JP2003225960A - イオン発生シート並びにイオン発生シートの製造方法 - Google Patents

イオン発生シート並びにイオン発生シートの製造方法

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JP2003225960A
JP2003225960A JP2002157805A JP2002157805A JP2003225960A JP 2003225960 A JP2003225960 A JP 2003225960A JP 2002157805 A JP2002157805 A JP 2002157805A JP 2002157805 A JP2002157805 A JP 2002157805A JP 2003225960 A JP2003225960 A JP 2003225960A
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Seiki Yamaguchi
清貴 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物の一部分への適用も含めて、種々の部
分への適用が可能な形態のイオン発生部材を提供するも
のである。その中で特に、放射線を発生する放射線発生
層と放射線によって物質をイオン化する導電性の金属層
からなるイオン発生層に繊維層を設けることによって、
この繊維層に合成樹脂を含浸させることができ、それに
よって強度の向上が図られ、他の構造物との接着も可能
な合成樹脂構成のイオン発生部材を提供するものであ
る。 【解決手段】 本発明は、マイナスイオンを発生するイ
オン発生層の一方の面又は両面に繊維層が設けられ、前
記繊維層の繊維が部分的に前記イオン発生層を貫通した
イオン発生シートであり、繊維層に合成樹脂を含浸させ
たものは合成樹脂性イオン発生シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン発生層を備
えたイオン発生シートに関し、具体的には、放射線を発
生する放射線発生層と放射線によって物質をイオン化す
る導電性の金属層からなるイオン発生層を備えたイオン
発生シート、及びペーパー状シート相互間にマイナスイ
オン発生粉末材を介在させてイオン発生層を形成したイ
オン発生シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放射線によって物質をイオン化す
る導電性の金属板上に放射線を発生する放射線発生層を
形成して、この金属層から発せられるマイナスイオンに
よってこれに接する空気や水等の物質を活性化させる技
術がある。この技術を応用したイオン発生シート材を、
エンジンの吸い込み空気管に配置して吸い込み空気を活
性化してエンジン効率の向上を図ったり、船体の船底に
このシート材を貼って貝の付着力を弱めたりする技術が
ある。
【0003】このようなシート材は、鉛の金属板上に放
射線発生層を形成したものであり、このシート材の周辺
部を必要な箇所へ接着テープや留めバンド等で取り付け
るものである。このため、エンジンの吸い込み空気管
や、船体のように完成した場所へ接着テープや留めバン
ドで取り付けることはできるが、船体の一部や建築物の
壁の一部分等のように、構造物の一部分を構成せしめる
ことには適していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な点に鑑みて、構造物の一部分への適用も含めて、種々
の部分への適用が可能な形態のイオン発生シートを提供
するものである。その中で、イオン発生層に繊維層を設
けることによって、この繊維層に合成樹脂を含浸させる
ことができ、それによって強度の向上が図られ、他の構
造物との接着も可能な合成樹脂構成に適するイオン発生
シートを提供するものである。
【0005】本発明は、更に進んで、放射線を発生する
放射線発生層と放射線によって物質をイオン化する導電
性の金属層からなるイオン発生層に繊維層を設けること
によって、この繊維層に合成樹脂を含浸させることがで
き、それによって強度の向上が図られ、他の構造物との
接着も可能な合成樹脂構成に適するイオン発生シートを
提供するものである。
【0006】本発明は、更に進んで、放射線によって物
質をイオン化する導電性の金属層上に放射線を発生する
放射線発生層を形成したイオン発生層の技術を適用した
合成樹脂性の壁を構成できるイオン発生シートを提供す
るものである。
【0007】本発明は、更に進んで、前記イオン発生層
が、合成樹脂、和紙等の有機繊維又はガラス繊維等の無
機繊維からなるペーパー状シート相互間にマイナスイオ
ン発生粉末材を介在させて形成されたイオン発生シート
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン発生シー
トは、マイナスイオンを発生するイオン発生層の一方の
面又は両面に繊維層が設けられ、前記繊維層の繊維が部
分的に前記イオン発生層を貫通したものである。
【0009】このようなイオン発生シートは、空気や
水、その他の物質をイオン化することに適する。特に、
繊維層は、イオン発生層を貫通しているため、繊維層と
イオン発生層が貫通部によって結合され一体化できる。
このため、イオン発生シートを可撓性のシート状に形成
でき、取り扱いが容易なイオン発生部材となる。それゆ
え、必要に応じて繊維層に合成樹脂を含浸させて貫通部
にまで合成樹脂を含浸させることによって、繊維層とイ
オン発生層との一層の一体化ができ、強度の向上が図ら
れ、他の構造物との接着可能なものとなる。
【0010】また本発明のイオン発生シートは、イオン
発生層の一方の面又は両面に繊維層が設けられ、前記イ
オン発生層には前記繊維層の繊維が部分的に貫通する貫
通部が形成され、前記貫通部を含み前記繊維層に合成樹
脂を含浸させたものである。
【0011】このように、繊維層に合成樹脂を含浸させ
て貫通部にまで合成樹脂を含浸させ硬化させることによ
って、繊維層とイオン発生層との一層の一体化ができ、
強度の向上が図られ、他の構造物との接着可能な形態と
なる。また、イオン発生層の両面に繊維層を設けた場合
は、放射線発生層の表面を覆う合成樹脂性の繊維層と金
属層の表面を覆う合成樹脂性の繊維層とが相互に結合し
