JP2003226851A - 感熱性粘着剤積層体およびその製造方法 - Google Patents

感熱性粘着剤積層体およびその製造方法

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JP2003226851A
JP2003226851A JP2002327726A JP2002327726A JP2003226851A JP 2003226851 A JP2003226851 A JP 2003226851A JP 2002327726 A JP2002327726 A JP 2002327726A JP 2002327726 A JP2002327726 A JP 2002327726A JP 2003226851 A JP2003226851 A JP 2003226851A
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heat
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resin
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JP2002327726A
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Yuji Kaji
裕司 加治
Shin Takemoto
伸 竹本
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材とディレードタック型感熱性粘着剤間の
接着性に優れ、しかも長期間保存してもブロッキングが
生じない感熱性粘着剤積層体とその製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 基材(A)の少なくとも片面上に、水性
ウレタン樹脂変性物(a1)又は水性ポリエステル樹脂
変性物(a2)を主成分とするプライマー層(B)を介
し、熱可塑性樹脂(b)と固体可塑剤(c)を主成分と
するディレードタック型感熱性粘着剤層(C)が形成さ
れていることを特徴とする感熱性粘着剤積層体及びその
製造方法などを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディレードタック
型の感熱性粘着剤積層体及びその製造方法に関し、更に
詳しくは、常温では粘着性を有さず、加熱によって粘着
性を発現する粘着フィルム又はシートとして用いられる
感熱性粘着剤積層体及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、瓶、ペットボトル等の容器に貼付
するラベルとして、ラベル基材上に粘着剤を塗工すると
同時に容器に貼付するグルーラベルや、ラベル基材上に
粘着剤及び剥離紙を順次形成した粘着ラベル等が使用さ
れている。しかし、グルーラベルは、粘着剤の粘度の管
理や粘着剤を塗工する機械の清掃等の手間を要するた
め、最近ではあまり好まれないのが実状である。また、
剥離紙を形成した粘着ラベルは、ラベルから剥がした大
量の剥離紙がゴミとして発生するため、その処分に手間
を要するとともに、資源の節減の観点からも好ましくな
い。また、他の用途の粘着フィルムや粘着シートなどに
も、各種タイプのものが用いられており、例えば、粘着
剤層に対する剥離層として、シリコーン系剥離剤を塗布
した剥離紙を用い、この剥離紙上に、アクリル系粘着剤
からなる粘着剤層を設けたものが、多く用いられている
ため、やはり、粘着フィルムやシートなどから剥がした
大量の剥離紙がゴミとして発生する。
【0003】このような問題を解決するラベルとして、
ディレードタックラベルと称されるものが知られてい
る。ディレードタックラベルは、常温では非粘着性であ
るが加熱によって粘着性を発現する感熱性粘着剤の層を
ラベル基材上に形成したものであり、剥離紙が不要で、
しかも加熱するだけで容易に容器に貼付することができ
るという利点を有している。ディレードタックラベル
は、通常、ガラス転移温度が0〜30℃程度のバインダ
ー樹脂層に、固体可塑剤の粒子と、必要に応じて粘着付
与剤の粒子とを散在させ、加熱によって固体可塑剤を溶
融し、これによってバインダー樹脂を可塑化して粘着性
を発現させるものである。固体可塑剤としては、例えば
ジシクロヘキシルフタレートがよく知られている(例え
ば、特許文献1〜4参照。)。
【0004】上述のようなディレードタックラベルなど
は、最近ではエマルジョン型の感熱性粘着剤を基材の裏
面に塗工した後、乾燥のための加熱工程を経て製造され
ることが多い。その場合の加熱温度は、粘着剤層の形成
段階でジシクロヘキシルフタレートが溶融して粘着性が
発現してしまわないように、45℃以下の低温であるこ
とが必要とされている。しかし、このような低温の加熱
では、加熱乾燥工程に時間を要するため、ディレードタ
ックラベルの生産性が低下してしまうという問題点があ
る。また、ディレードタックラベルでは、剥離紙を使用
していないため、重ねたまま、例えば夏場の高温下で長
期間保存すると、ジシクロヘキシルフタレートによるバ
インダー樹脂の可塑化が徐々に起こり、ラベル同士が互
いに付着する所謂ブロッキングが起こってしまう。その
ため、このようなブロッキングを防止する保冷設備が必
要となるという問題点がある。また、従来のディレード
タックラベルなどでは、接着強度及び透明性が短期間の
うちに消失するという問題も有している。例えば、固体
可塑剤として上記ジシクロヘキシルフタレートを用いた
感熱性粘着シートなどでは、加熱して粘着性を発現した
後、3日間程度で再結晶化して不透明化する。そのた
め、これを被着体に添付した場合、時間とともに被着体
の地が隠蔽されて、装飾性を低下させるなど外観を損な
うことになる。また、再結晶化して不透明化するに伴
い、接着力が低下するため、被着体から剥離する恐れが
ある。
【0005】さらに、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ートなどの基材に、感熱性粘着剤を積層した感熱性粘着
フィルムなどにおいては、保管中に、ポリエチレンテレ
フタレートなどの基材と感熱性粘着剤との間の接着力が
低下し、感熱性粘着フィルムとして正常に機能しなくな
るという問題がある。
【0006】これらの問題を解決するために種々のもの
が提案され、例えば、耐ブロッキング性を向上させるた
め、固体可塑剤として、平均粒子径が4μm以下のフタ
ル酸ジシクロヘキシル(ジシクロヘキシルフタレート)
と、融点が70℃以上であり平均粒子径が4〜10μm
であるN−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミ
ドなどの固体可塑剤とを併用した感熱性粘着シートが開
示されている(例えば、特許文献5参照。)。また、耐
ブロッキング性を高めるため、固体可塑剤として25℃
で固体のベンゼンジカルボン酸エステルを2種以上用い
ることが開示されている(例えば、特許文献6参
照。)。さらに、従来の感熱性ディレードタック型粘着
性熱可塑性樹脂組成物の耐ブロッキング性と接着性との
バランスを改良するため、トリベンジルトリメリテート
などの結晶化遅延剤が開示されている(例えば、特許文
献7参照。)。しかし、これらの固体可塑剤や結晶化遅
延剤を用いても、耐ブロッキング性や、透明性の持続
性、及び被着体と感熱性粘着シート間又は基材と感熱性
粘着剤間の接着強度の点などで必ずしも十分満足できる
結果は得られていない。その結果、加熱するだけで容易
に粘着や接着が行われ、剥離紙が不要であり、しかも接
着性と透明性の持続性に優れた、新たな感熱性粘着剤積
層体などが強く望まれている。
【0007】
【特許文献1】特開昭61−9479号公報(特許請求
