネルギ帯での蛍
光収率は2〜3パーセント程度であり、X線露光により
レジスト中で発生するのは、X線は少なく、ほぼ二次電
子とみなしてよい。
【0019】X線露光によりレジスト中で最初に発生す
る電子は、この光電子とオージェ電子の両者からなる二
次電子であり、これ以上の高いエネルギの電子は発生し
ない。この光電子やオージェ電子さらには特性X線が再
度レジストに吸収され低エネルギの電子が発生しレジス
トを感光することになるが、最初に発生した二次電子の
エネルギより低いエネルギである。
る電子は、この光電子とオージェ電子の両者からなる二
次電子であり、これ以上の高いエネルギの電子は発生し
ない。この光電子やオージェ電子さらには特性X線が再
度レジストに吸収され低エネルギの電子が発生しレジス
トを感光することになるが、最初に発生した二次電子の
エネルギより低いエネルギである。
【0020】二次電子によるボケはエネルギが高いほど
大きいので、光電子とオージェ電子が再度レジストに吸
収されて発生した二次電子や特性X線が再度吸収され発
生する低エネルギの電子は、最初に発生した二次電子と
比較して解像度を低下させる要因とはならない。
大きいので、光電子とオージェ電子が再度レジストに吸
収されて発生した二次電子や特性X線が再度吸収され発
生する低エネルギの電子は、最初に発生した二次電子と
比較して解像度を低下させる要因とはならない。
【0021】X線露光技術で解像度を制限する要因とし
て問題とすべき電子は光電子やオージェ電子である。す
なわち、図1で、二次電子のよる解像度の直線で用いる
べき電子のエネルギは、露光光のエネルギをそのまま電
子のエネルギとして用いるのではなく、最大でも図4に
示した光電子とオージェ電子とからなる二次電子のエネ
ルギである。この電子エネルギで二次電子のボケによる
解像度限界が決定される。
て問題とすべき電子は光電子やオージェ電子である。す
なわち、図1で、二次電子のよる解像度の直線で用いる
べき電子のエネルギは、露光光のエネルギをそのまま電
子のエネルギとして用いるのではなく、最大でも図4に
示した光電子とオージェ電子とからなる二次電子のエネ
ルギである。この電子エネルギで二次電子のボケによる
解像度限界が決定される。
【0022】代表的なレジストであるPMMA(pol
ymethyl methacrylate)は水素、
炭素および酸素で構成される。これらの元素は、吸収端
(すなわち、電子の結合エネルギ)が、低エネルギ側にあ
るため、従来のX線露光の波長帯のみでなく短波長露光
の波長帯でも、照射X線のエネルギと結合エネルギとの
差である光電子のエネルギは、露光波長のエネルギに近
いエネルギとなる。
ymethyl methacrylate)は水素、
炭素および酸素で構成される。これらの元素は、吸収端
(すなわち、電子の結合エネルギ)が、低エネルギ側にあ
るため、従来のX線露光の波長帯のみでなく短波長露光
の波長帯でも、照射X線のエネルギと結合エネルギとの
差である光電子のエネルギは、露光波長のエネルギに近
いエネルギとなる。
【0023】このため、PMMA類似の炭素を主成分と
する有機レジストを使用している限り、図1の二次電子
による解像度の直線で用いる電子のエネルギは、露光波
長のエネルギに近いエネルギとなる。その結果、PMM
A類似の炭素を主成分とする有機レジストにおいても、
従来用いられてきた波長と解像度に関する関係はほぼ成
立することになる。
する有機レジストを使用している限り、図1の二次電子
による解像度の直線で用いる電子のエネルギは、露光波
長のエネルギに近いエネルギとなる。その結果、PMM
A類似の炭素を主成分とする有機レジストにおいても、
従来用いられてきた波長と解像度に関する関係はほぼ成
立することになる。
【0024】しかし、露光波長帯の近傍にX線の吸収端
が存在するレジスト材料に、X線を照射した場合には発
生する二次電子の状況は激変する。以下、例として、臭
素を例として説明する。臭素には8Å近傍にX線吸収端
あり、吸収端のすぐ短波長側で二次電子の発生量が急激
に増加する。この二次電子の内、光電子のエネルギは露
光に用いたX線のエネルギから吸収端の電子準位の結合
エネルギを引いたエネルギを持っているため、吸収端の
短波長側で急激に低下することになり、4Å程度までは
吸収端のエネルギを超えない。
が存在するレジスト材料に、X線を照射した場合には発
生する二次電子の状況は激変する。以下、例として、臭
素を例として説明する。臭素には8Å近傍にX線吸収端
あり、吸収端のすぐ短波長側で二次電子の発生量が急激
に増加する。この二次電子の内、光電子のエネルギは露
光に用いたX線のエネルギから吸収端の電子準位の結合
エネルギを引いたエネルギを持っているため、吸収端の
短波長側で急激に低下することになり、4Å程度までは
吸収端のエネルギを超えない。
【0025】また、オージェ電子のエネルギは1.2〜
1.4KeVの間の値で、9〜10Åの波長に相当する
エネルギである。すなわち、露光波長のエネルギを高く
し、4Å程度にしても、9〜10Å相当のエネルギより
高エネルギの電子の発生は少ない。このことを利用し
て、短波長露光によりレジスト中で生ずる二次電子によ
るボケを低減し、高解像度のパターンを形成するように
したものが本発明である。
1.4KeVの間の値で、9〜10Åの波長に相当する
エネルギである。すなわち、露光波長のエネルギを高く
し、4Å程度にしても、9〜10Å相当のエネルギより
高エネルギの電子の発生は少ない。このことを利用し
て、短波長露光によりレジスト中で生ずる二次電子によ
るボケを低減し、高解像度のパターンを形成するように
したものが本発明である。
【0026】上記では臭素を例に本発明の手段を説明し
たが、以下に本発明の手段を整理して記載する。
たが、以下に本発明の手段を整理して記載する。
【0027】[手段1]X線光源から発生したX線を、
ビームライン中のX線ミラーで集光または拡大した後、
真空隔壁である窓材を透過させ、さらに、マスク基板と
その上に形成された吸収体パターンからなるX線マスク
を通過させ、このX線を露光光としてレジストを照射す
る露光方法であって、主な吸収波長帯域が3〜13Åの
波長範囲内であり、露光によって発生するオージェ電子
のエネルギが約0.51KeV以上2.6KeV以下の
範囲にある元素を含むレジストを用いる。
ビームライン中のX線ミラーで集光または拡大した後、
真空隔壁である窓材を透過させ、さらに、マスク基板と
その上に形成された吸収体パターンからなるX線マスク
を通過させ、このX線を露光光としてレジストを照射す
る露光方法であって、主な吸収波長帯域が3〜13Åの
波長範囲内であり、露光によって発生するオージェ電子
のエネルギが約0.51KeV以上2.6KeV以下の
範囲にある元素を含むレジストを用いる。
【0028】短波長化してもエネルギ一定のオージェ電
子が発生するため電子のボケが大きくなりにくい。さら
に、光電子のエネルギは従来の主に炭素、酸素、窒素、
水素からなるレジストから発生する光電子のエネルギよ
りも低いため光電子のボケも従来のレジストを用いた場
合よりも小さくできる。
子が発生するため電子のボケが大きくなりにくい。さら
に、光電子のエネルギは従来の主に炭素、酸素、窒素、
水素からなるレジストから発生する光電子のエネルギよ
りも低いため光電子のボケも従来のレジストを用いた場
合よりも小さくできる。
【0029】[手段2]加速電圧が1.5KeV以上の
電子ビーム露光によって主に発生するオージェ電子のエ
ネルギが、約0.51KeV以上2.6KeV以下の範
囲にある元素を含むレジストを用いる。加速電圧を高く
してもエネルギ一定のオージェ電子が発生するため電子
のボケが大きくなりにくい。
電子ビーム露光によって主に発生するオージェ電子のエ
ネルギが、約0.51KeV以上2.6KeV以下の範
囲にある元素を含むレジストを用いる。加速電圧を高く
してもエネルギ一定のオージェ電子が発生するため電子
のボケが大きくなりにくい。
【0030】[手段3]露光光を主に吸収する元素から
発生するオージェ電子のエネルギが光電子のエネルギよ
りも高くなる元素を含むレジストを用いる。露光により
レジストから発生する電子のエネルギは、エネルギ一定
のオージェ電子およびオージェ電子よりもエネルギの低
い光電子が含まれる。その結果、露光光を短波長化して
も電子のボケの小さい高解像度のパターンを形成するこ
とができる。
発生するオージェ電子のエネルギが光電子のエネルギよ
りも高くなる元素を含むレジストを用いる。露光により
レジストから発生する電子のエネルギは、エネルギ一定
のオージェ電子およびオージェ電子よりもエネルギの低
い光電子が含まれる。その結果、露光光を短波長化して
も電子のボケの小さい高解像度のパターンを形成するこ
とができる。
【0031】[手段4]主な吸収波長帯域が3〜13Å
の波長範囲内であって、露光によって発生するオージェ
電子のエネルギが、光電子のエネルギよりも高くなる元
素を含むレジストを用い、かつ、オージェ電子のエネル
ギが光電子のエネルギよりも高くなる波長領域を選択し
て露光する。発生する光電子のエネルギはオージェ電子
のエネルギよりも低くなるように制限されるので、高エ
ネルギの電子が減少する。さらに、電子のボケを小さく
でき高解像度のパターンを形成することができる。
の波長範囲内であって、露光によって発生するオージェ
電子のエネルギが、光電子のエネルギよりも高くなる元
素を含むレジストを用い、かつ、オージェ電子のエネル
ギが光電子のエネルギよりも高くなる波長領域を選択し
て露光する。発生する光電子のエネルギはオージェ電子
のエネルギよりも低くなるように制限されるので、高エ
ネルギの電子が減少する。さらに、電子のボケを小さく
でき高解像度のパターンを形成することができる。
【0032】[手段5]主な吸収波長帯域が3〜13Å
の波長範囲内であって、露光によって発生するオージェ
電子のエネルギが光電子のエネルギよりも高くなる元素
を含むレジストを用い、かつ、光電子のエネルギが炭素
のオージェ電子のエネルギとほぼ等しいかそれ以下にな
る波長領域を用いて露光する。極めてエネルギの低い電
子を用いることにより電子のボケがさらに抑えられ、超
高解像度のパターンが得られる。
の波長範囲内であって、露光によって発生するオージェ
電子のエネルギが光電子のエネルギよりも高くなる元素
を含むレジストを用い、かつ、光電子のエネルギが炭素
のオージェ電子のエネルギとほぼ等しいかそれ以下にな
る波長領域を用いて露光する。極めてエネルギの低い電
子を用いることにより電子のボケがさらに抑えられ、超
高解像度のパターンが得られる。
【0033】[手段6]主な吸収波長帯域が3〜13Å
の波長範囲内であって、オージェ電子のエネルギが、約
0.51KeV〜2.6KeVの範囲にある元素を含む
レジストを用い、かつ、光電子のエネルギが1.4Ke
V以下になる波長領域で露光する。短波長領域でも光電
子のエネルギが13Åの波長に相当するエネルギより小
さいため、電子のボケを小さくできる。オージェ電子の
エネルギは一定のため短波長化してもエネルギは増加し
ない。
の波長範囲内であって、オージェ電子のエネルギが、約
0.51KeV〜2.6KeVの範囲にある元素を含む
レジストを用い、かつ、光電子のエネルギが1.4Ke
V以下になる波長領域で露光する。短波長領域でも光電
子のエネルギが13Åの波長に相当するエネルギより小
さいため、電子のボケを小さくできる。オージェ電子の
エネルギは一定のため短波長化してもエネルギは増加し
ない。
【0034】[手段7]X線源から発生したX線を、X
線ミラーを備えたビームラインで集光または拡大した
後、真空隔壁である窓材を透過した光でX線マスクパタ
ーンをレジストに転写するX線露光方法において、2枚
以上のX線ミラーでX線を反射させることにより集光X
線ミラーまたは拡大X線ミラーへの光軸を変えずに波長
を変更できる波長スイーパーを、ビームライン内に備え
た照明光学系を用いてレジストを露光する。すでにシス
テムに組み込まれている集光X線ミラーまたは拡大X線
ミラーの材料やX線斜入射角度を変えることなく露光波
長領域を選択できる。
線ミラーを備えたビームラインで集光または拡大した
後、真空隔壁である窓材を透過した光でX線マスクパタ
ーンをレジストに転写するX線露光方法において、2枚
以上のX線ミラーでX線を反射させることにより集光X
線ミラーまたは拡大X線ミラーへの光軸を変えずに波長
を変更できる波長スイーパーを、ビームライン内に備え
た照明光学系を用いてレジストを露光する。すでにシス
テムに組み込まれている集光X線ミラーまたは拡大X線
ミラーの材料やX線斜入射角度を変えることなく露光波
長領域を選択できる。
【0035】以下、波長スイーパーについて説明する。
波長スイーパーはX線ミラーへのX線斜入射角度が大き
くなると短波長に対する反射率が低下することを利用
し、斜入射角度を制御することにより短波長成分をカッ
トするものである。さらに、2枚以上のX線ミラーと組
み合わせることで、元のX線の光軸を変えることなく、
短波長領域のX線波長成分をカットする照明光学系であ
る。
波長スイーパーはX線ミラーへのX線斜入射角度が大き
くなると短波長に対する反射率が低下することを利用
し、斜入射角度を制御することにより短波長成分をカッ
トするものである。さらに、2枚以上のX線ミラーと組
み合わせることで、元のX線の光軸を変えることなく、
短波長領域のX線波長成分をカットする照明光学系であ
る。
【0036】図5にX線ミラーを3枚用いた系の波長ス
イーパーの構成図を示す。1段目のX線ミラー7と2段
目のX線ミラー8とのX軸方向の距離Lは一定である。
2段目のX線ミラー8と3段目のX線ミラー9とのX軸
方向の距離Lも同様に一定である。1段目のX線ミラー
7と3段目のX線ミラー9は位置が固定されており、紙
面に垂直な軸を中心として回転機構を有する。
イーパーの構成図を示す。1段目のX線ミラー7と2段
目のX線ミラー8とのX軸方向の距離Lは一定である。
2段目のX線ミラー8と3段目のX線ミラー9とのX軸
方向の距離Lも同様に一定である。1段目のX線ミラー
7と3段目のX線ミラー9は位置が固定されており、紙
面に垂直な軸を中心として回転機構を有する。
【0037】2段目のX線ミラー8はy軸方向に平行移
動する機能を有する。X線が1段目のX線ミラー7に斜
入射角度αで入射する場合、2段目のX線ミラー8への
斜入射角度2α、3段目のX線ミラー9への斜入射角度
αとなるように2段目のX線ミラー8の位置と3段目の
X線ミラー9の角度を調整する。これにより、1段目の
X線ミラー7に入射するX線の光軸と3段目のX線ミラ
ー9から出射するX線の光軸とをほぼ同じにすることが
できる。
動する機能を有する。X線が1段目のX線ミラー7に斜
入射角度αで入射する場合、2段目のX線ミラー8への
斜入射角度2α、3段目のX線ミラー9への斜入射角度
αとなるように2段目のX線ミラー8の位置と3段目の
X線ミラー9の角度を調整する。これにより、1段目の
X線ミラー7に入射するX線の光軸と3段目のX線ミラ
ー9から出射するX線の光軸とをほぼ同じにすることが
できる。
【0038】1段目のX線ミラー7への斜入射角度をβ
となるように回転させた場合、2段目のX線ミラー8へ
の斜入射角度2β、3段目のX線ミラー9への斜入射角
度βとなるように2段目のX線ミラー8の位置と3段目
のX線ミラー9の角度を調整する。これにより、X線の
光軸をほぼ同じにすることができる。このようにX線の
光軸をほぼ同じにしたまま、X線ミラー7、8、9の斜
入射角度を調節でき、斜入射角度による反射率の違いを
利用してX線の波長領域を選択することができる。
となるように回転させた場合、2段目のX線ミラー8へ
