JP2003229063A - プラズマ表示装置 - Google Patents

プラズマ表示装置

Info

Publication number
JP2003229063A
JP2003229063A JP2002028115A JP2002028115A JP2003229063A JP 2003229063 A JP2003229063 A JP 2003229063A JP 2002028115 A JP2002028115 A JP 2002028115A JP 2002028115 A JP2002028115 A JP 2002028115A JP 2003229063 A JP2003229063 A JP 2003229063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
electrode
address
discharge gap
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002028115A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidehiro Kawaguchi
英広 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2002028115A priority Critical patent/JP2003229063A/ja
Publication of JP2003229063A publication Critical patent/JP2003229063A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率、輝度および動画表示時の表示品質
を同時に向上させることが可能なプラズマ表示装置を提
供する。 【解決手段】 アドレス電極13は、基板12および格
子状の隔壁15の表面に沿って形成されている。電極対
17を走査電極17Y側の隔壁15の方へ平行移動さ
せ、走査電極17Yと、アドレス電極13の隔壁15の
側面上に形成された部分との間を放電ギャップGB
し、なおかつ、放電ギャップGB を放電ギャップGA
等間隔となる位置に設けるようにする(GA =GB )。
電極対17は、その両側で隣接する2つの隔壁15に対
し非対称な位置にあり、維持電極17Xが、アドレス電
極13のどの部位に対しても放電ギャップGB より短い
距離で近接しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ放電を利
用して表示を行うプラズマ表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイ(PDP:Plasma
Display Panel) は、従来、テレビジョン受像機やコン
ピュータ用ディスプレイにおいて広く用いられてきた陰
極線管(CRT)では実現が難しいとされる薄型・大画
面化が可能であり、特に大型ディスプレイへの今後の展
開が期待されている。
【0003】図3は、従来のAC型プラズマ表示装置の
表示パネルの構成を表している。この表示パネル100
は、前面ガラス基板101と背面ガラス基板102とが
対向配置された構造を有し、表示面側の前面ガラス基板
101上には、電極対107(維持電極107X,走査
電極107Y)が複数形成されている。この電極107
X,107Yには、電気抵抗を低減するためのバス電極
110X,110Yがそれぞれ一体的に形成されてい
る。また、電極対107の上には、誘電体層108,保
護層109が順に形成されている。
【0004】一方、背面ガラス基板102の上には、複
数のアドレス電極103が電極対107と直交する方向
に配列するように形成されている。アドレス電極103
の上には誘電体層104が形成され、更にその上に、各
アドレス電極103毎に空間を仕切るための隔壁105
が形成されている。隔壁105の間には、赤(R;Re
d),緑(G;Green)および青(B;Blue )の3原色の
蛍光体層106が周期的に塗布形成されている。
【0005】こうした前面ガラス基板101と背面ガラ
ス基板102に挟まれた放電空間は、周縁部において気
密封止され、放電ガスで満たされている。通常、放電ガ
スとしては、ネオン(Ne),キセノン(Xe)等の混
合ガスが用いられ、Xe混合比はおよそ5%、そのとき
の混合ガスのガス圧は65kPa程度となっている。
【0006】図4は、図3のII−II線における断面
図である。維持電極107Xと走査電極107Yは、放
電ギャップ(維持放電ギャップGsus )を介して平行に
設けられており、その間で放電するようになっている。
維持放電ギャップGsus は一般的には100μm程度で
