JP2003221825A - 基礎地盤の施工法 - Google Patents

基礎地盤の施工法

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JP2003221825A
JP2003221825A JP2002329203A JP2002329203A JP2003221825A JP 2003221825 A JP2003221825 A JP 2003221825A JP 2002329203 A JP2002329203 A JP 2002329203A JP 2002329203 A JP2002329203 A JP 2002329203A JP 2003221825 A JP2003221825 A JP 2003221825A
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slag
layer
ground
constructing
foundation ground
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Sadao Yabuuchi
貞男 藪内
Masaki Akane
正樹 赤根
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Original Assignee
Geotop Corp
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  • Foundations (AREA)
  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟弱地盤の比較的浅い層を地盤改良して既製
杭を施工することにより、建物などの上部構造物を安定
して支持することができる基礎地盤の施工法を提供する
こと。 【解決手段】 上部構造物Aを建設する地盤2全体を表
層1から上部構造物Aを支持できる地盤2まで掘削し、
掘削部4内にスラグ5aを充填し締め固めてスラグ層5
を形成するとともに、スラグ層5に複数の既製杭6を建
て込むようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎地盤の施工法
に関し、特に、軟弱地盤の比較的浅い層を地盤改良して
既製杭を施工することにより、建物などの上部構造物を
安定して支持することができる基礎地盤の施工法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】建物などの上部構造物を直接支持できな
い土地に構造物を建てる際には、浅層混合処理工法等の
地盤改良が事前に実施される。従来の浅層混合処理工法
は、バックホウなどで掘削できる表層部の地盤改良であ
り、現地の掘削土と土質改良材を混合して、それを埋戻
し転圧して改良地盤を造成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
浅層混合処理工法においては、掘削土と土質改良材を均
一に混合することは難しく、不均一な土質改良により支
持力にムラが生じ、不同沈下が起きる可能性がある。ま
た、軟弱な地盤では、浅層の地盤改良では支持力が小さ
いので、軽い建物以外建てることが難しく、一方、杭基
礎にすると、杭が長くなり費用がかかるうえ、地盤沈下
のために杭に負の摩擦力が加わったり、「杭の抜け上り
現象」が生じたりする。
【0004】さらに、上部構造物は、例えば、1つの建
物でも部分的に高さが異なったり、設置する重量設備の
配置等によって、上部構造物の分布荷重が異なるが、従
来の浅層混合処理工法においては、それに対応した地盤
改良を行うことが困難であった。
【0005】本発明は、上記従来の浅層混合処理工法が
有する問題点に鑑み、軟弱な地盤の比較的浅い層を地盤
改良して既製杭を施工することにより、建物などの上部
構造物を安定して支持することができる基礎地盤の施工
法を提供することを第1の目的とする。
【0006】また、本発明は、上部構造物の分布荷重に
応じた基礎地盤を簡易に得ることができる基礎地盤の施
工法を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の基礎地盤の施工法は、上部構造物を建
設する地盤全体を表層から上部構造物を支持できる地盤
まで掘削し、該掘削部内にスラグを充填し締め固めてス