の斜入射角度2β、3段目のX線ミラー9への斜入射角
度βとなるように2段目のX線ミラー8の位置と3段目
のX線ミラー9の角度を調整する。これにより、X線の
光軸をほぼ同じにすることができる。このようにX線の
光軸をほぼ同じにしたまま、X線ミラー7、8、9の斜
入射角度を調節でき、斜入射角度による反射率の違いを
利用してX線の波長領域を選択することができる。
【0039】[手段8]X線源から発生したX線を、X
線ミラーを備えたビームラインで集光または拡大した
後、X線フィルタと真空隔壁である窓材とを透過した光
でX線マスクパターンをレジストに転写するX線露光方
法において、平面ミラーを2枚以上組み合わせた照明光
学系を備えたビームラインを用い、平面ミラーの表面コ
ーティング材料が平面ミラー表面の場所により異なって
いる平面ミラーを用いる。集光または拡大用のX線ミラ
ーを変更することなく、短波長成分を低減できる。
線ミラーを備えたビームラインで集光または拡大した
後、X線フィルタと真空隔壁である窓材とを透過した光
でX線マスクパターンをレジストに転写するX線露光方
法において、平面ミラーを2枚以上組み合わせた照明光
学系を備えたビームラインを用い、平面ミラーの表面コ
ーティング材料が平面ミラー表面の場所により異なって
いる平面ミラーを用いる。集光または拡大用のX線ミラ
ーを変更することなく、短波長成分を低減できる。
【0040】[手段9]レジストとして、フッ素、ヨウ
素、および、ゲルマニウムからなる群より選択される材
料を含有する。これらの元素は吸収端が10Åより長波
長側にあるため、従来のX線露光光に用いている7〜1
0Åの露光光に対して、炭素の光電子より低いエネルギ
の二次電子でパターンを形成するため解像度が向上す
る。
素、および、ゲルマニウムからなる群より選択される材
料を含有する。これらの元素は吸収端が10Åより長波
長側にあるため、従来のX線露光光に用いている7〜1
0Åの露光光に対して、炭素の光電子より低いエネルギ
の二次電子でパターンを形成するため解像度が向上す
る。
【0041】[手段10]主な吸収波長帯域が3〜13
Åの波長範囲内のX線、または、1.5KeV以上の電
子ビームの露光によって発生するオージェ電子のエネル
ギが約0.51KeV〜2.6KeVの範囲にある元素
を含むレジストを用いて、基板上のレジストパターン形
成を行ない、そのレジストパターンを加工して半導体装
置を製造する。
Åの波長範囲内のX線、または、1.5KeV以上の電
子ビームの露光によって発生するオージェ電子のエネル
ギが約0.51KeV〜2.6KeVの範囲にある元素
を含むレジストを用いて、基板上のレジストパターン形
成を行ない、そのレジストパターンを加工して半導体装
置を製造する。
【0042】[作用]短波長化により高解像度化を図る
技術として、照射波長を短波長化する方法と照射波長は
そのままでレジストに吸収される波長を短波長化する方
法がある。波長の短いX線で露光することにより解像度
の高い光学像を得て高解像度化を実現する上記発明に於
いて、レジスト中での二次電子によるボケを低減するこ
とが本発明の目的である。このため、本発明では、レジ
ストを構成する元素と波長範囲とを選択することで、レ
ジスト中で発生する二次電子のエネルギを制御する方法
を提供したものである。
技術として、照射波長を短波長化する方法と照射波長は
そのままでレジストに吸収される波長を短波長化する方
法がある。波長の短いX線で露光することにより解像度
の高い光学像を得て高解像度化を実現する上記発明に於
いて、レジスト中での二次電子によるボケを低減するこ
とが本発明の目的である。このため、本発明では、レジ
ストを構成する元素と波長範囲とを選択することで、レ
ジスト中で発生する二次電子のエネルギを制御する方法
を提供したものである。
【0043】図4および図6は、レジストを構成する候
補元素の光電子およびオージェ電子の、エネルギの励起
波長依存性を示す図である。光電子のエネルギは、励起
波長が短波長化するにつれ増加するが、元素の吸収端の
短波長側で一度急激に減少する。一方、オージェ電子
は、吸収端の短波長側では一定の値をとる。すなわち、
吸収端のすぐ短波長側では、露光を短波長化しても発生
する電子エネルギは増加せず、一定値を取るオージェ電
子と、一桁以上低いエネルギを持った光電子が発生する
ことになる。
補元素の光電子およびオージェ電子の、エネルギの励起
波長依存性を示す図である。光電子のエネルギは、励起
波長が短波長化するにつれ増加するが、元素の吸収端の
短波長側で一度急激に減少する。一方、オージェ電子
は、吸収端の短波長側では一定の値をとる。すなわち、
吸収端のすぐ短波長側では、露光を短波長化しても発生
する電子エネルギは増加せず、一定値を取るオージェ電
子と、一桁以上低いエネルギを持った光電子が発生する
ことになる。
【0044】いずれにしても、X線照射により、レジス
ト中で発生するこれらの電子のエネルギは、露光用に照
射されるX線のエネルギに比較して一般に低エネルギに
なり、このエネルギの電子が解像度に影響するボケを与
えることになる。また、電子のエネルギが高い程、レジ
ストに吸収される量が少なくなり、低いエネルギの電子
はレジストに吸収されやすい。これらの要因が解像度に
影響し、二次電子に起因するボケを決めることになる。
ト中で発生するこれらの電子のエネルギは、露光用に照
射されるX線のエネルギに比較して一般に低エネルギに
なり、このエネルギの電子が解像度に影響するボケを与
えることになる。また、電子のエネルギが高い程、レジ
ストに吸収される量が少なくなり、低いエネルギの電子
はレジストに吸収されやすい。これらの要因が解像度に
影響し、二次電子に起因するボケを決めることになる。
【0045】図7に、種々のエネルギを有する電子がレ
ジスト中で異なる割合で発生する場合の、解像度に与え
る影響を評価した結果を示す。エネルギの異なる4種類
の電子が、異なる割合で発生した場合を想定している。
縦軸はレジスト中での蓄積エネルギで、横軸は電子の到
達範囲、すなわち解像度を表している。高いエネルギの
電子は広い範囲のボケを生じさせ、パターン間に渡って
影響し、低いエネルギの電子はレジストへの吸収能が高
く到達範囲が小さいため二次電子によるボケが小さいた
め、パターン品質に影響する。
ジスト中で異なる割合で発生する場合の、解像度に与え
る影響を評価した結果を示す。エネルギの異なる4種類
の電子が、異なる割合で発生した場合を想定している。
縦軸はレジスト中での蓄積エネルギで、横軸は電子の到
達範囲、すなわち解像度を表している。高いエネルギの
電子は広い範囲のボケを生じさせ、パターン間に渡って
影響し、低いエネルギの電子はレジストへの吸収能が高
く到達範囲が小さいため二次電子によるボケが小さいた
め、パターン品質に影響する。
【0046】低エネルギ電子を含む場合のレジスト中の
蓄積エネルギをみた場合、低エネルギ電子によるシャー
プな尖塔を有する蓄積エネルギ分布プロファイルが得ら
れることになる。現像過程のスライスレベルをこの尖塔
部に設定すれば、高解像度のパターンが得られることに
なる。低エネルギ電子の割合が多ければスライスレベル
範囲が広いことになり、レジスト材料や現像条件の選択
範囲が広がることになる。その結果、高解像度のパター
ンが得られる条件の範囲が広く、容易に高解像度のパタ
ーンが得られることは明確である。
蓄積エネルギをみた場合、低エネルギ電子によるシャー
プな尖塔を有する蓄積エネルギ分布プロファイルが得ら
れることになる。現像過程のスライスレベルをこの尖塔
部に設定すれば、高解像度のパターンが得られることに
なる。低エネルギ電子の割合が多ければスライスレベル
範囲が広いことになり、レジスト材料や現像条件の選択
範囲が広がることになる。その結果、高解像度のパター
ンが得られる条件の範囲が広く、容易に高解像度のパタ
ーンが得られることは明確である。
【0047】この関係を見たとき、解像度は高エネルギ
の電子の飛程のみでなく、むしろ低いエネルギ領域の電
子が解像度に強く影響する場合があり、解像度に最も影
響する最適エネルギの電子が存在することが解る。高エ
ネルギ電子の影響は、高密度パターンの場合には隣接パ
ターンへの影響として観測され、解像度に影響する。
の電子の飛程のみでなく、むしろ低いエネルギ領域の電
子が解像度に強く影響する場合があり、解像度に最も影
響する最適エネルギの電子が存在することが解る。高エ
ネルギ電子の影響は、高密度パターンの場合には隣接パ
ターンへの影響として観測され、解像度に影響する。
【0048】次に、異なるエネルギをもつ2種類の電子
による解像度に与える影響を検討した結果を示す。一例
として、一方の電子のエネルギを1.4KeVに固定
し、もう一方の電子のエネルギを0.1KeVから2.
5KeVまで変えて、レジスト中の吸収エネルギの像を
求めた。図8に50nmライン&スペースマスクパター
ンの場合を示し、図9に50nmスペースマスクパター
ンの場合を示す。レジスト上のX線強度はマスクライン
部を0、マスクスペース部を1としている。
による解像度に与える影響を検討した結果を示す。一例
として、一方の電子のエネルギを1.4KeVに固定
し、もう一方の電子のエネルギを0.1KeVから2.
5KeVまで変えて、レジスト中の吸収エネルギの像を
求めた。図8に50nmライン&スペースマスクパター
ンの場合を示し、図9に50nmスペースマスクパター
ンの場合を示す。レジスト上のX線強度はマスクライン
部を0、マスクスペース部を1としている。
【0049】ライン&スペースパターン、スペースパタ
ーンともに、電子のエネルギを0.1KeVから増加さ
せていくと、吸収エネルギの像は徐々に急峻になってい
くが、電子のエネルギが0.7KeV〜1.4KeVあ
たりで吸収エネルギの像は最もコントラストが高くな
る。さらにエネルギの高い2.1KeV以上ではむしろ
ボケが大きくなる。
ーンともに、電子のエネルギを0.1KeVから増加さ
せていくと、吸収エネルギの像は徐々に急峻になってい
くが、電子のエネルギが0.7KeV〜1.4KeVあ
たりで吸収エネルギの像は最もコントラストが高くな
る。さらにエネルギの高い2.1KeV以上ではむしろ
ボケが大きくなる。
【0050】つまり、オージェ電子のように一定のエネ
ルギをもつ電子と、短波長化によってエネルギ増加する
光電子とによってパターンが形成される場合、光電子の
エネルギがオージェ電子のエネルギより低い場合に解像
度向上に強く寄与することがあり、最も解像度が高くな
る光電子のエネルギとオージェ電子のエネルギとの組み
合わせが存在している。この電子エネルギの組み合わせ
はパターン寸法やオージェ電子のエネルギによって変化
する。
ルギをもつ電子と、短波長化によってエネルギ増加する
光電子とによってパターンが形成される場合、光電子の
エネルギがオージェ電子のエネルギより低い場合に解像
度向上に強く寄与することがあり、最も解像度が高くな
る光電子のエネルギとオージェ電子のエネルギとの組み
合わせが存在している。この電子エネルギの組み合わせ
はパターン寸法やオージェ電子のエネルギによって変化
する。
【0051】図6に示す各元素の二次電子のエネルギ
は、20Åより短波長の波長帯で見たとき、ヨウ素、フ
ッ素、ゲルマニウム、臭素、珪素、硫黄、燐、および、
塩素の順で短波長側に吸収端が存在し、各元素からのオ
ージェ電子のエネルギはこの順で高くなっている。た
だ、光電子のエネルギが低下する波長はこの元素の順に
短波長側へ移動している。すなわち、露光波長を選択的
に短くすれば、この元素の順にレジスト中で発生する光
電子のエネルギが低くなる波長を選択することが可能と
なり、短波長化できるためフレネル回折の低減を考えれ
ば高解像度化できることになる。
は、20Åより短波長の波長帯で見たとき、ヨウ素、フ
ッ素、ゲルマニウム、臭素、珪素、硫黄、燐、および、
塩素の順で短波長側に吸収端が存在し、各元素からのオ
ージェ電子のエネルギはこの順で高くなっている。た
だ、光電子のエネルギが低下する波長はこの元素の順に
短波長側へ移動している。すなわち、露光波長を選択的
に短くすれば、この元素の順にレジスト中で発生する光
電子のエネルギが低くなる波長を選択することが可能と
なり、短波長化できるためフレネル回折の低減を考えれ
ば高解像度化できることになる。
【0052】各エネルギの電子が発生する割合は、レジ
ストに含まれる元素と、その元素の割合、および、露光
光の波長スペクトルによって決まる。言い換えれば、露
光に用いたX線スペクトルと、各波長でのレジストへの
X線吸収能、すなわち、レジストのX線吸収スペクトル
によって、レジスト中で発生する電子の割合が決まるこ
とになる。これは、電子の発生量が、X線の吸収量が多
いほど多くなるためである。レジストの吸収スペクトル
は、X線露光で想定しているKeV程度のエネルギ帯で
は、化合物の結合状態にはあまり依存せず、各元素の吸
収スペクトルとその元素のレジスト中での重量比によっ
て決定される。
ストに含まれる元素と、その元素の割合、および、露光
光の波長スペクトルによって決まる。言い換えれば、露
光に用いたX線スペクトルと、各波長でのレジストへの
X線吸収能、すなわち、レジストのX線吸収スペクトル
によって、レジスト中で発生する電子の割合が決まるこ
とになる。これは、電子の発生量が、X線の吸収量が多
いほど多くなるためである。レジストの吸収スペクトル
は、X線露光で想定しているKeV程度のエネルギ帯で
は、化合物の結合状態にはあまり依存せず、各元素の吸
収スペクトルとその元素のレジスト中での重量比によっ
て決定される。
【0053】図10および図11に、X線露光によりレ
ジスト中で発生する二次電子のうち、露光波長帯に存在
する吸収端による光電子およびオージェ電子の割合を求
めた結果を示す。図10は、白金ミラーを用いたシステ
ムの結果であり、図11は、ロジウムミラーを用いたシ
ステムの結果である。何れのシステムでも、PMMA、
フッ素、ヨウ素など露光波長帯に吸収端がない元素を含
むレジストではこの電子の割合は低い。また、露光波長
帯に存在するそれ以外のレジストは、メンブレンが厚く
なるに従い、すなわち、平均露光波長が短くなるに従
い、露光波長帯の吸収端に関係した電子の割合が増加
し、90%以上になる条件が存在する。
ジスト中で発生する二次電子のうち、露光波長帯に存在
する吸収端による光電子およびオージェ電子の割合を求
めた結果を示す。図10は、白金ミラーを用いたシステ
ムの結果であり、図11は、ロジウムミラーを用いたシ
ステムの結果である。何れのシステムでも、PMMA、
フッ素、ヨウ素など露光波長帯に吸収端がない元素を含
むレジストではこの電子の割合は低い。また、露光波長
帯に存在するそれ以外のレジストは、メンブレンが厚く
なるに従い、すなわち、平均露光波長が短くなるに従
い、露光波長帯の吸収端に関係した電子の割合が増加
し、90%以上になる条件が存在する。
【0054】2μm厚さのダイヤモンドメンブレンを用
いた標準条件では、臭素、珪素、燐、硫黄、塩素と吸収
端の波長が長い程、露光波長帯の吸収端に関係した電子
の割合が増加している。露光波長帯の吸収端に関係した
電子が多いことは、二次電子のうち低エネルギの光電子
を多く含むことを意味しており、高解像度化が可能なこ
とを示している。
いた標準条件では、臭素、珪素、燐、硫黄、塩素と吸収
端の波長が長い程、露光波長帯の吸収端に関係した電子
の割合が増加している。露光波長帯の吸収端に関係した
電子が多いことは、二次電子のうち低エネルギの光電子
を多く含むことを意味しており、高解像度化が可能なこ
とを示している。
【0055】各エネルギの光電子およびオージェ電子の
割合について、レジストに含まれる元素の含有量依存性
を検討した。図12に、臭素含有PMMAレジストを例