ある。また、アドレス電極103と走査電極107Yと
は、その交差領域で最も近接し、放電を行うようになっ
ている。この放電ギャップ(アドレス放電ギャップG
add )もまた100μm程度に設定される。
【0007】また、図5は、表示パネル100における
電極構造を示す平面図である。電極対107とアドレス
電極103とはマトリクスを形成し、その交差領域は、
図中に点線で囲んで示してあるが、各々が発光の最小単
位を構成し、画素に相当する領域となっている。このプ
ラズマ表示装置は、表示パネル100に接続された駆動
回路から各電極に駆動パルスが供給されることにより動
作し、画素毎のON/OFF(発光/非発光)の制御
は、通常3段階で行われる。選択消去方式を例にとる
と、各期間中に画素を構成する3電極には、図6のよう
な電圧波形が印加される。
【0008】まず、リセット期間では、対となる維持電
極107X(X1 ,X2 ,・・・X n ),走査電極10
7Y(Y1 ,Y2 ,・・・Yn )の各放電ギャップG
sus で放電させ、全画素領域内に壁電荷を一様に蓄積さ
せることにより、それ以前に書き込まれていた画素情報
を全て消去して画面全体を均一な荷電状態とする。な
お、壁電荷は主に保護層109の表面に形成される。
【0009】続いてアドレス期間では、各画素に壁電荷
の有無によって2値状態を形成し、ON/OFFのデー
タ書き込みを行う。すなわち、並列する走査電極107
Y(Y1 ,Y2 ,・・・Yn )に順次パルス入力を行っ
て走査してゆくと共に、全てのアドレス電極103(A
1 ,A2 ,・・・Am )のそれぞれに、電圧印加されて
いる走査電極107Yとの組合せにより選択される画素
のON/OFFに応じた(この場合ではOFF表示画素
に対して)データパルスを、走査電極107Y側の走査
タイミングに合わせて入力してゆく。ON画素領域に
は、放電開始電圧より低い走査パルスのみ印加され、放
電は発生しないが、OFF画素領域では、放電ギャップ
add が2つのパルスの重畳により放電開始電圧に達し
てアドレス放電が生じ、壁電荷が消去される。
【0010】次のサスティン期間では、予め選択された
ON表示画素を発光させ、表示を行う。このときには、
全ての電極対107に交流パルス電圧を印加する。今度
は壁電荷による電位がバイアスとなり、壁電荷が残って
いる画素、つまりON表示画素のみがその放電ギャップ
sus において放電開始電圧に達し、選択的に維持放電
が発生する。この画素内では、放電により放電ガスが紫
外線を放ち、紫外線が蛍光体層106に照射されること
により発光が生じ、放電期間中持続される。
【0011】なお、選択書き込み方式は、リセット時に
全画素から電荷を消去しておき、アドレス放電によって
ON表示画素に壁電荷を形成するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のプラ
ズマ表示装置に対し、本出願人と同一出願人は、先に、
放電ガス中のキセノン(Xe)濃度を従来に比べて大幅
に高め、そのガス全圧を5kPa以上50kPa以下と
することにより、発光効率や輝度を向上させたプラズマ
表示装置を提案している(特願平11−201867
号、特願平2000−201502号など)。図7は、
このプラズマ表示装置の要部を示す部分断面図である。
このように、電極107X,107Yの間の放電ギャッ
プGsus ’を50μm未満と格段に短く設定して、維持
放電に陰極グロー放電を用いることで、駆動電圧の低減
と同時に高精細化を図るようになっている。なお、放電
ギャップGadd ’の値は特に限定されておらず、例えば
100μm程度である。以下の説明おいては、このよう
な構成のプラズマ表示装置を短ギャップ型と呼ぶことに
する。
【0013】短ギャップ型の場合、維持放電ギャップG
sus ’はアドレス放電ギャップGad d ’に比べて明らか
に短く、両者に差が生じていた。輝度や発光効率を上げ
るためには、表示に寄与する維持放電に対して放電開始
電圧,放電ガス圧を最適化しなければならないが、以下
に説明するように、維持放電ギャップGsus ’に対して
放電開始電圧を最小とするガス圧を選ぶと、アドレス放
電ギャップGadd ’に対しては放電開始電圧がどうして
も高くなる。
【0014】図8は、電極間距離d,放電空間内のガス
圧pおよび放電開始電圧Vbdの関係を表したものであ
る。放電ガスの種類などの他の条件が一定であれば、こ
の図のように3つの変数の間には1曲線に集約される連
続的な相関関係が成立し、なおかつ、その曲線には最小
値が存在する(パッシェンの法則)。通常のプラズマ表
示装置の設計では、放電開始電圧Vbdはできるだけ低い
方がよいので、まずこれを最小値Vmin に設定し、対応
するpd積の値から電極間距離d,放電ガス圧pの各値
(p0 ,d0 )を割り出す。前述したように、維持放電
