JP2003228599A - 数値地図情報データを用いた解析作業支援cae装置 - Google Patents

数値地図情報データを用いた解析作業支援cae装置

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JP2003228599A JP2002026995A JP2002026995A JP2003228599A JP 2003228599 A JP2003228599 A JP 2003228599A JP 2002026995 A JP2002026995 A JP 2002026995A JP 2002026995 A JP2002026995 A JP 2002026995A JP 2003228599 A JP2003228599 A JP 2003228599A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動、騒音等が環境に及ぼす影響を評価する
ための作業を迅速化する。 【解決手段】 地図情報(国土地理院から提供される地
形データ等)や、地図情報にリンクした人口分布デー
タ、建造物分布データ等の数値地図情報データを格納す
るデータベース103を設け、この地図情報データを直
接、解析モデルを作成する解析モデル生成部に読み込ん
で解析モデルを作成するよう解析モデル生成部を構成す
るとともに、前記数値地図情報データに含まれていない
構造物を3次元CADデータとして生成する3次元CA
Dデータ生成部を設ける。さらに、前記解析モデル生成
部に、3次元CADデータ生成部で生成した3次元CA
Dデータを前記解析モデルに結合するアセンブリー手段
と、生成した解析モデルの形状、配置を変更する形状変
更手段をを設ける。また、前記数値地図情報データを、
解析結果に併せて表示するよう解析結果評価部を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、計算機を用いた数
値解析シミュレーションにより、設計業務を支援するC
AE(Computer Aided Engineering)システムに係り、
特に大規模構造物から発せられる振動や騒音等の環境影
響の事前評価を容易にするための解析支援技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】数値解析シミュレーションを行う際は、
一般に解析対象の形状モデルの定義から、解析メッシュ
と解析条件からなる解析モデルの作成、解析プログラム
の実行、解析結果の可視化及び評価までの一連の作業
を、プリポストプロセッサや解析プログラム等の複数の
プログラムを順次利用して行っている。建造物から発せ
られる振動や騒音等をCAEシステムを用いて評価する
には、建造物と解析空間(振動、騒音を評価したい領
域、一般には直方体形状)の3次元形状データを解析ケ
ース毎に作成して、解析メッシュ生成と振動・騒音解
析、解析結果の評価等を行う。これらについては日立製
作所HICAD/CADAS操作マニュアル等に記載さ
れている。
【0003】また、GIS(Geographic Information S
ystem)は、地図を構成する空間情報とそれに関連づけ
られた属性情報を統一的に管理し、地図ベースのインタ
フェースを通じて、地理情報の入出力・検索・解析・表
示を行うシステムであり、地形データと3次元CADデ
ータとを合成して表示する方式に関しては、特開2001-1
09801号公報「地下構造物建設管理システム」に記載が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】設計対象の建造物から
発せられる振動、騒音、大気汚染等が環境に及ぼす影響
を定量的に評価するには、建造物自身の特性だけでな
く、周辺の建造物や地形、その他様々な状況を勘案して
解析モデルを作成する必要がある。しかし、建造物の構
造や配置が変わる毎に新規に解析モデル(形状、境界条
件)を作り直すのは非常に時間と手間が掛かるという問
題がある。
【0005】本発明の目的は、振動、騒音等が環境に及
ぼす影響を評価するための作業を迅速化することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、数値地図情報データ(地形、標高、
地質、湖沼、河川、植生等の自然環境に関する国土空間
データ、および、行政区分、土地利用、文化財、公共施
