JP2003229588A - 薄膜半導体の製造方法及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜半導体の製造方法及び太陽電池の製造方法

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JP2003229588A
JP2003229588A JP2002025347A JP2002025347A JP2003229588A JP 2003229588 A JP2003229588 A JP 2003229588A JP 2002025347 A JP2002025347 A JP 2002025347A JP 2002025347 A JP2002025347 A JP 2002025347A JP 2003229588 A JP2003229588 A JP 2003229588A
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semiconductor
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thin film
semiconductor layer
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Yukiko Iwasaki
由希子 岩崎
Masaki Mizutani
匡希 水谷
Noritaka Ukiyo
典孝 浮世
Makoto Iwagami
誠 岩上
Akiyuki Nishida
彰志 西田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板を陽極化成して多孔質層を形成し
た後、多孔質上に半導体層をエピタキシャル成長法によ
り形成し、多孔質層を介して半導体層を半導体基板から
分離する薄膜半導体の製造方法において、半導体層と剥
離基体との固着方法に着目し、より効率的に良質な薄膜
半導体を得ることも可能となる薄膜半導体の製造方法、
及びそれを用いた太陽電池の製造方法を提供すること。 【解決手段】 最終的に製品となる半導体層(104)
と、これを半導体基板(101)から剥離するための基
体である剥離基体(106)とは分離層(105)で固
着しておき、分離層(105)として、前記半導体層上
に酸化物ペーストを塗布して焼成することにより形成さ
れた層、若しくは、所定の接着剤を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池等の半導体
装置等の製造に好ましく適用可能な薄膜半導体の製造方
法に関し、より詳しくは、半導体基板上に多孔質層、半
導体層を形成した後に半導体基板と半導体層とを分離す
る工程を含む薄膜半導体の製造方法、及び太陽電池の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池原料となるシリコン不足の問題
や、ICカードやスタックドIC等の普及、更なる薄膜
化等に伴って、薄型の太陽電池基材や半導体ウエハへの
ニーズが高まり、薄膜状の半導体ウエハ(以下、薄膜半
導体と略)が注目を集めている。
【0003】この薄膜半導体については、200μm程
度の薄型化はすでにフィールドで実績があるが、さらに
薄型化が望まれる傾向にあり、近年では厚さ50μmの
薄膜半導体が普及しはじめ、将来的には厚さ10μmの
薄膜半導体の出現も予想されている。
【0004】ところが、従来の研削による半導体ウエハ
の薄膜化は、装置およびプロセスコストが高く、さらに
薄膜半導体へのダメージや、ケミカルエッチング時にN
Oxが発生するという環境問題等を抱えていた。
【0005】研削に代わる、薄膜半導体を形成する方法
の一つとして、半導体基板上に形成した多孔質層上に薄
膜半導体層を形成した後、多孔質層部分で前記薄膜半導
体層を半導体基板から分離する薄膜半導体及び太陽電池
の製造技術が知られている。分離方法としては、エッチ
ングによる化学的方法、または超音波や引っ張り力等の
力を作用させる物理的方法が用いられている。
【0006】物理的分離法について、特開平7−302
889号公報にはシリコンウエハ表面に多孔質層を形成
した後にエピタキシャル成長法により半導体層を形成
し、該半導体層に別のウエハを張り合わせ、多孔質層に
圧力やせん断応力、超音波等を印加して分離するとの記
載がある。また特開平8−213645号公報にも同様
に、単結晶シリコン基板表面に多孔質層を形成した後、
pn接合構造をエピタキシャル成長法により形成し、前
記単結晶シリコン基板の裏面を接着剤により治具に固