ギャップGsus とアドレス放電ギャップGadd は同程度
であるから、d0 =Gsus 〜Gadd として一意に選定さ
れるVmin ,p0 の値は双方に対し充分に適合したもの
とすることができる。しかしながら、短ギャップ型の場
合には、ギャップGsus ’,Gadd’の値は異なるのに
放電ガス圧pは同一であるので、pd積の値が一致せ
ず、ギャップGsus ’,Gadd ’における放電開始電圧
bdを同時に最小値Vmin とすることは原理的に不可能
である。従って、一方のギャップGsus ’の放電開始電
圧Vbdを最小値Vmin とするように放電ガス圧pをp0
に選べば、このガス圧p 0 に対するギャップGadd ’の
放電開始電圧Vbdは必ずVmin 以上となる(図8では、
0 =Gsus ’,d1 =Gadd ’,Gadd ’における放
電開始電圧V1 >Vmin )。
【0015】このように、ギャップGadd ’がギャップ
sus ’より大きいために、ギャップGadd ’における
放電開始電圧Vbdはより高くなり、アドレス放電が生じ
難くくなっていた。そのため、選択書き込み方式の場合
では、書き込まれるべきON表示画素の領域に壁電荷が
十分に形成されず、維持放電が起きなかったり、選択消
去方式の場合では、OFF表示画素の領域から壁電荷が
十分に消去されずに残ってしまったりすることがあり、
どちらの場合も、そうした領域で異常放電を起こす可能
性があった。
【0016】こうした原因により、短ギャップ型の表示
装置ではデータ書き込みが不確実な画素が発生し、動画
表示の際、そこにちらつき等のノイズが発生する可能性
があった。これを解決するため、高い電圧を電極に印加
してアドレス放電ギャップG add ’の電界を強くしよう
とすると、高圧用の駆動ICが必要となるが、高価なた
めコスト上昇が無視できない。また、その場合には1回
のアドレス放電が長くなってアドレス期間全体が増加す
るが、そうなると、サスティン期間がその分だけ短縮さ
れ、時間積分で表される輝度が低下することになる。
【0017】ちなみに、この問題を回避するために、ア
ドレス放電ギャップGadd ’を維持放電ギャップ
sus ’と同程度に小さくする方法を採らないのには理
由がある。輝度を保つのに必要な放電空間を確保するに
は、隔壁105の高さは100μm程に設定されなばな
らない。それでなくとも、短ギャップ型として画素面積
を小さく設計すれば、放電空間は隔壁105の高さ方向
に取らざるを得なくなっている。そこで、これまでは構
造上、アドレス放電ギャップGadd ’は従来の寸法と同
程度に固定されることになっていたのである。
【0018】また、所望の輝度を得るためには、ある程
度以上の放電空間の広さを確保する必要があることか
ら、通常は隔壁105の高さを100μm程度としてい
ることは前述の通りである。しかし、更なる高輝度化に
は、より広い放電空間で放電を持続させればよいことは
広く知られているところであり、最近では隔壁105が
100μm以上と高くしたものが発表されている(例え
ば、“ディープワッフル”構造を採用したパイオニア株
式会社製PDP-503CMX)。しかしながら、隔壁105を高
くして、放電空間を基板101,102に垂直方向に広
げようとすると、同時に、電極対107とアドレス電極
103との絶対距離が大きくなる。こうして、アドレス
放電ギャップGadd の増大によってギャップGsus ,G
add の値に差が生まれ、電極107X,107Yおよび
アドレス電極103の3電極の相対関係は短ギャップ型
と同様となる。よって、従来型のプラズマ表示装置につ
いてこうした手法を取る場合にも、短ギャップ型につい
て記載したような問題があった。
【0019】その場合に、書き込みパルスを供給する駆
動回路の無効電力が大きくなり、安価な駆動ICの使用
が難しくなるという問題を解決するために、特開200
1−256893号公報では、プラズマ表示装置を図9
のようにデータ電極118(アドレス電極103に対
応)が走査電極114(走査電極107Yに対応)と対
面する部位に走査電極114側へ突出する突出部141
を有するように構成する技術が開示されている。この突
出部141により、走査電極114とデータ電極118
との距離(アドレス放電ギャップGadd に対応)が短く
なり、データ書き込み時の放電を起動する電界が強くな
るので、書き込みパルス電圧を低く抑えることができ
る。但し、突出部141は、電極よりも小さい寸法であ
って形成自体が困難である上に、形状や高さの寸法精
度、形成位置の精度が要求されるので、こうした表示パ
ネルの製造は容易とは言えなかった。
【0020】また、その他の問題としては、従来型およ
び短ギャップ型のプラズマ表示装置では、電極107
X,107Yそれぞれがアドレス電極103に対して等
