JP2003227955A - 微細周期構造体の製造方法および微細周期構造体の製造装置 - Google Patents

微細周期構造体の製造方法および微細周期構造体の製造装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期構造に意図しない欠陥を生じさせること
なく製造コストを低減する。 【解決手段】 所定の周期構造を有する周期構造体をN
層(Nは2以上の自然数)積層してフォトニック結晶を
製造するフォトニック結晶の製造方法であって、所定の
周期構造を反転させたスリットSa,Sbが形成されて
周期構造体を成型可能に構成されたモールド13,14
をフォトニック結晶成型用の溶液R中に沈めてモールド
13,14に溶液Rを含浸させた後に溶液Rからモール
ド13を取り出し、基板2の下面または基板2に成型さ
れている(M−1)層目(MはN以下の自然数)の周期
構造体における下面にモールド13の上面を接触させ、
その状態でスリットSa内の溶液Rを硬化させてM層目
の周期構造体を成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の周期構造を
有する周期構造体をN層積層して微細周期構造体を製造
する微細周期構造体の製造方法、およびその製造方法に
従って微細周期構造体を製造可能に構成された微細周期
構造体の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の微細周期構造体の製造方法とし
て、特開2000−284136号公報に開示されてい
るフォトニック結晶の製造方法が挙げられる。この場
合、フォトニック結晶は、微細周期構造体の一例であっ
て、屈折率が互いに異なる2種類の光学材料(一方が空
気である場合を含む)を光の波長オーダーで周期的に配
列して構成されている。この製造方法では、まず、基板
(1)の上に第1の屈折率を有する材料R1によって薄
膜(2)を積層する。この場合、薄膜(2)および後述
する薄膜(3)は、液状の材料R1,R2を回転塗布し
た後に熱硬化させることで薄膜状に形成される。次に、
その下面に複数の凸部を市松模様状に形成した型(4)
を薄膜(2)の上面に強く押し付けることにより、薄膜
(2)の厚み程度の深さで市松模様状の凹部を薄膜
(2)に形成する。次いで、この状態の薄膜(2)の上
に、材料R1とは屈折率が異なる第2の屈折率を有する
材料R2によって薄膜(3)を積層する。続いて、薄膜
(3)の上面に型(4)を強く押し付けることにより、
薄膜(3)の厚み程度の深さで市松模様状の凹部を薄膜
(3)に形成する。この後、薄膜(2)の積層および型
(4)による凹部の形成と、薄膜(3)の積層および型
(4)による凹部の形成とを所定の回数だけ交互に実行
する。これにより、いずれの方向から見たとしても材料
R1,R2が所定のピッチで交互に存在する3次元フォ
トニック結晶が製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の微細
周期構造体としてのフォトニック結晶の製造方法には、
以下の問題点がある。すなわち、従来のフォトニック結
晶の製造方法では、薄膜(2,3)を形成した後に型
(4)を強く押し付けることにより、型(4)の下面に
形成された凸部を薄膜(2,3)に転写(刻印)して薄
膜(2,3)の厚み内の2次元周期構造を形成してい
る。この場合、この2次元周期構造の形成ピッチ(すな
わち、薄膜(2,3)に形成される凹部の形成ピッチ)
は、一例として数十μm程度と非常に狭い。また、積層
された薄膜(2,3)は、その凹部形成後もその周期構
造を維持できるように、ある程度の硬さを有している必
要がある。したがって、この薄膜(2,3)に型(4)
を押し付けることで微細なピッチを転写(刻印)する製
造方法では、型(4)の摩耗が激しく、結果として、規
則正しい周期構造を繰り返して形成するのが困難とな
る。このため、その製作コストが比較的高い型(4)を
定期的に交換しなくてはならず、フォトニック結晶の製
造コストを高騰させる要因となるという問題点がある。
【0004】また、従来のフォトニック結晶の製造方法
では、既に凹部を形成した薄膜(2,3)の上に薄膜
(3,2)を形成し、その薄膜(3,2)に対して型
(4)を強く押し付けることによって凹部を形成してい
る。したがって、フォトニック結晶の初期段階で積層さ
れた薄膜(2,3)(すなわち、すなわち、基板(1)
側の薄膜(2,3))には、その後に形成される薄膜
(3,2)に凹部を形成する際に大きな力が何度も加え
られることとなる。このため、この力が加えられること
に起因して、初期段階で積層された薄膜(2,3)の2
次元周期構造が破壊されるため、周期構造に意図しない
欠陥が生じることに起因して、フォトニック結晶の光学
的特性が著しく低下するという問題点がある。
【0005】この場合、同公報には、薄膜(2,3)を
所定数だけ交互に積層しておき、この積層体に対して一
度だけ型(4)を押し付けることにより、各薄膜に対し
て複数の凹部を同時に形成する方法が開示されている。
この製造方法によれば、型(4)の摩耗を抑え、かつ、
繰り返して力が加えられることに起因する周期構造の破
壊を防止することが可能となる。しかし、この製造方法
では、型(4)が押し当てられた薄膜(2,3)から遠
い側の薄膜(すなわち、基板(1)側の薄膜(2,
3))に、型(4)による力が伝達されないことがあ
る。かかる場合には、所望の深さ(各薄膜(2,3)の
厚み程度の深さ)の凹部を形成することができないた
め、フォトニック結晶の光学的特性が著しく低下すると
いう問題点がある。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、周期構造に意図しない欠陥を生じさせるこ
となく製造コストを低減し得る微細周期構造体の製造方
法、およびその製造方法に従って微細周期構造体を製造
