JP2002100791A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池の製造方法

Info

Publication number
JP2002100791A
JP2002100791A JP2000287208A JP2000287208A JP2002100791A JP 2002100791 A JP2002100791 A JP 2002100791A JP 2000287208 A JP2000287208 A JP 2000287208A JP 2000287208 A JP2000287208 A JP 2000287208A JP 2002100791 A JP2002100791 A JP 2002100791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor layer
substrate
porous
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000287208A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukiko Iwasaki
由希子 岩▲崎▼
Akiyuki Nishida
彰志 西田
Kiyobumi Sakaguchi
清文 坂口
Takao Yonehara
隆夫 米原
Noritaka Ukiyo
典孝 浮世
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000287208A priority Critical patent/JP2002100791A/ja
Publication of JP2002100791A publication Critical patent/JP2002100791A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Weting (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜半導体に対する、ひびや割れ、欠陥の導
入が低減され、しかも、同時に任意形状に加工すること
ができ、収率よく安価に高性能な太陽電池が得られる製
造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、第一の基体の表面を陽極化
成することにより、基体の少なくとも片面に多孔質層を
形成する工程と、前記多孔質層の上に少なくとも半導体
層を形成する工程と、前記半導体層表面に第二の基体を
接着する工程と、前記多孔質層を介して、前記半導体層
と第一の基体とを分離する工程と、少なくとも分離した
前記半導体層の周辺部を除去する工程とを有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質層上に堆積
した半導体薄膜を用いて構成される太陽電池の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池の製造法において、半導体基板
上に形成した多孔質層上に薄膜半導体層を形成した後、
多孔質層を介して、前記薄膜半導体層を分離する技術が
知られている。分離方法としては、エッチングによる化
学的方法、または、電磁波や超音波、引張り力、せん断
力などの力を作用させる物理的方法が用いられる。これ
らの分離法については、特開平7−302889号公
報、特開平8−213645号公報、特開平10−19
0032号公報に記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の手法の内、多孔
質層に力を作用させて、薄膜エピタキシャル層を得る場
合、分離力によって、第一基体の表面に形成された薄膜
半導体層や多孔質層を破壊する際の衝撃により、分離し
たい半導体薄膜領域の周辺部に、細かいひびや割れが入
ってしまうことがある。このような周辺部にできたひび
や割れをそのままにしておくと、その後のプロセス中に
周辺部に留まらず、中心部へ伝播する畏れがある。その
結果、太陽電池の収率は低下し、発電に寄与しない部分
ができるために、モジュール面積当たりの発電量が減