定、エピタキシャル成長層にもう一つの治具を接着して
両治具を引き離す事により、多孔質層を破断して薄膜エ
ピタキシャル層(太陽電池)を得るとの記載、さらに特
開平10−190032号公報には、シリコン層と、シ
リコン層に接着したプラスチック基板との収縮率の違い
を利用し、液体窒素の蒸気で冷却して剥離するとの記載
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、半導体層と剥離基体との固着方法
についての考慮が十分でなく、特に、薄膜半導体を単膜
で得るための製造方法の最適化という点での配慮はなさ
れていなかった。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、半導体層と剥離基体との固着方法に着目し、より
効率的に良質な薄膜半導体を得ることも可能となる薄膜
半導体の製造方法、及びそれを用いた太陽電池の製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第1の発明は、半導体基板に多孔質層を形成する工程
と、該多孔質層上に半導体層を形成する工程と、該半導
体層上に分離層を形成する工程と、該分離層に剥離基体
を貼り付ける工程と、前記多孔質層の少なくとも一部を
破壊し、前記半導体基板と前記半導体層とを分離する工
程と、前記分離層の少なくとも一部を破壊し、前記半導
体層と前記剥離基体とを分離する工程と、を少なくとも
有し、前記分離層が、前記半導体層上に酸化物ペースト
を塗布して焼成することにより形成されることを特徴と
する薄膜半導体の製造方法である。
【0010】本発明は、上記第1の発明において、前記
焼成が、50〜150℃にて行われることをその好まし
い態様として含むものである。
【0011】上記課題を解決するための第2の発明は、
半導体基板に多孔質層を形成する工程と、該多孔質層上
に半導体層を形成する工程と、該半導体層上に分離層を
形成する工程と、該分離層に剥離基体を貼り付ける工程
と、前記多孔質層の少なくとも一部を破壊し、前記半導
体基板と前記半導体層とを分離する工程と、前記分離層
の少なくとも一部を破壊し、前記半導体層と前記剥離基
体とを分離する工程と、を少なくとも有し、前記分離層
が、所定の接着剤であることを特徴とする薄膜半導体の
製造方法である。
【0012】本発明は、上記第2の発明において、「前
記半導体層と前記剥離基体とを分離する工程において、
前記接着剤のみを変質させて分離すること」、「前記半
導体層と前記剥離基体とを分離する工程において、前記
剥離基体と前記接着剤との両方を変質させて分離するこ
と」、をその好ましい態様として含むものである。
【0013】さらに本発明は、上記第1、第2の発明に
おいて、「前記剥離基体を繰り返し利用すること」、
「前記剥離基体が、複数の貫通穴の形成されている板材
であること」、「前記剥離基体が、前記半導体層とは熱
膨張率の異なる材質の板材であること」、「前記剥離基
体がプラスチック樹脂からなること」、「前記多孔質層
の少なくとも一部を破壊し、前記半導体基板と前記半導
体層とを分離する工程において、冷却手段を用いて前記
多孔質層に力を加えることにより前記多孔質層を破壊
し、前記半導体基板と前記半導体層とを分離するこ
と」、「前記冷却手段として−10℃以下に冷却できる
冷凍装置を用いること」、をその好ましい態様として含
むものである。
【0014】さらに本発明は、上記第1、第2の発明に
記載の薄膜半導体の製造方法を含むことを特徴とする太
陽電池の製造方法をも含むものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、半導体基板に
多孔質層を形成する工程と、該多孔質層上に半導体層を
形成する工程と、該半導体層上に分離層を形成する工程
と、該分離層に剥離基体を貼り付ける工程と、前記多孔
質層の少なくとも一部を破壊し、前記半導体基板と前記
半導体層とを分離する工程と、前記分離層の少なくとも
一部を破壊し、前記半導体層と前記剥離基体とを分離す
る工程と、を少なくとも有する。これにより、半導体層
の部分を半導体薄膜等の製品とするものである。そし
て、最終的に製品となる半導体層とこれを半導体基板か
ら剥離するための基体である剥離基体とは分離層で固着
する。分離層として、前記半導体層上に酸化物ペースト
を塗布して焼成することにより形成された層、若しく
は、所定の接着剤を用いることにより、(1)分離層を
低温で形成可能である、(2)半導体層から剥離基体を
容易に剥離させることができる、(3)分離層の残渣を
残さず除去することが容易となる等の理由から、より良
好な膜質の半導体薄膜を得ることも可能となるだけでな
