JP2003233107A - 照明装置、及びそれを用いた撮影装置 - Google Patents
照明装置、及びそれを用いた撮影装置Info
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Abstract
である横縞の配光ムラを別部材を使用せずに、また大幅
な光量低下を招くことなく防止する照明装置の提供。 【解決手段】光源2からの射出光束を前方の光学部材4
と後方の反射傘3を介して集光させ、光学部材4には全
反射を行なわせる反射面4c、4c´を有し、この反射
面4c,4c´の射出面近傍の反射面4d,4d´の形状
と、反射傘3の射出面近傍の反射面3b,3b´の形状
を周囲の面形状に比べて開口面積を広げる度合いを強め
た曲面とした。
Description
下方向の厚みに余裕がない光学機器に好適な照明装置及
びそれを用いた撮影装置に関するものであり、例えばカ
メラ本体(撮影装置本体)の一部に装着して、カメラ本
体の撮影動作と連動させて照明光(閃光)を被写体側へ
効率良く照射し、撮影する際に好適なものである。
いる照明装置は、光源とこの光源から発せられた光束を
前方に導く反射傘やフレネルレンズ等の光学部品とで構
成されている。
々な方向に射出した光束を効率よく必要照射画角内に集
光させるために、従来より種々の提案がなされている。
特に近年、今まで光源の前に配置されていたフレネルレ
ンズのかわりに、プリズム・ライトガイド等の全反射を
利用した光学部材を配置することによって、集光効率の
向上と上下方向の光学系の薄型化を両立させたものが提
案されている。
10-115852号公報で示したように、光源から光学部材に
入射させた光束を、上下方向は上下側面に形成された全
反射面によって、左右方向は射出面に設けたシリンドリ
カルレンズ面によってそれぞれ集光させるという、小型
で集光効率の高いプリズムを用いた照明光学系が提案さ
れている。
ように、上記構成によって生じる横縞状の配光ムラを防
止する為、光学部材の射出面側に複数シリンドリカルレ
ンズを形成したもう一つの光学部材を配置した照明光学
系も提案されている。
装置においては、装置自体の小型化が従来にも増して一
層進みつつある。特に最近の傾向として、カメラの上下
方向の高さを低く抑えたいという要望が強く、これに伴
ってカメラの上部に位置するストロボ発光部に対しても
上下方向の厚みの薄型化への要望が強い。このような背
景から、光学性能の劣化のない薄型ストロボ光学系の実
用化が強く望まれている。
効率低下の少ない全反射光学系を利用して、上下方向の
厚みを抑えた薄型発光部を特開平10-115852号公報で提
案してきた。これは、照明光源から光学部材に入射させ
た光束を、上下方向(閃光放電管の径方向)は、該光学
部材の上下側面に形成された全反射面によって集光させ
ることによって薄型化を図り、左右方向(閃光放電管の
長手方向)は射出面に設けたシリンドリカルレンズ面に
よって効率良く集光させることによって、薄型で効率の
良い照明光学系を構成したものである。
閃光発光装置の概略断面図で、2は円筒状のガラス管内
に発光源が封入されたキセノン管等の閃光放電管、10
3は反射傘で、閃光放電管2の外形形状に略合致した内
径形状を有する円弧部103aに閃光放電管2が装着さ
れる。この反射傘103は、該円弧部103aの上下端
から前方に拡開した上下の反射面103b,103b´
が平坦面に形成されている。104は、上記した全反射
型の光学部材で、入射面104aが反射傘103の開口
部に配置され、前部の射出面104bから入射した閃光
放電管2の光を射出する。またこの光学部材の上下の側
面104c,104c´は平坦面の全反射面に形成さ
れ、入射面104aに対して斜めに入射した光束を反射
して前方の射出面104bから出射させる。
型化の弊害として、前記光学部材104に光源2からの
光が入射する入射時点での光分布が不均一であること
(光学部材104の入射面104aの全面に均一に光が
入射しない)、また実際の製品ではスペースに制限があ
り均一化のための十分な長さが取れないことなどから、
例えば図7(b)〜(d)に示すように、黒く塗りつぶ
した光束が明部、その間の白い部分が暗部となり、各状
態でこの明部の合計領域が一定でないことから照射面上
での配光ムラが発生していた。すなわち、この明部と暗
部がそれぞれ左右に延び、上下方向で交互に明部と暗部
が形成される複数の横縞状の配光ムラとして認識されや
すかった。
報に示されるように、光学部材104の射出面104b