設、住居、道路、鉄道、地価等の社会環境に関する国土
空間データ)を、解析モデル作成および解析結果評価の
ために利用する。
【0007】具体的には、3次元CADデータを生成す
る3次元CADデータ作成部と、数値解析のための解析
モデルを生成する解析モデル生成部と、前記解析モデル
を対象に数値解析を行う解析計算部と、数値解析結果を
評価しやすい形式に可視化する解析結果評価部を有して
なる解析支援CAE装置において、自然環境あるいは社
会環境に関する数値地図情報データをディジタルデータ
として格納するデータベースを備え、前記解析モデル生
成部を、前記データベースから前記数値地図情報データ
を読み出し、解析モデルの一部をなす2次元の地図生成
に利用できるデータ形式に変換して2次元の地図をコン
ピュータ内部に生成する手段を有して形成する。
【0008】前記解析モデル生成部は、コンピュータ内
部に生成された2次元の地図を、前記数値地図情報デー
タに基づいて、3次元に立体化するとともに該地図に示
された構造物をも3次元に立体化するスイープ手段を有
してなることが望ましい。
【0009】また、前記3次元CADデータ作成部で生
成された3次元CADデータを格納するデータベースを
備え、前記解析モデル生成部は、前記データベースに格
納された3次元CADデータを読み出し、前記3次元に
立体化された地図の任意の位置に、任意の姿勢で組み合
わせるアセンブリー手段を備えてなることが望ましい。
【0010】さらに、前記解析モデル生成部は、解析モ
デル生成の際に、前記3次元に立体化された地図の地形
あるいは構造物の形状を変形加工することが可能にして
おくことが望ましい。
【0011】前記解析結果評価部は、解析結果表示する
際に、前記自然環境あるいは社会環境に関する数値地図
情報データを解析結果に重ねて表示することができるも
のとしておくことが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】1.本発明に係る解析支援CAE
装置のシステム構成 図1は、本発明による解析支援CAE(Computer Aided
Engineering)装置の実施の形態のシステム構成図であ
る。本実施の形態の解析支援装置は、システム使用者が
データを入力したり表示したりするためのキーボード、
マウス、ディスプレイ等からなる入出力装置101と、
3次元CADデータ作成部、解析モデル生成部、解析計
算部、解析結果評価部とからなる計算処理部102と、
3次元CADデータ、数値地図情報データ、解析モデル
データ、解析結果データをディジタルデータとして格納
するためのデータベース103から構成される。
【0013】計算処理部102における前記各構成要素
は、次のような機能あるいは手段を備える。
【0014】3次元CADデータ作成部は、例えば新た
に建設される解析対象建造物の3次元CADデータな
ど、数値地図情報データに含まれていないデータを生成
し、データベース103の3次元CADデータのファイ
ルに格納する。
【0015】解析モデル生成部では、データベース10
3に格納されている3次元CADデータと数値地図情報
データを用いて、評価対象地域の地図の生成、前記地図
の3次元化、3次元CADデータの前記地図上への配
置、解析空間・地盤の広さの設定、地形や構造物の加
工、解析メッシュ生成、境界条件設定を行う。解析モデ
ル生成部はいわゆるプリプロセッサに相当するもので、
生成されたデータは解析モデルデータとしてデータベー
ス103の解析モデルデータファイルに一旦格納され
る。解析モデル生成部には、データベース103に格納
されている数値地図情報データを取りだし、データ形式
(フォーマット)を解析モデル生成部で取り扱う形式に
変換し、2次元の地図を生成表示する手段、2次元の地
図を数値地図情報データに基づいて3次元に立体化する
スイープ手段、データベース103の3次元CADデー
タのファイルに格納されている3次元CADデータを3
次元に立体化された地図に組み合わせて表示するアセン
ブリー手段、さらに、3次元に立体化された地図を構成
する地表面の標高や建造物の位置、形状などを変更する
形状変更手段を備えている。
【0016】解析計算部では、データベース103に格
納されている解析モデルデータを用いて振動解析や騒音
解析、気流解析等を行う。解析結果は解析結果データと
してデータベース103の解析結果データファイルに一
旦格納される。