て、放射線発生層を保護した強固な構造となる。
【0012】この技術手段を適用して、放射線によって
物質をイオン化する導電性の金属層上に放射線を発生す
る放射線発生層を形成したイオン発生層と、このイオン
発生層をガラス繊維が部分的に貫通したガラス繊維層と
からなるイオン発生シートを準備し、このイオン発生シ
ートを型等にセットして、前記貫通したガラス繊維部分
を含む前記ガラス繊維層に合成樹脂を含浸させて硬化せ
しめてイオン発生壁を製造できる。それによって、水槽
等の壁にこのイオン発生壁を形成することが容易とな
り、水槽の魚貝類の生育時間の短縮や植物プランクトン
等の付着防止効果が得られ、飲料水の貯水槽やタンクの
場合には、貯留した水の抗菌効果や消臭効果が得られ
る。また、建築物の壁に適用することによって、部屋の
空気をイオンにより活性化ができる壁の構成に適する。
【0013】また、本発明は、イオン発生層の一方の面
又は両面に繊維層を配置し、前記繊維層の外側から複数
の針材によって前記イオン発生層に複数の貫通孔を形成
すると同時にこの貫通孔に前記繊維層の繊維を貫通せし
めることを特徴とするイオン発生シートの製造方法であ
る。
【0014】これによって、複数の貫通孔を形成する針
材によって、孔明け加工と同時に繊維をイオン発生層に
通すことによって、一工程によって繊維層とイオン発生
層との結合が得られ、イオン発生シートの製造が容易と
なる。
【0015】また、本発明は、イオン発生層の一方の面
又は両面に繊維層が設けられ、前記繊維層は部分的に前
記イオン発生層を貫通する貫通部を有し、前記貫通部を
含み前記繊維層に紫外線硬化式合成樹脂が含浸され、前
記合成樹脂が硬化する前の状態で紫外線遮断袋に密封し
てなるイオン発生シートである。
【0016】これによって、紫外線遮断袋から取り出し
て適用箇所へ貼ることができ、合成樹脂が紫外線によっ
て硬化することによってFRP(繊維強化プラスチック
ス)のイオン発生部を容易に形成できる。
【0017】また、本発明は、前記イオン発生層が、放
射線を発生する放射線発生層と放射線によって物質をイ
オン化する導電性の金属層からなることを特徴とする。
【0018】また、本発明は、前記金属層を金網又はパ
ンチングメタル板とし、前記貫通部を金網又はパンチン
グメタル板の開口部とする。これによって、この開口部
に繊維が入り込みこの部分で合成樹脂が硬化し、繊維層
とイオン発生層との結合が得られる構成とすることがで
きる。
【0019】また、本発明は、前記イオン発生層が、和
紙等の有機繊維又はガラス繊維等の無機繊維、又は合成
樹脂からなるペーパー状シート相互間にマイナスイオン
発生粉末材を介在させて形成されたことを特徴とする。
これによって、放射線を発生する放射線発生層と放射線
によって物質をイオン化する導電性の金属層からなるイ
オン発生層に比して、安価なイオン発生シートを作製で
きる。そして、繊維層の繊維が部分的に前記イオン発生
層を貫通した構成によって、マイナスイオン発生粉末材
をペーパー状シート相互間に保持できる。
【0020】また、本発明のイオン発生シートは、ガラ
ス繊維シートの繊維間にマイナスイオン発生粉末材と紫
外線硬化式合成樹脂の溶剤とが混ぜ合わされた溶液が含
浸されて、前記紫外線硬化式合成樹脂が硬化する前の状
態で紫外線遮断袋に密封されたことを特徴とする。この
ため、マイナスイオン発生粉末材を均一的にガラス繊維
シート全体に亘って保持することが容易となり、製造が
容易である。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1乃至図17は本発明の実施形態を示
す。図1の(イ)(ロ)(ハ)はガラス繊維層を両面に
設けた本発明のイオン発生シートの製造工程の概略説明
図、図2はガラス繊維層を片面に設けた本発明のイオン
発生シートの部分拡大図、図3は本発明のイオン発生層
の貫通部を形成するための孔明け用の針の実施形態図、
図4は本発明のイオン発生層の貫通部を形成するための
孔明け用の針の他の実施形態図、図5は本発明のイオン
発生シートをロールに巻いた状態を示す図、図6は本発
明のイオン発生層の金属層を金網又はパンチングメタル
板とした場合の説明図、図7は本発明のイオン発生シー
トでイオン発生壁を形成する実施形態の説明図、図8は
本発明のイオン発生シートでイオン発生壁を形成する他
の実施形態の説明図、図9は本発明のイオン発生シート
を適用した水槽の説明図、図10は他の形態のイオン発
生層の構成を示す説明図、図11は図10の形態のイオ
ン発生層の片面にガラス繊維層を設けたイオン発生シー
トの構成を示す説明図、図12は図10の形態のイオン
発生層の両面にガラス繊維層を設けたイオン発生シート
の構成を示す説明図、図13は合成樹脂含浸イオン発生
シートの製造説明図である。また図14乃至図17には
マイナスイオン発生ロープと生簀を示し、図14は沈子
ロープの説明図、図15は浮きロープの説明図、図16
はゴム芯ロープの説明図、図17は養殖用生簀の説明図
である。
【0022】以下、本発明の実施形態を図に基づいて説
明する。先ずイオン発生シートの第1の形態について説
明する。図1の(イ)、(ロ)、(ハ)は、イオン発生
シート1の製造工程の第1の実施形態を示す。これにお
いて、2は放射線を発生する放射線発生層であり、その
一つとして、ラジウム鉱石の粉末を放射線を吸収しない
材料に混ぜてシート状に成形したものである。この放射
線を吸収しない材料は、合成樹脂やセラミック等であれ
ばよい。3は物質をイオン化する導電性の金属層であ
り、放射線発生層2から発生する放射線によってマイナ
スイオンを発してその周辺の空気や水等の物質をマイナ
ス電荷を持った状態、即ち、この物質をイオン化する作
用をする。この金属層3は、後述のようにシート状に形
成したり、曲線部分に取り付けたりすることができるよ
うに、可撓性を有することが望ましく、鉄、銅、鉛等を
箔状又はそれより厚いシート状に形成した金属板であ
る。この放射線発生層2と金属板3とでイオン発生層4
を構成する。イオン発生層4は、金属板3の表面にラジ
ウム鉱石の粉末を合成樹脂等の接着剤で層状に放射線発
生層2を接着して形成した構成でもよい。放射線発生層
2から発生する放射線は、国が定めた規定値内の値であ
り、安全である。
【0023】5は放射線発生層2の外面を覆うように放