側に、複数のシリンドリカルレンズを形成したもう1枚
の光学部材を配置した照明光学系を採用することによ
り、拡散板を用いることなく比較的効率良く配光ムラを
防止する提案もなされている。
上記提案では、もう1枚の光学部材を必要としコスト高
になるばかりでなく、光学系の前後方向に余分なスペー
スを必要とした。
要のない成分まで変化させてしまう為、必要照射角度範
囲以外の成分も幾分発生してしまい、必ずしも効率の良
い配光ムラ防止方法ではなかった。
る最大の課題は、必要最小限の部品構成で薄型照明光学
系の配光ムラを防止すると共に、配光均一化に伴う効率
低下を最小限に抑えることである。
べて極端に薄型化を図ると共に、光源からのエネルギを
高い効率で利用し、照射面上で均一な配光特性を保った
照明ができるスチルカメラ、ビデオカメラ等に好適な照
明装置及びそれを用いた撮影装置を提供することであ
る。
め、本出願に係る第1の発明は、光源手段からの光束を
前方に配置した光学部材および後方を覆う反射傘とを介
して所定の照射角の照射光として照射する照明装置にお
いて、前記光学部材は、入射面からの光束の一部を全反
射させる反射面を有し、前記光学部材の射出面近傍の前
記反射面と、前記反射傘の射出面近傍の反射面との双方
又はいずれか一方の反射面は反射前後での角度変化が射
出面に向かうにつれて徐々にに増大する特性を有するこ
とを特徴とする。
係る第2の発明は、光源手段からの光束を前方に配置し
た光学部材および後方を覆う反射傘とを介して所定の照
射角の照射光として照射する照明装置において、前記光
学部材は、前記光源手段に対向した入射面と、前記入射
面からの光束の一部を全反射させる反射面と、前記入射
面と対向した射出面とを有し、前記反射面は、少なくと
も2種の面形状から構成され、前記射出面近傍側の面形
状を前記入射面側の面形状に対し曲率半径が小さくかつ
前記光学部材の外側に中心があるような曲面で構成した
ことを特徴とする。
係る第3の発明は、光源手段からの光束を前方に配置し
た光学部材および後方を覆う反射傘とを介して所定の照
射角の照射光として照射する照明装置において、前記光
学部材は、前記光源手段に対向した入射面と、前記入射
面からの光束の一部を全反射させる反射面と、前記入射
面と対向した射出面とを有し、前記反射傘の射出面近傍
の反射面の形状を、前記射出面に向かうにつれて光軸に
対する接線の傾きが徐々に増加するような曲面で構成し
たことを特徴とする。
係る第4の発明は、光源手段からの光束を前方に配置し
た光学部材および後方を覆う反射傘とを介して所定の照
射角の照射光として照射する照明装置において、前記光
学部材は、前記光源手段に対向した入射面と、前記入射
面からの光束の一部を全反射させる反射面と、前記入射
面と対向した射出面とを有し、前記光学部材の反射面中
の少なくとも射出面近傍の反射面及び/又は前記反射傘
における前記光学部材への入射部近傍の反射面を、拡散
度合いが端面部に近づくにつれて増加する拡散面とした
ことを特徴とする。
射出面に向かって広がる一定角度の傾斜平面とし、射出
面近傍を該傾斜平面と接し、徐々に開口を広げる曲面で
構成したこと。
β(mm)を以下の範囲としたこと。
の反射面の射出面近傍の形状を、射出端面部が拡散面の
面積が広く、端面部から離れるに従って徐々に拡散面の
面積が減少するような形状としたこと。
向かって広がる一定角度の傾斜平面とし、反射傘の射出
面近傍の形状を該傾斜平面と反射特性が連続する曲面で
構成したこと。
ほぼ同心形状の反射面を少なくとも一部に形成している
こと。
上記光学部材の反射面は少なくとも該放電管の径方向の
断面に関して成り立つこと。
一部を表出させた上記光学部材と、上記光源、反射傘を
一体的に保持し電子機器内部に配置された発光部ユニッ
トとから少なくとも構成される照明装置を備えたこと。
等を特徴としている。
方向の薄型化を図った照明光学系においても、配光ムラ
のない、すなわち照射面上で均一な配光特性を保った照
明ができる。
上下方向の集光を独立に制御でき、また配光ムラの防止
まで考慮されている為、一度形状が決定されると製造上
のばらつきがなく光学特性の安定した照明光学系を構成
できる。
折と全反射によって行っているため、光源からのエネル
ギを効率良く利用することができ、また、単一の光学部
材内ですべての光制御が可能なため、照明光学系全体を
極めて小型にかつ安価に構成することができる。
を参照して本発明の実施の形態を説明する。
よる照明装置、特に本実施の形態では閃光発光装置を示