の範囲等)
【特許文献2】特開平7−278521号公報(特許請
求の範囲等)
【特許文献3】特開平7−145352号公報(特許請
求の範囲等)
【特許文献4】特開平8−333565号公報(特許請
求の範囲等)
【特許文献5】特開平8−325535号公報(特許請
求の範囲等)
【特許文献6】特開平9−67551号公報(特許請求
の範囲等)
【特許文献7】特開平9−169870号公報(特許請
求の範囲等)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記従来の感熱性粘着剤積層体などがもつ問題
点を解消し、特に、基材と感熱性粘着剤間の接着性に優
れ、しかも長期間保存してもブロッキングが生じない感
熱性粘着剤積層体とその製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意検討した結果、従来から用いられ
てきたディレードタック型粘着剤の中から、感熱性粘着
剤として、特定の固体可塑剤を配合したものを選び、さ
らに、基材及び基材の表面処理として、特定のプライマ
ー処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルムなど
から、積層体を作製し、ディレードタック型粘着フィル
ムとして用いたところ、基材と感熱性粘着剤間の接着性
に優れ、しかも長期間保存しても耐ブロッキング性に優
れることを見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0010】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
基材(A)の少なくとも片面上に、水性ウレタン樹脂変
性物(a1)又は水性ポリエステル樹脂変性物(a2)
を主成分とするプライマー層(B)を介し、熱可塑性樹
脂(b)と固体可塑剤(c)を主成分とするディレード
タック型感熱性粘着剤層(C)が形成されていることを
特徴とする感熱性粘着剤積層体が提供される。また、本
発明の第2の発明によれば、第1の発明において、基材
(A)の形状は、フィルム又はシートであることを特徴
とする感熱性粘着剤積層体が提供される。さらに、本発
明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、
基材(A)は、ポリエチレンテレフタレート又はポリオ
レフィンであることを特徴とする感熱性粘着剤積層体が
提供される。
【0011】本発明の第4の発明によれば、第1の発明
において、固体可塑剤(c)は、リン酸エステル系化合
物、フタル酸エステル系化合物、ヒンダードフェノール
系化合物、トリアゾール系化合物、及びハイドロキノン
系化合物よりなる群の中から選ばれる少なくとも1種の
化合物であり、かつ融点が150℃未満であることを特
徴とする感熱性粘着剤積層体が提供される。また、本発
明の第5の発明によれば、第1の発明において、固体可
塑剤(c)の総含有量は、熱可塑性樹脂(b)100重
量部に対して30〜1000重量部であることを特徴と
する感熱性粘着剤積層体が提供される。
【0012】本発明の第6の発明によれば、第1の発明
において、ディレードタック型感熱性粘着剤層(C)
は、さらに、粘着付与剤(d)を含有することを特徴と
する感熱性粘着剤積層体が提供される。
【0013】本発明の第7の発明によれば、第1の発明
において、熱可塑性樹脂(b)は、水に分散した水性組
成物であることを特徴とする感熱性粘着剤積層体が提供
される。
【0014】一方、本発明の第8の発明によれば、基材
(A)の少なくとも片面に、水性ウレタン樹脂変性物又
は水性ポリエステル樹脂変性物を主成分とするプライマ
ーを塗布し、加熱乾燥させてプライマー層(B)を形成
させた後、その上に、ディレードタック型感熱性粘着剤
をコーティングして粘着剤層(C)を形成することを特
徴とする感熱性粘着剤積層体の製造方法が提供される。
【0015】本発明は、上記した如く、基材(A)の少
なくとも片面上に、水性ウレタン樹脂変性物(a1)又
は水性ポリエステル樹脂変性物(a2)を主成分とする
プライマー層(B)を介し、熱可塑性樹脂(b)と固体
可塑剤(c)を主成分とするディレードタック型感熱性
粘着剤層(C)が形成されていることを特徴とする感熱
性粘着剤積層体などに係るものであるが、その好ましい
態様としては、次のものが包含される。 (1)第1の発明において、熱可塑性樹脂(b)がアク
リル系重合体であることを特徴とする感熱性粘着剤積層
体。 (2)第1の発明において、基材(A)は、予め、コロ
ナ放電処理されたものであることを特徴とする感熱性粘
着剤積層体。 (3)第8の発明において、プライマーを塗布する前
に、予め、基材(A)の少なくとも片面に、コロナ放電
処理を行うことを特徴とする感熱性粘着剤積層体の製造
方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感熱性粘着剤積層
体などについて、各項目毎に、詳細に説明する。 1.基材(A) 本発明において、基材(A)は、特に限定されず、紙、
塗工紙、段ボール、プラスチックシート又はフィルム、
セラミックスやガラス等を挙げることができ、好ましく
は透明なプラスチックフィルム又はシートである。プラ
スチックフィルム又はシートを構成するポリマーとして
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリビニルア
ルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酢酸
セルロース等のセルロース誘導体、ポリエステル(ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレ
ンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド
(ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/1
0、ポリアミド6/12等)、ポリエステルアミド、ポ
リエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルエステル等が挙げられ、更にこれらの共重合体、ブ
レンド物、架橋物を用いてもよい。基材は単層であって
も、複層であってもよい。
【0017】また、本発明においては、望ましい基材で
あるプラスチックには、接着強度を上げるために、感熱
性粘着剤をコーティングする前に、後述するプライマー
処理以外の表面処理を行うことが好ましい。その表面処
理としては、コロナ放電処理やオゾン処理などが挙げら
れ、中でもコロナ放電処理が好ましい。コロナ放電処理
法は、取扱いが簡単で処理強さが比較的安定し、ポリオ
レフィン系フィルムなどには、一般に使用されているも
のであり、通常コロナ放電の間をフィルムが通過するこ
とによって、フィルム表面が処理される。また、コロナ
放電は、ポリオレフィンやポリエステルなどのプラスチ
ックフィルム以外の紙・板紙などの基材の表面処理に
も、接着性の改善効果があるため、プラスチック以外の
基材にも、行うことができる。
【0018】2.プライマー層(B) 本発明の感熱性粘着剤積層体においては、基材(A)の
少なくとも片面上に、水性ウレタン樹脂変性物(a1)
又は水性ポリエステル樹脂変性物(a2)を主成分とす
るプライマー層(B)を設け、その上に、ディレードタ
ック型感熱性粘着剤層(C)を形成していることに最大
の特徴がある。プライマーは、接着剤や粘着剤の前に基
材に塗布する下塗り剤(アンカーコート剤)であり、安
定した接着性能を付与するためや、接着強さなどの改善
のために、用いられる。
【0019】本発明においては、プライマーとして、水