射線発生層2に積層した繊維層である。6は金属板3の
外面を覆うように金属板3に積層した繊維層である。以
下、繊維層5、6をガラス繊維で構成した場合について
説明する。
【0024】ガラス繊維層5、6は、多数のガラス繊維
の糸が複雑に絡み合って厚さ0.5mm〜2mm程度の
シート状に形成されたものであり、これが所定の大きさ
を有する1枚のシートであってもよく、また所定幅のシ
ートがロール状に巻き取られた状態でもよく、使用目的
に応じてそのまま、又は適度の大きさに切り取られて用
いられる。
【0025】本発明では、イオン発生層4にガラス繊維
層5、6を一体化するように、イオン発生層4を貫通し
てイオン発生層4の両外面のガラス繊維層5、6が橋絡
する複数のガラス繊維の貫通部7を形成する。この方法
は、図1の(イ)のようにイオン発生層4にガラス繊維
層5、6が積層された状態で、図1の(ロ)に示すよう
に、複数の針8を備えた孔明け装置9にセットし、孔明
け装置9の針材8がガラス繊維層5の側からイオン発生
層4とガラス繊維層6を貫通した後、この針材8を抜
く。孔明け装置9の針8を往復作動させることによっ
て、針材8によってガラス繊維層6のガラス繊維が誘導
されつつ貫通部7が形成され、ガラス繊維層5、6が貫
通部7によって橋絡したイオン発生部材としてイオン発
生シート1が形成される。この貫通部7の形成は、針8
がガラス繊維層6の側からイオン発生層4とガラス繊維
層5を貫通するように孔明け装置9に配置し作動させる
ことでもよい。イオン発生シート1は、このシートの全
面に渡って多数の針材8によって略均一に貫通部7を形
成することにより、ガラス繊維層5、6とイオン発生層
4とのしっかりした結合が得られる。
【0026】ガラス繊維層5、6は、孔明け装置9によ
る孔明け工程の前にイオン発生層4に接着してもよい
が、接着なしにイオン発生層4にガラス繊維層5、6を
重ね合わせた状態で、上記のようにして、孔明け装置9
による孔明け工程によってイオン発生層4にガラス繊維
層5、6を結合できる。
【0027】図2のように、ガラス繊維層はイオン発生
層4の一方の側にのみ形成してもよい。この場合、空
気、水等の物質のイオン化のためには、この物質が金属
層3に直接接することによってその効果が大きいことか
ら、金属層3側ではなく、放射線発生層2の側にのみ形
成した方がよい。それによって放射線発生層2の保護効
果も得られる。この場合も上記同様に、孔明け装置9の
針材8を往復作動させることによって、針材8によって
ガラス繊維層5のガラス繊維が誘導されつつイオン発生
層4に貫通部7が形成され、図2のように、ガラス繊維
層5のガラス繊維がイオン発生層4の反対側にはみ出た
状態でガラス繊維層5とイオン発生層4との結合が得ら
れる。このはみ出たガラス繊維は、後述のように、ガラ
ス繊維層5に含浸せしめた合成樹脂が貫通部7を通して
滲み出て、それによって形成される合成樹脂層に包まれ
るようにする方法や、また、他の方法としては、このは
み出たガラス繊維を埋設するようにイオン発生層4、即
ち、金属層3の表面に合成樹脂層を形成する方法があ
る。
【0028】このように、放射線を発生する放射線発生
層2と放射線によって物質をイオン化する導電性の金属
層3からなるイオン発生層4の一方の面又は両面にガラ
ス繊維層5又は6が設けられ、ガラス繊維層5又は6が
部分的にイオン発生層4を貫通する貫通部7を形成した
イオン発生シート1となる。このイオン発生シート1
は、例えば、一辺が数cmの小さな矩形状のシートから
一辺が約1mの大きな矩形状のシートに至るまでのシー
トを形成しておくことによって、後述の水槽や建築物の
壁、更にはその他に使用するのに便利である。また、図
5に示すように、幅が数cm乃至1m程度の連続した帯
状に形成してこれをロール体11に形成することによっ
て、このイオン発生部材(シート状の場合はイオン発生
シートと称す)1を使用目的に応じて適当な長さに切っ
て使用できるメリットがる。
【0029】イオン発生層4の厚さは、孔明け装置9の
針材8によって貫通部7が形成可能な厚さであればよ
い。針材8の挿入によってガラス繊維層5又は6のガラ
ス繊維が誘導されて貫通部7が良好に形成されるため
に、図3又は図4に示すように、針材8の周囲に鋸歯状
部分を形成したり、螺旋状部分や多数の段を形成するこ
とによって、それが達成できる。
【0030】上記のようにして形成されたイオン発生シ
ート1は、使用される部位にセットして、貫通部7を含
むガラス繊維層に合成樹脂を含浸させることによって合
成樹脂性イオン発生シートとなってイオン発生装置を形
成する。その一つの方法として、イオン発生層4の片
側、即ち、図2のように放射線発生層2側にガラス繊維
層5を設けたイオン発生シート1にあっては、図7のよ
うに、金属層3を型25側にして型25にセットし、ガ
ラス繊維層5にポリエチレン樹脂、その他の樹脂を含浸
させる。この合成樹脂は貫通部7のガラス繊維にも含浸
され、更に金属層3側にはみ出たガラス繊維にも含浸さ
れる。この金属層3側にはみ出たガラス繊維に含浸され
た合成樹脂が相互に連通することによって、金属層3側
に合成樹脂層を形成することができる。これらの合成樹
脂が硬化することによって、ガラス繊維層5とイオン発
生層4が接着状態で一体化して合成樹脂性イオン発生シ
ートのイオン発生装置が形成される。
【0031】イオン発生シート1のガラス繊維層に合成
樹脂を含浸させることによってイオン発生装置を形成す
る他の方法として、イオン発生層4の両側、即ち、図1
のようにイオン発生層4の両側にガラス繊維層5、6を
設けたイオン発生部材1では、図8のように、ガラス繊
維層6を型又は他の構造物25側にして型又は他の構造
物25にセットし、ガラス繊維層5にポリエチレン樹
脂、その他の樹脂を含浸させる。この合成樹脂は貫通部
7のガラス繊維を通ってガラス繊維層6にも含浸され
る。この合成樹脂が硬化することによって、ガラス繊維
層5、6とイオン発生層4が接着状態で一体化し、合成
樹脂が含浸されたイオン発生シート1のイオン発生装置
が形成される。この場合、ガラス繊維層5を型又は他の
構造物25側にして型又は他の構造物25にセットし、
ガラス繊維層6に合成樹脂含浸させ、貫通部7のガラス
繊維を通ってガラス繊維層5にも含浸させる方法でもよ
い。
【0032】このようにイオン発生シート1のガラス繊