しており、図1は閃光発光装置の光学系を構成する要部
の縦断面図、図2は閃光発光装置の光学系を構成する要
部の閃光放電管の中心軸を含む平面で切った断面図、図
3は閃光発光装置の主要光学系のみの分解斜視図、図4
は本発明を適用したカメラの斜視図である。尚、図1、
図2では、光源中心から射出した代表光線の光線トレー
ス図も合わせて示している。特に、図1(b)〜(d)
では、図1(a)と同一断面形状について、光源から射
出させた光束のうち照射面上で特定の角度方向に向かう
光束のみの光路を示したものであり、照明光学系の各部
品の中で実際に使用する領域を示すと共に、照射面上の
特定角度に向かう成分がどのような光路で形成されてい
るかを特定できるようにしたものである。
に示すように、カメラ本体の正面から見て右上部に配置
され、射出窓は縦フレネルレンズが形成された上下に薄
い形態になっている。
影装置本体、12は撮影レンズを備えるレンズ鏡筒、1
3はレリーズボタン、14は撮影レンズをズーミングす
る為の操作部材であり、この操作部材を前側に倒すとテ
レ方向に、後ろ側に倒すとワイド方向にそれぞれズーム
させることができる。15はカメラの各種のモードを切
り替えるための操作ボタン、16はカメラの動作をユー
ザーに知らせる為の液晶表示窓、17は外光の明るさを
測定する測光装置の覗き窓、18はファインダーの覗き
窓である。なお、閃光発光部を除くそれぞれの機能につ
いては公知の技術であるので、ここでは詳しい説明は省
略する。尚、本発明の機械的構成要素は前述の構成に限
定されるものではない。
学特性を規定する構成要素について、図1〜図3を用い
て更に詳しく説明する。
の閃光放電管(キセノン管)である。3は閃光放電管2
から射出した光束のうち光射出方向の後方に向かう成分
を光射出方向に反射させる反射傘であり、内面が高反射
率面で形成された光輝アルミ等の金属材料、または内面
に高反射率の金属蒸着面が形成された樹脂材料等で構成
されている。4は、閃光放電管2から直接射出した光束
及び反射傘3で反射して入射した光束を、被写体側へ効
率良く照射させる照明光束導光用の光学部材である。上
記光学部材4の材料としては、アクリル樹脂等の透過率
の高い光学用樹脂材料、またはガラス材料が適してい
る。
公知の技術であるように、たとえば「ストロボオートモ
ード」にカメラがセットされている場合には、レリーズ
ボタン13がユーザーによって押された後に、不図示の
測光装置で測定された外光の明るさと装填されたフィル
ムの感度によって、閃光発光装置を発光させるか否かを
不図示の中央演算装置が判断する。中央演算装置が撮影
状況下において「閃光発光装置を発光させる」と判定し
た場合には、中央演算装置が発光信号を出し、反射傘3
に取り付けられた不図示のトリガーリード線を介して閃
光放電管2を発光させる。発光された光束は、照射光軸
と反対方向に射出された光束は反射傘3を介して、ま
た、照射方向に射出した光束は直接、前面に配置した光
学部材4に入射し、この光学部材4を介して所定の配光
特性に変換された後、被写体側に照射される。
体形状を極端に薄型化しつつ、そのときの必要照射範囲
の配光特性を均一に保った照明装置の提案であり、以下
図1から図2を用いてこの最適形状の設定方法に関して
さらに詳しく説明する。
光装置の放電管径方向の縦断面図であり、上下方向の配
光特性の最適化を図る為の基本的な考え方を示す図であ
る。尚、図1(a)〜図1(d)は、すべて同一の断面
図を示しており、(b)〜(d)は、この断面図に照射
面上の特定角度方向に照射される光束の光線トレース部
を付記したものである。尚、図中の各部の番号は、図
2、図3に対応している。
的である配光ムラ防止を考える上で、最も重要と考えら
れる配光ムラの発生要因の概要について説明する。
を複数の反射部材の繰り返し反射によって行うような光
学系においては、反射傘3から光学部材4へ、また光学
部材4から光学部材の外側へといった各反射面の境界部
付近で、反射率の変化や反射面形状の急激な変化から配
光特性に不連続な点が発生しやすい。そして、この不連
続点が照射面上での横縞状の配光ムラの一因となってい
た。
て、光源である閃光放電管には、発光体であるキセノン
ガスを封止する為のガラス管部が介在していることが挙
げられる。すなわち、このガラス部分からは発光が行わ
れないと同時にガラス管の内壁で不要な全反射を生じさ
せるが、この現象も配光特性上の不連続点を発生させて
いる。特に、このガラス管の部分が、実際に発光する閃
光放電管内径に比べて厚ければ厚いほど特性の異なる不