可能な微細周期構造体の製造装置を提供することを主目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の微細周期構造体の製造方法は、所定の周期
構造を有する周期構造体をN層(Nは2以上の自然数)
積層して微細周期構造体を製造する微細周期構造体の製
造方法であって、前記所定の周期構造を反転させた凹部
が形成されて前記周期構造体を成型可能に構成された型
を微細周期構造体成型用の溶液中に沈めて当該凹部に当
該溶液を含浸させた後に当該溶液から当該型を取り出
し、基板の下面または当該基板に成型されている(M−
1)層目(MはN以下の自然数)の前記周期構造体にお
ける下面に前記型の上面を接触させ、その状態で前記凹
部内の前記溶液を硬化させてM層目の前記周期構造体を
成型する。
【0008】請求項2記載の微細周期構造体の製造方法
は、請求項1記載の微細周期構造体の製造方法におい
て、前記凹部を構成する貫通孔が形成された型本体と、
前記貫通孔を閉塞することにより前記凹部の底面を構成
する底板とを前記型として用いて当該型本体および当該
底板を互いに離間させた状態で前記溶液中に沈め、前記
型本体の前記貫通孔に前記溶液を含浸させた後に前記底
板によって前記貫通孔を閉塞し、その状態の当該型本体
および当該底板を当該溶液から取り出して前記M層目の
周期構造体を成型する。
【0009】請求項3記載の微細周期構造体の製造装置
は、請求項1記載の微細周期構造体の製造方法に従って
前記微細周期構造体を製造可能に構成された微細周期構
造体の製造装置であって、前記周期構造体を成型可能な
前記型と、前記基板を保持する基板保持手段と、前記型
を前記溶液中から取り出して前記上面を前記基板の前記
下面または前記(M−1)層目の周期構造体における前
記下面に接触させる上下動機構と、前記凹部内の前記溶
液を硬化させる溶液硬化手段と、前記上下動機構および
前記溶液硬化手段を制御する制御部とを備え、前記制御
部は、前記上下動機構に対して前記型を前記溶液中に沈
めさせて前記凹部に当該溶液を含浸させた後に、当該上
下動機構に対して当該溶液から当該型を取り出させて前
記基板保持手段によって保持されている前記基板の前記
下面または当該基板に成型されている前記(M−1)層
目の周期構造体における前記下面に当該型の前記上面を
接触させ、その状態で前記溶液硬化手段に対して前記凹
部内の前記溶液を硬化させて前記M層目の周期構造体を
成型する。
【0010】請求項4記載の微細周期構造体の製造装置
は、請求項3記載の微細周期構造体の製造装置におい
て、前記凹部を構成する貫通孔が形成された型本体と、
前記貫通孔を閉塞することにより前記凹部の底面を構成
する底板とで少なくとも構成される前記型を備えると共
に、前記型本体および前記底板のいずれか一方をいずれ
か他方に向けて接離動させる接離動機構を備え、前記制
御部は、前記接離動機構に対して前記型本体および前記
底板を互いに離間させた状態で前記上下動機構に対して
当該型本体および当該底板を前記溶液中に沈めさせて前
記型本体の前記貫通孔に前記溶液を含浸させた後に、前
記接離動機構に対して前記型本体に前記底板を接触させ
て当該貫通孔を閉塞させ、その状態の当該型本体および
当該底板を前記上下動機構に対して当該溶液から取り出
させて前記周期構造体を成型する。
【0011】請求項5記載の微細周期構造体の製造装置
は、請求項3または4記載の微細周期構造体の製造装置
において、前記N層の周期構造体のうち奇数層目の周期
構造体を成型するための第1の型と、前記N層の周期構
造体のうち偶数層目の周期構造体を成型するための第2
の型とを前記型として備え、前記制御部は、前記上下動
機構に対して前記第1の型と前記第2の型とを交互に上
下動させて前記周期構造体を成型する。
【0012】請求項6記載の微細周期構造体の製造装置
は、請求項3から5のいずれかに記載の微細周期構造体
の製造装置において、前記基板保持機構および前記型の
いずれかを水平方向に沿って90°回転させる回転機構
を備え、前記制御部は、前記回転機構に対して前記基板
保持機構および前記型のいずれかを水平方向に沿って9
0°回転させた後に、前記上下動機構に対して前記型を
前記(M−1)層目の周期構造体における下面に接触さ
せて前記M層目の周期構造体を成型する。
【0013】請求項7記載の微細周期構造体の製造装置
は、請求項3から6のいずれかに記載の微細周期構造体
の製造装置において、前記基板保持機構および前記型の
いずれかを前記周期構造体の周期分だけ水平方向に移動
させる移動機構を備え、前記制御部は、前記移動機構に
対して前記基板保持機構および前記型のいずれかを前記
周期分だけ移動させた後に、前記上下動機構に対して前
記型を前記(M−1)層目の周期構造体における前記下
面に接触させて前記M層目の周期構造体を成型する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る微細周期構造体の製造方法、およびその製造方
法に従って微細周期構造体を製造する製造装置の好適な
実施の形態について説明する。
【0015】最初に、本発明に係る微細周期構造体の製
造方法に従って製造されたフォトニック結晶1につい
て、図面を参照して説明する。
【0016】フォトニック結晶1は、光合分波器、波長
多重合分波器および分光器(回析格子)などの光回路部
品に用いられる超小型光回路としての使用を初めとし
て、フォトルミネッセンスやレーザービーム用の発光素
子または受光素子、各種センサ(ガス、歪み、温度、電
圧および電流などの検出素子)、並びにミリ波およびマ
イクロ波用のシールド材やアンテナとして使用される。
このフォトニック結晶1は、図1に示すように、本発明
における周期構造体に相当する周期構造層3および周期
構造層4が基板2の上に交互に積層されて構成されてい
る。基板2は、フォトニック結晶1の製作時に周期構造
層3,4・・を成型する際の支持体として機能すると共
に、完成後においては、フォトニック結晶1の基部とし