り、さらに、外観上も好ましくない。
【0004】また、太陽電池には、限られた面積から必
要な電力を得ることが要求されるため、モジュール化に
当っては、面積を有効に利用しなければならない。従っ
て、太陽電池は、決められた面積にできる限り大きな受
光領域を確保するように、敷き詰めることが可能な、適
当な形状であることが望まれる。
【0005】ところが、一般的な太陽電池用ウエハの形
状は、円もしくは円から切り出しているために、正方形
の4角が欠けた8角形である。
【0006】一方、前記ひび割れの問題を解決するため
には、分離後に半導体層の周辺部に導入されたひびや割
れを除去してやれば良い。分離された薄膜半導体のみ、
または半導体が接着された基板ごと除去する方法が考え
られる。この時、用途に合った形状に加工すれば、前記
2つ目の問題も同時に解決することができる。
【0007】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、薄膜半導体に対する、ひびや割れ、欠陥の導入が
低減され、しかも、同時に任意形状に加工することがで
き、収率よく安価に高性能な太陽電池が得られる製造方
法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の太陽
電池の製造方法では、少なくとも、第一の基体の表面を
陽極化成することにより、基体の少なくとも片面に多孔
質層を形成する工程と、前記多孔質層の上に少なくとも
半導体層を形成する工程と、前記半導体層表面に第二の
基体を接着する工程と、前記多孔質層を介して、前記半
導体層と第一の基体とを分離する工程と、少なくとも分
離した前記半導体層の周辺部を除去する工程とを有する
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の太陽電池の製造方法では、
少なくとも、第一の基体の表面を陽極化成することによ
り、基体の少なくとも片面に多孔質層を形成する工程
と、前記多孔質上に少なくとも半導体層を形成する工程
と、仮の基体を前記半導体層に接着する工程と、前記多
孔質層を介して、前記半導体層と第一の基体とを分離す
る工程と、前記半導体層を仮の基体から第二の基体へ転
写する工程と、少なくとも分離した前記半導体層の周辺
部を除去する工程とを有することを特徴とする。
【0010】また、本発明の太陽電池の製造方法では、
少なくとも、第一の基体の表面を陽極化成することによ
り、基体の少なくとも片面に多孔質層を形成する工程
と、前記多孔質層の上に少なくとも半導体層を形成する
工程と、仮の基体を前記半導体表面に接着する工程と、
前記多孔質層を介して、前記半導体層と第一の基体とを
分離する工程と、少なくとも前記半導体層の周辺部を除
去する工程と、前記半導体層を仮の基体から第二の基体
へ転写する工程とを有することを特徴とする。
【0011】なお、以下に述べる実施の形態において、
本発明の他の特徴も明らかにされるであろう。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態の一例と
して、第一基体に単結晶シリコンウエハを用いて、太陽
電池の製造方法を、図1を参照して説明する。ここで
は、単結晶シリコンウエハ101の表面に不純物を熱拡
散、イオン打込み、あるいは、ウエハ作製時に混入させ
ることにより不純物を導入し、少なくとも、ウエハ表面
にp+ (あるいはn+ )層102を形成する(図1の
(a)を参照)。
【0013】次に、不純物を導入した側のウエハ表面
を、例えば、弗酸溶液中で陽極化成することにより、該
表面付近に多孔質層103を形成した後(図1の(b)
を参照)、この多孔質層103に水素アニールを施し
て、表面処理を施した後、液相成長法または気相成長法
により、単結晶シリコン半導体層104をエピタキシャ
ル成長させる(図1の(c)を参照)。
【0014】多孔質シリコン層を形成するための陽極化
成法には、弗酸溶液が用いられ、弗酸濃度が10%以上
で、多孔質化が可能となる。化成時に流す電流量は、弗
酸濃度や所望する多孔質層の膜厚や多孔質表面の状態な
どによって適宜決められるが、数mA/cm2 〜数十m
A/cm2 の範囲が適当である。多孔質シリコン層は、
弗酸溶液濃度を変化させることで、その密度(多孔度)