性ウレタン樹脂変性物(a1)又は水性ポリエステル樹
脂変性物(a2)を主成分とするものを用いることによ
り、ディレードタック型感熱性粘着剤積層体の基材と感
熱性粘着剤層間の接着強度を上げることができる。本発
明者らは、その理論的メカニズムは明確ではないもの
の、水性ウレタン樹脂変性物又は水性ポリエステル樹脂
変性物を主成分とするものが、基材と感熱性粘着剤の両
者に、親和性、相溶性又は反応性に優れているために、
又は、基材の表面に、強固で安定なプライマー層を形成
するために、或いはその両方のために、接着力が向上す
るものと推察している。
【0020】その水性ウレタン樹脂変性物(a1)とし
ては、ウレタン樹脂を主成分又は主原料とした水系分散
体であれば、特に限定されず、例えば、不飽和結合を有
する化合物の一種、もしくは数種の共重合物0.1〜5
00重量部で、好ましくは1〜200重量部で変性され
たウレタン樹脂の水系分散体などである。水性ウレタン
樹脂変性物を主成分とするものの市販品の例としては、
例えば、高松油脂株式会社から入手可能な商品名「WA
C−15X」、「WAC−17XC」、「WAC−2
0」、「TWX−52」などが挙げられる。尚、基材が
ポリプロピレンなどのポリオレフィンであれば、「TW
X−52」が好ましく、ポリエチレンテレフタレート
(PET)などのポリアルキレンテレフタレートであれ
ば、「WAC−17XC」や「WAC−20」が好まし
い。水性ウレタン樹脂変性物に用いられる水性ウレタン
樹脂としては、ポリヒドロキシル化合物、ジイソシアネ
ート、及びジイソシアネートと反応する水素原子を少な
くとも2個含有する低分子量の鎖伸長剤とから合成され
るポリウレタン樹脂を、水に溶解あるいは分散させて得
られるものであり、公知の方法により合成される。すな
わち、イソシアネートと反応しない有機溶剤(好ましく
は水と相溶する有機溶剤)中で比較的高分子量のポリウ
レタンを合成した後、水を少しずつ加えて転相乳化し、
必要に応じて減圧により溶剤を除く方法や、乳化剤を加
え激しい撹拌により水中に分散させる方法、又はポリマ
ー中に親水性基、例えば、ポリエチレングリコールやカ
ルボキシル基等を導入させたウレタンプレポリマーを水
に溶解あるいは分散させた後、鎖伸長剤を添加して反応
させる方法等がある。
【0021】ポリウレタン樹脂の製造に用いられるポリ
ヒドロキシル化合物としては、(I)フタル酸、アジピ
ン酸、二量化リノレイン酸、マレイン酸などの有機酸
と、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
グリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ール、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリ
スリトールなどから脱水縮合反応によって得られるポリ
エステルポリオールや、(II)ポリオキシプロピレン
グリコール、ポリオキシブチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオー
ル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオー
ル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレントリオール、ソルビトール、ペンタエリス
リトール、シュクローズ、スターチ、ポリオキシプロピ
レンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチ
レンポリオール等のポリエーテルポリオール、(II
I)アクリルポリオールなどが挙げられる。
【0022】また、ポリウレタン樹脂製造に用いられる
ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’
−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジ
イソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフ
ェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシ
アネート等が挙げられる。
【0023】さらに、鎖伸長剤としては、エチレングリ
コール、1,4ブタンジオール、トリメチロールプロパ
ン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ビス(2−
ヒドロキシプロピル)アニリン、ヒドロキノン−ビス
(β−ヒドロキシエチル)エーテル、レゾルシノール−
ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテル等のポリオー
ル、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミ
ン、ジフェニルジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、イソポ
ロンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレント
リアミン等のポリアミン、ジメチロールプロピオン酸、
ヒドラジン類、及び水などが挙げられる。
【0024】また、ウレタン樹脂を変性するための不飽
和結合を有する化合物として、プロピオン酸ビニルなど
のビニルエステル、アクリル酸メチルやマレイン酸ブチ
ルなどの不飽和カルボン酸エステル、アクリルアミドな
どの不飽和カルボン酸アミド、アクリロニトリルなどの
不飽和ニトリル、アクリル酸などの不飽和カルボン酸、
酢酸アリルなどのアリル化合物、ビニルピリジンなどの
含窒素化合物、エチレンやプロピレンなどの炭化水素、
又はジメチルビニルメトキシシランなどのビニルシラン
化合物などが用いられる。
【0025】水性ポリエステル樹脂変性物(a2)とし
ては、ポリエステル樹脂を主成分又は主原料とした水系
分散体(水分散性)又は水溶性のものであれば、特に限
定されず、例えば、脂肪酸若しくは不飽和カルボン酸、
他の樹脂、ビニルエステル若しくは不飽和カルボン酸エ
ステルなどの重合性二重結合を有する化合物、ロジン若
しくはエラストマーなどの変性剤、又は親水性付与成分
若しくは親水/疎水調整成分で変性されたポリエステル
樹脂の水系分散体などである。水性ポリエステル樹脂変
性物を主成分とするものの市販品の例としては、例え
ば、高松油脂株式会社から入手可能な商品名「ペスレジ
ン A−215G」、「ペスレジン A−515G」、
「ペスレジン A−615G」などが挙げられる。尚、
基材がポリエチレンテレフタレート(PET)などのポ
リアルキレンテレフタレートであれば、「ペスレジン
A−215G」が好ましい。
【0026】水性ポリエステル樹脂変性物に用いられる
水性ポリエステル樹脂は、公知の製造技術により、通
常、ジカルボン酸とジオールとをエステル化(エステル
交換)、重縮合させることによって製造されたポリエス
テル樹脂を、水に溶解あるいは分散させて得られるもの
などが挙げられるが、その製造方法については、何ら限
定されるものではない。また、本発明に係るポリエステ
ル樹脂には、多塩基酸と多価アルコールの重縮合によっ
て得られるアルキド樹脂なども含まれる。
【0027】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸
のような芳香族ジカルボン酸又はそのエステルを主体と
することが好ましい。これは、芳香族ジカルボン酸の芳
香核が、疎水性のプラスチックと親和性が大きいために
密着性が向上する利点があるからである。特にテレフタ
ル酸を用いた水溶性ポリエステル樹脂は、基材であるポ