連続点を生じさせやすくなり、この結果として配光ムラ
の現象を引き起こしていた。
光源であるキセノン放電管が細長く、光学部材の各垂直
断面がほぼ同一形状としていることが多いことから、各
垂直断面の同じ角度で同時に配光ムラが発生することに
なり、照射面上の特定角度領域で連続した水平に延びる
線状の配光ムラとなって現れやすかった。この水平に延
びる線状のムラは、特に人間の目の特性としては識別し
やすく、実際の明暗差よりも一層顕著な配光ムラとして
認識されやすかった。
為の本実施の形態における光学系の特徴的な形状を、以
下順を追って説明する。
される閃光放電管2の外形形状と略合致した内径形状に
形成された半円筒形状の円弧部3aが形成されている。
これは、反射傘3での反射光を再度光源の中心部付近に
戻すのに都合の良い形状であり、閃光放電管2のガラス
部の屈折または全反射による悪影響を受けにくくする効
果がある。また、このように構成することによって、反
射傘3による反射光を光源からの直接光とほぼ等価な光
束として扱えるため考えやすく、またこの後に続く光学
系の全体形状を最も小型化することができ都合がよい。
反射面3b,3b´は、光源より前側の射出面に近い部
分が、射出端部に近づくにつれて開口面積の増加率が大
きくなるような非球面形状で構成されている。なお、従
来例として示す図7の反射傘103の上下の拡開反射面
103b,103b´は、射出端部に近づくにつれて上
下方向の対向距離が長くなるように傾斜しているが、こ
れらの反射面103b,103b´は平坦面である。
反射傘形状は、射出端部に近づくにつれて開口面積は増
加するものの、増加率としては徐々に減少するものがほ
とんどであった。すなわち、反射傘の断面形状として
は、楕円形もしくは楕円形状の片側半部分に近い2次曲
線を用いる場合が多く、例外的に、集光性を優先させる
ことを意図した放物面や、小型化を優先した平面で構成
されたものが僅かにみられるのみであり、本実施の形態
のように開口面積の割合が増加していくものはなかっ
た。
方向の配光特性を、主にこの反射傘のみによって規制す
る場合が多く、射出面の開口面積を必要最小限の大きさ
に抑える目的から上記形状が採用されていたものと考え
られる。
従来とは異なり、主にこの反射傘3のさらに前方に配置
した光学部材4により上下方向の配光特性の規制を行っ
ている。
に、上下方向の配光特性を全反射により制御する光学部
材4を配置し、上下方向の照射角度を一定範囲に抑える
と共に、複数回反射を利用することにより上下方向の高
さを最小限に抑えた構成をとっている。
は、主に反射傘3の前方に配置した光学部材4の全反射
によって規制されるが、光源後方の円弧部3aの反射光
と、光学部材4の全反射光とを光学部材4の射出面4b
において上下方向で連続的に変化させることが、配光を
均一化させる上で重要である。
反射傘3の射出部付近の形状を上記光学部材4の全反射
光と連続した反射特性を持たせるような形状としたもの
である。
ては、平面で構成した光学部材の上下反射面の射出光軸
に対する傾きをθ、光学部材4の屈折率をnとすると、
光学部材4への入射直前での反射傘の接線の傾きをαと
すると、以下の式を満たすような角度関係であることが
望ましい。
反射面3b,3b´と、光学部材4の全反射面との反射
率こそ異なるが、反射角度特性としては、連続的な反射
光の分布が得られる。
における接線の傾きαは規制される。次に、この傾斜と
後方の円弧部3aの反射面とを結ぶ形状について説明す
る。
としては、光源後方の円弧部3aから、光学部材4の入
射面4a近傍の曲線の接線の角度αに連続的に繋がる曲
面であることが望ましい。このよう形状に反射傘3を形
成することによって、反射成分に不連続点がなくなり、
配光ムラのない均一な配光特性を得ることができること
になる。
よる悪影響があるため、円弧部3aから連続して非球面
形状を開始することが、必ずしも最適な形状となるとは
限らない。
の連続的な角度変化を起こさせる曲面を閃光放電管2の
ガラス部に再入射しない光源中心よりやや前側から開始
させることによって、不要な光量ロスを未然に防止させ
ることができる。
状的な特徴は、光学部材4における全反射面4c,4c
´の少なくとも射出面近傍4b,4b´の全反射面形状
を、反射傘3の射出面の近傍の形状と同様に射出端4b
に近づくにつれて開口面積の増加率が大きくなるような
曲面形状で構成していることである。特に、本実施の形
態における光学部材4の形状では、入射面4aから続く
傾斜平面形状に対して、この傾斜平面に接するような曲
