JP2003232773A - 複合ガスセンサ素子 - Google Patents
複合ガスセンサ素子Info
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Abstract
子を提供すること。 【解決手段】 複数の電気化学的セル2,3,4を備
え,各電気化学的セル2,3,4は使用時に活性化温度
に保持する位置に配置する。または,各電気化学的セル
2,3,4は応答時間に対応した位置に配置する。また
は,各電気化学的セル2,3,4は活性時間に対応した
位置に配置する。また,上記電気化学的セルは被測定ガ
ス中のNOx濃度を検出可能なセンサセル,上記電気化
学的セルは被測定ガス中のO2濃度を検出可能な酸素濃
淡起電力式のO2セルである。
Description
され,排気ガス中の特定ガス濃度やその他のパラメータ
ーを同時に測定可能な複合ガスセンサ素子に関する。
ガス中のNOx濃度を測定する必要がある。また,排気
ガス中の酸素濃度を測定したり,エンジンの燃焼室にお
ける空燃比を測定する必要もある。
備えたセンサを複数本各部に設置することもあるが,設
置スペースの削減,設置コストの削減から,1本で複数
のガス濃度やエンジンパラメーターを測定可能に構成し
た複合ガスセンサを用いることがある。ここで用いるガ
スセンサの内部に設けた複合ガスセンサ素子は,上記各
測定に利用可能な電気化学的セルを備えている(例え
ば,特許文献1)。
子の場合,電気化学的セルの種類に応じて各種特性が異
なるため,単独の電気化学的セルよりなるガスセンサ素
子と比較して性能が低かった。これは,ある電気化学的
セルに応じて使用環境や条件を最適化し,精度高い測定
が可能となるように複合ガスセンサ素子の条件を整えて
やっても,別の電気化学的セルで精度高い測定が可能で
あるとは限らないためである。
されたもので,高精度の測定が可能となる複合ガスセン
サ素子を提供しようとするものである。
ルを備え,各電気化学的セルは使用時に活性化温度に保
持する位置に配置することを特徴とする複合ガスセンサ
素子にある(請求項1)。
ルを備え,各電気化学的セルは応答時間に対応した位置
に配置することを特徴とする複合ガスセンサ素子にある
(請求項4)。また,第3の発明は,複数の電気化学的
セルを備え,各電気化学的セルは活性時間に対応した位
置に配置することを特徴とする複合ガスセンサ素子にあ
る(請求項8)。また,第4の発明は,複数の電気化学
的セルを備え,各電気化学的セルは使用時に活性化温度
に保持する位置であって,かつ応答時間および活性時間
に対応した位置に配置することを特徴とする複合ガスセ
ンサ素子にある(請求項11)。また,第5の発明は,
被測定ガス中のNOx濃度を検出可能なセンサセルと,
被測定ガス中の空燃比を検出可能な限界電流式の空燃比
セルと,これら電気化学的セルに熱を付与する発熱体と
を備え,上記空燃比セルは上記センサセルよりも上記発
熱体に近い位置に配置されていることを特徴とする複合
ガスセンサ素子にある(請求項12)。
電気化学的セルを特性に応じた位置に設けることで,い
ずれの電気化学的セルも最適な環境での作動を実現する
ことができ,高精度のガス濃度測定を実現することがで
きる。よって,第1〜第5の発明によれば,高精度の測
定が可能となる複合ガスセンサ素子を提供することがで
きる。
2の発明(請求項4),第3の発明(請求項8),第4
の発明(請求項11),第5の発明(請求項12)にか
かる複合ガスセンサ素子は,1本の素子で複数種類のガ
ス濃度やその他の特性を測定できるように異種の電気化
学的セルを設けた構成である。ここに,電気化学的セル
は一対の電極と該電極を設置する固体電解質体とよりな
る。
質板や絶縁板等を複数枚積層して構成した積層型の素子
で,通常は,セラミック板と通電により発熱する発熱体
とより構成されたセラミックヒータを一体的に設ける。
なお,別体として上記セラミックヒータを設けることも
ある。
使用時する際に活性化温度に保持する。複合ガスセンサ
素子の各部温度は,該複合ガスセンサ素子に設けたセラ
ミックヒータや複合ガスセンサ素子をさらす雰囲気温度
