JP2003231629A - 発泡性投与剤 - Google Patents

発泡性投与剤

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JP2003231629A JP2003015441A JP2003015441A JP2003231629A JP 2003231629 A JP2003231629 A JP 2003231629A JP 2003015441 A JP2003015441 A JP 2003015441A JP 2003015441 A JP2003015441 A JP 2003015441A JP 2003231629 A JP2003231629 A JP 2003231629A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】錠剤を飲み込むことができない子供や衰弱した
患者等に薬剤を投与する固形投与剤を提供する。 【解決手段】経口投与に適したサイズと形状を有する錠
剤の形態をなし、水又は唾液で活性化される発泡性崩壊
剤と薬剤成分を含む発泡性の固形投与剤。発泡は、可溶
性酸源とアルカリ金属炭酸源又は炭酸塩源との反応によ
り二酸化炭素ガスの発生による。可溶性酸源としては、
例えば、クエン酸、酒石酸等の食品酸、また炭酸塩源と
しては、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等
である。経口投与した場合、錠剤を迅速(30秒乃至7
分)かつ完全に崩壊させるのに有効な発泡崩壊剤の量
は、5〜50重量%の範囲にすべきである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、経口により摂取さ
れる固形投与剤に関する。 【0002】 【従来の技術】薬学の分野における1つの大きな問題と
して、多くの人が錠剤、カプセルその他の通常の固形投
与剤を摂取するのが苦手であったり、摂取をすることが
できないという問題がある。特に、子供は、薬、ビタミ
ン類、ミネラル類または食養生補給剤(dietary supplem
ent) を摂取するのを一般に好まない。ほとんどの子供
は、嗜好により薬を好まない。かかる問題は、薬、ビタ
ミン類、ミネラル類または食養生補給剤を毎日取らなけ
ればならない場合に、特に重要となる。 【0003】子供の口に一層合う薬、ビタミン類、ミネ
ラル類、食養生補給剤などをつくるために、数多くの技
術が採用されてきた。多くの小児薬には、多量の甘味剤
および風味剤を配合して、活性成分の味を隠蔽してい
る。例えば、一般的な子供用の総合ビタミン丸薬は、甘
味剤および風味剤をビタミン類およびミネラル類ととも
に含んでいる。米国特許第2,887,437号には、
アミノ酸を含有する口にし易いビタミン錠剤が開示され
ている。この錠剤は、全体が飲み込まれ、噛んでも嫌な
味を呈することがなく、口内で溶け、あるいは液体に溶
けるようにつくられている。この錠剤は、複数のビタミ
ン類、栄養上重要なアミノ酸、風味剤および崩壊剤とし
ての親水性澱粉を含有している。しかしながら、風味を
付された崩壊性丸薬は一般に、薬、特に、毎日投与する
ことが一般に必要となるビタミン類を摂取することに対
する子供たちの抵抗をなくすには有効ではないものとな
っている。これらの丸薬は、他の形態の投与剤と比べて
難点が少ないが、薬の味により風味が損なわれる場合が
しばしばある。薬、ビタミン類、ミネラル類などを人間
に広く投与する方法の1つとして、発泡性錠剤を使用す
る方法がある。 【0004】発泡(Effervescence) とは、液体中での気
体の泡の発生として定義することができる。マーセル・
デッカー・インコーポレイテッド(Marcel Dekker, In
c.) から1989年に発行された、エイ・リーバーマン
(A. Lieberman)著のファーマシューティカル・ドーセイ
ジ・フォームズ・タブレッツ・ボリュームI(Phar-mace
utical Dosage Forms: Tablets Volume I)第2版の第6
章(文献のかかる部分を引用して明細書中の記載に代え
る)に詳述されているように、発泡性混合物が知られて
おり、長年に亘って医薬に使用されてきた。本明細書に
おいて説明されるとともに、広く採用されているよう
に、発泡性錠剤は水に溶けて、炭酸即ち発泡性液体飲料
を提供する。このような飲料においては、発泡は薬剤の
味を隠す作用をする。しかしながら、発泡性錠剤を使用
して、薬剤をはじめとする飲み物をつくるのは便宜的で
はない。これを行なうためには、薬剤の投与に先立ち準
備工程が必要となるとともに、適宜の混合容器が必要と
なる。 【0005】発泡剤の従来の使用とは別に、米国特許第
4,639,368号には、口腔を介して吸収すること
ができる薬剤と、味隠蔽剤としての二酸化炭素を発生す
ることができる組成物とを含むチューインガムが記載さ
れている。このガムは、味蕾の感度を減ずる別の化合物
を任意に含むことができる。残念ながら、このようなガ
ムをベースとした配給系は、大きな欠点を本質的に有し
ている。数多くの薬剤は口腔吸収には適していない。ガ
ムはつくるのが困難である。更にまた、薬剤は、唾液に
溶解しなければならない。かくして、薬剤全体の味が感
知され、味隠蔽作用を受けるだけである。風味が満足の
いくものではなくしかも/あるいは発泡性の味隠蔽剤が
薬剤全体の解放前に効能をなくす場合には、患者には嫌
な味のするガムが残されることになる。ガムはまた、廃
棄しなければならない残留物を残す。 【0006】発泡性錠剤はまた、歯科の分野においても
使用されている。ウエストレイク(Westlake)の米国特許
