JP2003230943A - 鋳型構造 - Google Patents

鋳型構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】押し湯部に該押し湯部を鋳造品の鋳造後の冷却
収縮による応力の方向に対して分割する方向に所定深さ
のノッチ部(切り込み部)を設けることで、押し湯部によ
り抑制、拘束されていた鋳造品の冷却収縮が、押し湯部
に上記ノッチ部を設けることにより許容されて、冷却収
縮拘束に起因する内部応力が開放されて、クラック等の
欠陥が発生するのを防止することができる鋳型構造の提
供を目的とする。 【解決手段】鋳造品を鋳造するキャビティ12に湯口1
3を介して押し湯部14が設けられた鋳型構造であっ
て、上記押し湯部14には該押し湯部14を鋳造品の鋳
造後の冷却収縮による応力の方向に対して分割する方向
に所定深さのノッチ部19が設けられたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋳造品を鋳造す
るキャビティに湯口を介して押し湯部が設けられたよう
な鋳型構造に関し、詳しくは、その押し湯部の構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳造品の一例として鋳鉄製のシリ
ンダライナを鋳ぐるんだアルミニウム合金製のシリンダ
ブロックを鋳型にて鋳造する場合には、図10に示す如
き構造が採用されている。
【0003】すなわち、図10(但し、同図では溶湯が
凝固した状態で図示している)に示すように、シリンダ
ブロック本体を形成するキャビティ91の上部に湯口9
2(鋳造品に対する湯口)を介して押し湯部93を設け、
この押し湯部93には湯道94,94を介して溶湯の湯
口を連通接続するように砂鋳型95を形成すると共に、
中子96にて鋳鉄製のシリンダライナ97を支持し、ア
ルミニウム合金の溶湯を、溶湯の湯口、湯道94、押し
湯部93、製品に対する湯口92を介してキャビティ9
1に注湯して、シリンダライナ97が鋳ぐるまれたアル
ミニウム合金製のシリンダブロック98を鋳造するもの
である。
【0004】ここで、上述のシリンダブロック98が4
気筒の場合、押し湯部93は引け巣欠陥を対策するため
に第1気筒および第2気筒用の部分と、第3気筒および
第4気筒用の部分とに2分割されており、また上述の湯
口92は第2気筒と第3気筒とのシリンダボア間を除
く、シリンダボア側部に気筒列方向と略直交するように
複数形成されている。
【0005】このような従来構造の砂鋳型95を用いて
シリンダブロック98を鋳造した場合には次のような問
題点が発生する。つまり、アルミニウム合金の溶湯を注
湯した後に、母材としてのアルミニウム合金はキャビテ
ィ91および押し湯部93ともに凝固収縮して常温に至
るが、これと同時に母材に鋳ぐるまれた鋳鉄製のシリン
ダライナ97も冷却により収縮する。この場合、アルミ
ニウム合金と鋳鉄とには収縮差(アルミニウム合金の方
が鋳鉄よりも収縮率が大きい)が存在し、このためシリ
ンダブロック98の鋳造後において両者の冷却収縮の差
により図11に矢印aで示す方向に内部応力が発生し、
この応力が集中する母材の肉厚が最も小さいシリンダボ
ア99,99間にクラック等の欠陥が発生する問題点が
あった。
【0006】このような問題点の発生は、冷却収縮率の
差に加えて、押し湯部93で鋳造品の冷却収縮が抑制、
拘束されていることによるものと推考される。ところ
で、特開平10−29037号公報には、押し湯構造に
より、キャビティ部の溶湯が凝固する際の温度冷却勾配
を緩和させると共に、該キャビティ部の溶湯の凝固収縮
による溶湯不足を補足するように成した一般的な押し湯
構造が開示されているが、押し湯部により鋳造品の冷却
収縮が拘束されていることに起因する内部応力を解決す
るようなものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、押し湯部
に該押し湯部を鋳造品の鋳造後の冷却収縮による応力の
方向に対して分割する方向に所定深さのノッチ部(切り
込み部)を設けることで、押し湯部により抑制、拘束さ
れていた鋳造品の冷却収縮が、押し湯部に上記ノッチ部
を設けることにより許容されて、冷却収縮拘束に起因す
る内部応力が開放されて、クラック等の欠陥が発生する
のを防止することができる鋳型構造の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明による鋳型構造