く、薄膜半導体の製造に適した半導体基板や剥離基体を
良好な状態で多数回使用可能となる。
【0016】分離層として酸化物ペーストを用いる場合
には、SiO2、TiO2等が好ましく用いられる。これ
を半導体層上にスピンコート法等の周知の塗布法により
塗布後、常温にて乾燥し、焼成することにより分離層が
形成できる。好ましくは、焼成は50〜150℃にて行
うことである。このように通常の焼成よりも低温で焼成
することにより、通常の酸化物ペーストの焼成時のよう
に高温で熱することによるストレスで半導体膜が剥がれ
たり、半導体基板が割れてしまうといったことを防止す
ることができる。
【0017】分離層として接着剤を用いる場合には、エ
ポキシ系、アクリル系、といった所定の接着剤を用い
る。これらの接着剤は、アセトンやキシレン等の溶剤に
溶解或いは膨潤するため、残渣も残さずに除去すること
ができ、良好な膜質の半導体薄膜を得ることが可能とな
る。
【0018】剥離基体は、板状のもの、ブロック形状の
もの等、分離層と固着可能な平面を有していれば形態は
特に限定されない。剥離基体を繰り返し使用する場合に
おいて、分離層を化学的湿式エッチングにて破壊する場
合には、ガラスやポリカーボネート等の樹脂等で、エッ
チングにおいて使用するエッチャントと反応しないもの
が好ましく、少なくとも分離層の材料よりもエッチャン
トとの反応速度が遅いものである必要がある。剥離基体
を分離層としての接着剤と共にアセトンやキシレン等の
溶剤等により溶解或いは膨潤等、変質させて廃棄する場
合には、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂等のエチレン系共重合体等
が剥離基体として使用可能である。
【0019】次に本発明の半導体薄膜の製造方法を、図
1の例を参照して具体的に説明するが、本発明はこの形
態に限定されるものではない。
【0020】図1は、本発明の半導体薄膜の製造方法の
一例の工程図である。図1において、101は半導体基
板、102はドープ層、103は多孔質層、103’は
多孔質残渣、104は半導体層、105は分離層、10
6は剥離基体、107は接着剤、107’は接着剤残
渣、108は貫通孔である。
【0021】例えば単結晶シリコンウエハ等の半導体基
板101の表面に不純物を熱拡散、イオン打込み、ある
いはウエハ作製時に混入させることにより導入し、少な
くともウエハ表面にp+(あるいはn+)層等のドープ
層102を形成する(図1−(a))。
【0022】次に不純物を導入した側の半導体基板表面
を、例えばHF溶液中で陽極化成することにより該表面
付近は多孔質化し、多孔質層103となる(図1−
(b))。
【0023】この多孔質層103に水素アニールを施し
て表面を平滑化した後、液相成長法またはCVD法等の
気相成長方法により単結晶シリコン半導体からなる半導
体層104を成長させる(図1−(c))。この時、作
製するデバイスの必要に応じて接合を作り込んでも良い
し、後に作り込んでも良い。
【0024】陽極化成における多孔質層化において、化
成電流レベルを、例えば途中で低レベルから高レベルへ
変化させることにより、予め多孔質層の構造に疎密の変
化を設けることが可能で、それによりエピタキシャル成
長後に多孔質層103を介して半導体層104を半導体
基板101から分離し易くすることができる。
【0025】次に、半導体層104上に分離層105を
形成する。例えば、多孔質層形成面側に塗布焼成用の酸
化物ペーストをスピナーにて塗布し、常温にて乾燥後5
0〜150℃程度で乾燥させて分離層105が形成でき
る(図1−(d))。ここで、仕様通りの塗布焼成酸化
膜に仕上げるためには、1000℃近い高温で焼成する
必要がある。ところが多孔質層強度が弱い場合、焼成中
に熱によるストレスで分離層と半導体膜とが剥がれた
り、半導体基板が割れてしまう危険性がある。本発明の
場合は低温で焼くだけで、分離層として必要な機能を充
分満たすことができる。
【0026】さらに、分離層105を形成した表面に半
導体層104とは熱収縮率の異なる剥離基体106、例
えばプラスチック基板を、例えばエポキシ系の接着剤1
07にて接着した後(図1−(e))、剥離基体106
の周辺に沿って多孔質層103上に成長した半導体層1
04のみ、またはそれに加えて多孔質層103の一部ま
たは全部を除去する(図1−(f))。剥離基体106
に複数の貫通穴108をあけておくと、後に分離層をエ
ッチング可能なエッチャントに浸漬して剥離基体106
を分離する際、エッチャントがこの貫通穴108を通っ
て直接分離層105をエッチングできるため、短時間で
剥離基体106と半導体層104を分離する事が可能と