維層に合成樹脂を含浸させて合成樹脂性イオン発生シー
トにしたイオン発生装置(又はイオン発生要素とも称す
る)は、活性化したい空気、水等の物質が接する側に金
属層3が位置するよう構成すれば、それによって、イオ
ン発生装置に接する空気、水等の物質を活性化できるの
で、活性化したい空気、水等の物質側に金属層3が位置
するように、イオン発生シート1を型又は他の構造物2
5等に対してセットして合成樹脂を含浸すればよい。イ
オン発生シート1のガラス繊維層に合成樹脂を含浸させ
た後、更にその上に合成樹脂層を形成することでもよ
い。
【0033】また、本発明のイオン発生シートは、放射
線を発生する放射線発生層2と放射線によって物質をイ
オン化する導電性の金属層3からなるイオン発生層4の
一方の面又は両面に繊維層5、6が設けられ、繊維層
5、6は部分的にイオン発生層4を貫通する貫通部7を
有し、貫通部7と繊維層5、6に紫外線硬化式合成樹脂
が含浸され、この合成樹脂が硬化する前の状態で紫外線
遮断袋に密封したものである。これによって、このイオ
ン発生部材を紫外線遮断袋から取り出し、この合成樹脂
の接着性を利用して適宜所望の箇所に貼ることによっ
て、発生するマイナスイオンによって付近の空気、水等
の物質に活性化を得ることができる。
【0034】図6には本発明の他の実施形態を示す。こ
れは、上記において、金属層3を金網又はパンチングメ
タル板30とし、放射線発生層2がこの金網の線上又は
パンチングメタルの板上に積層形成されている。放射線
発生層2が積層形成された金網又はパンチングメタル板
30の両側に、ガラス繊維層5、6を積層する。必要に
応じて、ガラス繊維層5、6の合成樹脂が定常状態に硬
化する前の軟らかい状態において、ガラス繊維層5、6
の一方又は双方をローラ等によって押圧することによっ
て、ガラス繊維層5、6の合成樹脂が、金網又はパンチ
ングメタル板30の開口部31に入り込んで金網又はパ
ンチングメタル板30を貫通して貫通部7が形成される
ものである。金網又はパンチングメタル板30の一方側
にのみガラス繊維層を形成する場合も同様である。即
ち、金網又はパンチングメタル板30の放射線発生層2
側にガラス繊維層5を積層する場合、ガラス繊維層5を
ローラ等によって押圧することによって、ガラス繊維層
5の合成樹脂が、金網又はパンチングメタル板30の開
口部31に入り込んで金網又はパンチングメタル板30
を貫通して貫通部7が形成されるものである。
【0035】上記において、貫通部7の間隔(ピッチ)
が狭くなるほどガラス繊維層5又は6の保持が良好とな
るが、針材8相互の間隔が狭すぎると貫通部7間が破れ
てイオン発生シートの強度が低下する。このため、貫通
部7の間隔は、イオン発生シートの強度との関係や、貫
通部7への合成樹脂の侵入を考慮して、適切な針材8の
直径と針材8相互の間隔を設定することになる。
【0036】次にイオン発生シートの第2の形態を図1
0乃至図12に基づき説明する。これにおいて、4Aは
イオン発生層であり、ペーパー状シート50、51相互
間にマイナスイオン発生粉末材52を介在させた構成で
ある。ペーパー状シート50、51は、和紙等の有機繊
維、ガラス繊維等の無機繊維、又は合成樹脂繊維を1.
5mm以下の厚さのペーパー状シートに形成したもので
ある。マイナスイオン発生粉末材52は、マイナスイオ
ンを発生(放射)する鉱石を超微細にしたものである。
イオン発生層4Aは、平らにしたペーパー状シート51
上にマイナスイオン発生粉末材52を略均一に平らに
し、その上にペーパー状シート50を載せて形成され
る。この超微細結晶のマイナスイオン発生粉末材52が
ペーパー状シート50、51に接する部分では、マイナ
スイオン発生粉末材52がペーパー状シート50、51
の表面の繊維間の隙間に入り込む状態となり、マイナス
イオン発生粉末材52の保持としては好ましい。一つの
実施例では、ペーパー状シート50、51の厚さをそれ
ぞれ1.2mm〜1.5mmとし、マイナスイオン発生
粉末材52の層の厚さを0.5mm〜1.0mmとする
ことによって、良好なイオン発生層4Aを構成できた。
【0037】マイナスイオンを発生(放射)する鉱石の
一つとして、トルマリンと称する電気石があり、これを
超微細粉末状に砕くことによってマイナスイオン発生粉
末材52とする。マイナスイオン発生粉末材52の層の
厚さは発生するマイナスイオンの量が適切な状態に形成
するものであり、薄い膜状層であればよい。なお、この
マイナスイオン発生粉末材52は、常温において適切な
柔軟性を有する粘着材料でもって保持することによって
ペーパー状シート50、51間から零れ落ちるのを制限
することもできる。
【0038】図11は、イオン発生層4Aとガラス繊維
層5A、6Aとを結合する方法を示すものである。即
ち、マイナスイオン発生粉末材52を介在させたイオン
発生層4Aの両側面にガラス繊維層5A、6Aが配置さ
れた状態において、図1において説明したことと同様
に、孔明け装置9を下降させて針材8によってガラス繊
維層5Aの側からイオン発生層4Aとガラス繊維層6A
を貫通せしめ、その後、孔明け装置9を上昇させること
によって針材8が上方へ抜かれる。このように孔明け装
置9の針8を往復作動させることによって、針材8によ
ってガラス繊維層5Aのガラス繊維が誘導されつつ貫通
部7Aが形成され、ガラス繊維層5A、6Aが貫通部7
Aによって橋絡したイオン発生部材としてのイオン発生
シート1Aが形成される。
【0039】この貫通部7Aの形成は、針8がガラス繊
維層6Aの側からイオン発生層4Aとガラス繊維層5A
を貫通するように孔明け装置9に配置し作動させること
でもよい。イオン発生シート1Aは、このシートの全面
に渡って多数の針材8によって略均一に貫通部7Aを形
成することにより、ガラス繊維層5A、6Aとイオン発
生層4Aとのしっかりした結合が得られる。針8は図3
又は図4に示す形態と同様である。
【0040】図12にはイオン発生層4Aの一方の面に
ガラス繊維層を設けたイオン発生シート1Aを示す。こ
の場合も図11と同様に、イオン発生層4Aの上面にガ
ラス繊維層5Aを配置した状態において、孔明け装置9
を下降させて針材8によってガラス繊維層5Aの側から
イオン発生層4Aを貫通せしめ、その後、孔明け装置9
を上昇させることによって針材8が上方へ抜かれる。こ