を変化させることができる。また、陽極化成電流を変え
ても、多孔度を変化させることができ、電流を増大させ
ると、多孔度も増加する。
【0015】多孔質シリコンの機械的強度は多孔度によ
り異なるが、バルクシリコンよりも十分に弱いと考えら
れる。化成電流レベルを、例えば、途中で、低レベルか
ら高レベルへ変化させることにより、予め、多孔質層の
構造に疎密の変化を設けることが可能で、それにより、
エピタキシャル成長後に、多孔質層103において半導
体層104をシリコンウエハ101から分離し易くする
ことができる。
【0016】単結晶シリコンを陽極化成して、得られた
多孔質シリコンには、透過電子顕微鏡の観察によると、
数nm程度の径の孔が形成されており、その密度は、単
結晶シリコンの半分以下になる。それにもかかわらず、
単結晶性は維持されており、多孔質シリコンの上に、熱
CVD法などで、エピタキシャル層を成長させることが
可能である。
【0017】また、多孔質層は、その内部に大量の空隙
が形成されているために、体積に比べて、表面積が飛躍
的に増大しており、その結果、化学的エッチング速度は
通常の単結晶層のエッチング速度に比べて著しく増速さ
れる。
【0018】半導体層については、成長膜厚は10〜5
0μmが好ましい。シリコン単結晶ウエハ101だけで
なく、多結晶基板やGaAsなどの他の材料を選んだ場
合でも、同様に半導体層を得ることができる。
【0019】液相成長法は、溶質を飽和状態まで溶かし
込んだ溶媒に基板を接触させて、徐々に冷却し、基板上
に溶質材料をエピタキシャル成長させるものである。シ
リコンの成長には、溶媒として、インジウムやスズ、銅
などが利用できるが、成長した膜に混入する不純物質が
少ないという点で、インジウムが最も適している。一方
の気相法としては、熱CVD法、LPCVD法、スパッ
タ法、プラズマCVD法、光CVD法などがある。シリ
コンの成長に使用される原料ガスとしては、Si2 2
Cl2 、SiCl4 、SiHCl3 、SiH4 、Si2
6 、Si2 2 、Si2 6 などの、シラン類および
ハロゲン化シラン類が代表的なものとして挙げられる。
また、キャリアガスとして、あるいは、結晶成長を促進
させる還元雰囲気を得る目的で、前記の原料ガスに加え
て、H2 が添加される。
【0020】次いで、接合を形成したシリコン層104
に金属製支持基板106を、導電性接着剤105によ
り、接着したのち(図1の(d)を参照)、多孔質層1
03に物理的な分離力(例えば、機械力のような直接的
な力や超音波のように媒体を介しての間接的な力)を作
用させて、シリコン層104をシリコンウエハ101か
ら分離し、支持基板106上に転写する(図1の(e)
を参照)。
【0021】接合形成は、不純物を溶かし込んだ溶液か
らの液相成長、イオン注入、拡散剤などを用いる方法が
ある。表面パッシベーション支持基板は、光入射側に用
いるか裏面側に用いるかによって、透明基板、金属基
板、導電層を設けた樹脂基板やセラミック基板などから
選択すればよい。支持基板の接着剤も、支持基板の材質
や機能に合わせて透明接着剤や導電性接着剤などを選
ぶ。
【0022】さらに、分離後に別の基板へと転写する方
法もある。この場合の支持基板は、仮の基板であるた
め、材質への制約は少なくできるが、接着剤は分離時に
強固に接着でき且つ転写時は容易に除去できるものでな
くてはならない。半導体層の分離は、多孔質強度に合わ
せて、引張り力や支持基板の熱収縮/膨張などを利用し
たせん断力を加えたり、楔を挿入したり、電磁波や超音
波などを印加したり、弗酸系溶液を用いたウェットエッ
チングを施すなどによって、実現される。
【0023】このようにして、支持基板に転写した半導
体層には、分離の際に、周辺部にひびや割れが導入さ
れ、その端部は、劈開などにより、鋭利な突起形状とな
ってしまうことが多い。ひびや割れは、その後のプロセ
ス中に中心部へ伝播する畏れがある。
【0024】また、ウェットエッチングの場合は、半導
体層の周辺部が極端に薄くなったり、それに伴って割れ
てしまったりする。このような半導体層の欠陥は、太陽
電池の特性を低下させてしまう上、外観にも劣る。従っ
て、分離後に、予め周辺部のひびや割れや膜厚の薄くな
った部分を除去しておけば、その後のプロセスによる太