第1,262,888号、ハウエル(Howell)の米国特許
第3,962,417号およびエイバーグ(Aberg) の米
国特許第4,753,792号には、歯清浄化作用を発
揮するように、患者の口内で発泡するようになっている
発泡性歯磨き錠剤が開示されている。 【0007】カフキン(Chavkin) の米国特許第4,61
3,497号には、発泡剤、ポリサッカリドガムおよび
ゲル化塩を、薬学活性(pharmaceutically active)成分
とともに含む発泡性薬剤組成物が開示されている。この
組成物は、直ちに崩壊するようにされているのではな
く、患者の胃その他の体腔内で安定な泡を形成して、活
性成分を泡から徐々に解放することができるようにして
いる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】適宜の形態の投与剤の
開発に対するこのような努力およびその他の努力がなさ
れているにも拘らず、改良された形態の投与剤、並び
に、薬、ビタミン類などのような組織に分配可能な薬剤
成分の改良された投与方法が待望されている。更に、ガ
ムを噛んだり、丸薬を摂取することができない子供をは
じめとする全ての子供が摂取することができ、かつ、子
供が容易に受け入れることができる、目的成分を好都合
で有効な形態で投与することができる投与剤の必要性が
高まっている。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、これらの要望
を満たすものである。本発明の一の観点によれば、直接
的な経口投与、即ち、患者の口に直接挿入するのに適し
た形態の固形投与剤が提供されている。本発明のこの観
点による形態の投与剤は、少なくとも1つの水および/
または唾液により活性化される発泡性の崩壊剤(disinte
gration agent)と、有効量の少なくとも1つの組織に分
配可能な(systemically distributable)成分とを含む混
合物からなる。この混合物は、患者、望ましくは、人間
の患者に対して直接経口投与するのに適したサイズと形
状の錠剤として存在する。この錠剤は、水および/また
は唾液に曝すと、実質上完全に崩壊することができる。
発泡性崩壊剤は、錠剤の崩壊を促進するとともに、錠剤
が患者の口に入ったときに発泡を明瞭に知覚させるのに
有効な量で存在する。 【0010】発泡の知覚は、患者にとって快適であるば
かりでなく、唾液の発生を刺激して発泡作用を更に促進
するので、余分な水の追加をなくすことができる。かく
して、錠剤は患者の口に入ると、患者の自発的な作用を
必要とせずに迅速にかつ実質上完全に崩壊する。組織的
に分配可能な成分は、かくして、患者が通常飲み込む患
者自身の唾液の中で溶けあるいは懸濁する。患者が錠剤
を噛まない場合でも、崩壊は速やかに進行する。従っ
て、本発明に係る投与剤は、衰弱した患者、固形物を摂
取することができあるいは摂取しない患者および年配者
のような人々に投与する場合に特に有用である。 【0011】本発明の特に好ましい観点によれば、人間
の患者に直接経口投与するのに適したサイズと形状を有
する錠剤の形態をなす、水または唾液で活性化される少
なくとも1つの発泡性崩壊剤と複数のマイクロカプセル
との混合物からなる、人間の患者に直接経口投与するの
に適した固形投与剤が提供されている。このマイクロカ
プセルは人体組織に分配可能な少なくとも1つの薬剤成
分と該薬剤成分を実質上包む封入体とを含み、該封入体
は、患者の口内で個々のマイクロカプセルが溶解するの
を実質上防止し、マイクロカプセルは薬剤成分を迅速に
開放する。錠剤は水または唾液に曝されると実質上完全
に崩壊して、マイクロカプセルを開放し、発泡性崩壊剤
は、噛むことなしに前記錠剤を迅速に崩壊させ、かつ人
間の患者の口内で錠剤が崩壊すると明瞭な発泡の感覚を
与えるのに有効な量で存在する。 【0012】本発明の特に好ましい観点によれば、組織
に分配可能な成分は、鎮静剤、抗抑欝剤、神経弛緩剤ま
たは催眠剤のような少なくとも1つの向精神剤を含む薬
剤成分である。本発明の向精神剤は、患者、特に、精神
病院の患者が、従来の錠剤またはカプセルを摂取せず
に、口の中に隠し持つことをしばしば試みているという
状況を考えると特に意義がある。患者は、医療職員がい
ない場合には、錠剤またはカプセルを黙って取り出して
しまう場合がある。本発明のこの観点に係る好ましい形
態の投与剤は、口の中に隠されていても素早く崩壊する
ので、かかる隠匿を実質上阻止することができる。 【0013】本発明の錠剤の発泡作用により、薬剤の嫌
味のある風味を隠蔽することができるほかに、錠剤の崩
壊を容易に行なわせることができる。更にまた、本発明
の発泡性崩壊剤を使用することにより、口内に心地よい
感覚を与えることができる。感覚受容性(organoleptic)
とは、感覚器官に刺激を与える本発明の錠剤の特性、該
特性に与える影響あるいは該特性に関するものを云う。 【0014】本発明の別の観点によれば、組織に分配可
能な薬剤成分は、マイクロカプセル化された形態(micro
encapsulated form)で提供することができる薬剤成分で
あるのが好ましい。かくして、混合物は、組織に分配可
能な薬剤成分と該薬剤成分を封入する封入体(encapsula
nt)からそれぞれなるマイクロカプセルを含むことがで
きる。このような錠剤が崩壊すると、個々のマイクロカ
プセルが解放され、患者の唾液と混ぜ合わされて患者の
口内に拡がり、マイクロカプセルは消化管に導かれて組
織に分配される。 【0015】発泡性崩壊剤とマイクロカプセルとを組み
合わせることにより、不快な風味を持ちあるいは別の理