のように孔明け装置9の針8を往復作動させることによ
って、針材8によってガラス繊維層5Aのガラス繊維が
誘導されつつ貫通部7Aが形成され、ガラス繊維層5A
が貫通部7Aに形成され、イオン発生層4Aとガラス繊
維層5Aが結合したイオン発生シート1Aが形成され
る。
【0041】上記のようにして形成されたイオン発生シ
ート1及び1Aは、厚さが2mm〜5mm程度である
が、ガラス繊維層5、6、5A、または6Aを厚くすれ
ば6mm〜10mm程度までのものも形成できる。イオ
ン発生シート1、1Aは、剣山のように数mm間隔で多
数並んだ針材8によって貫通部7、7Aが形成され、イ
オン発生層に形成される貫通部7、7Aによって、イオ
ン発生層とガラス繊維層との結合が良好となる。イオン
発生層4Aに含まれるマイナスイオン発生粉末材52
は、ペーパー状シート50、51間の貫通部7A内にも
入り込むが、貫通部7A間でペーパー状シート50、5
1間に保持される。貫通部7Aの間隔(ピッチ)が狭く
なるほどマイナスイオン発生粉末材52の保持が良好と
なるが、針材8相互の間隔が狭すぎると貫通部7A間が
破れてペーパー状シート50、51の強度が低下する。
このため、貫通部7Aの間隔は、マイナスイオン発生粉
末材52の保持とペーパー状シート50、51の強度と
の関係や、貫通部7Aへの合成樹脂の侵入を考慮して、
適切な針材8の直径と針材8相互の間隔を設定すること
になる。
【0042】上記ガラス繊維層5A、6Aはガラス繊維
層5、6と同様の構成である。イオン発生層4Aのマイ
ナスイオン発生粉末材52の保持の安定性を増すために
は、常温で十分な柔軟性を保持できる溶剤にマイナスイ
オン発生粉末材52を混入させたものをペーパー状シー
ト51上に塗布し、その上にペーパー状シート50を載
せることによって達成できる。
【0043】このようにして形成されたイオン発生シー
ト1Aは、イオン発生シート1の場合と同様に、ガラス
繊維層5A又は5Aと6Aに合成樹脂を含浸させること
ができる。即ち、上記のようにして形成されたイオン発
生シート1Aは、使用される部位にセットして、貫通部
7Aを含むガラス繊維層に合成樹脂を含浸させることに
よって合成樹脂性イオン発生シートとなってイオン発生
装置を形成する。
【0044】その一つの方法として、図12のようにイ
オン発生層4Aの片側にガラス繊維層5Aを設けたイオ
ン発生シート1Aにあっては、イオン発生層4Aのペー
パー状シート51を型25側にしてこれを型25にセッ
トし、ガラス繊維層5Aにポリエチレン樹脂、その他の
樹脂を含浸させる。この合成樹脂は貫通部7Aのガラス
繊維にも含浸される。ペーパー状シート51側にはみ出
たガラス繊維に含浸された合成樹脂が相互に連通するこ
とによって合成樹脂層を形成することができる。これら
の合成樹脂が硬化することによって、ガラス繊維層5A
とイオン発生層4Aが接着状態で一体化して、合成樹脂
性イオン発生シートのイオン発生装置が形成される。
【0045】イオン発生シート1のガラス繊維層に合成
樹脂を含浸させることによってイオン発生装置を形成す
る他の方法として、イオン発生層4Aの両側、即ち、図
11のようにイオン発生層4の両側にガラス繊維層5
A、6Aを設けたイオン発生部材1Aでは、ガラス繊維
層6Aを型又は他の構造物25側にして型又は他の構造
物25にセットし、ガラス繊維層5Aにポリエチレン樹
脂、その他の樹脂を含浸させる。この合成樹脂は貫通部
7Aのガラス繊維を通ってガラス繊維層6Aにも含浸さ
れる。この合成樹脂が硬化することによって、ガラス繊
維層5A、6Aとイオン発生層4Aが接着状態で一体化
し、合成樹脂が含浸されたイオン発生シート1Aのイオ
ン発生装置が形成される。この場合、ガラス繊維層5A
を型又は他の構造物25側にして型又は他の構造物25
にセットし、ガラス繊維層6Aに合成樹脂含浸させ、貫
通部7Aのガラス繊維を通ってガラス繊維層5Aにも含
浸させる方法でもよい。
【0046】このようにイオン発生シート1Aのガラス
繊維層に合成樹脂を含浸させて合成樹脂性イオン発生シ
ートにしたイオン発生装置(又はイオン発生要素とも称
する)は、この周辺の空気、水等の物質を活性化できる
ので、活性化したい空気、水等の領域で使用すればよ
い。なお、上記のようにイオン発生シート1Aのガラス
繊維層に合成樹脂を含浸させた後、更にその上に合成樹
脂層を形成することでもよい。
【0047】また、本発明のイオン発生シート1Aは、
イオン発生層4Aの一方の面又は両面に繊維層5A、6
Aが設けられ、繊維層5A、6Aは部分的にイオン発生
層4Aを貫通する貫通部7Aを有し、貫通部7Aと繊維
層5A、6Aに紫外線硬化式合成樹脂が含浸され、この
合成樹脂が硬化する前の状態で紫外線遮断袋に密封した
ものとすることができる。これによって、このイオン発
生シート1Aを紫外線遮断袋から取り出し、この合成樹
脂の接着性を利用して適宜所望の箇所に貼ることによっ
て、発生するマイナスイオンによって付近の空気、水等
の物質に活性化を得ることができる。
【0048】紫外線硬化式合成樹脂が含浸されたイオン
発生シートを形成する他の方法を図13に基づき説明す
る。この方法は、マイナスイオンを発生(放射)する鉱
石の一つであるトルマリンと称する電気石を超微細粉末
にしたマイナスイオン発生粉末材52を紫外線硬化式合
成樹脂の溶剤と混ぜ合わせた溶液60を入れた溶液槽6
1を設け、ガイドローラ62、63、64等を備えた搬
送装置によって帯状のガラス繊維シート65をこの溶液
槽61内に連続して又は断続的に通過させる。溶液槽6
1は紫外線が侵入しない構成である。このガラス繊維シ
ート65は、多数のガラス繊維の糸が複雑に絡み合って
厚さ0.5mm〜10mm程度で所定の幅を有するシー
ト状に形成されたものであり、このガラス繊維シート6
5が溶液槽61を通過する間に、ガラス繊維シート65
の繊維間の隙間に溶液60がしみ込んでガラス繊維に付
着し、合成樹脂が含浸され合成樹脂含浸繊維シート66
が製造される。紫外線硬化式合成樹脂の溶剤は塗料であ
ることによって、各種の色彩を呈するものとすることが
できる。
【0049】このようにして形成されたシート66は、
その後の工程によって、紫外線硬化式合成樹脂が硬化す
る前の状態で所定の大きさに切断された後、この切断さ
