JP2003231980A - ボイラ用の防食剤 - Google Patents

ボイラ用の防食剤

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JP2003231980A
JP2003231980A JP2002034028A JP2002034028A JP2003231980A JP 2003231980 A JP2003231980 A JP 2003231980A JP 2002034028 A JP2002034028 A JP 2002034028A JP 2002034028 A JP2002034028 A JP 2002034028A JP 2003231980 A JP2003231980 A JP 2003231980A
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boiler
mdea
corrosion
water
corrosion inhibitor
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Koichi Tanaka
浩一 田中
Masakazu Koizumi
雅一 小泉
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない薬剤量で高温腐食環境におけるpH上
昇が容易であり、揮発性が低くて蒸気への移行が少な
く、このため反応系への影響が少ないうえ、脱酸素剤を
併用する場合に脱酸能力を高くすることができ、少ない
添加量で高い防食効果が得られるボイラ用の防食剤を提
供する。 【解決手段】 メチルジエタノールアミンを含む防食剤
であって、さらにヒドラジン、1−アミノピロリジン、
N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等の脱酸素剤、防
食剤を、低・中圧ボイラのボイラ水に添加して防食を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラで発生する腐
食を防止するための防食剤、特に石油化学プラント、石
油精製プラント等で用いられる低・中圧ボイラの防食に
適したボイラ用の防食剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボイラはボイラ水を高温で蒸気を発生さ
せる構造となっており、ボイラを構成する金属(特に
鉄)の腐食を防止するために防食剤が使用されている。
石油化学プラント、石油精製プラントなどでは、排水や
廃熱の有効利用のために、排水(プロセスコンデンセー
ト)を給水とする、0.01〜2MPa−Gの低・中圧
廃熱ボイラが利用されていることが多い。これらのボイ
ラで発生する蒸気は、プロセスの反応系で利用されるこ
とがある。このような場合、無機のアルカリ性分や固形
分は反応系に悪影響を与えることがあるため、これらの
ボイラの防食には揮発性防食剤として用いられている中
和性アミンが採用されている。このような系で使用され
ている代表的な防食剤としてはモノエタノールアミン
(以下、MEAという場合がある)、モノイソプロパノ
ールアミン(以下、MIPAという場合がある)などが
ある。
【0003】しかし石油化学プラント、石油精製プラン
ト等の廃熱ボイラで採用されている従来の揮発性防食剤
の処理では、以下のような問題点がある。 (1)高温腐食環境でのpHが上がりにくい。 低・中圧ボイラ、特に1MPa−G以下のボイラにおい
ては、溶存酸素に起因する腐食が起こることが多い。そ
の対策としては、高温腐食環境でpHを上昇させ、併用
する脱酸素剤の効果を上げることが有効である。しか
し、従来の揮発性の防食剤は、高温腐食環境における解
離度が小さく、pHを上げにくかった。このため、pH
を上げるためには多量の揮発性防食剤を注入せざるを得
ず、コスト高になる。 (2)反応系への影響 対象となるような廃熱ボイラで発生する蒸気は、プロセ
スの反応系で使用されることが多いが、反応系では多く
の触媒が使われており、中和性アミンのような含窒素化
合物は、これらの触媒に対して悪影響を及ぼす場合が多
い。特に前記のようにpHを上げるために多量に添加す
ると、影響が大きい。 (3)揮発性が高い 従来のアミンは、揮発性が高く、蒸気へ移行する量が多
かった。このため、廃熱ボイラ系に添加できる揮発性防