距離にあることが挙げられる。アドレス期間ではアドレ
ス電極103と走査電極107Yとの間で放電させ、M
gOの保護層19の表面に壁電荷を形成する。ところが
このとき、図4,図7を見ても明らかなように、維持電
極107X,アドレス電極103の間隔(図中、点線)
がアドレス放電ギャップGadd に等しく、しかも電極1
07X,107Y両方を覆う誘電体層18,保護層19
が設けられていることから、壁電荷が走査電極107Y
の直下の領域から隣接する維持電極107Xの方へと移
動する場合があった。こうした場合、電荷の移動分は電
極対107間の電位差を打ち消すはたらきをするため、
書き込み終了直後には維持放電に必要な電位が十分確保
されていない状態になり、異常放電あるいは放電しない
原因となることが考えられる。従って、このように2つ
の電極107X,107Yがアドレス電極103に対し
対称な構造では、動画表示におけるノイズなどの表示品
質の低下を招くおそれがあった。なお、この問題は、短
ギャップ型のプラズマ表示装置においては、電極107
X,107Yが非常に近いために発生する可能性がより
高くなっていた。
【0021】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、発光効率、輝度および動画表示時の
表示品質を同時に向上させることが可能なプラズマ表示
装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ表示装
置は、第1の基板の上に維持放電ギャップを隔てて延在
するように形成された維持電極および走査電極からなる
電極対と、放電空間を、各々が電極対を含んで構成され
る画素領域毎に区画するために、第2の基板の上に格子
状に形成された隔壁と、電極対との交差方向に隔壁を横
断して延在するように第2の基板と隔壁の表面に沿って
形成されると共に、走査電極にアドレス放電ギャップを
介して近接するアドレス電極とを備えたものである。
【0023】本発明のプラズマ表示装置では、アドレス
電極が部分的に隔壁によって持ち上げられ、アドレス電
極はこの隔壁上の部分において走査電極に最近接し、そ
の間がアドレス放電ギャップとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0025】図1は本発明の一実施の形態に係るプラズ
マ表示装置の表示パネルの構成を示す部分構成図であ
り、図2はそのI−I線に沿った断面図である。このプ
ラズマ表示装置は、短ギャップ型であり、維持放電を陰
極グロー放電、アドレス放電を負グロー放電とするもの
である。前面ガラス基板11の一面側には、維持電極1
7Xと走査電極17Yからなる電極対17が並列に設け
られている。前面ガラス基板11は、表示面側に位置す
るため透明性の高い材料、一般的には高歪点ガラスやソ
ーダライムガラスからなる。各電極17X,17Yは、
例えばITO(Indium-Tin Oxide)からなる透明電極で
あり、ここで図示はしないが、これらの側縁には抵抗低
減のためにAl(アルミニウム)等の金属からなるバス
電極が一体的に設けられていてもよい。また、電極対1
7の上には、例えばSiO2 (二酸化珪素)からなる誘
電体層18,MgO(酸化マグネシウム)からなる保護
層19が順に設けられている。
【0026】また、背面ガラス基板12の対向面側に
は、発光領域を各画素毎に区画するための隔壁15が設
けられている。通常の隔壁は、画面の垂直方向に直線状
に延びるストライプ状であるが、この隔壁15は格子状
となっている。また、隔壁15の高さHは、例えば10
0μmとするが、発光輝度の向上を図るためにそれ以上
にしても構わない。更に、本実施の形態では、アドレス
電極13が隔壁15と背面ガラス基板12の表面に沿っ
て延在するように形成され、部分的に隔壁15によって
持ち上げられるようになっている。アドレス電極13の
寸法や延伸方向、形成位置は、従来と同様に設定され
る。更にその上から、隔壁15の各格子内部の全面に、
誘電体層14,蛍光体層16が順に設けられている。
【0027】なお、背面ガラス基板12は例えば前面ガ
ラス基板11と同様の材料からなる。また、例えば、隔
壁15はガラスペーストを焼成し、断面が台形状となる
ように成形することにより得られ、アドレス電極13は
Al等の金属、誘電体層14はSiO2 、蛍光体層16
は発光色が赤(R),緑(G)および青(B)の3原色
である蛍光材料からなる。
【0028】表示パネル10は、これらの前面ガラス基
板11と背面ガラス基板12とが対向配置されて構成さ
れており、隔壁15の各格子の内部では電極対17とア
ドレス電極13とが交差し、この領域が発光の最小単位
である画素領域SPとなっている。また、隔壁15によ
って画素領域SP毎に分割された放電空間には、所定の