陽電池の特性を低下する要因の一つを取り除くことがで
きる。この時、周辺部を除去すると同時に、半導体層を
所望の形状(図1の(e)を参照)に加工形成すれば
(符号107は周辺除去ライン)、効率がよい(図1の
(f)を参照)。
【0025】周辺部除去の手段としては、ダイシングワ
イヤソー、高圧水噴射、レーザー照射などによって切断
する方法、ウェットエッチングやドライエッチングなど
で除去する方法が挙げられる。ダイシングは、ダイヤモ
ンドの微粒子を付着させた円盤状のこぎりを、4000
rpm程度の高速で、回転させて切断する方法である。
また、ワイヤソーは、ワイヤを走行させ、砥粒を含有す
る切削液を供給しながら、基材接着した半導体層を、走
行ワイヤに押し付けて切断する方法である。
【0026】また、高圧水噴射は、200〜1000k
g/cm2 の圧力の純水を噴射して、切断する方法で、
効率よく切断するには、シリコン粒子などを純水中に混
入させると良い。レーザー照射切断は、切断材料の構成
分子間結合エネルギー以上のエネルギーを、レーザー照
射によって与えて、分子間結合を切る方法である。従っ
て、切断する材料の物性や厚みによって、適宜レーザー
の波長やエネルギー密度、ショット数などが決まる。例
えば、シリコンの切断に、KrFレーザー光(波長24
9nm)を用いた場合、エネルギー密度:10〜15J
/cm2 、ショット数:100〜150にて、また、S
HG−YAGレーザー光(波長530μm)を用いた場
合は、約10J/cm2 のエネルギー密度、ショット
数:40にて約10μmの膜厚を貫通することができ
る。いずれの切断方法も、半導体薄膜に余計な応力をか
けないために、半導体薄膜が基材や支持台など、しっか
りした台に固定されている必要がある。これは、半導体
薄膜の支持が十分でないと、予定外に、半導体薄膜の劈
開方向に割れてしまうことが考えられるからである。
【0027】上記の方法で周辺部を除去した場合、端部
で電流がリークしてしまう可能性が考えられる。このよ
うな心配が予想され、特性に大きく影響すると見積られ
る場合は、周辺除去後の大きさより、数ミリ〜数十ミ
リ、小さな領域で、アイソレーションとパッシベーショ
ンを施しておけば、周辺除去による電流リークの影響を
抑えることができる。なお、周辺部を除去するより前の
行程でアイソレーションを施すか、分離後にアイソレー
ションを施すかすればよい。
【0028】ウェットエッチングで除去する場合、エッ
チャントにはHF:CH3 COOH:HNO3 の混酸を
用いるとよい。エッチングしない領域をマスク保護し
て、エッチャントに浸漬するが、基材の材質次第では、
基材そのものにも保護が必要となる。例えば、金属やガ
ラスはHFによって浸食されるため、これらの基材には
耐フッ酸性の保護マスクを施しておく。RIEを利用し
たドライエッチングにも、除去しない部分にはマスクを
施しておく。周辺部の半導体を除去した後は、必要に応
じて、基材を所望の形状に切断する。
【0029】ダイシング、ワイヤソー、高圧水噴射、レ
ーザー照射などの方法は、周辺部を基板ごと切断するの
に適しており、ウェットエッチング、ドライエッチング
などの方法は、周辺部の半導体層のみを除去するのに適
している。従って、これらを組み合わせるのもよい。
【0030】例えば、プラスチック基板に接着して、剥
離した基板の周辺部を除去する際、まず、太陽電池とし
て利用する半導体部分に、耐HF性マスクを施し、HF
エッチャントに浸漬して、まず、半導体を除去する。次
いで、得られた半導体形状に合わせて、前記ワイヤソー
やダイシング、またはカッターなどで、プラスチック基
板を所望の形状に切断すればよい。
【0031】転写後に薄膜単結晶シリコンの表面に残る
多孔質残渣108は、必要に応じてエッチングなどで除
去し、アイソレーションを施したのち、表面電極10
9、パッシベーション層を兼ねた反射防止層110を形
成し、太陽電池とする(図1の(g)を参照)。
【0032】薄膜半導体の分離が終わった後のシリコン
ウエハ101は、その表面に残っている多孔質層108
をエッチング、電解研磨、ラッピングなどにより除去/
処理することにより、再び、最初の工程に供せられ、有
効に利用することができる(図1の(h)を参照)。
【0033】
