JP2003225123A - 歯ブラシ用毛材 - Google Patents

歯ブラシ用毛材

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JP2003225123A
JP2003225123A JP2002029165A JP2002029165A JP2003225123A JP 2003225123 A JP2003225123 A JP 2003225123A JP 2002029165 A JP2002029165 A JP 2002029165A JP 2002029165 A JP2002029165 A JP 2002029165A JP 2003225123 A JP2003225123 A JP 2003225123A
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circle diameter
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Kunio Yamada
国夫 山田
Makoto Mizuta
誠 水田
Junko Natsui
順子 夏井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯の表面および歯と歯の隙間に付着した異物
や歯垢を効果的に除去することができて清掃性に優れる
と共に、歯茎当たりがソフトで使用感に優れ、しかも歯
との摩擦抵抗を高め、マッサージ効果に優れた歯ブラシ
用毛材の提供。 【解決手段】 ポリエステル系モノフィラメントからな
り、繊維軸方向にクリンプ加工を施したカットブリッス
ル1の少なくとも一端に、先鋭状のテーパー部2を形成
した歯ブラシ用毛材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯の表面および歯
と歯の隙間に付着した異物や歯垢を効果的に除去するこ
とができて清掃性に優れると共に、歯茎当たりがソフト
で使用感に優れ、しかも歯との摩擦抵抗を高め、マッサ
ージ効果に優れた歯ブラシ用毛材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂製歯ブラシ用毛材の形態
としては、ラウンド型、テーパー型、先球型およびカッ
トのみのままなどの多種多様な形態がとられているが、
なかでも、歯周ポケット中の異物や歯垢をより効果的に
除去する機能を付与するためには、毛先をテーパー処理
した毛材が最適であると考えられている。
【0003】そして、毛先をテーパー処理した歯ブラシ
用毛材に対する要求特性としては、合成樹脂製モノフィ
ラメントからなるカットブリッスルの先端がテーパー状
に先細りになり、歯と歯との間に入り込み易い形状を確
保可能であることが先ず第1に挙げられる。
【0004】しかしながら、従来の毛先をテーパー処理
した歯ブラシ用毛材(例えば特開平6−141923号
公報)は、ストレート状のブリッスルにテーパー処理が
なされており、ブリッスル直径が細く比較的毛腰の柔ら
かいものであるため、特に歯茎の弱い人が使用する歯ブ
ラシとしては適しているものの、毛腰を要求する人向き
には物足りなさがあった。その欠点を改善する方法とし
ては、ブリッスルの直径を太くしたり、カットブリッス
ルの長さを短くすることが考えられ、これによって毛腰
についてはある程度改善することができるが、逆に先端
テーパー形状がシャープなものとなりすぎて、使用時に
チクチクした不快な使用感を生じてしまうという問題が
あった。
【0005】また、ブリッスルの先端に形成したテーパ
部の最先端のみを丸めて鈍角にした歯ブラシ用毛材(特
開平11−290134号公報)も知られているが、こ
の場合にはチクチク感はある程度解消するものの、毛先
が歯周ポケット中に入りにくくなり、この結果、異物や
歯垢を効果的に除去する機能が得られないばかりか、歯
の清掃感を十分に満足することができないという問題が
あった。
【0006】さらに、ブラシ毛の側面部分での磨き効果
を改善するために、クリンプ加工により波型形状を施し
た毛材を植毛した歯ブラシ(実開平1−63432号公
報)も知られているが、この歯ブラシでは歯の表面の清
掃効果については改善されるものの、歯間挿入性が劣る
ため歯周ポケット中の異物や歯垢の清掃を十分に行なう
ことができないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0008】したがって、本発明の目的は、歯の表面お