【0017】解析結果評価部は、解析計算部から出力さ
れた解析結果データ、すなわちデータベース103に格
納されている膨大な量の数値からなる解析結果データ
を、結果の評価に適した形式に変換して出力するもの
で、いわゆるポストプロセッサに相当する。本実施の形
態における解析結果評価部は、従来知られているポスト
プロセッサに、データベース103に格納されている数
値地図情報データを取り出し、解析結果評価部で使用で
きるデータ形式に変換して、出力に重ね合わせて表示す
る手段を備えたものである。
【0018】データベース103における数値地図情報
データは、自然環境に関する、地形、標高、地質、湖
沼、河川、植生等のデータと、社会環境に関する、行政
区分、土地利用、文化財、公共施設、住居、道路、鉄
道、地価等のデータで、ディジタルデータである。 2.数値地図情報データを利用した形状データ生成 図2は本発明の実施の形態を説明するための仮想の地図
であり、道路および建物の所在を表している。一般に数
値地図は次の2つの種類のフォーマットで表現されてい
る。ひとつはラスタファイルフォーマットであり、他の
一つはベクタファイルフォーマットである。ビットマッ
プファイルはラスタファイルフォーマットに相当する。
【0019】ラスタイメージは色の情報を持つピクセル
と呼ばれるグリッドで構成されており、画像はピクセル
の集まりとして格納される。地図を表示するアプリケー
ションはピクセルの集まりで画像を表現する。その際に
ピクセル間の色のギザつきを滑らかに補間することがで
きる。このため写真イメージの保存に使われることが多
い。ラスタフォーマットのイメージは解像度依存であ
り、イメージを作成するときに解像度とピクセルのサイ
ズを指定する。そのため、後でイメージのサイズを拡大
する場合には各ピクセルを拡大するのでイメージの品質
が低くなる。
【0020】ベクタファイルフォーマットはメタファイ
ルフォーマットと呼ばれることもある。ベクタイメージ
は数理的命令から構成されており、ベクタイメージの各
オブジェクト(道路、建物、建物の名称等)はイメージ
内の相対的な位置、開始地点と終了地点、幅、色、曲線
に関する情報で格納される。ベクタフォーマットのイメ
ージは解像度に依存しない命令セットとして格納される
ので、品質を劣化させずに画像のサイズ変更することが
できる。図2で示した地図の例は、後者のベクタイメー
ジの線画を簡略化して平面的に表したものである。
【0021】図3は図2で示した地図を3次元空間のx
y平面に配置したものである。具体的には図2の平面地
図における高さ方向(z方向)を零としたデータを数値
地図情報データから作成して3次元CAD上に取り込
む。国土地理院の地形図および地勢図に使われているU
TM図法(ユニバーサル横メルカトル図法)は正角図法
であるため厳密には緯度差による距離の補正が必要であ
る。正角図法は地図上のどこでも局所的な角度が正しく
表現される図法であるが、高緯度になるほど地球上の実
際の距離は短くなる。緯度がa度の区間と緯度がb度の
区間の距離の比はcos(a)/cos(b)を計算す
ることで容易に求められる。例えば、緯度30度の区間
と緯度35度の区間の距離の比は約0.95となる。正
角図法以外の正積図法(地図上のどこでも面積関係が正
しく表現される図法)や正距図法(経線、緯線または方
位線上で長さが正しく表現される図法)等で表された数
値地図データの場合も既知の関数を用いることで補正が
行える。また、後述する別例でも示すが、標高地形の3
次元データを直接利用してもよい。
【0022】図4は建造物の場所と高さの情報に基づ
き、スイープ手段により、3次元空間の地図上に建造物
を表す3次元CADデータを生成配置したものである。
家屋やビルディング等の建物に関する情報は、存在地、
名称、床面積、階数等で表されており、これらの情報を
利用して3次元形状が生成できる。また、図中の図形4
01は、振動、騒音の発生源となる建造物の3次元CA
Dデータを表したものであり、3次元CADデータ作成
部で作成されてデータベース103の3次元CADデー
タのファイルに格納されていたものである。この図形4
01で表現される建造物を「解析対象建造物」と呼ぶこ
とにする。解析対象建造物401はアセンブリー手段に
より、データベース103の3次元CADデータのファ
イルから取り出され、3次元に立体化された地図に組み
合わされて表示される。図4に示される領域と構造物
(建造物)が解析モデルとなる。