リエチレンテレフタレート系ポリエステルの成形物に対
して、密着性が大きく、好ましい水溶性(水性)ポリエ
ステル樹脂である。
【0028】また、ジカルボン酸成分としては、上記の
ような芳香族ジカルボン酸又はそのエステルを使用する
ことが好ましいが、これら以外に、アジピン酸、コハク
酸、セバチン酸(セバシン酸)、ドデカン二酸のような
脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸のようなヒド
ロキシカルボン酸又はこれらのエステルを、ジカルボン
酸成分として、若しくはその一部として使用することも
できる。エステルを使用する場合には、メチルエステ
ル、エチルエステル等の低級アルキルエステルが使用さ
れる。尚、これらのエステルは、モノエステルでもジエ
ステルでも差し支えない。
【0029】一方、ジオール成分としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール類
などが用いられる。更に、本発明においては、ポリエス
テル樹脂に水溶性を付与するために、親水性基を有する
成分が共重合される。これらの具体例としては、例え
ば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン
酸成分や、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等のジオール成分が例示
できる。その使用量は、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸では、ジカルボン酸成分中に2〜15モル%が好ま
しく、ジオール成分では、ジオール成分中0〜100モ
ル%である。
【0030】3.ディレードタック型感熱性粘着剤層
(C) 本発明の感熱性粘着剤積層体に用いられるディレードタ
ック型感熱性粘着剤層(C)は、熱可塑性樹脂(b)と
固体可塑剤(c)とを主成分とし、さらに、必要に応じ
て粘着付与剤(d)などを含有するものである。
【0031】(1)熱可塑性樹脂(b) ディレードタック型感熱性粘着剤層に用いられる熱可塑
性樹脂(b)は、可塑化して粘着性を発現させることが
できるものであれば、特に限定されないが、例えば、
(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合体、スチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニ
ル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル
−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸
共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アク
リル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共
重合体などの(メタ)アクリル酸又はそのエステルを単
量体として含むアクリル系重合体;酢酸ビニル樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニルを単量
体として含む酢酸ビニル系重合体;スチレン−ブタジ
エン共重合体、イソブチレン樹脂、イソブチレン−イソ
プレン共重合体、ブタジエン樹脂、スチレン−イソプレ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体な
どの合成ゴム;天然ゴム;その他、エチレン−塩化
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、ビニルビロリドン−スチレン共重合体、塩素化プロ
ピレン樹脂、ウレタン樹脂、エチルセルロースなどが挙
げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0032】好ましい熱可塑性樹脂には、アクリル系重
合体[例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単量体と
して含むアクリル系共重合体]、酢酸ビニル系重合体、
合成ゴム、天然ゴムなどが挙げられる。アクリル系重合
体の中でも、特に、アクリル酸エステル−メタクリル酸
エステル共重合体(例えば、アクリル酸C2−10アル
キルエステル−メタクリル酸C1−4アルキルエステル
共重合体)、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステ
ル−(メタ)アクリル酸共重合体(例えば、アクリル酸
2−10アルキルエステル−メタクリル酸C1−4
ルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体)、アク
リル酸エステル−スチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体(例えば、アクリル酸C2−10アルキルエステル−
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)等のアクリル
酸エステル(例えば、アクリル酸C2−10アルキルエ
ステル)とメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル
酸C1−4アルキルエステル)又はスチレンとをコモノ
マーとして含むアクリル系共重合体などが好ましい。
【0033】熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)
は、被着物の種類等を考慮し、感熱性粘着フィルム又は
感熱性粘着シートなどとした場合の接着性及び耐ブロッ
キング性を損なわない範囲で適宜選択でき、通常、−1
0〜70℃程度であり、好ましくは0〜30℃程度であ
る。ガラス転移温度が−10℃未満の場合には、耐ブロ
ッキング性が低下しやすい。一方、ガラス転移温度が高
すぎると、接着性が低下しやすくなる。
【0034】(2)固体可塑剤(c) ディレードタック型感熱性粘着剤層に用いることができ
る固体可塑剤(c)は、通常、融点が150℃未満の化
合物である。その固体可塑剤(c)は、融点が150℃
未満であれば、特に限定されないが、好ましくはリン酸
エステル系化合物、フタル酸エステル系化合物、ヒンダ
ードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物、及び
ハイドロキノン系化合物よりなる群の中から選ばれる少
なくとも1種の化合物を用いることができる。固体可塑
剤(c)としては、1種類のみを用いても、また、2種
類以上を併用してもよい。
【0035】本発明においては、固体可塑剤(c)の一
つとして、融点が150℃未満である、下記一般式
(1)又は(2)で表されるリン酸エステル系化合物を
用いることができる。尚、3価の亜リン酸エステル系化
合物などは、他の化合物と混合し、感熱した場合に、融
解するだけでなく、酸化物に変換してしまい、不適切な
物質になるために、本発明では、用いない。
【0036】
【化1】
【0037】(式中、R〜Rは、それぞれ炭化水素
基又は複素環式基を示し、Aは、2価の炭化水素基又は
複素環式基を示し、mは、0〜3の整数を示す。但し、
とRとA(m=1〜3のとき)、RとRとA
(m=1〜3のとき)、RとRとR(m=0のと
き)、RとRとRは、それぞれ2以上の基が互い
に結合してリン原子を含む環を形成していてもよい。) 上記の化学式(1)で表されるリン化合物の具体例とし
ては、例えば、下記構造式(3)で表される化合物(フ
ェニルペンタエリスリトールホスフェート)(融点:1