由により口内に解放されるべきではない組織に分配可能
な薬剤成分のこれまでにない有効な投与形態とすること
ができる。錠剤は噛まずに崩壊するので、錠剤を噛む際
に生ずるマイクロカプセルの破壊の問題を実質上なくす
ことができる。即ち、発泡作用により、錠剤を噛まずに
投与することができ、マイクロカプセルの効能を保持す
ることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の一実施例に係る経口投与
剤は、直接経口投与、好ましくは、子供に対する経口投
与に適したサイズと形状を有する錠剤である。本明細書
において使用されている「子供」なる語は、年令が約1
6才よりも下の年令の人間を指している。本発明のこの
観点に係る小児投与剤は、約12才よりも下の年令の子
供に有用であるのが好ましい。12才よりも下の年令の
子供には、約2.0cmよりも小さい体積、望ましく
は約1.0cmよりも小さい体積を有する錠剤が好ま
しい。各錠剤の質量は一般に、約3.0g未満、より好
ましくは約1.5g未満にすべきである。錠剤は、表面
に、装飾および/または識別のためのマーク、切り込
み、溝、文字および/または数字を付することができ
る。錠剤は、当然、固体の形態を有する。錠剤は堅く圧
縮された錠剤であるのが好ましい。錠剤は、1つ以上の
組織に分配可能な成分を発泡性崩壊剤とともに含む。錠
剤のサイズはまた、使用される物質の量によるが、約
1.7cm(約11/16インチ)の最大寸法を有する
錠剤とするのが好ましい。 【0017】子供に使用する場合には、錠剤は、文字、
数字、動物、鳥、漫画のキャラクタ、魚、恐竜などの形
状を有することができる。更に、錠剤は、装飾および/
または識別のためのマーク、切り込み、溝、文字および
/または数字を付することができる。錠剤は、当然、固
体の形態を有する。錠剤は、堅く圧縮された錠剤である
のが好ましい。錠剤は、1つ以上の組織に分配可能な成
分を発泡性崩壊剤とともに含む。 【0018】本明細書で使用されている「組織に分配可
能な成分」("systemically distributable ingredien
t")なる語は、該成分が含まれる錠剤の消費を通じて摂
取される成分を意味する。これらの成分は、胃または腸
を介して吸収されるように口から消化器系に導かれる。
薬剤成分("pharmaceutical ingredient")なる語は、組
織において活性があり、あるいは時間の経過とともに組
織に行きわたる薬剤成分に限定されるものではない。本
発明においては、組織に分配可能な成分とは、薬剤また
はミネラル類、ビタミン類および食養生補給剤を含むこ
とができる。これらの物質の任意の混合物もまた、組織
に分配可能な薬剤成分という語に含まれる。 【0019】薬剤(pharmaceutical(s))なる語は、薬(dr
ug)を意味するものである。薬剤には、制酸剤、鎮痛
剤、抗炎症剤、抗生物質、下剤、無食欲誘発剤、抗喘息
剤、下痢止め剤、抗鼓腸剤、抗偏頭痛剤、抗痙攣剤、鎮
静剤、抗亢進剤(antihyperactives)、トランキライザ、
抗ヒスタミン剤、充血除去剤、ベ−タブロッカおよびこ
れらの組み合わせがあるが、これらに限定されるもので
はない。 【0020】本明細書において使用されているビタミン
なる語は、食養生(diet)において使用される微量有機物
質を云う。本発明においては、ビタミンなる語には、チ
アミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピ
リドキシン、ビオチン、葉酸即ちホ−ル酸、ビタミンB
12、リポイック酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタ
ミンD、ビタミンEおよびビタミンKが含まれるが、こ
れらに限定されるものではない。ビタミンに含まれるも
のとしては、更に補酵素がある。補酵素は、特定の化学
形態のビタミン類である。補酵素には、チアミンピロホ
スフェート(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(F
MM)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(N
ADP)、補酵素A(CoA)、ピリドキサルホスフェ
ート、ビオシチン、テトラヒドロホール酸、補酵素B1
2、リポイルリジン(lipoyllysine)、11−シス−レチ
ナール(retinal) およびジヒドロキシコレカルシフェロ
ールがある。ビタミン(類)なる語には更に、コリン、
カルニチン並びにアルファ、ベータおよびガンマカロチ
ンがある。 【0021】本明細書において使用されている「ミネラ
ル」なる語は、人間の食養生において必要とされる無機
物質、金属などを云うものである。本明細書において使
用されている「ミネラル」なる語には、カルシウム、
鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、マグネシウム、燐、ク
ロムなどのほか、これらの混合物が含まれるが、これら
に限定されるものではない。 【0022】本明細書において使用されている「食養生
補給剤」("dierary supplement")なる語は、少量与えら
れたときに、認めることができる栄養作用を発揮する物
質を意味するものである。食養生補給剤には、養蜂花粉
(bee pollen)、糠、小麦胚芽、海草、たら肝油、朝鮮人
参並びに魚油、アミノ酸、蛋白質およびこれらの混合物
が含まれるが、これらに限定されるものではない。従っ
て、食養生補給剤は、ビタミン類およびミネラル類を含