に臭素の重量比を変えたときのX線吸収スペクトルを示
す。比重はすべて1、膜厚は1μmとした。同時に、光
電子およびオージェ電子の割合は励起する露光光のスペ
クトルによっても決まる。短波長露光システムにおい
て、白金ミラーのシステムを用いた時の吸収エネルギの
波長依存性を図13に示す。また、短波長露光システム
において、ロジウムミラーのシステムを用いた時の吸収
エネルギの波長依存性を図14に示す。メンブレンは2
μm厚さのダイヤモンドメンブレンである。
割合について、レジストに含まれる元素の含有量依存性
を検討した。図12に、臭素含有PMMAレジストを例
に臭素の重量比を変えたときのX線吸収スペクトルを示
す。比重はすべて1、膜厚は1μmとした。同時に、光
電子およびオージェ電子の割合は励起する露光光のスペ
クトルによっても決まる。短波長露光システムにおい
て、白金ミラーのシステムを用いた時の吸収エネルギの
波長依存性を図13に示す。また、短波長露光システム
において、ロジウムミラーのシステムを用いた時の吸収
エネルギの波長依存性を図14に示す。メンブレンは2
μm厚さのダイヤモンドメンブレンである。
【0056】図12を参照して、臭素含有PMMAレジ
ストの臭素の割合を増加させると臭素の吸収端より短波
長側の吸収率が増大することがわかる。そのため、図1
3および図14に示すように、露光波長帯に吸収端を含
むレジストを用いて露光することによって、吸収端より
短波長側の吸収エネルギの割合を増大させることができ
る。臭素含有PMMAレジストの場合には臭素の吸収端
より短波長側の露光波長域で臭素原子から発生するエネ
ルギの低い光電子およびオージェ電子の割合が多くな
る。その結果、短波長露光においても解像度が劣化せ
ず、むしろ解像度が向上することが期待できる。
ストの臭素の割合を増加させると臭素の吸収端より短波
長側の吸収率が増大することがわかる。そのため、図1
3および図14に示すように、露光波長帯に吸収端を含
むレジストを用いて露光することによって、吸収端より
短波長側の吸収エネルギの割合を増大させることができ
る。臭素含有PMMAレジストの場合には臭素の吸収端
より短波長側の露光波長域で臭素原子から発生するエネ
ルギの低い光電子およびオージェ電子の割合が多くな
る。その結果、短波長露光においても解像度が劣化せ
ず、むしろ解像度が向上することが期待できる。
【0057】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)PHS(ポリヒ
ドロキシスチレン)を臭素化したレジストの臭素の重量
比を0%から50.2%の範囲で変化させ比重を測定し
た。この測定結果(実験値)を計算結果(計算値)とと
もに図15に示す。臭素化比が高いほど比重が大きくな
り、Brの重量比が50%で比重は通常PHSレジスト
の1.8倍程度となり、最大では2.5倍程度のレジス
トも得られる。
ドロキシスチレン)を臭素化したレジストの臭素の重量
比を0%から50.2%の範囲で変化させ比重を測定し
た。この測定結果(実験値)を計算結果(計算値)とと
もに図15に示す。臭素化比が高いほど比重が大きくな
り、Brの重量比が50%で比重は通常PHSレジスト
の1.8倍程度となり、最大では2.5倍程度のレジス
トも得られる。
【0058】ノボラック樹脂、その他の高分子レジスト
でも臭素化の効果は同様の関係が成立し、臭素含有量の
増加とともに比重が増加し3倍近くの比重を持つレジス
トも得られる。この波長帯では、X線の吸収率は比重に
比例して増加するため、臭素含有の結果、臭素の吸収端
の効果と比重増加の効果の結果として、露光波長によっ
ては臭素を含有しないPHSに比較して一桁以上の高い
感度を有するレジストが期待できることになる。
でも臭素化の効果は同様の関係が成立し、臭素含有量の
増加とともに比重が増加し3倍近くの比重を持つレジス
トも得られる。この波長帯では、X線の吸収率は比重に
比例して増加するため、臭素含有の結果、臭素の吸収端
の効果と比重増加の効果の結果として、露光波長によっ
ては臭素を含有しないPHSに比較して一桁以上の高い
感度を有するレジストが期待できることになる。
【0059】図16にこの関係を示した。露光には、偏
向磁場強度4.5T、加速エネルギ0.7GeVの放射
光発生装置からの放射光を、斜入射角1度のロジウムミ
ラー2枚を用いたビームラインで集光し、真空隔壁であ
る厚さ20μmのベリリウム窓と、厚さ2μmのダイヤ
モンドマスク基板とを通過した光を用いた。厚さ0.2
μmのレジストに吸収された吸収エネルギを求めたもの
である。
向磁場強度4.5T、加速エネルギ0.7GeVの放射
光発生装置からの放射光を、斜入射角1度のロジウムミ
ラー2枚を用いたビームラインで集光し、真空隔壁であ
る厚さ20μmのベリリウム窓と、厚さ2μmのダイヤ
モンドマスク基板とを通過した光を用いた。厚さ0.2
μmのレジストに吸収された吸収エネルギを求めたもの
である。
【0060】この露光波長では4〜8Åの光が主に露光
に用いられていることになる。図4から明らかな様に、
この条件では、8Åに吸収端を持つ臭素のL殻に起因し
発生する光電子エネルギは、オ−ジェ電子のエネルギよ
り低いことになる。当然、L殻以外の軌道に起因する電
子や、炭素、酸素、水素に起因する電子も発生するた
め、図17には臭素のL殻に起因して発生する電子の割
合を求めた結果を示した。
に用いられていることになる。図4から明らかな様に、
この条件では、8Åに吸収端を持つ臭素のL殻に起因し
発生する光電子エネルギは、オ−ジェ電子のエネルギよ
り低いことになる。当然、L殻以外の軌道に起因する電
子や、炭素、酸素、水素に起因する電子も発生するた
め、図17には臭素のL殻に起因して発生する電子の割
合を求めた結果を示した。
【0061】臭素の重量比40%、すなわちヒドロキシ
スチレンの8個の水素の一つを臭素に置換したレジスト
で、電子の割合は既に60%を超え、2個置換では、電
子の割合は70%に達していることが解る。すなわち、
この波長帯での露光により発生し解像度に関係する電子
は、主に臭素のL殻に起因した電子と言える。
スチレンの8個の水素の一つを臭素に置換したレジスト
で、電子の割合は既に60%を超え、2個置換では、電
子の割合は70%に達していることが解る。すなわち、
この波長帯での露光により発生し解像度に関係する電子
は、主に臭素のL殻に起因した電子と言える。
【0062】この70%の二次電子のうち、最大のエネ
ルギを持つ電子は、臭素のオージェ電子で約1.4Ke
Vとなり、この波長帯で炭素の光電子が2KeV以上に
なるのと比較して遥かに低いエネルギとなる。したがっ
て、4〜8Åの波長帯の光を用いた露光に臭素含有レジ
ストを用いることにより、高解像度のパターンが形成で
きることになる。
ルギを持つ電子は、臭素のオージェ電子で約1.4Ke
Vとなり、この波長帯で炭素の光電子が2KeV以上に
なるのと比較して遥かに低いエネルギとなる。したがっ
て、4〜8Åの波長帯の光を用いた露光に臭素含有レジ
ストを用いることにより、高解像度のパターンが形成で
きることになる。
【0063】一方、臭素含有レジストでも、8Åより長
波長の光を照射した場合には臭素のL殻に起因する電子
は発生せず、臭素を含有しない場合と同程度の解像度し
か期待できない。
波長の光を照射した場合には臭素のL殻に起因する電子
は発生せず、臭素を含有しない場合と同程度の解像度し
か期待できない。
【0064】ここでは、主として放射光発生装置からの
X線を用いる系について説明したが、発明の原理から、
放射光発生装置からのX線に限るものでは無く、プラズ
マX線源を含む各種のX線源を用いても同様の効果が得
られる。
X線を用いる系について説明したが、発明の原理から、
放射光発生装置からのX線に限るものでは無く、プラズ
マX線源を含む各種のX線源を用いても同様の効果が得
られる。
【0065】(実施の形態2)露光波長帯に存在する吸
収端に起因し発生する光電子およびオ−ジェ電子の割合
を、他の元素について求めた。その結果を、図10およ
び図11に示す。レジストへの照射条件は、上記実施の
形態1と同様のロジウムミラーを用いた場合と、斜入射
角1度の白金ミラーを用いた場合とについて求めた。横
軸はマスク基板であるダイヤモンドの厚さをプロットし
てあり、基板の厚さ依存性として求めた。
収端に起因し発生する光電子およびオ−ジェ電子の割合
を、他の元素について求めた。その結果を、図10およ
び図11に示す。レジストへの照射条件は、上記実施の
形態1と同様のロジウムミラーを用いた場合と、斜入射
角1度の白金ミラーを用いた場合とについて求めた。横
軸はマスク基板であるダイヤモンドの厚さをプロットし
てあり、基板の厚さ依存性として求めた。
【0066】ダイヤモンド厚さを増加させることは、ダ
イヤモンド層をX線フィルタとして長波長側をカット
し、短波長露光を行なっていることになる。このためダ
イヤモンドのみでなくベリリウムや窒化ボロンなど他の
材料を用いたフィルタも同様の効果が得られる。ロジウ
ムミラーのみでなく白金ミラーでも吸収波長帯に存在す
る各元素の吸収端に起因する二次電子の割合は短波長側
で増加している。臭素のみでなく珪素、燐ではダイヤモ
ンド厚さ2μm以上の場合には、何れも電子の割合が6
0%以上が実現されており、硫黄や塩素でも電子の割合
が60%以上の条件を満足する条件が存在していること
が解る。少なくともこの条件で露光することで低い光電
子エネルギの露光が実現されていることになる。
イヤモンド層をX線フィルタとして長波長側をカット
し、短波長露光を行なっていることになる。このためダ
イヤモンドのみでなくベリリウムや窒化ボロンなど他の
材料を用いたフィルタも同様の効果が得られる。ロジウ
ムミラーのみでなく白金ミラーでも吸収波長帯に存在す
る各元素の吸収端に起因する二次電子の割合は短波長側
で増加している。臭素のみでなく珪素、燐ではダイヤモ
ンド厚さ2μm以上の場合には、何れも電子の割合が6
0%以上が実現されており、硫黄や塩素でも電子の割合
が60%以上の条件を満足する条件が存在していること
が解る。少なくともこの条件で露光することで低い光電
子エネルギの露光が実現されていることになる。
【0067】(実施の形態3)レジスト中の元素の吸収
端より少し短波長側の光で露光すれば、レジスト中で低
エネルギの光電子が発生し高解像度化が可能となる。し
たがって、露光用の照射光とレジストに含有させる元素
との組み合わせが重要となる。臭素含有レジストのベー
スポリマとしてとして2つの水素を臭素に置換したノボ
ラック樹脂を用いた場合の、レジストへの吸収スペクト
ルを図18(a),(b)に示す。
端より少し短波長側の光で露光すれば、レジスト中で低
エネルギの光電子が発生し高解像度化が可能となる。し
たがって、露光用の照射光とレジストに含有させる元素
との組み合わせが重要となる。臭素含有レジストのベー
スポリマとしてとして2つの水素を臭素に置換したノボ
ラック樹脂を用いた場合の、レジストへの吸収スペクト
ルを図18(a),(b)に示す。
【0068】斜入射角1度のロジウム(Rh)ミラー
や、ルテニウム(Ru)ミラーを用いた照射光学系の場
合には、4〜8Å帯の光を有効に利用でき高速で露光が
可能になる。一方、斜入射角1度の白金(Pt)ミラー
や、オスミウム(Os)ミラーを用いた光学系の場合に
は、6〜8Å帯の光を主に利用していることになり、こ
の波長帯での臭素の光電子エネルギは,炭素のオージェ
電子以下にすることが可能で、超高解像度のパターン転
写が実現できることになる。
や、ルテニウム(Ru)ミラーを用いた照射光学系の場
合には、4〜8Å帯の光を有効に利用でき高速で露光が
可能になる。一方、斜入射角1度の白金(Pt)ミラー
や、オスミウム(Os)ミラーを用いた光学系の場合に
は、6〜8Å帯の光を主に利用していることになり、こ
の波長帯での臭素の光電子エネルギは,炭素のオージェ
電子以下にすることが可能で、超高解像度のパターン転
写が実現できることになる。
【0069】(実施の形態4)集光・拡大用のミラーを
変更することなくレジストに含まれる元素にあわせて露
光用の照射波長を選択するため、入射角可変のベリリウ
ム(Be)ミラーを備えた波長スイーパーを用いる方法
を検討した。
変更することなくレジストに含まれる元素にあわせて露
光用の照射波長を選択するため、入射角可変のベリリウ
ム(Be)ミラーを備えた波長スイーパーを用いる方法
を検討した。
【0070】照射用の光学系として89.1度入射のコ
バルト(Co)ミラー2枚系のビームラインを用い、コ
バルト(Co)ミラーの前にベリリウム(Be)の平面
ミラー3枚で構成した波長スイーパーが設置されてい
る。この波長スイーパーは、ベリリウム(Be)ミラー
への入射角を変えることで短波長側のカット波長を変え
ることのできる装置であり、この装置を用いて波長選択
を行なった。図19は、上記波長スイーパーを用いて得
られた露光用の照射光のスペクトルである。集光・拡大
ミラーを変えることなく、可動のベリリウム(Be)ミ
ラーの入射角を変えるだけで、照射光を3Å近くから8
Å以上まで連続的に変更することができる。
バルト(Co)ミラー2枚系のビームラインを用い、コ
バルト(Co)ミラーの前にベリリウム(Be)の平面
ミラー3枚で構成した波長スイーパーが設置されてい
る。この波長スイーパーは、ベリリウム(Be)ミラー
への入射角を変えることで短波長側のカット波長を変え
ることのできる装置であり、この装置を用いて波長選択
を行なった。図19は、上記波長スイーパーを用いて得
られた露光用の照射光のスペクトルである。集光・拡大
ミラーを変えることなく、可動のベリリウム(Be)ミ
ラーの入射角を変えるだけで、照射光を3Å近くから8
Å以上まで連続的に変更することができる。
【0071】この照明系で実施の形態1と類似の臭素化
PHSレジストを露光した時の、レジストへの吸収スペ
クトルを図20に示す。波長スイーパーで短波長側を任
意に調節できており、臭素のL殻に起因した光電子の最
高エネルギを自由に調節が可能なことを意味している。
すなわち、6Åで切れば、臭素のL殻に起因した光電子
のエネルギを炭素のオージェ電子のエネルギ以下にする
ことができる。また、4Åで切れば、臭素のL殻に起因
した光電子を、自己のオージェ電子のエネルギ以下にす
ることが可能となる。
PHSレジストを露光した時の、レジストへの吸収スペ
クトルを図20に示す。波長スイーパーで短波長側を任
意に調節できており、臭素のL殻に起因した光電子の最
高エネルギを自由に調節が可能なことを意味している。
すなわち、6Åで切れば、臭素のL殻に起因した光電子
のエネルギを炭素のオージェ電子のエネルギ以下にする
ことができる。また、4Åで切れば、臭素のL殻に起因
した光電子を、自己のオージェ電子のエネルギ以下にす
ることが可能となる。
【0072】(実施の形態5)図21は、実施の形態4
と同様の89.1度入射のコバルトミラー2枚系を使用
したビームラインと波長スイーパーとを備えた照明光学
系を用いた露光装置で、各種の元素を含有したレジスト
を露光した時のレジストへの吸収エネルギスペクトルを
示したものである。放射光装置としては、偏向磁場4.
5T、電子加速エネルギは0.8GeVの装置を用い
た。レジストは、含まれる元素は全て100%とし、比
重は1として規格化してある。さらに元素により波長ス
イーパーのベリリウムミラーへの入射角、およびダイヤ
モンドフィルタの厚さを変えてある。
と同様の89.1度入射のコバルトミラー2枚系を使用
したビームラインと波長スイーパーとを備えた照明光学
系を用いた露光装置で、各種の元素を含有したレジスト
を露光した時のレジストへの吸収エネルギスペクトルを
示したものである。放射光装置としては、偏向磁場4.