や,複合ガスセンサ素子の内部に導入される被測定ガス
がある場合は,この被測定ガスの温度等によって定ま
る。
の各部温度を実使用環境下で測定する等して,各電気化
学的セルの活性温度に近い状態にある箇所に各電気化学
的セルが位置するように複合ガスセンサ素子を設計する
ことができる。また,上記活性温度は電気化学的セルが
正常に作動する温度範囲である。活性温度は,電気化学
的セルの種類や構成に応じて定まる。
のNOx濃度を検出可能なセンサセルであり,該センサ
セルは使用時に活性化温度の600〜800℃に保持す
る位置に配置することが好ましい(請求項2)。また,
上記電気化学的セルは被測定ガス中のO2濃度を検出可
能な酸素濃淡起電力式のO2セルであり,該O2セルは使
用時に活性化温度の350〜600℃に保持する位置に
配置することが好ましい(請求項3)。
定ガス中のNOx濃度(請求項2の場合),正確な被測
定ガス中の酸素濃度(請求項3の場合)を検知可能な素
子を得ることができる。また,この複合ガスセンサ素子
を内燃機関の燃焼排気系に設置した場合は,該内燃機関
の燃焼室における空燃比を正確に得ることができる。
合は,センサセル上でのNOxの分解活性が低下し,N
Ox濃度を正確に検知することができなくなるおそれが
あり,800℃を越えると,排気ガス中に水が存在した
場合,水がセンサセル上で反応し,NOx出力に影響を
与え,誤検知が生じるおそれがある。
る場合は,O2セルの起電力が生じないおそれがある。
または,生じた起電力が小さくてリッチ及びリーンの正
確な検知ができなくなるおそれがある。600℃を越え
ると,排気ガス中のCO2等が電極上で分解し始めてO2
が発生するため,リッチ側の出力が低下し,リッチ及び
リーンの正確な検出ができなくなるおそれがある。
セルは応答時間に対応した位置に配置する。ここに応答
時間とは,変動する環境におかれた各セルが,環境の変
動に対応した出力を発するまでの遅延時間である。その
定義は後に例示する。
する被測定ガスの流速等に依存するため,応答時間の速
いものほど被測定ガス流れの上流側に,遅いものほど下
流側に設ける必要がある。
のNOx濃度を検出可能なセンサセルであり,該センサ
セルの応答時間は2秒以下であることが好ましい(請求
項5)。 また,上記電気化学的セルは被測定ガス中の
O2濃度を検出可能な酸素濃淡起電力式のO2セルであ
り,該O2セルの応答時間は150ミリ秒以下であるこ
とが好ましい(請求項6)。また,上記電気化学的セル
は限界電流式の空燃比セルであり,該空燃比セルの応答
時間は200ミリ秒以下であることが好ましい(請求項
7)。
定ガス中のNOx濃度(請求項5の場合),正確な被測
定ガス中の酸素濃度(請求項6の場合)を検知可能な素
子を得ることができる。また,複合ガスセンサ素子を内
燃機関の燃焼排気系に設置した場合に,該内燃機関の燃
焼室における空燃比を正確に検知可能な(請求項7の場
合)素子を得ることができる。
は,NOxの排出が増大し,エミッション不良が生じる
おそれがある。また,O2セルの応答時間が150ミリ
秒を越えた場合は,空燃比を精度よく検出することがで
きず,空燃比制御の精度が低下し(λ=1で高精度な制
御が実現できず),エミッションが悪化するおそれがあ
る。
秒を越えた場合は,空燃比を精度よく検出することがで
きず,空燃比制御の精度が低下し(λ=1で高精度な制
御が実現できず),エミッションが悪化するおそれがあ
る。
例にとると次のような測定により規定できる。センサセ
ルの出力は被測定ガス中のNOx濃度に比例するイオン
電流に由来する。そこで,所定濃度のNOx濃度の被測
定ガス中にセンサセルを設置し,該セルに電流計を接続
して,イオン電流の大きさを測定する。この状態で急激
(5ミリ秒以内)にNOx濃度を変動させると,酸素イ
オン電流も変動する。
に時間をとると,後述する図3に示すごとき線図が得ら
れる。ここで,変動前のセンサセル出力d1,変動後の
センサセル出力d2との差Dとすると,センサセル出力
がd1+0.63Dとなる時刻t1とNOx濃度を変動
させた時刻t0との差がtとなる。この値tをセンサセ