ても機能する。周期構造層3は、本発明における奇数層
目の周期構造体に相当し、一例として小口の一辺が50
μm程度の角柱状の柱状体3a,3a・・が50μm程
度の等間隔で並設されて構成されている。周期構造層4
は、本発明における偶数層目の周期構造体に相当し、成
型された角柱状の柱状体4a,4a・・が周期構造層3
の柱状体3aと同様にして等間隔で並設されて構成され
ている。この場合、周期構造層3の柱状体3a,3a・
・と、周期構造層4の柱状体4a,4a・・とは、互い
に直交する向きに配設されている。
【0017】このフォトニック結晶1は、後述するよう
に、有機系材料溶液、無機系材料溶液および有機無機複
合材料溶液などのフォトニック結晶材料溶液(本発明に
おける微細周期構造体成型用の溶液に相当し、以下、
「溶液」ともいう)R(図4参照)を硬化させることに
よって成型され、フォトニック結晶1に求められる光学
的特性に応じて、溶液Rとして使用する材料や、周期構
造層3,4の高さ、柱状体3a,4aの形状、太さ、並
設ピッチおよび並設本数などが適宜調節される。なお、
本発明の実施の形態では、溶液Rの一例として熱硬化性
樹脂を使用する。また、本発明の実施の形態において説
明する図面では、本発明についての理解を容易とするた
めに、柱状体3a,3a・・4a,4a・・の数を少な
くして図示しているが、実際には、さらに多数の柱状体
3a,3a・・4a,4a・・によって周期構造層3,
4が構成されている。また、後述する製造方法において
使用するモールド13,14(図3参照)などについて
も、実際には、多数の柱状体3a,3a・・4a,4a
・・を成型可能に構成されている。
【0018】次に、このフォトニック結晶1を製造可能
に構成された微細周期構造体製造装置(以下、「製造装
置」ともいう)11について、図面を参照して説明す
る。
【0019】製造装置11は、図2に示すように、基板
保持部12、モールド13,14、接離動機構15,1
5、上下動機構16,17、ヒータ18、制御部19お
よび容器20を備えている。基板保持部12は、本発明
における基板保持手段に相当し、前述したフォトニック
結晶1の基板2を保持可能に構成されて上下動機構12
aに取り付けられている。この場合、上下動機構12a
は、一例としてエアシリンダで構成され、制御部19の
制御下で基板保持部12を下動させることにより、後述
するように、基板保持部12によって保持されている基
板2をモールド13,14の上面に押し付ける。モール
ド13は、本発明における第1の型に相当し、本発明に
おける型本体に相当するモールド本体13aと、モール
ド本体13aの下方に配設されて接離動機構15によっ
てモールド本体13aに対して接離動させられる底板1
3bとを備えている。モールド14は、本発明における
第2の型に相当し、本発明における型本体に相当するモ
ールド本体14aと、モールド本体14aの下方に配設
されて接離動機構15によってモールド本体14aに対
して接離動させられる底板14bとを備えている。
【0020】この場合、モールド本体13a,14aお
よび底板13b,14bは、SiO 、Si、SiC、
金属および金属酸化物などの無機系材料や、無機系材料
と有機系材料とを複合化したナノコンポジット材料(ナ
ノサイズの複合材料)で形成されている。また、図3に
示すように、モールド本体13aには、本発明における
貫通孔に相当し前述した柱状体3a,3a・・を成型す
るためのスリットSa,Sa・・がその上面から下面に
かけて連通形成されている。このスリットSa,Sa・
・は、モールド本体13aの下面に底板13bが当接さ
せられることで閉塞され、底板13bの上面と相俟って
本発明における凹部を構成する。また、モールド本体1
4aには、本発明における貫通孔に相当し前述した柱状
体4a,4a・・を成型するためのスリットSb,Sb
・・がその上面から下面にかけて連通形成されている。
このスリットSb,Sb・・は、モールド本体14aの
下面に底板14bが当接させられることで閉塞され、底
板14bの上面と相俟って本発明における凹部を構成す
る。以下、モールド本体13aのスリットSaとモール
ド本体14aのスリットSbとを区別しないときには、
スリットSともいう。
【0021】このスリットSは、上記した材料で形成し
た平板に対してレーザービーム描画装置、電子線描画装
置および反応性イオンエッチング装置などの微細構造加
工装置を用いて複数の孔(スリット)を所定の配列ピッ
チで形成した後に、ウェットエッチングやドライエッチ
ングによって高精度に加工されている。なお、図4に示
すように、このモールド13,14は、スリットSa,
Sa・・の延在方向と、スリットSb,Sb・・の延在
方向とが直交する向きで後述するアーム部16a,17
aに取り付けられる。一方、接離動機構15は、制御部
19の制御下でモールド本体13a,14aに対して底
板13b,14bを接離動させることにより、モールド
本体13a,14aにおけるスリットS,S・・の各下
方開口部位を閉塞または開口する。
【0022】上下動機構16,17は、図4に示すよう
に、容器20に収容された溶液Rの中と、基板保持部1
2によって保持された基板2の下方との間でアーム部1
6a,17aを介してモールド13,14を矢印A,B
の方向にそれぞれ上下動させる。この場合、アーム部1
6a,17aは、いわゆるリンク機構を備えて構成さ
れ、モールド13,14を水平に保持した状態で上下動
可能に構成されている。ヒータ18は、本発明における
溶液硬化手段に相当し、制御部19の制御下でモールド
13,14を加熱することにより、スリットS,S・・
内の溶液Rを硬化させる。制御部19は、基板保持部1
2、上下動機構12a、接離動機構15,15および上
下動機構16,17の駆動を制御すると共に、ヒータ1
8に対する通電を制御してモールド13,14を加熱さ
せる。容器20は、溶液Rを収容可能に形成されると共