03℃)や、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルフォスフォネートジエチルエステル(融点:1
20℃)(ヒンダードフェノール系化合物にも相当す
る)、1,4−シクロヘキサンジメタノールビス(ジフ
ェニルホスフェート)(融点:97℃)、レゾルシノー
ルビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェー
ト](融点:95℃)、トリ(4−メチルフェニル)ホ
スフェート)(融点:78℃)、トリフェノキシホスフ
ェート(融点:65℃)、トリベンジルホスフェート
(融点:65℃)等が挙げられ、特にレゾルシノールビ
ス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]
(融点:95℃)が好ましい。
【0038】また、上記の化学式(2)で表されるリン
化合物の具体例としては、例えば、トリメチルホスフィ
ンオキシド(融点:50℃)、トリエチルホスフィンオ
キシド(融点:50℃)、ジペンチルホスフィン酸(融
点:68.5℃)等が挙げられる。
【0039】
【化2】
【0040】本発明においては、固体可塑剤(c)の一
つとして、融点が150℃未満である、フタル酸エステ
ル系化合物も用いることができる。フタル酸エステル類
は、ディレードタック用の固体可塑剤として、ジシクロ
ヘキシルフタレート(融点:65℃)などが従来から用
いられてきた。
【0041】そのジシクロヘキシルフタレート以外のフ
タル酸エステル系化合物の具体的なものとしては、例え
ば、ジ2−フェノキシエチルテレフタレート(融点:1
14℃)、ビス(3,3,5−トリメチルシクロヘキシ
ル)テレフタレート(融点:133℃)、ジメントール
フタレート(融点:134℃)、ジボルニルフタレート
(融点:136℃)、及びジメチルテレフタレート(融
点:141℃)、などが挙げられる。
【0042】次に、本発明においては、融点が150℃
未満であるヒンダードフェノール系化合物も、固体可塑
剤(c)の一つとして用いることができる。ヒンダード
フェノール系化合物の具体的なものとしては、例えば、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト](融点:106℃)、テトラキス[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン(融点:110℃)、3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォス
フォネート−ジエチルエステル(融点:120℃)、
4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)(融点:127℃)、4,4’−チオビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)(融点:128
℃)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)(融点:130℃)、2,2’−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)
(融点:130℃)、2,4,6−トリ−t−ブチルフ
ェノール(融点:131℃)、及び4−ヒドロオキシ−
メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(融点:1
40℃)などが挙げられる。
【0043】本発明においては、固体可塑剤(c)の一
つとして、融点が150℃未満であるトリアゾール系化
合物も用いることができる。このようなトリアゾール系
化合物の具体的なものとしては、例えば、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール(融点:104℃)、2−(2’−ヒドロキシ
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(融点:
130℃)、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビ
ス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリ
アゾール(融点:139℃)、及び2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール(融点:140℃)などが
挙げられる。
【0044】本発明においては、融点が150℃未満で
あるハイドロキノン系化合物も、固体可塑剤(c)の一
つとして用いることができる。このようなハイドロキノ
ン系化合物の具体的なものとしては、例えば、ハイドロ
キノンジアセテート(融点:123℃)、トリメチルハ
イドロキノンジアセテート(融点:109℃)、3,
4,5−トリメチルカテコールジアセテート(融点:1
20℃)などが挙げられる。
【0045】本発明においては、少なくとも2種の固体
可塑剤を併用する場合には、それらの併用割合は、感熱
性粘着剤が実用的な温度、例えば120℃以下で熱活性
化し、粘着性を発現させることができるように、混合固
体可塑剤の融点が、例えば、70〜120℃、好ましく
は80〜110℃となるように、適宜、選択される。
【0046】また、本発明において、固体可塑剤(c)
(但し、固形分として)の総含有量は、熱可塑性樹脂
(b)100重量部に対して、例えば30〜1000重
量部、好ましくは100〜1000重量部、さらに好ま
しくは150〜900重量部、特に200〜800重量
部程度である。固体可塑剤の総含有量が30重量部より
少ないと、加熱時に十分な粘着性が発現しない場合が生
じ、また、1000重量部よリ多いと、凝集力が低下し
十分な接着強度が発現しないことがある。
【0047】本発明者らのディレードタック粘着性発現
機構を考察した結果、感熱性粘着剤は、固体可塑剤とし
て、好ましくは、融点が150℃未満であり、かつ上記
5種の固体可塑剤の中から選択し使用しているので、粘
着性を発現する温度が高く、実用的な温度では溶融して
容易に可塑化されるだけでなく、固体可塑剤の再結晶化
が遅延され、接着性が長期に亘って持続することができ
る。
【0048】(3)粘着付与剤(d) 本発明に係る感熱性粘着剤は、バインダー樹脂としての
熱可塑性樹脂(b)と、固体可塑剤(c)とを主成分と
して配合し、好ましくは、該固体可塑剤(c)として、
融点が150℃未満である固体可塑剤の中から選ばれる
少なくとも1種類の化合物を用いるものであるが、さら
に、必要に応じて粘着付与剤(d)などを含有するもの
である。前述したように、バインダー樹脂としての熱可
塑性樹脂に、固体可塑剤と、必要に応じて粘着付与剤と
を散在させ、加熱によって固体可塑剤を溶融し、これに
よってバインダー樹脂を可塑化して粘着性を発現させる
ことができる。
【0049】使用することができる粘着付与剤として
は、例えば、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族
系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹
脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジ
ン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれら
のグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、
樹脂酸ダイマー等)、キシレン樹脂等の樹脂類を挙げる
ことができる。これらの粘着付与剤は、2種以上併用し
てもよい。
【0050】粘着付与剤(d)の含有量は、特に限定さ