5T、電子加速エネルギは0.8GeVの装置を用い
た。レジストは、含まれる元素は全て100%とし、比
重は1として規格化してある。さらに元素により波長ス
イーパーのベリリウムミラーへの入射角、およびダイヤ
モンドフィルタの厚さを変えてある。
【0073】すなわち、塩素含有レジストの場合は8
9.1度入射のコバルトミラーからの直接光を用い、比
重3.52のダイヤモンドフィルタの厚さは13μmで
ある。硫黄含有レジストの場合はコバルトミラーからの
光を3回反射のベリリウムミラーの波長スイーパーで入
射角が89.5度の光を用い、ダイヤモンドフィルタの
厚さは10μmである。臭素含有レジストの場合はベリ
リウムミラーへの入射角は89.15度、ダイヤモンド
フィルタの厚さは約2μmとした。
9.1度入射のコバルトミラーからの直接光を用い、比
重3.52のダイヤモンドフィルタの厚さは13μmで
ある。硫黄含有レジストの場合はコバルトミラーからの
光を3回反射のベリリウムミラーの波長スイーパーで入
射角が89.5度の光を用い、ダイヤモンドフィルタの
厚さは10μmである。臭素含有レジストの場合はベリ
リウムミラーへの入射角は89.15度、ダイヤモンド
フィルタの厚さは約2μmとした。
【0074】これにより、何れのレジストでも吸収エネ
ルギ0.3W後半のほぼ等しい値となり、各レジストへ
の吸収光の吸収平均波長が7.93Åから4.31Åま
で変化している。これは、マスクとウエハとの間隔を1
0μmのままで、レジスト材料を変えることによって、
スループットを変化させずに、フレネル回折を考慮した
解像度が50nmから37nmまで向上でき、高解像度
側では厚いダイヤモンドマスク基板が利用可能なことを
意味している。
ルギ0.3W後半のほぼ等しい値となり、各レジストへ
の吸収光の吸収平均波長が7.93Åから4.31Åま
で変化している。これは、マスクとウエハとの間隔を1
0μmのままで、レジスト材料を変えることによって、
スループットを変化させずに、フレネル回折を考慮した
解像度が50nmから37nmまで向上でき、高解像度
側では厚いダイヤモンドマスク基板が利用可能なことを
意味している。
【0075】さらに最大の目的は、各レジストの吸収端
からすぐ短波長側の一定の波長領域のみをレジストへ吸
収させている点にある。すなわち、この吸収端に起因す
る光電子のエネルギが低い部分のみを利用することによ
り、解像度を向上している。
からすぐ短波長側の一定の波長領域のみをレジストへ吸
収させている点にある。すなわち、この吸収端に起因す
る光電子のエネルギが低い部分のみを利用することによ
り、解像度を向上している。
【0076】(実施の形態6)上記実施の形態5と同様
の系で用いるフィルタのみをダイヤモンドからベリリウ
ムに変えて吸収エネルギを求めた。マスク基板は厚さ2
μmのダイヤモンドとした。レジスト材料により直接露
光から、比重1.86のベリリウムフィルタ100μm
を通過した場合までを求めた結果を図22に示した。ま
た、図23はマスク基板上に設けたゲルマニウムをフィ
ルタとして用いた結果である。
の系で用いるフィルタのみをダイヤモンドからベリリウ
ムに変えて吸収エネルギを求めた。マスク基板は厚さ2
μmのダイヤモンドとした。レジスト材料により直接露
光から、比重1.86のベリリウムフィルタ100μm
を通過した場合までを求めた結果を図22に示した。ま
た、図23はマスク基板上に設けたゲルマニウムをフィ
ルタとして用いた結果である。
【0077】ベリリウムはダイヤモンドより約1桁厚い
材料でほぼ等しいスペクトルが得られる。また、ゲルマ
ニウムはダイヤモンドより約1桁薄い材料ですむことが
解る。真空隔壁の窓材として利用するベリリウムでは厚
くでき、マスクに塗布するゲルマニウムは薄くてすむこ
とになる。マスク基板へ塗布する材料はゲルマニウムに
限るものでは無く、フィルタとしては高分子フイルムや
窒化ボロン基板などでもほぼ類似の効果が得られ、各材
料のX線吸収係数から計算で確認した。
材料でほぼ等しいスペクトルが得られる。また、ゲルマ
ニウムはダイヤモンドより約1桁薄い材料ですむことが
解る。真空隔壁の窓材として利用するベリリウムでは厚
くでき、マスクに塗布するゲルマニウムは薄くてすむこ
とになる。マスク基板へ塗布する材料はゲルマニウムに
限るものでは無く、フィルタとしては高分子フイルムや
窒化ボロン基板などでもほぼ類似の効果が得られ、各材
料のX線吸収係数から計算で確認した。
【0078】(実施の形態7)波長スイーパーを利用す
ることなく、露光光の短波長側をカットする方法として
ミラーの表面材料を変える方法を用いた。図24はその
一例である。ミラーは全て斜入射角1度として使用して
おり、レジスト材料により表面材料のみを変えてある。
すなわち、塩素含有レジストではニッケルを、燐ではロ
ジウムを、臭素では炭化珪素ミラーを用いている。最適
化には、上記実施の形態5および6と同様にフィルタを
用いることが可能なことは原理から明らかであり、本実
施の形態ではダイヤモンドや炭化珪素などのマスク基板
の厚さを変えている。
ることなく、露光光の短波長側をカットする方法として
ミラーの表面材料を変える方法を用いた。図24はその
一例である。ミラーは全て斜入射角1度として使用して
おり、レジスト材料により表面材料のみを変えてある。
すなわち、塩素含有レジストではニッケルを、燐ではロ
ジウムを、臭素では炭化珪素ミラーを用いている。最適
化には、上記実施の形態5および6と同様にフィルタを
用いることが可能なことは原理から明らかであり、本実
施の形態ではダイヤモンドや炭化珪素などのマスク基板
の厚さを変えている。
【0079】(実施の形態8)ミラーの表面材料を変え
る方法として図25の光学系を用いた。すなわち、ミラ
ー位置可変の入射角一定の平面ミラー10,11を2枚
組み合わせる方法を用いた装置である。平面ミラー1
0,11は各位置によりX線が照射されるミラー上の場
所が異なり、その場所ごとにミラー表面の表面コーティ
ングの材料を変えている。
る方法として図25の光学系を用いた。すなわち、ミラ
ー位置可変の入射角一定の平面ミラー10,11を2枚
組み合わせる方法を用いた装置である。平面ミラー1
0,11は各位置によりX線が照射されるミラー上の場
所が異なり、その場所ごとにミラー表面の表面コーティ
ングの材料を変えている。
【0080】図26にミラー表面の場所ごとに異なるよ
うに形成したミラー表面コーティング材料の一例をミラ
ー表面の場所ごとに示す。ミラー位置を上下に変化させ
ることで放射光を反射するミラー表面材料が変り、カッ
ト波長が変化する光学系である。この光学系を用いるこ
とにより光軸を変化させることなく、かつ、ミラーを交
換することなく、カット波長を変えることが可能であ
る。本実施の形態では2枚ミラー系を用いたが、入射角
が一定であるため1枚でも、さらに3枚以上でも光軸が
変化しない光学系が実現可能である。
うに形成したミラー表面コーティング材料の一例をミラ
ー表面の場所ごとに示す。ミラー位置を上下に変化させ
ることで放射光を反射するミラー表面材料が変り、カッ
ト波長が変化する光学系である。この光学系を用いるこ
とにより光軸を変化させることなく、かつ、ミラーを交
換することなく、カット波長を変えることが可能であ
る。本実施の形態では2枚ミラー系を用いたが、入射角
が一定であるため1枚でも、さらに3枚以上でも光軸が
変化しない光学系が実現可能である。
【0081】また、上記実施の形態7では斜入射角1度
に固定された可動ミラーを用いた例を示したが、1度に
限られたものではなくさらに深い角度でも浅い角度で
も、材料の選択により同様の効果が期待できる。ベリリ
ウムミラーや窒化ボロンミラーなどの周期律表の2属の
材料や4属の金属では、本発明の目的の波長範囲には吸
収端が存在しないため、入射角を変えて波長選択をする
波長スイーパー用ミラー材料として利用可能である。
に固定された可動ミラーを用いた例を示したが、1度に
限られたものではなくさらに深い角度でも浅い角度で
も、材料の選択により同様の効果が期待できる。ベリリ
ウムミラーや窒化ボロンミラーなどの周期律表の2属の
材料や4属の金属では、本発明の目的の波長範囲には吸
収端が存在しないため、入射角を変えて波長選択をする
波長スイーパー用ミラー材料として利用可能である。
【0082】しかし、5属および6属の金属を表面材料
とするミラーは、吸収端の影響で反射特性が影響される
ため、入射角を変化させることのみで任意に波長選択が
できる光学系は実現できない。しかしながら、このよう
なミラー表面材料でも反射率の波長依存性を最適に選択
すれば、波長スイーパーと類似の働きをする光学系が実
現可能である意味で重要である。光学素子の移動方向も
一次元である点でミラー移動機構の構成が簡単になり、
入射角の深いミラー系で短波長の照射光を得ることがで
きる。その結果、ミラーの小形化が実現できるなど本発
明以外では実現できない利点も多い。
とするミラーは、吸収端の影響で反射特性が影響される
ため、入射角を変化させることのみで任意に波長選択が
できる光学系は実現できない。しかしながら、このよう
なミラー表面材料でも反射率の波長依存性を最適に選択
すれば、波長スイーパーと類似の働きをする光学系が実
現可能である意味で重要である。光学素子の移動方向も
一次元である点でミラー移動機構の構成が簡単になり、
入射角の深いミラー系で短波長の照射光を得ることがで
きる。その結果、ミラーの小形化が実現できるなど本発
明以外では実現できない利点も多い。
【0083】(実施の形態9)短波長光をカットし、最
適波長の露光光を得る方法として、フィルタ材料を用い
る方法を示す。図27は、臭素含有レジストと珪素含有
レジストとの場合の実施の形態である。1度斜入射のロ
ジウムミラーを2枚用いた照明光学系を有する露光装置
での露光で、厚さ0.2μmの臭素含有レジストに吸収
されたX線のスペクトルを示す。この照明系ではマスク
面へ4〜10Å程度の光が照射されている。
適波長の露光光を得る方法として、フィルタ材料を用い
る方法を示す。図27は、臭素含有レジストと珪素含有
レジストとの場合の実施の形態である。1度斜入射のロ
ジウムミラーを2枚用いた照明光学系を有する露光装置
での露光で、厚さ0.2μmの臭素含有レジストに吸収
されたX線のスペクトルを示す。この照明系ではマスク
面へ4〜10Å程度の光が照射されている。
【0084】この露光装置で臭素レジストを露光したと
き、ダイヤモンドフィルタ(厚さ12μm)では吸収光の
ピークが4〜8Å帯になる。短波長側をカットし光電子
エネルギが低い波長帯とした例を同時に示した。厚さ1
2μmの炭化珪素をフィルタとして用いた例で、レジス
トに吸収されたエネルギでは、7Åより短波長側の波長
光が劇的に低減され、7〜8Å帯の光を利用する臭素レ
ジストへの最適化がなされている。
き、ダイヤモンドフィルタ(厚さ12μm)では吸収光の
ピークが4〜8Å帯になる。短波長側をカットし光電子
エネルギが低い波長帯とした例を同時に示した。厚さ1
2μmの炭化珪素をフィルタとして用いた例で、レジス
トに吸収されたエネルギでは、7Åより短波長側の波長
光が劇的に低減され、7〜8Å帯の光を利用する臭素レ
ジストへの最適化がなされている。
【0085】また、珪素レジストを用いる場合として、
金をフィルタ材料として使用した例を示した。厚さ0.
4μmの金フィルタを用いることで、7〜5.5Å帯の
珪素レジストの最適波長に選択できている。ここでは炭
化珪素フィルタの膜厚さが12μmの場合を示したが、
2μm厚さのダイヤモンドマスクでの露光で、10μm
の炭化珪素フィルタを用いてほぼ類似の結果を得た。
金をフィルタ材料として使用した例を示した。厚さ0.
4μmの金フィルタを用いることで、7〜5.5Å帯の
珪素レジストの最適波長に選択できている。ここでは炭
化珪素フィルタの膜厚さが12μmの場合を示したが、
2μm厚さのダイヤモンドマスクでの露光で、10μm
の炭化珪素フィルタを用いてほぼ類似の結果を得た。
【0086】図28は、白金ミラーの照明系の露光装置
の場合を示し、偏向磁場3.29T、加速エネルギ0.
585GeVの光源に接続されたこの装置では、珪素レ
ジストに対する最適に近く、そのまま使用できる。また
臭素レジストに対してもダイヤモンド基板マスクを2μ
mの炭化珪素基板マスクに変更するのみで大幅に改善さ
れることを示している。
の場合を示し、偏向磁場3.29T、加速エネルギ0.
585GeVの光源に接続されたこの装置では、珪素レ
ジストに対する最適に近く、そのまま使用できる。また
臭素レジストに対してもダイヤモンド基板マスクを2μ
mの炭化珪素基板マスクに変更するのみで大幅に改善さ
れることを示している。
【0087】上述したように、元素の吸収端を用いるこ
とにより短波長側をカットでき、最適波長露光が実現で
きる。臭素含有レジストの場合にはフィルタとして珪素
の吸収端が有効に機能するため、炭化珪素や窒化珪素な
どが有効で、フィルタとしてのみでなくこれらの材料の
マスク基板を用いることが有効である。
とにより短波長側をカットでき、最適波長露光が実現で
きる。臭素含有レジストの場合にはフィルタとして珪素
の吸収端が有効に機能するため、炭化珪素や窒化珪素な
どが有効で、フィルタとしてのみでなくこれらの材料の
マスク基板を用いることが有効である。
【0088】ダイヤモンドマスクなど短波長まで透明な
基板のマスクを用いる場合には、タンタルやタングステ
ンなど7Å近辺に吸収端を有する材料がフィルタ材料と
して適している。珪素含有レジストでは、レニウム、オ
スニウム、イリジウム、白金、金などの6属の金属のう
ち6Å近辺に吸収端を有する材料が最適波長選択用のフ
ィルタ材料として有効である。
基板のマスクを用いる場合には、タンタルやタングステ
ンなど7Å近辺に吸収端を有する材料がフィルタ材料と
して適している。珪素含有レジストでは、レニウム、オ
スニウム、イリジウム、白金、金などの6属の金属のう
ち6Å近辺に吸収端を有する材料が最適波長選択用のフ
ィルタ材料として有効である。
【0089】これらの金属をマスク基板、または真空隔
壁の窓材に蒸着やスパッタ−で形成する。硫黄含有レジ
ストの露光用照射波長の最適化には、ジルコニウム、ニ
オブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、銀などの5属金属やこれらの金属の合金が有効であ
る。本実施の形態は必要な波長帯の光を含む構成の光学
系を用いた露光システムがすでにある場合、レジスト材
料ごとにフィルタで波長最適化ができる点で特に有効で
ある。
壁の窓材に蒸着やスパッタ−で形成する。硫黄含有レジ
ストの露光用照射波長の最適化には、ジルコニウム、ニ
オブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、銀などの5属金属やこれらの金属の合金が有効であ
る。本実施の形態は必要な波長帯の光を含む構成の光学
系を用いた露光システムがすでにある場合、レジスト材
料ごとにフィルタで波長最適化ができる点で特に有効で
ある。
【0090】(実施の形態10)上述した実施の形態4
のシステムを用いることで、レジストに含有された元素
に最適の露光用照明光を得ることができる。図29は、
塩素および硫黄を含むレジストへ適用した結果である。
10μmのダイヤモンド基板のマスクを用いて、露光波
長の最適化が可能なことを示している。図30は塩素お
よび硫黄のみでなく、燐、珪素、および、臭素を含むレ
ジストの吸収スペクトルを示す。レジストへの吸収量が
ほぼ同様になる様に、波長スイーパーのみでなくダイヤ
モンドフィルタの厚さも変えている。
のシステムを用いることで、レジストに含有された元素
に最適の露光用照明光を得ることができる。図29は、
塩素および硫黄を含むレジストへ適用した結果である。
10μmのダイヤモンド基板のマスクを用いて、露光波
長の最適化が可能なことを示している。図30は塩素お
よび硫黄のみでなく、燐、珪素、および、臭素を含むレ
ジストの吸収スペクトルを示す。レジストへの吸収量が
ほぼ同様になる様に、波長スイーパーのみでなくダイヤ
モンドフィルタの厚さも変えている。
【0091】この結果では、吸収光の平均波長が7.6
Åから4.1Å程度まで短波長化し、光学像が高解像度
化することになる。吸収端の短波長側が光電子のエネル
ギが低く高解像度化には有効であると見られるが、露光
光の帯域幅がさらに重要である。すなわち、直ぐ短波長
側で発生する光電子は、エネルギが極めて低いため、レ
ジスト中への蓄積エネルギが少なく、解像度への寄与は
注目の光電子以外の電子で決まることになる。このた
め、最適波長のみでなく、最適波長帯域幅を選択するこ
とが高速露光の観点のみでなく高解像度化の観点からも
重要である。