ルの応答時間とする。他のO2セル,空燃比セルについ
ても同様の測定方法で応答時間を求めることができる。
セルは複合ガスセンサ素子内の活性時間に対応した位置
に設ける。ここに活性時間とは,各セルが活性時間に到
達するに要する時間である。例えば,この発明にかかる
複合ガスセンサ素子が内燃機関の排気系に設置された際
に,内燃機関のコールドスタートから,複合ガスセンサ
素子に設けられた各セルよりそれぞれの出力が得られる
までの時間となる。また,例えば,複合ガスセンサ素子
に対しセラミックヒータが設けてある場合,ヒータへ通
電した時刻から,各セルよりそれぞれの出力が得られる
までの時間となる。
依存し,より高い温度のところに設置されたセルは活性
時間が速くなる。また,活性時間は各セルの活性温度に
依存し,より低い活性温度のセルは活性時間が速くな
る。各セルの活性温度はセルの種類によって定まるが,
複合ガスセンサ素子の各部温度は被測定ガスが複合ガス
センサ素子内部に導入される際には,該被測定ガスの温
度,セラミックヒータが設けてある場合はヒータからの
伝熱距離によって定まる。そのため,あらかじめ複合ガ
スセンサ素子の各部温度を実使用環境下で測定する等し
て,各セルの活性時間に見合った箇所を求め,そこに各
電気化学的セルを配置するように複合ガスセンサ素子を
設計する。
のNOx濃度を検出可能なセンサセルであり,該センサ
セルの活性時間は30〜300秒であることが好ましい
(請求項9)。また,上記電気化学的セルは限界電流式
の空燃比セルであり,該空燃比セルの活性時間は5〜2
0秒であることが好ましい(請求項10)。
x濃度(請求項9の場合)を検知可能な素子を得ること
ができる。また,この複合ガスセンサ素子を内燃機関の
燃焼排気系に設置した場合に,該内燃機関の燃焼室にお
ける空燃比を正確に検知可能な(請求項10の場合)素
子を得ることができる。
である場合は,センサセルを急速に昇温する必要があ
り,熱応力によって素子に割れや亀裂などが生じるおそ
れがある。また,300秒を越えるとNOx触媒が活性
した後にセンサセルが活性することになり,エミッショ
ン不良となるおそれがある。
ある場合は,ヒータによって急速に空燃比セルを昇温さ
せる必要があり,熱応力により素子が割れたり,亀裂が
生じるおそれがある。30秒を越えると内燃機関のスタ
ート時のエミッションを低減できず,エミッション不良
となるおそれがある。
や空燃比セルが作動するまでの時間を示す。空燃比セル
の場合は,セルの部分の温度が素子の設置場所の温度か
ら600℃に到達するまでの時間である。本発明の場合
は,インピーダンスが100Ωとなるまでの時間であ
る。また,センサセルの場合は,温度が650℃に到達
するまでの時間である。本発明の場合はインピーダンス
が70Ωとなるまでの時間である。
セルは使用時に活性化温度に保持する位置であって,か
つ応答時間および活性時間に対応した位置に設ける。各
電気化学的セルをこのように配置することで,上述した
第1〜第3の発明の効果を得ることができる複合ガスセ
ンサ素子となる。
のNOx濃度を検出可能なセンサセルと,被測定ガス中
の空燃比を検出可能な限界電流式の空燃比セルと,これ
ら電気化学的セルに熱を付与する発熱体とを備え,上記
空燃比セルは上記センサセルよりも上記ヒータに近い位
置に設ける。上述のとおり,センサセルの活性時間は3
0〜300秒であることが好ましいのに対し,空燃比セ
ルの活性時間は5〜20秒であることが好ましい。そこ
で,センサセルよりも速く活性することが望まれる空燃
比セルを発熱体に近い位置に設ける。この構成により,
内燃機関のスタート時に発生するHCを削減するための
制御信号としての空燃比を早期に検出でき,エミッショ
ンを低減できる。
て説明する。
は,複数の電気化学的セルを備え,各電気化学的セルを
使用時に活性化温度に保持する。以下,詳細に説明す
る。図1に示すごとく,本例の複合ガスセンサ素子1
は,自動車エンジンの排気系に設置され,排気ガス中の
NOx濃度,排気ガス中の酸素濃度,排気ガス中の酸素
濃度からエンジン燃焼室における空燃比を検出する各種