面形状としている。
ける曲面形状に関しては、最適な曲率βが存在し、該曲
率が小さ過ぎてもまた大き過ぎても均一な配光特性を得
ることができない。実験的な数値解としては、全反射面
の傾きにもよるが、以下の曲率(mm)の範囲にあるこ
とが望ましい。
光学部材4の射出部104b付近の光束を僅かに拡散さ
せるだけでなく、大幅に変化させてしまう為、本来の照
射角度範囲よりも狭い配光分布となってしまい所望の範
囲の配光分布を得られないばかりでなく、補正過多によ
る新たな配光分布ムラを生じやすくなる。また、上限値
であるR300以上である場合には、拡散性が十分でな
く、配光ムラを十分に取り切れずに、横縞状の配光ムラ
が残ってしまうことになる。
R110で射出面近傍の曲率を規制し、照射面上での配
光ムラが最小になるように最適化している。
射出面104b付近の上下の射出面近傍部4b,4b´
の形状を一定曲率のシリンドリカル面としているが、必
ずしも一定曲率の曲面である必要はなく、これと同等の
効果を持つ非球面や他の2次曲面としても差し支えない
ことは言うまでもない。
効であることを説明する為に、図7に示す従来例として
反射傘103の射出面近傍の上下の反射面103b,1
03b´の形状が平面であり、かつ光学部材104の上
下の全反射面104c,104c´の射出面近傍も平面
のみで構成されたものと、また、図9に示すように、反
射傘3における上下の反射面3b,3b´の射出面近傍
形状のみを本実施の形態のように射出面の面積の増加率
が大きくなる形状で構成し、光学部材104を図7に示
すものとを組み合わせた第1の実施の形態の変形例のも
のとを対比させながら配光ムラが生じる過程を詳細に説
明する。
(b)に示す射出光軸方向とほぼ同一方向に進む光束に
ついて説明する。
いて、射出光軸方向に寄与する光束は、光源である閃光
発光管2からの直接光と、反射傘3の上下の拡開反射面
3b,3b´のそれぞれによる一回反射光と、さらに光
学部材4の上下の全反射面4c,4c´による一回反射
光、の計5種の光束が寄与していることがわかる。
4の全反射光Bの間に、反射傘3による反射光Cが狭い
領域ではあるが、存在していることが大きな特徴となっ
ている。この状態は、図9(b)に示す本第1の実施の
形態の変形例の場合もほぼ同様である。
は、反射傘103の上下の拡開反射面(射出面)103
b,103b´、および光学部材104の反射面104
c,104c´をすべて平面で構成しているので、光源
である閃光発光管2からの直接光Aと、光学部材104
の反射面104c,104c´による全反射光Bしか存
在せず、それぞれの光束の間には、大きな幅で射出光軸
方向に向かう光束がない領域Dが存在している。
路を直接光A、反射傘3による反射光C、光学部材4に
よる反射光Bの大きく分けて3種5層の成分が存在し、
かつ、それぞれの領域の間に大きな隙間を生じさせない
光学系となっている。
03b´を平面で構成した図7(b)では、射出光軸中
心に向かう直接光Aと、光学部材104の反射面104
c,104c´による反射光Bが離れた位置で存在して
いることがわかる。
うな各領域の境界部で光束の存在しない領域がなく境界
部でも連続した光束が存在することによって、配光ムラ
のない均一な配光特性を得られる。
たように、閃光放電管2には、実際には放電管封止部材
であるガラス管が存在し、この部分での不連続性が配光
ムラを生じさせている。
部の影響を最小限に抑える構成をとることも配光ムラを
未然に防ぐ方法として望ましい。
為、不連続部であるガラス管の領域のごく近傍、すなわ
ち、反射傘3の射出開口部近傍の形状に特に工夫を凝ら
し、この領域に達する光束を狭い領域ではあるが、幅広
い角度範囲で反射光が確実に得られるような面形状とし
ている。すなわち、開口部を押し広げるような外向きの
曲率を持たせる、言い換えると開口部に近づくにつれて
開口部の面積が増大するような形状としている。
反射面3b,3b´を上記した開口部に近づくにつれて
開口部の面積が増大するような形状とすることによっ
て、各角度成分の照度分布が特性の異なる複数の反射光
成分を常に持つことになり、光束の不連続点の存在を目
立ちにくくして配光の均一化を図る効果がある。
(c)に示すように、所定角度光軸から傾いた方向で、
ちょうど光学部材4、104の上側の反射面4c,10
4cでの反射光成分がほとんどなくなる角度(本実施の
形態では上側6°)に向かう光束に着目して考える。
の形態においては、光学部材4の上側反射面4cの反射