なる。
【0027】ここで周辺除去について簡単に説明をして
おく。多孔質層に力を作用させて半導体基板と半導体層
とを分離する場合、分離力によって多孔質層が破壊を始
める時の衝撃により、分離したい半導体層の領域の周辺
部に細かいひびや割れが入ってしまうことがある。この
ような周辺部にできたひびや割れをそのままにしておく
と、その後のプロセス中に周辺部に留まらず中心部へ伝
播する恐れがある。その結果、薄膜半導体や太陽電池の
収率は低下してしまう。また、太陽電池においては発電
に寄与しない部分が出来るためモジュール面積当たりの
発電量が減り、さらに外観上も好ましくない。そこで、
この問題を解決するため、予め分離を開始する基板の周
辺に沿って基体の周辺に沿って多孔質層上に成長した半
導体層のみ、またはそれに加えて多孔質層の一部または
全部を除去しておくことにより、ひびや割れが導入され
ず、かつ容易に分離をすることが可能となる。周辺除去
手段には、グラインダ研削、レーザー、エッチング等、
分離したい半導体層への悪影響の少ない方法を選ぶ。ま
た、あらかじめ分離領域周辺部への成長を阻止する工夫
をしておけば、より簡単に工程を進める事が出来る。
【0028】次に半導体基板101ごと剥離基体106
を冷却し、熱膨張率の差を利用して多孔質層103へ力
を加えて破壊、半導体層104と半導体基板101とを
分離する(図1−(g))。シリコンの線膨張係数が
2.5E-6/degであるのに対し、ほとんどのプラス
チックの線熱膨張係数は、シリコンに比べて一桁から二
桁大きいため、2つの材料を接着した状態で冷却する事
で多孔質を破壊する力が発生し、分離が可能となる。冷
却温度は多孔質強度や剥離基体として用いる材料の熱膨
張率によるが、液体窒素の冷気や冷凍庫等を利用し、−
10〜−50℃程度に冷却するとよい。
【0029】次いで分離層105をエッチングして剥離
基体106と半導体層104を分離する(図1−
(h))。エッチングにはフッ酸系エッチャント等が使
用できる。多孔質残渣103’の除去は必要に応じて行
い、他に剥離基体106と半導体層104が接着してい
るハンドリング容易な状況で行っても良いし、剥離基体
106を分離してから行っても良い。
【0030】従来技術においては、半導体層を多孔質層
から分離する際に利用する金属やプラスチック等の剥離
基体が接着したままの状態でその後の工程に流れるた
め、耐化学薬品性、耐熱性の観点から、剥離基体として
利用可能な材料や分離後に実施可能な工程に大きな制限
あった。さらに前記制限から製品形態にも制約があり、
また接合形成や電極形成等ほとんどの工程を分離前に施
しておくため、分離工程の収率が製造コストに大きく影
響してしまうという問題もあったが、単膜になった半導
体層は、その後薄膜半導体として、また太陽電池へと利
用でき、材質がシリコンのみのため、耐熱性や耐薬品性
については従来のシリコンウエハと同様に扱える。必要
に応じて所望の特性をもった他の基体に接着すればよ
い。また半導体層の成長を制御する事で、膜厚も自由に
設定でき、膜厚に応じて半導体層にフレキシブル性を持
たせることができるので、太陽電池の曲面への応用等も
容易である。
【0031】分離後の剥離基体106は接着剤残渣10
7’を、エッチング等により除去/処理することにより
(図1−(i))、また分離が終わった後の半導体基板
101は、その表面に残っている多孔質層103’を除
去し(図1−(j))、再び最初の工程に供せられ、共
に有効に利用することができる。
【0032】
【実施例】(実施例1)図2は、本発明の太陽電池の製
造方法の一例である本実施例の工程図である。図2にお
いて、201は半導体基板、202は多孔質層、20
2’は多孔質残渣、203〜205はドープ層、206
は分離層、207は剥離基体、208は接着剤、20
8’は接着剤残渣、209は貫通孔、210は熱分離層
(パッシベーション膜)、211は表面電極、212は
裏面電極である。なお、本形態においては203〜20
5の3層のドープ層からなる構造体が半導体層に対応し
ている。
【0033】厚み600μmの5インチφ型p+型シリ
コン単結晶からなる半導体基板201をフッ酸溶液中で
電流を二段階に変化させて陽極化成し、片面に厚さ約1
3μmの多孔質層202を得た(図2−(a))。電流
は8mA/cm2で10分間通電したのち、30mA/
cm2で1分間通電した。多孔質層は途中で電流を増化
させることにより、密な構造の多孔質層と疎な構造の多
孔質層の二層構造となった。
【0034】次に半導体基板201を水素雰囲気中で表
面温度1050℃にて5分間アニールした後、多孔質層
202上にCVD法にてp+型のドープ層203を0.