よび歯と歯の隙間に付着した異物や歯垢を効果的に除去
することができて歯の清掃性に極めて優れると共に、歯
茎当たりがソフトで使用感に優れ、しかも歯との摩擦抵
抗を高め、マッサージ効果にも優れた歯ブラシ用毛材を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の歯ブラシ毛材は、ポリエステル系モノフ
ィラメントからなり、繊維軸方向にクリンプ加工を施し
たカットブリッスルの少なくとも一端に、先鋭状のテー
パー部を形成したことを特徴とする。
【0010】なお、本発明の歯ブラシ用毛材において
は、前記テーパー部の長さが3〜15mmであること、
前記カットブリッスルの長さが22〜35mmの範囲に
あること、前記ポリエステル系モノフィラメントの断面
形状が凹状部と凸状部を複数有する多葉形であること、
前記ポリエステル系モノフィラメントの断面形状におい
て、外接円直径/内接円直径で示される断面変形度が
1.1〜4.0の範囲にあり、凸状部数が3〜8、かつ
外接円直径が0.12〜0.30mmの範囲にあるこ
と、前記クリンプ加工による波長Lが前記ポリエステル
系モノフィラメントの外接円直径の5倍から30倍にあ
り、かつ波高Hが前記外接円直径の1.2倍以下の範囲
にあること、および前記カットブリッスルの両端に先鋭
状のテーパー部を形成してなることが、いずれも好まし
い条件として挙げられ、これらの条件を適用した場合に
は、一層優れた効果の取得を期待することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、図面にしたがって、本発
明の歯ブラシ用毛材についてさらに詳細に説明する。
【0012】図1は本発明のブラシ用毛材を使用した歯
ブラシの一例を示す側面図、図2は本発明の歯ブラシ用
毛材の第1実施例を示す側面図および拡大断面図、図3
は同じく第2実施例を示す側面図および拡大断面図であ
る。
【0013】図1に示したように、本発明の歯ブラシ用
毛材Aは、柄Bの植毛部Cに植毛されて歯ブラシを形成
するために使用されるものである。
【0014】そして、図2〜図3に示したように、本発
明の歯ブラシ用毛材は、ポリエステル系モノフィラメン
トからなり、繊維軸方向にクリンプ加工を施したカット
ブリッスル1の少なくとも一端に、先鋭状のテーパー部
2を形成したことを特徴とするものである。
【0015】ここで、図2に示した第1実施例の歯ブラ
シ用毛材は、丸断面のポリエステル系モノフィラメント
を、また図3に示した第2実施例の歯ブラシ用毛材は、
凹状部と凸状部をそれぞれ4数有する4葉形断面のポリ
エステル系モノフィラメントを素材とし、いずれも直線
加工によりたわみを伸ばし、次いで直線状態で波形ギヤ
を通過させることによりクリンプ加工した後、切断して
得られたブリッスル1の先端に、化学的減量法などによ
りテーパー部2を形成することにより得られたものであ
る。
【0016】上記の構成からなる本発明のブラシ用毛材
は、具体的には次のようにして製造することができる。
【0017】まず、公知の溶融紡糸方法によりポリエス
テル系モノフイラメントを製造して、これをボビンやド
ラムに巻き取る。
【0018】ここで、本発明のブラシ用毛材を構成する
ポリエステル系樹脂素材については特に限定されず、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートおよびこれらを主体とする共重合体などのポ
リエテル系樹脂を用いることができるが、テーパー部を
形成させる工程としてアルカリ水溶液による化学的減量
法を適用する場合には、ポリブチレンテレフタレートを
用いることが特に望ましい。
【0019】また、これらのポリエステル系樹脂は、本
発明の目的を阻害しない範囲であれば、耐熱剤、耐侯
剤、耐光剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染料および顔料
などの通常の添加剤成分並びに一般的な抗菌剤などの添
加剤を任意に含有することができる。
【0020】ここで製造するポリエステル系モノフイラ
メントは、丸断面であってもよいが、凹状部と凸状部を
複数有する多葉形の異形断面形状とした場合には、一層
優れた清掃効果の取得を期待することができる。
【0021】なお、このように断面が凹状部と凸状部を
複数有する多葉形の場合は、外接円直径/内接円直径で
示される断面変形度が1.1〜4.0の範囲にあり、凸
状部の数が3〜8で、かつ外接円直径が0.12〜0.