ラグ層を形成するとともに、該スラグ層内に複数の既製
杭を建て込むことを特徴とする。
【0008】この基礎地盤の施工法は、掘削部内で締め
固めたスラグ層内に複数の既製杭を建て込むことから、
スラグ層とスラグを介して周辺地盤をさらに締め固める
ことができ、これにより、スラグ層と杭とが一体化され
た強固なスラグ層地盤を造成して、杭の支持力とスラグ
層の接地圧、さらには、一般の土砂よりもスラグ層の内
部摩擦抵抗が大きいので大きな水平抵抗力により、建物
等の上部構造物を安定して支持できる。
【0009】この場合において、スラグ層内に、スラグ
層の深さの略1/5〜2/3の根入れ長(有効長さ)を
有する既製杭を建て込むことができる。
【0010】また、有効杭長が地盤改良深さの略1/5
〜2/3と短いことから、杭芯ズレがなく、天端も正確
で管理が容易であり、小型杭打機やバックホウ等でも建
て込みが行え、狭小場所でも施工することができる。
【0011】また、上記第2の目的を達成するため、上
部構造物の分布荷重に応じて、基礎地盤内で、既製杭の
根入れ長、既製杭の建て込み間隔、既製杭の杭径及びス
ラグ層の層厚のうちいずれか1つ若しくは2つ以上を変
化させるようにすることができる。
【0012】これにより、1つの建物で部分的に高さが
異なったり、設置する重量設備の配置等によって、上部
構造物の分布荷重が異なる場合にも、上部構造物の分布
荷重に応じた基礎地盤を簡易に得ることができる。
【0013】また、スラグに散水しながら締め固めるよ
うにしたり、スラグ層を複数の積層された層から構成す
ることができる。
【0014】これにより、スラグ層を十分に締め固める
ことができ、地盤の性状に応じたスラグを適合させて、
より強固なスラグ層地盤を造成することができる。
【0015】そして、スラグには、膨張性及び固化性を
有するスラグを用いることができる。この膨張性及び固
化性を有するスラグとしては、製鋼スラグ(転炉スラグ
及び/又は電気炉スラグ(酸化スラグ及び/又は還元ス
ラグ)をいい、ここでは、特に、エージング処理を行っ
ていない製鋼スラグのほか、エージング処理を部分的に
行うことにより膨張性を調整した製鋼スラグ等の膨張性
を消失させていない製鋼スラグをいう。)、ゴミ焼却ス
ラグ、汚泥スラグの1種若しくは2種以上の混合物を用
いることができる。さらに、膨張性及び固化性を有する
スラグは、単独で用いるほか、これに、膨張性を消失し
た製鋼スラグ、高炉スラグ、フェロアロイスラグ、水砕
スラグ、銅製錬スラグ、赤泥、フライアッシュ、ゴミ焼
却灰、ガラス破砕物、廃石膏、コンクリート廃材等の産
業廃棄物、石膏、生石灰、セメント、砕石、土砂、粘土
等の建築用材料、人工材料、鉱物の1種若しくは2種以
上を混合した、膨張性及び固化性を有するスラグの膨張
性及び固化性を利用できるものを用いることができる。
【0016】これにより、掘削部底面の地盤の緩みを一
般の土砂よりも比重の重いスラグで圧密することにより
防止することができ、また、施工後、充填した製鋼スラ
グ等の膨張性及び固化性を有するスラグが吸水し、膨張
固化することによって、緩んだ掘削部底面の地盤を圧密
にすることができるものとなる。また、産業廃棄物であ
る製鋼スラグ等の有効利用を図ることができ、循環型社
会形成の促進に寄与することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の基礎地盤の施工法
の実施の形態を図面に基づいて説明するが、以下の実施
形態はあくまで一例であり、本発明をそれに限定する趣
旨では勿論ない。
【0018】図1〜図2に、本発明の基礎地盤の施工法
の一実施例を示す。この基礎地盤の施工法は、上部構造
物Aを建設する地盤2が軟弱地盤3からなる場合に、全
体を表層1から上部構造物Aを支持できる地盤2まで掘
削し、該掘削部4内に散水しながらスラグ5aを充填し
締め固めてスラグ層5を形成するとともに、該スラグ層
5内に、好ましくは、スラグ層の深さの略1/5〜2/
3の根入れ長(有効長さ)とし、杭径は必要な支持力に
見合った杭径とした、複数の既製杭6を建て込むように
する。
【0019】この場合、掘削部4の深さは、軟弱地盤3
の性状、上部構造物Aの大きさ、重量等によって、適宜
設定することができるが、通常は、数m程度の深さに設
定するようにする。
【0020】この基礎地盤の施工法の施工手順を、図2
を参照して説明する。 まず、図2(a)に示すように、上部構造物Aを支