むことができる。 【0023】各錠剤に組み入れることができる組織に分
配可能な成分の量は、公知の薬学上の原則に従って選択
することができる。有効量の組織に分配可能な成分を特
に説明する。有効量なる語は、例えば薬剤に関しては、
薬学有効量(pharmaceutically effective amount)であ
ると考えることができる。薬学有効量とは、薬剤または
必要なもしくは所望の治療応答性を発揮するのに十分な
薬学活性物質の量、即ち、患者に投与されたときに認め
ることができる生物学応答を発揮するのに十分な量を云
う。本明細書において使用されている小児有効量(pedia
trically effective amount)なる語は、子供に投与した
ときに認めることができる生物学応答を発揮するのに十
分なビタミン、薬剤、ミネラルおよ び/または食養生
補給剤の量を云う。ビタミンおよびミネラルに関して本
明細書において使用されている「有効量」および「小児
有効量」なる語は、患者あるいは後者の場合には子供に
対するかかる特定の成分についてのザ・ユナイテッド・
ステイツ・リコメンディッド・デイリ−・アロ−ワンス
(the United States Recommended Daily Allowanc
e)(”RDA”)の少なくとも約10%の量を云う。例
えば、目的成分がビタミンCである場合には、ビタミン
Cの有効量または小児有効量は、RDAの10%以上を
提供するのに十分なビタミンCの量を云う。一般に、錠
剤がミネラルまたはビタミンを含む場合には、より高い
量、好ましくは適用することができるRDAの約100
%以上を含む。 【0024】発泡(性)崩壊剤(effervescent disinteg
ration agent)なる語は、気体を発生する化合物を含
む。好ましい発泡剤は、水および/または口内の唾液に
曝すと行なわれる化学反応により気体を発生する発泡剤
である。 【0025】泡または気体発生反応は、ほとんどの場
合、可溶性酸源とアルカリ金属炭酸塩または炭酸塩源と
の反応の結果による。これら2つに一般に組分けられる
化合物の反応は、唾液に含まれる水との接触により二酸
化炭素ガスを発生する。 【0026】かかる水により活性にされる物質は、水に
曝されると錠剤の崩壊を早めるので、実質上吸収水分を
持たない略無水状態あるいは安定な水和状態に保持しな
ければならない。酸源または酸は、人間の消費にとって
安全なものであり、一般に、食品酸、酸無水物および酸
の塩とすることができる。食品酸には、くえん酸、酒石
酸、りんご酸、フマル酸、アジピン酸およびこはく酸な
どがある。これらの酸は直接摂取することができるの
で、水に対する全体の溶解度は、本発明の発泡性錠剤配
合物をグラス一杯の水に溶解させようとする場合に比べ
て重要性が少ない。上記した酸の酸無水物および塩もま
たは使用することができる。酸の塩には、燐酸二水素ナ
トリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、酸性くえん
酸塩および酸性亜硫酸ナトリウムを含むことができる。 【0027】炭酸塩源には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネ
シウムおよびセスキ炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナト
リウム、炭酸L−リジン、炭酸アルギニンおよび非晶質
炭酸カルシウムのような乾質固形炭酸塩および重炭酸塩
がある。 【0028】本発明の発泡性崩壊剤は、二酸化炭素を形
成する反応に必ずしも基づくものではない。小児に安全
な酸素その他の気体を発生する反応体も本発明の範囲内
のものであると考えることができる。発泡性崩壊剤が酸
源および炭酸塩源のような2つの相互反応性の成分があ
るが、これら双方の成分は完全に反応するのが好まし
い。従って、等当量となる等量比の成分が好ましい。例
えば、使用される酸が二塩基酸である場合には、2倍量
の単反応性炭酸塩塩基あるいは等量の二反応性塩基を使
用して完全な中和が行なわれるようにすべきである。し
かしながら、本発明の他の実施例においては、酸または
炭酸塩源の量は他の成分の量を越えてもよい。これは、
いずれかの成分を過剰に含む錠剤に味および/または効
能を高めるのに有効な場合がある。この場合には、いず
れか一方の成分の余分量が未反応のまま残留していても
許容することができる。 【0029】一般に、本発明に係る錠剤を形成するのに
有用な本発明の発泡性崩壊剤の量は、最終組成物の約5
乃至約50重量%、好ましくは約15乃至約30重量%
の範囲にすべきである。より好ましい実施例において
は、本発明に係る発泡性崩壊剤の量は、全組成物の約2
0乃至約25重量%とすべきである。 【0030】より詳細に云うと、本発明に係る錠剤は、
経口投与したときに錠剤を迅速かつ完全に崩壊させるの
に有効な量の発泡性崩壊剤を含む。「迅速」なる語によ
り、本発明の錠剤が患者の口内で10分よりも短い時
間、望ましくは、約30秒乃至7分で崩壊すべきである
と理解される。本発明に係る特に好ましい実施例におい
ては、錠剤は、約30秒乃至約5分で口内で溶解すべき
である。口内での崩壊時間は、約37℃の水中での錠剤
の溶解時間を観察することにより測定することができ
る。錠剤を強く撹拌することなく水に浸漬する。崩壊時
間は、浸漬から目視観察により測定される錠剤の実質上
完全な分散までの時間である。以下において更に説明す
るように、本発明の錠剤は、マイクロカプセルその他の
分離している混入物を含むことができる。これらは、不
溶性あるいは錠剤のバインダよりも緩慢に溶解するもの