Åから4.1Å程度まで短波長化し、光学像が高解像度
化することになる。吸収端の短波長側が光電子のエネル
ギが低く高解像度化には有効であると見られるが、露光
光の帯域幅がさらに重要である。すなわち、直ぐ短波長
側で発生する光電子は、エネルギが極めて低いため、レ
ジスト中への蓄積エネルギが少なく、解像度への寄与は
注目の光電子以外の電子で決まることになる。このた
め、最適波長のみでなく、最適波長帯域幅を選択するこ
とが高速露光の観点のみでなく高解像度化の観点からも
重要である。
【0092】また、本実施の形態においては、0.3μ
m厚さのタンタル吸収体を用いたマスクにおけるマスク
コントラストが臭素レジストを用いた場合は2.35で
あるのに対して、珪素レジストの場合には6.21まで
大きくなっていることである。すなわち、珪素レジスト
を用いれば0.1μm近くの膜厚の薄い吸収体でも臭素
レジストの場合の0.3μmと同様のマスクコントラス
トを得ることができることになる。
m厚さのタンタル吸収体を用いたマスクにおけるマスク
コントラストが臭素レジストを用いた場合は2.35で
あるのに対して、珪素レジストの場合には6.21まで
大きくなっていることである。すなわち、珪素レジスト
を用いれば0.1μm近くの膜厚の薄い吸収体でも臭素
レジストの場合の0.3μmと同様のマスクコントラス
トを得ることができることになる。
【0093】89.1度入射のコバルトミラー2枚系よ
りさらに短波長の露光用照明光を得るには、集光・拡大
ミラーの斜入射角をさらに浅くしたビームライン系を採
用することで実現可能である。
りさらに短波長の露光用照明光を得るには、集光・拡大
ミラーの斜入射角をさらに浅くしたビームライン系を採
用することで実現可能である。
【0094】図31はコバルトミラー系で異なる斜入射
角のミラーを用いた場合の照明光の例を示す。斜入射角
0.5度のコバルトミラーすなわち89.5度入射のコ
バルトミラー系では1Å近くまで短波長化した照明光を
得ることができる。斜入射角を浅くすることで短波長化
が可能なミラー表面材料は、コバルトのみでなくニッケ
ル、銅、鉄などの4属の金属やこれらの合金からなる表
面材料も、異なる斜入射角を用いることで類似の照明光
を得ることができる。
角のミラーを用いた場合の照明光の例を示す。斜入射角
0.5度のコバルトミラーすなわち89.5度入射のコ
バルトミラー系では1Å近くまで短波長化した照明光を
得ることができる。斜入射角を浅くすることで短波長化
が可能なミラー表面材料は、コバルトのみでなくニッケ
ル、銅、鉄などの4属の金属やこれらの合金からなる表
面材料も、異なる斜入射角を用いることで類似の照明光
を得ることができる。
【0095】また、タンタル、タングステン、オスニウ
ム、イリジウム、白金、金などの6属の金属およびこれ
らの合金ミラーでは反射率は少し低下するがさらに深い
斜入射角度で2Åより短波長の光を含む短波長照明光を
得ることができる。
ム、イリジウム、白金、金などの6属の金属およびこれ
らの合金ミラーでは反射率は少し低下するがさらに深い
斜入射角度で2Åより短波長の光を含む短波長照明光を
得ることができる。
【0096】図32は、斜入射角1度の白金ミラーと波
長スイーパーとを用いた系で短波長側のサテライトピー
クをカットした例である。
長スイーパーとを用いた系で短波長側のサテライトピー
クをカットした例である。
【0097】(実施の形態11)上記実施の形態1で用
いたレジストについて、放射光発生装置(0.7Ge
V、4.5T)より、斜入射角1度のロジウムミラーを
用いて2回反射させてレジストを露光した場合の臭素化
PHSレジストのエネルギ吸収スペクトルを図33に示
す。また、ロジウムミラーの代わりに、白金ミラーを用
いた場合のレジストのエネルギ吸収スペクトルを図34
に示す。
いたレジストについて、放射光発生装置(0.7Ge
V、4.5T)より、斜入射角1度のロジウムミラーを
用いて2回反射させてレジストを露光した場合の臭素化
PHSレジストのエネルギ吸収スペクトルを図33に示
す。また、ロジウムミラーの代わりに、白金ミラーを用
いた場合のレジストのエネルギ吸収スペクトルを図34
に示す。
【0098】露光システム中のベリリウム窓の厚さは2
0μm、マスク基板材料は厚さ2μmのダイヤモンドを
用いた。臭素重量比が増加するにつれて、臭素の吸収端
(7.8Å)より短波長側の吸収が著しく増加しているこ
とがわかる。臭素重量比約50%の臭素化PHSレジス
トの吸収エネルギ量は臭素を含有していないPHSレジ
ストに対して比較すると、ロジウムミラーを用いた露光
システムの場合で7〜8倍、白金ミラーを用いた露光シ
ステムの場合で5〜6倍となった。つまり、臭素のよう
に露光波長領域に吸収端をもつ材料を添加したレジスト
を用いると高感度化できることを示している。さらに、
臭素の吸収端より短波長成分の吸収の増大は露光によっ
てレジスト中で発生する光電子のエネルギとオージェ電
子のエネルギとの量に著しい変化を及ぼす。
0μm、マスク基板材料は厚さ2μmのダイヤモンドを
用いた。臭素重量比が増加するにつれて、臭素の吸収端
(7.8Å)より短波長側の吸収が著しく増加しているこ
とがわかる。臭素重量比約50%の臭素化PHSレジス
トの吸収エネルギ量は臭素を含有していないPHSレジ
ストに対して比較すると、ロジウムミラーを用いた露光
システムの場合で7〜8倍、白金ミラーを用いた露光シ
ステムの場合で5〜6倍となった。つまり、臭素のよう
に露光波長領域に吸収端をもつ材料を添加したレジスト
を用いると高感度化できることを示している。さらに、
臭素の吸収端より短波長成分の吸収の増大は露光によっ
てレジスト中で発生する光電子のエネルギとオージェ電
子のエネルギとの量に著しい変化を及ぼす。
【0099】臭素を含まないPHSレジストのように主
に炭素、酸素、および、水素からなる露光波長領域に吸
収端のない材料では、露光光によって発生するオージェ
電子のエネルギは低く、光電子のエネルギは露光光のエ
ネルギに近い。さらに、短波長露光になるほど光電子の
エネルギは増加していくので、解像度に影響する電子の
ボケは増大することになる。
に炭素、酸素、および、水素からなる露光波長領域に吸
収端のない材料では、露光光によって発生するオージェ
電子のエネルギは低く、光電子のエネルギは露光光のエ
ネルギに近い。さらに、短波長露光になるほど光電子の
エネルギは増加していくので、解像度に影響する電子の
ボケは増大することになる。
【0100】一方、臭素は露光波長領域に吸収端をもつ
ので、臭素の吸収端(7.8Å)よりすぐ短波長側の露光
光ではL殻からのエネルギの低い光電子と約9Åの波長
に相当する約1.4KeVのエネルギをもったM殻から
のオージェ電子が発生する。もちろん、他の電子準位か
らの光電子やオージェ電子も発生するがエネルギはM殻
からのオージェ電子のエネルギよりも小さく、電子のボ
ケはさらに小さい。短波長の露光光の場合、オージェ電
子のエネルギは変わらないので電子のボケも変化しな
い。
ので、臭素の吸収端(7.8Å)よりすぐ短波長側の露光
光ではL殻からのエネルギの低い光電子と約9Åの波長
に相当する約1.4KeVのエネルギをもったM殻から
のオージェ電子が発生する。もちろん、他の電子準位か
らの光電子やオージェ電子も発生するがエネルギはM殻
からのオージェ電子のエネルギよりも小さく、電子のボ
ケはさらに小さい。短波長の露光光の場合、オージェ電
子のエネルギは変わらないので電子のボケも変化しな
い。
【0101】一方、光電子のエネルギは徐々に増加し約
4Åの露光光でオージェ電子とほぼ同じになる。4Åま
では光電子のエネルギはオージェ電子のエネルギよりも
低く、電子のボケもオージェ電子に比べ小さい。したが
って、臭素では約7.8Åから4Åまで短波長化して
も、M殻からのオージェ電子のエネルギ(約1.4Ke
V)以下の低エネルギの電子が発生するので、短波長化
しても解像度に影響する電子のボケは低く抑えられるた
め高い解像度が得られる。
4Åの露光光でオージェ電子とほぼ同じになる。4Åま
では光電子のエネルギはオージェ電子のエネルギよりも
低く、電子のボケもオージェ電子に比べ小さい。したが
って、臭素では約7.8Åから4Åまで短波長化して
も、M殻からのオージェ電子のエネルギ(約1.4Ke
V)以下の低エネルギの電子が発生するので、短波長化
しても解像度に影響する電子のボケは低く抑えられるた
め高い解像度が得られる。
【0102】臭素含有レジストにおいて、臭素の吸収端
より短波長側の吸収が増大することは炭素、酸素、水素
より臭素による露光光の吸収が支配的になっていくこと
を示している。特に臭素の吸収端(7.8Å)から4Åま
での露光光に対して9Åの波長に相当するエネルギをも
ったオージェ電子のエネルギより低いエネルギの電子が
多く発生することを意味している。そのため、臭素の重
量比が高い臭素化PHSレジストを用いると、短波長化
による二次電子のボケが主に炭素、酸素、水素より構成
されるPHSレジストよりも抑えられることが期待でき
る。
より短波長側の吸収が増大することは炭素、酸素、水素
より臭素による露光光の吸収が支配的になっていくこと
を示している。特に臭素の吸収端(7.8Å)から4Åま
での露光光に対して9Åの波長に相当するエネルギをも
ったオージェ電子のエネルギより低いエネルギの電子が
多く発生することを意味している。そのため、臭素の重
量比が高い臭素化PHSレジストを用いると、短波長化
による二次電子のボケが主に炭素、酸素、水素より構成
されるPHSレジストよりも抑えられることが期待でき
る。
【0103】次に、X線マスクメンブレンのダイヤモン
ド膜厚を1μmから100μmまで変化させて短波長化
の効果を検討した。臭素重量比50%の臭素化PHSレ
ジストの吸収スペクトルを斜入射角1度の、ロジウムミ
ラーを用いた短波長露光システムの場合を図35に示
し、白金ミラーを用いた短波長露光システムの場合を図
36に示す。各吸収スペクトルは最大吸収強度で規格化
してプロットしている。
ド膜厚を1μmから100μmまで変化させて短波長化
の効果を検討した。臭素重量比50%の臭素化PHSレ
ジストの吸収スペクトルを斜入射角1度の、ロジウムミ
ラーを用いた短波長露光システムの場合を図35に示
し、白金ミラーを用いた短波長露光システムの場合を図
36に示す。各吸収スペクトルは最大吸収強度で規格化
してプロットしている。
【0104】ダイヤモンド膜厚を1μmから100μm
まで厚くすると徐々に長波長成分が削られ短波長化して
いくことがわかる。平均吸収波長はロジウムミラーを用
いた短波長露光システムの場合で6.57Åから4.1
7Åまで短波長化し、白金ミラーを用いた短波長露光シ
ステムの場合で6.85Åから3.44Åまで短波長化
できる。
まで厚くすると徐々に長波長成分が削られ短波長化して
いくことがわかる。平均吸収波長はロジウムミラーを用
いた短波長露光システムの場合で6.57Åから4.1
7Åまで短波長化し、白金ミラーを用いた短波長露光シ
ステムの場合で6.85Åから3.44Åまで短波長化
できる。
【0105】臭素化PHSレジストに対して露光光を短
波長化した時に発生する電子のエネルギとレジストへの
吸収量の関係を調べた。図37は本実施の形態のロジウ
ムミラーを用いた短波長露光システムにおいて、レジス
トへの全吸収エネルギ量に対する臭素のオージェ電子の
エネルギ(約1.4KeV)より低エネルギのオージェ電
子および光電子による吸収量の割合をダイヤモンド膜厚
を変えながらプロットしたグラフである。また、図38
は、ロジウムミラーの代わりに白金ミラー用いた短波長
露光システムにおける結果である。
波長化した時に発生する電子のエネルギとレジストへの
吸収量の関係を調べた。図37は本実施の形態のロジウ
ムミラーを用いた短波長露光システムにおいて、レジス
トへの全吸収エネルギ量に対する臭素のオージェ電子の
エネルギ(約1.4KeV)より低エネルギのオージェ電
子および光電子による吸収量の割合をダイヤモンド膜厚
を変えながらプロットしたグラフである。また、図38
は、ロジウムミラーの代わりに白金ミラー用いた短波長
露光システムにおける結果である。
【0106】この割合が0.5より大きい場合は、レジ
ストへの吸収エネルギのうち臭素のオージェ電子のエネ
ルギより低エネルギの電子の割合が多いことを意味して
いる。つまり、全吸収量のうち約9Åの波長に相当する
エネルギ(1.4KeV)よりも低いエネルギの電子の割
合を示す指標で、この割合が0.5より大きければ全吸
収量のうちボケへの影響が小さい電子が支配的にレジス
トへ吸収されており、この割合が0.5より小さければ
ボケへの影響が大きい電子が支配的にレジストへ吸収さ
れていることを表している。
ストへの吸収エネルギのうち臭素のオージェ電子のエネ
ルギより低エネルギの電子の割合が多いことを意味して
いる。つまり、全吸収量のうち約9Åの波長に相当する
エネルギ(1.4KeV)よりも低いエネルギの電子の割
合を示す指標で、この割合が0.5より大きければ全吸
収量のうちボケへの影響が小さい電子が支配的にレジス
トへ吸収されており、この割合が0.5より小さければ
ボケへの影響が大きい電子が支配的にレジストへ吸収さ
れていることを表している。
【0107】図37よりロジウムミラーを用いた場合に
はPHSレジストはダイヤモンドの膜厚が2μmより厚
くなり短波長化が進むと、エネルギが1.4KeV以下
の電子による吸収の割合は0.5から減少し、短波長化
が進んだダイヤモンド100μmでは0.1程度の低い
値となる。これは、レジストへの吸収はボケのへの影響
が大きい、エネルギの高い電子が支配的であることを示
している。一方、臭素含有PHSレジストではPHSレ
ジストに比較して大幅に増加し、臭素重量比が大きいほ
どこの割合も高い。ダイヤモンド膜厚が厚くなり短波長
成分が増えるとこの割合は減少するが、臭素重量比50
%の臭素化PHSレジストではダイヤモンド膜厚100
μmでも0.5以上の値が得られ、吸収平均波長4.1
7Åの場合でもボケへの影響が小さい、エネルギの低い
電子が吸収の50%以上の割合を占めており、短波長化
しても電子のボケを抑制できることがわかる。
はPHSレジストはダイヤモンドの膜厚が2μmより厚
くなり短波長化が進むと、エネルギが1.4KeV以下
の電子による吸収の割合は0.5から減少し、短波長化
が進んだダイヤモンド100μmでは0.1程度の低い
値となる。これは、レジストへの吸収はボケのへの影響
が大きい、エネルギの高い電子が支配的であることを示
している。一方、臭素含有PHSレジストではPHSレ
ジストに比較して大幅に増加し、臭素重量比が大きいほ
どこの割合も高い。ダイヤモンド膜厚が厚くなり短波長
成分が増えるとこの割合は減少するが、臭素重量比50
%の臭素化PHSレジストではダイヤモンド膜厚100
μmでも0.5以上の値が得られ、吸収平均波長4.1
7Åの場合でもボケへの影響が小さい、エネルギの低い
電子が吸収の50%以上の割合を占めており、短波長化
しても電子のボケを抑制できることがわかる。
【0108】このように露光波長領域においてオージェ
電子のエネルギが光電子のエネルギより高く、低エネル
ギの電子の吸収の割合が支配的になることによって、短
波長化しても電子のボケを抑制し高解像度のパターンを
得ることができるのが本発明である。
電子のエネルギが光電子のエネルギより高く、低エネル
ギの電子の吸収の割合が支配的になることによって、短
波長化しても電子のボケを抑制し高解像度のパターンを
得ることができるのが本発明である。
【0109】露光波長領域に吸収端を持つ材料を含むレ
ジストであれば吸収端より短波長側では、エネルギが一
定のオージェ電子とそれより低エネルギの光電子の割合
が著しく増加することになる。短波長化しても光電子の
エネルギがオージェ電子のエネルギを超えない範囲では
光電子のボケはオージェ電子のボケよりは低くなるので
解像度の高いパターンが得られる。
ジストであれば吸収端より短波長側では、エネルギが一
定のオージェ電子とそれより低エネルギの光電子の割合
が著しく増加することになる。短波長化しても光電子の
エネルギがオージェ電子のエネルギを超えない範囲では
光電子のボケはオージェ電子のボケよりは低くなるので
解像度の高いパターンが得られる。
【0110】臭素のオージェ電子は約8Åから4Åまで
の範囲では光電子よりも高く、吸収端より短波長領域で
あるため吸収も多い。しかも、ロジウムミラーを用いた
露光システムの露光波長領域が主に4Åより長波長領域
であり、臭素のオージェ電子のエネルギが光電子よりも
高くなる波長領域と概ね一致している。そのため、臭素
含有レジストとロジウムミラーとを用いた露光システム
の組み合わせは、短波長化しても低エネルギの電子によ