放電ガスが封じ込められている。ここでは、維持放電を
陰極グロー放電とし、発光効率,輝度を高めるために、
放電ガスとしてキセノン(Xe)ガス、あるいはXeの
混合ガスが用いられる。なお、そのXe濃度は30%が
好ましく、圧力は5kPa以上,50kPa以下に設定
される。
【0029】ここで、対となる維持電極17X−走査電
極17Yの間が維持放電のための放電ギャップGA であ
り、走査電極17Y−アドレス電極13の間がアドレス
放電のための放電ギャップGB である。放電ギャップG
A ,GB は、放電の際に放電経路で結ばれる対向電極間
の距離であり、上記の各電極間それぞれにおける最近接
距離となる。本実施の形態では、電極対17を、走査電
極17Y側の隔壁15の方へそのまま平行移動させ、走
査電極17Yの外縁部分と、アドレス電極13の隔壁1
5の側面上に形成された部分との間を放電ギャップGB
とし、なおかつ、放電ギャップGB を放電ギャップGA
と等間隔となる位置に設けるようにする(図2)。この
位置構成では、維持電極17X,走査電極17Yおよび
アドレス電極13の3電極の相互間距離が以下のように
規定される。
【0030】(1) 放電ギャップGA と放電ギャップ
B とが等しい(GA =GB )。放電ギャップGA ,G
B の値が等しいと、パッシェン曲線から、両者の放電開
始電圧を曲線の最小値に定めることができ、最適化され
た放電開始電圧と放電ガス圧が一意に選ばれる。但し、
本明細書において放電ギャップGA ,GB が「等しい」
というのは、放電ギャップGA ,GB が完全に一致して
いる場合のみに限らず、実質的に放電開始電圧とガス圧
との最適化を行い、これらの値を一意に定めることが可
能である程度に放電ギャップGA ,GB の値が近しい場
合も含んでいる。なお、ここでの放電ギャップGA ,G
B は50μm未満であり、好ましくは20μm以下に設
定される。これは、陰極グロー放電を用いることで、5
0μm未満の狭いギャップ間の放電が可能になるからで
ある。
【0031】これにより、アドレス放電の放電開始電圧
が維持放電の放電開始電圧と同等になり、共に、最適な
ガス圧下で放電が行われる。また、これらの放電開始電
圧が最小値となるように選定することで、アドレス放電
が維持放電同様に起きやすくなり、各々の発光単位領域
SPに確実にデータ書き込みが行われる。また、放電ギ
ャップGA の間隔は保ったまま、放電ギャップGB を従
来よりも短縮して等距離とするため、短ギャップ型プラ
ズマ表示装置の高発光効率、高精細という特徴は保持さ
れる。
【0032】(2) 電極対17は、その両側で隣接す
る2つの隔壁15に対し非対称な位置にあり、維持電極
17Xが、アドレス電極13のどの部位に対しても放電
ギャップGB より短い距離で近接することはない(図2
中、点線の矢印を参照)。これにより、アドレス放電時
に維持電極17X−アドレス電極13間で誤放電が生じ
る確率が大幅に減少する。
【0033】(3) 更に、放電ギャップGB は、走査
電極17Yとアドレス電極13の隔壁15の側面上の部
分との間に形成され、その値は、従来のように隔壁の高
さに依らずに決定される。これにより、隔壁15の高さ
Hは任意とされ、放電空間を所望の広さにすることが容
易となる。
【0034】本実施の形態のプラズマ表示装置は、隔壁
15の形状と、電極対17およびアドレス電極13の形
成位置が従来とは異なることを除けば、通常と同様に表
示パネル10を作製することができ、例えば、以下のよ
うにして製造される。
【0035】まず、前面ガラス基板11を用意し、その
一面側に、例えばスパッタリング法等によりITO薄膜
を成膜し、これにエッチングを施し電極対17を形成す
る。なお、その形成位置は、放電ギャップGB を上述の
条件を満たす所定値とするように割り出された位置であ
り(図2)、2つの隔壁15の間に、走査電極17Yの
側に片寄っている。次に、図示しないバス電極を、スク
リーン印刷法あるいはフォトリソグラフィー技術等によ
りパターン形成する。次に、電極対17,バス電極の上
から、誘電体層18を形成する。誘電体層18は、例え
ば低融点ガラスペーストをスクリーン印刷し、焼成する
方法や、SiO2 を真空蒸着あるいはスパッタする方法
により形成される。更に、誘電体層18の上から、電子
ビーム蒸着法等によりMgOからなる保護層19を形成
する。
【0036】次に、背面ガラス基板12を用意し、その
一面側に、格子状の隔壁15を形成する。隔壁15は、
例えば、ペースト状の低融点ガラスをスクリーン印刷法
により塗布形成したのち、サンドブラスト法により整形
し、焼成することにより形成される。なお、その高さH
は任意とするが、例えば100μmである。次に、この
隔壁15の上から、スパッタリング法またはスクリーン