に、その溶液R内にモールド13,14の双方を沈める
ことが可能な深さに形成されている。
【0023】次に、この製造装置11によるフォトニッ
ク結晶1の製造方法について、図面を参照して説明す
る。
【0024】まず、図4に示すように、容器20の中に
溶液Rを注ぎ入れると共に、基板保持部12に基板2を
保持させる。この際に、基板2は、図1に示すフォトニ
ック結晶1の状態に対して、上下方向が反転させられた
状態で基板保持部12によって保持される。次に、制御
部19は、上下動機構16,17を駆動制御してモール
ド13,14の双方を容器20内の溶液R中に沈め、モ
ールド本体13a,14aのスリットS,S・・に溶液
Rを含浸させる。この際に、接離動機構15,15は、
制御部19の制御下で、モールド本体13a,14aを
底板13b,14bに対して離間させた状態に保持す
る。したがって、両モールド13,14のスリットS,
S・・がモールド本体13a,14aの上面および下面
間で連通状態となる結果、スリットS,S・・内の空気
がスムーズに排出されて溶液Rが確実に含浸する。次い
で、制御部19は、モールド13側の接離動機構15を
駆動制御することにより、図5に示すように、溶液R中
においてモールド本体13aと底板13bとを密着させ
る。この際には、モールド本体13aの下面に底板13
bが密着することにより、スリットSa,Sa・・の下
方が閉塞されて複数の溝(本発明における凹部)が形成
される。
【0025】次に、図6に示すように、制御部19は、
上下動機構16に対してモールド13を上動させて溶液
Rの外に取り出させると共に、上下動機構12aに対し
て基板2を下動させることにより、基板2の下面にモー
ルド13の上面(モールド本体13aの上面)を密着さ
せる。この際に、モールド13は、アーム部16aのリ
ンク機構によって水平に保持された状態で上動させられ
る。次いで、制御部19は、この状態のモールド13を
ヒータ18(図示せず)に対して所定時間加熱させるこ
とにより、モールド13を介してスリットSa,Sa・
・内の溶液Rを熱硬化させる。この際に、上下動機構1
2aおよび上下動機構16によって基板2とモールド1
3とが互いに押し付けられた状態で溶液Rが硬化させら
れるため、基板2と、スリットSa,Sa・・内の溶液
Rとが確実に固着する。この後、制御部19は、ヒータ
18に対する通電を停止すると共に、上下動機構16に
対してモールド13を下動させ、かつ上下動機構12a
に対して基板2を上動させる。これにより、図7に示す
ように、周期構造層3(柱状体3a,3a・・)が基板
2の下面(同図において下側の面)に成型される。
【0026】続いて、制御部19は、モールド14側の
接離動機構15を駆動制御することにより、図7に示す
ように、溶液R中においてモールド本体14aと底板1
4bとを密着させる。この際に、前述したモールド13
と同様にして、モールド本体14aの下面に底板14b
が密着することにより、スリットSb,Sb・・の下方
が閉塞されて複数の溝(本発明における凹部)が形成さ
れる。次に、図8に示すように、制御部19は、上下動
機構17に対してモールド14を上動させて溶液Rの外
に取り出させると共に、上下動機構12aに対して基板
2を下動させることにより、基板2に既に成型されてい
る周期構造層3(本発明における(M−1)層目の周期
構造体)の下面にモールド14の上面(モールド本体1
4aの上面)を密着させる。この際には、アーム部17
aのリンク機構によってモールド14が水平に保持され
た状態で上動させられる。次いで、制御部19は、この
状態のモールド14をヒータ18に対して所定時間加熱
させることにより、モールド14を介してスリットS
b,Sb・・内の溶液Rを熱硬化させる。この際に、上
下動機構12aおよび上下動機構17によって周期構造
層3とモールド14とが互いに押し付けられた状態で溶
液Rが硬化させられるため、周期構造層3と、スリット
Sb,Sb・・内の溶液R(後に周期構造層4となる溶
液R)とが確実に固着する。この後、制御部19は、ヒ
ータ18に対する通電を停止すると共に上下動機構17
に対してモールド14を下動させ、かつ上下動機構12
aに対して基板2を上動させる。これにより、周期構造
層3の下面に本発明におけるM層目の周期構造体に相当
する周期構造層4(柱状体4a,4a・・)が成型され
る。
【0027】この後、制御部19は、接離動機構15に
よる溶液R内でのスリットSa,Sa・・の閉塞、上下
動機構16によるモールド13の上動、上下動機構12
aによる基板2の下動およびヒータ18によるモールド
13の加熱(周期構造層3の成型)と、接離動機構15
による溶液R内でのスリットSb,Sb・・の閉塞、上
下動機構17によるモールド14の上動、上下動機構1
2aによる基板2の下動およびヒータ18によるモール
ド14の加熱(周期構造層4の成型)とを交互に所定回
数だけ繰り返して実行する。これにより、基板2の下面
に周期構造層3,4が交互に所定数だけ積層され、図1
に示すように、フォトニック結晶1が製造される。な
お、製造されたフォトニック結晶1は、基板保持部12
によって保持された状態では、同図に示す状態を上下反
転させた姿勢で成型されている。
【0028】このように、この製造装置11によるフォ
トニック結晶1の製造方法によれば、制御部19が、上
下動機構16,17に対してモールド13,14を溶液
R中に沈めさせてスリットS,S・・に溶液Rを含浸さ
せた後に、溶液Rからモールド13,14を取り出し、
基板2の下面または基板2の下面に成型されている周期
構造層4,3の下面にモールド13,14の上面を接触
させ、その状態でスリットS,S・・内の溶液Rをヒー
タ18によって熱硬化させて周期構造層3,4を成型す
ることにより、薄膜に対して型を強く押し付けることで
微細な凹部を形成する従来のフォトニック結晶の製造方
法とは異なり、モールド13,14に対して強い力を加