の電気化学的セルを備えている。これらの電気化学的セ
ルは,センサセル4,O2セル2,空燃比セル3であ
る。なお,空燃比セル3は被測定ガス室121に対する
酸素ポンピングを行うポンプセルも兼ねている。
ンサ素子1は,図1に示すごとく,酸素イオン導電性の
ジルコニアセラミックよりなる固体電解質板11,固体
電解質板13,絶縁性のアルミナセラミックよりなるス
ペーサー12,14を積層し,ヒータ19を一体的に設
けて構成する。
ス室121,122及び両者間の被測定ガス通路123
を形成する。固体電解質板13は第1基準ガス室130
を,スペーサー14は第2基準ガス室140を形成す
る。ヒータ19はアルミナセラミックよりなるヒータ基
板191と被覆基板192,両基板間に設けられた通電
により発熱する発熱体195よりなる。
室121に連通するピンホール状の被測定ガス導入穴1
10が設けてあり,該被測定ガス導入穴110及びO2
セルの電極21ともども保護層119により覆われてい
る。この複合ガスセンサ素子1において,被測定ガスは
保護層119を経由して第1被測定ガス室121に導入
され,ここから被測定ガス通路123をつたって,第2
被測定ガス室122へと導入される。
対の電極21,22よりなり,電極21は保護層119
を介して複合ガスセンサ素子外部の被測定ガスにさらさ
れる。なお,保護層119は多孔質のセラミックで,被
測定ガスの導入を阻害しない。また,電極22は第2基
準ガス室140に対面する。
設けた一対の電極31,32よりなり,電極31は第1
被測定ガス室121,電極32は第1基準ガス室130
に対面する。また,センサセル4は固体電解質板11の
両面に設けた一対の電極41,42よりなり,電極41
は第2被測定ガス室122と対面し,電極42は第2基
準ガス室140と対面する。なお,電極22と41は同
一の電極が共用されている。
122に面するものについては,電極22,31はNO
xに対して不活性,電極42はNOxを窒素と酸素に分
解可能なNOx活性を持つ材料で構成する必要がある。
を備えたO2セル回路25を接続し,O2セル2が酸素濃
淡起電力式のセルとして機能する際の両電極21,22
の電位差を測定するよう構成する。この電位差が被測定
ガス中の酸素濃度となる。
351を備えた空燃比セル回路35が接続され,空燃比
セル3が限界電流式のセルとして機能する際に流れる電
流を測定する。この電流の大小はエンジン燃焼室(図示
は略する)の空燃比に対応しているため,この電流計の
値から空燃比を測定する。また,この空燃比セル3は酸
素をポンピングするため,第1被測定ガス室121,ま
たここに連通した第2の被測定ガス室122内の酸素濃
度を一定とする機能がある。
流計451を備えたセンサセル回路45が接続され,セ
ンサセル4の電極42において主としてNOx分解より
生じた酸素イオンによる限界電流を測定する。この限界
電流からNOx濃度を測定する。
寸法は以下のとおり。図2(b)に示すごとく,保護層
119からヒータ19までの厚みT1,素子1の先端面
aからO2セル2の電極21の先端側の端部bまでの長
さT2,電極21の端部bから他方の端部cまでの幅が
T3,先端面aから発熱体195の先端側の端部dまで
の幅がT4,センサセル4の電極41の先端側の端部e
から他方の端部eまでの幅がT5,端部dから端部eま
での幅がT6である。そして,T1=2.3ミリ,T2
=1ミリ,T3=1.6ミリ,T4=3.5ミリ,T5
=2.8ミリ,T6=5ミリである。
機に接続された排気管に搭載し,排気ガス温度400℃
において,センサセルの中心温度が680℃となるよう
にヒータを作動して測定された固体電解質板11の表面
における温度分布を図2(a)に記載した。なお,この
温度測定は,各セルの中心点に熱電対を設置して行っ
た。このように,O2セル2の中心は540℃,センサ
セル4の中心は682℃のであることがわかった。
O2セル2,センサセル4は,図2(a)より知れるご
とく,エンジンの作動時に特定温度範囲に保持される。
この温度は,各セル2,4における活性化温度である。