【0023】この後の説明のため、解析対象建造物の敷
地501を図5の斜線部分で示す。また、行政区分の用
途地域境界線502は、商業/工業地区、住居地区毎に
定められた環境基準値を超えている地区の有無を判定す
るために用いる。
【0024】このように、データベース103に格納さ
れている数値地図情報データを直接コンピュータに読み
込んで解析モデルを生成するので、解析担当者がいちい
ちデータを打ち込んでモデルを作成する必要がなく、解
析モデルを生成するのに必要な時間を短縮できる。ま
た、数値地図情報データを直接コンピュータに読み込ん
で解析モデルを生成するので、解析対象領域の地形や構
造物の形状、配置などが正確にモデル化される効果があ
る。
【0025】本実施の形態の解析の目的は、振動や騒音
が敷地境界において環境基準値を超えないこと、あるい
は、人口分布に照らし合わせて、振動、騒音の影響を受
ける人数をなるべく少なくすることである。そのための
解析対象建造物の適正配置、設計仕様変更の必要性、遮
音壁設置の必要性の有無等を評価する。 3.解析メッシュ作成 図6は解析用メッシュの一例であり、空間および地盤の
メッシュは表示上省略している。解析用メッシュを作成
する手順としては、先ず解析領域の定義を行い、3次元
CADデータから解析に不必要な部分を削除する。解析
に適切なメッシュ寸法を決定して3次元CADデータの
稜線や面に対してメッシュ寸法を設定する。この際、局
所的にメッシュの粗密を制御して解析精度を向上させる
場合もある。そして、例えばバウンダリー・フィット法
やアドバンシング・フロント法、デローニ法等の公知の
手法を適用して3次元CADデータからメッシュを生成
する。また、特開1999−096400号公報「解析用メッシュ
生成方法及び装置」、特開1999−096400号公報「形状変
換方法」等にメッシュ自動生成に関する記述がある。こ
のようにして作成したメッシュに対し、拘束条件や振動
源からの荷重条件、材料物性値(特に地盤に関しては自
然環境に関する地質データに基づき解析上必要な材料物
性値を定義)を付加することにより解析用メッシュモデ
ルが作成される。 4.数値地図情報データを利用した解析結果の評価 図7は図4に示した建造物配置における3次元CADデ
ータから作成された解析メッシュ(図6)を用いて、図
4の図形401を振動、騒音の発生源となる建造物とし
て騒音解析を行い、その結果を解析結果評価部により地
表面にプロットしたものである。この可視化した解析結
果によって、何れの周辺建造物が騒音による環境影響を
受けるかを容易に評価することができる。この可視化に
は汎用のポストプロセッサを用いることができるが、行
政区分毎の環境基準値をデータベース103に格納され
た数値地図情報データから取りだし、表示された解析結
果に重ねて表示できるようなデータ形式に変換し、解析
結果と重ねて同時に表示することにより、設計変更の要
否等の判断が迅速に行える。
【0026】図7には、図5で示したものと同じく、行
政区分の商業/工業地区、住居地区などの境界線である
用途地域境界線701がデータベース103に格納され
た数値地図情報データから取りだされ、表示された解析
結果に重ねて表示できるようなデータ形式に変換され、
表示された解析結果に重ねて表示されている。この用途
地域境界線701に基づいて、商業/工業地区、住居地
区毎に定められた騒音基準値を超えている地区の有無の
判定を行う。例えば用途地域境界線によって区分される
2つの地域の内、解析対象建造物が存在する側を工業地
区、他方を住居地区とした場合に、”工業地区において
は騒音基準値を下回るが、住居地区においては騒音基準
値を超えている”というような評価を行う。
【0027】さらに、この解析結果から幾つかの重要な
公共施設(学校や病院等)への影響が予測される場合に
は、たとえ敷地境界において環境基準値を満足している
結果であっても解析対象建造物の適正配置が求められる
ケースもある。そのようなケースに対応するための手法
を次に述べる。 5.解析対象3次元CADデータを移動した場合の解析
結果の評価 図8は、解析対象建造物を敷地の奥に移動した場合の3
次元CADデータを3次元の画像で表示したものであ
り、移動後の解析対象建造物801を示している。3次
元CADを用いた場合、特定の部品の平行移動や回転移
動、複写、拡大縮小等の操作は非常に容易に行える。こ
の場合は、図4において敷地501の手前右寄りに、敷