持できる地盤2まで軟弱地盤3を掘削する。この場合、
掘削した土砂3aはすべて地上に排出する。 次に、図2(b)に示すように、スラグ5aを一定
量、掘削部4内に均一に投入し、締め固め機械等で転圧
し、締め固める。この場合、締め固めを確実に行うこと
ができるように、スラグ5aに散水を行うとともに、ス
ラグ5aの投入量は1回につき層厚約300mm迄が好
ましい。なお、散水によって、スラグ5aの締め固め効
果を高めるとともに、スラグ5aの水和反応を助長して
膨張、固化を早めることができる。また、スラグは粒度
分布が揃っていないもの、具体的には、大粒径と小粒径
のものがランダムに混合したものの方が好ましい。 の手順を繰り返し、図2(c)に示すように、基
礎地盤を基礎底まで造成する。 図2(d)に示すように、スラグ層5内に既製杭6
を複数建て込む。この場合、杭頭を基礎底より出す。既
製杭6としては、例えば、鋼管杭やPHCコンクリート
杭の直径が400mm程度以下のものを使用することが
できる。また、既製杭6は、ストレート形状のものより
も、節杭、テーパー杭、コルゲート杭等の方が好まし
い。そして節杭は、各節下の支圧効果で支持力が増大
し、また、上記既製杭は先端閉塞杭(図示省略)を圧入
することにより、杭体積分のスラグ層5を締め固め、そ
して、スラグを介して周辺地盤を一層締め固めることが
できる。なお、PHCコンクリート杭(節杭、テーパー
杭、コルゲート杭等)は略同径のオーガードリルによっ
てプレボーリングしてから圧入してもよい。
【0021】直接基礎では上部構造物が支持できない軟
弱地盤3において、バックホウ等の建設機械で、上部構
造物の荷重を支持できる深さまで地盤を掘削する(図2
(a))。土砂3aをすべて地上に排土し、スラグ5a
を200〜300mm程度均一に投入し、散水しながら
締め固め機械等で転圧し、締め固める。この作業を繰り
返して、基礎底面まで強固なスラグ層5を造成し地盤改
良する(図2(b)(c))。掘削部4は、この実施例
では深さ約2mまで掘削し、スラグ層5を造成する。前
記バックホウ等によって、約60cm分根入れするよう
に既製杭6を回転圧入又は押圧等により建て込む(図2
(d))。上部構造物の荷重を支持するには、図1に示
すように、スラグ層5底面の地耐力は杭6の支持力61
とスラグ層5の接地圧51で受け持ち、両方のバランス
を考慮して経済的な杭種、口径、長さ、本数を最適に決
定する。
【0022】スラグ5aとしては、スラグ層5の膨張性
を利用しながら、併せて固化性も重要視するため、遊離
CaOや遊離MgO等の膨張、固化成分を含有する膨張
性及び固化性を有するスラグを用いるようにする。この
膨張性及び固化性を有するスラグとしては、製鋼スラグ
(転炉スラグ及び/又は電気炉スラグ(酸化スラグ及び
/又は還元スラグ)をいい、ここでは、特に、エージン
グ処理(具体的には、特に限定されるものではないが、
例えば、約100℃の蒸気中で100時間程度保持した
り、長期間屋外に野積みすることによる安定化処理)を
行っていない製鋼スラグのほか、エージング処理を部分
的に行うことにより膨張性を調整した製鋼スラグ等の膨
張性を消失させていない製鋼スラグをいう。)、ゴミ焼
却スラグ、汚泥スラグの1種若しくは2種以上の混合物
を用いることができる。さらに、膨張性及び固化性を有
するスラグは、単独で用いるほか、これに、膨張性を消
失した製鋼スラグ、高炉スラグ、フェロアロイスラグ、
水砕スラグ、銅製錬スラグ、赤泥、フライアッシュ、ゴ
ミ焼却灰、ガラス破砕物、廃石膏、コンクリート廃材等
の産業廃棄物、石膏、生石灰、セメント、砕石、土砂、
粘土等の建築用材料、人工材料、鉱物の1種若しくは2
種以上を混合した、膨張性及び固化性を有するスラグの
膨張性及び固化性を利用できるものを用いることがで
き、特に、エージング処理前の製鋼スラグと、エージン
グ処理後のスラグに強アルカリ物質を添加して用いるこ
とが好ましい。
【0023】ここで、強アルカリ物質としては、石膏、
水砕スラグ、高炉スラグ、セメント、廃コンクリート等
がある。この場合、具体的には、例えば、地下水位が高
い場合は、図3(a)に示すように、地下水位上のスラ
グ層5Aは、製鋼スラグ(100%)又は製鋼スラグ
(90%)+石膏(10%)、地下水位下のスラグ層5
Bは、製鋼スラグ(70%)+水砕スラグ(30%)、
また、地下水位が低い場合は、図3(b)に示すよう
に、上層のスラグ層5Cは、製鋼スラグ(90%)+石