活性化温度において,各セル2,4は正しい検出ができ
るため,本例の複合ガスセンサ素子1は排気ガス中の酸
素濃度,NOx濃度,そしてエンジンの空燃比を正確に
測定することができる。
が可能となる複合ガスセンサ素子を提供することができ
る。
造の複合ガスセンサ素子を用いて,各セルの温度と出力
との関係について測定した。なお,温度の測定方法につ
いては,実施例1と同様の方法で行った。まず,排気ガ
スの温度とO2セルとセンサセルとの温度との関係を図
4に記載した。同図において,横軸が排気ガス温度,縦
軸が各セルの温度である。複合ガスセンサ素子は,通
常,素子温度を一定とするために,インピーダンス,ヒ
ータ抵抗といったものを検出し,該インピーダンス,ヒ
ータ抵抗を一定にするようにヒータを制御している。従
って,図4に示すごとく,センサセル及びO2セルの温
度は,ヒータ制御を行うことで,排気ガスの温度にかか
わらずほぼ一定になる。が,同図より明らかであるが,
特にヒータ制御を行わない場合でも,排気ガス温度が3
00〜600℃の範囲において,センサセルやO 2セル
は所定の温度範囲に保たれる。
出力との関係を記載した。縦軸がセンサセル出力(図1
における電流計451での測定値)で,該センサセルの
測定が正しければ排気ガス中のNOx濃度に対応した値
となる。横軸がセンサセルの温度である。また,この測
定ではNOを500ppm含有する排気ガスを用いた。
また,同図に示した計算値とは,NO500ppmの排
気ガスにおいて得られるセンサセル出力を計算によって
求めたものである。その結果,同図より明らかである
が,温度が600℃〜800℃までの間は,出力と計算
値がだいたい等しいが,それ以外の温度範囲では,計算
値から大きくはずれ,測定精度が悪化したことがわかっ
た。
セルの出力との関係を記載した。測定に当たってλは
0.9に保持した。横軸がO2セルの温度,縦軸がO2セ
ルの出力である(図1における電圧計251での測定
値)。O2セルの出力が0.7V以下の場合,O2セルの
制御中心がリーン側にずれるおそれがある。理由とし
て,通常O2セルの場合,制御電圧が0.45〜0.6
Vである。この電圧を境にリッチ,リーンを切り替えて
いる。
下の場合,リッチ側の電圧は制御電圧が0.5Vの場
合,0.5〜0.7V,リーン側は0.1〜0.5Vで
ある。この電圧領域がリーンに偏っているため,制御中
心がリーンにずれ,正確なストイキ検出(λ=1)がで
きない。その結果,同図より知れるごとく,O2セルの
温度が,300〜600℃であれば,およそ正しいλの
値がO2セルの出力より得られることがわかった。
結果で,排気ガスの温度を400℃に,そしてエンジン
の燃焼状態をリッチ側(λ=0.9)からリーン側(λ
=1.1)に切り替え,各セルの出力が変化するまでの
遅延時間を測定した。その結果,O2セルや空燃比セル
は切り替え後すぐにセンサの出力値が変わったが,セン
サセルはかなり時間が必要であることがわかった。
ジン実機を室温から作動させ,またこれと同時に複合ガ
スセンサ素子のヒータに通電した。この状態で空燃比セ
ルが600℃に達するまでの時間,センサセルの温度が
650℃に達するまでの時間を測定し,記載した。その
結果,センサセルのほうが空燃比セルよりも活性時間が
かなり遅いことがわかった。
り,センサセル,O2セルは実用上最適な温度となり,
センサ出力,応答性,活性時間が良好な複合センサとな
ることがわかった。
固体電解質板11にO2セル2と空燃比セル3を設け,
固体電解質板13にセンサセル4を設けた複合ガスセン
サ素子1である。
ル3の電極32は一枚の電極を共有して構成される。
の厚みS1,素子1の先端面aからO2セル2の電極2
1の先端側の端部bまでの長さS2,電極21の端部b
から他方の端部cまでの幅がS3,先端面aから発熱体
195の先端側の端部dまでの幅がS4,センサセル4
の電極41の先端側の端部eから他方の端部eまでの幅
がS5,端部dから端部eまでの幅がS6である。そし
て,S1=2.3ミリ,S2=1ミリ,S3=1.6ミ
リ,S4=3.5ミリ,S5=2.8ミリ,S6=5ミ
リである。