印刷法により、Ag,Al,Ni,Cu,Cr等の良導
性の金属材料からなるアドレス電極13を形成する。こ
れにより、アドレス電極13は、背面ガラス基板12の
面上および、隔壁15の両側面にわたって設けられ、所
定位置にストライプ状に並列するものとなる。次に、ア
ドレス電極13の上から、SiO2 を印刷またはCVD
(Chemical Vapor Deposition )法により成膜し、誘電
体層14を形成し、更にその上から、蛍光体層スラリー
を塗布・露光することにより蛍光体層16を形成する。
このとき、誘電体層14,蛍光体層16は共に、隔壁1
5の各格子の内部に形成するようにする。
【0037】更に、前面ガラス基板11および背面ガラ
ス基板12を組み立てる。例えば、前面ガラス基板11
の周縁部にスクリーン印刷法により低融点ガラスのシー
ル層を形成する。そののち、電極対17とアドレス電極
13の向きが直交するように前面ガラス基板11と背面
ガラス基板12を貼り合わせ、焼成してシール層を硬化
させる。更に、基板11,12の間の放電空間内を排気
し、所定の混合比・ガス圧で、混合ガスの封入を行う。
これにより、表示パネル10が得られる。
【0038】このプラズマ表示装置は、通常と同様の手
順に従って動作させることができる。そのうちアドレス
期間では、放電ギャップGB で放電させ、データの書き
込みを行う。放電ギャップGB は、放電ギャップGA
同様に短く、その周囲の放電ガスの条件も放電ギャップ
B に合わせて設定されているので、走査電極17Y,
アドレス電極13への印加パルスを高圧にすることな
く、効率的に放電を発生させることができる。これによ
り、選択書き込み方式では、ON表示の発光単位領域S
Pに十分量の壁電荷が形成され、選択消去方式では、O
FF表示の発光単位領域SPから壁電荷が十分に消去さ
れて、中途半端に壁電荷が残存することが防止される。
また、その際に、維持電極17Xとアドレス電極13の
間隔は放電ギャップGB より離れているので、アドレス
電極13が維持電極17Xとも放電したり、基板11の
走査電極17Y側に形成された壁電荷が、維持電極17
Xの方に移動することが防止される。
【0039】続くサスティン期間では、各発光単位領域
SPはON/OFFが明確となっており、また、電極対
17のうち走査電極17Yの側に壁電荷が設けられてい
るので、異常放電が発生したり、ON表示の発光単位領
域SPで放電しなかったりすることが防止される。よっ
て、動画表示の際、そこにちらつき等のノイズが発生す
ることが抑制される。
【0040】このように本実施の形態においては、短ギ
ャップ型のプラズマ表示装置に対し、電極対17を走査
電極17Yの側へずらし、走査電極17Yが、アドレス
電極13の隔壁15の側面上に形成された部分との間に
放電ギャップGB を設けるようにすると共に、この放電
ギャップGB を放電ギャップGA と等しくなるように設
定しているので、短ギャップ型の特徴である高発光効
率、高輝度を保ちながら以下の効果が得られる。(1)
2つの放電ギャップGA ,GB に対し、放電開始電圧,
放電ガス圧からなる放電条件を等しく最適化することが
でき、アドレス放電によるデータ書き込みを確実に行う
ことができる。(2)維持電極17Xとアドレス電極1
3との距離が放電ギャップGB より長いため、アドレス
放電時の誤放電の確率が減少する。以上の(1),
(2)より、維持放電時に異常放電等の発生が防止さ
れ、ちらつき等のノイズのない表示を行うことができ
る。(3)更に、放電ギャップGB は、従来のように隔
壁の高さに依らず設定されるので、逆に隔壁15を高く
して放電空間を広げることができる。
【0041】また、このようなプラズマ表示装置は、従
来の製造工程の順序を一部入れ替えるだけで製造するこ
とができる。
【0042】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の
形態では、放電ギャップGA が50μm未満である短ギ
ャップ型のプラズマ表示装置について説明したが、放電
ギャップGA が100μm程度である通常のプラズマ表
示装置においても本発明が適用できるのは勿論のことで
ある。その場合の効果としては、維持電極−アドレス電
極間におけるアドレス放電時の誤放電の確率が減少して
ノイズのない表示を行うことができること、および、よ
り隔壁を高くしても2つの放電ギャップGA ,GB に対
し放電条件を等しく最適化することができ、ちらつき等
を防止しつつ輝度を向上させることができることであ
る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るプラズ
マ表示装置によれば、第1の基板の上に維持放電ギャッ
プを隔てて延在するように形成された維持電極および走