れるものではないが、熱可塑性樹脂(b)と固体可塑剤
(c)との組合せに応じて適宜選択でき、通常、熱可塑
性樹脂(b)100重量部に対して10〜600重量部
程度であり、20〜500重量部程度が好ましい。
【0051】(4)その他の添加剤 感熱性粘着剤には、上記粘着付与剤(d)の他に、特性
を損なわない範囲で慣用の添加剤、例えば、消泡剤、塗
布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外
線吸収剤、熱安定剤等)、帯電防止剤、ブロッキング防
止剤(無機粒子、有機粒子等)などを用いてもよい。
【0052】(5)感熱性粘着剤層の形成方法 本発明の感熱性粘着剤積層体は、基材(A)の少なくと
も一方の面に、前述したプライマー層(B)を介し、デ
ィレードタック型感熱性粘着剤層(C)を形成(塗工、
積層)することにより、感熱性粘着剤積層体である感熱
性粘着フィルム又は粘着シート等が得られる。すなわ
ち、感熱性粘着剤層は、上記の熱可塑性樹脂(b)、固
体可塑剤(c)、及び、更に所望により、粘着付与剤
(d)や他の添加剤を含有する感熱性粘着剤を、基材上
に塗工(コーティング)することにより形成できる。例
えば、熱可塑性樹脂が水に分散している水性組成物を塗
工したり、感熱性粘着剤を有機溶剤に溶解させて塗工し
たり、或いは感熱性粘着剤を加熱溶融して塗工すること
により感熱性粘着剤層を形成できる。これらの中でも、
熱可塑性樹脂が水に分散している水性組成物を塗工する
方法が好ましい。
【0053】感熱性粘着剤の分散に用いることができる
分散剤としては、特に限定されるものではなく、従来よ
リ公知のアニオン(陰イオン)系、ノニオン(非イオ
ン)系分散剤等の何れをも使用することができる。アニ
オン系分散剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル
塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を挙げることが
でき、これらの中でもカルボン酸アンモニウム塩が好ま
しい。ノニオン系分散剤としては、ポリエチレングリコ
ール型のもの、多価アルコール型のものなどを挙げるこ
とができる。
【0054】水性組成物の調製法も、従来より公知の各
種の方法を採用することができる。例えば、調製法とし
て、感熱性粘着剤を構成する各成分を予め混合した後に
水に分散させる方法、熱可塑性樹脂エマルジョン又は粘
着付与剤エマルジョンに、固体可塑剤水分散液や併用す
る固体可塑剤を分散させた後にこれらのエマルジョンを
混合する方法、固体可塑剤水分散液や併用する固体可塑
剤を水に分散させておき、この分散液に熱可塑性樹脂エ
マルジョン及び粘着付与剤エマルジョンを混合する方法
等が挙げられる。固体可塑剤をエマルジョン又は水に分
散させる方法としては、固体可塑剤水分散液を用いる方
法、溶融させた固体可塑剤を分散させる方法、固体可塑
剤を微粉末にしながら分散させる方法、及び微粉末にし
た固体可塑剤を分散させる方法等を例示することができ
る。
【0055】なお、熱可塑性樹脂エマルジョンは、乳化
重合により調製してもよく、また、乳化重合以外の方法
により重合体を得た後、必要に応じて添加剤を用いるこ
とによりエマルジョン化して調製してもよい。例えば、
水溶性の有機溶剤(例えば、イソプロピルアルコールな
どのアルコールなど)の存在下で重合した重合体を含む
有機溶液に添加剤(例えば、乳化剤、pH調整剤、酸な
ど)を添加した後、水を添加してエマルジョン化し、そ
の後、有機溶剤を除去することにより熱可塑性樹脂エマ
ルジョンを調製することができる。
【0056】水性組成物中の固体可塑剤の平均粒子径
は、好ましくは0.5〜20μm程度であり、さらに好
ましくは1〜15μm程度である。平均粒子径が0.5
μmよリ小さいと耐ブロッキング性が低下したり、粉砕
に時間を要して生産性が低下するおそれがある。平均粒
子径が20μmを超えると塗工面がざらつき、例えば、
ラベルやシートなどとしたときの品質が低下するおそれ
がある。
【0057】感熱性粘着剤の塗工(コーティング)方法
としては、例えばロールコーター、エヤナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコータ
ー、コンマコーター、グラビアコーター、シルクスクリ
ーンコーター等を用いた方法を挙げることができる。感
熱性粘着剤層は、グラビア印刷機などを用いた印刷によ
り形成することもできる。感熱性粘着剤層の厚みは、例
えば4〜20μm、好ましくは5〜15μmである。
【0058】4.感熱性粘着剤積層体 本発明の感熱性粘着剤積層体は、基材(A)の少なくと
も片面上に、水性ウレタン樹脂変性物(a1)又は水性
ポリエステル樹脂変性物(a2)を主成分とするプライ
マー層(B)を介し、熱可塑性樹脂(b)と固体可塑剤
(c)とを主成分とするディレードタック型感熱性粘着
剤層(C)が形成されていることを特徴とし、感熱性粘
着フィルムや感熱性粘着シートなどとして用いられる。
基材とディレードタック型感熱性粘着剤層に間に、基材
と感熱性粘着剤の両者に、親和性、相溶性又は反応性に
優れる特定のプライマー層を有しているために、又は、
基材の表面に、強固で安定な特定のプライマー層を形成
するために、基材と感熱性粘着剤間の接着性に優れると
いう効果を奏する。さらに、本発明の感熱性粘着剤積層
体は、固体可塑剤として、融点が150℃未満である固
体可塑剤を少なくとも1種類使用することによって、感
熱性粘着剤が実用的な温度、例えば120℃以下で熱活
性化し、粘着性を発現させることができ、粘着性が発現
した後、固体可塑剤が再結晶せず、又は再結晶化が遅延
し、その結果、粘着性が粘着性発現時の如く持続し、し
かも長期間保存してもブロッキングが生じないという効
果を奏する。そのため、本発明の感熱性粘着剤積層体
は、上記の感熱性粘着フィルムや感熱性粘着シートのみ
に限定されずに、被着体に貼付した後にも、長期間に亘
り粘着性を保持できるので、各種の形状や用途に用いる
ことができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例において、固体可
塑剤の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置
((株)堀場製作所製、LA−500)によリ測定し、
メジアン径で記載した。
【0060】[調製例1](固体可塑剤水分散液1の調
製) ディスパー攪拌機装備の容器に、固体可塑剤(c)とし
てビス(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)フタ
レート(融点:93℃)100重量部、分散剤としてス
ルホン酸塩型アニオン系界面活性剤3.5重量部及びイ
オン交換水90重量部を混合、攪拌し、次にその液をビ
ーズミルに送液し、平均粒子径が2.2μm(堀場製作
所、LA−500により測定/以下同様)なるまで、粉
砕、分散することにより、ビス(3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキシル)フタレートの水分散液1(固体可塑
剤水分散液1)を得た。この水分散液1は、マーロン機
械安定性試験(条件:25kg、1000回転、15
分)による凝集物の発生率が0.04%(水分散液に対
し)であった。また、3ヶ月間沈降することなく、保存
安定性も良好であった(保存安定性の評価◎)。
【0061】[調製例2](固体可塑剤水分散液2の調
製) ディスパー攪拌機装備の容器に、固体可塑剤(b)とし
てレゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニ
ル)ホスフェート](融点:95℃)100重量部、分