えることがないため、モールド13,14の摩耗を軽減
することができる。したがって、フォトニック結晶1の
製造コストを低減しつつ、規則正しい周期構造(周期構
造層3,4)を繰り返して積層して成型することができ
る。また、モールド13,14に対して強い力を加える
ことがないため、モールド13,14を形成するための
形成用材料の選択肢を増やすことができる。このため、
例えば、無機系、有機系または無機有機複合系の透明材
料でモールド13,14を形成することも可能となり、
これにより、溶液Rとして光硬化性材料を採用すること
も可能となる。さらに、形成用材料の選択肢が増えるこ
とで、選択する形成用材料によっては、モールド13,
14を容易に形成することが可能となり、加えて材料コ
ストの低減を図ることも可能となる結果、モールド1
3,14の製作コスト低減、ひいては、フォトニック結
晶1の製造コストを一層低減することができる。また、
この製造方法によれば、製造工程の初期段階で成型した
周期構造層3,4に対しても強い力を加えることがない
ため、従来の製造方法とは異なり、周期構造(周期構造
層3,4)を破壊することなく、光学的特性に優れたフ
ォトニック結晶1を製造することができる。
【0029】また、この製造装置11によるフォトニッ
ク結晶1の製造方法によれば、スリットS,S・・が形
成されたモールド本体13a,14aと、モールド本体
13a,14aに接触させられてスリットS,Sの下方
開口部位を閉塞することにより柱状体3a,3a・・4
a,4a成型用の溝(本発明における凹部)の底面を構
成する底板13b,14bとからなるモールド13,1
4を使用して、スリットS,S・・に溶液Rを含浸させ
た後に溶液R中においてモールド本体13a,14aと
底板13b,14bとを接離動機構15に対して密着さ
せることにより、スリットS,S・・内の空気をスムー
ズに排出することができるため、スリットS,S・・に
溶液Rを確実に含浸させることができる。したがって、
例えば高価な真空装置を用いた真空引きを不要としつ
つ、スリットS,S・・から確実に空気を排出させるこ
とができる結果、結晶構造に意図しない欠陥(周期構造
層3,4の部分的欠落など)を生じさせることなく、特
定波長の反射や透過などの動作特性(光学的特性)に優
れたフォトニック結晶1を低コストで製造することがで
きる。
【0030】さらに、この製造装置11によるフォトニ
ック結晶1の製造方法によれば、周期構造層3(奇数層
目の周期構造体)を成型するためのモールド13と、周
期構造層4(偶数層目の周期構造体)を成型するための
モールド14とを交互に使用してフォトニック結晶1を
成型することにより、モールド13を上動させている間
にモールド14のスリットSb,Sb・・に溶液Rを含
浸させ、モールド14を上動させている間にモールド1
3のスリットSa,Sa・・に溶液Rを含浸させること
ができる。このため、例えば1つのモールドを使用して
本発明におけるN層の周期構造体のすべてを成型するフ
ォトニック結晶の製造方法と比較して、周期構造層3,
4・・を効率よく短時間で積層することができる結果、
フォトニック結晶1の製造に要する作業時間を短縮し
て、その製造コストを低減することができる。
【0031】なお、本発明は、上記した本発明の実施の
形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実
施の形態では、モールド13,14の2つを使用して周
期構造層3,4を交互に積層するフォトニック結晶1の
製造方法について説明したが、例えば、図9に示す製造
装置31のように、上下動機構32a〜32dによって
個別的に上下動させられるモールド33a〜33dの4
つを順に使用して、図10に示すように、周期構造層3
0a〜30dを順に積層したフォトニック結晶30を製
造することもできる。この製造装置31では、モールド
33a,33cによって本発明における奇数層目の周期
構造体(図10に示す周期構造層30a,30c)が成
型され、モールド33b,33dによって本発明におけ
る偶数層目の周期構造体(周期構造層30b,30d)
が成型される。この場合、図9に示すように、モールド
33a〜33dには、前述した製造装置11におけるモ
ールド13,14と同様にして複数のスリットS,S・
・が形成されている。また、モールド33c,33dに
形成されたスリットS,S・・の数は、モールド33
a,33bに形成されたスリットS,S・・の数よりも
1つずつ少なくなっている。このため、図10に示すよ
うに、モールド33aによって形成される周期構造層3
0aと、モールド33cによって形成される周期構造層
30cとは、それぞれの柱状体が上下方向で重ならない
位置に成型され、モールド33bによって成型される周
期構造層30bと、モールド33dによって成型される
周期構造層30dとは、それぞれの柱状体が上下方向で
重ならない位置に成型される。したがって、その上下方
向に特定波長の光のみを透過可能な3次元のフォトニッ
ク結晶30を製造することができる。
【0032】また、上記した製造装置11,31による
フォトニック結晶1,30の製造方法では、複数(この
場合、2つまたは4つ)のモールドを使用して形状の異
なる周期構造層(柱状体の数および成型位置が異なる周
期構造層)を積層しているが、本発明はこれに限定され
ず、例えば、図11に示す製造装置41のように、上下
動機構32aによって上下動させられるモールド33a
のみを使用して、図12に示すように、同一形状の周期
構造層40a,40a・・を順に積層したフォトニック
結晶40を製造することもできる。この製造装置41
は、図11に示すように、上下動機構12a(すなわ
ち、基板保持部12)を平面方向に沿って回転させるこ
とで基板2を同図のC方向に90°ずつ回転させる回転
機構44を備えている。この製造装置41によるフォト
ニック結晶40の製造方法では、例えばモールド33a
によって1層目の周期構造層40aを成型した後に、回
