JP2003224373A - 電子装置用筐体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のアダプタを前面部に備えた電子装置用筐
体において、アダプタを高密度に配置した場合、該アダ
プタと接続するコネクタの挿抜が困難となるため、所定
の間隔をあけてアダプタを配置する必要があった。 【解決手段】本発明では、アダプタを筐体前面部におい
て高密度に配置した場合でも、１または複数のアダプタ
を含む領域が筐体前面から手前側又は奥側に移動可能な
構成としたため、これら領域を移動させることにより、
作業者が容易にコネクタプラグの着脱を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電子装置用筐体に関
し、特にその前面にコネクタプラグと接続する複数のア
ダプタが近接して配置された電子装置用筐体に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子装置の筐体には、例えば光ケーブル
等のコネクタプラグと接続するアダプタをその前面に備
えたものがある。例えば、図５に示されるように、電子
装置の筐体前面には複数のアダプタ１が列状に配置され
ている。この場合、特に横の列に配置されたアダプタ同
士は、これに接続するコネクタプラグ２を作業者が指で
つまんで着脱できるように、指が入る一定の間隔を確保
して配置される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、多数の
ケーブルと接続する電子機器において、上述のような指
を挿入するスペースが、電子装置の筐体前面にできるだ
け高密度でアダプタを配置しようとするときに制約とな
るという問題が生じている。

【０００４】この課題を解決する手段として、例えば実
開昭６２−０６３７０６号公報では、光アダプタの設置
構造において、コネクタ挿抜に適した間隔と該間隔より
狭い間隔とを交互に繰り返す配列で、アダプタを列状に
設置する構成が提案されている。しかし、この構成で
も、やはり指の入る間隔部分は必要であるためアダプタ
の高密度実装は制限される。また複数列のアダプタを横
に配置する場合には十分機能しないという問題がある。

【０００５】本発明は、上記課題を解決し、アダプタを
高密度に配置した場合でもコネクタプラグの着脱を容易
に行うことができる電子装置用筐体を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の筐体は、コネクタプラグに接続するアダプタが前面
部に配置された電子装置用筐体であって、該前面部には
複数のアダプタが配置され、１または複数のアダプタを
含む領域が筐体前面部より手前側または奥側へ所定距離
だけ移動可能である。筐体前面部には複数のアダプタが
一列に配置されることができる。また筐体前面部には複
数のアダプタが複数の列に配置され、移動可能な領域に
は複数のアダプタが配置されることができる。上記移動
可能な領域は、上記電子装置用筐体に収容される小筐体
の前面部の場合があり、あるいは１または複数のアダプ
タを含むパネル部及び該パネル部に接続する部分である
場合がある。これら移動可能な領域は移動を容易にする
ガイド部にしたがって移動することができる。

【０００７】本発明の電子装置用筐体では、１または複
数のアダプタを含む領域は互いに隣接する領域同士の一
方のみが移動可能である構成が可能である。また上記１
または複数のアダプタを含む移動可能な領域を電子装置
用筐体前面と同じ面に沿って固定する固定装置を配置す
ることができる。さらに該領域を電子装置用筐体前面か
ら所定距離だけ移動した位置で停止させるストッパを配
置することもできる。

【０００８】このような構成によって、本発明の電子装
置用筐体はその前面にアダプタを高密度で配置してもコ
ネクタプラグを容易に着脱することが可能になる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１（ａ）〜（ｃ）は本発明の電
子装置用筐体の例を示す部分斜視図である。図１（ａ）
は、アダプタが配置された電子装置用筐体の前面を示
す。ここでは複数のアダプタが、筐体前面に沿って、横
２列に配置されている。アダプタ１同士は近接して余分
なスペース無く配置されている。この例では、互いに上
下に配置された２個のアダプタ１を含む部分が移動可能
な１つの領域５を形成する。図１（ｂ）、図１（ｃ）
は、この領域５がそれぞれ電子装置用筐体前面より手前
側および奥側へ移動した状態を示す。ここでは、２個の
アダプタが配置された領域５は、上記電子装置用筐体に
収容される小筐体の前面部である。該小筐体が図のよう
に手前側および奥側へ移動する。複数の小筐体同士は互
いに境界板を挟むことなく直接横方向にに配列されてい
る。

【００１０】図２（ａ）〜（ｃ）は、図１に示された電
子装置用筐体にコネクタプラグ２とケーブル３が接続し
ている状態を示す。図２（ａ）では、複数のアダプタが
高密度に電子装置筐体前面上に配置されている。このた
め隣接するコネクタプラグ同士の間隔も互いに余分なス
ペースがなく高密度に配列される。図２（ｂ）は図１
（ｂ）に対応するもので、上下に配置された２個のアダ
プタを含む領域５が電子装置用筐体前面から手前側に移
動した状態である。このとき、これらアダプタに接続し
ているコネクタプラグ２も手前側に移動しているので、
これらコネクタプラグ２は隣接するコネクタプラグ２に
対してずれた位置にあり、その左右に指で挟めるスペー
スが生じる。図２（ｃ）は図１（ｃ）に対応するもの
で、上下に配置された２個のアダプタを含む領域５が電
子装置用筐体の前面から奥側に移動しており、同時に隣
接する領域部をはさんでもう１つの領域５も同様に奥側
に移動している。これら２つの領域５にはさまれた領域
部は最初の筐体前面に沿った位置のままである。この状
態において、該移動しない領域部のアダプタに接続され
たコネクタプラグ２には、その左右にやはり指で挟める
スペースが発生する。