査電極からなる電極対と、放電空間を、各々が電極対を
含んで構成される画素領域毎に区画するために、第2の
基板の上に格子状に形成された隔壁と、電極対との交差
方向に隔壁を横断して延在するように第2の基板と隔壁
の表面に沿って形成されると共に、走査電極にアドレス
放電ギャップを介して近接するアドレス電極とを備える
ようにしたので、アドレス放電ギャップが短縮され、放
電させやすくなることにより、データ書き込みを確実に
行うことができる。また、維持電極、アドレス電極間の
距離がアドレス放電ギャップより長くなり、アドレス放
電時の誤放電の確率が減少する。従って、動画表示の際
のちらつき等のノイズを低減させ、表示品質を向上させ
ることが可能となる。更に、アドレス放電ギャップが従
来のように隔壁の高さに依らず設定されるので、逆に隔
壁を高くして放電空間を広げることにより、輝度を向上
させることが可能となる。加えて、短ギャップ型のプラ
ズマ表示装置においては、維持電極と走査電極の間を5
0μm未満に保ったまま以上のように構成され、従来よ
りも高い発光効率、輝度を保ったまま、上記の効果を有
することが可能となる。また、本発明に係るプラズマ表
示装置は、従来の製造工程の順序を入れ替えて製造すれ
ばよく、従来と同程度の生産性を保つことが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプラズマ表示装置
における表示パネルの構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した表示パネルのI−I線に沿った断
面図である。
【図3】従来の一般的なプラズマ表示装置における表示
パネルの構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示した表示パネルのII−II線に沿っ
た断面図である。
【図5】図3に示した表示パネルにおける電極構成を示
す平面図である。
【図6】従来のプラズマ表示装置の一般的な駆動方法を
説明するための図である。
【図7】従来の短ギャップ型のプラズマ表示装置におけ
る表示パネルの要部構成を示す断面図である。
【図8】図3および図7に示した表示パネルの放電条件
の設定方法について説明するための図である。
【図9】従来のアドレス電極に突出部を設けたプラズマ
表示装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10…表示パネル、11…背面ガラス基板、12…前面
ガラス基板、13…アドレス電極、14…誘電体層、1
5…隔壁、16…蛍光体層、17…電極対、17X…維
持電極、17Y…走査電極、18…誘電体層、19…保
護層、GA ,G B …放電ギャップ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を間にして対向配置された第1
    の基板および第2の基板と、 前記第1の基板の上に維持放電ギャップを隔てて延在す
    るように形成された維持電極および走査電極からなる電
    極対と、 前記放電空間を、各々が前記電極対を含んで構成される
    画素領域毎に区画するために、前記第2の基板の上に格
    子状に形成された隔壁と、 前記電極対との交差方向に前記隔壁を横断して延在する
    ように前記第2の基板と前記隔壁の表面に沿って形成さ
    れると共に、前記走査電極にアドレス放電ギャップを介
    して近接するアドレス電極とを備えたことを特徴とする
    プラズマ表示装置。
  2. 【請求項2】 前記維持放電ギャップと前記アドレス放
    電ギャップとは等しいことを特徴とする請求項1記載の
    プラズマ表示装置。
  3. 【請求項3】 前記放電空間には放電ガスが封止されて
    おり、 前記放電ガスの組成および圧力は、前記維持放電ギャッ
    プおよび前記アドレス放電ギャップの放電開始電圧の値
    を共に取り得る範囲内で最小値とするように設定されて
    いることを特徴とする請求項2記載のプラズマ表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記維持電極と前記アドレス電極との最
    近接距離は、前記維持放電ギャップおよびアドレス放電
    ギャップのどちらよりも長いことを特徴とする請求項1
    記載のプラズマ表示装置。
  5. 【請求項5】 前記電極対に平行な2つの対向する前記
    隔壁に挟まれた画素領域において、前記電極対は、維持
    電極側の隔壁よりも走査電極側の隔壁と近くなるように
    非対称に配置されていることを特徴とする請求項4記載
    のプラズマ表示装置。