とすることができる。本明細書において使用されてい
る、錠剤の「完全崩壊」なる語は、かかるマイクロカプ
セルその他の分離している混入物の溶解または崩壊を必
要とはしない。本明細書において使用されている崩壊時
間とは、別に特定されていない限り、この方法により測
定されるものとして理解されるべきである。 【0031】更に、錠剤中に存在する発泡性崩壊剤の量
は、錠剤を摂取する患者の口内で発泡感を発揮するのに
有効であるようにすべきである。かくして、患者は、錠
剤が口内で崩壊するときに明瞭な(distinct)「しゅーし
ゅーする感じ」("fizzing")あるいは泡立つ感じを知覚
することができるようにすべきである。この感じを提供
するには、各錠剤の発泡剤の量を、約20乃至約60c
の気体を発生するような量にするのいが好ましい。
「しゅ−しゅーする感じ」は、錠剤の感覚受容作用を大
きく高めることができる。かくして、本発明において有
用な発泡性崩壊剤の量は、患者に明瞭な感覚受容性を提
供するのに有効な量でもある。「明瞭な」感覚受容性("
positive" organoleptic sensation)とは、心地よくあ
るいは楽しむことができ、かつ、通常の人間が容易に知
覚することができる感じである。 【0032】更に、錠剤の硬さも、崩壊時間に影響を及
ぼす。即ち、錠剤の硬さが増すと崩壊時間が長くなり、
硬さが減少すると崩壊時間が短くなる。 【0033】本発明のかかる観点による投与剤は更に、
風味剤、希釈剤、着色剤、バインダ、増量剤、圧縮ビヒ
クルおよび非発泡性崩壊剤をはじめとるす本技術分野に
おいて公知のもののなかから選ぶことができる1つ以上
の別の補助剤を含むことができる。 【0034】使用することができるバインダとしては、
例えば、アラビアガム(acacia)、トラガカントガム、ゼ
ラチン、澱粉、メチルセルロースおよびカルボキシメチ
ルセルロ−スナトリウムのようなセルロース物質、アル
ギン酸およびその塩、珪酸マグネシウムアルミニウム、
ポリエチレングリコール、グアーガム、ポリサッカリド
酸、ベントナイト、糖類、転化糖などがある。バインダ
は、全組成物の60重量パーセント以下、好ましくは、
約10乃至約40重量パーセントの量を使用することが
できる。 【0035】非発泡性崩壊剤には、コーン澱粉、ポテト
澱粉およびこれらの改質澱粉のような澱粉、甘味剤、ベ
ントナイトのような粘土、微結晶セルロース、アルギン
酸塩、寒天、グアーガム、イナゴ豆ガム、インドガム、
ペクチンおよびトラガカントガムのようなガムがあ
る。この崩壊剤は、組成物の全重量の約20重量パーセ
ント以下、好ましくは、約2乃至約10重量パーセント
を構成することができる。 【0036】着色剤は、米連邦食品医薬品化粧品法
(F.D.&C.)の染料、ぶどうの皮からの抽出物(g
rape skin extract)、ビートレッド粉末(beet red powd
er) 、ベータカロチン、アンナット、カーマイン、ウコ
ン、パプリカなどのような天然の着色剤をはじめとする
食品に適した染料がある。使用される着色剤の量は、全
組成物の約0.1乃至約3.5重量パーセントの範囲と
することができる。 【0037】本発明の組成物に組み込まれる風味剤(fla
vor)は、合成の風味油と風味芳香剤および/または天然
の油、植物、葉、花、果実などからの抽出物並びにこれ
らの組み合わせから選ぶことができる。これらには、シ
ナモン油、冬緑油、ペパーミント油、丁子油、月桂樹
油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、針葉樹油、ナツ
メグ油、セージ油、苦扁桃油および桂皮油が含まれる。
風味剤として有用なものには更に、バニラ、レモン、オ
レンジ、グレープ、ライムおよびグレープフルーツをは
じめとする柑橘油、りんご、西洋なし、桃、いちご、き
いちご、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコッ
トなどをはじめとする果実の精油がある。特に有用であ
ることがわかった風味剤には、商業的に入手することが
できるオレンジ、グレープ、チェリーおよびバブルガム
風味剤並びにこれらの混合物がある。風味剤の量は、所
望の感覚受容性をはじめとする多数のファクタによる。
風味剤は、組成物の重量基準で約0.5乃至約3.0重
量パーセントの量を存在させることができる。特に好ま
しい風味剤は、オレンジ、グレープおよびチェリー風味
剤である。 【0038】本発明のこの観点に係る錠剤は、周知の錠
剤形成手順により製造することができる。一般的な錠剤
形成法においては、錠剤に形成されるべき材料をキャビ
ティに入れ、1つ以上のパンチ部材をキャビティ内に進
入させ、押圧しようとする材料と緊密に接触させて、圧
縮力を加える。このようにして、材料は、パンチとキャ
ビティの形状に従わされる。分当たり数百更には数千の
錠剤をこのようにして製造することができる。当業者に
周知の種々の錠剤形成方法が、マーセル・デッカー・イ
ンコーポレイテッド(Marcel Dekker, Inc.)から発行さ
れ、1989年に著作権が変更されかつ拡張された、リ
ーバーマン(Lieberman)著の「ファーマシューティカル
・ドーセージ・フォームズ、タブレッツ・ボリューム
1」(Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets Volume
1)第2版にわかり易く説明されている。 【0039】配給されるべき材料は、単独であるいは他
の増量剤と組み合わせてしばしば前処理され、容易に錠
剤化することができるグラニュールに形成される。この
方法は、造粒として知られている。広く定義されている