は、鋳造品を鋳造するキャビティに湯口を介して押し湯
部が設けられた鋳型構造であって、上記押し湯部には該
押し湯部を鋳造品の鋳造後の冷却収縮による応力の方向
に対して分割する方向に所定深さのノッチ部が設けられ
たものである。
【0009】上記構成の鋳型は、砂鋳型(いわゆる砂型)
に設定してもよい。上記構成によれば、鋳造品の鋳造後
の冷却収縮による応力の方向に対して押し湯部を分割す
る方向に、該押し湯部に所定深さのノッチ部を設けたの
で、押し湯部により抑制、拘束されていた鋳造品の冷却
収縮が許容、促進され、この結果、冷却収縮拘束に起因
する内部応力が開放されて、クラック等の欠陥が発生す
るのを防止することができる。ここで、上述の内部応力
の開放は鋳造品を熱処理する前段階で行なわれることが
望ましい。
【0010】この発明の一実施態様においては、上記ノ
ッチ部は押し湯部の下部一部を残す深さに設定されたも
のである。上記構成によれば、ノッチ部を押し湯部の下
部一部を残す深さに設定したので、鋳造品の適度の塑性
変形が促進され、内部応力を適切に開放することができ
る。
【0011】この発明の一実施態様においては、上記鋳
造品は母材と鋳ぐるみ部材とを有し、母材に対して冷却
収縮率の異なる鋳ぐるみ部材が鋳ぐるまれたものであ
る。上記構成によれば、母材と鋳ぐるみ部材との冷却収
縮率の差異により、内部応力が発生しやすくなるが、上
記ノッチ部により斯る内部応力を開放することができ
る。
【0012】この発明の一実施態様においては、上記母
材と比較して冷却収縮率が小さい鋳ぐるみ部材が鋳ぐる
まれたものである。上記構成の母材はアルミニウム合金
に、また鋳ぐるみ部材は鋳鉄に設定してもよい。上記構
成によれば、母材に対して鋳ぐるみ部材の冷却収縮率が
小さく、内部応力が発生しやすくなるが、上述の押し湯
部のノッチ部にて、この内部応力を開放することができ
る。
【0013】この発明の一実施態様においては、上記母
材はアルミニウム合金製のシリンダブロック本体に設定
され、上記鋳ぐるみ部材は鉄製のシリンダライナに設定
されたものである。上記構成によれば、アルミニウム合
金製のシリンダブロック本体に対して、鉄製のシリンダ
ライナの冷却収縮率が小さく、鋳造後の内部応力が発生
しやすくなるが、上述の押し湯部のノッチ部にて、この
内部応力を開放することができるので、シリンダブロッ
クのシリンダボア間にクラック等の欠陥が発生するのを
防止することができる。
【0014】この発明の一実施態様においては、上記湯
口はシリンダボア間においてシリンダブロックの幅方向
に延びるように設定されたものである。上記構成によれ
ば、シリンダボア間は肉厚が薄く、応力が集中してクラ
ック等の欠陥が発生しやすいが、このシリンダボア間に
おいてシリンダブロックの幅方向(気筒列方向と直交す
る方向)に延びるように湯口を設けたので、この湯口を
介して上記ノッチ部にて応力が開放され、クラック等の
欠陥発生を防止することができ、さらに鋳造性つまり湯
廻り性も良好となる。
【0015】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は鋳型構造を示し、この実施例では鋳鉄の
シリンダライナを鋳ぐるんだシリンダブロックを鋳造す
る場合に用いる砂鋳型を例示している。
【0016】図1、図2において、この砂鋳型11は、
シリンダブロック本体21(図5参照)を形成するキャビ
ティ部12の上部に湯口13(鋳造品に対する湯口)を介
して押し湯部14を設け、この押し湯部14には湯道1
5,15を介して溶湯の湯口16を連通接続するように
構成すると共に、砂鋳型11を形成する鋳砂と同一の鋳
砂にて形成された中子17により鋳鉄製のシリンダライ
ナ18を支持させている。
【0017】この実施例では直列4気筒構造のシリンダ
ブロック22(図5参照)を鋳造するので、キャビティ部
12と押し湯部14とを連通接続する上述の湯口13は
図2に示すように第2気筒と第3気筒とのシリンダボア
間(つまり中央部)を除くシリンダボア側部にシリンダブ
ロックの幅方向(気筒列方向と直交する方向)に延びるよ
うに複数形成されている。
【0018】また押し湯部14は図2に示すように引け
巣欠陥を対策する目的で、第1気筒および第2気筒用の
部分と、第3気筒および第4気筒用の部分とに予め2分
割されているが、この押し湯部14にはさらに該押し湯
部14を鋳造品の鋳造後に冷却収縮による応力の方向