転機構44に対して基板2をC方向に90°回転させ、
その状態の周期構造層40aに対して2層目の周期構造
層40aを積層する。この製造方法によれば、モールド
(この場合、モールド33a)を1つ製作するだけでフ
ォトニック結晶40を製造することができるため、フォ
トニック結晶40の製造コストをより低減することがで
きる。この場合、この製造方法を実行する際に、製造装
置41のように基板2を回転させるタイプに限定され
ず、モールド33aを90°ずつ回転させる構成を採用
することもできる。
【0033】さらに、前述した製造装置31によるフォ
トニック結晶30の製造方法では、モールド33a,3
3bとはスリットSの形成数が異なるモールド33c,
33dを使用することで、周期構造層30a,30cの
双方における柱状体の上下方向での重なりをなくすと共
に、周期構造層30b,30dの双方における柱状体の
上下方向での重なりをなくした例を説明したが、本発明
はこれに限定されない。例えば、図13に示すように、
上下動機構32a,32bを移動させることでモールド
33a,33bをスライドさせるスライド機構55a,
55bを有する製造装置51を使用して、図14に示す
ように、柱状体の上下方向での重なりをなくしたフォト
ニック結晶50を製造することもできる。
【0034】この製造装置51によるフォトニック結晶
50の製造方法では、まず、例えばモールド33a,3
3bを図13に実線で示す位置に配置した状態で1層目
の周期構造層50aおよび2層目の周期構造層50bを
順次成型する。次に、スライド機構55aに対して上下
動機構32aをスリットSの形成ピッチだけスライドさ
せることでモールド33aを点線で示す位置に移動さ
せ、その状態のモールド33aによって3層目の周期構
造層50aを成型する。同様にしてスライド機構55b
に対して上下動機構32bをスリットSの形成ピッチだ
けスライドさせることでモールド33bを点線で示す位
置に移動させ、その状態のモールド33bによって4層
目の周期構造層50bを成型する。このように、スライ
ド機構55a,55bに対して上下動機構32a,32
bをスライド(すなわち、モールド33a,33bのス
ライド)させつつ周期構造層50a,50bを交互に成
型することにより、モールド33a,33bの2つのみ
で3次元のフォトニック結晶50を製造することができ
る。したがって、モールド数を半減させることができる
ため、形状が異なる複数の型を備えた製造装置31を使
用したフォトニック結晶の製造方法と比較して、3次元
フォトニック結晶の製造コストを一層低減することがで
きる。この場合、この製造方法を実行する際には、製造
装置51のようにモールド33a,33bを移動させる
タイプに限定されず、基板保持部12を移動(すなわ
ち、基板2の移動)可能な構成を採用することもでき
る。
【0035】また、本発明の実施の形態に例示した各柱
状部の大きさ、形および成型位置は、特に限定されず、
製造するフォトニック結晶に求められる光学的特性に応
じて適宜変更することができる。この場合、各周期構造
層内に欠陥部分を形成することで、特定の光のみの透過
や特定の光の導波が可能なフォトニック結晶を製造する
こともできる。この際には、モールドの製作時に、本発
明における凹部の形成位置を適宜調節することで、特定
の光を導波させる部分の周期性を調整して導波路(欠陥
部に相当する)を形成する。さらに、本発明の実施の形
態では、本発明における微細周期構造体成型用の溶液R
として熱硬化性樹脂を使用した例を説明したが、本発明
はこれに限定されず、樹脂以外の熱硬化性素材や、光硬
化性の各種素材などを使用することができる。また、本
発明に係る微細周期構造体の製造方法および製造装置
は、フォトニック結晶の製造のみならず、各種の微細周
期構造体の製造に適用が可能である。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の微細周期
構造体の製造方法によれば、所定の周期構造を反転させ
た凹部が形成されて周期構造体を成型可能に構成された
型を微細周期構造体成型用の溶液中に沈めて凹部に溶液
を含浸させた後に溶液から型を取り出し、基板の下面ま
たは基板に成型されている(M−1)層目の周期構造体
における下面に型の上面を接触させ、その状態で凹部内
の溶液を硬化させてM層目の周期構造体を成型すること
により、型に対して強い力を加えることがないため、型
の摩耗を軽減することができる。したがって、微細周期
構造体の製造コストを低減しつつ、規則正しい周期構造
体を繰り返して成型することができる。また、型に対し
て強い力を加えることがないため、型を形成するための
形成用材料の選択肢を増やすことができる。このため、
例えば、透明樹脂材料で型を形成することも可能となる
結果、溶液として光硬化性材料を採用することが可能と
なる。さらに、形成用材料の選択肢を増やせることで、
型の製作コストを低減することも可能となる。加えて、
この製造方法によれば、製造工程の初期段階で成型した
周期構造層体に対しても強い力を加えることがないた
め、従来の製造方法とは異なり、加えられた力に起因す
る周期構造体の破壊を防止することができ、これによ
り、意図しない欠陥が周期構造に生じるのを回避するこ
とができる結果、特定波長の反射や透過などの動作特性
に優れた微細周期構造体を成型することができる。
【0037】また、請求項2記載の微細周期構造体の製
造方法によれば、型本体および底板を互いに離間させた
状態で溶液中に沈め、型本体の貫通孔に溶液を含浸させ
た後に底板によって貫通孔を閉塞し、その状態の型本体
および底板を溶液から取り出してM層目の周期構造体を
成型することにより、貫通孔内の空気をスムーズに排出
することができるため、貫通孔内に溶液を確実に含浸さ
せることができる。したがって、微細周期構造体の結晶
構造に意図しない欠陥を生じさせることなく、特定波長