食剤の量にも制限があった。これらの理由により、高温
腐食環境において十分にpHを上昇させ、かつスチーム
への移行性の低い揮発性防食剤が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、少な
い薬剤量で高温腐食環境におけるpH上昇が容易であ
り、揮発性が低くて蒸気への移行が少なく、このため反
応系への影響が少ないうえ、脱酸素剤を併用する場合に
脱酸能力を高くすることができ、少ない添加量で高い防
食効果が得られるボイラ用の防食剤を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は次のボイラ用防
食剤である。 (1) メチルジエタノールアミンを含むボイラ用の防
食剤。 (2) メチルジエタノールアミンおよび脱酸素剤を含
むボイラ用の防食剤。 (3) 脱酸素剤がヒドラジン、1−アミノピロリジン
およびN,N−ジエチルヒドロキシルアミンから選ばれ
る1種以上の化合物である上記(2)記載の防食剤。
【0006】本発明で防食剤の成分として用いるメチル
ジエタノールアミン(以下、MDEAという場合があ
る)はCH3N(CH2CH2OH)2で表される化合物であ
る。MDEAはそれ単独で防食剤とすることもでき、ま
た他の防食剤、脱酸素剤、皮膜性防食剤、安定剤その他
の補助剤と併用してもよい。
【0007】本発明ではMDEAと脱酸素剤とを併用す
る防食剤が好ましい。脱酸素剤としては従来より公知の
ものが使用できるが、ヒドラジン、1−アミノピロリジ
ンおよびN,N−ジエチルヒドロキシルアミンから選ば
れる1種以上の化合物が好ましい。
【0008】MDEAまたはMDEAと脱酸素剤の複合
剤を含む防食剤は、これらのみからなるものでもよく、
また水その他の溶媒その他の成分を含むものであっても
よい。複合剤の場合、それぞれの成分を別々にボイラに
注入して複合させてもよく、また予め配合剤としてボイ
ラに添加するようにしてもよい。
【0009】MDEAを含む防食剤において、MDEA
の配合割合は1〜100重量%であり、前述のように他
の薬剤との複合物であってもよい。MDEAと脱酸素剤
とを含む防食剤とする場合、両者の配合割合はMDEA
がボイラ水所定のpH、一般的にはpH10.5〜1
1.5に調整するのに必要な割合、また脱酸素剤がその
pHで所定の溶存酸素濃度、一般的には2μg/l以下
に脱酸素できる割合であるが、一般的にMDEA1〜9
9.9重量%、好ましくは40〜85重量%、脱酸素剤
が99〜0.1重量%、好ましくは0.1〜5重量%と
することができる。他の防食剤その他の薬剤の添加量は
その目的の範囲で任意に決めることができる。溶媒の配
合割合は任意に決めることができるが、全く含まなくて
もよく、薬剤自体の吸湿性により吸湿される範囲で含ん
でいてもよい。
【0010】対象系としては0.01〜2Mpa−G
(0.1〜20kgf/cm2G)の低・中圧ボイラが
適しており、特に石油化学プラント、石油精製プラント
などに設置されている廃熱ボイラ、例えばスチレンモノ
マー製造プラントの廃熱ボイラやエチレンプラントの廃
熱ボイラなどでの適用が有効であるが、使用対象をこれ
らの廃熱ボイラに限るものではなく、ボイラ一般に適用
することができる。
【0011】本発明の防食剤は上記ボイラのボイラ水に
添加した状態で防食効果を発揮する。ボイラ水に添加す
る方法としては給水系に添加することにより、防食剤が
給水とともにボイラに至り、そこでボイラ水に混合する
のが好ましいが、ボイラ水に直接添加してもよい。ボイ
ラではMDEAは一部揮発して蒸気とともに持ち出さ
れ、また脱酸素剤は脱酸素作用により消費されるので、
給水に所定量添加することにより、ボイラ水における防
食剤濃度を一定に保持することができる。
【0012】防食剤の添加量は、MDEAがボイラ水の
pHを前記値に調整するのに必要な量であり、また脱酸
素剤がそのpHにおいて前記所定の溶存酸素濃度に維持
するのに必要な量である。一般的には、MDEA、脱酸
素剤のそれぞれについてボイラ水中の濃度として100
〜10000mg/l、好ましくは500〜1000m
g/l、給水に添加する場合は給水に対して1〜100
0mg/l、好ましくは50〜200mg/lとするこ
とができる。
【0013】MDEAをボイラ水に添加することによ
り、ボイラ水中の高温腐食環境でのpHが上昇しこれに
より腐食性は低下する。また脱酸素剤を併用する場合は