散剤としてポリオキシエチレン硫酸エステル塩型アニオ
ン系界面活性剤4.5重量部及びイオン交換水90重量
部を混合、攪拌し、次にその液をビーズミルに送液し、
平均粒子径が2.2μmなるまで、粉砕、分散すること
により、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフ
ェニル)ホスフェート]の水分散液2(固体可塑剤水分
散液2)を得た。この水分散液2は、マーロン機械安定
性試験(条件:25kg、1000回転、15分)によ
る凝集物の発生率が0.4%(水分散液に対し)であっ
た。また、3ヶ月間沈降することなく、保存安定性も良
好であった(保存安定性の評価◎)。
【0062】[調製例3](固体可塑剤水分散液3の調
製) ディスパー攪拌機装備の容器に、固体可塑剤(B)とし
てジシクロヘキシルフタレート(融点:65℃)100
重量部、分散剤としてスルホン酸塩型アニオン系界面活
性剤15重量部及びイオン交換水80重量部を混合、攪
拌し、次にその液をビーズミルに送液し、平均粒子径が
2.2μmなるまで、粉砕、分散することにより、ジシ
クロヘキシルフタレートの水分散液3(固体可塑剤水分
散液3)を得た。この水分散液3は、マーロン機械安定
性試験(条件:25kg、1000回転、15分)によ
る凝集物の発生率が0.06%(水分散液に対し)であ
った。また、3ヶ月間沈降することなく、保存安定性も
良好であった(保存安定性の評価◎)。
【0063】上記で調製した固体可塑剤水分散液1〜3
の組成と、マーロン機械安定性(凝集物の発生率)及び
保存安定性の評価結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】[実施例1](感熱性粘着剤1の調製) 上記で調製した固体可塑剤水分散液1と2とを、固形分
重量比で、ビス(3,3,5−トリメチルシクロヘキシ
ル)フタレート:レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジ
メチルフェニル)ホスフェート]=40:60となるよ
うに配合した固体可塑剤水分散液中に、熱可塑性樹脂
(b)として、スチレン−アクリル酸エステル共重合体
(ガラス転移温度Tg:20℃)の水系エマルジョン、
粘着付与剤(d)として、重合ロジンエステル樹脂の水
系分散液及び水を加えて、均一になるまで攪拌し、固形
分濃度50重量%の感熱性粘着剤1を得た。このときの
配合割合は、固体可塑剤(c)100重量部に対して熱
可塑性樹脂(b)28重量部、粘着付与剤(d)14重
量部であった。
【0066】(感熱性粘着剤積層体1の作製)予め、厚
さ25μmの表面をコロナ放電処理したPETフィルム
の片面に、水性ウレタン樹脂変性物(a1)を主成分と
するアンカーコート剤(1)(高松油脂株式会社製商品
名「WAC−20」)を塗布し、塗布層(プライマー
層)の厚さが1μmのPETフィルムを得た。
【0067】このPETフィルムに、上記で調製した感
熱性粘着剤2を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量
が12g/mとなるように塗工し、40℃で5分間乾
燥させて感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)1を
得た。
【0068】[実施例2](感熱性粘着剤2の調製) 上記で調製した固体可塑剤水分散液1と2とを、固形分
重量比で、ビス(3,3,5−トリメチルシクロヘキシ
ル)フタレート:レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジ
メチルフェニル)ホスフェート]=40:60となるよ
うに配合した固体可塑剤水分散液中に、熱可塑性樹脂
(b)として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(ガラス転移温度Tg:0℃)の水分散液、粘着付与剤
(d)として、水素化テルペン樹脂の水系分散液及び水
を加えて、均一になるまで攪拌し、固形分濃度50重量
%の感熱性粘着剤2を得た。このときの配合割合は、固
体可塑剤(c)100重量部に対して熱可塑性樹脂
(b)28重量部、粘着付与剤(d)14重量部であっ
た。
【0069】(感熱性粘着剤積層体2の作製)予め、厚
さ25μmの表面をコロナ放電処理したPETフィルム
の片面に、水性ウレタン樹脂変性物(a1)を主成分と
するアンカーコート剤(1)(高松油脂株式会社製商品
名「WAC−20」)を塗布し、塗布層(プライマー
層)の厚さが1μmのPETフィルムを得た。
【0070】このPETフィルムに、上記で調製した感
熱性粘着剤2を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量
が12g/mとなるように塗工し、40℃で5分間乾
燥させて感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)2を
得た。
【0071】[比較例1](感熱性粘着剤3の調製)
(感熱性粘着剤積層体3の作製) 前記で調製した固体可塑剤水分散液3を、実施例1と同
様の操作を行うことにより、感熱性粘着剤3及び感熱性
粘着シート(感熱性粘着剤積層体)3を得た。
【0072】[比較例2、3](感熱性粘着剤積層体
4、5の作製) 実施例1、2において得られた感熱性粘着剤1、2を、
アンカーコート剤の塗布をしない以外は、実施例1、2
と同様に、PETフィルムに塗工し、感熱性粘着シート
(感熱性粘着剤積層体)4、5を得た。
【0073】[比較例4](感熱性粘着剤積層体6の作
製) アクリル系プライマー(ダイセル化学工業株式会社製商
品名「アクアブリッド45592」)を塗布し、塗布層
(プライマー層)の厚さが1μmのPETフィルムを得
た。このフィルムに、実施例1で得られた感熱性粘着剤
1を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が10g/
となるように塗工し、40℃で5分間乾燥させて感
熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)6を得た。
【0074】[実施例3](感熱性粘着剤積層体7の作
製) 水性ポリエステル樹脂変性物(a2)を主成分とするア
ンカーコート剤(高松油脂株式会社製商品名「ペスレジ
ン A−215G」)を塗布し、塗布層(プライマー
層)の厚さが1μmのPETフィルムを得た。このPE
Tフィルムに、実施例1で得られた感熱性粘着剤1を、
バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が12g/m
なるように塗工し、40℃で5分間乾燥させて感熱性粘
着シート(感熱性粘着剤積層体)7を得た。
【0075】[実施例4](感熱性粘着剤積層体8の作
製) 予め、厚さ20μmの表面をコロナ放電処理した二軸延
伸ポリプロピレン(OPP)フィルムの片面に、水性ウ
レタン樹脂変性物(a1)を主成分とするアンカーコー
ト剤(2)(高松油脂株式会社製商品名「TWX−5
2」)を塗布し、塗布層(プライマー層)の厚さが1μ
mのOPPフィルムを得た。
【0076】このOPPフィルムに、実施例1で得られ
た感熱性粘着剤1を、バーコーターを用いて乾燥後の塗
工量が8g/mとなるように塗工し、40℃で5分間
乾燥させて感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)8
を得た。
【0077】[比較例5](感熱性粘着剤積層体9の作
製) 実施例1において得られた感熱性粘着剤1を、アンカー
コート剤の塗布をしない以外は、実施例4と同様に、O
PPフィルムに塗工し、感熱性粘着シート(感熱性粘着
剤積層体)9を得た。