ように、「造粒」("granulation") とは、小さい粒子を
一緒に集めてより大きな永続性のある凝集体にし、錠剤
に形成するのに適したコンシステンシを有する易流動性
の組成物にする、サイズを大きくする方法である。この
ような造粒された組成物は、乾燥した砂のようなコンシ
ステンシを有する。造粒は、混合装置において撹拌し、
あるいは圧縮、押し出しまたは小粒化により行なうこと
ができる。造粒においては、活性即ち目的成分は、発泡
性崩壊剤と上記した他の補助剤とを組み込んだ圧縮ビヒ
クルと混合される。圧縮ビヒクルまたは増量剤は、低コ
ストでありかつテキスチャおよび外観の双方において満
足することができるとともに、通常の周囲条件の下で良
好な圧縮性と、良好な流動性および安定性とを有するよ
うにすべきである。上記した「ファーマシューティカル
・ドーセージ・フォームズ」第6章に記載されているよ
うに、滑剤(lubricant)が発泡性錠剤の製造に通常使用
されている。有効な滑剤が使用されない場合には、今日
の高速装置を使用した錠剤の形成は、不可能である。発
泡造粒体は、原材料の特性と、錠剤が素早く崩壊する必
要性とにより滑性を有するのが本質的に困難である。 【0040】本発明において使用される滑剤とは、圧縮
および突出し(ejection)の際に、錠剤とダイの壁との界
面で生ずる摩擦を低減させることができる物質を云う。
滑剤はまた、パンチに対する粘着(sticking)とともに、
ダイの壁に対する粘着もかなりの程度まで防止する作用
を行なう。「付着防止剤」("antiadherent")は、突出し
の際に機能する物質を特に指すのにしばしば使用されて
いる。しかしながら、本明細書においては、「滑剤」("
lubricant")なる語が広く使用されており、「付着防止
剤」を含むものである。錠剤の形成および/または突出
しの際の錠剤の粘着は、効率の低下、不規則な形状の錠
剤の形成および錠剤により配給されるべき目的成分の不
均一な分布といった重大な製造上の問題が生ずる。これ
らの問題は、錠剤の形成を高速で行なう場合に特に重要
となる。 【0041】滑剤は、内部的(intrinsic)であっても、
外部的(extrinsic)であってもよい。ダイキャビティお
よび/またはパンチの表面に噴霧するなどしてフィルム
の形態で錠剤形成工具の表面に直接被着される滑剤は、
外部滑剤として知られている。外部滑剤は有効な滑性を
提供することができるが、これを使用するには、コスト
を要するとともに、生産性を低下させる複雑な被着装置
と方法が必要となる。 【0042】内部滑剤は、錠剤化されるべき材料に組み
入れられる。ステアリン酸のマグネシウム、カルシウム
および亜鉛塩が、最も有効な内部滑剤であると長い間考
えられてきた。1パーセント以下の濃度が通常有効であ
る。 【0043】その他の従来の内部滑剤には、水素化およ
び部分水素化された植物油、動物油脂、ポリエチレング
リコール、ポリオキシエチレンモノステアレート、タル
ク、軽質鉱油、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、酸化マグネシウムなどがある。ヨーロッパ特許
出願第0,275,834号を参照されたい。本明細書
においては、この文献を引用して明細書中の記載に代え
る。更に、リール(Leal)等の米国特許第3,042,5
31号を参照されたい。 【0044】本発明によれば、滑剤は、全組成物の1.
5重量パーセント以下、好ましくは約0.5乃至約1.
0重量パーセントの量を使用することができる。 【0045】内部滑剤は、従来の錠剤において使用され
る場合には、重大な困難を呈している。数多くの滑剤
が、非発泡性錠剤の崩壊を著しく遅らせている。しかし
ながら、本発明の投与剤において使用される発泡性崩壊
剤は、かかる遅延の問題を除去することができる。従来
の発泡性錠剤が溶解する場合、滑剤により「浮きかすの
形成」("scumming")および/または凝集が生ずる。ステ
アリン酸塩は、例えば、発泡性錠剤をグラス一杯の水に
入れると、問題のある「浮きかす」を残す。この「浮き
かす」により、発泡性投与剤からつくられる溶液の審美
性が損なわれる。しかしながら、本発明の錠剤は口内で
溶けるので、溶液は使用者の目には決して入らない。従
って、滑剤の「浮きかす」を形成し易い性質は問題とは
ならない。かくして、他の形態の投与剤では溶解上の問
題即ち浮きかす形成の問題を生ずる滑剤は、本発明に係
る投与剤においては、実質上悪影響を及ぼすことなく使
用することができる。 【0046】組織に分配可能な薬剤成分のマイクロカプ
セル化を行なって、固体および液体の双方を封入するこ
とができる。マイクロカプセル化は、薬剤の粒子または
液滴に食用の重合物質を被覆することにより、噛むこと
ができる錠剤において使用されている。マイクロカプセ
ルは、薬の味を隠蔽するとともに、成分間の物理的およ
び化学的不適合性を隠蔽する作用を行なう。しかしなが
ら、マイクロカプセルは、錠剤の圧縮および混練の際
に、破裂する場合がある。従って、患者は、嫌な味のす
る薬剤に曝されることになる。リーバーマン著の「ファ
ーマシューティカル・ドーセージ・フォームズ、タブレ
ッツ・ボリューム1」、第372−376頁を参照され
たい。 【0047】本発明は、2通りの方法でこの問題に対す
る解決策を提供することができる。先づ、錠剤が口内に
噛まないで保持される場合には、マイクロカプセルの破
壊をなくすことができる。更に、マイクロカプセルが壊
れた場合には、本発明の発泡作用により味の隠蔽を更に
行なうことができる。 【0048】更にまた、本発明によれば、錠剤は、米国