5μm、p−型のドープ層204を20μm、n+型の
ドープ層205を0.2μmを順次堆積し、半導体層を
形成した(図2−(b))。ここで、p+層とn+層の
堆積する順序が入れ替わっても構わない。
【0035】次いで上記3層からなる半導体層の上にス
ピナ−を用いて酸化物ペーストを塗布し、常温で乾燥さ
せた後に約80℃で軽く焼いて分離層206を約0.4
μmの厚みに形成した(図2−(c))。
【0036】その表面に直径12cm、厚さ1mmのポ
リカーボネートからなる剥離基体207をエポキシ系接
着剤208で常温接着した(図2−(d))。ポリカー
ボネート板である剥離基体207には、7mm間で2m
m角の貫通穴209を多数開口しておき、接着時には表
面張力を利用して貫通孔209に接着剤が広がらないよ
うにした。
【0037】接着後、剥離基体207の周辺に沿って3
層からなる半導体層および多孔質層202の一部をグラ
インダで除去した後(図2−(e))、半導体基板20
1ごと冷凍庫で−30度まで冷却し、シリコンとポリカ
ーボネートとの収縮率の差を利用して多孔質層202に
せん断力を加えて破壊し、3層からなる半導体層203
〜205を半導体基板201から分離した(図2−
(f))。
【0038】分離した半導体層(膜)をHF:H2O=
1:1のエッチャントに浸漬し、貫通孔209を通じて
塗布形成分離層206をエッチング除去すると同時に、
剥離基体207と3層からなる半導体層(膜)を分離し
た(図2−(g))。
【0039】得られた薄膜半導体は、その後、多孔質残
渣202’をHF:H22=1:1で除去し、熱酸化膜
(パッシベーション膜)210を形成し、表面電極21
1および裏面電極212を形成して太陽電池とした(図
2−(h))。
【0040】剥離基体207はH2SO4:H22=4
0:1に浸漬して接着剤残渣208’を除去し(図2−
(i))、半導体基板201も多孔質残渣202’をエ
ッチング除去して(図2−(j))、どちらも再び同様
の工程に繰り返し利用した。
【0041】(実施例2)図3は、本発明の半導体薄膜
の製造方法の一例である実施例2の工程図である。図3
において、301は半導体基板、302はドープ層、3
03は多孔質層、303’は多孔質残渣、304は半導
体層、305は成長防止カバー、306は剥離基体、3
07は分離層、307’は接着剤残渣である。
【0042】厚み500μm、5インチφの、p型シリ
コン単結晶からなる半導体基板301の片面の表面にB
(ホウ素)を熱拡散により導入してp+のドープ層30
2を形成した(図3−(a))。
【0043】次に化成液を端面でシールした他は実施例
1と同様にして多孔質層303を形成した(図3−
(b))。
【0044】その後、半導体基板301を水素雰囲気中
で表面温度1050℃にて1分間アニールし、過飽和状
態となる濃度までシリコンを溶かし込んだ900℃の金
属インジウム溶液中に浸漬し、徐冷して半導体層304
を30μmの厚さに形成した。この時、多孔質層303
上に、半導体基板301より直径7mm小さい同心円領
域にのみ半導体層304が形成されるように成長防止カ
バー305を施した(図3−(c))。
【0045】次に、半導体層304の表面に剥離基体3
06として半導体層304と同じ形状で厚さ0.5mm
のスチロール基板を、エポキシ系接着剤からなる分離層
307が剥離基体306からはみ出さない様に常温で接
着した(図3−(d))。なお、接着後、スチロール基
板である剥離基体306をマスクにして、多孔質層30
3の一部をドライエッチングにて除去した。
【0046】続いて、半導体基板301全体を液体窒素
の冷気にあてて冷却し、スチロールとシリコンとの熱収
縮率の差を利用して多孔質層303にせん断力を加え、
多孔質層303を破壊して半導体層304を半導体基板
301から分離した(図3−(e))。
【0047】その後、剥離基体306の付いたままの半
導体層(膜)304をアセトンに浸漬すると、スチロー
ルからなる剥離基体306にアセトンが染みて膨潤する
と同時にエポキシ系接着剤からなる分離層307も膨潤
し、半導体層(膜)304から剥がし取る事が出来た
(図3−(f))。
【0048】スチロール基板である剥離基体306を分
離した後、半導体層(膜)304を硫酸過水で洗浄し、
接着剤残渣307’を除去し、さらにフッ酸過水に浸漬
して半導体基板301との分離面に残る多孔質層残渣3
03’を除去し、シリコンのみで形成される薄膜半導体
が得られた(図3−(g))。