成分がなくなりつつあるが、これを補うように、反射傘
3の上側拡開反射面3bで反射した光束が、光学部材4
の下側反射面4c´でさらに全反射した2回反射光C´
が増加していることがわかる。このことによって、照射
面上においても、照度は均一になるように維持される
為、配光ムラは生じにくい。
に、反射傘103,3の上下の反射面(射出面)103
b,103b´、および光学部材104の上下の反射面
104cの少なくとも一方を平面とした場合(約6°の
角度成分)には、図1(c)に示す本実施の形態の場合
とは異なり、反射傘103、3の上側拡開反射面103
b,3bと、光学部材104の下側反射面104cの全
反射による2回反射光が不十分もしくはほとんど存在せ
ず、この角度成分の光束は減少することになる。
°の角度領域で暗部を生じ、照射面上での配光分布とし
ては横縞状の周囲に比べて暗い領域が発生することにな
る。
4c,104cの全反射成分が全くなくなる角度(本実
施の形態では上側約10°)の場合について、図1
(d)、図7(d)、図9(d)を用いて説明する。
拡開反射面3bで反射し、さらに光学部材4の下面で全
反射する2回反射成分C´は、上記図1(c)の状態か
ら引き続いて存在する。このため、配光特性上の急激な
明暗の変化はなく、ほぼ均一な照度分布が得られる。
では、反射傘103、3の上拡開反射面103b,3b
で反射した光束が、光学部材104の下全反射面104
c´で全反射する2回反射成分C´が急激に増加し、照
射面上での配光特性としては明部を構成する。特に、従
来例を示す図7(d)の反射傘103の上拡開反射面1
03bと光学部材104の下全反射面104c´を平面
とした場合では、この増加が顕著となり、極端に明るく
なる。この場合の配光特性としては、一度暗くなった領
域の外側に隣接して明るい層が発生する為、配光ムラを
より顕著なものにしている。
く、照射面上の各角度成分に関して連続的に求め表示し
た図(配光特性分布図)が、図5、図8、図10であ
る。尚、本実施の形態を図5に、従来例を図8に、本実
施の形態の変形例を図10にそれぞれ対応させている。
ここで、直線Lは照射中心を示し、照射中心部の強度を
1.0とした場合の各角度成分の強度の割合(距離一定)
を連続的に結んで示している。尚、該照射中心線Lを境
にして図中右側が上方向、左側が下方向での配光状態を
示す。
の反射面103b,103b´を平面で構成した場合、
図8に示すように、照射方向を変化させるにつれて上面
反射光がまず消失し、次に直接光の成分が消失するとい
うように徐々に各照射方向に関与する成分が移り変わっ
ていく。この移り変わりの際に、はっきりとした明暗差
が生じ、人間の目としては配光ムラとして認識される。
特に、光学部材104の射出面が平面である場合に、あ
る一定角度(本実施の形態では、6°付近)から反射傘
103と光学部材104のそれぞれ1回反射の計2回反
射光成分が急激に増大し、明るさの変化が著しい。これ
と共に、この現象が各断面でほぼ同時に進行して、照射
面上では閃光放電管の軸方向と平行にはっきりとした線
状の明暗、すなわち配光ムラが生じることになる。人間
の感性としては、線状の明暗差に関しては極めて敏感に
反応し、僅かな明暗の差も配光ムラとして認識されやす
い。
射面3b,3b´を開口部に近づくにつれて開口部の面
積が増大するような形状とした本実施の形態の変形例の
構成では、図10に示すように、上記した図8の従来例
と同様にこの明暗部が生じるが、図8に示した明暗差よ
り少なく飛びぬけたピークがなくなっており、配光ムラ
が緩和されていると言える。
は、この線状の明暗差を発生しにくくさせる為、上記光
路の存在しない領域を最小限に抑える、また光路の存在
しない領域に新たな光路を設け急激な明暗差を生じさせ
ないようにする、さらには明暗の変化を同時に生じさせ
ないように切り替わりの領域の状態をぼかすなどの方法
をとっている。このことにより、配光ムラを未然に防止
することが可能になった。
性図では、約5°から10°の領域で際立った明暗の差
が生じない光学系になっているが、従来例を示す図8に
おいては、この5°から10°の角度領域で大幅な明暗
差が生じていることがわかり、これが従来の横縞状の配
光ムラになっていることがわかる。このように、本実施
の形態に示すような対策を施すことによって、この明暗
差を生じさせる照度ムラを未然に防止することができ
る。
部材の全反射による複数回反射を利用した照明光学系に
おいては、その各反射層の切換わりのポイントで配光ム
ラを生じやすいが、本実施の形態に示すような、各反射