る吸収が支配的となり電子のボケを低く保つことができ
ので、特に効果的となっている。
の範囲では光電子よりも高く、吸収端より短波長領域で
あるため吸収も多い。しかも、ロジウムミラーを用いた
露光システムの露光波長領域が主に4Åより長波長領域
であり、臭素のオージェ電子のエネルギが光電子よりも
高くなる波長領域と概ね一致している。そのため、臭素
含有レジストとロジウムミラーとを用いた露光システム
の組み合わせは、短波長化しても低エネルギの電子によ
る吸収が支配的となり電子のボケを低く保つことができ
ので、特に効果的となっている。
【0111】しかし、臭素重量比が37.7%より低い
場合にはダイヤモンド膜厚を厚くすると1.4KeV以
下のエネルギをもつ電子による吸収の割合は0.5より
低くなる場合がある。このように短波長化すれば徐々に
高エネルギの電子の割合が増えるので臭素重量比によっ
て最適な波長領域が存在する。
場合にはダイヤモンド膜厚を厚くすると1.4KeV以
下のエネルギをもつ電子による吸収の割合は0.5より
低くなる場合がある。このように短波長化すれば徐々に
高エネルギの電子の割合が増えるので臭素重量比によっ
て最適な波長領域が存在する。
【0112】また、必要なパターンの解像度が高くなれ
ば電子のボケもより低くする必要がある。そのため、必
要なパターン寸法によって最適な露光波長領域を選択す
る必要がある。
ば電子のボケもより低くする必要がある。そのため、必
要なパターン寸法によって最適な露光波長領域を選択す
る必要がある。
【0113】図36より白金ミラーの場合は露光光に4
Åより短波長の成分が含まれているため様相が変わる。
臭素のないPHSレジストに比べ、低エネルギの電子に
よる吸収が多いことはロジウムミラーの場合と同様であ
る。さらにダイヤモンド膜厚が10μm程度までは6〜
8Å程度の波長の光が多いため、臭素からの光電子のエ
ネルギが低いことが特徴である。
Åより短波長の成分が含まれているため様相が変わる。
臭素のないPHSレジストに比べ、低エネルギの電子に
よる吸収が多いことはロジウムミラーの場合と同様であ
る。さらにダイヤモンド膜厚が10μm程度までは6〜
8Å程度の波長の光が多いため、臭素からの光電子のエ
ネルギが低いことが特徴である。
【0114】ただし、ダイヤモンド膜厚をさらに厚く
し、短波長化していくと、白金ミラーの場合には4Åよ
り短波長の成分の割合がロジウムミラーの場合と比べ増
えていくことになる。臭素では、4Åより短波長の露光
光では、オージェ電子のエネルギは変化しないが、光電
子のエネルギがオージェ電子のエネルギよりも高くな
り、電子のボケを大きくしていく。そのため、白金ミラ
ーを用いた場合には臭素含有PHSレジストは短波長化
してくと、急速に1.4KeVより高エネルギの電子に
よる吸収の割合が増えることがわかる。ダイヤモンド膜
厚が100μmの場合には約0.3程度にまでに低下す
る。したがって、白金ミラーの場合には概ね平均吸収波
長が4Åより長波長の露光波長領域で用いることが望ま
しい。
し、短波長化していくと、白金ミラーの場合には4Åよ
り短波長の成分の割合がロジウムミラーの場合と比べ増
えていくことになる。臭素では、4Åより短波長の露光
光では、オージェ電子のエネルギは変化しないが、光電
子のエネルギがオージェ電子のエネルギよりも高くな
り、電子のボケを大きくしていく。そのため、白金ミラ
ーを用いた場合には臭素含有PHSレジストは短波長化
してくと、急速に1.4KeVより高エネルギの電子に
よる吸収の割合が増えることがわかる。ダイヤモンド膜
厚が100μmの場合には約0.3程度にまでに低下す
る。したがって、白金ミラーの場合には概ね平均吸収波
長が4Åより長波長の露光波長領域で用いることが望ま
しい。
【0115】露光波長帯近傍に吸収端を有する元素を含
むレジストを用いることで、光電子やオージェ電子のエ
ネルギが低い、すなわち、二次電子によるボケの少ない
高解像度のパターン形成が可能な条件を実現できること
を示した。露光波長帯近傍に吸収端を有する元素のレジ
スト中での割合が重要なことは、本発明の原理から明ら
かである。
むレジストを用いることで、光電子やオージェ電子のエ
ネルギが低い、すなわち、二次電子によるボケの少ない
高解像度のパターン形成が可能な条件を実現できること
を示した。露光波長帯近傍に吸収端を有する元素のレジ
スト中での割合が重要なことは、本発明の原理から明ら
かである。
【0116】露光波長帯近傍に吸収端を有する元素を多
く含むほど、X線吸収能の観点からの効果は大きくなる
が、レジストの観点からは、臭素化率が高くなるほどレ
ジストの溶解性が悪くなるなど他の考慮すべき要素への
影響も出てくるため、最適値が存在することになる。
く含むほど、X線吸収能の観点からの効果は大きくなる
が、レジストの観点からは、臭素化率が高くなるほどレ
ジストの溶解性が悪くなるなど他の考慮すべき要素への
影響も出てくるため、最適値が存在することになる。
【0117】臭素含有レジストの場合には、臭素の原子
量が大きいこともあり、モノマー当たり1〜4元素含む
レジストが望ましい量となる。珪素の場合には、原子量
が小さいためさらに多くの量が含まれることが望ましい
ことになる。これには、シロキサンレジストなどポリマ
ー骨格に珪素を含むレジストで、分子量の小さな側鎖の
レジストや、側鎖にも珪素を含むレジストが望ましい。
また、シロキサンレジストに臭素を導入することによ
り、さらに望ましい効果が得られる。
量が大きいこともあり、モノマー当たり1〜4元素含む
レジストが望ましい量となる。珪素の場合には、原子量
が小さいためさらに多くの量が含まれることが望ましい
ことになる。これには、シロキサンレジストなどポリマ
ー骨格に珪素を含むレジストで、分子量の小さな側鎖の
レジストや、側鎖にも珪素を含むレジストが望ましい。
また、シロキサンレジストに臭素を導入することによ
り、さらに望ましい効果が得られる。
【0118】(実施の形態12)約7Åに吸収端をもつ
珪素について露光によって発生する電子のエネルギにつ
いて考察した。珪素の吸収端(6.9Å)よりすこし短波
長の光では約1620eVのエネルギを持ったオージェ
電子と低エネルギの光電子とが発生する。つまり、最大
でも約7.6Åの波長に相当するエネルギをもったオー
ジェ電子が発生するので短波長化しても電子のボケを小
さくできる。さらに短波長にすると、オージェ電子のエ
ネルギは一定であるが、光電子のエネルギは徐々に増加
し約3.6Åの露光波長で光電子のエネルギはオージェ
電子のエネルギとほぼ等しくなる。
珪素について露光によって発生する電子のエネルギにつ
いて考察した。珪素の吸収端(6.9Å)よりすこし短波
長の光では約1620eVのエネルギを持ったオージェ
電子と低エネルギの光電子とが発生する。つまり、最大
でも約7.6Åの波長に相当するエネルギをもったオー
ジェ電子が発生するので短波長化しても電子のボケを小
さくできる。さらに短波長にすると、オージェ電子のエ
ネルギは一定であるが、光電子のエネルギは徐々に増加
し約3.6Åの露光波長で光電子のエネルギはオージェ
電子のエネルギとほぼ等しくなる。
【0119】つまり、約6.9Åから3.6Åの範囲の
露光光では珪素から発生する電子のエネルギは約7.6
Åの波長に相当するエネルギよりも低いので、短波長化
しても電子のボケは増加せず高解像度のパターンが得ら
れる。したがって、主な露光波長領域をこの範囲に限定
することは解像度向上に対して効果的な方法である。さ
らに、短波長化すると光電子のエネルギはオージェ電子
のエネルギよりも高くなり、電子のボケは徐々に大きく
なっていく。
露光光では珪素から発生する電子のエネルギは約7.6
Åの波長に相当するエネルギよりも低いので、短波長化
しても電子のボケは増加せず高解像度のパターンが得ら
れる。したがって、主な露光波長領域をこの範囲に限定
することは解像度向上に対して効果的な方法である。さ
らに、短波長化すると光電子のエネルギはオージェ電子
のエネルギよりも高くなり、電子のボケは徐々に大きく
なっていく。
【0120】次に、珪素を含有しているシロキサン系レ
ジストやポリシラザン系レジストにおける解像度を検討
するため、珪素の全吸収エネルギに対する珪素のオージ
ェ電子のエネルギより低エネルギの電子による吸収の割
合を求めた。
ジストやポリシラザン系レジストにおける解像度を検討
するため、珪素の全吸収エネルギに対する珪素のオージ
ェ電子のエネルギより低エネルギの電子による吸収の割
合を求めた。
【0121】光は上記実施の形態1の露光システムと同
様のロジウムミラーを用いた場合、、入射角1度のニッ
ケルミラーを用いた場合、および、入射角1度の白金ミ
ラーを用いた場合について求めた。図39は比重1g/
cm3の厚さ0.35μmの珪素を含有しているレジス
トに対するエネルギ吸収スペクトルを示したグラフであ
る。ダイヤモンドマスク基板の厚さは2μmである。
様のロジウムミラーを用いた場合、、入射角1度のニッ
ケルミラーを用いた場合、および、入射角1度の白金ミ
ラーを用いた場合について求めた。図39は比重1g/
cm3の厚さ0.35μmの珪素を含有しているレジス
トに対するエネルギ吸収スペクトルを示したグラフであ
る。ダイヤモンドマスク基板の厚さは2μmである。
【0122】珪素の吸収端より短波長側の吸収が強くな
っており、吸収波長領域はニッケルミラーを用いた場合
では3.5Å〜7Åである。同様にロジウムミラーの場
合を用いた場合では4Å〜7Å、白金ミラーを用いた場
合では2.5〜7Åである。珪素の全吸収エネルギに対
する珪素のオージェ電子のエネルギより低エネルギの電
子による吸収の割合はニッケルミラーで0.86、ロジ
ウムミラーで0.86、白金ミラーで0.81であっ
た。
っており、吸収波長領域はニッケルミラーを用いた場合
では3.5Å〜7Åである。同様にロジウムミラーの場
合を用いた場合では4Å〜7Å、白金ミラーを用いた場
合では2.5〜7Åである。珪素の全吸収エネルギに対
する珪素のオージェ電子のエネルギより低エネルギの電
子による吸収の割合はニッケルミラーで0.86、ロジ
ウムミラーで0.86、白金ミラーで0.81であっ
た。
【0123】いずれの露光システムにおいても、オージ
ェ電子による吸収の割合は0.8を越えている。このよ
うに、7Åより短波長の光を含む露光波長領域において
も7.6Åの波長に相当するエネルギより低いエネルギ
もつ電子の割合が、レジストの吸収量に対して支配的で
あり高い解像度が期待できる。
ェ電子による吸収の割合は0.8を越えている。このよ
うに、7Åより短波長の光を含む露光波長領域において
も7.6Åの波長に相当するエネルギより低いエネルギ
もつ電子の割合が、レジストの吸収量に対して支配的で
あり高い解像度が期待できる。
【0124】(実施の形態13)珪素含有量を高くする
ために、ポリシランおよびポリシリ−ンをレジストとし
て用いる方法を採用した。ジメチルポリシランでは珪素
含有量を最大48.3%にでき、メチルポリシリ−ンで
は珪素含有量を65.1%にまで高くすることが可能で
ある。感光性の付与は通常の化学増幅系レジストと同様
の方法を用い、アルカリ可溶性の付与はヒドロオキシフ
エニ−ル基の導入またはヒドロオキシジフルオロメチル
基を導入する方法を用いた。
ために、ポリシランおよびポリシリ−ンをレジストとし
て用いる方法を採用した。ジメチルポリシランでは珪素
含有量を最大48.3%にでき、メチルポリシリ−ンで
は珪素含有量を65.1%にまで高くすることが可能で
ある。感光性の付与は通常の化学増幅系レジストと同様
の方法を用い、アルカリ可溶性の付与はヒドロオキシフ
エニ−ル基の導入またはヒドロオキシジフルオロメチル
基を導入する方法を用いた。
【0125】(実施の形態14)本実施の形態ではゲル
マニウムを含むレジストを用いた場合のオージェ電およ
び光電子のエネルギと吸収量とについて考察する。ゲル
マニウムの吸収端(9.9Å)よりすこし短波長の光で
は、主に約1150eVのエネルギを持ったオージェ電
子と低エネルギの光電子とが発生する。つまり、最大で
も約10.8Åの波長に相当するエネルギ(1150e
V)のオージェ電子が発生するので、短波長化しても電
子のボケを小さくできる。さらに短波長にすると、オー
ジェ電子のエネルギは一定であるが、光電子のエネルギ
は徐々に増加し約5Åの露光波長で光電子のエネルギは
オージェ電子のエネルギとほぼ等しくなる。つまり、約
10Åから5Åの範囲の露光光では、珪素から発生する
電子のエネルギは約10.8Åの波長に相当するエネル
ギよりも低いので、短波長化しても電子のボケは増加せ
ず高解像度のパターンが得られる。さらに、短波長化す
ると光電子のエネルギはオージェ電子のエネルギよりも
高くなり、電子のボケは徐々に大きくなっていく。
マニウムを含むレジストを用いた場合のオージェ電およ
び光電子のエネルギと吸収量とについて考察する。ゲル
マニウムの吸収端(9.9Å)よりすこし短波長の光で
は、主に約1150eVのエネルギを持ったオージェ電
子と低エネルギの光電子とが発生する。つまり、最大で
も約10.8Åの波長に相当するエネルギ(1150e
V)のオージェ電子が発生するので、短波長化しても電
子のボケを小さくできる。さらに短波長にすると、オー
ジェ電子のエネルギは一定であるが、光電子のエネルギ
は徐々に増加し約5Åの露光波長で光電子のエネルギは
オージェ電子のエネルギとほぼ等しくなる。つまり、約
10Åから5Åの範囲の露光光では、珪素から発生する
電子のエネルギは約10.8Åの波長に相当するエネル
ギよりも低いので、短波長化しても電子のボケは増加せ
ず高解像度のパターンが得られる。さらに、短波長化す
ると光電子のエネルギはオージェ電子のエネルギよりも
高くなり、電子のボケは徐々に大きくなっていく。
【0126】比較のために臭素のオージェ電子のエネル
ギと比較すると、4.4Åまでの波長で発生する光電子
のエネルギは臭素のオージェ電子のエネルギ(1396
eV)よりも低くなっている。すなわち、4.4Åの露
光光に対して、発生する光電子のエネルギは9Åの波長
に相当するエネルギと同程度であり、ゲルマニウムから
は露光光のエネルギの半分程度より低いエネルギをもっ
た電子しか発生しない。そのため、短波長化によって、
光電子のエネルギがオージェ電子のエネルギよりも高く
とも、発生する光電子のエネルギが低ければ電子のボケ
は小さく解像度が向上する場合があることがわかる。
ギと比較すると、4.4Åまでの波長で発生する光電子
のエネルギは臭素のオージェ電子のエネルギ(1396
eV)よりも低くなっている。すなわち、4.4Åの露
光光に対して、発生する光電子のエネルギは9Åの波長
に相当するエネルギと同程度であり、ゲルマニウムから
は露光光のエネルギの半分程度より低いエネルギをもっ
た電子しか発生しない。そのため、短波長化によって、
光電子のエネルギがオージェ電子のエネルギよりも高く
とも、発生する光電子のエネルギが低ければ電子のボケ
は小さく解像度が向上する場合があることがわかる。
【0127】PHSレジストにゲルマニウムを添加した
ゲルマニウム含有レジスト(C8H8O+Ge)の解像
度を検討した。レジストの比重はゲルマニウム重量比が
0%の時1.17g/cm3、37.7%の時1.6g/
cm3であった。レジスト膜厚は0.2μmである。
ゲルマニウム含有レジスト(C8H8O+Ge)の解像
度を検討した。レジストの比重はゲルマニウム重量比が
0%の時1.17g/cm3、37.7%の時1.6g/
cm3であった。レジスト膜厚は0.2μmである。
【0128】上記実施の形態1の露光システムにおい
て、ゲルマニウム重量比37.7%のゲルマニウム含有
レジストの吸収エネルギ量に対するゲルマニウムのオー
ジェ電子のエネルギより低いエネルギの電子による吸収
の割合を求めた。図40はこの割合を1μmから100
μmまでのダイヤモンド膜厚に対してプロットした図で
ある。
て、ゲルマニウム重量比37.7%のゲルマニウム含有
レジストの吸収エネルギ量に対するゲルマニウムのオー
ジェ電子のエネルギより低いエネルギの電子による吸収
の割合を求めた。図40はこの割合を1μmから100
μmまでのダイヤモンド膜厚に対してプロットした図で
ある。
【0129】平均波長はダイヤモンド膜厚が厚くなると
短くなり、ダイヤモンド膜厚が20μmの場合は約6.
2Åで50μmの場合は約4.7Åとなる。ゲルマニウ
ム重量比37.7%のゲルマニウム含有レジストでは、
平均吸収波長6.2Åとなるダイヤモンド膜厚が20μ
mの場合でも約50%は波長10.8Åのエネルギに相
当する1150eV以下の電子による吸収であり、短波
長化にしても解像度に影響する電子のエネルギが低くボ
ケが小さく保たれていることがわかる。
短くなり、ダイヤモンド膜厚が20μmの場合は約6.