【実施例】(実施例1)この実施例1では、厚み800
μmの4インチφのp- 型シリコン単結晶基板201の
片面にB(ホウ素)を、熱拡散により導入して、p+
202を形成した(図2の(a)を参照)。この基板
を、フッ酸溶液中で電流を二段階に変化させることで、
陽極化成し、厚さ:約13μmの多孔質層203を得た
(図2の(b)を参照)。この時、電流は8mA/cm
2 で10分間、通電したのち、30mA/cm2 で10
分間、通電した。多孔質層は、上述のように、途中で電
流を変化させることにより、密な構造の多孔質層と疎な
構造の多孔質層の二層構造となった。
【0034】次に、多孔質層203を形成したp型シリ
コン単結晶ウエハ201を、水素雰囲気中で、表面温
度:1050℃にて、1分間アニールし、その後、熱C
VDにより、それぞれp+ 層を1μm、p- 層を10μ
m、n+ 層を3000Åの膜厚として、半導体層204
をエピタキシャル成長させた(図2の(c)を参照)。
【0035】次に、n+ 層をドライエッチングによって
アイソレーションし、面積4cm2の太陽電池のセル化
領域を、半導体層204の中心部分に4個、作り込み、
さらに、光入射面電極205、パッシベーション層をか
ねた反射防止層SiN206を形成した(図2の(d)
を参照)。そして、反射防止層SiN206の表面に透
明接着剤207を塗布して、ウエハと同形状の透明プラ
スチック基板208を固定(図2の(e)を参照)した
後、基材と半導体層の膨張係数の違いを利用して、せん
断力を加え、シリコン層204をシリコン基板201か
ら分離した(図2の(f)を参照)。
【0036】分離した薄膜の周辺部には、細かなひびや
割れ210が入り、薄膜の端部には鋭利な突起形状が形
成されていた。次に、SHG−YAGのレーザー光(波
長:530μm)を用い、エネルギー密度:12J/c
2 、ショット数:80にて、薄膜半導体を、中心部の
4個の太陽電池セルを含む65×65mm2 の正方形状
に、基材と一緒に切断した(符号211は周辺除去ライ
ン、平面視が図3に示されている)。得られた薄膜半導
体側の多孔質層残渣212を、エッチングにて、除去し
た後、導電性接着剤213で、ステンレス基板214に
貼り付けて裏面電極とし、太陽電池とした(図2の
(g)を参照)。なお、比較のため、レーザー光で成形
しなかったことを除いては、同様にして、太陽電池を形
成した。どちらのケースも、10枚ずつ作製した。
【0037】それぞれの太陽電池について、分離前と最
終形態における変換効率と収率を比較したところ、レー
ザー光で成形した太陽電池については、その差がほとん
どみられなかったが、形成しなかった太陽電池について
は、分離後にできたひびや割れが中心部にまで伝播して
しまったものがあり、分離前に比べて劣っていた。
【0038】次に、薄膜半導体を形成した後に残るウエ
ハ215の10枚について、表面の多孔質残渣をエッチ
ングで除去し、洗浄した後、再び陽極化成以下の工程を
5回繰り返して、施した。ウエハの利用回数が一回の太
陽電池と5回の太陽電池を比較したところ、効率、収率
に大きな変化は見られなかった。
【0039】(実施例2)この実施例2では、p+ 型4
インチシリコン単結晶ウエハ401の片面に、実施例1
と同様にして、多孔質層403を形成した(図4の
(a)および(b)を参照)。次に、2枚のウエハを、
多孔質層403の対向した面を合わせて、治具で固定し
た後、水素雰囲気中で、表面温度:1050℃にて1分
間アニールし、その後、過飽和状態となる濃度まで、シ
リコンを溶かし込んだ900℃の金属インジウム溶液中
に浸漬し、徐冷して、1μmのn+ 型シリコン層および
30μmのp- 型シリコン層404を形成した。2枚の
ウエハの多孔質層が形成されていない面を合わせること
により、液相成長層は、多孔質層上にのみ成長すること
ができた(図4の(c)を参照)。
【0040】次に、それぞれのウエハについて、ウエハ
と同形のAl基板406を、液相成長面のp- 層405
に熱溶着して、接着すると同時に、p+ 層を形成した。
その後ウエハ401と基板406の間に楔407を入れ
て、多孔質を破壊し、液相成長層を分離し(図4の
(e)を参照)、薄膜半導体の分離面に残った多孔質残
渣408を除去し、ドライエッチングにて6.5×6.