pH上昇により脱酸素剤の脱酸素効率を高くすることが
できる。このため高温腐食環境での防食効果が大きくな
る。MDEAは高温腐食環境での解離性が従来のものよ
りも高いため、少量の添加量で所定のpHに上げること
ができる。しかも揮発性は低いため蒸気への持出は少な
く、このため薬剤の系外への持出による防食効果の減少
を少なくするとともに、反応系等への悪影響を小さくす
ることができる。pH上昇により脱酸素効果も高くなる
ので、脱酸素剤の使用量も少なくすることができる。
【0014】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、特定の薬剤
を用いることにより、少ない薬剤量で高温腐食環境にお
けるpH上昇が容易であり、揮発性が低くて蒸気への移
行が少なく、このため反応系への影響が少ないうえ、脱
酸素剤を併用する場合に脱酸能力を高くすることがで
き、少ない添加量で高い防食効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。各例中、%は重量%である。
【0016】実施例1、比較例1、2 実施例1としてMDEA、比較例1としてMEA、比較
例2としてMIPAの25℃、100℃、170℃にお
ける解離度ならびに100℃、170℃における揮発度
を調べた結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1よりMDEAは25℃の解離度は従来
品であるMEA、MIPAに比べて低いが、100℃、
170℃の解離度は従来品より高く、高温腐食環境にお
けるpH上昇効果が大きいことが解る。またMDEAは
従来品であるMEA、MIPAに比べると高温腐食環境
における揮発度は1/2以下であり、蒸気への移行が少
ないことがわかる。
【0019】実施例2 実施例2として、MDEA83重量%および脱酸素剤と
してのヒドラジン0.3重量%(残部水)を含む防食剤
について小型ボイラを用いて防食試験を実施した。試験
条件は、防食剤の添加量:給水に対して100mg/
l、圧力:0.1Mpa−G、給水:プロセスコンデン
セート(pH=9.0、炭酸(CO2)20mg/l、
ブロー率:1%である。それぞれの試験において効果の
確認は、ブロー水中の溶存酸素、全鉄、腐食環境でのp
H、スチーム中の全窒素、ボイラ缶内における腐食速度
について行った。結果を表2に示す。
【0020】実施例3 実施例3として、MDEA83重量%および脱酸素剤と
しての1−アミノピロリジン0.6重量%(残部水)を
含む防食剤について、実施例2と同様にして防食試験を
実施した。結果を表2に示す。
【0021】実施例4 実施例4として、MDEA83重量%および脱酸素剤と
してのN,N−ジエチルヒドロキシルアミン1.0重量
%(残部水)を含む防食剤について、実施例2と同様に
して防食試験を実施した。結果を表2に示す。
【0022】比較例3 比較例3として、MIPA83重量%および脱酸素剤と
してヒドラジン0.3重量%(残部水)を含む防食剤に
ついて、実施例2と同様にして防食試験を実施した。結
果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】以上の結果、本発明品は従来品に比べる
と、腐食環境でのpHを上げやすく、かつ蒸気中全窒素
の値から蒸気中への移行率も低いことが確認できた。こ
れらの効果により、脱酸素能力の向上、防食効果の改善
がはかられることも確認できた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルジエタノールアミンを含むボイラ
    用の防食剤。
  2. 【請求項2】 メチルジエタノールアミンおよび脱酸素
    剤を含むボイラ用の防食剤。
  3. 【請求項3】 脱酸素剤がヒドラジン、1−アミノピロ
    リジンおよびN,N−ジエチルヒドロキシルアミンから
    選ばれる1種以上の化合物である請求項2記載の防食
    剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006169627A (ja) * 2004-11-17 2006-06-29 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 防錆剤
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