(図11の矢印a方向参照)に対して分割する方向(すな
わち長手方向としての気筒列方向)に所定深さのノッチ
部(切り込み部)19を設けて、平面から見て押し湯部1
4が4分割されたような構造に形成している。さらに上
述の湯道15は単一の溶湯の湯口16(いわゆるゲート)
から2つに分岐形成されて4分割態様の各押し湯部14
に連通すべく構成されている。
【0019】ここで、上述のノッチ部19は幅は所定の
幅L1に設定され、ノッチ部19の深さは押し湯部14
の下部に所定高H1(例えば約15mm)の一部のみを残す
深さに設定されている。この押し湯部14の下部一部に
残存する部分は、割れが発生しない程度に、アルミニウ
ム合金母材の伸びを許容する値(例えば約15mm)に設定
されたものである。また、上述の鋳造には鋳鉄シリンダ
ライナ18に対して冷却収縮率が大なるアルミニウム合
金の溶湯が用いられる。
【0020】このように構成した砂鋳型11を用いてシ
リンダブロック22(図5参照)を鋳造する場合、図1の
状態から図3に示すようにキャビティ部12が上部に、
押し湯部14が下部に位置するように砂鋳型11の上下
を一旦に逆向きにし、溶湯の湯口16から湯道15,1
5、押し湯部14、製品に対する複数の湯口13を介し
てキャビティ部12にアルミニウム合金の溶湯20を、
乱流を起こさないように注湯する。
【0021】図3の状態におけるキャビティ部12に溶
湯20が完全に注入されると、湯口16(いわゆるゲー
ト)を軸として砂鋳型11の全体を図4に示す如く反転
処理し、押し湯部14内の溶湯20により下方へ重力に
て圧力を付勢して、該押し湯部14に実質的な押し湯機
能を発揮させる。
【0022】図4に示すアルミニウム合金の溶湯20が
凝固すると、図5に示すように上述のキャビティ部12
の形状に対応してシリンダブロック本体21が鋳造され
ると共に、この母材としてのアルミニウム合金製のシリ
ンダブロック本体21で鋳ぐるみ部材としての鋳鉄のシ
リンダライナ18が鋳ぐるまれたシリンダブロック22
が鋳造される。この鋳造後で、かつ後工程において熱処
理が施される前段階のアルミニウム合金の硬度が相対的
に低い段階において、押し湯部14により抑制、拘束さ
れていたシリンダブロック22の冷却収縮が上記所定深
さのノッチ部19にて許容、促進されて母材が割れない
程度に塑性変形するので、冷却収縮拘束に起因する内部
応力が適度に開放されることになる。
【0023】この図5に示す実施例の砂鋳型(押し湯構
造)を用いて鋳造されたシリンダブロック22と、比較
例として上述のノッチ部19を押し湯部14の全高にわ
たって形成した所謂フルノッチの押し湯構造の砂鋳型1
1(図6参照)にて鋳造されたシリンダブロック23と、
従来のノッチ部を一切有さない押し湯構造の砂鋳型95
(図10参照)にて鋳造されたシリンダブロック98との
三者の不良率および歪み量を実測した結果を図7に示
す。
【0024】この場合、押し湯付きの状態から図8に示
すようにシリンダボア24〜27のうちの第2気筒のシ
リンダボア25における鋳鉄シリンダライナ18の内面
の測定個所1,2と、第3気筒のシリンダボア26にお
ける鋳鉄シリンダライナ18の内面の測定個所3,4と
に予め歪みゲージを取付け、その後、気筒列方向に沿っ
て湯口13,92を切断すると共に、気筒列方向と直交
する方向の複数の切断ラインC…に沿ってシリンダブロ
ック22,23,98をそれぞれ同様に切断し、シリン
ダライナ18または97が完全に開放される時点までの
歪み量(残留応力)を測定した結果を図7に棒グラフで示
す。なお、各棒グラフ中の符号1,2,3,4は上述の
測定個所を示す。また不良率については図7に折れ線グ
ラフで示している。
【0025】図7からも明らかなように、ノッチ部19
の深さを押し湯部14の下部一部を残す深さに設定した
この実施例のものでは不良率が0%であるのに対して、
ノッチ部を一切有さない従来例のものでは不良率が約5
%、押し湯部14の全高にわたってノッチ部19を形成
した所謂フルノッチ構造の比較例のものでは不良率が約
67%であった。
【0026】このフルノッチ構造のものではアルミニウ
ム合金製の母材がフルノッチより過度に塑性変形し、割
れが発生するために不良率が過大になるものと推考され
る。一方、歪み量(歪み戻り量)については、この実施例
のものでは1138.0×10−6〜1242.0×1
−6であるのに対して、従来例のものでは1582.