5cm2 にアイソレーションした。
【0041】さらに、光入射面電極409および反射防
止層410を形成して、太陽電池とし(図4の(f)を
参照)、その後、ワイヤソーによって、Al基板406
と一緒に、太陽電池セルの形状よりひと周り大きく、7
×7cm2 の正方形に、カッティングした(符号411
は周辺除去ライン)(図4の(g)を参照)。こうして
得られた太陽電池を、4個直列化して、小さなモジュー
ルにした。ワイヤソーによるカッティングのみを行わな
かった太陽電池についても、同様に、4個を直列化して
モジュール化した。なお、薄膜半導体層を分離した後の
ウエハ412は表面研磨などの所要の処理により、再生
され、ウエハ401として再使用される。
【0042】カッティングにより成形したセルは、隙間
無く並べることができるので、外観に優れ、また、単位
面積当たり、高い効率が得られた。一方、カッティング
を行わなかったセルは、発電に寄与しない面積が多く、
モジュール化の途中に1個のセルの中心部近くにまで割
れが伝播し、その結果、単位面積当たり非常に低い効率
しか得られなかった。更に、その外観も隙間が多く、セ
ル周辺が鋭利な突起形状になっていて、見た目も悪い。
【0043】(実施例3)この実施例3では、p+ 型5
インチシリコン単結晶ウエハ501には、実施例1と同
様にして、その両面において、多孔質層503を形成し
た(図5の(a)および(b)を参照)。次に、実施例
2と同様の液相成長法にて、ウエハの両面にそれぞれ、
1μmのp+ 型シリコン層および30μmのp- 型シリ
コン層、2000Åのn+ 型シリコン層504を形成し
た(図5の(c)を参照)。
【0044】さらに、表面電極505、反射防止層50
6を形成して、太陽電池とした後(図5の(d)を参
照)、それぞれにガラス基板507をエポキシ508で
接着し(図5の(e)を参照)、多孔質層503に高圧
水を噴射して、多孔質層を破壊し、1枚のウエハから2
枚の半導体薄膜を得た(図5の(f)を参照)。半導体
層の分離面に残った多孔質509を研磨にて除去した
後、Alペーストを塗布して、裏面電極510を形成し
た(図5の(g)を参照)。次に、ガラス基板全面と半
導体層とに、ウエハ中心に8.5cm×8.5cm角に
耐フッ酸性の保護材を貼り、HF:CH3 COOH:H
NO3 =8:17:75のエッチャントにて、保護して
いない太陽電池セル部分を除去した後、ダイシングに
て、ガラス基板を、残った太陽電池セルの形状に合わせ
て、カットし、保護材を除去した(図5の(h)を参
照)。なお、薄膜半導体層を分離した後のウエハ511
は表面研磨などの所要の処理により、再生され、ウエハ
501として再使用される。
【0045】こうして得られた太陽電池を、4個直列化
して、小さなモジュールにした。エッチングによる半導
体除去とダイシングによるカッティングを行わなかった
太陽電池についても、同様に、4個を直列化して、モジ
ュール化した。
【0046】カッティングにより成形したセルは、隙間
無く並べることができるので、外観に優れ、また、単位
面積当たりで高い効率が得られた。一方、カッティング
を行わなかったセルは、発電に寄与しない面積が多く、
その結果、単位面積当たりで非常に低い効率しか得られ
なかった。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したように、陽極化
成して、多孔質層を形成したウエハ上に堆積した半導体
層を、多孔質層を介して、ウエハから分離して得られる
薄膜結晶の太陽電池の製造方法において、半導体層の分
離後に、周辺領域の半導体層を除去することにより、そ
の後の工程で、薄膜半導体にひびや割れ、欠陥の導入を
低減し、同時に、任意形状に加工することが可能とな
り、高性能の任意形状の太陽電池を収率良く、安価に生
産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜半導体製造プロセスの一例を
示す工程説明図である。
【図2】本発明による薄膜半導体製造プロセスの一例で
あって、実施例1で行った工程説明図である。
【図3】実施例1で行った剥離後の、ウエハの周辺除去
部の説明図である。
【図4】実施例2で行った工程説明図である。
【図5】実施例3で行った工程説明図である。
【符号の説明】
101,201,401,501 シリコンウエハ 102,202 p+ (又はn+ )層 103,203,403,503 多孔質層 104,204,404,504 エピタキシャル成長
単結晶シリコン層 105,207 接着層 106,208,406 支持基板 107,211,411 周辺除去ライン 108,212,408,509 多孔質残渣 109,205,409 光入射側電極 110,206,410 反射防止層 407 楔 210 半導体層分離時に導入されたひび、割れ 215 薄膜半導体層分離後に残ったウエハ 213 導電性接着剤 214 ステンレス基板 505 電極 506 反射防止層 507 ガラス基板 508 エポキシ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 清文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 米原 隆夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浮世 典孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F043 AA02 BB02 DD02 DD14 DD30 GG01 GG10 5F045 AA03 AD14 AF12 AF14 CA13 HA01 HA11 5F051 AA02 CB12 CB28 CB29 DA03 GA02 GA03 HA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、次の工程(1)〜(5)を
    有することを特徴とする太陽電池の製造方法。 (1)第一の基体の表面を陽極化成することにより、基
    体の少なくとも片面に多孔質層を形成する工程 (2)前記多孔質層の上に少なくとも半導体層を形成す