膏(10%)、下層のスラグ層5Dは、製鋼スラグ(1
00%)の配合割合(配合割合は一例)で、スラグ層5
を、2層以上の層状に構成することが好適である。
【0024】このように、充填するスラグ5aに、膨張
性及び固化性を有するスラグを用いることにより、掘削
部4底面の地盤の緩みを一般の土砂よりも比重の重いス
ラグ5aで圧密することにより防止することができ、ま
た、施工後、充填した製鋼スラグ等の膨張性及び固化性
を有するスラグ5aが吸水し、膨張固化することによっ
て、緩んだ掘削部4底面の地盤を圧密にすることができ
るものとなる。また、産業廃棄物である製鋼スラグ等の
有効利用を図ることができ、循環型社会形成の促進に寄
与することができる。
【0025】なお、埋め戻し部7は、膨張性の小さいエ
ージング処理後の製鋼スラグや通常の土砂を用いて、埋
め戻すようにする。
【0026】この基礎地盤の施工法においては、既製杭
6の杭頭を地盤改良上端面から出さないようにすること
も、既製杭6の杭頭部を出すようにすることもできる。
そして、既製杭6の杭頭を地盤改良上端面から出さない
ようにすることにより、ベタ基礎として設計することが
できる。また、既製杭6の杭頭部を出すようにすること
により、独立基礎、連続基礎として設計することがで
き、施工費(セメント量)を軽減することができ、さら
に、図4に示すように、既製杭6の杭頭部を嵌挿する穴
91を形成したプレキャスト化した基礎梁9を、現場施
工により既製杭6の杭頭部に結合するようにすることも
でき、施工期間の短縮化を図ることができる。
【0027】この基礎地盤の施工法によれば、上部構造
物Aとして、例えば、中低層のビルや倉庫、あるいはス
ーパー等を建てることができる。
【0028】ところで、軟弱地盤での工法においては、
鉛直支持力を十分満たしている杭径でも、水平抵抗を増
大させるために杭径を大きくするか、杭の本数を増やす
必要があり、杭自体のコストや施工のコストアップが問
題となる。そこで、図5に示す本発明の基礎地盤の施工
法の変形実施例では、このようなコストアップを最小限
に押さえて、杭基礎の水平抵抗を効果的に増加させる。
そのための手段として、杭基礎の外周から水平方向にス
ラグ層幅を厚くし、強固な地盤を造成する。
【0029】すなわち、この変形実施例においては、図
1〜図2に示した実施例の構成から、スラグ層5の外周
をさらに掘削し、該掘削部内にさらにスラグ5aを充填
し締め固めて拡大スラグ層8を形成する。この拡大スラ
グ層8は、膨張性を有するエージング処理前の製鋼スラ
グを用いて構築することが望ましい。このようにして、
杭径を大きくするのではなく、より強固なスラグ層5と
杭頭部が一体化されて、杭径が実施的に増大されるの
で、水平抵抗を増大する。この場合、既製杭6の建て込
みは、スラグ層5の周囲に拡大スラグ層8を形成してか
ら行うことが望ましい。
【0030】ところで、上記各実施例は、上部構造物の
分布荷重が均一又は大きく違わない場合(上部構造物の
分布荷重を考慮しない場合)についてのものであるが、
上部構造物は、例えば、1つの建物でも部分的に高さが
異なったり、設置する重量設備の配置等によって、上部
構造物の分布荷重が大きく異なる場合がある。このよう
な場合には、図6に示すように、上部構造物Aの分布荷
重A1、A2に応じて、既製杭6の根入れ長を、分布荷
重A1、A2が大きい程長くしたり(図6(a))、既
製杭6の建て込み間隔を、分布荷重A1、A2が大きい
程狭くしたり(図6(b))、既製杭6の杭径を、分布
荷重A1、A2が大きい程太くしたり(図6(c))、
スラグ層5の層厚を、分布荷重A1、A2が大きい程厚
くする(この実施例においては、これに併せて、既製杭
6の根入れ長を、分布荷重A1、A2が大きい程長くし
ている)(図6(d))ことにより、1つの建物で部分
的に高さが異なったり、設置する重量設備の配置等によ
って、上部構造物Aの分布荷重A1、A2が異なる場合
にも、上部構造物Aの分布荷重A1、A2に応じた基礎
地盤を簡易に得ることができるものとなる。ところで、
既製杭6の根入れ長、既製杭6の建て込み間隔、既製杭
6の杭径及びスラグ層5の層厚は、上部構造物Aの分布
荷重A1、A2に応じて、いずれか1つ若しくは2つ以
上を組み合わせて変化させるようにすることができる。
【0031】以上、本発明の基礎地盤の施工法につい
て、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記