れたイオン発生シート10Aは、紫外線遮断袋67に密
封する。これによって、紫外線硬化式合成樹脂が含浸さ
れたイオン発生シート10Aが形成され、使用時にこの
袋67を開いてイオン発生シート10Aを所要の箇所
に、この合成樹脂の接着力を利用して貼り付け、又はそ
の他の方法によって取り付けることができる。
【0050】上記のようにして合成樹脂を含浸させるこ
とができるイオン発生シート1、1A又は10Aは、水
槽や建築物の壁、その他の用途に適用できる。例えば、
図9に示す合成樹脂性、ガラス製、木製、コンクリート
製、金属性などの水槽40においては、イオン発生シー
ト1、1A又は10Aが設けられる部分は、図9の一点
鎖線41で示す水槽40の通常水位よりも下方の領域の
一部又は全部である。熱帯魚などの観賞用水槽では、観
賞の邪魔にならないように、水槽の底壁にイオン発生シ
ート1、1A又は10Aを設ければよい。なお、イオン
発生シート1、1A又は10Aによって水槽内の水をマ
イナスイオン化するためには、放射線発生層2を外側と
し金属層3が水槽の内側に向くようにこのイオン発生シ
ートを設ければよい。
【0051】上記のようにしてガラス繊維層に含浸させ
た合成樹脂が硬化した板状形態のイオン発生シートを水
槽の壁に貼る方法でもよいが、水槽の一部に上記のイオ
ン発生シート1、1Aまたは10Aをセットし、その状
態で、ガラス繊維層に合成樹脂を含浸させてイオン発生
要素を形成し、これを水槽の壁の他の部分に合体させる
方法でもよい。また、水槽をFRP(繊維強化プラスチ
ックス)などの合成樹脂製とする場合には、水槽を形作
るための型に図1、図2、図11、図12又は図13の
イオン発生シート1、1A又は10Aをセットし、その
状態で、ガラス繊維層に合成樹脂を含浸させてイオン発
生要素を形成すると共に水槽の壁の他の部分と合体させ
る方法でもよい。
【0052】この水槽40は、船舶の生簀、養殖用生
簀、養殖用水槽、飲料水用貯水槽、飲料水用タンクの総
称である。これによって、養殖用生簀の場合には、養殖
する魚貝類の生育時間の短縮や植物プランクトン等の付
着防止効果が得られる。また、飲料水の貯水槽やタンク
の場合には、貯留した水の抗菌効果や消臭効果が得られ
る。
【0053】また、本発明のイオン発生シート1、1A
又は10Aは、上記の他に、空気をイオン化する装置や
機器、部材等に使用することによって、このイオン化さ
れた空気の効能を利用できる。例えば、本発明のイオン
発生シート1、1A又は10Aを一部又は全部に使用し
た建築用壁や建築用壁材とすることによって、部屋の空
気をイオン化して健康的効能を得たり、また植物保管室
として植物の鮮度維持や、植物栽培室用として生育効果
を得ることができる。
【0054】本発明のイオン発生シート1、1A又は1
0Aは、海洋設置物に用いることができる。例えば、海
上に浮かべて海洋観測を行うブイ、網などに接続した浮
玉、浮標或いは桟橋の一部又は全部に用いることによっ
て、これらに付着する貝類などの剥離を容易にすること
ができる。また、水上スキー、ウェークボード、サーフ
ボード等のボード類、船舶の船底の一部又は全部に用い
ることによって、波に対する衝撃緩和効果が得られ、安
定した走行が得られる。これらのものは、イオン発生シ
ート1、1A又は10Aに合成樹脂を含浸させた状態、
即ち、FRP(繊維強化プラスチックス)の形態で形成
される。
【0055】また、本発明のイオン発生シートは、繊維
層又は繊維シートに紫外線硬化式合成樹脂が含浸され、
この合成樹脂が硬化する前の状態で紫外線遮断袋に密封
したものである。これによって、このイオン発生部材を
紫外線遮断袋から取り出し、この合成樹脂の接着性を利
用して適宜所望の箇所の貼ることによって、発生するマ
イナスイオンによって付近の空気、水等の物質に活性化
を得ることができる。
【0056】上記イオン発生シート1において、放射線
発生層2の金属層3側ではなくその反対側の面に放射線
を遮断するために鉛板を積層し、その外側にガラス繊維
層5を形成して、これら鉛板の層とガラス繊維層5を貫
通して貫通部7を形成することもできる。
【0057】本発明は、上記実施形態に限定されず、本
発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の変更が考えら
れ、それに係る種々の実施形態を包含するものである。
【0058】海洋で使用されるロープや網には、植物プ
ランクトンや貝類が付着し、それが養殖の妨げとなるた
め、この付着した植物プランクトンや貝類の除去作業が
大変である。このため、植物プランクトンや貝類の付着
が抑制できる方法が求められている。
【0059】近年、マイナスイオンによって、養殖する
魚貝類の生育時間の短縮や、網や生簀への植物プランク
トン等の付着力が低下し、付着する貝類などの剥離を容
易にすることができる効果があることが判ってきた。こ
のため、海洋で使用されるロープや網に、この方法を採
用する場合の具体的な構成について説明することとす
る。
【0060】海洋使用ロープの用途としては、海中に設
けられる養殖生簀用ロープや、牡蠣や帆立貝などの貝を
養殖するための養殖貝用ロープ、のりの養殖網用ロープ
等のロープがあり、網としては養殖用網がある。また、
海洋使用ロープを機能的に分けると、錘作用によって海
中に沈む沈子ロープ、海面上に浮く浮きロープ、及びそ
の他の海洋ロープがある。このその他の海洋ロープに
は、所定幅で所定長さの養殖用単位網の相互を連結する
ために用いられる連結用ロープや、養殖貝用ロープ、の
りの養殖網用ロープ等がある。
【0061】これらのロープや網にマイナスイオン発生
粉末材52を用いることにより、上記の効果が達成でき
れば好ましい。このため、このような海洋使用のロープ
又は網にマイナスイオン発生粉末材52を用いる場合を
説明する。マイナスイオン発生粉末材52は、マイナス
イオンを発生(放射)する鉱石の一つとしてトルマリン
と称する電気石があり、これをマイクロメートル単位の
超微細粉末状に砕くことによってつくることができる。
【0062】沈子ロープ70は、図14に示すように、
鉛などの金属錘72を間隔を保って合成樹脂製の耐水性
ロープ71に通したものを合成樹脂製の繊維材を編んだ
耐水性被覆73で覆った可撓性のロープである。そして
金属錘72の表面には塗料等の溶剤に混ぜ合わせたマイ