    る工程 (3)前記半導体層表面に第二の基体を接着する工程 (4)前記多孔質層を介して、前記半導体層と第一の基
    体とを分離する工程 (5)少なくとも分離した前記半導体層の周辺部を除去
    する工程
  2. 【請求項2】 少なくとも、次の工程(1)〜(6)を
    有することを特徴とする太陽電池の製造方法。 (1)第一の基体の表面を陽極化成することにより、基
    体の少なくとも片面に多孔質層を形成する工程 (2)前記多孔質上に少なくとも半導体層を形成する工
    程 (3)仮の基体を前記半導体層に接着する工程 (4)前記多孔質層を介して、前記半導体層と第一の基
    体とを分離する工程 (5)前記半導体層を仮の基体から第二の基体へ転写す
    る工程 (6)少なくとも分離した前記半導体層の周辺部を除去
    する工程
  3. 【請求項3】 少なくとも、次の工程(1)〜(6)を
    有することを特徴とする太陽電池の製造方法。 (1)第一の基体の表面を陽極化成することにより、基
    体の少なくとも片面に多孔質層を形成する工程 (2)前記多孔質層の上に少なくとも半導体層を形成す
    る工程 (3)仮の基体を前記半導体表面に接着する工程 (4)前記多孔質層を介して、前記半導体層と第一の基
    体とを分離する工程 (5)少なくとも前記半導体層の周辺部を除去する工程 (6)前記半導体層を仮の基体から第二の基体へ転写す
    る工程
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の太陽
    電池の製造方法において、分離後の半導体層の周辺部を
    除去すると同時に、所望の形状に加工することを特徴と
    する太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項に記載の太陽
    電池の製造方法において、前記第一の基体を繰り返し利
    用することを特徴とする太陽電池の製造方法。
JP2000287208A 2000-09-21 2000-09-21 太陽電池の製造方法 Pending JP2002100791A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000287208A JP2002100791A (ja) 2000-09-21 2000-09-21 太陽電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000287208A JP2002100791A (ja) 2000-09-21 2000-09-21 太陽電池の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002100791A true JP2002100791A (ja) 2002-04-05

Family

ID=18770996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000287208A Pending JP2002100791A (ja) 2000-09-21 2000-09-21 太陽電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002100791A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005005280A (ja) * 2002-05-21 2005-01-06 Otb Group Bv 半導体基板を不動態化する方法
US7276658B2 (en) * 2001-06-21 2007-10-02 Akzo Nobel N.V. Manufacturing a solar cell foil connected in series via a temporary substrate
JP2007335529A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Showa Denko Kk 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
KR100916199B1 (ko) * 2007-08-16 2009-09-08 삼성전기주식회사 단결정 기판 및 이를 이용한 태양전지 형성방법
JP2010103254A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Sumitomo Electric Ind Ltd GaAs基板、積層基板及びそれを用いた電子デバイス、ダミー用途GaAs基板、再利用用途のGaAs基板
JP2014501456A (ja) * 2010-12-29 2014-01-20 ジーティーエイティー・コーポレーション 薄い半導体膜上に支持要素を構築することによって装置を形成するための方法
JP2014103397A (ja) * 2012-11-21 2014-06-05 Seoul Viosys Co Ltd 基板再生方法及び再生基板
KR20140076718A (ko) * 2012-12-13 2014-06-23 서울바이오시스 주식회사 기판 재생 방법 및 재생 기판
JP2015050367A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 日本電信電話株式会社 太陽電池
JP2018538699A (ja) * 2015-12-11 2018-12-27 ネックスヴァーフェ・ゲー・エム・ベー・ハーNexwafe Gmbh 半導体基板の片面エッチングを行うための装置及び方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7276658B2 (en) * 2001-06-21 2007-10-02 Akzo Nobel N.V. Manufacturing a solar cell foil connected in series via a temporary substrate
JP2005005280A (ja) * 2002-05-21 2005-01-06 Otb Group Bv 半導体基板を不動態化する方法