30mmの範囲であることが好ましく、このように設定
することによって、歯との摩擦抵抗を低下することな
く、清掃効果を十分に満たした歯ブラシ毛材を得ること
ができる。
【0022】次に、ボビンやドラムに巻き取ったポリエ
ステル系モノフィラメントは巻きぐせが残り、必要長さ
に切断してカットブリッスルとして使用する場合にはた
わみが残るため、直線熱セット工程に供してたわみを取
り除く。
【0023】次いで、所望の熱セット条件での熱処理を
施しつつギヤーに通過させることによりクリンプ加工を
行った後、単糸を集束して所望の長さに切断することに
より、カットブリッスルを作成する。
【0024】なお、上記直線熱セット工程と同時にギヤ
ーに通過させることにより連続したクリンプ加工を併用
して行うこともできる。
【0025】ここで、クリンプ加工した波状の形態であ
るが、図2に示した波長L、つまり隣接するクリンプの
山頂間の距離は、ポリエステル系モノフィラメントの外
接円直径の5倍から30倍の範囲が好ましく、特に10
倍から20倍の範囲にあることが、マッサージ効果がよ
り優れたものとなる点から好ましい。また、図2に示し
た波高H、つまりクリンプの山頂と谷底との間の距離
が、ポリエステル系モノフィラメントの外接円直径の
1.2倍以下の範囲にあり、特に1.0倍以下の範囲に
あることがより好ましく、1.2倍を越える場合には、
毛腰が柔らかくなりすぎて植毛性が低下し、毛材もバラ
ケすぎて清掃性にも劣る傾向となる。
【0026】本発明の歯ブラシ用毛材を構成するカット
ブリッスルの長さは、適用する歯ブラシの種類によって
適宣選択されるが、通常は22〜35mm、特に25〜
32mmの範囲が好適である。
【0027】引き続いて、テーパー部の形成を行なう
が、この場合には、多数のカットブリッスルを束ねて、
その一端側または両端側を水酸化ナトリウム水溶液に代
表される溶剤で処理することによって、多数のテーパー
化したカットブリッスルを一挙に得ることが望ましく、
これにより一度で大量のカットブリッスルのテーパー化
処理を行うことができ、工程的にも優れた効果を得るこ
とができる。
【0028】溶剤処理によつて得られたカットブリッス
ルのテーパー部の長さは、3〜15mm、特に5〜12
mmの範囲が好適であり、この範囲であれば歯茎当たり
がソフトなり優れた効果を得ることができる。
【0029】このようにして溶剤による先端テーパー化
を行うことにより、テーパー部先端は点状になるが、テ
ーパー部先端を除いた部分は、クリンプ形態をそのまま
維持したものとなる。
【0030】したがって、本発明の歯ブラシ用毛材を用
いて製造した歯ブラシを使用する場合には、クリンプ部
分による歯の表面と共に、テーパー部による歯と歯の隙
間の清掃効果を高めることができ、歯の表面および歯と
歯の隙間に付着した異物や歯垢を効果的に除去すること
ができて清掃性に優れると共に、歯茎当たりがソフトで
使用感に優れ、しかも歯との摩擦抵抗を高め、マッサー
ジ効果に優れた歯ブラシ用毛材を提供することができ
る。
【0031】なお、本発明の歯ブラシ毛材を用いて歯ブ
ラシを製造する方法には特には制限はなく、例えばカッ
トブリッスルの長手方向中央部を折り曲げてこれを歯ブ
ラシ基台の植毛穴へ植毛する方法などの通常の方法によ
り製造することができる。
【0032】また、消費者はクリンプ部分を確実に認識
することができて、他の歯ブラシとの区別を容易に行う
ことができる。
【0033】以下に実施例を挙げて、本発明の構成およ
び効果についてさらに詳細に説明する。
【0034】
【実施例】極限粘度1.0のポリブチレンテレフタレー
ト(東レ社製、1200S)を原料に用い、エクストル
ーダー型紡糸機で溶融紡糸し、水中に押し出して冷却固
化させた後、2段延伸により4.0倍に延伸した後、凹
状部と凸状部を4数有する4葉断面で、かつ断面変形度
が1.5で外接円直径が0.2mmのモノフイラメント
をドラムに巻き取った。
【0035】次いで、得られた4葉断面モノフィラメン
トを乾熱雰囲気中で弛緩熱セットを行い直線加工した
後、直線状態で波形ギヤに通過させ、波長が2mmで波
高が0.15mmのクリンプ加工を実施したモノフィラ
メントを得た。
【0036】得られたクリンプ加工モノフィラメント
を、束径45mmに束ねて30mmの長さに切断したカ
ットブリッスル束を、ステンレス製のカゴ内に、その底
辺に対し繊維軸方向が垂直になるように収納し、このカ
ゴを110℃に調整した水酸化ナトリウムの40%水溶
液内に、上記繊維束の一端部分が浸漬するように配置し
て100分間処理した。次いで、十分水洗し、脱水、乾
燥することにより、クリンプ形態を維持したテーパー長
が10mmの片端テーパー化ブリッスルを得た。
【0037】上記で得られた片端テーパー化ブリッスル