板11上の温度を測定したところ,図9(a)に示すご
とき,温度プロファイルが得られた。また,各セル2〜
4の中心温度S11,S12,S13はそれぞれ490
℃,590℃,660℃である。その他詳細な構成は実
施例1と同様であり,実施例1と同様の作用効果を有す
る。
く,固体電解質板11にO2セル2と空燃比セル3を設
け,固体電解質板13にセンサセル4を設けた複合ガス
センサ素子1である。 さらに,電極32を補完する補
助電極321を固体電解質板13に設けた。すなわち,
空燃比セル3は電極31と第1の被測定ガス室121に
面する電極32,321より構成される。なお,補助電
極321は被測定ガス室121の側面にも設けるが図示
は省略する。
の厚みU1,素子1の先端面aからO2セル2の電極2
1の先端側の端部bまでの長さU2,電極21の端部b
から他方の端部cまでの幅がU3,先端面aから発熱体
195の先端側の端部dまでの幅がU4,センサセル4
の電極41の先端側の端部eから他方の端部eまでの幅
がU5,端部dから端部eまでの幅がU6である。そし
て,U1=2.3ミリ,U2=1ミリ,U3=1.6ミ
リ,U4=3.5ミリ,U5=2.8ミリ,U6=5ミ
リである。
の電極総面積が広くなり,従って酸素ポンプ能力が向上
する。空燃比センサセル3は,NOxセンサセル4の精
度向上のために,第1の被測定ガス室121から酸素を
くみ出すポンプセルとしての役割も果たしており,補助
電極321を用いて第1被測定ガス室121やこれと連
通する第2の被測定ガス室122の酸素量をいっそう減
らすことができる。よって,センサセル4ではNOx由
来の酸素イオン電流の検出が容易となって,測定精度が
向上する。その他詳細は実施例1と同様である。
く,固体電解質板11にO2セル2と空燃比セル3を設
け,固体電解質板13にセンサセル4を設けた複合ガス
センサ素子1である。そして,O2セル2の電極22と
空燃比セル3の電極32は一枚の電極を共有して構成さ
れる。また,本例のセンサセル4は,電極41が固体電
解質板11に,もう一つの電極42は固体電解質板13
に設けてある。その他の構造やV1〜V6の寸法は実施
例3と同様であり,作用効果についても同様である。
く,実施例1に記載した複合ガスセンサ素子1と同じ構
造の素子である。ただし,固体電解質板11にピンホー
ル状の被測定ガス導入穴110を設けず,スペーサー1
2に対し素子1の先端面aから横穴を設けて,そこから
被測定ガスを導入するよう構成した。その他の構造やW
1〜W6の寸法は実施例1と同様であり,作用効果につ
いても同様である。
各複合ガスセンサ素子について,各セルの温度や応答性
を測定し,表1に記載した。なお,測定方法などは実施
例1,実施例2と同様に行った。表1によれば,実施例
3〜6にかかる構成であれば,温度,応答性,活性時間
について,O2セル,空燃比セル,センサセルはねらい
の値を満足することができる。
図。
温度分布の説明図,(b)各部寸法の説明図。
びセンサセルの温度を示す説明図。
セル出力との関係を示す線図。
力との関係を示す線図。
関係を示す線図。
示す線図。
温度分布の説明図,(b)各部寸法の説明図。
説明図。
説明図。
説明図。
Claims (12)
- 【請求項1】 複数の電気化学的セルを備え,各電気化
学的セルは使用時に活性化温度に保持する位置に配置す
ることを特徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項2】 請求項1において,上記電気化学的セル
は被測定ガス中のNOx濃度を検出可能なセンサセルで
あり,該センサセルは使用時に活性化温度の600〜8
00℃に保持する位置に配置することを特徴とする複合
ガスセンサ素子。 - 【請求項3】 請求項1または2において,上記電気化
学的セルは被測定ガス中のO2濃度を検出可能な酸素濃
淡起電力式のO2セルであり,該O2セルは使用時に活性
化温度の350〜600℃に保持する位置に配置するこ
とを特徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項4】 複数の電気化学的セルを備え,各電気化