特許第4,876,039号および同第4,370,1
60号に記載されているような特定の時間解放プロフィ
ル(time-release profile)を有するマイクロカプセルを
含むことができる。本発明の使用により、マイクロカプ
セル化された組織に分配可能な成分が、マイクロカプセ
ルの懸濁液またはスラリとして消化器系に配給される。
かくして、カプセルの封入体の時間解放プロフィルを計
算する場合に、錠剤の溶解に必要な時間を更に見積もる
必要がなくなる。かくして、薬剤配給の正確さおよび患
者に対する便宜性の双方を向上させることができる。 【0049】特に好ましい実施例においては、封入体と
して選択される物質は、患者の口内で個々のマイクロカ
プセルが溶解するのを実質上防止する。本技術分野にお
いて公知のマイクロカプセルは、いずれのタイプも本発
明に従って配合物に組み入れることができる。これらに
は、消化路内に含まれる特定の化学物質の反応による解
放、溶解または素早い解放を行なう半透過性機構を使用
したマイクロカプセルがある。本発明に係る好ましい実
施例においては、例えば、腸内液に溶解するエチルセル
ロースのような溶解性封入体が使用される。このような
重合配合物が使用される場合には、従来の噴霧被覆法に
より50重量%程度の多い量を固体の成分粒子に被着す
ることができる。しかしながら、粉末の重量を基準に、
一般的には約3−15重量%、最も一般的には5−10
重量%が使用される。液体成分を封入する場合には、従
来の界面縮合反応を利用することができる。その他の従
来の方法も本技術分野において周知である。 【0050】上記説明は、本発明に係る錠剤の製造の特
に好ましい手順を詳細に説明する以下の実施例により一
層良好に理解されるものである。これらの実施例は、例
示を目的とするものである。従って、これらの実施例
は、本発明の範囲と精神に限定を加えるものであると解
すべきではない。 【0051】実施例1 【表1】 *ユーランド・アメリカ・コーポレイション(Eurand Am
erica Corporation)による7%エチルセルロースでコー
ティングされたアセトアミノフェン(acetaminophen)。
適宜のバインダ中で全成分を直接混合。錠剤プレス機の
上に放出して圧縮することにより重量が1,471.5
mgの錠剤を形成。 【0052】実施例2 【表2】 *7%エチルセルロースが吹付けコーティングされたア
ミトリプチリンHCL(amitriptyline HCl) 。適宜のバ
インダ中で全成分を直接混合。錠剤プレス機の上に放出
して圧縮することにより重量が1,174.7mgの錠剤を形
成。 【0053】実施例3 【表3】 *7%エチルセルロースが吹付けコーティングされたフ
ルラゼパンHCl(flurazepam HCl)。適宜のバインダ中
で全成分を直接混合。錠剤プレス機の上に放出して圧縮
することにより重量が1,137.1mgの錠剤を形成。 【0054】実施例4 【表4】 *7%エチルセルロースが吹付けコーティングされたク
ロルジアゼポキシドHCl(chlordiazepoxide HCl) 適宜のバインダ中で全成分を直接混合。錠剤プレス機の
上に放出して圧縮することにより重量が1,147.9mgの錠
剤を形成。 【0055】実施例5 下記の成分をそれぞれ秤量して、10メッシュの篩を介
してスクリーン処理した。これらの成分は、ステアリン
酸マグネシウムを除き、ツインシェルブレンダ(twin sh
ell blender)に装填し、20分間混合した。ブレンダの
プロペラを24rpmに設定し、混合物を真空にせず傾
斜させて処理した。次に、ステアリン酸マグネシウムを
ブレンドした混合物に加え、混合を更に5分間継続し
た。次に、組成物を、高速回転錠剤形成装置を使用して
圧縮することにより錠剤に形成し た。即ち、錠剤形成
装置は管状ダイに錠剤形成組成物を充填するように構成
されている。一対の密接に嵌合するパンチをダイの中へ
進入し、組成物を圧縮して錠剤を形成した。錠剤をパン
チおよびダイアセンブリから突き出した。2000の錠
剤バッチ(batch) をつくった。 【0056】 【表5】【0057】凹面を有するパンチを備えた、直径が1
2.7mm(2分の1インチ)の標準的なパンチおよび
ダイセットを使用して、わずかな凹面を有する直径が1
2.7mmの円盤状錠剤を形成した。得られた錠剤は、
しっかりした滑らかな外観を有していた。錠剤を口の中
で溶かしたところ、心地よいしゅーしゅーする感じある
いは泡だった感じとともに、穏やかなオレンジの風味が
得られた。 【0058】実施例6 直径が15.9mm(5/8インチ)の凹面を有する標
準的なパンチおよびダイセットを使用した点を除いて、
実施例5と同様にして下記の成分を秤量し、処理を行な
った。 【表6】 【0059】厚さが約6mm(0.234インチ)の錠
剤をつくった。これらの錠剤は優れた外観を有するとと
もに、しゅーしゅーする感じとともに良好なグレープの
風味を呈していた。この実施例に係る錠剤を従来の小児
用総合ビタミン剤とともに子供に投与して、比較試験を
行なった。子供に好みを聞いた。本実施例に係る錠剤は
子供の約89%が好んだ。 【0060】実施例7 実施例6と同様にして、以下の成分を秤量し、処理を行
なった。 【表7】 5.6mm(0.222インチ)の肉厚の錠剤が得られ
た。 【0061】本発明の原理、好ましい実施例および動作
の態様について説明を行なった。しかしながら、上記特
定の実施例は、本発明を限定するものではなく、例示す
るものであるので、本発明はこのような実施例に限定さ
れるように解釈されるべきではない。本発明の精神と範
囲とから逸脱することなく種々の修正と変更とを行なう