を歯ブラシ基台に植毛し、この歯ブラシについて使用感
官能評価を行なった結果、クリンプ部分によって歯の表
面を、またテーパー部によって歯と歯の隙間の清掃を行
なうことができたため、歯の表面および歯と歯の隙間に
付着した異物や歯垢を効果的に除去することができて清
掃性が極めて優れていた。また、それと共に、歯茎当た
りがソフトで使用感に優れ、しかも毛材と歯との摩擦抵
抗が高く、マッサージ効果にも優れる歯ブラシであっ
た。
【0038】一方、上記において、クリンプ加工だけを
施し、テーパー部の形成を省略して得られたカットブリ
ッスルからなる歯ブラシ用毛材を基台に植毛して得られ
た歯ブラシについて使用感官能評価を行なった結果、歯
間挿入性が悪く、そのために歯と歯の間の清掃性が劣っ
ていたばかりか、マッサージ効果も不十分であった。
【0039】また、上記において、テーパー加工だけを
施し、クリンプの形成を省略して得られたカットブリッ
スルからなる歯ブラシ用毛材を基台に植毛して得られた
歯ブラシについて使用感官能評価を行なった結果、歯の
表面の清掃効果に劣るばかりか、歯茎当たりが強くてチ
クチク感があり、マッサージ効果が劣っていた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のブラシ用
毛材によれば、クリンプとテーパー部とを併せ持つこと
により、適度な腰と弾力性を保持していると共に、歯の
表面および歯と歯の隙間に付着した異物や歯垢を効果的
に除去することができて清掃性に優れると共に、歯茎当
たりがソフトで使用感に優れ、しかも歯との摩擦抵抗を
高め、マッサージ効果に優れた歯ブラシ用毛材を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のブラシ用毛材を使用した歯ブラ
シの一例を示す側面図である。
【図2】図2は図2は本発明の歯ブラシ用毛材の第1実
施例を示す側面図および拡大断面図である。
【図3】図3は同じく第2実施例を示す側面図および拡
大断面図である。
【符号の説明】
A 毛材 B 柄 C 植毛部 1 クリンプ加工したカットブリッスル 2 テーパー部 L 波長 H 波高
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夏井 順子 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内 Fターム(参考) 3B202 AA06 AB02 EA01 EB08 EB13 EB14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系モノフィラメントからな
    り、繊維軸方向にクリンプ加工を施したカットブリッス
    ルの少なくとも一端に、先鋭状のテーパー部を形成した
    ことを特徴とする歯ブラシ用毛材。
  2. 【請求項2】 前記テーパー部の長さが3〜15mmで
    あることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ用毛
    材。
  3. 【請求項3】 前記カットブリッスルの長さが22〜3
    5mmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2
    記載の歯ブラシ用毛材。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステル系モノフィラメントの
    断面形状が、凹状部と凸状部を複数有する多葉形である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    歯ブラシ用毛材。
  5. 【請求項5】 前記ポリエステル系モノフィラメントの
    断面形状において、外接円直径/内接円直径で示される
    断面変形度が1.1〜4.0の範囲にあり、凸状部数が
    3〜8、かつ外接円直径が0.12〜0.30mmの範
    囲にあることを特徴とする請求項4記載の歯ブラシ用毛
    材。
  6. 【請求項6】 前記クリンプ加工による波長Lが前記ポ
    リエステル系モノフィラメントの外接円直径の5倍から
    30倍にあり、かつ波高Hが前記外接円直径の1.2倍
    以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の歯ブラシ用毛材。
  7. 【請求項7】 前記カットブリッスルの両端に先鋭状の
    テーパー部を形成してなることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の歯ブラシ用毛材。
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