学的セルは応答時間に対応した位置に配置することを特
徴とすることを特徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項5】 請求項4において,上記電気化学的セル
は被測定ガス中のNOx濃度を検出可能なセンサセルで
あり,該センサセルの応答時間は2秒以下であることを
特徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項6】 請求項4または5において,上記電気化
学的セルは被測定ガス中のO2濃度を検出可能な酸素濃
淡起電力式のO2セルであり,該O2セルの応答時間は1
50ミリ秒以下であることを特徴とする複合ガスセンサ
素子。 - 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1項において,
上記電気化学的セルは限界電流式の空燃比セルであり,
該空燃比セルの応答時間は200ミリ秒以下であること
を特徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項8】 複数の電気化学的セルを備え,各電気化
学的セルは活性時間に対応した位置に配置することを特
徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項9】 請求項8において,上記電気化学的セル
は被測定ガス中のNOx濃度を検出可能なセンサセルで
あり,該センサセルの活性時間は30〜300秒である
ことを特徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項10】 請求項8または9において,上記電気
化学的セルは限界電流式の空燃比セルであり,該空燃比
セルの活性時間は5〜20秒であることを特徴とする複
合ガスセンサ素子。 - 【請求項11】 複数の電気化学的セルを備え,各電気
化学的セルは使用時に活性化温度に保持する位置であっ
て,かつ応答時間および活性時間に対応した位置に配置
することを特徴とする複合ガスセンサ素子。 - 【請求項12】 被測定ガス中のNOx濃度を検出可能
なセンサセルと,被測定ガス中の空燃比を検出可能な限
界電流式の空燃比セルと,これら電気化学的セルに熱を
付与する発熱体とを備え,上記空燃比セルは上記センサ
セルよりも上記発熱体に近い位置に配置されていること
を特徴とする複合ガスセンサ素子。
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---|---|---|---|
JP2002352497A JP2003232773A (ja) | 2001-12-05 | 2002-12-04 | 複合ガスセンサ素子 |
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JP2001371718 | 2001-12-05 | ||
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021032086A (ja) * | 2019-08-19 | 2021-03-01 | 日本碍子株式会社 | 車両用エンジンの運転制御方法および車両システム |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002352497A patent/JP2003232773A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021032086A (ja) * | 2019-08-19 | 2021-03-01 | 日本碍子株式会社 | 車両用エンジンの運転制御方法および車両システム |
JP7240990B2 (ja) | 2019-08-19 | 2023-03-16 | 日本碍子株式会社 | 車両用エンジンの運転制御方法および車両システム |
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