【0049】一方の半導体基板301は多孔質残渣30
3’を除去した後、再び同じ工程を施し、繰り返し利用
できる(図3−(h))。
【0050】(実施例3)図4は、本発明の半導体薄膜
の製造方法の一例である実施例3の工程図である。図4
において、401は半導体基板、402は多孔質層、4
02’は多孔質残渣、403は半導体層、404は剥離
基体、405は分離層、405’は接着剤残渣、406
は貫通孔、407はくさびである。
【0051】厚さ1mm、12cm□のp+型多結晶シ
リコンからなる半導体基板401を実施例1と同様にし
て化成液をシールして半導体基板の両面を陽極化成し、
多孔質層402を形成した(図4−(a))。
【0052】ついで半導体基板両面の多孔質層402上
に、約30μmの半導体層403を液相成長溶液に浸漬
してエピタキシャル成長した(図4−(b))。
【0053】それぞれの面に11.5cm□、厚さ0.
9mmのガラス基板である剥離基体404をエポキシ系
接着剤からなる分離層405で常温接着した(図4−
(c))。このとき、ガラス基板404には、5mm間
隔で1.5mmφの貫通穴406を開けておいた。
【0054】次に、剥離基体404周辺に沿って、半導
体層403と多孔質層402の一部をグラインダで除去
した後(図4−(d))、テフロン(登録商標)製のク
サビ407を挿入して、多孔質層402を介して表裏の
半導体層403をそれぞれ半導体基板401から分離し
た(図4−(e))。
【0055】剥離基体404が付いたままの半導体層
(膜)403をアセトンに浸漬し、剥離基体404に形
成しておいた貫通穴406を通して分離層405を膨潤
させて接着力を弱め、半導体層(膜)403を剥離基体
404から分離した(図4−(f))後、多孔質残渣4
02’をエッチングで除去し、薄膜半導体を得た(図4
−(g))。
【0056】半導体基板401はその後、多孔質層残渣
402’を除去し(図4−(i))、繰り返し同工程を
5回施し、合計10枚の薄膜半導体を得ることができ
た。また各工程において、毎回剥離基体404も接着剤
残渣405’を除去して再利用した(図4−(h))。
【0057】
【発明の効果】半導体基板を陽極化成して多孔質層を形
成した後、多孔質上に半導体層を形成し、多孔質層を介
して半導体層を半導体基板から分離する薄膜半導体の製
造方法において、最終的に製品となる半導体層とこれを
半導体基板から剥離するための基体である剥離基体とは
分離層で固着しておき、分離層として、前記半導体層上
に酸化物ペーストを塗布して焼成することにより形成さ
れた層、若しくは、所定の接着剤を用いることにより、
(1)分離層を低温で形成可能である、(2)半導体層
から剥離基体を容易に剥離させることができる、(3)
分離層の残渣を残さず除去することが容易となる等の理
由から、より良好な膜質の半導体薄膜を得ることも可能
となるだけでなく、薄膜半導体の製造に適した半導体基
板や剥離基体を良好な状態で多数回使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体薄膜の製造方法の一例の工程図
である。
【図2】本発明の太陽電池の製造方法の一例である実施
例1の工程図である。
【図3】本発明の半導体薄膜の製造方法の一例である実
施例2の工程図である。
【図4】本発明の半導体薄膜の製造方法の一例である実
施例3の工程図である。
【符号の説明】
101,201,301,401 半導体基板 102,203,204,205,302 ドープ層 103,202,303,402 多孔質層 104,304,403 半導体層 105,206,307,405 分離層 106,207,306,404 剥離基体 107,208 接着剤 108,209,406 貫通孔 103’,202’,303’,402’ 多孔質残渣 107’,208’,307’,405’ 接着剤残渣 210 熱分離層(パッシベーション膜) 211 表面電極 212 裏面電極 305 成長防止カバー 407 くさび
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浮世 典孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岩上 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 西田 彰志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA02 CB10 CB12 CB13 CB21 CB30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に多孔質層を形成する工程