の反射や透過などの動作特性に優れた微細周期構造体を
製造することができる。
【0038】さらに、請求項3記載の微細周期構造体の
製造装置によれば、制御部が、上下動機構に対して型を
溶液中に沈めさせて凹部に溶液を含浸させた後に、上下
動機構に対して溶液から型を取り出させて基板保持手段
によって保持されている基板の下面または基板に成型さ
れている(M−1)層目の周期構造体における下面に型
の上面を接触させ、その状態で溶液硬化手段に対して凹
部内の溶液を硬化させてM層目の周期構造体を成型する
ことにより、型に対して強い力を加えることがないた
め、型の摩耗を軽減することができる。したがって、微
細周期構造体の製造コストを低減しつつ、規則正しい周
期構造体を繰り返して成型することができる。さらに、
この製造装置によれば、製造工程の初期段階で成型した
周期構造層体に対しても強い力を加えることがないた
め、従来の製造装置による製造方法とは異なり、加えら
れた力に起因する周期構造体の破壊を防止することがで
きるため、特定波長の反射や透過などの動作特性に優れ
た微細周期構造体を成型することができる。
【0039】また、請求項4記載の微細周期構造体の製
造装置によれば、制御部が、接離動機構に対して型本体
および底板を互いに離間させた状態で上下動機構に対し
て型本体および底板を溶液中に沈めさせて型本体の貫通
孔に溶液を含浸させた後に、接離動機構に対して型本体
に底板を接触させて貫通孔を閉塞させ、その状態の型本
体および底板を上下動機構に対して溶液から取り出させ
て周期構造体を成型することにより、貫通孔内の空気を
スムーズに排出することができるため、特定波長の反射
や透過などの動作特性に優れた微細周期構造体を製造す
ることができる。
【0040】さらに、請求項5記載の微細周期構造体の
製造装置によれば、奇数層目の周期構造体を成型するた
めの第1の型と、偶数層目の周期構造体を成型するため
の第2の型とを交互に上下動させて周期構造体を成型す
ることにより、例えば、第1の型を上動させている間に
第2の型の凹部に溶液を含浸させることができるため、
奇数層目の周期構造体と偶数層目の周期構造体とを効率
よく積層することができる結果、微細周期構造体の製造
に要する時間を短縮することができる結果、その製造コ
ストを十分に低減することができる。
【0041】また、請求項6記載の微細周期構造体の製
造装置によれば、回転機構に対して基板保持機構および
型のいずれかを水平方向に沿って90°回転させた後
に、上下動機構に対して型を(M−1)層目の周期構造
体における下面に接触させてM層目の周期構造体を成型
することにより、型を1つ使用するだけで微細周期構造
体を製造することができるため、微細周期構造体の製造
コストを十分に低減することができる。
【0042】さらに、請求項7記載の微細周期構造体の
製造装置によれば、移動機構に対して基板保持機構およ
び型のいずれかを周期分だけ移動させた後に、上下動機
構に対して型を(M−1)層目の周期構造体における下
面に接触させてM層目の周期構造体を成型することによ
り、形状が異なる複数の型を用いて微細周期構造体を製
造する製造装置と比較して、微細周期構造体の製造コス
トを十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る微細周期構造体の製
造方法に従って製造されたフォトニック結晶1の外観斜
視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る製造装置11の構成
を示すブロック図である。
【図3】フォトニック結晶1における周期構造層3,4
を成型するためのモールド13,14の外観斜視図であ
る。
【図4】製造装置11によるフォトニック結晶1の製造
工程においてモールド13,14を溶液R中に沈めた状
態の側面断面図である。
【図5】製造装置11によるフォトニック結晶1の製造
工程においてモールド13のモールド本体13aおよび
底板13bを溶液R中で密着させた状態の側面断面図で
ある。
【図6】製造装置11によるフォトニック結晶1の製造
工程においてスリットSa,Sa・・に溶液Rを含浸さ
せたモールド13を基板2の下面に密着させた状態の側
面断面図である。
【図7】製造装置11によるフォトニック結晶1の製造
工程においてモールド14のモールド本体14aおよび
底板14bを溶液R中で密着させた状態の側面断面図で
ある。
【図8】製造装置11によるフォトニック結晶1の製造
工程においてスリットSb,Sb・・に溶液Rを含浸さ
せたモールド14を周期構造層3の下面に密着させた状
態の側面断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る製造装置31の
平面図である。
【図10】製造装置31を用いて製造したフォトニック
結晶30の外観斜視図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る製造装置41
の平面図である。
【図12】製造装置41を用いて製造したフォトニック
結晶40の外観斜視図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る製造装置51
の平面図である。
【図14】製造装置51を用いて製造したフォトニック
結晶50の外観斜視図である。
【符号の説明】
1,30,40,50 フォトニック結晶 2 基板 3,4,30a〜30d,40a,50a,50b 周
期構造層 3a,4a 柱状体 11,31,41,51 製造装置 12 基板保持部 12a 上下動機構 13,14,33a〜33d モールド 13a,14a モールド本体 13b,13b 底板 15 接離動機構 16,17,32a〜32d 上下動機構 16a,17a アーム部 18 ヒータ 19 制御部 20 容器 44 回転機構 55a,55b スライド機構 R 溶液 S,Sa,Sb スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 彬雄 長野県上田市中央3−14−2−602 (72)発明者 小山 和也 長野県上田市国分1798−3 Fターム(参考) 2H047 KA03 LA18 PA00 RA08 TA41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周期構造を有する周期構造体をN