0×10−6〜2202.0×10−6と大きく、また
比較例のものでは757.0×10−6〜865.0×
10−6と小さいが、この比較例のものは不良率が約6
7%と過大になる。
【0027】つまり、比較例のフルノッチ構造のもので
は、ノッチ形状を深く形成することで、切断時のシリン
ダライナ18の歪み戻り量(残留応力)については低下す
るものの、ノッチ部19が深すぎることにより過度の塑
性変形が生じ、これによりクラックが発生して、不良率
が増大するものである。
【0028】したがって、押し湯部14に該押し湯部1
4を鋳造品(シリンダブロック22)の鋳造後の冷却収縮
による応力の方向(気筒列と直交する方向)に対して分割
する方向(気筒列方向)に所定深さのノッチ部19を設け
た本実施例のものが、不良率および歪み量の双方から考
慮して最も優れていることが明白である。
【0029】なお、図9に他の実施例を示すように押し
湯部14に設けるノッチ部19の幅L2を若干大きく設
定(L2>L1)すると共に、ノッチ部19の深さを、押
し湯部14の下部に若干高い所定の高さH2(但しH2
>H1)の一部のみを残す深さに設定しても、図1〜図
5で示した実施例のものと略同様の作用、効果を奏する
ものと推考されるので、図9において前図と同一の部分
には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0030】このように上記実施例の鋳型構造は、鋳造
品(シリンダブロック22参照)を鋳造するキャビティ部
12に湯口13を介して押し湯部14が設けられた鋳型
構造であって、上記押し湯部14には該押し湯部14を
鋳造品(シリンダブロック22参照)の鋳造後の冷却収縮
による応力の方向(気筒列と直交する方向)に対して分割
する方向(気筒列方向)に所定深さのノッチ部19が設け
られたものである。
【0031】この構成によれば、鋳造品の鋳造後の冷却
収縮による応力の方向に対して押し湯部14を分割する
方向に、該押し湯部14に所定深さのノッチ部19を設
けたので、押し湯部14により抑制、拘束されていた鋳
造品の冷却収縮が許容、促進され、この結果、冷却収縮
拘束に起因する内部応力が開放されて、クラック等の欠
陥が発生するのを防止することができる。
【0032】また、上記ノッチ部19は押し湯部14の
下部一部を残す深さに設定されたものである。この構成
によれば、ノッチ部19を押し湯部14の下部一部を残
す深さに設定したので、鋳造品の適度の塑性変形が促進
されると共に、過度の塑性変形が下部一部の残部に抑止
されるので、内部応力を適切に開放することができる。
【0033】さらに、上記鋳造品(シリンダブロック2
2参照)は母材(シリンダブロック本体21参照)と鋳ぐ
るみ部材(シリンダライナ18参照)とを有し、母材に対
して冷却収縮率の異なる鋳ぐるみ部材が鋳ぐるまれたも
のである。この構成によれば、母材と鋳ぐるみ部材との
冷却収縮率の差異により、内部応力が発生しやすくなる
が、上記ノッチ部19により斯る内部応力を開放するこ
とができる。
【0034】しかも、上記母材と比較して冷却収縮率が
小さい鋳ぐるみ部材が鋳ぐるまれたものである。この構
成によれば、母材に対して鋳ぐるみ部材の冷却収縮率が
小さく、内部応力が発生しやすくなるが、上述の押し湯
部14のノッチ部19にて、この内部応力を開放するこ
とができる。
【0035】また、上記母材はアルミニウム合金製のシ
リンダブロック本体21に設定され、上記鋳ぐるみ部材
は鋳鉄製のシリンダライナ18に設定されたものであ
る。この構成によれば、アルミニウム合金製のシリンダ
ブロック本体21に対して、鋳鉄製のシリンダライナ1
8の冷却収縮率が小さく、鋳造後の内部応力が発生しや
すくなるが、上述の押し湯部14のノッチ部19にて、
この内部応力を開放することができるので、シリンダブ
ロック22のシリンダボア24,25間、25,26
間、26,27間(図8参照)にクラック等の欠陥が発生
するのを防止することができる。
【0036】さらには、上記湯口13は図2で示したよ
うに、シリンダボア間においてシリンダブロック22の
幅方向(気筒列と直交する方向つまり応力が作用する方