ナスイオン発生粉末材52が塗布されており、これによ
って、海中においてマイナスイオン発生粉末材52から
放射されるマイナスイオンによって、このロープ70の
表面には、植物プランクトン等が付着し難く、また植物
プランクトンや貝類が付着しても、剥離を容易にするこ
とができる効果がある。また、マイナスイオン発生粉末
材52を金属錘72の表面に塗布する代わりに、マイナ
スイオン発生粉末材52が練り込まれた繊維を編んで耐
水性被覆73を構成することによって、このロープ70
への植物プランクトンや貝類の付着抑制や、付着したこ
れらの剥離の容易さが達成できる。
【0063】浮きロープ80は、図15に示すように、
合成樹脂性の発泡材で形成した浮き82を間隔を保って
合成樹脂製の耐水性ロープ81に通したものである。浮
き82は、マイナスイオン発生粉末材52が混入された
状態で発泡成形したものである。これによって、浮き8
2のマイナスイオン発生粉末材52から放射されるマイ
ナスイオンによって、この浮き82の表面とその近傍の
耐水性ロープ81には、植物プランクトン等が付着し難
く、また植物プランクトンや貝類が付着しても、それを
剥離を容易にすることができる効果がある。また、マイ
ナスイオン発生粉末材52が練り込まれた繊維を編んで
耐水性ロープ81を構成することによって、このロープ
81への植物プランクトンや貝類の付着抑制や、付着し
たこれらの剥離の容易さが、より一層高められる。
【0064】上記の連結用ロープ等のその他の海洋ロー
プ90は、図16に示すように、芯材91をゴム材で構
成し、その外周を包む被覆92は、合成樹脂製の耐水性
被覆で構成している。この場合のロープ90は、ゴム溶
剤にマイナスイオン発生粉末材52を混ぜたもので芯材
91を構成するか、マイナスイオン発生粉末材52が練
り込まれた繊維を編んでこの被覆92を構成するか、ま
たこの両方の組み合わせで構成することができる。被覆
92は一重でなく複数層に構成することもできる。この
ように、ゴムの芯材91によって弾力性のあるロープ9
0が構成されるため、ロープを使用する作業が容易とな
る。更に、マイナスイオン発生粉末材52から放射され
るマイナスイオンによって、このロープ90の表面に
は、植物プランクトン等が付着し難く、また植物プラン
クトンや貝類が付着しても、その剥離を容易にすること
ができる効果がある。
【0065】図17には、上記のロープ70、80及び
90が使用された網状養殖用生簀100を示している。
この生簀100は、所定幅で所定高さの養殖用単位網1
01の複数をロープ90によって相互に連結し、その上
端部に上記の浮きロープ80を取り付け、下端部に上記
の沈子ロープ70を取り付けて、全体形状を矩形状等に
形作って生簀100を構成する。
【0066】このような生簀100は、各ロープ70、
80、90の部分とその近傍では、マイナスイオン発生
粉末材52から放射されるマイナスイオンによって、植
物プランクトン等が付着し難く、また植物プランクトン
や貝類が付着しても、それの剥離を容易にすることがで
きる効果がある。また、このマイナスイオンによって生
簀100内で養殖する魚貝類の生育時間の短縮効果もあ
る。
【0067】また、この生簀100を構成する養殖用単
位網101を、マイナスイオン発生粉末材52が練り込
まれた繊維を編んだ紐を網に編んだ構成とすることによ
って、これらの効果が更に向上したものとなる。
【0068】なお、ロープ90は、弾力性と可撓性に富
むものであるため、上記の連結用に限定されるものでは
なく、種々の用途に適用できる。例えば、上記のロープ
71や81にも適用することによって、このロープ71
や81へ付着する貝などの付着力をより一層低下する効
果が期待できる。更に、ロープ90は、その他の用途に
も利用範囲は広い。
【0069】このように、海洋使用のロープ又は網にマ
イナスイオン発生粉末材52を塗布又は混入させること
によって、このロープ又は網へ付着する貝などの付着力
を低下させる効果が期待できるため、貝などの除去作業
が容易となる。
【0070】
【発明の効果】本発明のイオン発生シートは、イオン発
生層の一方の面又は両面に繊維層が設けられ、前記繊維
層の繊維が部分的に前記イオン発生層を貫通した構成で
あり、繊維層は、イオン発生層を貫通しているため、繊
維層とイオン発生装置が貫通部によって結合され一体化
できる。このため、イオン発生シートは可撓性のシート
状に形成でき、取り扱いが容易なイオン発生部材とな
る。それゆえ、必要に応じて繊維層に合成樹脂を含浸さ
せて貫通部にまで合成樹脂を含浸させることによって、
繊維層とイオン発生層とが一体化でき、合成樹脂が含浸
されたイオン発生シートとなり、強度の向上が図れると
共に、他の構造物への適用が容易となる。
【0071】また、複数の貫通孔を形成する針によっ
て、孔明け加工と同時に繊維をイオン発生層に通すこと
によって、一工程によって繊維層とイオン発生層との結
合が得られ、イオン発生シートの製造が容易となる。
【0072】また、本発明のイオン発生シートは、イオ
ン発生層によって、空気や水、或いはその他のこれらの
物質をイオン化する目的の装置や構造物に適するため、
種々の使用態様に適する。その一つとして、海上で使用
するものにおける波の衝撃緩和や、水槽に適用すること
によって抗菌、消臭効果等が得られる等、各種の適用が
可能となる。
【0073】また、繊維層に紫外線硬化式合成樹脂が含
浸され、この合成樹脂が硬化する前の状態で紫外線遮断
袋に密封したイオン発生シートとすることによって、紫
外線遮断袋から取り出して適用箇所へ貼ることができ、
合成樹脂が紫外線によって硬化することによってFRP
(繊維強化プラスチックス)のイオン発生部を容易に形
成できる。
【0074】本発明のイオン発生シートは、イオン発生
層が、放射線を発生する放射線発生層と放射線によって
物質をイオン化する導電性の金属層を備えた構成のもの
に比して、イオン発生層が、有機繊維又は無機繊維から
なるペーパー状シート相互間にマイナスイオン発生粉末
材を介在させて形成されたものの方が安価であり、重量
的にも軽いシートに形成できる効果がある。
【0075】更に、マイナスイオン発生粉末材と紫外線
硬化式合成樹脂の溶剤とが混ぜ合わされた溶液がガラス
繊維シートの繊維間に含浸された構成によって、マイナ