    層(Nは2以上の自然数)積層して微細周期構造体を製
    造する微細周期構造体の製造方法であって、 前記所定の周期構造を反転させた凹部が形成されて前記
    周期構造体を成型可能に構成された型を微細周期構造体
    成型用の溶液中に沈めて当該凹部に当該溶液を含浸させ
    た後に当該溶液から当該型を取り出し、基板の下面また
    は当該基板に成型されている(M−1)層目(MはN以
    下の自然数)の前記周期構造体における下面に前記型の
    上面を接触させ、その状態で前記凹部内の前記溶液を硬
    化させてM層目の前記周期構造体を成型する微細周期構
    造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記凹部を構成する貫通孔が形成された
    型本体と、前記貫通孔を閉塞することにより前記凹部の
    底面を構成する底板とを前記型として用いて当該型本体
    および当該底板を互いに離間させた状態で前記溶液中に
    沈め、前記型本体の前記貫通孔に前記溶液を含浸させた
    後に前記底板によって前記貫通孔を閉塞し、その状態の
    当該型本体および当該底板を当該溶液から取り出して前
    記M層目の周期構造体を成型する請求項1記載の微細周
    期構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の微細周期構造体の製造方
    法に従って前記微細周期構造体を製造可能に構成された
    微細周期構造体の製造装置であって、 前記周期構造体を成型可能な前記型と、前記基板を保持
    する基板保持手段と、前記型を前記溶液中から取り出し
    て前記上面を前記基板の前記下面または前記(M−1)
    層目の周期構造体における前記下面に接触させる上下動
    機構と、前記凹部内の前記溶液を硬化させる溶液硬化手
    段と、前記上下動機構および前記溶液硬化手段を制御す
    る制御部とを備え、 前記制御部は、前記上下動機構に対して前記型を前記溶
    液中に沈めさせて前記凹部に当該溶液を含浸させた後
    に、当該上下動機構に対して当該溶液から当該型を取り
    出させて前記基板保持手段によって保持されている前記
    基板の前記下面または当該基板に成型されている前記
    (M−1)層目の周期構造体における前記下面に当該型
    の前記上面を接触させ、その状態で前記溶液硬化手段に
    対して前記凹部内の前記溶液を硬化させて前記M層目の
    周期構造体を成型する微細周期構造体の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記凹部を構成する貫通孔が形成された
    型本体と、前記貫通孔を閉塞することにより前記凹部の
    底面を構成する底板とで少なくとも構成される前記型を
    備えると共に、前記型本体および前記底板のいずれか一
    方をいずれか他方に向けて接離動させる接離動機構を備
    え、 前記制御部は、前記接離動機構に対して前記型本体およ
    び前記底板を互いに離間させた状態で前記上下動機構に
    対して当該型本体および当該底板を前記溶液中に沈めさ
    せて前記型本体の前記貫通孔に前記溶液を含浸させた後
    に、前記接離動機構に対して前記型本体に前記底板を接
    触させて当該貫通孔を閉塞させ、その状態の当該型本体
    および当該底板を前記上下動機構に対して当該溶液から
    取り出させて前記周期構造体を成型する請求項3記載の
    微細周期構造体の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記N層の周期構造体のうち奇数層目の
    周期構造体を成型するための第1の型と、前記N層の周
    期構造体のうち偶数層目の周期構造体を成型するための
    第2の型とを前記型として備え、前記制御部は、前記上
    下動機構に対して前記第1の型と前記第2の型とを交互
    に上下動させて前記周期構造体を成型する請求項3また
    は4記載の微細周期構造体の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記基板保持機構および前記型のいずれ
    かを水平方向に沿って90°回転させる回転機構を備
    え、前記制御部は、前記回転機構に対して前記基板保持
    機構および前記型のいずれかを水平方向に沿って90°
    回転させた後に、前記上下動機構に対して前記型を前記
    (M−1)層目の周期構造体における下面に接触させて
    前記M層目の周期構造体を成型する請求項3から5のい
    ずれかに記載の微細周期構造体の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記基板保持機構および前記型のいずれ
    かを前記周期構造体の周期分だけ水平方向に移動させる
    移動機構を備え、前記制御部は、前記移動機構に対して
    前記基板保持機構および前記型のいずれかを前記周期分
    だけ移動させた後に、前記上下動機構に対して前記型を
    前記(M−1)層目の周期構造体における前記下面に接
    触させて前記M層目の周期構造体を成型する請求項3か
    ら6のいずれかに記載の微細周期構造体の製造装置。
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