実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実
施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を
逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することが
できるものである。
【0032】
【発明の効果】本発明の基礎地盤の施工法によれば、掘
削部内で締め固めたスラグ層内に複数の既製杭を建て込
むことから、スラグ層とスラグを介して周辺地盤をさら
に締め固めることができ、これにより、スラグ層と杭と
が一体化された強固なスラグ層地盤を造成して、杭の支
持力とスラグ層の接地圧、さらには、一般の土砂よりも
スラグ層の内部摩擦抵抗が大きいので大きな水平抵抗力
により、建物等の上部構造物を安定して支持できる。そ
して、杭頭を地盤改良上端面から出さないことにより、
ベタ基礎として設計することができ、また、杭頭部を出
すことにより、独立基礎、連続基礎として設計すること
ができ、施工費(セメント量)を軽減することができ、
さらに、プレキャスト化した基礎梁を現場施工により杭
頭部に結合するようにすることもでき、施工期間の短縮
化を図ることができる。これによって、上部構造物を確
実に支持できる経済的な基礎を低廉に造成することがで
きる。
【0033】また、スラグ層内に、スラグ層の深さの略
1/5〜2/3の根入れ長(有効長さ)を有する既製杭
を建て込むことにより、有効杭長が地盤改良深さの略1
/5〜2/3と短いことから、杭芯ズレがなく、天端も
正確で管理が容易であり、小型杭打機やバックホウ等で
も建て込みが行え、狭小場所でも施工することができ
る。そして、杭を打たないベタ基礎では上部構造物の外
周と中心部では鉛直地中応力に差異が生じ不同沈下の原
因につながるが、杭を複数建て込むことにより、鉛直地
中応力が均一になるので不同沈下を防止することができ
る。
【0034】また、上部構造物の分布荷重に応じて、基
礎地盤内で、既製杭の根入れ長、既製杭の建て込み間
隔、既製杭の杭径及びスラグ層の層厚のうちいずれか1
つ若しくは2つ以上を変化させるようにすることによ
り、1つの建物で部分的に高さが異なったり、設置する
重量設備の配置等によって、上部構造物の分布荷重が異
なる場合にも、上部構造物の分布荷重に応じた基礎地盤
を簡易に得ることができる。
【0035】また、スラグに散水しながら締め固めるよ
うにしたり、スラグ層を複数の積層された層から構成す
ることにより、スラグ層を十分に締め固めることがで
き、地盤の性状に応じたスラグを適合させて、より強固
なスラグ層地盤を造成することができる。
【0036】また、スラグに、膨張性及び固化性を有す
るスラグを用いることにより、掘削部底面の地盤の緩み
を一般の土砂よりも比重の重いスラグで圧密することに
より防止することができ、また、施工後、充填した製鋼
スラグ等の膨張性及び固化性を有するスラグが吸水し、
膨張固化することによって、緩んだ掘削部底面の地盤を
圧密にすることができるものとなる。また、産業廃棄物
である製鋼スラグ等の有効利用を図ることができ、循環
型社会形成の促進に寄与することができる。この膨張性
及び固化性を有するスラグとしては、製鋼スラグ、ゴミ
焼却スラグ、汚泥スラグの1種若しくは2種以上の混合
物を用いることができ、さらに、膨張性及び固化性を有
するスラグは、単独で用いるほか、これに、膨張性を消
失した製鋼スラグ、高炉スラグ、フェロアロイスラグ、
水砕スラグ、銅製錬スラグ、赤泥、フライアッシュ、ゴ
ミ焼却灰、ガラス破砕物、廃石膏、コンクリート廃材等
の産業廃棄物、石膏、生石灰、セメント、砕石、土砂、
粘土等の建築用材料、人工材料、鉱物の1種若しくは2
種以上を混合した、膨張性及び固化性を有するスラグの
膨張性及び固化性を利用できるものを用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎地盤の施工法の一実施例を示す縦
断面図である。
【図2】同実施例の基礎地盤の施工法を示す工程図であ
る。
【図3】本発明の基礎地盤の施工法において、スラグ層
を層状に構成した実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の基礎地盤の施工法において、プレキャ
スト化した基礎梁を使用した実施例を示し、(a)は縦