スイオン発生粉末材を均一的にガラス繊維シート全体に
亘って保持することが容易となり、製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)(ロ)(ハ)はガラス繊維層を両面に設
けた本発明のイオン発生シートの製造工程の概略説明図
である。
【図2】ガラス繊維層を片面に設けた本発明のイオン発
生シートの部分拡大図である。
【図3】本発明のイオン発生シートの貫通部を形成する
ための孔明け用の針の実施形態図である。
【図4】本発明のイオン発生シートの貫通部を形成する
ための孔明け用の針の他の実施形態図である。
【図5】本発明のイオン発生シートをロールに巻いた状
態を示す図である。
【図6】本発明のイオン発生層の金属層を金網又はパン
チングメタル板とした場合の説明図である。
【図7】本発明のイオン発生シートの壁を形成する実施
形態の説明図である。
【図8】本発明のイオン発生シートの壁を形成する他の
実施形態の説明図である。
【図9】本発明のイオン発生シートを適用した水槽の説
明図である。
【図10】本発明の他の形態のイオン発生層の構成を示
す説明図である。
【図11】図10の形態のイオン発生層の両面にガラス
繊維層を設けたイオン発生シートの構成を示す説明図で
ある。
【図12】図10の形態のイオン発生層の片面にガラス
繊維層を設けたイオン発生シートの構成を示す説明図で
ある。
【図13】合成樹脂含浸イオン発生シートの製造説明図
である。
【図14】沈子ロープの説明図である。
【図15】浮きロープの説明図である。
【図16】ゴム芯ロープの説明図である。
【図17】養殖用生簀の説明図である。
【符号の説明】
1、1A……イオン発生シート 2……放射線発生層 3……金属層 4、4A……イオン発生層 5、5A……ガラス繊維層 6、6A……ガラス繊維層 7……貫通部 8……針材 25……型 30……金網又はパンチングメタル板 31……開口部 40……水槽 52……マイナスイオン発生粉末材 70……沈子ロープ 80……浮きロープ 90……ゴム芯ロープ 100……養殖用生簀
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01A AB01A AK01A AK01B AK01C AL05A AR00A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C BA32 DC11A DE01A DG01A DG01B DG01C DG10A EJ33 EJ332 EJ82 EJ822 GB07 JB14A JB14B JB14C JC00 JG01A JG03A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイナスイオンを発生するイオン発生層
    の一方の面又は両面に繊維層が設けられ、前記繊維層の
    繊維が部分的に前記イオン発生層を貫通してなるイオン
    発生シート。
  2. 【請求項2】 マイナスイオンを発生するイオン発生層
    の一方の面又は両面に繊維層が設けられ、前記イオン発
    生層には前記繊維層の繊維が部分的に貫通する貫通部が
    形成され、前記貫通部を含み前記繊維層に合成樹脂を含
    浸させてなるイオン発生シート。
  3. 【請求項3】 マイナスイオンを発生するイオン発生層
    の一方の面又は両面に繊維層を配置し、前記繊維層の外
    側から複数の針材によって前記イオン発生層に複数の貫
    通孔を形成すると同時にこの貫通孔に前記繊維層の繊維
    を貫通せしめることを特徴とするイオン発生シートの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 マイナスイオンを発生するイオン発生層
    の一方の面又は両面に繊維層が設けられ、前記繊維層の
    繊維が部分的に前記イオン発生層を貫通する貫通部を有
    し、前記貫通部を含み前記繊維層に紫外線硬化式合成樹
    脂が含浸され、前記合成樹脂が硬化する前の状態で紫外
    線遮断袋に密封してなるイオン発生シート。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2又は請求項4におい
    て、前記イオン発生層が、放射線を発生する放射線発生
    層と放射線によって物質をイオン化する導電性の金属層
    からなるイオン発生シート。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記イオン発生層
    が、放射線を発生する放射線発生層と放射線によって物
    質をイオン化する導電性の金属層からなるイオン発生シ
    ートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、請求項2又は請求項4におい
    て、前記イオン発生層が、有機繊維又は無機繊維からな
    るペーパー状シート相互間にマイナスイオン発生粉末材
    を介在させて形成されたことを特徴とするイオン発生シ
    ート。
  8. 【請求項8】 請求項3において、前記イオン発生層
    が、有機繊維又は無機繊維からなるペーパー状シート相
    互間にマイナスイオン発生粉末材を介在させて形成され
    たことを特徴とするイオン発生シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 ガラス繊維シートの繊維間にマイナスイ
    オン発生粉末材と紫外線硬化式合成樹脂の溶剤とが混ぜ
    合わされた溶液が含浸されて、前記紫外線硬化式合成樹
    脂が硬化する前の状態で紫外線遮断袋に密封されてなる
    イオン発生シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5887008B1 (ja) * 2015-07-08 2016-03-16 株式会社アクト シート部材の製造方法
JP2022530960A (ja) * 2019-05-07 2022-07-05 珠海市▲すん▼龍船厂有限公司 金属部品と繊維強化プラスチックの接続構造及び船体

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