面の射出面近傍の形状を工夫することにより、各照射角
度方向への照射に対しても、大幅な照度変化を起こさせ
ず、均一な配光特性を持たせた照明光学系を達成するこ
とができる。
も、光路上に拡散面を必要とせずに配光ムラを容易に対
策できる為、必要画角外への照射によるエネルギロスも
少なく、全体形状や大きさに与える影響も少ない為、極
めて効率の良い配光ムラ対策になっている。
示す構成に限定されるものではなく、図1の光学部材4
と図7に示す反射傘103との組み合わせであっても良
い。
施の形態を、図6を用いて説明する。
明装置、特に本実施の形態では閃光発光装置であり、こ
の主要光学系のみの斜視図を示している。
ン管)、23は反射傘をそれぞれ示し、第1の実施の形
態のものと略同様の構成を有している。24は、閃光放
電管22から直接射出した光束及び反射傘23で反射し
て入射した光束を、被写体側へ効率良く照射させる照明
光束導光用の光学部材である。上記光学部材24の材料
としては、第1の実施の形態と同様にアクリル樹脂等の
透過率の高い光学用樹脂材料、またはガラス材料が適し
ている。
る手段として、必要最小限の拡散面を用いた実施の形態
であり、全体形状の大型化を防ぐと共に、光学特性の劣
化をほとんど招くことなく、配光ムラに影響を与える必
要最小限の成分のみを拡散させたものである。以下、図
6を用いてこの最適形状の設定方法に関してさらに詳し
く説明する。
光装置発光光学系の分解斜視図である。配光特性の均一
化を図る為、光学部材24の射出面近傍の上下面に射出
面に近づくにつれて拡散度合いの高まる拡散面24aを
形成し、入射面近傍に、入射部付近で最も拡散性が高く
入射部から離れるにつれて徐々に拡散の度合いが落ちる
拡散面24bを形成している。
る方法として、拡散面自体の拡散度合いは一定とし、拡
散面の面積変化によって拡散度合いを変化させる方式を
とっている。たとえば、本実施の形態の状態は、図示の
ように、拡散面24aが光学部材24の射出面に行くに
従って広い面積となるような射出面を底辺とする複数の
三角形の拡散面を配列することによって、上記効果が出
るように構成している。尚、図示の例では、上面のみに
この拡散面が形成されているように見えるが、下面につ
いても同様な拡散面が形成されている。
に拡散面24aを形成し、射出面近傍に近づくにつれて
拡散度合いを増加させることによって、第1実施の形態
と同様な効果を得ることができる。すなわち、光学部材
24の上下反射面による反射光と反射面を介さないで直
接射出する光束の間に不連続な領域ができ照射面上で配
光ムラの生じやすいが、この領域に拡散面を形成するこ
とによって不均一な領域の成分を散らすことができ、均
一な配光特性を持たせた照明光学系を実現することがで
きる。
も同様に、反射傘23での反射光と光学部材24の入射
部付近の全反射光の不連続点に関しても、このように光
軸方向に進むにつれて、拡散部分の面積を徐々に変化さ
せることによって、配光の均一化を図ることができる。
射出面側と入射面の両方に拡散面を形成した例を示した
が、必ずしも両側に拡散面を形成する構成に限定され
ず、どちらか一方のみに拡散面を構成しても良い。ま
た、拡散面の形状に関しても、本実施の形態では、三角
形状の拡散面を形成しているが、必ずしもこの形状に限
定されず他の形状でも良く、不連続点を形成する領域の
近傍で、拡散性を徐々に変化させる形状であればよい。
うに、反射傘の拡散性を変化させるように構成してもほ
ぼ同様の効果が得られる。例えば、反射傘23の射出部
近傍の一部に拡散面の処理を施すように構成してもよ
く、このことによって境界部周辺の配光変化をなだらか
に行うことができる。
界部近傍の拡散を拡散部の面積の増減によって行ってい
るが、必ずしもこの形態に限定されず、形状の変化で拡
散性を変えるように構成し、境界面近傍の拡散性を周囲
形状に比べて増すように構成しても良い。このように構
成することによって、上記第2実施の形態とほぼ同等の
効果が得られる。
わり部を形成する場所の近傍で、拡散性を徐々に変化さ
せるような形状をとることによって、照射面上で、明暗
差の少ない均一な配光特性を得ることができる。
上下に薄い扁平タイプの照明光学系において、構造上ど
うしても発生しやすい横縞状の配光ムラを、コスト高と
なる光学部品の追加を行うことなく、必要最小限の部品
構成で防止することができる。しかも、このとき光学系
の前後方向に余分なスペースを必要とせず、また光学特
性的にも本来拡散させる必要のない成分は拡散させずに