断面図、(b)プレキャスト化した基礎梁の斜視図であ
る。
【図5】本発明の基礎地盤の施工法の変形実施例を示
し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A線断面
図である。
【図6】本発明の基礎地盤の施工法において、上部構造
物の分布荷重を考慮した実施例の縦断面図を示し、
(a)は既製杭の根入れ長を、(b)は既製杭の建て込
み間隔を、(c)は既製杭の杭径を、(d)はスラグ層
の層厚及び既製杭の根入れ長を変化させた説明図であ
る。
【符号の説明】
1 表層 2 支持地盤 3 軟弱地盤 3a 土砂 4 掘削部 5 スラグ層 5a スラグ 6 既製杭 7 埋め戻し部 8 拡大スラグ層 9 プレキャスト化した基礎梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E02D 27/34 E02D 27/34 Fターム(参考) 2D041 AA02 BA13 BA52 CA03 CA04 DB02 DB03 FA02 FA12 2D043 CA01 CA15 EA04 EA05 2D046 CA01 DA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物を建設する地盤全体を表層か
    ら上部構造物を支持できる地盤まで掘削し、該掘削部内
    にスラグを充填し締め固めてスラグ層を形成するととも
    に、該スラグ層内に複数の既製杭を建て込むことを特徴
    とする基礎地盤の施工法。
  2. 【請求項2】 スラグ層内に、スラグ層の深さの略1/
    5〜2/3の根入れ長を有する既製杭を建て込むことを
    特徴とする請求項1記載の基礎地盤の施工法。
  3. 【請求項3】 上部構造物の分布荷重に応じて、基礎地
    盤内で、既製杭の根入れ長、既製杭の建て込み間隔、既
    製杭の杭径及びスラグ層の層厚のうちいずれか1つ若し
    くは2つ以上を変化させるようにすることを特徴とする
    請求項1又は2記載の基礎地盤の施工法。
  4. 【請求項4】 スラグに散水しながら締め固めることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の基礎地盤の施工
    法。
  5. 【請求項5】 スラグ層を複数の積層された層から構成
    することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の基
    礎地盤の施工法。
  6. 【請求項6】 スラグに、膨張性及び固化性を有するス
    ラグを用いることを特徴とする請求項1、2、3、4又
    は5記載の基礎地盤の施工法。
  7. 【請求項7】 膨張性及び固化性を有するスラグが、製
    鋼スラグ、ゴミ焼却スラグ、汚泥スラグの1種若しくは
    2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項6記
    載の基礎地盤の施工法。
  8. 【請求項8】 膨張性及び固化性を有するスラグに、膨
    張性を消失した製鋼スラグ、高炉スラグ、フェロアロイ
    スラグ、水砕スラグ、銅製錬スラグ、赤泥、フライアッ
    シュ、ゴミ焼却灰、ガラス破砕物、廃石膏、コンクリー
    ト廃材等の産業廃棄物、石膏、生石灰、セメント、砕
    石、土砂、粘土等の建築用材料、人工材料、鉱物の1種
    若しくは2種以上を混合した、膨張性及び固化性を有す
    るスラグの膨張性及び固化性を利用できるものであるこ
    とを特徴とする請求項6又は7記載の基礎地盤の施工
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101088357B1 (ko) * 2011-03-10 2011-12-01 주식회사 에이스올 그물망 마이크로 기초공법
CN102720184A (zh) * 2012-06-28 2012-10-10 中铁十六局集团第五工程有限公司 控制顶进箱式小桥软基处理工后沉降的方法
KR101830257B1 (ko) * 2015-10-22 2018-02-21 주식회사 이피에스이앤이 폐석고를 포함한 고화재를 이용하는 공유수면 매립 방법

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