ことができる。 【0062】(産業上の利用可能性)本発明は、ビタミ
ン類、ミネラル類、食養生補給剤および薬剤組成物をは
じめとする種々の成分の発泡性錠剤の製造に適用するこ
とができる。
【手続補正書】 【提出日】平成15年2月24日(2003.2.2
4) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】特許請求の範囲 【補正方法】変更 【補正内容】 【特許請求の範囲】 【請求項1】 人間に直接経口投与するのに適した固形
投与剤であって、 水または唾液で活性化される少なくとも1種の発泡性崩
壊剤と複数のマイクロカプセルとの混合物を含んでお
り、当該混合物は人間に直接経口投与するのに適したサ
イズと形状を有する錠剤の形態をなしており、 前記マイクロカプセルは全身的に(systemically)分配
可能な少なくとも1種の医薬成分と当該医薬成分を実質
的に包む封入体とを含有していて、前記少なくとも1種
の医薬成分を迅速に開放するものであり、 前記錠剤は水または唾液に曝されると実質上完全に崩壊
して、前記マイクロカプセルを開放するものであり、 前記少なくとも1種の発泡性崩壊剤は噛むことなしに前
記錠剤を迅速に崩壊させ、かつ人間の口内で錠剤が崩壊
すると明瞭な発泡の感覚を与えるのに有効な量で存在す
ることを特徴とする、固形投与剤。 【請求項2】 前記マイクロカプセルが破裂により前記
医薬成分を開放するものである、請求項1に記載の投与
剤。 【請求項3】 前記投与剤が非徐放性のものである、請
求項1または2に記載の投与剤。 【請求項4】 前記発泡性崩壊剤が水で活性化されると
少なくとも約20cmの気体を発生するのに十分な量
で前記錠剤に存在する、請求項1〜3のいずれかに記載
の投与剤。 【請求項5】 前記発泡性崩壊剤が水で活性化されると
20乃至60cmの範囲内の気体を発生するのに十分
な量で前記錠剤に存在する、請求項1〜4のいずれかに
記載の投与剤。 【請求項6】 前記医薬成分が少なくとも1種の向精神
剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の投与剤。 【請求項7】 前記向精神剤が鎮静剤、坑抑鬱剤、神経
弛緩剤および催眠剤よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の医薬成分を含む、請求項6に記載の投与剤。 【請求項8】 人間に直接経口投与するのに適した固形
投与剤であって、 唾液で活性化される少なくとも1種の発泡剤と複数のマ
イクロカプセルとの混合物を含んでおり、 当該混合物は人間に直接経口投与するのに適したサイズ
と形状を有する錠剤の形態をなしており、 前記マイクロカプセルは全身的に分配可能な少なくとも
1種の医薬成分と当該医薬成分を実質的に包む保護材を
含有していて、少なくとも約70%を30分間で開放す
るものであり、 前記錠剤は唾液に曝されると実質上完全に崩壊して、前
記マイクロカプセルを開放するものであり、 前記少なくとも1種の発泡剤は噛むことなしに前記錠剤
を迅速に崩壊させ、それによって前記マイクロカプセル
を開放するのに有効な量で存在することを特徴とする、
固形投与剤。 【請求項9】 人間に直接経口投与するのに適した固形
投与剤であって、 唾液で活性化される少なくとも1種の発泡剤と複数のマ
イクロカプセルとの混合物を含んでおり、 当該混合物は人間に直接経口投与するのに適したサイズ
と形状を有する錠剤の形態をなしており、 前記マイクロカプセルは全身的に分配可能な少なくとも
1種の医薬成分と当該医薬成分を実質的に包む保護材を
含有していて、破裂により前記医薬成分を開放するもの
であり、 前記錠剤は唾液に曝されると実質上完全に崩壊して、前
記マイクロカプセルを開放するものであり、 前記少なくとも1種の発泡剤は噛むことなしに前記錠剤
を迅速に崩壊させ、それによって前記マイクロカプセル
を開放するのに有効な量で存在することを特徴とする、
固形投与剤。 【請求項10】 前記マイクロカプセルが前記医薬成分
を前記保護材のマトリックス中に分散状態で含有する、
請求項8または9に記載の投与剤。 【請求項11】 前記マイクロカプセルが平均直径約2
00ミクロンである、請求項または8〜10のいずれか
に記載の投与剤。 【請求項12】 前記マイクロカプセルが実質上約20
0メッシュと約30メッシュの間の粒子からなる、請求
項または8〜11のいずれかに記載の投与剤。 【請求項13】 前記医薬成分が少なくとも1種の向精
神剤を含む、請求項8〜12のいずれかに記載の投与
剤。
フロントページの続き (72)発明者 シューエル・スティーブ アメリカ合衆国、ミネソタ州55413、ミネ アポリス、エス・イー、モニゾー・ストリ ート・123 (72)発明者 マダマラ・ナバヤナラオ アメリカ合衆国、ミネソタ州55442、プラ イマウス、ジョンキル・レーン・302704 Fターム(参考) 4C076 AA37 AA48 BB01 CC01 CC22 DD25 DD26 DD38 DD43 EE32 FF68

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】人間の患者に直接経口投与するのに適した
    固形投与剤において、該固形投与剤は、人間の患者に直
    接経口投与するのに適したサイズと形状を有する錠剤の
    形態をなし、水または唾液で活性化される少なくとも1
    つの発泡性崩壊剤と人体組織に分配可能な少なくとも1
    つの薬剤成分とを含むことを特徴とする固形投与剤。
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