2Åで50μmの場合は約4.7Åとなる。ゲルマニウ
ム重量比37.7%のゲルマニウム含有レジストでは、
平均吸収波長6.2Åとなるダイヤモンド膜厚が20μ
mの場合でも約50%は波長10.8Åのエネルギに相
当する1150eV以下の電子による吸収であり、短波
長化にしても解像度に影響する電子のエネルギが低くボ
ケが小さく保たれていることがわかる。
【0130】また、5Åより長波長の露光光ではゲルマ
ニウムから発生するオージェ電子および光電子のエネル
ギは1150eV以下である。すなわち、臭素のオージ
ェ電子のエネルギ(1396eV)よりも低い。したがっ
て、主に10Å〜5Åまで露光波長領域を用いて露光す
る場合に、ゲルマニウム含有レジストを用いると臭素含
有レジストより電子のボケが小さいので解像度が高くな
る場合がある。
ニウムから発生するオージェ電子および光電子のエネル
ギは1150eV以下である。すなわち、臭素のオージ
ェ電子のエネルギ(1396eV)よりも低い。したがっ
て、主に10Å〜5Åまで露光波長領域を用いて露光す
る場合に、ゲルマニウム含有レジストを用いると臭素含
有レジストより電子のボケが小さいので解像度が高くな
る場合がある。
【0131】レジストへのゲルマニウムの添加方法とし
て、レジスト分子にゲルマニウム含有分子つけたレジス
トを用いても良いが、レジスト中に表面処理したナノ粒
子を添加しても良い。また、ゲルマニウム含有フラーレ
ンを混合して用いるとすでにあるレジストを短波長露光
用のレジストとして用いることができる。
て、レジスト分子にゲルマニウム含有分子つけたレジス
トを用いても良いが、レジスト中に表面処理したナノ粒
子を添加しても良い。また、ゲルマニウム含有フラーレ
ンを混合して用いるとすでにあるレジストを短波長露光
用のレジストとして用いることができる。
【0132】(実施の形態15)本実施の形態ではゲル
マニウムより長波長側に吸収端のあるヨウ素を含むレジ
ストを用いた場合のオージェ電子および光電子の、エネ
ルギと吸収量とについて考察する。ヨウ素のM殻の吸収
端は13Åから20Åの間に複数の吸収端があり、少な
くとも13Åよりすこし短波長の光では、主に約510
eVのエネルギを持ったオージェ電子と低エネルギの光
電子とが発生する。つまり、最大でも約24Åの波長に
相当するエネルギをもったオージェ電子が発生するので
吸収端より短波長の露光光によって発生する電子のボケ
を小さくすることが可能である。
マニウムより長波長側に吸収端のあるヨウ素を含むレジ
ストを用いた場合のオージェ電子および光電子の、エネ
ルギと吸収量とについて考察する。ヨウ素のM殻の吸収
端は13Åから20Åの間に複数の吸収端があり、少な
くとも13Åよりすこし短波長の光では、主に約510
eVのエネルギを持ったオージェ電子と低エネルギの光
電子とが発生する。つまり、最大でも約24Åの波長に
相当するエネルギをもったオージェ電子が発生するので
吸収端より短波長の露光光によって発生する電子のボケ
を小さくすることが可能である。
【0133】さらに短波長にすると、オージェ電子のエ
ネルギは一定であるが、光電子のエネルギは徐々に増加
し約11〜8.5Åの露光波長領域で光電子のエネルギ
はオージェ電子のエネルギとほぼ等しくなる。つまり、
約24Åから少なくとも11Åの範囲の露光光ではヨウ
素から発生する電子のエネルギは約24Åの波長に相当
するエネルギよりも低いので、短波長化しても電子のボ
ケは増加せず高解像度のパターンが得られる。さらに、
短波長化すると光電子のエネルギはオージェ電子のエネ
ルギよりも高くなり、電子のボケは徐々に大きくなって
いく。それでも、6.1Åまでの波長で発生する光電子
のエネルギは臭素のオージェ電子のエネルギ(1396
eV)よりも低くなっている。
ネルギは一定であるが、光電子のエネルギは徐々に増加
し約11〜8.5Åの露光波長領域で光電子のエネルギ
はオージェ電子のエネルギとほぼ等しくなる。つまり、
約24Åから少なくとも11Åの範囲の露光光ではヨウ
素から発生する電子のエネルギは約24Åの波長に相当
するエネルギよりも低いので、短波長化しても電子のボ
ケは増加せず高解像度のパターンが得られる。さらに、
短波長化すると光電子のエネルギはオージェ電子のエネ
ルギよりも高くなり、電子のボケは徐々に大きくなって
いく。それでも、6.1Åまでの波長で発生する光電子
のエネルギは臭素のオージェ電子のエネルギ(1396
eV)よりも低くなっている。
【0134】すなわち、6.1Åの露光光に対して、発
生する光電子のエネルギは9Åの波長に相当するエネル
ギと同程度であり、オージェ電子はそれよりも低エネル
ギであるため、電子のボケは低く抑えられる。そのた
め、光電子のエネルギがオージェ電子のエネルギよりも
高くとも、発生する光電子のエネルギが低ければ電子の
ボケは小さくでき解像度が向上する場合がある。
生する光電子のエネルギは9Åの波長に相当するエネル
ギと同程度であり、オージェ電子はそれよりも低エネル
ギであるため、電子のボケは低く抑えられる。そのた
め、光電子のエネルギがオージェ電子のエネルギよりも
高くとも、発生する光電子のエネルギが低ければ電子の
ボケは小さくでき解像度が向上する場合がある。
【0135】本実施の形態では露光波長領域に吸収端が
存在しない元素を添加しても、電子のボケが従来レジス
トよりも小さくできることを示した。これはヨウ素の吸
収端は露光波長領域に吸収端が存在しなくとも、水素、
酸素、炭素のいずれの吸収端よりも短波長側に吸収端が
存在しているためである。他の元素としてフッ素の吸収
端も水素、酸素、炭素のいずれの吸収端よりも短波長側
に吸収端が存在しているためフッ素含有レジストでも電
子のボケは小さくできる。
存在しない元素を添加しても、電子のボケが従来レジス
トよりも小さくできることを示した。これはヨウ素の吸
収端は露光波長領域に吸収端が存在しなくとも、水素、
酸素、炭素のいずれの吸収端よりも短波長側に吸収端が
存在しているためである。他の元素としてフッ素の吸収
端も水素、酸素、炭素のいずれの吸収端よりも短波長側
に吸収端が存在しているためフッ素含有レジストでも電
子のボケは小さくできる。
【0136】また、このような状況は短波長化した場合
に臭素、燐、硫黄、珪素を含むレジストを用いた場合に
も起こりえるが、電子のボケが従来のレジストよりも低
下しないのはこれまでの実施の形態より明らかである。
に臭素、燐、硫黄、珪素を含むレジストを用いた場合に
も起こりえるが、電子のボケが従来のレジストよりも低
下しないのはこれまでの実施の形態より明らかである。
【0137】(実施の形態16)X線によって発生した
電子のボケを小さくすることが本発明の特有の作用であ
る。したがって、本発明では軟X線と同程度のエネルギ
をもつ電子線やイオンビームを用いた露光においても発
生した電子のボケを小さくすることができる。
電子のボケを小さくすることが本発明の特有の作用であ
る。したがって、本発明では軟X線と同程度のエネルギ
をもつ電子線やイオンビームを用いた露光においても発
生した電子のボケを小さくすることができる。
【0138】約3Åから13ÅのX線波長のエネルギに
相当する1KeVから4KeVの加速電圧、好ましくは
1.5KeV以上の加速電圧をもつ電子ビームを臭素含
有レジストに照射してパターン描画を行なう場合には、
入射電子のエネルギが臭素の吸収端(1.59KeV)に
相当するエネルギより高いため、臭素と衝突した入射電
子の一部は入射電子よりエネルギの低いオージェ電子お
よび光電子を発生する。そのため、レジスト中での電子
のボケが小さくなり、パターンの解像度が高くなる。
相当する1KeVから4KeVの加速電圧、好ましくは
1.5KeV以上の加速電圧をもつ電子ビームを臭素含
有レジストに照射してパターン描画を行なう場合には、
入射電子のエネルギが臭素の吸収端(1.59KeV)に
相当するエネルギより高いため、臭素と衝突した入射電
子の一部は入射電子よりエネルギの低いオージェ電子お
よび光電子を発生する。そのため、レジスト中での電子
のボケが小さくなり、パターンの解像度が高くなる。
【0139】臭素の代わりに珪素、燐、硫黄、塩素を含
んだレジストでも各元素の吸収端に相当するエネルギよ
り高いエネルギをもつ入射電子を用いるとレジスト中で
の電子の広がりを抑えられることになる。電子ビームの
場合には入射電子は散乱され徐々にエネルギを失いなが
ら散乱されるので、ヨウ素や臭素のように原子番号の大
きい元素、すなわち、原子殻の周りに電子を多くもつ元
素では電子散乱断面積が大きく、ヨウ素や臭素を含んで
いるレジストでは電子の散乱確率が増加する傾向があり
電子の飛程を押えるのに効果的である。
んだレジストでも各元素の吸収端に相当するエネルギよ
り高いエネルギをもつ入射電子を用いるとレジスト中で
の電子の広がりを抑えられることになる。電子ビームの
場合には入射電子は散乱され徐々にエネルギを失いなが
ら散乱されるので、ヨウ素や臭素のように原子番号の大
きい元素、すなわち、原子殻の周りに電子を多くもつ元
素では電子散乱断面積が大きく、ヨウ素や臭素を含んで
いるレジストでは電子の散乱確率が増加する傾向があり
電子の飛程を押えるのに効果的である。
【0140】また、加速電圧を50KeV〜100Ke
Vと高くした電子ビームを用いて描画しても、入射電子
の一部は入射電子よりエネルギの低いオージェ電子およ
び光電子を発生するため、レジスト中での電子のボケが
小さくなり、パターンの解像度が高くなる。さらに、レ
ジスト中で発生した二次電子のエネルギは散乱を繰り返
しながら徐々にエネルギが減少していき1.6KeV〜
4KeVになると同様な解像度向上効果が期待できるの
で、加速電圧を50KeV〜100KeVと高くした電
子ビームを用いて描画しても1.6KeV〜4KeVの
エネルギに相当する吸収端をもつ元素を含むレジストに
描画すると解像度が向上することがわかる。
Vと高くした電子ビームを用いて描画しても、入射電子
の一部は入射電子よりエネルギの低いオージェ電子およ
び光電子を発生するため、レジスト中での電子のボケが
小さくなり、パターンの解像度が高くなる。さらに、レ
ジスト中で発生した二次電子のエネルギは散乱を繰り返
しながら徐々にエネルギが減少していき1.6KeV〜
4KeVになると同様な解像度向上効果が期待できるの
で、加速電圧を50KeV〜100KeVと高くした電
子ビームを用いて描画しても1.6KeV〜4KeVの
エネルギに相当する吸収端をもつ元素を含むレジストに
描画すると解像度が向上することがわかる。
【0141】(実施の形態17)偏向磁場強度4.5
T、加速エネルギ0.7GeVの放射光発生装置からの
放射光を、斜入射角1度のロジウムミラー2枚を用いた
ビームラインで集光し、真空隔壁である厚さ20μmの
ベリリウム窓と厚さ2μmのダイヤモンドマスク基板と
を通過した光を用い、厚さ0.2μmの臭素含有率50
重量%の臭素化PHSレジストを塗布した基板に照射し
た。
T、加速エネルギ0.7GeVの放射光発生装置からの
放射光を、斜入射角1度のロジウムミラー2枚を用いた
ビームラインで集光し、真空隔壁である厚さ20μmの
ベリリウム窓と厚さ2μmのダイヤモンドマスク基板と
を通過した光を用い、厚さ0.2μmの臭素含有率50
重量%の臭素化PHSレジストを塗布した基板に照射し
た。
【0142】X線マスクとレジスト付き基板との間隔が
10μmの場合では、パターン寸法50nmのレジスト
パターンが形成でき、X線マスクとレジスト付き基板と
の間隔が5μmの場合では、パターン寸法35nmのレ
ジストパターンが形成できた。次いで、このレジストパ
ターンをマスクに基板をエッチング加工し、洗浄後の基
板に新たな膜を成膜し、再びレジストを塗布、露光およ
び加工、洗浄、成膜を繰り返すことで半導体装置を製造
した。
10μmの場合では、パターン寸法50nmのレジスト
パターンが形成でき、X線マスクとレジスト付き基板と
の間隔が5μmの場合では、パターン寸法35nmのレ
ジストパターンが形成できた。次いで、このレジストパ
ターンをマスクに基板をエッチング加工し、洗浄後の基
板に新たな膜を成膜し、再びレジストを塗布、露光およ
び加工、洗浄、成膜を繰り返すことで半導体装置を製造
した。
【0143】臭素化PHSレジストは臭素が約8Åに吸
収端をもつため、吸収端より短波長の4Åから8Åの範
囲の露光光に対して、照射により発生するオージェ電子
のエネルギが光電子のエネルギよりも高いので、短波長
露光を行なっても電子のボケは増大せず、フレネル回折
による光学像の向上にともなって微細パターンを形成す
ることができる。さらに、そのレジストパターンを加工
することで、より微細で、高集積度の半導体装置を製造
することが可能となる。
収端をもつため、吸収端より短波長の4Åから8Åの範
囲の露光光に対して、照射により発生するオージェ電子
のエネルギが光電子のエネルギよりも高いので、短波長
露光を行なっても電子のボケは増大せず、フレネル回折
による光学像の向上にともなって微細パターンを形成す
ることができる。さらに、そのレジストパターンを加工
することで、より微細で、高集積度の半導体装置を製造
することが可能となる。
【0144】なお、上述した各実施の形態はすべての点
で例示であって制限的なものではないと考えられるべき
である。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請
求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味
および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図さ
れる。
で例示であって制限的なものではないと考えられるべき
である。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請
求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味
および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図さ
れる。
【0145】
【発明の効果】以上、本発明によれば、短波長露光によ
りレジスト中で生ずる二次電子によるボケを低減し、高
解像度のパターンを形成することが可能となる。
りレジスト中で生ずる二次電子によるボケを低減し、高
解像度のパターンを形成することが可能となる。
【図1】 X線近接露光の解像度と露光波長との関係を
表す代表的な図である。
表す代表的な図である。
【図2】 本発明における短波長露光システムの構成を
示した図である。
示した図である。
【図3】 短波長露光システムの露光に用いる照射光ス
ペクトルの例を示す図である。
ペクトルの例を示す図である。
【図4】 X線を照射したとき水素、酸素、炭素、およ
び、窒素の各元素から発生する光電子とオージェ電子の
エネルギを示す図である。
び、窒素の各元素から発生する光電子とオージェ電子の
エネルギを示す図である。
【図5】 X線ミラーを3枚用いた系の波長スイーパー
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
【図6】 レジストを構成する候補元素であるフッ素、
珪素、燐、硫黄、塩素、臭素、ゲルマニウム、および、
ヨウ素の光電子のエネルギ、ならびに、オージェ電子の
エネルギの励起波長依存性を示す図である。
珪素、燐、硫黄、塩素、臭素、ゲルマニウム、および、
ヨウ素の光電子のエネルギ、ならびに、オージェ電子の
エネルギの励起波長依存性を示す図である。
【図7】 エネルギの異なる4種類の電子が、異なる割
合で発生した場合のレジスト中での電子のエネルギ蓄積
分布を、各電子エネルギおよびエネルギの異なる4種類
の電子のエネルギ蓄積分布の総和を示した図である。
合で発生した場合のレジスト中での電子のエネルギ蓄積
分布を、各電子エネルギおよびエネルギの異なる4種類
の電子のエネルギ蓄積分布の総和を示した図である。
【図8】 (a)および(b)は、50nmライン&ス
ペースマスクパターンに対してレジスト上のX線強度を
マスクライン部を0、マスクスペース部を1とした場合
に、X線照射によってレジスト中で発生したエネルギの
異なる2種類の電子によるレジストの吸収エネルギ像を
示す図である。
ペースマスクパターンに対してレジスト上のX線強度を
マスクライン部を0、マスクスペース部を1とした場合
に、X線照射によってレジスト中で発生したエネルギの
異なる2種類の電子によるレジストの吸収エネルギ像を
示す図である。
【図9】 50nmスペースマスクパターンに対してレ
ジスト上のX線強度をマスクライン部を0、マスクスペ
ース部を1とした場合に、X線照射によってレジスト中
で発生したエネルギの異なる2種類の電子によるレジス
トの吸収エネルギ像を示す図である。
ジスト上のX線強度をマスクライン部を0、マスクスペ
ース部を1とした場合に、X線照射によってレジスト中
で発生したエネルギの異なる2種類の電子によるレジス
トの吸収エネルギ像を示す図である。
【図10】 白金ミラーを用いた短波長露光システムに
おいて、X線露光によりレジスト中で発生する二次電子
のうち、露光波長帯に存在する吸収端による光電子およ
びオージェ電子の割合を短波長露光システムに用いたダ
イヤモンド膜厚に対して示した図である。
おいて、X線露光によりレジスト中で発生する二次電子
のうち、露光波長帯に存在する吸収端による光電子およ
びオージェ電子の割合を短波長露光システムに用いたダ
イヤモンド膜厚に対して示した図である。
【図11】 ロジウムミラーを用いた短波長露光システ
ムにおいて、X線露光によりレジスト中で発生する二次