地右側の道路に平行に配置していた解析対象建造物40
1を、解析モデル生成部において、形状変更手段によ
り、敷地501の奥側中央寄りに、かつ敷地右奥側の道
路に平行になるように配置変更してある。アセンブリー
手段を用いて新たに解析対象建造物401を所望の位置
に配置してもよい。これにより、騒音解析結果がどのよ
うに変化するかを評価する。
【0028】図9は、図8に示す、解析対象建造物を移
動した後の建造物配置における3次元CADデータから
作成された解析メッシュを用いて、解析対象建造物80
1を振動、騒音の発生源となる建造物として解析計算部
で騒音解析を行い、その結果を解析結果評価部で地表面
にプロットしたものである。
【0029】このようにして、必要に応じて解析対象建
造物を任意の場所に配置したり、あるいは、遮音壁の設
置、周辺建造物の移動等を行い、環境負荷が最小になる
設計解を求める作業を行うことができる。 6.人口分布と解析結果との重ね合せ 図10は、人口分布を模式的に3次元グラフ状に表した
ものである。数値地図情報データには、標高のような緯
度経度に対する値で与えられるものと、人口分布のよう
に地区単位にポイントで与えられるものとがある。先に
述べたGISでは、線で囲まれ面情報を含むポリゴンレ
イヤ、線情報を扱うラインレイヤ、点情報を扱うポイン
トレイヤ、地図上で文字を表示するシグネチャレイヤ、
それと、写真画像のようにデータがピクセルの集まりで
表現されたラスタレイヤとを複合的に扱うことができ
る。ポリゴンレイヤは建物や地域境界等、ラインレイヤ
は道路や鉄道路線等、ポイントレイヤ は点在する施設
の位置や統計データ等に利用される。人口分布はポイン
トレイヤで表現される項目のひとつである。本例では緯
度経度のグリッドに人口分布をマッピングして、騒音に
よる環境影響を受ける人口を評価する例を示す。
【0030】図10においてグリッド上の各点はサンプ
リング地点の場所を示し、ポリゴンレイヤで表されたあ
る地区の境界内に含まれるサンプリング点の数で人口を
割って平均化したものを各グリッドにおける人口とし
て、グリッドの中心から出した棒の長さで人口を表して
いる。この3次元人口分布グラフを、解析結果評価部で
騒音解析結果と合わせて表示したものが図11である。
ここでの騒音解析結果は図7で示したものと同じもの、
すなわち図4に示す位置に騒音の発生源となる解析対象
建造物がある場合の騒音解析結果を表示している。先の
図4から図9の例では、周辺の建物が受ける振動騒音の
影響を評価していたが、本例では騒音分布と人口分布の
対比や、ある騒音以上となる人口累計数等が評価でき
る。 7.標高データを利用したメッシュ生成 図12は標高データのサンプリング地点を示したもので
ある。数値地図情報データの標高データは一般に緯度経
度に対する高さの値で表される。数値地図情報データに
おけるグリッドの間隔は主に10メートル、50メート
ル、250メートル、1キロメートルのものを目的に応
じて使用する。グリッド間隔が10メートルの火山標高
数値地図の場合では、例えば、国土地理院発行の5千分
の1及び1万分の1の火山基本図に描かれている等高線
を数値化し、この数値データを基にして作成した数値標
高モデル(DEMと呼ばれる)の火山基本図を南北及び
東西方向にそれぞれ10メートル間隔で分割して得られ
る各メッシュの中心の標高が記録されている。また、グ
リッド間隔が50メートルの標高データは、地表を南北
及び東西方向にそれぞれ約50メートルの間隔に区切っ
たメッシュの中心点の標高を、例えば2万5千分の1地
形図から計測して求める。
【0031】この標高データは、地形を3次元表示する
鳥瞰図の作成等のほか、電波到達域や地形解析等に利用
される。グリッド間隔が250メートルや1キロメート
ルの標高データも50メートルの標高データとほぼ同様
であるが、グリッドの間隔が広いほどデータ量が少なく
なるため、地形解析の精度は粗くなるが計算機で高速に
処理できる。
【0032】図13はサンプリング地点の高さの情報に
基づいて3次元メッシュを生成したものである。3次元
メッシュは、サンプリング地点を結んでxy平面に生成
した平面メッシュの各節点を、サンプリング地点の標高
に応じてz方向に移動することで容易に得ることができ
る。図14は図13で示した3次元メッシュを包含する
空間内に構造物1401を配置した例である。また、図
15は図13で示した3次元メッシュを包含する空間内