JP2007335529A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Showa Denko Kk 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
US8188495B2 (en) 2006-06-13 2012-05-29 Showa Denko K.K. Gallium nitride-based compound semiconductor light emitting device
KR100916199B1 (ko) * 2007-08-16 2009-09-08 삼성전기주식회사 단결정 기판 및 이를 이용한 태양전지 형성방법
JP2010103254A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Sumitomo Electric Ind Ltd GaAs基板、積層基板及びそれを用いた電子デバイス、ダミー用途GaAs基板、再利用用途のGaAs基板
JP2014501456A (ja) * 2010-12-29 2014-01-20 ジーティーエイティー・コーポレーション 薄い半導体膜上に支持要素を構築することによって装置を形成するための方法
JP2014103397A (ja) * 2012-11-21 2014-06-05 Seoul Viosys Co Ltd 基板再生方法及び再生基板
KR20140076718A (ko) * 2012-12-13 2014-06-23 서울바이오시스 주식회사 기판 재생 방법 및 재생 기판
KR102052179B1 (ko) * 2012-12-13 2019-12-04 서울바이오시스 주식회사 기판 재생 방법 및 재생 기판
JP2015050367A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 日本電信電話株式会社 太陽電池
JP2018538699A (ja) * 2015-12-11 2018-12-27 ネックスヴァーフェ・ゲー・エム・ベー・ハーNexwafe Gmbh 半導体基板の片面エッチングを行うための装置及び方法
US10975490B2 (en) 2015-12-11 2021-04-13 Nexwafe Gmbh Apparatus and method for etching one side of a semiconductor substrate
JP7014435B2 (ja) 2015-12-11 2022-02-01 ネックスヴァーフェ・ゲー・エム・ベー・ハー 半導体基板の片面エッチングを行うための装置及び方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2198552C (en) Fabrication process of semiconductor substrate
US6448155B1 (en) Production method of semiconductor base material and production method of solar cell
EP0938129B1 (en) Composite member, its separation method, and preparation method of semiconductor substrate by utilization thereof
US6664169B1 (en) Process for producing semiconductor member, process for producing solar cell, and anodizing apparatus
US6335264B1 (en) Controlled cleavage thin film separation process using a reusable substrate
US6100166A (en) Process for producing semiconductor article
JP2009532918A (ja) レイヤトランスファプロセスを使用する太陽電池の製造方法および構造
US20030087503A1 (en) Process for production of semiconductor substrate
US20050029224A1 (en) Detachable substrate or detachable structure and method for the production thereof
JP2010538459A (ja) 熱処理を用いる剥離プロセスにおける半導体ウエハの再使用
JP4838504B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2002100791A (ja) 太陽電池の製造方法
JP3472197B2 (ja) 半導体基材及び太陽電池の製造方法
JP3031904B2 (ja) 複合部材とその分離方法、及びそれを利用した半導体基体の製造方法
JP4035862B2 (ja) 半導体基板の製造方法
EP1537258B1 (en) Method of fabricating substrates, in particular for optics, electronics or optoelectronics----------------------------------------
JP2001026500A (ja) 薄膜単結晶デバイスの製造法
JP3927977B2 (ja) 半導体部材の製造方法
JP2023502571A (ja) SiCでできたキャリア基材上に単結晶SiCの薄層を備える複合構造を作成するプロセス
JP3013932B2 (ja) 半導体部材の製造方法および半導体部材
JP2010278342A (ja) Soi基板の製造方法
JPH1079498A (ja) Soi基板の製造方法
JP5368000B2 (ja) Soi基板の製造方法
JP2005347301A (ja) 基板の作製方法
JP2023528784A (ja) 非常に高い温度に対応する剥離可能な仮基板、及び前記基板から加工層を移動させるプロセス