【００１１】このように、複数のアダプタが高密度に配
置された電子装置用筐体前面において、１または複数の
アダプタを含む領域５が前後に移動することにより、ア
ダプタに接続しているコネクタプラグの両側に指を挿入
することができるスペースが生じ、作業者が容易に該プ
ラグを挿抜できるようになる。

【００１２】上記１または複数のアダプタを含む領域５
は電子装置用筐体前面部より奥側または手前側の一方の
み、または両側方向へ移動が可能な構成が可能である。
また上記横に複数配列された領域５のうち、１つおきに
移動できない領域部を配置してもよい。

【００１３】図３は上下に４列のアダプタが横に配置さ
れた電子装置用筐体前面部において上下４個のアダプタ
を含む領域５が手前側に移動している状態を示してい
る。ここに示された構成では、移動可能な領域５の面を
最初の筐体前面に沿った位置に固定するネジ状の固定装
置４が配置されている。この場合も４個のアダプタを含
む領域５は、上記電子装置用筐体に収納される小筐体の
前面部に相当する。

【００１４】図４は、既に図示したようにアダプタを含
む領域５が手前側に移動する構成であるが、該移動する
領域５は図３のような電子装置用筐体に収納される小筐
体の一部ではない。ここで移動する領域５はアダプタを
備えたパネル部とこれに接続する構成部分である。

【００１５】アダプタを含む領域５が所定の経路をでき
るだけスムーズに動くように、ガイド部が適当な位置に
形成されることが望ましい。例えば、上記小筐体が収納
される場合は、該小筐体の上面または底面に凸状又は凹
状のレール状部を設け、該小筐体収納部の内側に該レー
ル部に嵌め合う構成部を設けることもできる。また図４
のような構成でも、アダプタを備えた領域５に接続する
構成部には、該構成部が電子装置用筐体部内をスムーズ
に移動させる上述のようなガイド部が形成されうる。

【００１６】また、上記ガイド部、あるいはガイド部以
外の部分にも、上記アダプタ１を備えた領域５が所定の
範囲までしか移動できないようにするストッパを設ける
ことができる。作業者は、コネクタプラグを挿抜するた
め、該領域５を押し、または引きだすときこのストッパ
によって移動できなくなるまで移動させればよい。この
ためコネクタプラグ挿抜動作がより容易に行われる。

【００１７】図３、図４のネジ状固定装置４は、アダプ
タを含む領域５が電子装置用筐体前面部から手前側に移
動する構成の例である。しかし、上記領域５が奥側に移
動する場合でも同様のネジ状固定装置４が適用できる。
その場合、アダプタを含む領域５のうち、該固定装置を
配置する部分が電子装置用筐体前面部パネルの内側に突
き当たるように構成すればよい。

【００１８】

【発明の効果】本発明では、アダプタが前面部に配置さ
れた電子装置用筐体において、該前面部の１または複数
のアダプタを含む領域が筐体前面部より手前側または奥
側へ所定距離だけ移動可能であるため、複数のアダプタ
を高密度に配置しても、これらアダプタに接続するコネ
クタプラグを容易に挿抜することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の複数のアダプタが配置された電子装置
用筐体の前面部を示す斜視図。

【図２】複数のアダプタにコネクタプラグが接続した状
態の電子装置用筐体の前面部を示す斜視図。

【図３】固定装置を備えた電子装置用筐体の前面部を示
す斜視図。

【図４】固定装置を備えた電子装置用筐体の前面部を示
す斜視図。

【図５】従来の複数のアダプタが配置された電子装置用
筐体の前面部を示す斜視図。

【符号の説明】

１ アダプタ ２ コネクタプラグ ３ ケーブル ４ 固定装置 ５ 領域

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタプラグに接続するアダプタが前
   面部に配置された電子装置用筐体であって、該前面部に
   は複数のアダプタが配置され、１または複数のアダプタ
   を含む領域が前記筐体前面部より手前側または奥側へ所
   定距離だけ移動可能であることを特徴とする電子装置用
   筐体。
2. 【請求項２】 前記筐体前面部には複数のアダプタが複
   数の列に配置され、前記移動可能な領域は複数のアダプ
   タが配置される領域である請求項１記載の電子装置用筐
   体。
3. 【請求項３】 前記移動可能な領域は上下に配列された
   複数のアダプタを備える請求項２記載の電子装置用筐
   体。
4. 【請求項４】 前記筐体前面部には複数のアダプタが一
   列に配置されている請求項１記載の電子装置用筐体。
5. 【請求項５】 前記移動可能な領域は前記電子装置用筐
   体に収容される小筐体の前面部である請求項１記載の電
   子装置用筐体。
6. 【請求項６】 前記小筐体は移動を容易にするガイド部
   にしたがって移動する請求項５記載の電子装置用筐体。
7. 【請求項７】 前記移動可能な領域は１または複数のア
   ダプタを含むパネル部及び該パネル部に接続する部分で
   ある請求項１記載の電子装置用筐体。
8. 【請求項８】 前記パネル部及び該パネル部に接続する
   部分はその移動を容易にするガイド部にしたがって移動
   する請求項７記載の電子装置用筐体。
9. 【請求項９】 前記１または複数のアダプタを含む領域
   は互いに隣接する領域同士の一方のみが移動可能である
   請求項１記載の電子装置用筐体。
10. 【請求項１０】 前記移動可能な領域を前記電子装置用
    筐体前面と同じ面に沿って固定する固定装置を備える請
    求項１記載の電子装置用筐体。
11. 【請求項１１】 前記移動可能な領域を前記電子装置用
    筐体前面から所定距離だけ移動した位置で停止させるス
    トッパを備える請求項１記載の電子装置用筐体。