に構造物1501を図14の1401とは別の地点、方
向に配置した例である。これらは例えば地形による気流
の影響を考慮した構造物の適正配置のために使用でき
る。または図7と同様に行政区分毎の環境基準値を数値
地図情報に基づいて表示して、気流解析結果と合わせて
評価することもできる。
【0033】図16は、解析モデル生成部の形状変更手
段を用い、人為的に地形を加工して解析する例である。
数値地図情報データを用いて生成された3次元の地図
の、点線1601で囲った部分の標高の高い個所を、先
の図14、図15に比べて低くしてある。これは、幾つ
かのサンプリング地点における標高を、実際の自然の地
形に比べて低くしてメッシュを再生成したものであり、
このように、建造物の構造、配置を変更するのみでな
く、自然の地形を加工した場合のシミュレーションも数
値地図情報データに基づく解析用メッシュを利用するこ
とで容易に可能となる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、数値地図情報データを
解析モデルを作成する解析モデル生成部に直接読みこん
で解析モデルを作成するので、解析モデル作成時間が短
縮される。また、人口分布、建造物分布に基づく、騒
音、汚染等の社会的影響の定量的評価と、各種行政区分
(商業/工業地区、行政区境界、他)に対応する環境基
準の差を考慮した結果評価を迅速に行うことが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る解析支援CAE装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施の形態で解析モデルとなる領域
を、数値地図情報データを用いて作成した地図で示す平
面図である。
【図3】図2に示す地図を3次元で表した斜視図であ
る。
【図4】図3に示す地図に建造物を3次元で配置した解
析モデルを示す斜視図である。
【図5】図3に示す地図に解析対象建造物の敷地を表示
し、行政区分の境界を併せて表示した斜視図である。
【図6】図4に示す解析モデルに解析用メッシュを形成
した状態を示す斜視図である。
【図7】図4に示す解析モデルについて騒音解析した結
果の評価の例を示す斜視図である。
【図8】図4に示す解析モデルにおいて、解析対象建造
物を移動した例を示す斜視図である。
【図9】図8に示す解析モデルについて騒音解析した結
果の評価の例を示す斜視図である。
【図10】数値地図情報データで作成した人口分布グラ
フの例を示す斜視図である。
【図11】図10に示す人口分布と図7に示す解析結果
とを重ね合せて示す斜視図である。
【図12】数値地図情報データにおける標高データのサ
ンプリング地点の一例を示す斜視図である。
【図13】数値地図情報データに基づいて形成した地形
に3次元メッシュを形成した例を示す斜視図である。
【図14】図13に示す地形データ上に構造物を配置し
て解析モデルとした例を示す斜視図である。
【図15】図14に示す解析モデルにおいて構造物の場
所を変更した例を示す斜視図である。
【図16】図15に示す解析モデルにおいて地形を加工
した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
101 入出力装置 102 計算処理部 103 データベース 401 解析対象建造物の3次元CADデータ 501 解析対象建造物の敷地 502 行政区分の用途地域境界線 701 解析結果に重ね合わせて表示した用途地域境界
線 801 移動後の解析対象建造物 1401 地形データ上に配置した構造物 1501 地形データ上に配置した移動後の構造物 1601 標高を低く加工した部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西垣 一朗 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 高柳 政明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 5B046 AA03 DA01 JA07 KA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元CADデータを生成する3次元C
    ADデータ作成部と、数値解析のための解析モデルを生
    成する解析モデル生成部と、前記解析モデルを対象に数