向と同方向)に延びるように設定されたものである。こ
の構成によれば、シリンダボア間は肉厚が薄く、応力が
集中してクラック等の欠陥が発生しやすいが、このシリ
ンダボア間においてシリンダブロック22の幅方向(気
筒列方向と直交する方向)に延びるように湯口13を設
けたので、この湯口13を介して上記ノッチ部19にて
応力が開放され、クラック等の欠陥発生を防止すること
ができ、さらに鋳造性つまり注湯時の湯廻り性も良好と
なる。
【0037】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の鋳造品は、実施例のシリンダブロ
ック22に対応し、以下同様に、鋳型は、砂鋳型11に
対応し、キャビティはキャビティ部12に対応し、鋳造
後の冷却収縮による応力の方向は、気筒列方向と直交す
る方向(幅方向)に対応し、分割する方向は、気筒列方向
(長手方向)に対応し、母材は、アルミニウム合金製のシ
リンダブロック本体21に対応し、鋳ぐるみ部材は、鋳
鉄のシリンダライナ18に対応し、シリンダブロックは
幅方向は、気筒列方向と直交する方向に対応するも、こ
の発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるもので
はない。
【0038】例えば、本発明は母材と鋳ぐるみ部材との
収縮率の異なるシリンダブロック以外の鋳造品の鋳型構
造または押し湯構造に適用してもよいことは勿論であ
る。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、押し湯部に該押し湯
部を鋳造品の鋳造後の冷却収縮による応力の方向に対し
て分割する方向に所定深さのノッチ部(切り込み部)を設
けたので、押し湯部により抑制、拘束されていた鋳造品
の冷却収縮が、押し湯部に上記ノッチ部を設けることに
より許容されて、冷却収縮拘束に起因する内部応力が開
放されて、クラック等の欠陥が発生するのを防止するこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鋳型構造を示す断面図。
【図2】 図1のA−A線矢視断面図。
【図3】 注湯時の説明図。
【図4】 押し湯時の説明図。
【図5】 溶湯凝固時の説明図。
【図6】 比較例を示す断面図。
【図7】 不良率および歪み量を示す特性図。
【図8】 測定ポイントを示す平面図。
【図9】 鋳型構造の他の実施例を示す断面図。
【図10】 従来の鋳型構造を示す断面図。
【図11】 冷却収縮による応力の発生方向を示す平面
図。
【符号の説明】
11…砂鋳型(鋳型) 12…キャビティ部 13…湯口 14…押し湯部 18…シリンダライナ(鋳ぐるみ部材) 19…ノッチ部 21…シリンダブロック本体(母材) 22…シリンダブロック(鋳造品) 24〜27…シリンダボア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳造品を鋳造するキャビティに湯口を介し
    て押し湯部が設けられた鋳型構造であって、上記押し湯
    部には該押し湯部を鋳造品の鋳造後の冷却収縮による応
    力の方向に対して分割する方向に所定深さのノッチ部が
    設けられた鋳型構造。
  2. 【請求項2】上記ノッチ部は押し湯部の下部一部を残す
    深さに設定された請求項1記載の鋳型構造。
  3. 【請求項3】上記鋳造品は母材と鋳ぐるみ部材とを有
    し、母材に対して冷却収縮率の異なる鋳ぐるみ部材が鋳
    ぐるまれた請求項1または2記載の鋳型構造。
  4. 【請求項4】上記母材と比較して冷却収縮率が小さい鋳
    ぐるみ部材が鋳ぐるまれた請求項3記載の鋳型構造。
  5. 【請求項5】上記母材はアルミニウム合金製のシリンダ
    ブロック本体に設定され、上記鋳ぐるみ部材は鉄製のシ
    リンダライナに設定された請求項4記載の鋳型構造。
  6. 【請求項6】上記湯口はシリンダボア間においてシリン
    ダブロックの幅方向に延びるように設定された請求項5
    記載の鋳型構造。
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