電子のうち、露光波長帯に存在する吸収端による光電子
およびオージェ電子の割合を短波長露光システムに用い
たダイヤモンド膜厚に対して示した図である。
ムにおいて、X線露光によりレジスト中で発生する二次
電子のうち、露光波長帯に存在する吸収端による光電子
およびオージェ電子の割合を短波長露光システムに用い
たダイヤモンド膜厚に対して示した図である。
【図12】 臭素含有PMMAレジストのX線吸収スペ
クトルを臭素の重量比ごとに示した図である。
クトルを臭素の重量比ごとに示した図である。
【図13】 白金ミラーを用いた短波長露光システムに
おいて、臭素含有PMMAレジストに対する吸収エネル
ギの波長依存性を示した図である。
おいて、臭素含有PMMAレジストに対する吸収エネル
ギの波長依存性を示した図である。
【図14】 ロジウムミラーを用いた短波長露光システ
ムにおいて、臭素含有PMMAレジストに対する吸収エネル
ギの波長依存性を示した図である。
ムにおいて、臭素含有PMMAレジストに対する吸収エネル
ギの波長依存性を示した図である。
【図15】 実施の形態1において、臭素化PHSレジ
ストの臭素の重量比に対して比重を示した図である。
ストの臭素の重量比に対して比重を示した図である。
【図16】 実施の形態1において、臭素化PHSレジ
スト中の水素と臭素を置換した各レジストに対して、各
波長に対するに吸収エネルギを示す図である。
スト中の水素と臭素を置換した各レジストに対して、各
波長に対するに吸収エネルギを示す図である。
【図17】 実施の形態1において、臭素のL殻に起因
して発生する電子の割合を分子式C8H8−xO1Br
xの臭素の重量%ごとに示した図である。
して発生する電子の割合を分子式C8H8−xO1Br
xの臭素の重量%ごとに示した図である。
【図18】 実施の形態3において、ノボラック樹脂中
の2つの水素を臭素に置換した臭素含有レジストのレジ
ストへの吸収スペクトルをロジウムミラー、ルテニウム
ミラー、白金ミラー、および、オスミウムミラーごとに
示した図である。
の2つの水素を臭素に置換した臭素含有レジストのレジ
ストへの吸収スペクトルをロジウムミラー、ルテニウム
ミラー、白金ミラー、および、オスミウムミラーごとに
示した図である。
【図19】 実施の形態4において、露光用の照射光の
スペクトルを各ベリリウムミラーへの入射角ごとに示し
た図である。
スペクトルを各ベリリウムミラーへの入射角ごとに示し
た図である。
【図20】 実施の形態4において、臭素化PHSレジ
ストへの吸収スペクトルを各ベリリウムミラーへの入射
角ごとに示した図である。
ストへの吸収スペクトルを各ベリリウムミラーへの入射
角ごとに示した図である。
【図21】 実施の形態5において、89.1度入射の
コバルトミラー2枚系のビームラインと波長スイーパー
を備えた照明光学系を用いた露光装置で各種の元素を含
有したレジストへの吸収エネルギスペクトルを示した図
である。
コバルトミラー2枚系のビームラインと波長スイーパー
を備えた照明光学系を用いた露光装置で各種の元素を含
有したレジストへの吸収エネルギスペクトルを示した図
である。
【図22】 実施の形態6において、実施の形態5と同
様の系で用いるフィルタのみをダイヤモンドからベリリ
ウムに変えて、各種の元素を含有したレジストへの吸収
エネルギスペクトルを示した図である。
様の系で用いるフィルタのみをダイヤモンドからベリリ
ウムに変えて、各種の元素を含有したレジストへの吸収
エネルギスペクトルを示した図である。
【図23】 実施の形態6において、実施の形態5と同
様の系でマスク基板上に設けたゲルマニウムをフィルタ
として用いて、各種の元素を含有したレジストへの吸収
エネルギスペクトルを示した図である。
様の系でマスク基板上に設けたゲルマニウムをフィルタ
として用いて、各種の元素を含有したレジストへの吸収
エネルギスペクトルを示した図である。
【図24】 実施の形態7において、レジスト材料によ
り表面材料のみを変えて各種の元素を含有したレジスト
への吸収エネルギスペクトルを示した図である。
り表面材料のみを変えて各種の元素を含有したレジスト
への吸収エネルギスペクトルを示した図である。
【図25】 実施の形態8において、ミラー位置可変の
入射角一定の平面ミラー2枚の光学系を示す図である。
入射角一定の平面ミラー2枚の光学系を示す図である。
【図26】 実施の形態8において、ミラー表面の場所
ごとに異なるように形成したミラー表面コーティング材
料の一例を示した図である。
ごとに異なるように形成したミラー表面コーティング材
料の一例を示した図である。
【図27】 実施の形態9において、1度斜入射のロジ
ウムミラーを2枚用いた照明光学系でフィルタとレジス
トを組み合わせて得られた珪素含有レジストと臭素含有
レジストへの吸収エネルギスペクトルを示した図であ
る。
ウムミラーを2枚用いた照明光学系でフィルタとレジス
トを組み合わせて得られた珪素含有レジストと臭素含有
レジストへの吸収エネルギスペクトルを示した図であ
る。
【図28】 実施の形態9において、1度斜入射の白金
ミラーを2枚用いた照明光学系でフィルタとレジストを
組み合わせて得られた珪素含有レジストと臭素含有レジ
ストへの吸収エネルギスペクトルを示した図である。
ミラーを2枚用いた照明光学系でフィルタとレジストを
組み合わせて得られた珪素含有レジストと臭素含有レジ
ストへの吸収エネルギスペクトルを示した図である。
【図29】 実施の形態10において、厚さ10μmの
ダイヤモンド基板のマスクを用いた実施の形態4のシス
テムを用いて塩素および硫黄を含むレジストへの吸収エ
ネルギスペクトルを示した図である。
ダイヤモンド基板のマスクを用いた実施の形態4のシス
テムを用いて塩素および硫黄を含むレジストへの吸収エ
ネルギスペクトルを示した図である。
【図30】 実施の形態10において、ダイヤモンド基
板のマスクを用いた実施の形態4のシステムを用いて塩
素、硫黄、燐、珪素および臭素を含むレジストへの吸収
エネルギスペクトルを示した図である。
板のマスクを用いた実施の形態4のシステムを用いて塩
素、硫黄、燐、珪素および臭素を含むレジストへの吸収
エネルギスペクトルを示した図である。
【図31】 実施の形態10において、実施の形態4の
システムを用いて、異なる斜入射角のミラーを用いた場
合の照明光の例を示した図である。
システムを用いて、異なる斜入射角のミラーを用いた場
合の照明光の例を示した図である。
【図32】 実施の形態10において、実施の形態4の
システムを用いて、斜入射角1度の白金ミラーと波長ス
イーパーを用いた系で短波長側のサテライトピークをカ
ットした臭素レジストへの吸収エネルギスペクトルを示
した図である。
システムを用いて、斜入射角1度の白金ミラーと波長ス
イーパーを用いた系で短波長側のサテライトピークをカ
ットした臭素レジストへの吸収エネルギスペクトルを示
した図である。
【図33】 実施の形態11において、実施の形態1の
システムでロジウムミラーを用いて、臭素化PHSレジ
ストのエネルギ吸収スペクトルを示した図である。
システムでロジウムミラーを用いて、臭素化PHSレジ
ストのエネルギ吸収スペクトルを示した図である。
【図34】 実施の形態11において、実施の形態1の
システムで白金ミラーを用いて、臭素化PHSレジスト
のエネルギ吸収スペクトルを示した図である。
システムで白金ミラーを用いて、臭素化PHSレジスト
のエネルギ吸収スペクトルを示した図である。
【図35】 実施の形態11において、ロジウムミラー
とダイヤモンド膜を用いた実施の形態1のシステムを用
いて臭素化PHSレジストのエネルギ吸収スペクトルを
示した図である。
とダイヤモンド膜を用いた実施の形態1のシステムを用
いて臭素化PHSレジストのエネルギ吸収スペクトルを
示した図である。
【図36】 実施の形態11において、白金ミラーとダ
イヤモンド膜を用いた実施の形態1のシステムを用いて
臭素化PHSレジストのエネルギ吸収スペクトルを示し
た図である。
イヤモンド膜を用いた実施の形態1のシステムを用いて
臭素化PHSレジストのエネルギ吸収スペクトルを示し
た図である。
【図37】 実施の形態11において、臭素化PHSレ
ジストとロジウムミラーを用いた実施の形態1のシステ
ムを用いて、レジストへの全吸収エネルギ量に対する臭
素のオージェ電子のエネルギ(約1.4KeV)より低エ
ネルギのオージェ電子および光電子による吸収量の割合
をダイヤモンド膜厚を変えながら示した図である。
ジストとロジウムミラーを用いた実施の形態1のシステ
ムを用いて、レジストへの全吸収エネルギ量に対する臭
素のオージェ電子のエネルギ(約1.4KeV)より低エ
ネルギのオージェ電子および光電子による吸収量の割合
をダイヤモンド膜厚を変えながら示した図である。
【図38】 実施の形態11において、臭素化PHSレ
ジストと白金ミラーを用いた実施の形態1のシステムを
用いて、レジストへの全吸収エネルギ量に対する臭素の
オージェ電子のエネルギ(約1.4KeV)より低エネル
ギのオージェ電子および光電子による吸収量の割合をダ
イヤモンド膜厚を変えながら示した図である。
ジストと白金ミラーを用いた実施の形態1のシステムを
用いて、レジストへの全吸収エネルギ量に対する臭素の
オージェ電子のエネルギ(約1.4KeV)より低エネル
ギのオージェ電子および光電子による吸収量の割合をダ
イヤモンド膜厚を変えながら示した図である。
【図39】 実施の形態12において、実施の形態1の
露光システムでロジウムミラー、ニッケルミラーおよび
白金ミラーを用いた場合の珪素レジストへのエネルギ吸
収スペクトルを示した図である。
露光システムでロジウムミラー、ニッケルミラーおよび
白金ミラーを用いた場合の珪素レジストへのエネルギ吸
収スペクトルを示した図である。
【図40】 実施の形態14において、実施の形態1の
露光システムを用いて、ダイヤモンド膜厚を変えながら
PHSとゲルマニウム含有PHSレジストに対して、全
吸収エネルギ量に対するゲルマニウムのオージェ電子の
エネルギより低いエネルギの電子による吸収の割合を示
した図である。
露光システムを用いて、ダイヤモンド膜厚を変えながら
PHSとゲルマニウム含有PHSレジストに対して、全
吸収エネルギ量に対するゲルマニウムのオージェ電子の
エネルギより低いエネルギの電子による吸収の割合を示
した図である。
1 放射光発生装置(SR装置)、2 放射光、3 ロ
ジウムミラー、4 ベリリウム窓、5 X線マスク、6
レジスト表面、7,8,9 X線ミラー、10,11
平面ミラー。
ジウムミラー、4 ベリリウム窓、5 X線マスク、6
レジスト表面、7,8,9 X線ミラー、10,11
平面ミラー。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H01L 21/30 531E
(72)発明者 吉瀬 幸司
東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三
菱電機株式会社内
Fターム(参考) 2H096 AA25 BA01 BA09 EA07
2H097 CA15 CA16 FA06 LA10
5F046 CA07 GA02 GA16
Claims (10)
- 【請求項1】 X線光源から発生したX線を、ビームラ
イン中のX線ミラーで集光または拡大した後、真空隔壁
である窓材を透過させ、さらに、マスク基板とその上に
形成された吸収体パターンからなるX線マスクを通過さ
せ、このX線を露光光としてレジストを照射する露光方
法であって、 前記レジストは、当該レジストの主な吸収波長帯域が、
3Å以上13Å以下の波長範囲であり、かつ、前記露光
光を主に吸収する元素から発生するオージェ電子のエネ
ルギが約0.51KeV以上2.6KeV以下の範囲に
ある元素を含むことを特徴とする、露光方法。 - 【請求項2】 加速電圧が1.5KeV以上の電子ビー
ムを露光光としてレジストを露光する露光方法であっ
て、 前記レジストは、電子ビームによって主に発生するオー
ジェ電子のエネルギが約0.51KeV以上2.6Ke
V以下の範囲にある元素を含むことを特徴とする、露光
方法。 - 【請求項3】 前記レジストは、前記露光光を主に吸収
する元素から発生するオージェ電子のエネルギが光電子
のエネルギよりも高くなる元素を含むことを特徴とす
る、請求項1または2に記載の露光方法。 - 【請求項4】 前記露光光を主に吸収する元素のオージ
ェ電子のエネルギが光電子のエネルギよりも高くなる波
長領域に、前記レジストの主な吸収波長帯域があること
を特徴とする、請求項1に記載の露光方法。 - 【請求項5】 前記露光光を主に吸収する元素から発生
する光電子のエネルギが炭素のオージェ電子のエネルギ
よりも小さくなる波長領域に、前記レジストの主な吸収
波長帯域があることを特徴とする、請求項1に記載の露
光方法。 - 【請求項6】 前記露光光を主に吸収する元素から発生
する光電子のエネルギが1.4KeV以下になる波長領
域に、前記レジストの主な吸収波長帯域があることを特
徴とする、請求項1に記載の露光方法。 - 【請求項7】 2枚以上のX線ミラーでX線を反射させ
ることにより集光X線ミラーまたは拡大X線ミラーへの
光軸を変えずに波長を変更できる波長スイーパーを、前
記ビームライン内に備えた照明光学系を用いて前記レジ
ストを露光することを特徴とする、請求項1および請求
項4〜6のいずれかに記載の露光方法。 - 【請求項8】 ミラー表面の場所により表面コーティン
グ材質が異なるX線ミラーの、表面コーティング材質ご
とにX線照射位置を選択することで、集光X線ミラーま
たは拡大X線ミラーへの光軸を変えずにX線の波長領域
を変えることのできる照明光学系を用いて前記レジスト
を露光することを特徴とする、請求項1および請求項4
〜7のいずれかに記載の露光方法。 - 【請求項9】 請求項1または2に記載の露光方法に用
いるレジストであって、 臭素、珪素、燐、硫黄、塩素、フッ素、ヨウ素、およ
び、ゲルマニウムからなる群より選択される材料を含有
することを特徴とする、レジスト。 - 【請求項10】 請求項1または2に記載の露光方法を
用いて、基板上に形成されたレジストパターンを加工し
て製造することを特徴とする、半導体装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002034155A JP2003233201A (ja) | 2002-02-12 | 2002-02-12 | 露光方法、この露光方法に用いるレジスト、および、この露光方法により製造された半導体装置 |
US10/211,309 US6760400B2 (en) | 2002-02-12 | 2002-08-05 | Exposing method and semiconductor device fabricated by the exposing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002034155A JP2003233201A (ja) | 2002-02-12 | 2002-02-12 | 露光方法、この露光方法に用いるレジスト、および、この露光方法により製造された半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003233201A true JP2003233201A (ja) | 2003-08-22 |
Family
ID=27654907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002034155A Pending JP2003233201A (ja) | 2002-02-12 | 2002-02-12 | 露光方法、この露光方法に用いるレジスト、および、この露光方法により製造された半導体装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
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JP2004296457A (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-21 | Mitsubishi Electric Corp | X線露光方法 |
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JP7334684B2 (ja) | 2019-08-02 | 2023-08-29 | 信越化学工業株式会社 | レジスト材料及びパターン形成方法 |
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JP7354954B2 (ja) | 2019-09-04 | 2023-10-03 | 信越化学工業株式会社 | レジスト材料及びパターン形成方法 |
JP2021182133A (ja) | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 信越化学工業株式会社 | ポジ型レジスト材料及びパターン形成方法 |
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-
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- 2002-02-12 JP JP2002034155A patent/JP2003233201A/ja active Pending
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