行うことができる為、極めて効率の良い配光制御を行う
ことができる。
加工を施すことによって配光ムラ対策ができる為、製品
個々のばらつきが少なく、安定した配光ムラ対策になる
など利点がある。
光発光装置光学系の閃光放電管径方向の縦断面図。
管軸方向の断面図。
視図。
したカメラの斜視図。
た配光特性図。
光学系のみの分解斜視図。
来の閃光発光装置光学系の閃光放電管径方向の縦断面
図。
図。
の閃光放電管径方向の縦断面図。
Claims (11)
- 【請求項1】 光源手段からの光束を前方に配置した光
学部材および後方を覆う反射傘とを介して所定の照射角
の照射光として照射する照明装置において、 前記光学部材は、入射面からの光束の一部を全反射させ
る反射面を有し、前記光学部材の射出面近傍の前記反射
面と、前記反射傘の射出面近傍の反射面との双方又はい
ずれか一方の反射面は反射前後での角度変化が射出面に
向かうにつれて徐々にに増大する特性を有することを特
徴とする照明装置。 - 【請求項2】 光源手段からの光束を前方に配置した光
学部材および後方を覆う反射傘とを介して所定の照射角
の照射光として照射する照明装置において、 前記光学部材は、前記光源手段に対向した入射面と、前
記入射面からの光束の一部を全反射させる反射面と、前
記入射面と対向した射出面とを有し、前記反射面は、少
なくとも2種の面形状から構成され、前記射出面近傍側
の面形状を前記入射面側の面形状に対し曲率半径が小さ
くかつ前記光学部材の外側に中心があるような曲面で構
成したことを特徴とする照明装置。 - 【請求項3】 光源手段からの光束を前方に配置した光
学部材および後方を覆う反射傘とを介して所定の照射角
の照射光として照射する照明装置において、 前記光学部材は、前記光源手段に対向した入射面と、前
記入射面からの光束の一部を全反射させる反射面と、前
記入射面と対向した射出面とを有し、前記反射傘の射出
面近傍の反射面の形状を、前記射出面に向かうにつれて
光軸に対する接線の傾きが徐々に増加するような曲面で
構成したことを特徴とする照明装置。 - 【請求項4】 光源手段からの光束を前方に配置した光
学部材および後方を覆う反射傘とを介して所定の照射角
の照射光として照射する照明装置において、 前記光学部材は、前記光源手段に対向した入射面と、前
記入射面からの光束の一部を全反射させる反射面と、前
記入射面と対向した射出面とを有し、前記光学部材の反
射面中の少なくとも射出面近傍の反射面及び/又は前記
反射傘における前記光学部材への入射部近傍の反射面
を、拡散度合いが端面部に近づくにつれて増加する拡散
面としたことを特徴とする照明装置。 - 【請求項5】 前記光学部材の反射面は、射出面に向か
って広がる一定角度の傾斜平面を基本的構成として有
し、射出面近傍を該傾斜平面と接し、徐々に開口を広げ
る曲面で構成したことを特徴とする上記第1から3のい
ずれかに記載の照明装置。 - 【請求項6】 前記光学部材の傾斜面に接する曲面の曲
率β(mm)を、 R30 ≦ β ≦ R300 としたことを特徴とする請求項5に記載の照明装置。 - 【請求項7】 前記光学部材の反射面の射出面近傍の形
状を、前記射出端面部が拡散面の面積が広く、端面部か
ら離れるに従って徐々に拡散面の面積が減少するような
形状としたことを特徴とする請求項4に記載の照明装
置。 - 【請求項8】 前記光学部材の反射面の基本形状を射出
面に向かって広がる一定角度の傾斜平面とし、前記反射
傘の射出面近傍の反射面形状を前記傾斜平面と反射特性
が連続する曲面で構成したことを特徴とする請求項3に
記載の照明装置。 - 【請求項9】 前記反射傘は、前記光源手段の中心とほ
ぼ同心形状の反射面を少なくとも一部に形成しているこ
とを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の照明
装置。 - 【請求項10】 前記光源は、直管状の閃光放電管であ
り、前記光学部材の反射面は少なくとも前記放電管の径
方向の断面に関して成り立つことを特徴とする請求項1
から9のいずれかに記載の照明装置。 - 【請求項11】 請求項1から10のいずれかに記載の
照明装置を有し、装置本体の外表面に少なくとも前記光
学部材の光射出部の一部を表出させていて、前記光学部
材と、前記光源と、前記反射傘を一体的に保持して構成
され、前記装置本体内に配置された発光部ユニットとを
少なくとも有することを特徴とする撮影装置。
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