    と、 該多孔質層上に半導体層を形成する工程と、 該半導体層上に分離層を形成する工程と、 該分離層に剥離基体を貼り付ける工程と、 前記多孔質層の少なくとも一部を破壊し、前記半導体基
    板と前記半導体層とを分離する工程と、 前記分離層の少なくとも一部を破壊し、前記半導体層と
    前記剥離基体とを分離する工程と、を少なくとも有し、 前記分離層が、前記半導体層上に酸化物ペーストを塗布
    して焼成することにより形成されることを特徴とする薄
    膜半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記焼成が、50〜150℃にて行われ
    ることを特徴とする請求項1に記載の薄膜半導体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板に多孔質層を形成する工程
    と、 該多孔質層上に半導体層を形成する工程と、 該半導体層上に分離層を形成する工程と、 該分離層に剥離基体を貼り付ける工程と、 前記多孔質層の少なくとも一部を破壊し、前記半導体基
    板と前記半導体層とを分離する工程と、 前記分離層の少なくとも一部を破壊し、前記半導体層と
    前記剥離基体とを分離する工程と、を少なくとも有し、 前記分離層が、所定の接着剤であることを特徴とする薄
    膜半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体層と前記剥離基体とを分離す
    る工程において、前記接着剤のみを変質させて分離する
    ことを特徴とする請求項3に記載の薄膜半導体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記半導体層と前記剥離基体とを分離す
    る工程において、前記剥離基体と前記接着剤との両方を
    変質させて分離することを特徴とする請求項3に記載の
    薄膜半導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記剥離基体を繰り返し利用することを
    特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載
    の薄膜半導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記剥離基体が、複数の貫通穴の形成さ
    れている板材であることを特徴とする請求項1から6の
    うちのいずれか1項に記載の薄膜半導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記剥離基体が、前記半導体層とは熱膨
    張率の異なる材質の板材であることを特徴とする請求項
    1から7のうちのいずれか1項に記載の薄膜半導体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記剥離基体がプラスチック樹脂からな
    ることを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか1
    項に記載の薄膜半導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記多孔質層の少なくとも一部を破壊
    し、前記半導体基板と前記半導体層とを分離する工程に
    おいて、冷却手段を用いて前記多孔質層に力を加えるこ
    とにより前記多孔質層を破壊し、前記半導体基板と前記
    半導体層とを分離することを特徴とする請求項1から9
    のうちのいずれか1項に記載の薄膜半導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記冷却手段として−10℃以下に冷
    却できる冷凍装置を用いることを特徴とする請求項10
    に記載の薄膜半導体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のうちのいずれか1
    項に記載の薄膜半導体の製造方法を含むことを特徴とす
    る太陽電池の製造方法。
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