    値解析を行う解析計算部と、数値解析結果を評価しやす
    い形式に可視化する解析結果評価部を有してなる解析支
    援CAE装置において、自然環境あるいは社会環境に関
    する数値地図情報データをディジタルデータとして格納
    するデータベースを備え、前記解析モデル生成部は、前
    記データベースから前記数値地図情報データを読み出
    し、解析モデルの一部をなす2次元の地図生成に利用で
    きるデータ形式に変換して2次元の地図をコンピュータ
    内部に生成する手段を有してなることを特徴とする解析
    支援CAE装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の解析支援CAE装置にお
    いて、前記解析モデル生成部は、コンピュータ内部に生
    成された2次元の地図を、前記数値地図情報データに基
    づいて、3次元に立体化するとともに該地図に示された
    構造物をも3次元に立体化するスイープ手段を有してな
    ることを特徴とする解析支援CAE装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の解析支援CAE装置にお
    いて、前記3次元CADデータ作成部で生成された3次
    元CADデータを格納するデータベースを備え、前記解
    析モデル生成部は、前記データベースに格納された3次
    元CADデータを読み出し、前記3次元に立体化された
    地図の任意の位置に、任意の姿勢で組み合わせるアセン
    ブリー手段を備えてなることを特徴とする解析支援CA
    E装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の解析支援CAE
    装置において、前記解析モデル生成部は、解析モデル生
    成の際に、前記3次元に立体化された地図の地形あるい
    は構造物の形状を変形加工する形状変更手段を有してな
    ることを特徴とする解析支援CAE装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちのいずれか1項記載
    の解析支援CAE装置において、前記解析結果評価部
    は、解析結果表示する際に、前記自然環境あるいは社会
    環境に関する数値地図情報データを解析結果に重ねて表
    示する手段を有してなることを特徴とする解析支援CA
    E装置。
  6. 【請求項6】 3次元CADデータを生成する3次元C
    ADデータ作成部と、数値解析のための解析モデルを生
    成する解析モデル生成部と、前記解析モデルを対象に数
    値解析を行う解析計算部と、数値解析結果を評価しやす
    い形式に可視化する解析結果評価部を有してなる解析支
    援CAE装置において、前記解析モデル生成部は、自然
    環境あるいは社会環境に関する数値地図情報データを用
    いて解析モデルを生成するとともに、前記3次元CAD
    データ作成部で生成された3次元CADデータを数値地
    図上に配置するよう構成されていることを特徴とする解
    析支援CAE装置。
  7. 【請求項7】 3次元CADデータを生成する3次元C
    ADデータ作成部と、数値解析のための解析モデルを生
    成する解析モデル生成部と、前記解析モデルを対象に数
    値解析を行う解析計算部と、数値解析結果を評価しやす
    い形式に可視化する解析結果評価部を有してなる解析支
    援CAE装置において、前記解析モデル生成部は、自然
    環境あるいは社会環境に関する数値地図情報データを用
    いて解析モデルを生成するとともに、解析モデル生成の
    際に前記数値地図情報データで規定される地形あるいは
    構造物の形状を変形加工する手段を備えてなることを特
    徴とする解析支援CAE装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または8記載の解析支援CAE
    装置において、前記解析結果評価部は、自然環境あるい
    は社会環境に関する数値地図情報データを解析結果評価
    のために利用する手段を備えたことを特徴とする解析支
    援CAE装置。
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