JP2002028115A 2002-02-05 2002-02-05 プラズマ表示装置 Pending JP2003229063A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002028115A JP2003229063A (ja) 2002-02-05 2002-02-05 プラズマ表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002028115A JP2003229063A (ja) 2002-02-05 2002-02-05 プラズマ表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003229063A true JP2003229063A (ja) 2003-08-15

Family

ID=27749433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002028115A Pending JP2003229063A (ja) 2002-02-05 2002-02-05 プラズマ表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003229063A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007141856A1 (ja) * 2006-06-07 2007-12-13 Hitachi Plasma Display Limited プラズマディスプレイパネル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007141856A1 (ja) * 2006-06-07 2007-12-13 Hitachi Plasma Display Limited プラズマディスプレイパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7663316B2 (en) Plasma display panel having barrier ribs with black matrix
JP3476217B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
EP1387386B1 (en) Plasma display device
JPH1196919A (ja) ガス放電表示パネル
JP4212184B2 (ja) プラズマディスプレイ装置
JP2000243299A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2006216525A (ja) プラズマディスプレイ装置、プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP3438641B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JPH10308176A (ja) 表示用放電管
US8410694B2 (en) Plasma display panel
JP2001307643A (ja) 表示用パネル及び平面型表示装置
JP2003229063A (ja) プラズマ表示装置
JP2002352730A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
KR20030027436A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JPH09129140A (ja) 面放電型プラズマディスプレイパネル
JP4951479B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4507760B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2004087356A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2006294542A (ja) プラズマディスプレイパネル
KR100353953B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP2005197260A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2005056723A (ja) プラズマディスプレイパネルならびにその製造方法
JP2000330510A (ja) 表示用放電管の駆動方法
JP2001351534A (ja) プラズマディスプレイパネル
KR20090076667A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널