【0078】[比較例6](感熱性粘着剤積層体10の
作製) 変性ポリエチレン系アンカーコート剤(高松油脂株式会
社製商品名「TWX−53」)を塗布し、塗布層(プラ
イマー層)の厚さが1μmのOPPフィルムを得た。こ
のOPPフィルムに、実施例1で得られた感熱性粘着剤
1を、バーコーターを用いて乾燥後の塗工量が8g/m
となるように塗工し、40℃で5分間乾燥させて感熱
性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)10を得た。
【0079】(1)性能評価試験(接着強度) 感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)1〜10を幅
25mm、長さ125mmの大きさに切断して試験片と
した。この試験片を120℃で30秒間加熱して粘着性
を発現させ、PET板上に置き、ゴムロールで2kgの
荷重をかけて1往復することにより貼付した。これを2
0℃、50%RHの雰囲気下に放置し、1日後、1ヶ月
後、3ヶ月後に接着強度試験を行った。接着強度試験
は、引張リ試験機(オリエンテック社製、テンシロンU
CT−5T)を使用して、引張り速度300mm/分、
剥離角度180°で接着力を測定した。また、剥離状態
も目視評価した。糊層とPET板間の界面剥離は、アン
カーコート剤と糊層間の強度の方が強いことを意味し、
逆に糊層の凝集剥離は、アンカーコート剤と糊層間の強
度の方が弱いことを意味する。さらに、透明性を目視で
観察した。その結果を表2、3に示す。
【0080】(2)性能評価試験(耐ブロッキング性) 感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)1〜7の4枚
をアート紙の光沢面(表面)と感熱性粘着剤を塗工した
面(裏面)とが接するように重ね、500gf/cm
の荷重をかけて40℃の雰囲気下に24時間放置した
後、以下の基準で耐ブロッキング性の評価を行った。そ
の結果を表2、3に示す。 5:剥離抵抗なく剥離した。 4:剥離時に若干音を発しながら剥離した。 3:剥離時に連続的に音を発しながら剥離した。 2:剥離時に一部の粘着剤層が剥がれた。 1:ブロッキングによリ接着した。
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】表2、3の結果から、基材がPETフィル
ムである実施例1〜3の感熱性粘着シート(感熱性粘着
剤積層体)は、接着強度が高く、耐ブロッキング性に優
れていることが判明した。一方、比較例1の感熱性粘着
シート(感熱性粘着剤積層体)は、接着強度が低く、透
明性や耐ブロッキング性も良好でなかった。また、プラ
イマー層のない比較例2〜3の感熱性粘着シート(感熱
性粘着剤積層体)は、接着強度が低い。さらに、本発明
に用いるプライマー層とは別のプライマー層を有する比
較例4の感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)も、
接着強度が低い。また、基材がOPPフィルムである実
施例4の感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積層体)は、
プライマー層のない比較例5の感熱性粘着シート(感熱
性粘着剤積層体)に比較して、接着強度が高い。さら
に、本発明に用いるプライマー層とは別のプライマー層
を有する比較例6の感熱性粘着シート(感熱性粘着剤積
層体)は、プライマー層のない比較例5の感熱性粘着シ
ート(感熱性粘着剤積層体)に比較しても、接着強度が
極端に低い。
【0084】
【発明の効果】本発明の感熱性粘着剤積層体は、基材
(A)の少なくとも片面上に、水性ウレタン樹脂変性物
(a1)又は水性ポリエステル樹脂変性物(a2)を主
成分とするプライマー層(B)を介し、熱可塑性樹脂
(b)と固体可塑剤(c)とを主成分とするディレード
タック型感熱性粘着剤層(C)が形成されていることに
より、基材とディレードタック型感熱性粘着剤層間の接
着強度を高めることができ、耐ブロッキング性を良好に
し、さらに、より高い温度で加熱乾燥できると共に、長
期間保存してもブロッキングが生じず、しかも長期に亘
って、高い接着強度と透明性とを維持できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA04 AA05 AA06 AA09 AA10 AA14 AA17 AB01 AB03 CA04 CA06 CA07 CB02 CC02 CC03 CD01 CD06 FA01 FA08 4J040 CA011 CA031 DB061 DC031 DF011 DF031 DH031 EF001 JA09 JB01 JB09 MB03 NA21 PA23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材(A)の少なくとも片面上に、水性
    ウレタン樹脂変性物(a1)又は水性ポリエステル樹脂
    変性物(a2)を主成分とするプライマー層(B)を介
    し、熱可塑性樹脂(b)と固体可塑剤(c)を主成分と
    するディレードタック型感熱性粘着剤層(C)が形成さ
    れていることを特徴とする感熱性粘着剤積層体。
  2. 【請求項2】 基材(A)の形状は、フィルム又はシー
    トであることを特徴とする請求項1に記載の感熱性粘着
    剤積層体。
  3. 【請求項3】 基材(A)は、ポリエチレンテレフタレ
    ート又はポリオレフィンであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の感熱性粘着剤積層体。
  4. 【請求項4】 固体可塑剤(c)は、リン酸エステル系
    化合物、フタル酸エステル系化合物、ヒンダードフェノ
    ール系化合物、トリアゾール系化合物、及びハイドロキ
    ノン系化合物よりなる群の中から選ばれる少なくとも1
    種の化合物であり、かつ融点が150℃未満であること
    を特徴とする請求項1記載の感熱性粘着剤積層体。
  5. 【請求項5】 固体可塑剤(c)の総含有量は、熱可塑
    性樹脂(b)100重量部に対して30〜1000重量
    部であることを特徴とする請求項1記載の感熱性粘着剤
    積層体。
  6. 【請求項6】 ディレードタック型感熱性粘着剤層
    (C)は、さらに、粘着付与剤(d)を含有することを
    特徴とする請求項1記載の感熱性粘着剤積層体。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂(b)は、水に分散した水
    性組成物であることを特徴とする請求項1記載の感熱性
    粘着剤積層体。
  8. 【請求項8】 基材(A)の少なくとも片面に、水性ウ
    レタン樹脂変性物又は水性ポリエステル樹脂変性物を主
    成分とするプライマーを塗布し、加熱乾燥させてプライ
    マー層(B)を形成させた後、その上に、ディレードタ
    ック型感熱性粘着剤をコーティングして粘着剤層(C)
    を形成することを特徴とする感熱性粘着剤積層体の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006524719A (ja) * 2004-01-28 2006-11-02 エルジー・ケム・リミテッド 剥離可能な粘着剤組成物
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JP2020110930A (ja) * 2019-01-08 2020-07-27 フタムラ化学株式会社 熱接着性フィルム

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